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発明の名称 ヘアスタイルシミュレーション画像の形成方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−252617(P2007−252617A)
公開日 平成19年10月4日(2007.10.4)
出願番号 特願2006−80949(P2006−80949)
出願日 平成18年3月23日(2006.3.23)
代理人 【識別番号】110000224
【氏名又は名称】特許業務法人田治米国際特許事務所
発明者 池田 浩 / 中村 敦 / 森谷 圭一
要約 課題
顔画像と髪画像を合成してヘアスタイルシミュレーション画像を形成するにあたり、髪が顔に被さっているか否かを問わず、任意のヘアスタイルの髪画像を自動的に簡便に、フィッティングの自然さを損なわず、合成できるようにする。

解決手段
顔画像と髪画像の合成によるヘアスタイルシミュレーション画像を、顔画像において、両眼を検出し、両眼を通る直線(眼ライン)L1 と両眼の間隔の所定倍数として得られる顔幅D0 とに基づき、顔の仮の輪郭線として半卵形曲線L0を形成し、半卵形曲線L0を顔画像上で左右方向に走査し、半卵形曲線L0と顔画像中の顎部のエッジラインLaとの重なり度合から顔の輪郭線の左右両端部Pb、Pcを検出し、一方、髪画像についても同様に輪郭線の左右両端部Pb、Pcを検出し、双方の画像の顔の輪郭線の左右両端部Pb、Pcの幅D1f 、D1h を揃え、双方の画像を合成することにより形成する。
特許請求の範囲
【請求項1】
被験者の顔画像と選択された髪画像との合成によるヘアスタイルシミュレーション画像の形成方法であって、
被験者の顔画像において、両眼を検出し、
両眼を通る直線(以下、眼ラインと称する)と、両眼の間隔の所定倍数として得られる顔幅とに基づき、顔の眼ラインよりも下方の仮の輪郭線として半卵形曲線を形成し、
半卵形曲線を顔画像上で左右方向に走査し、半卵形曲線と顔画像中の顎部のエッジラインとの重なり度合が最大となる半卵形曲線の位置を取得し、その位置の半卵形曲線の左右両端部を顔の輪郭線の左右両端部として検出し、
一方、選択された髪画像の元となる顔画像について、顔の輪郭線の左右両端部を前記被験者の顔画像と同様に検出し、
被験者の顔画像又は選択された髪画像を相似拡大又は相似縮小することにより双方の顔の輪郭線の左右両端部の幅を揃え、被験者の顔画像と選択された髪画像とを合成するヘアスタイルシミュレーション画像の形成方法。
【請求項2】
被験者の顔画像において、顔の輪郭線の左右両端部を検出するのに先立ち、半卵形曲線を上下方向に走査し、半卵形曲線と顔画像中の顎部のエッジラインとの重なり度合が最大となる半卵形曲線の位置を取得し、その位置の半卵形曲線の下端部を顔の輪郭線の下端部として検出し、
顔の輪郭線の左右両端部の幅D1 と、顔の輪郭線の下端部と眼ラインとの距離D2 と、眼ラインと頭頂部との距離D3 との所定の関係式に基づき、被験者の顔画像について、顔の輪郭線の左右両端部の幅D1f と、半卵形曲線の下端部と眼ラインとの距離D2f とから眼ラインと頭頂部との距離D3f を取得し、
被験者の顔画像の大きさ調整用矩形として、顔の輪郭線の下端部を下辺に含み、左右両端部を対向する左右両辺に含み、頭頂部を上辺に含む矩形を形成し、
一方、選択された髪画像の大きさ調整用矩形を、その髪画像の元となる顔画像から、前記被験者の顔画像の大きさ調整用矩形と同様に形成し、
選択された髪画像を縦方向又は横方向に拡大又は縮小することにより、選択された髪画像の大きさ調整用矩形の縦横比を被験者の顔画像の大きさ調整用矩形の縦横比に合わせ、
被験者の顔画像又は選択された髪画像を相似拡大又は相似縮小することにより双方の大きさ調整用矩形の幅を揃え、被験者の顔画像と選択された髪画像を合成する請求項1記載のヘアスタイルシミュレーション画像の形成方法。
【請求項3】
半卵形曲線を、
(1)顔幅の間隔を開けた2本の直線(以下、顔幅ラインと称する)を眼ラインに垂直にひき
(2)各顔幅ラインから顔幅の7〜15%外側に直線(以下、外形ラインと称する)を顔幅ラインに平行にひき、
(3)眼ラインから下方へ顔幅の75〜90%の距離に直線(以下、仮の顎ラインと称する)を眼ラインに平行にひき、
(4)眼ラインと外形ラインとの交点を始点、両眼の中点から眼ラインに垂直に仮の顎ラインに下ろした線の足を終点、顔幅ラインと仮の顎ラインとの交点を制御点としてベジエ曲線を描くこと
により形成する請求項1又は2記載のヘアスタイルシミュレーション画像の形成方法。
【請求項4】
顔の輪郭線の左右両端部の幅D1 と、顔の輪郭線の下端部と眼ラインとの距離D2 と、眼ラインと頭頂部との距離D3 との関係式が、(D3/D2)と(D2/D1)の関数である請求項2又は3記載のヘアスタイルシミュレーション画像の形成方法。
【請求項5】
入力された顔画像と選択された髪画像を自動合成する演算装置、及び顔画像と髪画像とシミュレーション画像を同時に又は切り替えて表示するディスプレイを備えたヘアスタイルシミュレーション画像形成システムであって、
演算装置が、
入力された顔画像又は選択された髪画像の元となる顔画像において、両眼を検出する機能、
両眼の間隔を計測し、その所定倍数を顔幅として算出する機能、
両眼を通る直線(以下、眼ラインと称する)と顔幅に基づいて半卵形曲線を作製する機能、
顔画像中のエッジラインを検出する機能、
半卵形曲線を顔画像上で左右方向に走査し、半卵形曲線と顔画像中の顎部のエッジラインとの重なり度合が最大となる半卵形曲線の位置を取得し、その位置の半卵形曲線の左右両端部を顔の輪郭線の左右両端部として検出する機能、
入力された顔画像又は選択された髪画像を相似拡大又は相似縮小することにより双方の顔の輪郭線の左右両端部の幅を揃える機能、及び
入力された顔画像と選択された髪画像を合成する機能、を備えているヘアスタイルシミュレーション画像システム。
【請求項6】
演算装置が、
半卵形曲線を顔画像上で上下方向に走査し、半卵形曲線と顔画像中の顎部のエッジラインとの重なり度合が最大となる半卵形曲線の位置を取得し、その位置の半卵形曲線の下端部を顔の輪郭線の下端部として検出する機能、
顔の輪郭線の左右両端部の幅D1 と、顔の輪郭線の下端部と眼ラインとの距離D2 と、眼ラインと頭頂部との距離D3 との所定の関係式に基づき、当該入力された顔画像について、顔の輪郭線の左右両端部の幅D1f と、半卵形曲線の下端部と眼ラインとの距離D2f とから眼ラインと頭頂部との距離D3f を取得する機能、
入力された顔画像の大きさ調整用矩形として、前記顔の輪郭線の下端部を下辺に含み、左右両端部を対向する左右両辺に含み、頭頂部を上辺に含む矩形を形成する機能、
選択された髪画像の大きさ調整用矩形を、その髪画像の元となる顔画像から、前記入力された顔画像の大きさ調整用矩形と同様に形成する機能、
選択された髪画像を縦方向又は横方向に拡大又は縮小することにより、選択された髪画像の大きさ調整用矩形の縦横比を入力された顔画像の大きさ調整用矩形の縦横比に合わせる機能を備えている請求項5記載のヘアスタイルシミュレーション画像システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、顔画像と髪画像の合成によりヘアスタイルシミュレーション画像を形成する方法とシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般消費者が、或るヘアスタイルが自分に似合うか否かを、ヘアスタイルを実際に変更することなく事前に判断できるようにするため、その者の顔画像とその者が指定したヘアスタイルの髪画像とを合成し、ヘアスタイルシミュレーション画像を形成することがなされている。従来、このようなヘアスタイルシミュレーション画像の形成においては、オペレータが手作業で顔画像と髪画像の大きさや重ね合わせの位置の調整をしている。
【0003】
しかしながら、そのような方法では、ヘアスタイルシミュレーション画像を短時間で消費者に提供することができず、実際上、店頭等において消費者が種々のヘアスタイルを試すことが妨げられ、また、ヘアスタイルシミュレーション画像の作成依頼が多数あった場合に対応が困難となっていた。
【0004】
これに対しては、顔領域を自動抽出し、顔領域の輪郭線の最大幅を顔幅として顔画像と髪画像の顔幅を合わせ、自動的にフィッティングする手法があるが(特許文献1)、この方法では同一人物の画像でも、髪が顔に被さっている場合と被さっていない場合とでは、フィッティングの基礎とする顔幅が変わってしまい、結果的に、髪画像と顔画像のフィッティングが不自然なヘアスタイルシミュレーション画像が形成されることがある。
【0005】
【特許文献1】特開平8−131252号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上のような従来技術の課題に対し、本発明は、顔画像と髪画像を合成してヘアスタイルシミュレーション画像を形成するにあたり、髪が顔に被さっているか否かを問わず、どのような髪型の顔画像に対しても、任意のヘアスタイルの髪画像を自動的に簡便に合成できるようにし、かつ髪画像と顔画像のフィッティングに自然さが失われないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、
(1)顔の略下半分の輪郭線は半卵形曲線でフィッティングすることができ、半卵形曲線を顔画像の顎部の輪郭線にフィッティングさせることにより、顎より上側で顔の輪郭線が髪で隠れていても、半卵形曲線でその輪郭線を予測できること、
(2)頭頂部(即ち、頭蓋骨の輪郭線の頂部)は、髪型によっては、顔画像から予測することが困難であるが、半卵形曲線を用いて求めた顔の輪郭線の左右両端部の幅と、顔の輪郭線の下端部と眼ラインとの距離と、眼ラインと頭頂部との距離との間には特定の関係があること、したがって、
(3)被験者の顔画像と、その被験者の好み等により選択された髪画像とを合成するに際し、被験者の顔画像と選択された髪画像の元となる顔画像とについて、顔の仮の輪郭線として半卵形曲線を形成し、この半卵形曲線を、髪が被さっていない顎部のエッジラインにフィッティングすることにより、顔の輪郭線の左右両端部を定め、この左右両端部の幅を、被験者の顔画像と選択された髪画像とで揃えておくと、髪が顔に被さっているか否かに関わらず、髪画像と顔画像に自然なフィッティングを得られること、
(4)また、半卵形曲線を用いて顔の輪郭線の下端部も求め、さらに特定の関係式に基づいて頭頂部を予測し、こうして得た顔の輪郭線の下端部と左右両端部と頭頂部に基づいて、顔画像と髪画像の大きさを調整するために使用する大きさ調整用矩形を形成し、一方、選択された髪画像についても、その元となる顔画像から、被験者の顔画像の大きさ調整用矩形と同様に大きさ調整用矩形を形成し、その大きさ調整用矩形の縦横比を被験者の顔画像の大きさ調整用矩形の縦横比に揃えると、被験者の顔画像と選択された髪画像の元となる顔画像の外形が、面長あるいは丸顔といったように大きく異なる場合でも、自然なフィッティングを得られることを見出した。
【0008】
即ち、本発明は、被験者の顔画像と選択された髪画像の合成によるヘアスタイルシミュレーション画像の形成方法であって、
被験者の顔画像において、両眼を検出し、
両眼を通る直線(以下、眼ラインと称する)と、両眼の間隔の所定倍数として得られる顔幅とに基づき、顔の眼ラインよりも下側の仮の輪郭線として半卵形曲線を形成し、
半卵形曲線を顔画像上で左右方向に走査し、半卵形曲線と顔画像中の顎部のエッジラインとの重なり度合が最大となる半卵形曲線の位置を取得し、その位置の半卵形曲線の左右両端部を顔の輪郭線の左右両端部として検出し、
一方、選択された髪画像の元となる顔画像について、顔の輪郭線の左右両端部を前記被験者の顔画像と同様に検出し、
被験者の顔画像又は選択された髪画像を相似拡大又は相似縮小することにより双方の顔の輪郭線の左右両端部の幅を揃え、被験者の顔画像と選択された髪画像とを合成するヘアスタイルシミュレーション画像の形成方法を提供する。
【0009】
また、本発明は、入力された顔画像と選択された髪画像を自動合成する演算装置、及び顔画像と髪画像とシミュレーション画像を同時に又は切り替えて表示するディスプレイを備えたヘアスタイルシミュレーション画像形成システムであって、
演算装置が、
入力された顔画像又は選択された髪画像の元となる顔画像において、両眼を検出する機能、
両眼の間隔を計測し、その所定倍数を顔幅として算出する機能、
両眼を通る直線(眼ライン)と顔幅に基づいて半卵形曲線を作製する機能、
顔画像中のエッジラインを検出する機能、
半卵形曲線を顔画像上で左右方向に走査し、半卵形曲線と顔画像中の顎部のエッジラインとの重なり度合が最大となる半卵形曲線の位置を取得し、その位置の半卵形曲線の左右両端部を顔の輪郭線の左右両端部として検出する機能、
入力された顔画像又は選択された髪画像を相似拡大又は相似縮小することにより双方の顔の輪郭線の左右両端部の幅を揃える機能、及び
入力された顔画像と選択された髪画像を合成する機能、を備えているヘアスタイルシミュレーション画像システムを提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明のヘアスタイルシミュレーション画像の形成方法によれば、被験者の顔画像とその被験者の好み等により選択された髪画像とのそれぞれについて、半卵形曲線を用いて顔の輪郭線の左右両端部を検出するので、髪が顔に被さっているか否かを問わず、顔の輪郭線の左右両端部の幅を取得し、その左右両端部の幅を顔画像と髪画像とで揃えることができる。したがって、被験者の顔画像において、髪が顔に被さっているか否かを問わず、任意の被験者の顔画像に、任意のヘアスタイルの髪画像を、フィッティングの自然さを損なうことなく合成することができ、しかもそのような合成をオペレータの手作業によるフィッティングを要することなく簡便に行うことができる。
【0011】
さらに、本発明のヘアスタイルシミュレーション画像の形成方法において、被験者の顔画像と選択された髪画像のそれぞれについて、半卵形曲線を用いて、顔の輪郭線の左右両端部の他に下端部も検出し、また特定の関係式に基づいて頭頂部を予測し、これらに基づいて大きさ調整用矩形を形成すると、この大きさ調整用矩形を用いて髪画像の縦横比を顔画像の縦横比に合わせることができるので、被験者の顔画像と選択された髪画像の元となる顔画像の外形が、面長あるいは丸顔といったように大きく異なる場合でも、自然なフィッティングを得ることができる。
【0012】
また、本発明のヘアスタイルシミュレーション画像システムによれば、本発明のヘアスタイルシミュレーション画像の形成方法を、演算装置で自動的に行うことができる。したがって、短時間に多くのヘアスタイルシミュレーション画像を形成することが可能となり、例えば、インターネットを通して多くの人からヘアスタイルシミュレーション画像の作製依頼が殺到しても、各依頼者にヘアスタイルシミュレーション画像を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、各図中、同一符号は、同一又は同等の構成要素を表している。
【0014】
図1は、顔画像と髪画像とを合成してヘアスタイルシミュレーション画像を形成する本発明のヘアスタイルシミュレーション画像の形成方法の一実施例を示す流れ図であり、図2は、この方法を実施するヘアスタイルシミュレーション画像形成システム10のブロック図である。
【0015】
このシステム10は、パソコン本体1とディスプレイ2からなり、パソコン本体1には、デジタルカメラ3、イメージスキャナ4、プリンタ5等が接続されている。
【0016】
パソコン本体1は、顔画像と髪画像とを自動合成する演算装置となるものであり、概略、画像中の特定色の領域を抽出し、抽出した領域の大きさを計測する機能、所定の直線図形又は曲線図形の描画機能、エッジ画像の形成機能、エッジラインの検出機能、画像又は描画図形の移動機能、画像又は描画図形の拡大縮小機能、画像又は描画図形の重なり度合いの計測機能、画像の合成機能等を有し、さらに、本発明のヘアスタイルシミュレーション画像の形成に使用する各機能を備えている。なお、特定色の領域抽出機能、指定した領域の大きさの計測機能、所定の直線図形又は曲線図形の描画機能、エッジ画像の形成機能、エッジラインの検出機能、画像又は描画図形の移動機能、画像又は描画図形の拡大縮小機能、画像又は描画図形の重なり度合いの計測機能、画像の合成機能等の画像処理機能自体は、例えば、アドビシステム社製フォトショップ等の市販の画像処理ソフトをパソコン本体1に搭載することにより得ることができる。
【0017】
ディスプレイ2は、パソコン本体1に取り込まれた顔画像と髪画像と、顔画像と髪画像の合成によるシミュレーション画像を同時に又は切り替えて表示する。
【0018】
図1のヘアスタイルシミュレーション画像の形成方法では、まず、パソコン本体1に被験者の顔画像を取得する。顔画像の取得は、例えば、デジタルカメラ3で被験者の顔画像を撮り、それをパソコン本体1に取り込ませることによってもよく、イメージスキャナ4を用いて被験者の顔写真を読み取ることによってもよく、インターネット等の通信回線を利用して取得してもよい。この場合、顔画像と髪画像の合成処理速度を上げる点から、顔画像は、顔が正面向のものとすることが好ましい。
【0019】
次に、顔の略下半分の仮の輪郭線として半卵形曲線L0 を、顔画像における顔幅と両眼を通る直線(眼ラインL1 )を基準にして形成する。ここで半卵形曲線L0 とは、図3に示すように、所定の短径Dx 、長径Dy を有し、両眼の中間点に中心Oを有する楕円(破線)Lx に対して、下端点側がやや細くなっている曲線(実線)をいう。短径Dx と長径Dy が同じ、すなわち丸顔である場合も含む。半卵形曲線L0 は、楕円Lx よりも、眼ラインL1 から下側の顔の輪郭線とフィッティングがよい。また、半卵形曲線L0 は、両眼を検出し、眼ラインL1 と顔幅を取得することで描き方を一律に定められるので、自動的に描くことができる。さらに、半卵形曲線L0 を、画像上現れている顔の顎部の輪郭線にフィッティングさせることにより、髪に隠れて画像上現れていない顔の輪郭線も良好に予測することが可能となる。
【0020】
半卵形曲線L0 の具体的な形成方法としては、例えば、まず、両眼、好ましくは両眼の瞳の中間点P1 を検出し、図4に示すように、眼ラインL1 として両眼を通る直線を引く。両眼の検出方法としては、例えば、エッジ検索による方法、テンプレートマッチングによる方法、眉間検出後に両眼を検出する方法、特願2005-380436に記載の方法等、によることができる。
【0021】
次に、両眼の間隔、好ましくは両眼の瞳の間隔を計測し、その所定倍数を顔幅D0 とする。ここで、顔幅D0 を算出するために、両眼の間隔に掛け合わせる係数は、経験的に定められ、1.75〜2.00の数値を使用することができる。
【0022】
顔幅ラインL2 として、顔幅D0 を挟み、眼ラインL1 に垂直な2本の直線をひき、さらに、外形ラインL3 として、顔幅D0 に所定の係数を掛けた距離だけ各顔幅ラインL2 よりも外側に直線を顔幅ラインL2 に平行にひく。この係数は、通常、7〜15%の範囲で定めればよい。これにより、外形ラインL3 の間隔D4 はD0 ×(114〜130)%となる。
【0023】
また、仮の顎ラインL4 として、顔幅D0 に所定の係数を掛けた距離だけ眼ラインL1 から下方へ直線を眼ラインL1 に平行に引く。この係数は、通常、75〜90%の範囲で定めればよい。
【0024】
眼ラインL1 と外形ラインL3 との交点を始点P2 、両眼の中間点P1 から仮の顎ラインL4 に下ろした垂線の足を終点P3 、顔幅ラインL2 と仮の顎ラインL4 との交点を制御点P4 としてベジエ曲線を描き、このベジエ曲線を半卵形曲線L0 とする。半卵形曲線L0 の形成方法としては、この他、制御点を別途定め、スプライン曲線により形成することもできる。
【0025】
一方、髪型の如何に関わらず、通常、顔画像に輪郭線が現れている顎部について、その輪郭線を取得する。そのため、好ましくは、図5に示すように、取得した顔画像からエッジ画像を形成し、顎部のエッジラインLa を取得する。
【0026】
そして、好ましくは、まず顔の輪郭線の下端部を取得するため、半卵形曲線L0 を顔画像上で上下方向に走査し、半卵形曲線L0 と顎部のエッジラインLaとの重なり度合が最大となる半卵形曲線L0 の位置を取得し、その位置の半卵形曲線L0 の下端部を顔の輪郭線の下端部(即ち、顎部の最下端部)Paとして検出する。顔画像のエッジ画像では、顎部のエッジラインが部分的に不明瞭になることがあるが、この手法によれば、顔画像のエッジ画像において顎部の最下端部が不明瞭であっても、半卵形曲線L0 を用いて、顔の輪郭線の下端部Paを位置決めすることができる。
【0027】
顔の輪郭線の下端部Paの位置決めの具体的手法としては、例えば、図6に示すように、図3で形成した半卵形曲線L0 の下端部から、該下端部と眼ラインL1 との距離の2/3までの半卵形曲線L0 を顎部の半卵形曲線L0x とし、この顎部の半卵形曲線L0x を、眼ラインL1 から下方に半卵形曲線L0 の横幅(即ち、外形ラインL3 の間隔D4 )の2/3〜3/3の範囲(図6において、ドットで塗りつぶした領域)で上下方向に走査する。この顎部の半卵形曲線L0x を両眼を通る眼ラインL1 に垂直な直線で中央部と左右両端部に3分割し、顎部の半卵形曲線L0x の中央部と左右両端部のそれぞれについて顎部のエッジラインLaとの重なり度合いを計測し、少なくとも顎部の半卵形曲線L0x の右端部又は左端部の領域について、顎部のエッジラインLaとの重なり度合いが最も大きくなる顎部の半卵形曲線L0x の位置を取得し、図7に示すように、その下端部を顔の輪郭線の下端部(即ち、顎の下端部)Paとする。
【0028】
次に、顔の輪郭線の左右両端部を取得するため、顔の輪郭線の下端部Paを取得した位置に半卵形曲線L0 をおき、それを左右方向に走査し、半卵形曲線L0 と顔画像中の顎部のエッジラインLaとの重なり度合が最大となる半卵形曲線の位置を取得し、その位置の半卵形曲線の左右両端部を顔の輪郭線の左右両端部として検出する。これにより、顔画像において頬部が髪で隠れていても、顔の輪郭線の左右両端部をPb、Pcを位置決めすることができる。
【0029】
この左右両端部Pb、Pcの位置決めの具体的手法としては、例えば、図8に示すように、顔の輪郭線の下端部Paを取得した位置に半卵形曲線L0 をおき、半卵形曲線L0 を幅方向に3等分して中央部と左右両端部に分け、その左右両端部のそれぞれについて、半卵形曲線L0 の下端部Paから、該下端部Paと眼ラインL1 との距離の2/3までの曲線(L0y)を、左右方向に半卵形曲線L0 の幅(即ち、外形ラインL3 の間隔D4 )の1/8走査し、この走査範囲(図8において、ドットで塗りつぶした領域)において曲線L0y と顎部のエッジラインLaとの重なり度合いが最も大きくなる半卵形曲線L0 の位置を取得し、図9に示すように、その位置の半卵形曲線L0 の左端部、右端部を顔の輪郭線の左端部Pb、右端部Pcとして検出し、左右両端部Pb、Pcの幅D1f を取得する。
【0030】
なお、顔の輪郭線の下端部Paと左右両端部Pb、Pcの双方を検出する場合に、上述のように下端部Paを先に検出し、次いで左右両端部Pb、Pcを検出することが好ましい。左右両端部Pb、Pcを先に検出し、次いで下端部Paを検出すると、顎先が尖っている顔画像の場合に、下端部Paを検出しにくくなることがあるが、下端部Paを先に検出し、次いで左右両端部Pb、Pcを検出することにより、そのような問題を解消することができる。
【0031】
次に、必要に応じて頭頂部Pdの位置を取得する。そのためには、予め、顔の輪郭線の左端部Pbと右端部Pcの距離D1 と、顔の輪郭線の下端部Paと眼ラインL1 との距離D2 と、眼ラインL1 と頭頂部Pdとの距離D3 との間に存在する、自然なフィッティング結果を与える関係式を取得しておく。これらに特定の関係式が成り立つこと、特に(D3/D2)と(D2/D1)とに特定の関係式が成り立つことは、多数人の顔画像に複数種の髪画像を合成するにあたり、まず、前述の方法で距離D1 、D2 を取得し、次いで任意に距離D3 を設定し、横がD1 、縦がD2+D3の矩形(即ち、後述する大きさ調整用矩形)を想定し、一方、髪画像にも同様に横がD1h 、縦がD2h+D3hの矩形を想定し、髪画像の矩形を縦又は横に拡大又は縮小することにより顔画像と髪画像の矩形の縦横比を合わせ、顔画像に髪画像をフィッティングした場合に、最も自然なフィッティング結果を与える顔画像のD3を多数の試行を重ねることにより取得し、それらの(D3/D2)と(D2/D1)との関係を解析することにより、本発明者が見出したものである。なお、ここで、髪画像のD3hは専門美容師が頭頂部Pdを判断することにより得られた数値を使用した。
【0032】
この(D3/D2)と(D2/D1)との関係式としては、より具体的には、例えば次式(1)をあげることができる。
D3/D2 =a×D2/D1 +b (1)
(a,bはそれぞれ係数)
【0033】
式(1)において、係数a,bは、髪画像の髪の長さをショート(毛先が顎先程度まで届く長さ)からロング(毛先が腋の下より下まで届く長さ)まで広くカバーしようとすると髪型によっては異なる値をとる場合があるが、例えば、髪の長さがミディアム(毛先が鎖骨程度まで届く長さ)ないしセミロング(毛先が腋の下程度まで届く長さ)の範囲では、異なる髪型の髪画像4種(スタイル1〜4)と被験者50名の顔画像とのフィッティング結果解析は、図10に示すように、a=-1.63、b=2.29 となる。
【0034】
なお、図10の式(1)を得るに際して使用した髪画像4種については、その元となる顔画像の頭頂部Pdを専門美容師が判断し、4種ともD2h:D3h=51:49 と設定し、上述のように縦横比を合わせる際に使用する矩形を想定した。4種のD2h:D3h を同じ設定値にしても、図10に示すように(D3/D2)と(D2/D1)には高い相関が認められるから、通常、髪型サンプルとされる髪画像は、髪型によらず、D2h:D3h を一定値としてよいことがわかる。
【0035】
髪画像の元となる顔画像のD2h:D3hの値を異なる値に設定すると、髪画像を被験者の髪画像に合成した場合に自然なフィッティング結果を与える係数a,bも異なるので、係数a,bは髪画像の元となる顔画像のD2h:D3hの値ごとに解析した数値を使用する。ただし、通常、髪型サンプルとされる髪画像は、髪型によらず、D2h:D3h を45:55〜57:43の範囲内の一定値と設定すればよく、その設定値に対応した係数a,bを使用すればよい。
【0036】
こうして(D3/D2)と(D2/D1)との関係式を取得した後は、当該被験者について、顔の輪郭線の左端部Pbと右端部Pcの距離D1f と、半卵形曲線の下端部Paと眼ラインL1 との距離D2f とから、この関係式を用いて眼ラインL1 と頭頂部Pdとの距離D3f を算出し、この距離D3f から頭頂部Pdの位置を取得する。
【0037】
次に、顔画像の大きさ調整用矩形20として、図11に示すように、顔の輪郭線の下端部Paを下辺に含み、左右両端部Pb、Pcを対向する左右両辺に含み、頭頂部Pdを上辺に含む矩形を形成する。
【0038】
一方、任意の髪型の画像から被験者が選択した髪画像をパソコン本体1に取り込む。この場合、髪画像は、既存の髪型スタイルブック、人物写真等、任意の情報源から取得することができる。髪画像としては、種々の髪型のものを、予めパソコン本体1に記憶させておいてもよい。なお、髪画像は顔画像と髪画像との合成処理速度を上げる点から、髪画像の元となる顔画像は正面向のものが好ましい。
【0039】
パソコン本体1に取り込んだ髪画像に対しては、その元となる顔画像について、被験者の顔画像の場合と同様に、図12に示すように、まず両眼を検出し、眼ラインL1 と顔幅D0 を取得し、これらに基づいて半卵形曲線L0 を形成し、それを顔画像の顎部のエッジラインとフィッティングさせることにより顔の輪郭線の下端部Paと左右両端部Pb、Pcを検出し、左右両端部Pb、Pcの幅D1h と、下端部Paと眼ラインL1 との距離D2h を取得する。
【0040】
眼ラインL1 と頭頂部Pdとの距離D3h は、被験者の顔画像においてD3f を取得する場合に用いた式(1)の導出時に設定した髪画像のD2h:D3hの比から求める。
【0041】
こうして取得した髪画像の左右両端部Pb、Pcの幅D1h 、下端部Paと眼ラインL1 との距離D2h 、眼ラインL1 と頭頂部Pdとの距離D3h を用いて大きさ調整用矩形21を設定する。
【0042】
次いで、図13に示すように、髪画像を、相似拡大又は相似縮小することにより、双方の顔の輪郭線の左右両端部Pb、Pcの距離D1f 、D1h (大きさ調整用矩形20、21の幅)を揃え、双方の眼ラインL1 を合わせ、被験者の顔画像に被験者が選択した髪画像を重ねて合成し、ヘアスタイルシミュレーション画像を形成する。なお、この合成時には、予め、被験者の顔画像中の髪領域を削除しておき、被験者の顔画像に髪画像を重ねた後に、被験者の元々の髪が邪魔にならないようにする。髪領域の削除は、エッジ検出や髪の色を利用した公知の方法(例えば、特開2005−339522号公報に記載の方法)で髪領域を検出し、削除すればよい。
【0043】
また、この合成に際して、被験者の顔画像と選択された髪画像の元となる顔画像の外形が、面長あるいは丸顔といったように大きく異なる場合には、髪画像を縦方向又は横方向に拡大又は縮小することにより、髪画像の大きさ調整用矩形21の縦横比を被験者の顔画像の大きさ調整用矩形20の縦横比に合わせ、その後双方の画像の大きさ調整用矩形20、21の幅を揃え、眼ラインL1 を重ね合わせて被験者の顔画像と選択された髪画像を合成し、ヘアスタイルシミュレーション画像を形成する。このように画像の縦横比を調整する方法は、特に、被験者の顔画像のD2f/D1f の値が0.80以下の横長の顔あるいは0.87以上の面長の顔の場合に、自然なヘアスタイルシミュレーション画像を形成するために有効である。
【0044】
一方、縦横比の調整を不要とし、より簡便に顔画像と髪画像を合成する場合には、顔の輪郭線の左端部Pb、右端部Pcが検出されればよく、下端部Paや頭頂部Pdの検出は省略することができる。
【0045】
以上のように、本発明によれば、顔画像と髪画像とを合成してヘアスタイルシミュレーション画像を形成するにあたり、一旦、半卵形曲線を形成するための係数等を設定すると、オペレータの恣意的な判断を要することなく、フィッティングに自然さのあるヘアスタイルシミュレーション画像を自動的に形成することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、顔画像と髪画像を合成することによりヘアスタイルシミュレーション画像形成する場合に有用となり、特に、ヘアスタイルシミュレーション画像を短時間で自動的に形成する場合に有用となる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】ヘアスタイルシミュレーション画像の形成方法の流れ図である。
【図2】ヘアスタイルシミュレーション画像形成システムのブロック図である。
【図3】半卵形曲線の説明図である。
【図4】ヘアスタイルシミュレーション画像の形成方法における半卵形曲線の形成方法の説明図である。
【図5】顔画像のエッジ画像である。
【図6】顔の輪郭線の下端部の取得方法の説明図である。
【図7】顔の輪郭線の下端部の取得方法の説明図である。
【図8】顔の輪郭線の左右両端部の取得方法の説明図である。
【図9】顔の輪郭線の左右両端部の取得方法の説明図である。
【図10】顔の輪郭線の左右両端部Pb、Pcの幅D1 と、顔の輪郭線の下端部Paと眼ラインL1 との距離D2 と、眼ラインL1 と頭頂部Pdとの距離D3との関係図である。
【図11】顔画像の大きさ調整用矩形の説明図である。
【図12】髪画像の大きさ調整用矩形の説明図である。
【図13】顔画像と髪画像の合成時の説明図である。
【符号の説明】
【0048】
1 パソコン本体
2 ディスプレイ
3 デジタルカメラ
4 イメージスキャナ
5 プリンタ
10 ヘアスタイルシミュレーション画像形成システム
D0 顔幅
D1 顔の輪郭線の左右両端部Pb、Pcの幅
D2 顔の輪郭線の下端部と眼ラインL1 との距離
D3 顔画像の眼ラインL1 と頭頂部との距離
D1f 被験者の顔画像の顔の輪郭線の左右両端部Pb、Pcの幅
D2f 被験者の顔画像の顔の輪郭線の下端部と眼ラインL1 との距離
D3f 図10の関係から予測される被験者の顔画像の眼ラインL1 と頭頂部Pdとの距離
D1h 髪画像の元となる顔画像の顔の輪郭線の左右両端部Pb、Pcの幅
D2h 髪画像の元となる顔画像の顔の輪郭線の下端部と眼ラインL1 との距離
D3h 髪画像の元となる顔画像の任意に設定する眼ラインL1 と頭頂部Pdとの距離
D4 外形ラインL3 の間隔
L0 半卵形曲線
L1 眼ライン
L2 顔幅ライン
L3 外形ライン
L4 仮の顎ライン
Pa 顔の輪郭線の下端部
Pb 顔の輪郭線の左端部
Pc 顔の輪郭線の右端部
Pd 頭頂部




 

 


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