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発明の名称 炊飯器
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−29142(P2007−29142A)
公開日 平成19年2月8日(2007.2.8)
出願番号 特願2005−212489(P2005−212489)
出願日 平成17年7月22日(2005.7.22)
代理人 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄
発明者 中西 邦行 / 三島 基道 / 大矢 弘
要約 課題
保温ご飯の乾燥を低減するために蒸気を鍋内に投入しても、蒸気投入に伴い生じる結露を低減して、ご飯のふやけや白化を低減し、保温ご飯の食味を向上した保温性能の高い炊飯器を提供することを目的とする。

解決手段
加熱手段7および蒸気発生手段5を制御する制御手段9は、ご飯の温度を所定温度に保持する保温コースを有し、保温コースは自動的にご飯温度を所定温度以上に上昇させる間欠加熱工程を有し、間欠加熱工程において制御手段9は加熱手段7により鍋2を加熱した後に蒸気発生手段5を動作させるようにしたものである。これによって、蒸気投入時には鍋2の温度が上昇しているため、蒸気投入に伴い生じる結露を低減でき、ご飯のふやけや白化を低減し、保温ご飯の食味を向上した保温性能の高いものとなる。
特許請求の範囲
【請求項1】
米と水を収容する鍋と、前記鍋を加熱する加熱手段と、前記鍋の上方開口部を覆う蓋と、前記鍋に連通接続された蒸気発生手段と、前記加熱手段および前記蒸気発生手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段はご飯の温度を所定温度に保持する保温コースを有し、前記保温コースは自動的にご飯温度を所定温度以上に上昇させる間欠加熱工程を有し、前記間欠加熱工程において前記制御手段は前記加熱手段により前記鍋を加熱した後に前記蒸気発生手段を動作させる炊飯器。
【請求項2】
制御手段は、間欠加熱工程において蒸気発生手段を動作させた後に、加熱手段を動作させて鍋を加熱する請求項1に記載の炊飯器。
【請求項3】
炊飯する米の種類や量に応じて蒸気量を変化させた複数の炊飯コースを有し、蒸気量を多く使用する炊飯コースで炊飯を行った場合には、制御手段は間欠加熱工程での蒸気発生手段の動作を制限する請求項1または2に記載の炊飯器。
【請求項4】
蒸気発生手段に貯留した水量を検知する水量検知手段を備え、水量不足を検知すると制御手段は間欠加熱工程での蒸気発生手段の動作を制限する請求項1〜3のいずれか1項に記載の炊飯器。
【請求項5】
少量の炊飯量に適した少量炊飯コースを有し、前記少量炊飯コースで炊飯を行った場合には、他の炊飯コースのときよりも間欠加熱工程において投入する蒸気量を多くする請求項1〜4のいずれか1項に記載の炊飯器。
【請求項6】
鍋内のご飯の重量を検知する重量検知手段を備え、ご飯の重量に合わせて間欠加熱工程において投入する蒸気量を変化させる請求項1〜5のいずれか1項に記載の炊飯器。
【請求項7】
保温中のご飯を加熱手段および蒸気発生手段を動作させて再加熱する再加熱コースと、前記再加熱コースを開始する再加熱入力手段とを備え、間欠加熱工程において蒸気を投入した直後に前記再加熱入力手段により前記再加熱コースが開始された場合には、前記再加熱コースで投入する蒸気量を通常の再加熱時より低減する請求項1〜6のいずれか1項に記載の炊飯器。
【請求項8】
ご飯の温度を所定温度に保持する保温コースよりも高い温度に保持する第2の保温コースを有し、この第2の保温コースでは制御手段は予め定められた時間に自動的に蒸気発生手段を動作させる請求項1〜7のいずれか1項に記載の炊飯器。
【請求項9】
使用者が予め保温中のご飯を再加熱する時間を入力する再加熱予約入力手段と、入力された前記時間に合わせて自動的にご飯を再加熱する再加熱予約プログラムとを有し、再加熱が予約された場合には、間欠加熱工程を再加熱工程に合わせて実施する請求項1〜8のいずれか1項に記載の炊飯器。
【請求項10】
蓋開放検知手段を備え、蓋が閉まったことを検知後に制御手段は蒸気発生手段を動作させる請求項1〜9のいずれか1項に記載の炊飯器。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸気を用いて炊き上がったご飯を保温する炊飯器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、保温工程中のご飯に蒸気を接触させ、乾燥したご飯に水分を補給することができるようにした炊飯器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この炊飯器では、ご飯の上方から蒸気を接触させることで、鍋によりご飯の下方から加熱することと組み合わせると、鍋によるご飯の加熱のみでご飯を保温することに比べてより均一にご飯の温度を維持することができる。そのため、ご飯の温度が部分的に上昇しすぎて硬くなったり、乾燥したりすることを低減することができ、保温ご飯のおいしさを維持することができる。
【特許文献1】特開2004−57545号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の構成では、保温工程中に蒸気を投入することで、鍋に結露が生じてしまう。鍋はご飯を加熱し過ぎて乾燥させないように、ご飯温度に対して約5℃程度の差以内の温度にとどめておく必要がある。そのため、鍋の温度は100℃より低い温度となっているため、100℃の蒸気は鍋に接触すると熱を吸収されて液化し、鍋に結露が生じることになる。これらの結露は落下してご飯の鍋付近の部分に集中して水分を与える。そのため、鍋付近のご飯は水を大量に含んでふやけた状態となり、見た目も悪く食味が低下してしまうという課題があった。特に、ご飯温度を60℃など低い温度で保温していると、鍋温度も低下しているため、鍋が蒸気から吸収できる熱量も増加して多量の蒸気が液化されてしまい、結露量は増加し、さらにご飯のふやけが増し、食味も低下してしまうものである。
【0005】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、保温ご飯の乾燥を低減するために蒸気を鍋内に投入しても、蒸気投入に伴い生じる結露を低減して、ご飯のふやけや白化を低減し、保温ご飯の食味を向上した保温性能の高い炊飯器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記従来の課題を解決するために、本発明の炊飯器は、加熱手段および蒸気発生手段を制御する制御手段は、ご飯の温度を所定温度に保持する保温コースを有し、保温コースは自動的にご飯温度を所定温度以上に上昇させる間欠加熱工程を有し、間欠加熱工程において制御手段は加熱手段により鍋を加熱した後に蒸気発生手段を動作させるようにしたものである。
【0007】
これによって、蒸気投入時には鍋の温度が上昇しているため、蒸気投入に伴い生じる結露を低減でき、ご飯のふやけや白化を低減し、保温ご飯の食味を向上した保温性能の高いものとなる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の炊飯器は、蒸気投入に伴い生じる結露を低減でき、ご飯のふやけや白化を低減し、保温ご飯の食味を向上した保温性能の高いものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
第1の発明は、米と水を収容する鍋と、前記鍋を加熱する加熱手段と、前記鍋の上方開口部を覆う蓋と、前記鍋に連通接続された蒸気発生手段と、前記加熱手段および前記蒸気発生手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段はご飯の温度を所定温度に保持する保温コースを有し、前記保温コースは自動的にご飯温度を所定温度以上に上昇させる間欠加熱工程を有し、前記間欠加熱工程において前記制御手段は前記加熱手段により前記鍋を加熱した後に前記蒸気発生手段を動作させる炊飯器とすることにより、蒸気投入時には鍋の温度が上昇しているため、蒸気投入に伴い生じる結露を低減でき、ご飯のふやけや白化を低減し、保温ご飯の食味を向上した保温性能の高いものとなる。
【0010】
第2の発明は、特に、第1の発明において、制御手段は、間欠加熱工程において蒸気発生手段を動作させた後に、加熱手段を動作させて鍋を加熱することにより、鍋が100℃以下のため付着してしまう結露に対して、鍋を加熱することで付着した結露を再蒸発させて結露量をさらに低減し、ご飯の白化・ふやけというご飯の劣化を低減し、さらに保温性能を向上させることが可能となる。
【0011】
第3の発明は、特に、第1または第2の発明において、炊飯する米の種類や量に応じて蒸気量を変化させた複数の炊飯コースを有し、蒸気量を多く使用する炊飯コースで炊飯を行った場合には、制御手段は間欠加熱工程での蒸気発生手段の動作を制限することにより、使用者は保温中のご飯を食べるのに最適な約90℃まで蒸気を投入してご飯を加熱する再加熱を行う際に、蒸気発生手段中の水が不足することを低減し、使用者が保温中に蒸気発生用の水を追加することなく再加熱を実施することが可能となるので、保温性能を向上するとともに使い勝手を維持することが可能となる。
【0012】
第4の発明は、特に、第1〜第3のいずれか1つの発明において、蒸気発生手段に貯留した水量を検知する水量検知手段を備え、水量不足を検知すると制御手段は間欠加熱工程での蒸気発生手段の動作を制限することにより、使用者が炊飯前に所定の水を入れ忘れた場合などでも自動的に水量不足を検知して、使用者が保温中に蒸気発生用の水を追加することなく再加熱を実施することが可能となるので、保温性能を向上するとともに使い勝手を維持することが可能となる。
【0013】
第5の発明は、特に、第1〜第4のいずれか1つの発明において、少量の炊飯量に適した少量炊飯コースを有し、前記少量炊飯コースで炊飯を行った場合には、他の炊飯コースのときよりも間欠加熱工程において投入する蒸気量を多くすることにより、ご飯が少量で鍋内の空間が大きい場合でも、この鍋内空間に充満してご飯を確実に加熱することができるため、少量のご飯の保温でも保温性能を向上させることが可能となる。
【0014】
第6の発明は、特に、第1〜第5のいずれか1つの発明において、鍋内のご飯の重量を検知する重量検知手段を備え、ご飯の重量に合わせて間欠加熱工程において投入する蒸気量を変化させることにより、ご飯重量から鍋内の空間に充満する蒸気量を推測し、容量に関わらず最適な蒸気量を投入することができるので、保温性能を向上させることが可能となる。
【0015】
第7の発明は、特に、第1〜第6のいずれか1つの発明において、保温中のご飯を加熱手段および蒸気発生手段を動作させて再加熱する再加熱コースと、前記再加熱コースを開始する再加熱入力手段とを備え、間欠加熱工程において蒸気を投入した直後に前記再加熱入力手段により前記再加熱コースが開始された場合には、前記再加熱コースで投入する蒸気量を通常の再加熱時より低減することにより、既に十分加熱されているご飯に対して、約60℃あるいは約70℃の保温中のご飯を食べるのに最適な約90℃まで蒸気を投入してご飯を加熱する再加熱を実施するとご飯を加熱しすぎてしまい、また蒸気を投入しすぎて多量の結露が生じてしまうため、間欠加熱工程において蒸気投入を行った直後には、蒸気量を低減して余分に蒸気を入れすぎないことで、再加熱性能を向上させることが可能となる。
【0016】
第8の発明は、特に、第1〜第7のいずれか1つの発明において、ご飯の温度を所定温度に保持する保温コースよりも高い温度に保持する第2の保温コースを有し、この第2の保温コースでは制御手段は予め定められた時間に自動的に蒸気発生手段を動作させることにより、例えば、ご飯量が多い場合などは雑菌の繁殖を抑えるために約75℃に保持する第2の保温コースへと移行するが、このような保温コースでも蒸気を投入することで、ご飯を保湿することができるので、保温性能を向上させることが可能となる。
【0017】
第9の発明は、特に、第1〜第8のいずれか1つの発明において、使用者が予め保温中のご飯を再加熱する時間を入力する再加熱予約入力手段と、入力された前記時間に合わせて自動的にご飯を再加熱する再加熱予約プログラムとを有し、再加熱が予約された場合には、間欠加熱工程を再加熱工程に合わせて実施することにより、ご飯の加熱回数を低減し、ご飯の乾燥を低減することができると同時に、ご飯を加熱することで雑菌の繁殖を抑える機能も維持することで、より保温性能を向上させることが可能となる。
【0018】
第10の発明は、特に、第1〜第9のいずれか1つの発明において、蓋開放検知手段を備え、蓋が閉まったことを検知後に制御手段は蒸気発生手段を動作させることにより、蓋を開くと鍋内の蒸気が空気中へ散逸し、蓋を閉めた後には鍋内に乾燥空気が充満していることから、ご飯はさらに乾燥しやすくなっているため、蓋が閉まったことを検知後に蒸気を投入することでご飯の乾燥を低減し、さらに保温性能を向上させることが可能となる。
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0020】
(実施の形態)
図は、本発明の実施の形態における炊飯器を示すものである。
【0021】
図1において、炊飯器本体1は、内部に米と水を収納する鍋2と、鍋2の上方開口部を覆う蓋3と、蓋3に固定され鍋2開口部を密閉する内蓋4と、蒸気を発生させる蒸気発生手段5と、発生した蒸気を鍋2まで誘導する蒸気経路6とを有している。蒸気経路6は、蓋3内に固定または着脱可能に設けられており、蒸気発生手段5と鍋2とを連通接続している。
【0022】
炊飯器本体1内には、鍋2を加熱する、誘導コイルまたは電熱ヒータなどからなる加熱手段7と、鍋2の温度を測定するためにバネ(図示せず)により鍋2に付勢された鍋温度検知手段8と、加熱手段7および蒸気発生手段5を制御する制御手段9とが設置されている。蓋3には鍋2内の余分な蒸気を炊飯器本体1外へと排出するための蒸気筒10と、内蓋4の温度を検知する蓋温度検知手段11と、内蓋4を加熱するための蓋加熱手段12が設置されている。内蓋4には、蒸気経路6と接続された蒸気投入孔13を設けている。なお、制御手段9は炊飯器本体1内ではなく蓋3内に設置してもよい。また、蒸気投入孔13は、単一の孔でも、複数の孔でも、蒸気の流速がご飯の底まで届くのに必要な流速以下にならないような孔の総面積であれば、孔数は限定しない。
【0023】
蒸気発生手段5は、着脱可能な略円筒形の水容器14と、水容器14を誘導加熱する水容器加熱手段15と、水容器14を収納する水容器収納部16と、水容器14の温度を検知する水量検知手段17からなり、水容器加熱手段15および水量検知手段17は水容器収納部16に固定されている。なお、蒸気発生手段5の配置や形状は図に示すものに限定されるものではなく、炊飯器本体1あるいは蓋3内であって、蒸気を鍋2に投入することができれば、他の配置や他の形状でもよい。また、水容器14は略円形でなくとも、段つきの円筒形状や、断面形状が長円や多角形など他の形状でも蒸気を発生させることができればよい。また、水容器収納部16も同様である。また、水量検知手段17は側面に配置しているが、底面や水容器加熱手段15の下方など他の場所に設置しても、水容器14の温度検知が可能であればよい。さらに、水量検知手段17の水容器14との接触部は水容器収納部16の内側にあればよいが、5mm程度飛び出しても、風が当たらず、異物が付着しにくい形状であれば効果は発揮できるのでよい。水容器加熱手段15は加熱手段7と同様、誘導コイルまたは電熱ヒータなどからなり、蓋加熱手段12もまた同様である。
【0024】
制御手段9は、ご飯の温度を所定温度(約60℃)に保持する第1の保温コースを有しており、この第1の保温コースは自動的にご飯温度を所定温度以上(約75℃)に上昇させる間欠加熱工程を有している。そして、制御手段9は間欠加熱工程において加熱手段7により鍋2を加熱した後に蒸気発生手段5を動作させるように制御するものである。また、制御手段9は、保温中のご飯を加熱手段7および蒸気発生手段5を動作させて再加熱(約90℃まで)する再加熱コース、および第1の保温コースよりも高い温度(約70℃)に保持する第2の保温コースを有している。この再加熱コースでは、間欠加熱工程において蒸気を投入した直後に再加熱コースが開始された場合には、再加熱コースで投入する蒸気量を通常の再加熱時より低減するようにしている。また第2の保温コースでは、制御手段9は予め定められた時間に自動的に蒸気発生手段5を動作させるようにしている。
【0025】
炊飯器本体1は、鍋2内のご飯の重量を検知する重量検知手段19を備え、ご飯の重量に合わせて間欠加熱工程において投入する蒸気量を変化させるようにしている。また、再加熱コースを開始する再加熱入力手段18と、使用者が予め保温中のご飯を再加熱する時間を入力する再加熱予約入力手段20と、蓋3の開放を検知する蓋開放検知手段21とを備えている。蓋開放検知手段21は、炊飯器本体1に固定した磁石と磁力の有無によってON/OFFする蓋3内のリードスイッチとで構成されている。なお、蓋3内のリードスイッチと炊飯器本体1側の磁石の配置が逆であってもよいし、蓋3内に可動する磁石とリードスイッチを設け、蓋3が開いた際に重力の影響で、磁石が自動的に移動し、リードスイッチから離れることで、蓋開放を検知してもよいし、スイッチなどのその他の構成要素でもよく、蓋3の開閉が検知できれば構成は特に限られるものではない。
【0026】
図2において、水量検知手段17は、温度を電気抵抗に変換する温度検知素子22と、温度検知素子22を内包し金属製で有底円筒形の素子カバー23と、温度検知素子22と素子カバー23を水容器14に付勢するばね24と、スイッチからなる水容器有無検知手段25とからなる。図2では、水容器14がセットされた状態であり、この時、温度検知素子22および素子カバー23は水容器14に押されて水容器14の反対方向に移動し、水容器有無検知手段25がON状態となり、制御手段9は水容器14がセットされていると判断する。また、水容器14が外されると、温度検知素子22および素子カバー23はばね24によって水容器14の方向に移動し、水容器有無検知手段25はOFF状態となり、制御手段9は水容器14がセットされていないと判断する。
【0027】
以上のように構成された炊飯器について、以下その動作、作用について説明する。
【0028】
まず、使用者は鍋2内に所定の米と水をセットし、炊飯開始ボタン(図示せず)を押下することで、炊飯工程が開始される。炊飯工程は、水を一定温度に保って米に水を吸収させる浸せき工程、鍋2を加熱手段7により一気に加熱し、鍋2内の水を沸騰状態にする炊き上げ工程、鍋2内の水がほとんどなくなった状態で加熱を抑える蒸らし工程からなり、これらの工程の間に米の糊化を進めて炊飯する。制御手段9は鍋温度検知手段8により鍋2の温度に応じて最適に加熱手段7を制御し、あらかじめ決められた炊飯シーケンスに従って炊飯を行う。炊飯シーケンスは米の種類などによって複数の炊飯コースが準備されている。炊飯工程が終了すると、自動的に保温工程に移行し、炊き上がったご飯の温度が低下しないようにして、使用者はいつでも温かいご飯が得られる。
【0029】
また、蒸気を用いた炊飯では、炊飯中に制御手段9は水容器加熱手段15を動作させて水容器14を加熱し、水量検知手段17により検知した水容器14の昇温速度によって水容器14の水量を検知し、十分な水量と検知できた場合のみ、蒸気を用いた炊飯を行う。
【0030】
また、蒸らし工程において蒸気を発生させて利用する。炊飯とは、熱エネルギーと水分を米に供給することで糊化を進展させることであるが、蒸らし工程において蒸気を米に当てて加熱することで、米に焦げや乾燥を起こさせることなく、さらなる熱エネルギーと水分を与えて、糊化をさらに進展させることができる。その結果、良食味のご飯を得ることができる。
【0031】
蒸気を投入する際には、制御手段9は水容器加熱手段15を動作させ、水容器14を加熱して水容器14内の水を蒸発させる。図中、矢印で示すように、発生した蒸気は蒸気経路6および蒸気投入孔13を通って、鍋2に供給される。さらに制御手段9は蓋加熱手段12を動作させて、内蓋4によって蒸気を加熱してから鍋2に投入することができる。また、制御手段9は、水容器14内に水がなくなっても加熱しつづける空焼きの防止のために、水量検知手段17により水容器14の温度が水の沸騰温度を超えないかどうかを検知する空焼き検知を実施している。
【0032】
炊飯が終了すると自動的に保温工程へと移行する。制御手段9は、ご飯を約60℃に維持する第1の保温コースを備えており、鍋温度検知手段8による検知温度を定期的に確認してご飯温度が約60℃よりも低下したときのみに加熱手段7を動作させて、ご飯温度の維持を図る。この第1の保温コースでご飯の温度が60℃近傍の際には、鍋2の温度もご飯温度±5℃程度の温度となっている。この第1の保温コースは、途中に間欠加熱工程を有しており、定期的(数時間おき程度)に制御手段9が、加熱手段7を動作させて鍋2を加熱し、また蒸気発生手段5を動作させて蒸気を発生させることでご飯を約75℃まで上昇加熱する。約60℃で保存していたご飯を、ご飯温度を75℃以上にすることで、ご飯における雑菌の繁殖を抑制する効果がある。この間欠加熱工程が終了すると制御手段9は再び、ご飯温度を約60℃に維持する保温工程に移行する。
【0033】
もし、保温工程において、鍋2の側壁(図1中Aの範囲)に結露が生じた場合には、生じた結露がやがて図1中Bの範囲のご飯に滴下され、Bの範囲のご飯は過剰な水分を得て、ふやけ・白化などが生じて食味が低下してしまうという課題がある。
【0034】
本実施の形態では、間欠加熱工程において、制御手段9はまず加熱手段7を動作させ、鍋2を約75℃まで加熱した後に蒸気発生手段5を動作させ、蒸気を鍋2に投入する。間欠加熱工程では、まず制御手段9が鍋温度検知手段8の検知温度に基づいて加熱手段7を動作させる。その後、制御手段9は蒸気発生手段5を動作させて蒸気によりご飯の上層部を加熱し、2種類の加熱によりご飯温度を約75℃まで昇温させるとともに、乾燥したご飯に水分を補う。加熱手段7によって鍋2を介してご飯を加熱すると、鍋2近傍の底面・側面のご飯がまず加熱され、次第に鍋2の中央上層のご飯まで熱が伝わっていく。その後、蒸気発生手段5により発生した蒸気を介してご飯を上層から加熱する。これにより、鍋2から熱の届きにくい上層部分に熱を供給して、より均一に加熱することができる。制御手段9は鍋温度検知手段8による検知温度をもとにご飯温度が約75℃になると、加熱手段7の加熱を停止し、蒸気を投入した後、間欠加熱工程を終了し、元の保温工程へと移行する。ご飯温度を約75℃まで昇温させることで、鍋2の側面の温度は100℃には至らないものの、80℃近傍の温度まで昇温しているため、結露量は大きく低減できる。
【0035】
このように、本実施の形態においては、ご飯を乾燥させない範囲で鍋2を加熱した後に、蒸気を鍋2に投入することで、鍋2の温度が非常に低いまま蒸気を投入し、鍋2に結露が生じて保温ご飯にふやけや白化などが生じて食味が低下することを低減し、保温性能を向上させた炊飯器を提供することが可能となる。
【0036】
なお、鍋2の加熱の直後に蒸気を発生させなくても、鍋2がご飯の温度以下に下がってしまわないような数秒〜十数秒程度の短時間の待ち時間なら設けてもよい。また、蒸気発生手段5を動作させると、蒸気を発生するまでに水を沸騰させる必要がある。蒸気が発生しない範囲で水を加熱する予熱段階については、加熱手段7を動作させる前に蒸気発生手段5を動作させても、蒸気が発生して鍋2に結露が生じることがないのでよい。また、制御手段9が蒸気発生手段5を動作させた後に、再び加熱手段7を動作させて鍋2を再加熱することで、鍋2の側壁に生ずる結露を飛ばして低減することができる。このため、結露水がご飯のふやけ・白化を生じて食味を低下させることをさらに低減することができる。また、制御手段9は加熱手段7のみでなく蓋加熱手段12を動作させることで、内蓋4が加熱され、その輻射熱が鍋2の側壁に生じた結露を加熱するため、さらに結露を低減することができる。
【0037】
また、米やご飯量によりそれぞれ最適な量の蒸気を使用する複数の炊飯シーケンスを備えている場合は、蒸気量を多く使う炊飯シーケンスで炊飯した際には、制御手段9は炊飯コースを記憶し、残りの水量で必ず蒸気を使用した再加熱工程を水の追加なしで1回は実施できる水量を確保するよう、保温工程で使用する水量を削減するようにすれば、使用者が保温中に水を追加するという手間を低減し、しかも保温性能を向上させることができる。1回の間欠加熱工程で使用する水量を削減するためには、蒸気発生手段5に供給する入力を低減し、単位時間当たりに生じる蒸気量を低減したり、単位時間当たりの通電量を低減したりして蒸気量を低減するようにしてもよい。また、例えば、複数回の間欠加熱工程を実施する間に、その初回のみ蒸気を投入し、それ以降の間欠加熱工程では、蒸気を投入しないとすることによって、間欠加熱工程で蒸気を発生させる回数を低減して使用する水量を削減してもよい。
【0038】
水量検知手段17は、水容器加熱手段15の動作による、温度検知素子22の温度上昇度合を基に水量を検知するので、使用者が炊飯前に十分な水量を供給し忘れた場合でも、炊飯コースによらず水量を判断できる。このため、確実に再加熱用の水量を残し、使用者が保温中に水を追加するという手間をさらに低減して、保温性能を向上させることができる。水量検知手段17は温度検知素子22により検知しているが、重量検知手段(重量センサー)による重量検知や電極通電による通電量検知など他の手段でも水量を検知できればよい。
【0039】
また、少量のご飯を炊飯するのに適した炊飯シーケンスで炊飯する少量炊飯コースを有し、この少量炊飯コースを選んで炊飯した場合には、ご飯は鍋2の底近くに浅く存在し、鍋2中のご飯上の空間は非常に大きくなっている。したがって、このご飯上の空間に蒸気を充満させることで、蒸気の持つ熱エネルギーを十分にご飯に伝えることができるので、ご飯の加熱と保湿が可能となり、ご飯が少量のときでも保温性能を向上させることができる。
【0040】
また、重量検知手段19を備えていることにより、使用者が保温中にいくらかご飯をよそい、ご飯が減量した場合でも、鍋2内のご飯の量を測定することが可能となり、保温中のその時々の重量を検知し、ご飯量に合わせて最適な蒸気量を選択することで、あまりに蒸気量が多すぎて結露が多くなったり、蒸気量が少なすぎてご飯の加熱・加湿の効果が薄れたりすることを低減して、保温性能を向上させることができる。なお、重量検知手段19を利用してご飯量を測定しているが、これに代えて距離センサーによりご飯の高さを計測することでご飯量を測定するなど他の測定手段を用いてもよい。
【0041】
また、保温コースにおいては、使用者が再加熱入力手段18を押下することで、ご飯を約90℃まで加熱する再加熱コースが開始するが、再加熱コースでは、加熱手段7によって鍋2を介してご飯を底面・側面より加熱することで、ご飯を所定の温度まで昇温させる。加熱手段7によって鍋2を介してご飯を加熱すると、鍋2近傍の底面・側面のご飯がまず加熱され、次第に鍋2の中央上層のご飯まで熱が伝わっていく。その後、蒸気発生手段5により発生した蒸気を介してご飯を上層から加熱する。これにより、鍋2から熱の届きにくい上層部分に熱を供給して、より均一に加熱することができる。制御手段9は鍋温度検知手段8による検知温度をもとにご飯温度が約90℃になると、加熱手段7の加熱を停止し、蒸気を投入した後、再加熱コースを終了し、元の保温コースへと移行する。
【0042】
このような再加熱コースを有する炊飯器において、自動的に実施される保温中の間欠加熱工程中や直後に再加熱入力手段18が押下されることがあるが、間欠加熱中あるいは間欠加熱後にはご飯の温度は十分上昇し、また、ご飯の上空間に存在する蒸気量も十分であり、再加熱工程で投入する所定のご飯加熱量および蒸気量を投入すると、ご飯が過加熱になり乾燥してしまったり、蒸気量過多で結露量が増加したりする結果となり、再加熱を行うことで逆に食味が損なわれてしまうことがある。そのため、間欠加熱工程の進展度合によって再加熱でのご飯の加熱量および蒸気量を低減することで、再加熱性能を向上させるようにしている。
【0043】
なお、再加熱でのご飯の加熱量については、鍋温度検知手段8により鍋2の温度を検知し、その温度にしたがって加熱量を低減したり、また間欠加熱工程での加熱手段7の通電時間を計測し、その通電時間を基に加熱量を低減したりするなど、ご飯の温度や加熱量に対応して再加熱工程での加熱量を制御すればよい。また、蒸気量については、間欠加熱工程での蒸気発生手段5への通電量に応じて再加熱での蒸気発生手段5への通電量を制御したり、間欠加熱工程において一定以上の時間、蒸気発生手段5への通電が行われている場合は、再加熱で蒸気を発生させないようにしたりするなどの方法で蒸気量を制御できればよい。
【0044】
また、保温コースにおいては、ご飯が多い場合などには、ご飯を約70℃に維持する第2の保温コースに移行する。この第2の保温コースでは、ご飯温度が高いために、約60℃に維持する第1の保温コースほど結露が生じないので、定期的に蒸気を投入することで、結露を低減しつつ、保温性能を向上させることができる。なお、第1の保温コースでも一定時間以上経過すると、ご飯を約70℃に維持する場合でも、同じように蒸気を投入することで、同じ効果を得ることができる。
【0045】
また、使用者が再加熱を実行する時間を予め予約する再加熱予約入力手段20により、予約時間に終了するように再加熱を実施することにより、雑菌の繁殖を抑えるために実施している間欠加熱工程を再加熱に合わせて実施し、ご飯の加熱回数を間欠加熱により1回、再加熱による1回と2回行わず、再加熱を1回行うとすることで、ご飯の加熱回数を低減することができるので、ご飯の乾燥を防ぐことができ、保温性能を向上させることができる。
【0046】
また、蓋開放検知手段21を備えたことにより、蓋3の開放した後、蓋が閉まったことを検知し、蓋閉成のタイミングで鍋2内に蒸気を投入することで、ご飯を保湿して食味の低下を防ぐことができる。すなわち、蓋3の開放とともに、ご飯の上空間に充満していた蒸気が鍋2外に散逸し、代わりに乾燥した空気が入り込むので、ご飯の水分の蒸発を促進するが、蓋閉成のタイミングで鍋2内に蒸気を投入するので、水分の蒸発促進を低減し、ご飯を保湿して食味の低下を防ぐことができる。
【0047】
なお、蒸気の投入タイミングは蒸らし工程だけでなく、浸せき工程や炊き上げ工程に蒸気を投入すると、鍋2内の水温を均一に一定温度に上昇させることができる。また炊き上げ工程ではご飯の澱粉を含んだ泡状のオネバ発生で吹きこぼれが生じる場合があるが、蒸気を当てることで泡状のオネバを低減して吹きこぼれが低減できる。また、硬質米、玄米、古米などの種類に応じて、蒸気温度や蒸気投入時間や炊飯方法を変えると、さらに炊飯性能が向上するものである。
【産業上の利用可能性】
【0048】
以上のように、本発明にかかる炊飯器は、蒸気投入に伴い生じる結露を低減でき、ご飯のふやけや白化を低減し、保温ご飯の食味を向上した保温性能の高いものとなるので、家庭用に限らず炊飯器全般に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施の形態における炊飯器の断面図
【図2】同炊飯器の蒸気発生手段の断面図
【符号の説明】
【0050】
1 炊飯器本体
2 鍋
3 蓋
5 蒸気発生手段
7 加熱手段
9 制御手段
17 水量検知手段
18 再加熱入力手段
19 重量検知手段
20 再加熱予約入力手段
21 蓋開放検知手段




 

 


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