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発明の名称 洗浄装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−37815(P2007−37815A)
公開日 平成19年2月15日(2007.2.15)
出願番号 特願2005−226437(P2005−226437)
出願日 平成17年8月4日(2005.8.4)
代理人 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄
発明者 宮内 隆 / 藤井 裕幸
要約 課題
安価な構成で、霧化した高濃度の洗剤液を注入充満させ、その洗剤液の化学力を利用して浴槽や浴室を洗浄する浴室の洗浄装置を提供する。

解決手段
被洗浄物としての浴槽2や浴室14全体の中に洗剤成分を含んだミスト7を注入するように霧化装置8を配置したものであり、それらの被洗浄物に対して、霧化した高濃度の洗剤液を注入、充満させ、その洗剤液の化学力を利用して被洗浄物の洗浄を行うことにより、少量の水と電力で被洗浄物の洗浄を行うことができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
浴室内に設けられた浴槽の中に洗剤成分を含んだミストを注入するように霧化装置を配置した洗浄装置。
【請求項2】
洗剤成分を含んだミストが浴槽を充満するような量を発生する霧化装置を配置した請求項1記載の洗浄装置。
【請求項3】
洗剤成分を含んだミストが浴室全体を充満するような量を発生する霧化装置を配置した請求項1記載の洗浄装置。
【請求項4】
洗剤成分を含んだミストを充満させた後に、シャワーを噴射するための給水噴射手段を有する請求項1〜3のいずれか1項記載の洗浄装置。
【請求項5】
所定の時刻に洗剤成分を含んだミストを浴槽の中、あるいは浴室全体に注入するように霧化装置を配置した請求項1〜4のいずれか1項記載の洗浄装置。
【請求項6】
霧化装置は、霧化用振動子と、前記霧化用振動子の振動面側に液体を封入した容器とを備え、前記封入した液体と容器を介して容器外側の霧化用液体を霧化するよう構成した請求項1〜5のいずれか1項記載の洗浄装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽を有する浴室内を洗浄する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の浴室においては、浴槽は普通は洗剤液を用いて人がこすって汚れを洗浄するのが一般的である。
【0003】
また、自動的に浴槽や洗い場を洗浄することができるような洗浄システムも提案されている。それは、図4に示すように、浴室1内に設けられた浴槽2に対して、洗剤を散布するためにポンプ(洗剤噴霧手段)3を用いて洗剤ノズル(洗剤噴霧手段)4から、洗剤を全体的に散布し、浴槽2の汚れを浮かす。その後に、放水ノズル(散水手段)5により上水をシャワーとして散水し、汚れと洗剤成分を洗い流すという構成である(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−216068号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような構成では、洗剤液を噴霧するための洗剤噴霧手段や汚れや洗剤成分を洗い流すための上水を噴射するための散水手段が必要である。
【0005】
これらの装置は、浴槽内あるいは浴室全体に洗剤液や上水を満遍なくかけるためには、その噴射のためにそれぞれの液に圧力をかけるポンプや全体にかけるための噴射口を移動、回転させる駆動装置やそれぞれの配管などといったかなりの設備が必要となる。また、その制御も複雑になってくる。
【0006】
また、洗剤噴霧手段は、噴霧口からかなり大きな粒径の洗剤液を噴射するので、その洗剤液は飛散の方向性を持ち、浴槽内あるいは浴室全体に満遍なく噴霧するのが難しいという課題があった。
【0007】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、被洗浄物としての浴槽の中、あるいは浴室全体に、霧化した高濃度の洗剤液を注入、充満させ、その洗剤液の化学力を利用して被洗浄物の洗浄を行うことにより、少量の上水、洗剤液と電力で浴槽の洗浄を行うことができる。また、本発明の霧化した高濃度の洗剤液は粒径の比較的小さなもので、空気中を浮遊するのでいかなるところにも回り込んで付着することができる。安価な構成で、浴槽や浴室を洗浄する浴室の洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、浴室内に設けられた浴槽の中に洗剤成分を含んだミストを注入するように霧化装置を配置したものである。
【0009】
これにより、浴槽内を簡単に洗浄できる。これは、シンクの中に洗剤成分を含んだミストを注入し、充満させることによって、前記浴槽や浴室といった被洗浄物に対して洗剤成分を含んだミストを付着させ、所定時間放置しておけば洗剤の化学力により、被洗浄物に付着している汚れが浮き出し、被洗浄物からはがれやすくなる。その状態で、上から上水のシャワーを噴射することにより浮き出した汚れをはがし落とすことができるものである。
【0010】
ここで、洗剤成分を含んだ粒径の非常に小さいミストは、汚れに対して付着する際に、その汚れに対して穴を開けていき、汚れの内部に洗剤成分を挿入することができる。したがって、汚れと被洗浄物との境界に洗剤成分を有効に使用することができるので、通常の洗剤液をかけるよりも汚れを浮き上げるという効果が大きい。特に、膜となった油の汚れに対しては、非常に効果がある。
【0011】
ここで洗剤成分を含んだミストについて説明しておくと、少量の洗剤液を超音波振動子で霧化させることにより発生することができる。したがって、大量の水を使用することもなく、また、加熱することもなく、非常に少量の電力によって洗浄を行うことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の洗浄装置は、被洗浄物としての浴槽あるいは浴室全体の中に洗剤成分を含んだミストを注入するように霧化装置を配置したものであり、それらの被洗浄物に対して、霧化した高濃度の洗剤液を注入、充満させ、その洗剤液の化学力を利用して被洗浄物の洗浄を行うことにより、少量の水と電力で被洗浄物の洗浄を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
第1の発明は、浴室内に設けられた浴槽の中に洗剤成分を含んだミストを注入するように霧化装置を配置したものであり、少量の洗剤液を超音波振動子で霧化させることにより洗剤成分を含んだミストを発生させ、浴槽内へ注入することができる。その洗剤液の化学力を利用して浴槽内の洗浄を行うことにより、少量の水と電力で被洗浄物の洗浄を行うことができる。
【0014】
第2の発明は、上記第1の発明において、洗剤成分を含んだミストが浴槽を充満するような量を発生する霧化装置を配置したものであり、浴槽内全体にわたって洗浄するためにも、その中を十分に充満させることが有効であるので効率的に浴槽内の洗浄を行うことができる。
【0015】
第3の発明は、上記第1の発明において、洗剤成分を含んだミストが浴室全体を充満するような量を発生する霧化装置を配置したものであり、浴室内全体にわたって洗浄するためにも、その中を十分に充満させることが有効であるので効率的に浴槽内の洗浄を行うことができる。
【0016】
第4の発明は、上記第1〜第3の発明において、洗剤成分を含んだミストを充満させた後に、シャワーを噴射するための給水噴射手段を有するものであり、洗剤成分を含んだミストにより、被洗浄物から汚れを浮かした後、シャワーの噴射により汚れを簡単にはがすことができる。
【0017】
第5の発明は、上記第1〜第4の発明において、所定の時刻に洗剤成分を含んだミストを浴槽の中、あるいは浴室全体に注入するように霧化装置を配置したもので、たとえば、毎晩、最後の人が入浴した後の所定時間に、霧化装置を駆動すれば、人のいないときに洗剤成分の含んだミストを利用し、浴槽内あるいは浴室全体の汚れを浮かしておくことができる。これは、洗剤成分の含んだミストは非常に軽いので、人が動いただけでその浮遊状態が変わり、必要な汚れのあるところの洗剤成分の含んだミストがなくなるのを防ぐことができる。また、毎日確実に洗浄することで、浴槽内あるいは浴室全体を常にきれいな状態に保つことができる。
【0018】
第6の発明は、上記第1〜第5の発明において、霧化装置は、霧化用振動子と、前記霧化用振動子の振動面側に液体を封入した容器とを備え、前記封入した液体と容器を介して容器外側の霧化用液体を霧化するよう構成したものであり、霧化用振動子が、直接、洗剤液に触れないようにすることにより、いろいろな洗剤液が使用されたり、スケール分等が多い井戸水等においても、霧化用振動子の表面に洗剤の特定の成分や無機質分が直接付着することがないので、その動作に影響を与える事が無く、本来の目的である液体の霧化を長期間に亘って安定的に行うことができる。
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0020】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における、洗剤成分を含んだミストを発生させる霧化装置を組み込んだ浴槽の洗浄装置を示す断面図である。また、図2は、同洗浄装置の洗剤成分を含んだミストを発生させる霧化発生部の拡大断面図である。
【0021】
図1、図2において、浴室1内に設けられた浴槽2に対して、霧化発生部6で洗剤成分を含んだミスト7を発生させて、洗剤成分を含んだミスト7を注入できるように構成している。
【0022】
霧化発生部6の具体的構成は、図2に示すように、霧化発生部6の底部に霧化装置8を配置する。霧化装置8の上方は、液溜め部9としてここに洗剤液を溜めておく。洗剤液を作る為に、霧化発生部6の天面は、洗剤投入の為の投入フタ10として、ユーザーに開けてもらいここから液溜め部9へ洗剤を投入してもらう。
【0023】
洗剤液を作り、それを霧化する為には適正な水位の洗剤液にすることが重要である。したがって、上水から分岐して自動的に上水を供給するための給水弁11と水位センサー(図示していない)を配置し、液溜め部9に適正な量の水を供給できるようにする。
【0024】
次に、霧化装置8は、液体8aを封入した容器8bと、容器8bの底部に配置され超音波振動子からなる霧化用振動子8cから構成されている。容器8bの、霧化用振動子8cと対向する位置に有る天面8dは、霧化用振動子8cが駆動された時に、液体8aを介して霧化用振動子8cから伝播された振動で振動する振動面となる。天面8dは、洗剤液の成分に対して影響を受けない材質で、振動しやすい樹脂により形成する。
【0025】
上記構成における霧化装置8により、霧化発生部6で洗剤分を含んだミスト7を発生する為の動作、作用を説明する。
【0026】
まず、ユーザーに投入フタ10から洗剤を投入してもらう。電源をいれ、スタートしてもらうと、給水弁11と水位センサーにより適正な水位の洗剤液を作る。
【0027】
次に、霧化用振動子8cを駆動すると、霧化用振動子8cの振動が液体8aを経て天面8dに伝播され、天面8dが振動し、天面8d上の洗剤液が霧化されて洗剤成分を含んだミスト7を発生する。
【0028】
ここで、洗剤は、浴槽用の洗剤を適当に選択してもらえれば良い。また、漂白を行いたい場合においては、漂白剤を用いてもかまわない。
【0029】
また、洗剤成分を含んだミスト7として飛散、浮遊させるため、少ない上水によって希釈するため、その濃度は本来説明されている濃度より濃いものを使用しても使用する洗剤量が極端に増えることはないし、扱いにくいこともない。また、高濃度のものは洗浄にたいしても有効であることが多い。ここで、液体の洗剤であり、霧化ができれば、洗剤の原液を用いてもかまわない。
【0030】
以上のように、本実施の形態によれば、霧化装置8の霧化用振動子8cの上側は、容器8b内に封入された液体8aに触れるだけで、霧化用振動子8cの表面が洗剤液と直接触れることはない。したがって、いろいろな化学成分に対して問題のない材料で構成する天面8dをその洗剤液に臨むように霧化装置8を搭載しても、霧化用振動子8cが故障したり、霧化用振動子8cの動作に影響を与えて霧化量の著しい低下を招いたりすることなく、長期にわたって、安定して霧化することができる。
【0031】
また、使用する水に対しても、井戸水などの非常に硬度が高い水を使用する場合においても、霧化用振動子8cの表面に無機質分が付着したり、その動作に影響を与える事が無く、本来の目的である液体の霧化を長期間に亘って安定的に行うことができる。
【0032】
次に、浴槽2の周辺の構成について説明する。浴槽2に対して連通させてある霧化発生部6および給水弁11を配置している。また、洗剤成分の含んだミスト7の噴霧後、汚れを洗い流す為のシャワーを噴射する給水噴射手段12も配置する。
【0033】
給水噴射手段12は、上水から分岐し、その噴射を制御する為の噴射用給水弁12aと浴槽2に対して実際に噴射する噴射ノズル12bおよびその配管を備えている。また、霧化装置8や給水噴射手段12を制御するための制御手段13も配置している。
【0034】
これらの構成による動作、作用を説明する。
【0035】
まず、浴槽2の洗浄を行う場合、霧化発生部6の上の投入フタ10を開け、所定量の洗剤を投入する。洗剤を投入した後で、霧化装置8を駆動し、洗剤成分を含んだミスト7を発生させる。この時の洗剤成分を含んだミスト7の発生量は、浴槽2を十分に充満する発生量の能力を持ったものとしている。被洗浄物である浴槽2の全ての部分に洗剤成分の含んだミスト7を付着させる。洗剤成分を含んだ非常に軽いミストでも、徐々に沈降するので、常に浴槽2内に洗剤成分を含んだミスト7を充満させておくように、以降も間欠的に霧化装置8を駆動しておく。そして、洗剤成分が浴槽2の汚れに作用し、汚れが浴槽2から浮き上がるまで放置しておく。
【0036】
次は、浮き上がった汚れを、シャワーの噴射により洗い流す必要がある。浴槽2の適所に複数配置している給水噴射手段12を用いて、浴槽2内に上水をかけて汚れを洗い流す。このようにして、簡単に浴槽2内の洗浄を行うことができる。
【0037】
また、制御手段13に予約機能を搭載することで、所定の時刻に浴槽2の掃除を自動的に行うことができる。あらかじめ、必要回数の洗剤液の量を霧化発生部6に溜めておき、通常ユーザーが風呂を使用する時間後の所定の時刻に霧化装置8や給水噴射手段12を動作させる。これにより、手間も要らずに、常に浴槽2を掃除し、きれいな状態に保つことができる。
【0038】
ここで、浴槽2の洗浄に対して、オール自動としての洗浄装置を説明しているが、浴槽2の洗浄で大変なのは、人が洗剤を用いて浴槽2内をこすって洗浄することである。本発明の洗浄装置において、洗剤成分の含んだミスト7を発生させて、浴槽2内の汚れを浮き上がらせるまでの洗浄装置としても、後は人が上水のシャワーをかけるだけで簡単に浴槽2内を洗浄できるので十分にメリットがある。また、汚れを洗い流す為の給水噴射手段12は、全体をうまく洗う為に構成が複雑になるので、このように洗剤成分の含んだミスト7を発生させるだけの洗浄装置のほうが安価で簡単に扱うことができる。
【0039】
以上のように、本実施の形態においては、浴槽2の中に十分に充満する洗剤成分を含んだミスト7を注入するように霧化装置8を配置したものであり、浴槽2内の汚れに対して、洗剤成分を含んだミスト7での洗剤分の付着後、放置し、洗剤の化学作用により汚れが浮いた状態で、給水噴射手段12により浴槽2内の汚れを洗い流すことにより、簡単に洗浄を行うことができる。
【0040】
なお、洗剤成分を含んだミスト7の粒径は、発明者らが実験により確認したところによると、数μm程度を分布の中心としたミクロンオーダーとした場合が、洗浄効果にとって好適であったが、これに限定されるものではない。
【0041】
(実施の形態2)
図3は、本発明の第2の実施の形態における、洗剤成分を含んだミスト7を発生させる霧化装置8を組み込んだ浴室の洗浄装置を示す断面図である。
【0042】
図3において、浴室14に対して、霧化発生部6で洗剤成分を含んだミスト7を発生させて、洗剤成分を含んだミスト7を浴室14内に注入できるように構成している。
【0043】
霧化発生部6の具体的構成は、実施の形態1と同様のものである。ただし、洗浄をする空間は、浴槽に比べて非常に広いので、霧化装置8の能力は実施の形態1に比べて大きいものを必要とする。
【0044】
また、洗剤成分を含んだミスト7は、前述したように沈降するので、浴室14内の全体に満遍なく付着する為に循環ファン(図示していない)を用いている。
【0045】
また、給水噴射手段12、制御装置(図示しない)も実施の形態1と同様の構成であるが、これらも広い部分を洗う為に噴射ノズルの数量の適正化、または移動可能とすることにより、浴室14内の汚れを効率よく洗い流すことができる。
【0046】
これらの構成による動作、作用は、その洗浄に対して、実施の形態1と全く同様であるので、説明を省略する。
【0047】
以上のように、本実施の形態においては、浴室14の中に十分に充満する洗剤成分を含んだミスト7を注入するように霧化装置8を配置したものであり、浴室14内の汚れに対して、洗剤成分を含んだミスト7での洗剤分の付着後、放置し、洗剤の化学作用により汚れが浮いた状態で、給水噴射手段12により浴室14内の汚れを洗い流すことにより、簡単に洗浄を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
以上のように、本発明にかかる洗浄装置は、被洗浄物としての浴槽あるいは浴室の中に洗剤成分を含んだミストを注入するように霧化装置を配置したもので、被洗浄物を簡単に洗浄することができるので、浴槽あるいは浴室に広く適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施の形態1における洗浄装置を示す断面図
【図2】同洗浄装置の霧化装置の拡大断面図
【図3】本発明の実施の形態2における洗浄装置を示す斜視図
【図4】従来の浴室の洗浄システムの斜視図
【符号の説明】
【0050】
2 浴槽
6 霧化発生部
7 洗剤成分の含んだミスト
8 霧化装置
8a 液体
8b 容器
8c 霧化用振動子
12 給水噴射手段
14 浴室




 

 


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