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発明の名称 ジャー炊飯器
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−20771(P2007−20771A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−205275(P2005−205275)
出願日 平成17年7月14日(2005.7.14)
代理人 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄
発明者 山下 幸一郎
要約 課題
再加熱機能使用時に好みの保温米飯温度にならない。

解決手段
上面が開口した本体と、前記本体の上面開口部を開閉自在に覆う蓋と、前記本体に着脱自在に収納される鍋と、前記鍋に当接する温度検知手段と、前記鍋及び前記鍋内の調理物を加熱するための加熱手段と、前記鍋及び前記鍋内の調理物の重量を検知する重量検知手段と、計時手段と、前記加熱手段による入力電力量を検知する入力電力量検知手段と、前記加熱手段を制御する加熱制御手段と、前記鍋内温度を所定の保温温度に維持する保温機能と、前記鍋内温度を前記保温温度よりも高い温度に上昇させる再加熱機能を有するジャー炊飯器とし、鍋内調理物の重量により入力電力量を制御することにより再加熱後の到達温度を制御する。
特許請求の範囲
【請求項1】
上面が開口した本体と、前記本体の上面開口部を開閉自在に覆う蓋と、前記本体に着脱自在に収納される鍋と、前記鍋に当接する温度検知手段と、前記鍋及び前記鍋内の調理物を加熱するための加熱手段と、前記鍋及び前記鍋内の調理物の重量を検知する重量検知手段と、計時手段と、前記加熱手段による入力電力量を検知する入力電力量検知手段と、前記加熱手段を制御する加熱制御手段と、前記鍋内温度を所定の保温温度に維持する保温機能と、前記鍋内温度を前記保温温度よりも高い温度に上昇させる再加熱機能を有し、鍋内調理物の重量により入力電力量を制御することにより再加熱後の到達温度を制御してなるジャー炊飯器。
【請求項2】
使用者が再加熱機能使用時に到達温度を選択できるようにした請求項1に記載のジャー炊飯器。
【請求項3】
外気を本体内に送り込む冷却手段を有し、必要な入力電力量により再加熱時の冷却手段動作を制御してなる請求項1または2に記載のジャー炊飯器。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明はジャー炊飯器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、使用者の操作により、炊飯後、70℃程度に米飯温度を保持する保温工程に自動的に移行するジャー炊飯器において、保温時に保温米飯を保温温度より高い温度に上昇させる再加熱手段を有するジャー炊飯器がある。この機能を持つジャー炊飯器では、操作時の鍋内の保温温度により再加熱の時間設定を変えるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
従来例のジャー炊飯器は鍋内温度状態を知らせつつ保温を行い、再加熱スイッチが操作されると鍋温度センサーの検出温度に従い再加熱時間設定を変え、その時間を明示している。これにより操作直後に再加熱終了時間が分かり、便利である。
【特許文献1】特開平5−293032号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された従来例のジャー炊飯器では、再加熱動作の終了時間は分かるものの、保温米飯が要望する温度まで上昇しないことがあり、使用者の求める熱さの保温米飯を提供できないことがあった。これは、再加熱操作時の保温温度に従い所定時間の加熱を行うというのみの制御のために、電源電圧により総入力電力量が変動してしまうこと、鍋内の保温米飯量によって保温米飯の上昇温度が常に変動してしまうことなどにより、保温米飯の到達温度を制御できないことが原因であった。
【0005】
本発明のジャー炊飯器は、前記従来の課題を解決するもので、保温米飯重量により再加熱動作中の総入力電力量を制御することより、常に安定した熱さの保温米飯を提供することができるジャー炊飯器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明のジャー炊飯器は、本体と、前記本体の上面開口部を開閉自在に覆う蓋と、前記蓋内に配設した蓋温度検知手段と、前記本体に着脱自在に収納される鍋と、前記鍋に当接する鍋温度検知手段と、前記鍋及び前記鍋内の調理物を加熱するための加熱手段と、前記鍋及び前記鍋内の調理物の重量を検知する重量検知手段と、計時手段と、前記加熱手段による入力電力量を検知する入力電力量検知手段と、前記加熱手段を制御する加熱制御手段と、前記鍋内温度を所定の保温温度に維持する保温機能と、前記鍋内温度を前記保温温度よりも高い温度に上昇させる再加熱機能を有し、鍋内調理物の重量により入力電力量を制御することにより再加熱後の到達温度を制御することを特徴としたものである。
【0007】
本発明のジャー炊飯器は、鍋内調理物の重量により入力電力量を制御することにより、再加熱操作時の保温米飯温度を精度よく制御し、常に安定した温度の再加熱米飯を提供することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明のジャー炊飯器は、安定した熱さの再加熱米飯を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
第1の発明は、上面が開口した本体と、前記本体の上面開口部を開閉自在に覆う蓋と、前記本体に着脱自在に収納される鍋と、前記鍋に当接する鍋温度検知手段と、前記鍋及び前記鍋内の調理物を加熱するための加熱手段と、前記鍋及び前記鍋内の調理物の重量を検知する重量検知手段と、計時手段と、前記加熱手段による入力電力量を検知する入力電力量検知手段と、前記加熱手段を制御する加熱制御手段と、前記鍋内温度を所定の保温温度に維持する保温機能と、前記鍋内温度を前記保温温度よりも高い温度に上昇させる再加熱機能を有し、鍋内調理物の重量により入力電力量を制御することにより再加熱後の到達温度を制御してなるジャー炊飯器で、再加熱操作時の保温米飯温度を精度よく制御し、常に安定した温度の再加熱米飯を提供することができる。
【0010】
第2の発明は、第1の発明において、使用者が再加熱機能使用時に到達温度を選択できるようにしたもので、使用者が自分の好みの熱さの再加熱米飯を食することができるようになるという便利な機能を実現できる。
【0011】
第3の発明は、第1の発明において、外気を本体内に送り込む冷却手段を有し、必要な入力電力量により再加熱時の冷却手段動作を制御するもので、再加熱動作に必要な入力電力量に従って加熱制御手段の冷却の必要性を判断し、最低限の冷却手段動作のもと再加熱動作を行うことにより、ジャー炊飯器からの熱エネルギーの損失を抑え、再加熱後の継続保温時に供給が必要な電力量を少なくし、総じて少ない消費電力量で保温を行うことできる。
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0013】
(実施の形態1)
図1〜図5を用いて、本発明の実施の形態1のジャー炊飯器を説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施の形態のジャー炊飯器の一部切欠した側面図である。破断部分に断面図を示す。図面を簡潔にするために、電気的接続のためのリード線等は省略してある。図1において、10はジャー炊飯器のボディ(本体)である。ボディ10には、その上面を覆う蓋20が開閉自在に設置されている。ボディ10の収納部30は、上方の上枠32と下方のコイルベース31とから構成される。11は、ステンレス、鉄などの磁性体によって形成される鍋である。鍋11は、上端開口部に外側にせり出したフランジ12を有し、フランジ12を上枠32の上端から浮き上がった状態で載置することにより、収納部30に着脱自在に収納される。鍋11は収納時に、収納部30との間に隙間を有する。コイルベース31の鍋11底部に対向する部分に、鍋11を誘導加熱する誘導加熱コイル13が配設される。誘導加熱コイル13は、コイルベース31の底面外側に配設された外コイルと、底面内側に配設された内コイルとからなる。それぞれの誘導加熱コイルは、鍋11の底部の中心の略真下に中心を有する巻線である。
【0015】
14は、回路基板であり、マイクロコンピュータ(図示しない)が搭載されている。マイクロコンピュータはソフトウエアにより、誘導加熱コイル13に交番磁界を発生させるための電流を制御する。また、回路基板14には電流検知手段である電流検知回路、電圧検知手段である電圧検知回路、および計時手段が搭載されている。回路基板14の下方には、外気により基板上の部品を冷却する冷却手段であるファンモータ18が設置されている。実施の形態1のジャー炊飯器は、鍋11を誘導加熱し、鍋11内の調理物19を加熱調理する。調理物19は、炊飯前の米と水又は炊き上がったご飯等である。なお、誘導加熱時には、回路基板14上の部品が通電により発熱し、温度が上昇し、高温となると破壊の恐れがあるため、ファンモータ18を動作させ、冷却を行っている。
【0016】
ここで、回路基板14の構成について図2を用いて説明する。図2は、実施の形態1のジャー炊飯器の回路図である。
【0017】
図2において、60が商用電源、61が商用電源60を整流する単方向電源である。62が単方向電源61によって整流された電源を高周波電力に変換するインバータ回路、誘導加熱コイル13はインバータ回路62からの高周波電力によって鍋11を誘導加熱する。63がスイッチング素子であるIGBT、64がIGBT63を駆動させ、インバータ回路を制御する誘導加熱回路である。65がカレントトランス、15が電流を電圧に変換して出力する電流検知回路である。電流検知回路15の出力はマイコン66に入力されて処理される。なお、電流検知回路15のマイコン66への出力は可変抵抗(以後、VRとよぶ)の67によって調整される。16が電源電圧を検知する電圧検知回路、そして電圧検知回路16のマイコン66への出力はVR68によって調整される。69は計時手段である水晶発振子で、この発振をもとにマイコン内で計時している。なお、電流検知回路15からのマイコン入力ポートと電圧検知回路16からのマイコン入力ポートは10ビットA/D入力ポートとする。
【0018】
電流検知回路15からのマイコン66への出力(以後、IinAD値とよぶ)は、電源電流が5Aの時、AD値が250、13AにおいてAD値が750となるように調整されているものとする。これによりIinAD値によって、電源電流が[{(IinAD値)−250}/500×8]+5]Aであることが分かる。同様に、電圧検知回路16からのマイコン66への出力(以後、VinAD値とよぶ)は、電源電圧が90Vの時、AD値が250、110VにおいてAD値が750となるように調整されているものとする。これによりVinAD値によって、電源電圧が[{(VinAD値)−250}/500×20]+90]Vであることが分かる。この電源電流、電源電圧の積より入力電力が算出され、更に入力電力と時間より入力電力量が算出される。
【0019】
図1において、21はコイルベース31の底部に隙間を有して固定される基台である。基台21に、鍋11の重量を検知する重量検知手段40、鍋11の有無を検知する鍋検知手段46及び鍋11の温度を検知する温度検知手段52が設けられる。各検知手段の構成について図1及び図3を用いて説明する。図3は、実施の形態1のジャー炊飯器の要部分解斜視図である。
【0020】
重量検知手段40は、ロードセル41、センサー台(絶縁部材)42及び当て筒(検知体)43から構成される。ロードセル41は、ロバーバル型の荷重変換器(重量検知素子)である。ロードセル41は、一端にネジ穴411、他端にネジ穴412を有する。基台21にはネジ穴212を有する薄板211が取り付けられている。ロードセル41の一端は基台21に、ネジ穴212及びネジ穴411を介してネジ止めされる。ロードセル41の他端は、基台21に対して隙間を有する。ロードセル41には抵抗線ひずみゲージ413が取り付けられている。ロードセル41が荷重によりたわむ時のひずみゲージ413の抵抗変化を、ブリッジ回路で電気信号として取り出す。
【0021】
42は樹脂製のセンサー台である。センサー台42の凹部421に、ロードセル41が嵌め込まれる。センサー台42はロードセル41の一端に、ネジ穴422及びネジ穴412を介してネジ止めされる。
【0022】
43は厚さ2mmのアルミで形成される当て筒である。当て筒43は、下側に対向する2つの爪部431を有する。当て筒43は、爪部431をセンサー台42の当て筒固定孔423に通し、折り曲げることによって、センサー台42に固定される。当て筒43は上端に内側にせり出したフランジ432を有する。コイルベース31の底面外側に誘導加熱コイル13が配設されている。当て筒43は、コイルベース31の底の中央部(誘導加熱コイル13の中心部であって、ここには誘導加熱コイル13が配設されていない)に設けられた1つの貫通孔に通される。当て筒43の上端はコイルベース31の内側底部より高い(図1)。重量検知手段40は鍋11の重量をその外側底部の略中心部でのみ支え計測する。従って、重量検知手段40を誘導加熱コイル13と干渉することなく取り付けることができる。底の中心部で支えられる鍋11は安定して収納部30に配置される故、誘導加熱コイル13は適切に且つ安定して鍋11を加熱できる。
【0023】
温度検知手段52は、上部に対向する2つのつば521を有し、当て筒43に下側から挿入される。つば521の外径は当て筒43の内径と略同一であり、温度検知手段52は当て筒43から上に抜けない。更に、当て筒43と温度検知手段52との間にバネ51が挿入される。バネ51は、つば521の下面とセンサー台42とに当接し、温度検知手段52が鍋11に密接するように、温度検知手段52を付勢する。温度検知手段52が検出した鍋11の温度に対応する電気信号は、リード線53及びコネクタ54を介して回路基板14に入力される。リード線53は、センサー台42の溝424から引き出される。
【0024】
収納部30に鍋11が無い時、温度検知手段52のつば521の上面は、当て筒43のフランジ432の下面に当接している。温度検知手段52の上面は、フランジ432の上面より高い位置にある。
【0025】
収納部30に鍋11に収納される時、鍋11の底部は始めに温度検知手段52に当接し、最後に温度検知手段52と当て筒43とに当接する(図1)。従って、当て筒43が鍋11を中心部で支持するので、鍋11が傾かない。ロードセル41は、鍋11、調理物19、センサー台42、バネ51、温度検知手段52及び当て筒43(センサー台42〜当て筒43について、以後、重量検知構成部材と呼ぶ)の総重量を検知し出力する。温度検知手段52は、バネ51により当て筒43の中に沈み込み、その上面がフランジ432の上面と同じ高さで鍋11の底と接する。温度検知手段52は、過大な力がかかることなく、バネ51により規定される適切な圧力で鍋11の底と接する。
【0026】
鍋検知手段46は、基台21に固定されたマイクロスイッチで構成される(図1)。鍋11が収納部30に収納されると、センサー台42の底部がマイクロスイッチに当接し、鍋検知手段46はON信号を出力する。マイクロスイッチの動作ストロークは、鍋11を載せられたセンサー台42の変位量より大きい。これにより、センサー台42に鍋11が載せられて、マイクロスイッチが動作した場合にも、マイクロスイッチが支える鍋11の重さは非常に小さく、重量検知手段40の測定値に影響を与えない。マイクロスイッチをアクチュエータ(例えばバネ性を有するりん青銅の板)を介して駆動することにより、マイクロスイッチが一定以上の鍋11の重さを支えないように構成しても良い。
【0027】
温度検知手段52、鍋検知手段46及び重量検知手段40(ロードセル41)からの電気信号は、それぞれ回路基板14に入力され、増幅処理等を行った信号がマイコン66に入力される。重量検知手段40からの入力により、マイコン66において鍋11と調理物19、および重量検知構成部材の合計重量値が算出される。
【0028】
図1において90は操作パネルで、回路基板14と接続されている操作基板91上に設けられたタクトスイッチ92に対し、球面状のフィルムからなる操作キー93を外部から押すことにより信号入力を行う。操作部について、図4を用いて説明を行う。図4は実施の形態1のジャー炊飯器の操作部図である。94は炊飯キーで炊飯開始の信号を入力するものである。95は取消キーで炊飯動作、保温動作、予約などの中止の信号を入力するものである。96は保温キーで、ジャー炊飯器が非動作状態の時に操作することにより保温動作開始の信号を入力するもので、加えて、ジャー炊飯器が保温状態の時に操作することにより再加熱動作開始の信号を入力するものである。97は表示部で、操作パネル90の透明部から操作基板91上にあるLCD98の表示を確認できるように構成されており、現在時間、予約時間、現在のジャー炊飯器の状態(予約中であるかどうかなど)等を表示するものである。
【0029】
上記構成のジャー炊飯器により炊飯・保温を行う時の動き、保温米飯量の測定の一例を図5を用いて説明する。図5は実施の形態1のジャー炊飯器による炊飯準備〜保温中における鍋内調理物(米と水、もしくは米飯)の重量と重量検知手段の出力、および温度検知手段出力のグラフである。ここで、重量検知構成部材の総重量は150g、鍋11の重量は1000gとしている。
【0030】
炊飯準備段階において、まず、使用者がボディ10から鍋を抜いている時、重量検知手段出力は、重量検知構成部材の総重量である150gとなっている(a)。次に、調理物19(米と水)を入れた鍋11を本体内に入れ、重量検知手段出力が2290g(b)となると、重量検知構成部材と鍋11の合計重量である1150gとの差分から、1140g(c)が調理物19の重量であることが把握できる。さらに、蓋20を閉じると蓋20下面の部材が鍋フランジ12に当接することにより、鍋11に力が加わり、重量検知手段出力が2790g(d)となると、蓋20の当接力が500g相当であることが把握できる。
【0031】
炊飯段階において、炊飯キー94を押すことにより、炊飯を開始すると、マイコン66内のプログラムに従い、誘導加熱コイル13により鍋11が誘導加熱される。鍋11からの熱伝導により調理物19の温度が上がり、米が水を吸収・膨張したり、沸騰により水が蒸発したりして、鍋内の過剰な水がほぼ無くなった状態となったことを温度検知手段52により判断し、その後むらしなどを行って炊飯を終了する。この時の重量検知手段出力2570g(e)と、重量検知構成部材重量、鍋11重量、および蓋20の当接力から米飯重量が920g(f)と把握できる。
【0032】
炊飯を終了すると保温動作を開始し、マイクロコンピュータ内のプログラムに従い、鍋11を所定の温度に維持する。α1において使用者が蓋20を開放すると、蓋20の当接力の分だけ重量検知手段出力が小さくなる。そしてα2において使用者が米飯をほぐすと重量検知手段出力が激しく変動する。さらにα3において食するために幾らか米飯を取り除くと、重量検知手段出力が小さくなる。その後使用者が蓋20を閉じると、再び蓋20の当接力分だけ重量検知手段出力が大きくなった後、出力は安定する。マイクロコンピュータでは、この安定状態にて使用者の作業が終わったと判断する。鍋11内の保温米飯重量は、使用者が蓋20を閉じる前の重量検知手段出力1780g(g)と、重量検知構成部材重量、鍋11重量から630g(h)と把握できる。βにおいて同様の作業が行われた場合も、上記と同様の判定にて、使用者が蓋20を閉じる前の重量検知手段出力1490g(i)から保温米飯重量が340g(j)と把握できる。
【0033】
保温時において、保温キー96を押すことにより再加熱動作が始まる。ここで、このジャー炊飯器における再加熱の到達温度を84℃、鍋11の比熱を0.17cal/g/℃、保温米飯の比熱を0.8cal/g/℃、入力電力量に対する鍋11の発熱効率を80%とする。なお、1Wh≒860calである。
【0034】
再加熱動作時、鍋11および保温米飯の温度が74℃、340gであったなら、到達温度84℃まで加熱を行うために、鍋11および保温米飯を10℃上昇させる必要がある。すなわち、
{((鍋11重量)×0.17+(保温米飯重量)×0.8)×10}cal
={((1000)×0.17+(340)×0.8)×10}cal
=4420cal
の熱量を鍋11に発熱させなければならない。よってマイコン66から、発熱効率を考慮し、入力電力量が(必要発熱量)/(発熱効率)=4420cal/0.8=5525cal≒6.424Whとなるまで、誘導加熱コイル13に通電を行い、鍋11を誘導加熱すれば良い。なお、鍋11の温度が100℃を越えると保温米飯の水分が蒸発し、乾燥・焦げを発生させる懸念があるが、温度検知手段52により95℃で温度維持しつつ加熱動作を数回〜数十回に分け、合算の入力電力量が狙いの入力電力量となるようなどの方法により、乾燥・焦げを防ぐことができる。
【0035】
以上のように、実施の形態1のジャー炊飯器よれば、保温米飯量を把握しつつ、入力電力量を管理しているため、電源電圧が変動しても再加熱後の到達温度が大きくバラつくことはない。
【0036】
なお、保温米飯量が異なる重量の時、再加熱動作初期の鍋および保温米飯の温度が異なる時は、適宜上記計算に補正を行うことにより、保温米飯の到達温度を精度良く制御することができる。
【0037】
また、ここに挙げた比熱・発熱効率などの数値は限定できるものではなく、ジャー炊飯器の構成や初期温度により変化するため適宜補正が必要である。
【0038】
(実施の形態2)
図6を用いて、本発明の実施の形態2のジャー炊飯器を説明する。図6は、本発明の実施の形態2のジャー炊飯器の操作部図である。図示する部分以外の構成は実施の形態1のジャー炊飯器(図1〜5)と同じであるので説明を省略する。
【0039】
99は再加熱選択キーであり、保温時に再加熱選択キー99を押すたびに、LCDに数字95→85→80→95と繰り返し表示されるようになっている。この数字は再加熱到達温度を表しており、使用者は好みの温度がLCDに数値が表示された状態で保温キー96を押すことにより再加熱到達温度を選定できる。
【0040】
例えば、再加熱到達温度として95℃が選択された状態で再加熱動作が開始された時、鍋11および保温米飯の温度が74℃、340gであったなら、到達温度95℃まで加熱を行うために、鍋11および保温米飯を21℃上昇させる必要がある。すなわち、
{((鍋12重量)×0.17+(保温米飯重量)×0.8)×21}cal
={((1000)×0.17+(340)×0.8)×21}cal
=9282cal
の熱量を鍋11に発熱させなければならない。よってマイコン66から、発熱効率を考慮し、入力電力量が(必要発熱量)/(発熱効率)=9282/0.8=11602cal≒13.49Whとなるまで、誘導加熱コイル13に通電を行い、鍋11を誘導加熱すれば良い。再加熱到達温度として違う温度が選定されている場合は適宜上記計算に補正を行うことにより、使用者の選択した温度に対して、保温米飯の到達温度を精度良く制御することができる。
【0041】
以上のように、実施の形態2のジャー炊飯器よれば、使用者が再加熱機能使用時に到達温度を選択でき、さらに便利である。
【0042】
なお、ここに挙げた設定温度やその表示方法、操作手順などは限定されるものではない。
【0043】
(実施の形態3)
図7を用いて、本発明の実施の形態3のジャー炊飯器を説明する。図7は、本発明の実施の形態3のジャー炊飯器を用いて再加熱動作を行った時の冷却手段動作に関するフローチャートである。ジャー炊飯器の構成は実施の形態1のジャー炊飯器(図1〜5)と同じであるので説明を省略する。
【0044】
従来のジャー炊飯器では、鍋11を誘導加熱する時、回路基板14上の部品、例えばスイッチング素子であるIGBT63などが通電により発熱し、温度が上昇し、高温となると破壊の恐れがあるため、ファンモータ18を動作させ、冷却を行っている。これは再加熱動作時も同じであり、誘導加熱時にはファンモータ18を動作させているのだが、保温温度に対して非常に低い温度の外気を送り込んでいるため、ジャー炊飯器全体から熱エネルギーが損失されてしまう。よって、再加熱後に保温を継続する場合は、冷やされただけの熱エネルギーに相当する電力エネルギーを補わねばならない。一方、通電量が微少の時は回路基板14上の部品の温度上昇は小さく、ファンモータ18により冷却を行わなくても破壊の恐れがない場合がある。
【0045】
ここで、本発明のジャー炊飯器では、再加熱操作時に入力電力量が例えば6Wh未満ならば回路基板14上の部品が破壊する恐れがないものとする。また、必要入力電力量をQ、入力済電力量をPとする。
【0046】
再加熱動作を開始する時、鍋11および保温米飯の温度、再加熱到達温度、保温米飯重量から、必要入力電力量Qが算出される。この時、Q<6Whならば、回路基板14上の部品が発熱により破壊する恐れがないためファンモータ18を動作させない。一方、Q≧6Whならば回路基板14上の部品が発熱により破壊するのを防ぐために従来通りファンモータ18を動作させる。そして、必要入力電力量Qと入力済電力量Pの差が6Whを下回った時点でファンモータ18の動作を停止させる。このようにすれば、ファンモータ18の動作によりジャー炊飯器全体から損失される熱エネルギーを低減させることができるため、再加熱後の継続保温時に供給が必要な電力量を少なくし、総じて少ない消費電力量で保温を行うことができる。
【0047】
以上のように、実施の形態3のジャー炊飯器よれば、再加熱後の継続保温時に少ない消費電力量で保温を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明に係わるジャー炊飯器は、家庭用又は業務用のジャー炊飯器として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施の形態1のジャー炊飯器の一部切欠した側面図
【図2】本発明の実施の形態1のジャー炊飯器の回路図
【図3】本発明の実施の形態1のジャー炊飯器の要部分解斜視図
【図4】本発明の実施の形態1のジャー炊飯器の操作部図
【図5】本発明の実施の形態1のジャー炊飯器による炊飯準備〜保温中における鍋内調理物(米と水、もしくは米飯)の重量と重量検知手段出力、および温度検知手段出力のグラフ
【図6】本発明の実施の形態2のジャー炊飯器の操作部図
【図7】本発明の実施の形態3のジャー炊飯器を用いて再加熱動作を行った時の冷却手段動作に関するフローチャート
【符号の説明】
【0050】
10 ボディ(ジャー炊飯器本体)
11 鍋
12 フランジ
13 誘導加熱コイル
14 回路基板
15 電流検知回路(電流検知手段)
16 電圧検知回路(電圧検知手段)
17 計時手段
18 ファンモータ(冷却手段)
19 調理物
20 蓋
21 基台
211 薄板
212 ネジ穴
30 収納部
31 コイルベース
32 上枠
40 重量検知手段
41 ロードセル
411、412 ネジ穴
413 抵抗線ひずみゲージ
42 センサー台
421 凹部
422 ネジ穴
423 当て筒固定孔
424 溝
43 当て筒
432 フランジ
431 爪部
46 鍋検知手段
51 バネ
52 温度検知手段
521 つば
53 リード線
54 コネクタ
60 商用電源
61 単方向電源
62 インバータ回路
63 IGBT
64 誘導加熱回路
65 カレントトランス
66 マイコン
67、68 可変抵抗(VR)
69 水晶発振子(計時手段)
90 操作パネル
91 操作基板
92 タクトスイッチ
93 操作キー
94 炊飯キー
95 取消キー
96 保温キー
97 表示部
98 LCD
99 再加熱選択キー




 

 


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