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発明の名称 フォトクロミック(光互変性Photochromic)マスク
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−152113(P2007−152113A)
公開日 平成19年6月21日(2007.6.21)
出願番号 特願2006−327336(P2006−327336)
出願日 平成18年12月4日(2006.12.4)
代理人 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
発明者 アンヌ−クロティルド・シャボーサン−ロシュ
要約 課題
本発明は、
−水−不溶性支持体と、
−1つ以上のフォトクロミック化合物を含む化粧用組成物とからなり、前記組成物が前記支持体に含浸している化粧用マスクに関する。本発明は上記マスクのスキンケアのための使用にも関する。

解決手段
顔面に載せられたマスクが色を変える時、上記マスクの載せておかれた時間は十分なものとなる。
特許請求の範囲
【請求項1】
−水−不溶性支持体と、
−1つ以上のフォトクロミック化合物を含む化粧用組成物とからなり、前記組成物が前記支持体に含浸している化粧用マスク。
【請求項2】
前記支持体は、天然由来、合成由来、又は人工由来の繊維類に基づく不織布であることを特徴とする請求項1に記載のマスク。
【請求項3】
前記支持体は、ビスコース及びセルロースに基づく不織布、又は、綿繊維に基づく不織布であることを特徴とする請求項1又は2に記載のマスク。
【請求項4】
前記フォトクロミック化合物は、スピロオキサジン類及びその誘導体;スピトナフトオキサジン類;ナフトピランとその誘導体;スピロピラン類;ニトロベンジルピリジン類;スピロラン類;ジアリールエテン類及びフルギド類;並びにフォトクロミック特性を有する金属酸化物から選択されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のマスク。
【請求項5】
前記フォトクロミック化合物は、ドープされた酸化チタン類又はドープされた酸化亜鉛類から選択されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のマスク。
【請求項6】
前記フォトクロミック化合物の量は、前記組成物の全重量に対して0.001から30重量%の範囲の量であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のマスク。
【請求項7】
前記化粧用組成物の量は、前記支持体の重量の100%から2000%の量であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のマスク。
【請求項8】
前記組成物は500 mPa.sから60 000 mPa.sの範囲の粘度を有し、この粘度は周囲温度において、Rheomat RM 180 粘度計を用いることにより測定されたことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のマスク。
【請求項9】
前記組成物は、カルボキシビニルポリマー類、少なくとも1つの疎水性鎖を含むアニオン性ポリマー類、ポリアクリルアミド類、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ポリマー類及びコポリマー類、多糖類、並びに少なくとも1つの疎水性ブロックと少なくとも1つの親水性ブロックとを含む非イオン性ポリマー類から選択される、少なくとも1つの増粘ポリマーを含むことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のマスク。
【請求項10】
前記増粘ポリマーの量は、前記組成物の全重量に対して、0.01から8重量%の範囲であることを特徴とする請求項9に記載のマスク。
【請求項11】
前記マスクは光からの保護のための包装に個別に包装されることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載のマスク。
【請求項12】
スキンケアのために使用されることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載のマスク。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持体についてのマスクであって、少なくとも1つのフォトクロミック(Photochromic)化合物を含む組成物により含浸されているもの、並びに、皮膚のトリートメント及び/又はケアのための上記マスクの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧品の分野において、皮膚のトリートメントのためのマスクであって、日本の化粧品市場で「フェイシャルトリートメントマスク」と呼ばれるものの使用は既知の慣習である。
これらのマスク類は、水-不溶性支持体及び組成物からなり、その組成物は一般に液体であり、この支持体に含浸している。これらのマスク類は皮膚に対する低い粘着性を有し、皮膚の緊張を事実上生ずることなく、除去することができる。こうして、皮膚に強力に付着し、除去されたとき、皮膚及び毛穴を洗浄するように設計される「ピールオフ(peel off)」マスク類とは、これらのマスク類は異なる。「ピールオフ」マスクの除去後、消費者はその有効性の証拠となる堆積物が、上記マスク上に存在するのを見ることができる。
【0003】
逆にいえば、湿潤状態にあるトリートメントマスクの目的は、皮膚に、好ましくは水性の組成物により、保湿剤等の活性剤を伝達することである。事実、これらのマスク類の有利な点は、活性剤類を、表皮中に浸透させて作用させるのに十分な程の、とても長い時間に亘り、及び、多い量において、皮膚上に伝達することができることである。また、トリートメントマスク類の使用により、使用者は着席するか横たわることとなるため、使用の間リラックスすることができる。これらのマスク類は一般に顔面上に用いられる。
【0004】
しかし、マスク類の適用時、それらの除去の適切な時期の決定、及び、それらが載せておかれた時間が活性剤の皮膚への作用に十分であったかを知ることが困難である。
【特許文献1】国際特許出願WO-A-94/22850
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
故に、載せておかれた時間が十分であり、トリートメントが終了したことを、使用する個人に視覚的に示すトリートメントマスクへのニーズが存在する。
【0006】
出願人は、驚くべきことに、マスク上に含浸した組成物中に、フォトクロミック化合物を使用することにより、上記発明の問題点を解決することができ、そのマスクを使用する個人に、上記マスクが載せておかれるべき時間が終了したことを示すことができることを発見した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この様に、本発明の主題は、
−水−不溶性支持体と、
−1つ以上のフォトクロミック化合物を含む化粧用組成物とからなり、上記組成物が上記支持体に含浸している化粧用マスクである。
【0008】
顔面に載せられたマスクが色を変える時、上記マスクの載せておかれた時間は十分なものとなる。
【0009】
上記フォトクロミック化合物は有機又は無機であってよく、露光されることによりそれらの色を変えるという特徴を有する。フォトクロミック化合物が上記マスクの使用前に作用することのないようにするために、上記マスクは光からの保護のための包装に個別に包装される。
【0010】
上記フォトクロミック化合物により、上記マスクの使用者は、顔面上に載せられたマスクが色を変える時に、上記マスクの適用された時間が十分であることを知ることができる。
【0011】
本発明に係るマスクは、包装されている時、つまり暗所にある時、又は、少なくとも光から保護されている時には、上記フォトクロミック化合物の基底状態に対応する第一の色を有する、そしてその後、適用期間の後に、上記フォトクロミック化合物は上記光により励起状態に達し、第二の色を帯びることとなる。このことのためには、もちろん、上記マスクは光が存在する環境、例えば、人工光のある家庭において使用されなければならない。上記マスクが色を変えたとき、それを使用する個人は、そのことによりトリートメントが終了し、マスクを除去してもよいことを知ることとなる。
【0012】
[水−不溶性支持体]
本発明の上記化粧用マスクは水−不溶性支持体を含む。用語「水−不溶性支持体」は、上記支持体が水に浸されても溶解又は断片に分離しないことを意味することを意図する。上記支持体により、含浸している化粧用組成物を皮膚に送り届けることが可能となり、一般にこの組成物は液体であるか、又は、上記支持体を含浸することが可能な程度に十分な流体であるとする。
【0013】
非常に多様な材質をこのマスクの支持体のために使用することができ、非限定的な例として: 織布;水流加工不織布;エアレイド不織布、例えば、Georgia Pacific社製のAITREX及びDRITEX不織布、並びに、Ahlstrom社製のHYDRASPUN;スパンボンド不織布、例えば、Sandler社製の不織布SAWABOND;ラミネート不織布;合成発泡体;天然スポンジが挙げられる。
【0014】
これらの材質は、天然、合成、及び/又は、人工の材質であってよい。天然材質は綿及びウールである。上記合成繊維のポリマー類は、合成、特に石油誘導体より得られる。人工繊維類は、現存する天然ポリマーから得られる;人工ポリマー繊維類としては、木材セルロースより得られるビスコースが挙げられる。
【0015】
上記支持体は、特に、天然由来、合成由来、又は人工由来の繊維類に基づく不織布支持体、例えば、フラックス、ウール、綿、絹等の天然由来の繊維類に基づくもの;ポリビニル誘導体、ポリエチレンテレフタラート等のポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、ナイロン等のポリアミド類、アクリル系誘導体等の合成由来の繊維類に基づくもの;又はビスコース、セルロース誘導体等の人工由来の繊維類に基づくものであってよい。不織布類は、一般に、RIEDEL “Nonwoven Bonding Methods & Materials”, Nonwoven World (1987)に記述される。これら支持体類は不織布類調製技術のための通常の方法に基づき得られる。
【0016】
適切な不織布としては、例えば、BBA社により、Ultraloft 15285-01、Ultraloft 182-008、Ultraloft 182-010及びUltraloft 182-016の名称で販売されるもの、Freudenberg社によるVilmed M1519 Blau、Vilmed M 1550 N及び112-132-3の名称で販売されるもの、Jacob Holm Industries社によりNorafin 11601-010Bの名称で販売されるもの、並びに、Uni Flockage社によりUnivel 109 及びUnivel 119の名称で販売される植毛不織布が挙げられる。
【0017】
上記水−不溶性支持体は1以上の層を含んでもよい。
【0018】
本発明の好ましい態様によると、支持体は1以上の積層された層を有する不織布である;それはまた、外面において、高いパーセンテージの親水性繊維を含むことにより、含浸した配合物を保持していてもよい。例えば、このタイプの支持体としては、ビスコース及びセルロースに基づく不織布、特に、ビスコース及びセルロースに基づく水流加工不織布(つまり、水流技術により加工されたもの)、例えば、ビスコース及び木材繊維により組成される不織布であって、80 g/m2の重量を有し、Sansho Shigyo社によりKP9380の名称で販売されるもの、又は、綿繊維に基づく水流加工不織布が挙げられる。
【0019】
上記支持体は、30から200 g/m2、好ましくは50から150 g/m2の範囲の重量を有してもよく、例えば、80 g/m2の重量を有してもよい。
【0020】
本発明の好ましい実施態様によると、上記支持体は可撓性支持体であるため、上記化粧用組成物に含浸された時に、顔面の外郭線に緊密に追従し、かつ、湿潤した状態において、使用の際に引き裂かれることのない、十分な強度を有していなければならない。好ましくは、上記マスクにおいて使用される上記支持体は、0.1 mm から約 10 mm、好ましくは、0.8 mm から約 4.5 mmの厚さを有する。
【0021】
上記支持体は全てのタイプの形状、例えば、圧定布(パッド)、円板、ペーパータオル等のあらゆる形状をとってもよいが、好ましくは、顔面の形状、より好ましくは、鼻、目、及び唇の位置に対応する穴を有した顔面の形状を有しており、鼻、目、及び唇のみに荷重がかかることがない。
【0022】
[上記支持体に含浸する化粧用組成物]
本発明の上記マスクは、1つ以上のフォトクロミック化合物を含む、上述の支持体に含浸した化粧用組成物を含む。
【0023】
上記組成物は化粧用組成物であるので、生理学的に許容可能な媒体を含む。用語「生理学的に許容可能な媒体」は、ここで、皮膚、粘膜及び眼と適合性のある媒体を意味することを意図する。好ましくは、上記組成物は、化粧料として許容可能な媒体、すなわち、快い色、匂い、及び感触を有し、消費者からこの組成物を使用することを躊躇させるかもしれない受け入れがたい不快さ(刺痛、緊迫感、赤み)を生ずることのないものである。
【0024】
上に規定した通り、フォトクロミック化合物は光に照らされた時、つまり、紫外(UV)光により照射された時に、可逆的に色合いを変化させ、かつ、もはやこの光に照射されない時には、初期の色に戻る性質を有する物質、又は、無色の状態から色を帯びた状態に変化する物質、若しくはその逆の性質を有する物質をいう。つまり、これらの物質は、一定の量のUV放射を含む光線、例えば、日光又は人工光に照射されるかどうかに依存して、様々な色合いを有する。
【0025】
この定義によると、化合物がエネルギーを取り入れることにより生ずる光励起は化合物の形態の変化を誘起することを理解すべきである。それゆえ、化合物は、それぞれが異なる色により特徴づけられる2つの異なる安定形態で存在することとなる。
【0026】
これらのフォトクロミック化合物は有機又は無機化合物であってよく、これら2タイプの化合物を本発明において使用することが可能である。これらのフォトクロミック化合物は、特に、色素又は染料であってよい。
【0027】
本発明において使用してよい上記有機フォトクロミック化合物の中では、例えば、スピロインドリノナフトオキサジン類及びスピロナフトオキサジン類等のスピロオキサジン類及びその誘導体;ナフトピランとその誘導体;インドリノスピロベンゾピラン類等のスピロピラン類;ニトロベンジルピリジン類;スピロラン類(spirolanes);ジアリールエテン類(diarylethenes)とフルギド類(fulgides)が挙げられる。
【0028】
ナフトピラン由来の有機フォトクロミック化合物の非限定的な例としては、WO-A-94/22850, WO-A-98/45281、及びWO-A-00/18755の出願に開示されているもの、例えば、3,3-ジ(4-メトキシフェニル)-6-モルフォリノ-3H-ナフト[2,1-b]−ピラン、3-フェニル-3-(4-モルフォリノフェニル)-6-モルフォリノ-3H-ナフト[2,1-b]ピラン、3-フェニル-3-(4-ピペリジノフェニル)-6-モルフォリノ-3H-ナフト[2,1-b]ピラン、3-フェニル-3-(4-ピペリジノフェニル)-6-カルボキシメチル-9-N-ジメチル-3H-ナフト[2,1-b]ピラン、2-フェニル-2-(4-ピペリジノフェニル)-5-カルボキシメチル-9-N-ジメチル-2H-ナフト[1,2-b]ピラン及びこれらの混合物が挙げられる。
【0029】
有機フォトクロミック化合物の、より特定された代表例としては、特に、Photosol 5-68フォトクロミック染料、Photosol 7-49フォトクロミック染料、Photosol 7-106フォトクロミック染料、Photosol 0265フォトクロミック染料、及びPhotosol 0272フォトクロミック染料の参照名においてPPG社により販売されるナフトピラン誘導体、並びにJames Robinson社によりReversacolの名称により販売されるスピロオキサジン類が挙げられる。
【0030】
上記無機フォトクロミック化合物は、金属酸化物、上記酸化物の水和物、及びこれらの錯体であって、例えば特許US-A-5,989,573 及び EP-B1-0,359,909に記載されるもの、特に、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ハフニウム、酸化トリウム、酸化スズ、酸化タリウム、酸化ジルコニウム、酸化ベリリウム、酸化コバルト、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、及び酸化鉄、並びにこれらの混合物であって、フォトクロミック特性(光互変性 photochromic)とするために任意にドープされた(doped)酸化物類から選択してよい。これらの金属酸化物のうち、特に、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化シリコン、及び酸化鉄が挙げられる。酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化カルシウム、及び酸化マグネシウム、並びにこれらの水和物が好ましい。
【0031】
無機フォトクロミック化合物としては、ドープされた酸化チタン又はドープされた酸化亜鉛であって、例えば、鉄、鉄誘導体によりドープされた酸化物、又は希土類金属によりドープされた酸化物が挙げられる。本発明において、用語「ドープされた」とは、フォトクロミック特性を有する様に処理された酸化物を意味する。フォトクロミック特性を有する上記金属酸化物は、鉄、クロム、銅、ニッケル及びマンガン、コバルト、モリブデン等の金属、又は、これらの塩類若しくは誘導体により処理されていてもよい。鉄誘導体としては、例えば、硫酸鉄、塩化鉄、硝酸鉄、酸化鉄、水和酸化鉄等が挙げられる。
【0032】
ドープされた酸化チタンとしては、特に、Catalyst & chemicals社によりPhotogenicaの名称で販売されるもの、及び、Shiseido社によりPhotolite PK-Sの名称で販売されるものが挙げられる。
【0033】
フォトクロミック化合物としては、AlO4及びSiO4の正四面体のカゴのそれぞれが、酸素原子を介してリンクすることにより形成される基本構造を有するアルミノシリケート類も挙げられる。ある種の化学元素がこの様に形成されたカゴ中に存在してもよい。これらの元素は「ドーピング元素(doping elements)」と呼称される。故に、ドープされたアルミノシリケートは少なくとも1つのドーピング元素を含むアルミノシリケートである。これらのドーピング元素は、単独又は混合物としての、塩化、ヨウ化、臭化又はフッ化アニオン類等のハロゲンのアニオン類であってよい。上記ドーピング元素は硫黄、セレニウム、SO42-, WO42-、又は水酸基、あるいは、鉄、クロム、マンガン、コバルトおよび/またはニッケルから得られるイオン類等の金属イオンの形態のものであってもよい。これらの様々なドーピング元素の混合物を用いてもよい。
【0034】
上記ドープされたアルミノシリケート類としては、文書EPA-0847751に記載されたものを用いてもよい。これらの化合物は好ましくは:R8Al6Si6O24Xnタイプ
[式中、
- Rは Na, K, Cs, Rb, Li, Ag 又は Caから選択される元素を表し、好ましくはRは Naを表し、
- Xは上に規定された1以上のドーピング元素を表し、
- nは1から5、好ましくは1から3である]
の構造を有する。
【0035】
これらの化合物のうち、特に、Na8Al6Si6O24X2の化学式を有するソーダライト族
[式中、X2は1以上のハロゲンのアニオン類、特にCl2, ClBr, I2 又はBr2を表す]
が挙げられる。
【0036】
本発明の好ましい実施態様によれば、使用される上記フォトクロミック化合物はドープされたチタン酸化物又はドープされた亜鉛酸化物であって、フォトクロミック特性を有するもの、特に、上述の金属類により処理されたチタン酸化物類若しくは亜鉛酸化物類、特に、鉄、又は、それらの塩類若しくは誘導体によりにより処理されたチタン酸化物類から選択される。
【0037】
化合物のフォトクロミック特性は、下記の実施例において記述される方法で3色表色系座標(L, a, b)により特徴付けられる。これらの座標は、特に、特定の時点におけるパラメーターΔEtを決定することを可能とする。このパラメーターΔEtは本願においてフォトクロミック化合物のフォトクロミック特性を特徴付けるのに用いられる。
【0038】
上記フォトクロミック化合物は約1.5、好ましくは2の色変化(これは、視覚的に知覚可能な色の差異である。)が生ずる量において存在する。好ましくは、その転換反応速度が、マスクが載せておかれる時間に相当するフォトクロミック化合物を選択する。この時間は上記マスクの所望の機能、及び、特に上記フォトクロミック化合物の転換反応速度に依存する。マスクが載せておかれる時間と、上記フォトクロミック化合物のこれらの転換反応速度とは化学的に両立する。
【0039】
フォトクロミック化合物の量は、例えば、上記組成物の全重量に対して0.001から30重量%、好ましくは0.05から20重量%であり、さらには、1から16重量%である。「上記組成物の全重量に対して」の表現は、このパーセンテージは上記組成物の重量に関するものであり、組成物と支持体の全重量に関するものではないことを意図する。
【0040】
上記マスクに含浸した化粧用組成物の量は上記支持体及び所望の効果に依存するが、少なくとも上記マスクが僅かに皮膚にくっつき、そのことにより、配合物に含まれる活性剤が皮膚上に移動するために少なくとも十分な量でなければならない。上記マスクは好ましくは化粧用組成物に十分に浸されることにより、適用時の間ずっと湿潤しているべきである。本発明の好ましい実施態様によると、上記組成物の上記支持体への含浸の程度は上記化粧用組成物の量が上記支持体重量の100重量%から2000重量%、好ましくは300重量%から1000重量%に相当する程度である。このパーセンテージは、含浸のなされていない支持体の重量に関するものである。
【0041】
上記支持体に含浸する組成物は水性組成物である。この様に、支持体に含浸した上記組成物は、上記フォトクロミック化合物に加えて、水も含む。さらに、上記組成物は化粧品分野において通常使用される添加剤、例えば、ポリオール類、エタノール等の2から6の炭素原子を有するアルコール類、活性剤類、保存料類、ポリマー類、キレート剤類、界面活性剤類、抗酸化剤類、皮膚軟化剤類、香料類、充填剤類、又は当該分野において通常使用されるあらゆる成分を、検討の上含んでもよく、これらの化合物は親水性又は親油性であってよい。
【0042】
もちろん、当業者は、発明に基づく組成物に本質的に関連する有利な特性が、想定される添加により損なわれる又は実質的に損なわれることのないように、本発明に係る上記組成物に添加することが可能な化合物、及び、その量を注意深く選択するものとする。
【0043】
上記支持体に含浸する化粧用組成物は、上記支持体に含浸するべく十分な流体でなくてはならず、かつ、適用の間、使用者の首に流れ落ちないよう、十分にゲル化されていなければならない。上記組成物は、こうして、増粘剤の添加により僅かに増粘されていてもよい。上記組成物を僅かに増粘することにより、存在する粒子と、例えば、フォトクロミック粒子とを上記組成物中に懸濁させて維持することが可能となり、こうして上記マスク全体に渡る均一な分布が許容される。好ましくは、上記組成物は500 mPa.sから60 000 mPa.sの範囲の粘度、さらには、1000 mPa.sから30 000 mPa.sの範囲の粘度を有する、この粘度は周囲温度(20から25°C)において、Rheomat RM 180 粘度計を用いることにより、上記組成物の粘度に適切なローター、例えば、ローター2を使用して測定する。
【0044】
本発明に係る上記化粧用組成物はローション(水性組成物)であって、ゲル化されていてもよいもの、又は、ゲル化されていてもよいエマルション(水性相及び油性相を含む組成物)、例えば、油中水(W/O)若しくは水中油(O/W)又は多層エマルションであってもよい。
【0045】
増粘剤としては、特に、増粘ポリマー、とりわけ、以下のものが挙げられる:
−カルボキシビニルポリマー、例えば、Noveon社によって名称Carbopol(INCI名称:カルボマー)において販売される製品;ポリアクリレート類及びポリメタクリレート類、例えばGuardian社により名称Lubrajel及びNorgelにおいて又はHispano Chimica社により名称Hispagelにおいて販売される製品;
−少なくとも1つの疎水性鎖を含むアニオン性ポリマー類、特に、少なくとも1つの疎水性鎖を含むアクリル又はメタクリルコポリマー類(ターポリマー類を含む)、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、又はこれらのエステル類と、疎水性基を含むエチレン性不飽和モノマーとの共重合により得られるコポリマー類、例えば、Noveon社によりPEMULEN TR1、 PEMULEN TR2 又は CARBOPOL 1382の名称 (INCI名: アクリレーツ/C10-30 アルキルアクリレートクロスコポリマー)において販売される、架橋コポリマー類;メタクリル酸/メチルアクリレート/エトキシ化されたアルキルジメチル-メタ-イソプロペニルベンジルイソシアネートターポリマーの25%水溶液であって、Amerchol社によって名称Viscophobe DB1000において販売されるもの、アクリル酸/オキシエチレン化(20OE)モノステアリルイタコネートコポリマーの30%水性分散液であって、National Starch社により、Structure 2001の名称で販売されるもの、アクリル酸/エトキシ化(20OE)モノセチルイタコネートコポリマーの30%水性分散液であって、National Starch社により、Structure 3001の名称で販売されるもの、Rohm & Haas社により、Aculyn 22の名称により販売される、アルカリ性媒体可溶アクリルコポリマーの30%水性分散液;
−ポリアクリルアミド類;
−任意に架橋、及び/又は、中和された2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ポリマー類及びコポリマー類、例えば、CLARIANT社によって、"Hostacerin AMPS"の名称で販売されるポリ(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸)(INCI name: アンモニウムポリアクリリルジメチルタウルアミド)、又は、例えば、水中油型エマルションの形態の、アクリルアミドとAMPSとの架橋コポリマー類等、例えば、SEPPIC社により、名称SEPIGEL 305において販売されるもの(INCI名:ポリアクリルアミド/C13-14 イソパラフィン/ラウレス-7)、及び、名称SIMULGEL 600において販売されるもの(INCI 名: アクリルアミド/ソジウム アクリロイルジメチルタウレート コポリマー/イソヘキサデカン/ポリソルベート 80)。
Clariant社により、Aristoflex SNC, LNC 及び HMSの名称において販売される製品等の、疎水性部分を含む架橋化又は直鎖AMPSポリマー類;
−キサンタンガム、グアールガム、及びこれらの誘導体等の多糖類、例えば、ヒドロキシプロピルグアール、特に、Rhodia社により、Jaguar HP105の名称において販売されるもの、イナゴマメゴム、アラビアゴム、硬化グルカン類、キチン誘導体及びキトサン誘導体、カラゲーニン類、ゲラン類、アルギネート類、セルロース類(例えば微結晶性セルロース)、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース並びにヒドロキシエチルセルロース、例えば、Aqualon社により、Natrosol 250HHRの名称において販売される製品;
−少なくとも1つの疎水性ブロック及び少なくとも1つの親水性ブロックを含む非イオン性ポリマー類、例えば、Huls社により、SERAD FX1010, SERAD FX1100(INCI name: ステアレス-100/PEG-136/HMDI コポリマー)及びSERAD FX1035の名称において販売されるポリウレタン類、及び、RHEOX社により、Rheolate 255, Rheolate 278 及び Rheolate 244において販売されるもの(INCI name: ポリエーテルウレア-ウレア-ポリウレタン)、Rohm & Haas社により、DW 1206F, DW 1206J, DW 1206B 及びDW 1206Gの名称において販売されるもの (INCI名:ポリウレタン)、及び、Rohm & Haas社によりAcrysol RM 2020の名称で販売されるものも挙げられる。
SMDIと脂肪アルコールとのコポリマーの水性溶液であって、Aculyn 46の名称において販売されるもの(INCI name: PEG-150 ステアリルアルコール/SMDI ポリマー)、及び、Rohm & Haas社による、Aculyn 44(INCI名: PEG-150 デシルアルコール/SMDI ポリマー)についても挙げられる。
【0046】
増粘ポリマー類の量は、上記組成物の全重量に対して、例えば、0.01から8重量%、好ましくは、0.05から5重量%の範囲である。
【0047】
本発明の好ましい実施態様によると、上記組成物は以下から選択される少なくとも1つの活性剤を含む:保湿剤、抗老化剤及び角質剥離剤、ビタミン類、抗菌剤類及び抗脂漏剤、並びに、これらの混合物。
【0048】
このように、本発明の組成物において使用してもよい活性剤としては、例えば、以下のものが挙げられる:
−保湿剤、例えば、乳酸ナトリウム;ポリオール類、及び、とりわけ、グリセロール、ソルビトール、ポリエチレングリコール類;マンニトール;アミノ酸類;ヒアルロン酸;ラノリン;尿素、及び尿素を含有する混合物、例えばNMF ("天然保湿因子")、並びに、尿素誘導体、例えば、N-(2-ヒドロキシエチル)尿素 (National Starch社により販売されるHydrovance);ワセリン;N-ラウロイルピロリドンカルボン酸及びこれらの塩類;必須脂肪酸類;精油類;及びこれらの混合物;
−抗老化剤及び角質剥離剤、例えば、α-ヒドロキシ酸類、特に、フルーツ由来の酸、例えば、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸又はマンデル酸、これらの誘導体、並びにこれらの混合物;β-ヒドロキシ酸類、例えば、サリチル酸、及びこれらの誘導体、例えば、5-n-オクタノイルサリチル酸又は5-n-ドデカノイルサリチル酸;α-ケト酸類、例えば、アスコルビン酸又はビタミンC、及び、これらの塩類等の誘導体、例えば、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビルリン酸(ascorbylphosphate)マグネシウム又はアスコルビルリン酸ナトリウム;アスコルビルアセテート、アスコルビルパルミテート及びアスコルビルプロピオネート等のこれらのエステル類、又はグリコシル化アスコルビン酸等のこれらの糖類、並びにこれらの混合物;β-ケト酸類;レチノール(ビタミンA)等のレチノイド類及びこれらのエステル類、レチナール、レチン酸、及び、これらの誘導体、並びに、文献FR-A-2,570,377、EP-A-199636、EP-A-325540、及びEP-A-402072に記載されるレチロイド類;アダパレン;カロテノイド類;並びにこれらの混合物;
−ビタミン類、例えば、上記ビタミンA 及びC、並びに、ビタミンE(トコフェロール)、並びに、これらの誘導体;ビタミンB3(またはビタミンPPまたはナイアシンアミド)、並びに、その誘導体;ビタミンB5(つまりパンテノールまたはパンテニルアルコールまたは2,4-ジヒドロキシ-N-(3-ヒドロキシプロピル)-3,3-ジメチルブタンアミド)、その様々な形態のもの:D-パンテノール、DL-パンテノール、及びこれらの誘導体、並びにこれらの類似体、例えば、パントテン酸カルシウム、パンテチン、パンテテイン、エチルパンテニルエーテル、パンガミック酸、ピリドキシン、パントイルラクトース、及びこれらを含む天然化合物、例えばローヤルゼリー;ビタミンD及びこれらの類似体、例えば文献WO-A-00/26167に記載のもの;ビタミンF、又は、その類似体、例えば、少なくとも1つの二重結合を有する不飽和酸類の混合物、特に、リノール酸、リノレン酸、及び、アラキドン酸、又は、二重結合を含む化合物の混合物;
−抗菌剤及び抗脂漏剤、例えば、サリチル酸、2,4,4'-トリクロロ-2'-ヒドロキシフェニルエーテル(又はトリクロサン)、3,4,4'-トリクロロカルボアニリド(またはトリクロカルバン)、アゼライン酸、ベンゾイル過酸化物、及び、亜鉛塩、例えば、ラクテート亜鉛、グルコネート亜鉛、ピドレート亜鉛、カルボキシレート亜鉛、サリチレート亜鉛、及び/又は、システエート亜鉛。
【0049】
活性剤類の量は上記組成物の全重量に対して、一般に5重量%以下であり、例えば、上記組成物の全重量に対して、0.0001から5重量%、好ましくは、0.01から4重量%の範囲であってよい。
【0050】
本発明の上記組成物において使用してもよい充填剤類としては、例えば、二酸化チタン及びマイカチタン酸化物等の顔料類;シリカ;タルク;ポリアミド粒子、特に、Atochem社によりORGASOLの名称により販売されるもの;ポリエチレン粉末類;天然有機物質類の粉末類、例えば、デンプン粉末、特に、トウモロコシ、コムギ、又はコメデンプンの粉末類であって、架橋されていてもいなくともよいもの、例えば、National Starch社によりDRY-FLOの名称において販売される、オクテニルサクシネート無水物により架橋されたデンプン粉末等;アクリル性コポリマー類に基づくマイクロスフィアー類、例えば、Dow Corning社によりPOLYTRAPの名称で販売される、エチレングリコールジメタクリレート/ラウリルメタクリレートコポリマー;中空マイクロスフィアー類等の膨張粉末類、特に、Kemanord Plast社により、EXPANCELの名称において販売されるマイクロスフィアー類、又は、Matsumoto社によりMICROPEARL F 80 EDの名称で販売されるマイクロスフィアー類;Toshiba Silicone社によりTOSPEARLの名称で販売されるシリコーンレジンマイクロビーズ類;並びにこれらの混合物が挙げられる。これらのフィラー類は、存在する場合には、上記組成物の全重量に対して0.05から20重量%の範囲、好ましくは、0.5から10重量%、さらには、1から10重量%の範囲の量であってよい。
【0051】
本発明に係る組成物は、エマルション類又は分散液の形態であってよく、故に、親油性化合物、特に、オイル類を含む脂肪相を含んでもよい。
【0052】
本発明の組成物において使用されてよいオイル類としては、例えば、以下のものが挙げられる:
−動物由来の炭化水素系オイル類、例えば、パーヒドロスクワレン;
−植物由来の炭化水素系オイル類、例えば、4から10の炭素原子を含む脂肪酸の液体トリグリセリド類、例えば、ヘプタン酸またはオクタン酸のトリグリセリド類、でなければ、例えば、ひまわり油、とうもろこし油、大豆油、マローオイル、ブドウシードオイル、ゴマ油、ヘイゼルナッツオイル、アプリコットオイル、マカダミアオイル、アララオイル、ヒマシ油、アボカード油、Stearineries Dubois社により販売される、又は、Dynamit Nobel社によりMiglyol 810, 812及び818の名称において販売されるカプリル酸/カプリン酸酸トリグリセリド類、ホホバオイル、シアバターオイル;
−合成エステル類及びエーテル類、特に脂肪酸のものであって、一般式R1COOR2及びR1OR2のもの、式中、R1は8から29の炭素原子を含む脂肪酸の残基、及び、R2は2から30の炭素原子を含む直鎖又は分岐状炭化水素系鎖を表す、例えば、プルセリンオイル、イソノニルホソノナノエート、イソプロピルミリステート、2-エチル-10ヘキシルパルミテート、2-オクチルドデシルステアレート、2-オクチルドデシルエルケート、イソステアリルイソステアレート;水酸化エステル類、例えば、イソステアリルラクテート、オクチルヒドロキシステアレート、オクチルドデシルヒドロキシステアレート、ジイソステアリルマレート、トリイソセチルシトレート、脂肪族アルコールヘプタノエート類、オクタノエート類またはデカノエート類;ポリオールエステル類、例えば、プロピレングリコールジオクタノエート、ネオペンチルグリコールジヘプタノエート及びジエチレングリコールジイソノナノエート;及びペンタエリスリチルテトライソステアレート等のペンタエリスリトールエステル;
−無機又は合成由来の直鎖又は分枝状の炭化水素類、例えば、揮発性又は非揮発性パラフィンオイル類、及びこれらの誘導体、ワセリン、ポリデセン類、パーレームオイル等の水添ポリイソブテン;
−8から26の炭素原子を有する脂肪族アルコール類、例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール及びこれらの混合物(セチルステアリルアルコール)、オクチルドデカノール、2-ブチルオクタノール、2-ヘキシルデカノール、2-ウンデシルペンタデカノール、オレイルアルコール又はリノレニルアルコール;
−部分的に炭化水素系及び/又はシリコーン系のフッ素オイル類、例えば、文献JP-A-295912に記述されるもの;
−シリコーンオイル類、直鎖又は環状シリコーン鎖を含むポリメチルシロキサン類(PDMSs)であって、室温で液状又はペースト状のもの、特に、シクロヘキサシロキサン等のシクロポリジメチルシロキサン(シクロメチコーン類);アルキル、アルコキシ、フェニル基であって、2から24の炭素原子を有する基であって、ペンダント状のもの又はシリコーン鎖の末端にあるものを含むポリジメチルシロキサン類;フェニルシリコーン類、例えば、フェニルトリメチコーン類、フェニルジメチコーン類、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン類、ジフェニルジメチコーン類、ジフェニルメチルジ-フェニルトリシロキサン類、2-フェニルエチルトリメチルシロキシシリケート類、及びポリメチルフェニルシロキサン類;
−並びに、これらの混合物。
【0053】
上述のオイル類のリストにおいて、用語「炭化水素系オイル」は、主に炭素及び水素原子、恐らく、エステル、エーテル、フッ素、カルボン酸、及び/又は、アルコール基を含むあらゆるオイルを含むことを意味する。
【0054】
上記油性相に存在してもよい他の脂肪物質類は、例えば、8から30の炭素原子を含む脂肪酸類、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、及びオレイン酸;ロウ類、例えば、ラノリン、蜜ロウ、カルナウバロウ、又はカンデリラロウ、パラフィンロウ、リグナイトロウ、又はミクロ結晶性ワックス類、セレシン、オゾケライト、ポリエチレンロウ、及びフィッシャー-トロプシュ(Fischer-Tropsch)ロウ;トリフルオロメチル-C1-4-アルキルジメチコーン及びトリフルオロプロピルジメチコーン等のシリコーン樹脂類;並びに、シリコーンエラストマー類であって、例えば、Shin-Etsu社により「KSG」の名称の下に販売される製品、Dow Corning社により、「Trefil」, 「BY29」又は「EPSX」の名称において販売される製品、Dow Corning社により、「Trefil」, 「BY29」又は「EPSX」の名称において販売される製品、又はGrant Industries社により、「Gransil」の名称において販売される製品である。
【0055】
当業者は、これらの脂肪物質類を、所望の特性、例えばコンシステンシー又は質感(texture)におけるもの、を有する組成物を調製するために、様々な方法により選択する。
【0056】
上記エマルション類は、一般に、両性、アニオン性、カチオン性、非イオン性乳化剤から選択される、少なくとも1つの乳化剤であって、単独で、又は混合物として用いられる乳化剤を含む。上記乳化剤類は、得ようとするエマルション(水中油型又は油中水型)の連続相に基づき、適切な方法において選択される。上記エマルションが多相エマルションである時、一般に、第一のエマルションに乳化剤を含み、かつ、第一のエマルションが導入される外部相に乳化剤を含む。
【0057】
油中水型エマルションの調製に用いてもよい乳化剤類としては、例えば、ソルビタン、グリセロール、又は糖類のアルキルエステル類又はエーテル類;シリコーン界面活性剤類、例えば、ジメチコーンコポリオール類、例えば、Dow Corning社により、DC5225C及びDC3225Cの名称において販売されるシクロメチコンとジメチコーンコポリオールの混合物、及び、例えば、アルキルジメチコーンコポリオール類、例えば、Dow Corning社により「Dow Corning 5200 Formulation Aid」の名称において販売されるラウリルメチコーンコポリオール、Goldschmidt社により、Abil EM 90Rの名称において販売されるセチルジメチコーンコポリオール、及び、ポリグリセリル-4イソステアレート/セチルジメチコーンコポリオール/ヘキシルラウレートの混合物であって、Goldschmidt社によりAbil WE 09Rの名称において販売されるものが挙げられる。1以上の共乳化剤であって、有利なものとしては、以下を含む群から選択されることが可能であるものを添加することも可能である:
分岐鎖脂肪酸とポリオールとのエステル類、特に、分岐鎖脂肪酸とグリセロール及び/又はソルビタンとのエステル類、及び、例えば、ポリグリセロールイソステアレート、例えば、Goldschmidt社により、Isolan GI 34の名称において販売される製品、ICI社によりArlacel 987の名称において販売される製品等のソルビタンイソステアレート、ICI社により、Arlacel 986の名称において販売される製品等のソルビタンイソステアレート及びグリセロールイソステアレートの混合物、並びにこれらの混合物。
【0058】
水中油型エマルションの調製に用いてもよい乳化剤としては、例えば、非イオン性乳化剤類、例えば、ポリオール類のオキシアルキレン化(とりわけ、ポリオキシエチレン化)脂肪酸エステル類、例えば、PEG-100ステアレート、PEG-50ステアレート及びPEG-40ステアレート等のポリエチレングリコールステアレート類;及びSEPPIC社によりSIMULSOL 165の名称において販売されるグリセリルモノステアレートとポリエチレングリコールステアレート(100 OE)の混合物等の、これらの混合物;ソルビタンの、例えば、20〜100 OEを含むオキシエチレン化された脂肪酸エステル類、例えば、Uniqema社により、Tween 20又はTween 60の商標名において販売されるもの;オキシアルキレン化(オキシエチレン化、及び/又は、オキシプロピレン化)脂肪族アルコールエーテル類;スクロースステアレート等の糖エステル類;並びに、これらの混合物、例えば、グリセリルステアレートとPEG-100ステアレートの混合物であって、Uniqema社によりArlacel 165の名称において販売されるものが挙げられる。
【0059】
共乳化剤、例えば、8から26の炭素原子を有する脂肪族アルコール類、セチルアルコール、ステアリルアルコール、及びこれらの混合物(セテアリールアルコール)、オクチルドデカノール、2-ブチルオクタノール、2-ヘキシルドデカノール、2-ウンデシルペンタデカノール、又はオレイルアルコールをこれらの乳化剤類に添加することができる。
【0060】
乳化界面活性剤類を含まない、又は、上記組成物の全重量に対して0.5%未満しか含まないエマルション類を適切な化合物、例えば以下に挙げるものを用いることにより調製することができる:乳化特性を有するポリマー類、例えば、Noveon社によりCarbopol 1342 及びPemulenの名称で販売されるポリマー類;又は、任意に架橋、及び/又は、中性化された、2-アクリル- アミド-2-メチルプロパンスルホン酸、例えば、CLARIANT社により、「Hostacerin AMPS」の名称において販売されるポリ(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(INCI名: アンモニウム ポリアクリルジメチルタウルアミド(tauramide))又はSeppic社によりSepigel 305の名称で販売されるエマルション中のポリマー(INCI名: ポリアクリルアミド/C13-C14 イソパラフィン/ラウレス-7);イオン性、又は、非イオン性ポリマー類の粒子類、とりわけ、アニオン性ポリマーの粒子類、とりわけ、イソフタル酸又はスルホイソフタル酸ポリマー類、特に、フタレート/スルホイソフタレート/グリコールコポリマー類(例えば、ジエチレングリコール/フタレート/イソフタレート/1,4-シクロヘキサンジメタノール(INCI名:ジグリコール/CHDM/イソフタレート/SIP コポリマー))であって、Eastman Chemical社により、Eastman AQポリマー(AQ35S, AQ38S, AQ55S, AQ48 Ultra)の名称で販売されるもの。乳化剤類を含まないエマルション類であって、シリコーン粒子、又は、TiO2等の金属酸化物の粒子により安定化されたエマルション類を調製することもできる。
【0061】
上記組成物は通常の調製方法、例えば、上記組成物が水性相のみを含むローションであるなら、構成成分を単に混合することにより、又は、上記組成物が少なくとも2つの非混和性の相を含むエマルションの場合には、それぞれの相を調製して、一方をもう一方に導入することにより調製される。上記組成物の混合又は乳化の前には、上記フォトクロミック化合物は、それらの化学的性質により最大の親和性を示すこととなる水性相中において、好ましくは細かく潰されている。
【0062】
[マスクの調製:]
本発明に係るマスクの調製のために当業者に公知となっているあらゆる方法を使用することができる。好ましい実施態様においては、上記支持体は折り畳まれ、その三方が密封された不透明なプラスチック製小容器に入れられる。このプラスチック製小容器は、例えば、正方形、長方形、又は菱形の形状であり、含浸のための組成物がこのプラスチック製小容器に添加され、その後、上記支持体に含浸のための組成物を効率的に行き渡らせるために上記小容器はプレスされる。その後、上記小容器は気密密封される。上記マスクが上記小容器から取り出されるまで、上記フォトクロミック化合物が基底状態にあることを許容するため、上記小容器は不透明でなければならない。
【0063】
[マスクの使用方法:]
このマスクは皮膚、特に顔面の皮膚への適用を意図しており、顔面の皮膚のあらゆるトリートメントの効用及び効果のために使用することができる。このマスクの使用の目的は、上記組成物に含有される活性剤、及び、任意に、親油性化合物の浸透による、特にスキンケア、皮膚の保湿、皮膚老化の兆候、特に、シワ及び小ジワのトリートメント、及び、上記皮膚の柔軟化である。上記マスクはリラックスの目的のために用いられてもよい。
【0064】
本発明の主題は、また、上述のマスクの、スキンケアのための美容的使用でもある。このケアは保湿のケア、抗老化トリートメント、又はフェイシャルケアマスクのための機能であってよい。
【0065】
このマスクの使用は消費者にリラックスした感じと、恐らくはリフレッシュした感じを与える。マスクが作用するのに十分な長時間に渡ってマスクが載せておかれたかどうかを知るために、マスクが載せておかれた時間を監視する必要がないという事実により、このリラックスの度合いがより一層強くなる。
【0066】
消費者が上記マスクの適用の際に置かれることとなる標準照度は、国際照明委員会、つまり、CIE(CIE publication 15: 2004, ISBN 3 901 906 33 9, Colorimetry, 3rd editionを参照)により規定されるものでは、A、C、D又はF 型のものである。
【0067】
その輝度スペクトルにおいて、上記フォトクロミック化合物の状態の変化を開始するのに必要な波長を含む光を、好ましくは選択する。
【0068】
本発明の別の主題は、皮膚に上述のマスクを適用すること、露光しながら上記皮膚上に上記マスクを上記マスクが色を変化するまで載せておくこと、及び、上記マスクが色を変えると同時にそれを除去することからなる化粧用スキンケア方法である。
【0069】
上記マスクが皮膚上に載せておかれる時間は所望のケアに基づき変化するが、一般に5から30分の範囲にある。
【0070】
本発明は、以下の実施例において、詳述されるが、別途規定しない限りパーセンテージは重量に対して規定される。化合物名は、INCI名、又は化学物質名、あるいは商標名で示される。
【0071】
[本発明に係る実施例:]
使用されるマスクはビスコース及びセルロース繊維の不織布支持体であって、80 g/m2の重量を有し、SANSHO SHIGYO社によりKP9380の参照名で販売されるものからなる。このマスクは顔面の形状に切り取られ、149.31の参照名でTobepal社により販売されるPET12/ALU12/PE75調合物からなるプラスチック製小容器に、折り込まれた後、以下に示す24 gの液体組成物に含浸される。
【0072】
上記マスクの露光の前後における色の変化を測定するために、3色表色系座標を使用して、分光比色差(DE*)を決定した。
【0073】
マスクのフォトクロミック特性は以下の方法により、3色表色系座標(L, a 及び b)を使用することにより特定してよい。
【0074】
上記プラスチック製小容器から取り出されてすぐのマスクの3色表色系座標(L0, a0 及び b0)をMinolta CM3700D分光比色計を用い、鏡面反射を含む反射測定のためのモード(鏡面反射= サンプルの光沢を含む測定モード)において、UVなしで測定する。その後、マスクを木製ランプ(励起波長を254 nmに設定)を使用して30分間に亘り照射する。さらなる比色測定を行ない、上記露光による色彩の変化の後の、新しい3色表色系座標(L30, a30 及び b30)を測定する。
【0075】
分光比色差(DE*)を以下の一般式を用いて計算する。:
【0076】
【数1】


【0077】
含浸組成物:
【0078】
【表1】


【0079】
[手順:]
相Aを、攪拌しながら、構成成分が完全に溶解するまで約75°Cから80°Cの温度において加熱した。その後、相Bを添加し混合物を攪拌した。混合物の温度を約35°Cまで低下させ、その後、相Cを添加し、さらに相Dを添加し、その後攪拌しながら相Eを添加した。引き続いて、相Fを冷却した状態において調製し、そこに相Gを添加した。相F + Gの混合物を予め得られた分散物に添加した。
【0080】
上記マスクにこの組成物24 gを含浸させた。含浸されたマスクの照射の前に、上述の通り、Minolta CM3700D分光比色計を用いて、上記マスクの比色測定を行なった。その後、マスクを木製ランプ(励起波長を254 nmに設定)を使用して30分間に亘り照射し、さらなる比色測定を行った。
【0081】
Minolta CM3700D分光比色計を使用しての測定により、初期状態(時間 0)と励起状態(時間30分)との間で得られた分光比色差(DE*)は3.14である。




 

 


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