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発明の名称 スライドファスナー
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−229486(P2007−229486A)
公開日 平成19年9月13日(2007.9.13)
出願番号 特願2007−80056(P2007−80056)
出願日 平成19年2月27日(2007.2.27)
代理人 【識別番号】100095393
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 廣市
発明者 高沢 成吉
要約 課題
リリース止具の寿命も長く、製造工程も簡素化することができるスライドファスナーを提供すること。

解決手段
本願発明によるスライドファスナー1は、リリース止具がスライダー35のチャネル47内を通って移動するのを妨げる肩部27を備えたリリース止具15を設けているとともに、リリース止具15は、スライダー35に補足的な力が加わった時に、リリース止具15がスライダー35のチャネル47内を通って移動することができるようにするため、リリース止具15に対向する噛合エレメント11に対して枢動し、リリース止具15の姿勢が変位するようになっているので、リリース止具の寿命も長く、又、リリース止具を噛合エレメントと同一の材料で製造することができるので製造工程も簡素化することができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
テープ7と当該テープ7の縁部に取り付けられた噛合エレメント11とを有した一対の第1ストリンガー3と第2ストリンガー5と、夫々のストリンガー3,5の噛合エレメント11が貫通するチャネル47を有し、噛合エレメント11に沿って滑動することができるスライダー35とからなるスライドファスナー1であって、第1ストリンガー3は、スライダー35を貫通してリリース止具15が移動するのを妨げるために、チャネル47の周囲に配されたフランジ41と係合するリリース止具15を有しており、スライダー35に補足的な力が加わったときに、当該リリース止具15は、スライダー35を貫通して移動することができるように、第2ストリンガー5の噛合エレメント11に対し枢動することを特徴とするスライドファスナー。
【請求項2】
前記スライダー35は、周囲フランジ41によってその一部が形成され、スライダー35の上部にある分離壁体39から離れたスライダー35の下端部に首部領域48を形成している二股状チャネル47を有しており、前記リリース止具15は、テープ7に取り付けられた止具本体17と、止具本体17から突出し、フランジ41と係合する肩部27とを有することを特徴とする請求項1に記載されたスライドファスナー。
【請求項3】
前記肩部27は、分離壁体39よりもスライダー35の下端側の位置において、フランジ41の内側壁49と係合することを特徴とする請求項2に記載されたスライドファスナー。
【請求項4】
前記リリース止具15は、当該リリース止具15とこれと対向する噛合エレメント11がスライダー35の首部領域48に進入した時に、第2ストリンガー5の対向する噛合エレメント11の頭部34を収容するための凹部33を有していることを特徴とする請求項2に記載されたスライドファスナー。
【請求項5】
前記スライダー35に補足的な力が加わり、肩部27がスライダー35のフランジ41に沿って首部領域48の方向に移動した時に、リリース止具15が噛合エレメント11の頭部34を軸として回動することを特徴とする請求項4に記載されたスライドファスナー。
【請求項6】
前記凹部33は、前記リリース止具15の下端側に設けられた第1凹部33aと、前記リリース止具15の上端側に設けられた第2凹部33bとからなり、夫々の凹部33a,33bに第2ストリンガー5の噛合エレメント11a,11bの頭部34を収容することを特徴とする請求項5に記載されたスライドファスナー。
【請求項7】
前記リリース止具15と、これと対向する噛合エレメント11a,11bがスライダー35の首部領域48に位置している時に、第2凹部33bの底部は、第1凹部33aの底部が第1対向噛合エレメント11aの頭部34から離れているよりも、対向する第2対向噛合エレメント11bの頭部34から更に離れていること、及び、前記スライダー35に補足的な力が加わり、肩部27がスライダー35のフランジ41に沿って首部領域48の方向に移動した時に、リリース止具15が第1対向噛合エレメント11aの頭部34を軸として回動することを特徴とする請求項6に記載されたスライドファスナー。
【請求項8】
前記テープ7は、その縁部に沿って芯部9を備えており、該芯部9には噛合エレメント11が取り付けられており、前記芯部9は、肩部27と対向する位置に設けられた凹部33,33bの底部において露出されていることを特徴とする請求項4又は5に記載されたスライドファスナー。
【請求項9】
リリース止具15を備えているスライドファスナーであって、当該リリース止具15は、スライドファスナーのスライダー35が、リリース止具15を越えて移動するときに対向する噛合エレメント11と係合し、第1の方向において、対向する噛合エレメント11とリリース止具15の夫々の幅を合わせた幅が、スライダー35がリリース止具15を越えて移動するのを妨げるためスライダー35のチャネル47の幅よりも大きくなっていること、及び、補足的な力がスライダー35に加わった時にスライダー35がリリース止具15を超えて移動することが出来るように上記の合わせた幅が減少するような方向になるように、リリース止具15は噛合エレメント11に対して枢動することを特徴とするスライドファスナー。
【請求項10】
前記リリース止具15の移動を妨げるため、リリース止具15はスライダー35のチャネル47の周囲フランジ41と係合することを特徴とする請求項9に記載されたスライドファスナー。
【請求項11】
前記リリース止具15の上端部31は、スライダー35の分離壁体39を越えて移動するために、分離壁体39の側面45と対面する傾斜端面21aを有していることを特徴とする請求項1又は9に記載されたスライドファスナー。
【請求項12】
通常時にファスナーを開口するためスライダー35がファスナーに沿って下方に滑動する時に、リリース止具15と隣り合う噛合エレメント11の係合が確実に外れるようにするために、リリース止具15の下端部32は、スライダー35の分離壁体39の側壁45と当接する突起部25を有していることを特徴とする請求項1又は9に記載されたスライドファスナー。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、スライドファスナーに関するものである。具体的に言うと、本発明は、スライドファスナーを開口することが出来るようにするために、スライダーが、スライダーの滑動を停止させるための止具を越えて移動することができるスライドファスナーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のスライドファスナーは、一対のストリンガーからなり、夫々のストリンガーは、テープと、噛合エレメントと、当該噛合エレメントを係合したり外したりするために当該ストリンガーの噛合エレメントに沿って滑動することができるスライダーとからなっている。片方又は両方のストリンガーにおける噛合エレメントの上端部を越えてスライダーが移動するのを防止するために、ストリンガーの片方又は両方の上端部には上止具が配されている。噛合エレメントの上端部を超えてスライダーが移動してしまうと、噛合エレメントの係合がはずれ、二つのストリンガーが分離することになる。他方、補足的な力を加えることによって、ストリンガーの一方にある上止具を越えてスライダーを移動させ、ストリンガーを緊急に分離することが出来る方がよい場合もある。このような上止具を、”上方開口止具”(top open)又は、リリース止具(releasing end stop)と呼んでいる。
【0003】
通常の操作時には、リリース止具は、噛合エレメントを係合状態に維持するためにスライダーの更なる上方運動を邪魔する。スライダーを上方に移動するためにスライダーに大きな力が加わった場合には、スライダーの下に位置する噛合したエレメントを外すことによってスライドファスナーを緊急に開口することができるように、スライダーをリリース止具を越えて強制的に移動させる。この意味で、リリース止具は、スライドファスナーの移動を邪魔はしているが、防止はしてないということが出来る。リリース止具は、片方のテープのみに設けられることが好ましい。他のテープにおけるエレメントは、他のテープにスライダーを保持するためにリリース止具の高さを超えて延びているのである。テープが分離された後、ファスナーがいつものように再度閉鎖することができるように、スライダーは、他方のテープの最下端位置まで滑動して下げるのである。
【0004】
このような構成の一例が、米国特許公報US−A2894305号に開示されている。リリース止具を超えてスライダーが移動するのを防止するため、リリース止具は、対向するテープに設けられた協働するエレメントと当接するスプリング部材を備えている。スライダーに更なる力が加わったときには、止具とこれに協働するエレメントが協働して閉鎖し、スライダーがリリース止具を超えて移動することができるように、当該スプリングはたわむのである。
【0005】
英国特許公報GB−A−1519340号は、対向するストリンガーに夫々取り付けられた一対の協働するリリース上止具を備えたスライドファスナーを開示している。一対の上止具の内の一方は実質的に環状であるので、上止具がスライダーのダイヤモンドによって押圧されたときに、上止具の一部は上止具を圧縮するように内側方向に曲折することができるようになっている。これと類似した構造が、日本国特許公報41−22065号及び台湾特許公報M245806号の中でも使用されている。これらの公報の夫々は、曲折可能又は変形可能な部分を有する一体的に形成されたリリース止具を開示しており、これらの曲折可能又は変形可能な部分が存在することにより、スライダーによって止具に適切な力が加わった際に止具が圧縮され得る。
【特許文献1】米国特許US−A2894305号公報
【特許文献2】英国特許GB−A−1519340号公報
【特許文献3】日本国特許41−22065号公報
【特許文献4】台湾特許M245806号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般的にリリース止具は、本願の出願人によって商標VISLONの下に製造されている製品と同様なプラスチックエレメントを射出成型したタイプのスライドファスナーに取り付けられているのである。噛合エレメントの適切な材料は、繰り返されるスライダーの滑動に晒される噛合エレメントの寿命を長くするために硬くて耐摩耗性の材料であることが好ましい。また、製造工程を簡素化するため、上止具についても噛合エレメントと同一の材料を使用することが好ましい。しかしながら、上止具を硬質材料で作ると、上止具の変形可能部分を変形可能にするために比較的薄肉に作らなければならないが、上止具自体が本質的に硬質であり曲折することが出来ないので、破断してしまう傾向があった。
従って、本発明の目的は、これらの問題を克服したリリース止具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、テープと当該テープの縁部に取り付けられた噛合エレメントとを有した一対の第1ストリンガーと第2ストリンガーと、夫々のストリンガーの噛合エレメントが貫通するチャネルを有し、噛合エレメントに沿って滑動することができるスライダーとからなるスライドファスナーであって、第1ストリンガーは、スライダーを貫通してリリース止具が移動するのを妨げるために、チャネルの周囲に配されたフランジと係合するリリース止具を有しており、スライダーに補足的な力が加わったときに、当該リリース止具は、スライダーを貫通して移動することができるように、第2ストリンガーの噛合エレメントに対し枢動することを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に記載の発明において、前記スライダーは、周囲フランジによってその一部が形成され、スライダーの上部にある分離壁体から離れたスライダーの下端部に首部領域を形成している二股状チャネルを有しており、前記リリース止具は、テープに取り付けられた止具本体と、止具本体から突出し、フランジと係合する肩部とを有することを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に記載の発明において、前記肩部は、分離壁体よりもスライダーの下端側の位置において、フランジの内側壁と係合することを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に記載の発明において、前記リリース止具は、当該リリース止具とこれと対向する噛合エレメントがスライダーの首部領域に進入した時に、第2ストリンガーの対向する噛合エレメントの頭部を収容するための凹部を有していることを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に記載の発明において、前記スライダーに補足的な力が加わり、肩部がスライダーのフランジに沿って首部領域の方向に移動した時に、リリース止具が噛合エレメントの頭部を軸として回動することを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に記載の発明において、前記凹部は、前記リリース止具の下端側に設けられた第1凹部と、前記リリース止具の上端側に設けられた第2凹部とからなり、夫々の凹部に第2ストリンガーの噛合エレメントの頭部を収容することを特徴とする。
【0013】
また、請求項7に記載の発明において、前記リリース止具と、これと対向する噛合エレメントがスライダーの首部領域に位置している時に、第2凹部の底部は、第1凹部の底部が第1対向噛合エレメントの頭部から離れているよりも、対向する第2対向噛合エレメントの頭部から更に離れていること、及び、前記スライダーに補足的な力が加わり、肩部がスライダーのフランジに沿って首部領域の方向に移動した時に、リリース止具が第1対向噛合エレメントの頭部を軸として回動することを特徴とする。
【0014】
また、請求項8に記載の発明において、前記テープは、その縁部に沿って芯部を備えており、該芯部には噛合エレメントが取り付けられており、前記芯部は、肩部と対向する位置に設けられた凹部の底部において露出されていることを特徴とする。
【0015】
また、請求項9記載の発明において、リリース止具を備えているスライドファスナーであって、当該リリース止具は、スライドファスナーのスライダーが、リリース止具を越えて移動するときに対向する噛合エレメントと係合し、第1の方向において、対向する噛合エレメントとリリース止具の夫々の幅を合わせた幅が、スライダーがリリース止具を越えて移動するのを妨げるためスライダーのチャネルの幅よりも大きくなっていること、及び、補足的な力がスライダーに加わった時にスライダーがリリース止具を超えて移動することが出来るように上記の合わせた幅が減少するような方向になるように、リリース止具は噛合エレメントに対して枢動することを特徴とする。
【0016】
また、請求項10に記載の発明において、前記リリース止其の移動を妨げるため、リリース止具はスライダーのチャネルの周囲フランジと係合することを特徴とする。
【0017】
また、請求項11に記載の発明において、前記リリース止具の上端部は、スライダーの分離壁体を越えて移動するために、分離壁体の側面と対面する傾斜端面を有していることを特徴とする。
【0018】
また、請求項14に記載の発明において、通常時にファスナーを開口するためスライダーがファスナーに沿って下方に滑動する時に、リリース止具と隣り合う噛合エレメントの係合が確実に外れるようにするために、リリース止具の下端部は、スライダーの分離壁体の側壁と当接する突起部を有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
この発明は前記した構成からなるので、以下に説明するような効果を奏することができる。
【0020】
本発明では、テープと当該テープの縁部に取り付けられた噛合エレメントとを有した一対の第1ストリンガーと第2ストリンガーと、夫々のストリンガーの噛合エレメントが貫通するチャネルを有し、噛合エレメントに沿って滑動することができるスライダーとからなるスライドファスナーであって、第1ストリンガーは、スライダーを貫通してリリース止具が移動するのを妨げるために、チャネルの周囲に配されたフランジと係合するリリース止具を有しており、スライダーに補足的な力が加わったときに、当該リリース止具は、スライダーを貫通して移動することができるように、第2ストリンガーの噛合エレメントに対し枢動するので、リリース止具は、スライドファスナーの繰り返しの操作に適する硬質且つ耐摩耗性の材料で作ることができる。従って、リリース止具が操作の際に破断したり損傷したりする可能性は減少し、リリース止具の寿命を長くする。又、リリース止具を噛合エレメントと同一の材料で製造することができるので製造工程も簡素化することができる。
【実施例】
【0021】
本発明を以下に示す添付図面を参考にして実施例に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施例であって、スライドファスナーの上部のスライダーが省略された平面図である。図1に示すスライドファスナー1は、第1ストリンガー3と、第2ストリンガー5と、スライダー(図1においては図示せず。)とからなっている。夫々のストリンガー3,5は、その長さ方向一縁部にそって芯部9を備えたテープ7からなっており、芯部9はテープ7の表裏方向に膨大状に形成され、その芯部9を表裏から挟持する形に噛合エレメント11が取り付けられている。
【0022】
この実施例においては、噛合エレメント11は、ストリンガー3,5の芯部9に成型されており、適切な熱可塑性樹脂材料から形成されている。しかし、金属製のエレメントを使用することも出来る。スライドファスナー1のストリンガー3,5の下端部(図示せず。)は、当該技術分野において周知であるように、ストリンガー3,5が当初連結することができるように、夫々のテープ7に取り付けられた箱体と蝶棒とからなる開離嵌挿具構造を備えている。スライダーが第2ストリンガー5における噛合エレメント11の列の下端に隣り合って設けられた箱体(図示せず。)と、噛合エレメント11の上端に隣り合って設けられた従来型の上止具13との間で移動することが出来るように、スライダーは、第2ストリンガー5の噛合エレメント11に沿って滑動自在に取り付けられている。当該スライドファスナーは、分割可能なスライドファスナーであって、第1と第2のストリンガー3,5は、完全に分割することが出来るのである。第1と第2のストリンガー3,5は、当該技術分野において周知であるように、下端部において永久的に連結しておくことも出来る。
【0023】
第1ストリンガー3における噛合エレメント11の列の上端に隣り合ってリリース止具15が取り付けられている。リリース止具15は、噛合エレメント11と同様に、テープ7の芯部9を表裏から挟持する形に取り付けられており、噛合エレメント11が金属製であってもプラスチック製のリリース止具が好ましいけれども、噛合エレメント11と同一の材料で作られていることが好ましい。第1ストリンガー3におけるよりも第2ストリンガー5にはより多数の噛合エレメント11が設けられており、これによって、図1からわかるように、スライドファスナー1が閉鎖されたときに、第2ストリンガー5には、リリース止具15よりも上方に配置された多数の噛合エレメント11が存在する。
【0024】
図2a及び図3bには、リリース止具15が示されている。以下、リリース止具15について詳細に説明することにする。リリース止具15は、長尺で無垢の止具本体17を有し、当該止具本体17は、その第1側部19に、止具本体17の長さ方向に所定の間隔を空けて複数の突起部21,23,25を設けて、各突起部21,23,25間に凹部33を形成している。そして、第1側部19と対向する第2側部29には、第2側部から側方へ向けて突出する肩部27を設けている。リリース止具15は、実質的に均一な厚みを有しており、この厚みは、噛合エレメント11の厚みと同一である。
【0025】
止具本体17の第1側部19に設けられた第1の突起部21は、止具本体17の上端部31に配されており、第2の突起部25は、止具本体17の下端部32に配されている。他方、第3の突起部23は、止具本体17の第1側部19の真ん中に配されている。これにより、凹部33は、突起部25と突起部23との間に形成された第1凹部33aと、突起部21と突起部23との間に形成された第2凹部33bとに分割されている。止具本体17の第2側部29に設けられた肩部27は、止具本体17の第1側部19に設けられた突起部21と同一の止具本体17の上端部31に配されている。肩部27は、先端に肩部面29bを有し、肩部面29bと第2側部29との間に、止具本体17の下端部32側から上端部31側へ向けて上り傾斜した外側面29aを有している。
【0026】
図1に示されているように、リリース止具15がスライドファスナー1の第1ストリンガー3に取り付けられているときは、突起部21,23,25が形成されている止具本体17の第1側部19は外側に向いている、即ち、第1側部19は、対向する第2ストリンガー5の方を向いており、止具本体17の第2側部29は、内側方向、即ち、第1側部19とは反対側を向き、第1ストリンガー3のテープ7に亘って延びている。突起部21,23及び突起部23,25の間の凹部33a、33bは、対向する第2ストリンガー5の噛合エレメント11の頭部34と略同一のサイズであるので、噛合エレメント11a,11bの頭部34は、図1に示されているように、突起部21,23,25の間に形成された凹部33a、33bに収容され得る。
【0027】
“上”及び“下”並びに“上方”及び“下方”という文言は、スライドファスナー自体に関するものであり、説明を容易にするために当該技術分野において一般に使用されている記述的な文言であると理解されるべきである。ファスナーそれ自体は、いかなる方向でも使用することが出来る。
【0028】
突起部23,25の間に介在している止具本体17の第1側部19即ち凹部33aの底部19aは、突起部21,23の間に介在する止具本体の第1側部19即ち凹部33bの底部19bを越えて対向する噛合エレメント11の方向に突出している。従って、図1に示されているように、底部19aに対向するエレメント11aの頭部は、底部19aに当接するか又は近接するために凹部33aの中にぴったり嵌合される。噛合エレメント11をテープ7に支持する芯部9が実質的に真っ直ぐであるので、底部19bに対向するエレメント11b頭部は、凹部33bに収容されるが、図1に見られるように、底部19bからは離れている。更に、図1に示されているように、この具体的な実施例においては、第1ストリンガー3の芯部9は、突起部21,23の間において底部19bから露出されている。
【0029】
図3は、スライドファスナー1に取り付けられたスライダー35の一部を切り欠いた図面である。夫々のストリンガーのテープ7と芯紐9と、スライダー35を滑動させる時に把持する引手を備えたスライダー35の上翼部が省略されている。リリース止具15は、スライダー35がスライドファスナー1に沿って更に上方に移動するのを邪魔する際に、当該スライダー3は、最上位置に示されている。当該スライダー35は、上下方向に間隔を空けて配置された上翼部と下翼部37との前端部を分割壁体即ちダイヤモンド39によって連結している。夫々の翼部37の左右側縁部43から対向する翼部37の方向にフランジ41が延びている。フランジ41と分割壁体39は、二股に分かれたチャネル即ちY字状のチャネル47を形成しており、スライダー35が噛合エレメント11の列に沿って滑動されるにつれて、噛合エレメント11は、このチャネルを通って移動するのである。テープ7は、上翼部と下翼部37の対向するフランジ41間の隙間を通ってチャネル47から外方向に延びている。
【0030】
当該技術分野において周知であるように、チャネル47は、スライダー35の前端側に配置され、分割壁体39の夫々の側部を通るチャネル部分47a,47bと、スライダー35の後端側に配置され、左右のフランジ41の内側を通る首部領域48とを有し、首部領域48において収束する。分割壁体39は、スライダー35の前端側から後端側へ向けて漸次幅寸法が減少した楔状部分39aを有する。また、左右のフランジ41は、スライダー35の前端側から後端側へ向けて漸次接近する方向へ内側に湾曲しながら傾斜する円弧状フランジ領域41aと、円弧状フランジ領域41aとスライダー35の後端との間に配置され、スライダー35の前後方向へ平行に延びる直線状フランジ領域41bとを有している。
【0031】
スライダー35が噛合エレメント11の列に沿って上方に、即ち、スライドファスナー1を閉鎖する方向に移動するにつれて、夫々のストリンガー3,5の噛合エレメント11は、分割壁体39の側部を通過し、噛合エレメント11が噛合する首部領域48に突入し、対向する噛合エレメント11の頭部34が係合する。当該技術分野において周知であるように、スライダー35が効率的に機能するためには、夫々の噛合エレメント11を取り付けた夫々のテープ7の縁部が柔軟でなければならない。すなわち、当該テープ7の縁部は、対向する噛合エレメント11の頭部34が隣り合う頭部34間に圧入することができるように、隣り合う頭部34間のギャップが拡大できるほど十分に柔軟でなければならない。従って、チャネル47は二股に分かれており、分割壁体39よりもスライダー35の後端側において、フランジ41における円弧状のフランジ領域41aによって、チャネル47a,47bから首部領域48まで円滑な移行領域が提供される。スライダーが上昇するにつれて、噛合エレメント11はフランジ41の内側壁49に沿って滑動する。
【0032】
図3からわかるように、リリース止具15の下端部32がスライダー35の首部領域48に配された時に、リリース止具15と噛合エレメント11a,11bが首部領域48においてスライダー35のフランジ41によって互いが接近する方向に押圧されるので、第2ストリンガー5の対向する噛合エレメント11a,11bの頭部34は、リリース止具15の止具本体17の第1側部19に設けられた突起部21,23,25の間に介在する凹部33a,33bに嵌合する。従って、首部領域48における隣接する円弧状フランジ領域41aと、首部領域48に存在する対向するエレメント11aとの間の係合によってリリース止具15は方向付けられる。
【0033】
上止具15の止具本体17の第2側部29に設けられた肩部27は、分離壁体39よりもスライダー35の後端側に位置する円弧状のフランジ領域41aにおいて、首部領域48を形成するためにチャネル47の幅が狭くなり始めるフランジ41の内側壁49と当接する。肩部27において、リリース止具15の幅が拡大するので、リリース止具15と対向するエレメント11bの夫々の幅を合わせた幅が首部領域48の幅よりも大きくなるので、リリース止具15の姿勢がスライダー35の前後方向に延びるA−A軸と平行な姿勢になっている間、リリース止具15と噛合エレメント11bとがフランジ41の円弧状フランジ領域41aを越えて首部領域48に突入するために十分なスペースが無いということが理解される。
【0034】
図4は、スライダー35がリリース止具15を越えて強制的に移動するように、スライダー35を上昇させるために十分な大きな力が加わった時において、リリース止具15と対向している噛合エレメント11a,11bの位置を示している。スライダー35に大きな力が加わった時に、肩部27の外側面29aは、フランジ41の内側壁49に沿って滑動し、これによって、リリース止具15の上端部がスライダーのA−A軸の方向に更に移動し、リリース止具15はテープ7の面上で回動する。この回動は、リリース止具15が凹部33aに収容された第2ストリンガー5の噛合エレメント11aの頭部34を中心軸として枢動することにより行われ、リリース止具15は、肩部29aが円弧状フランジ部41aを通り抜け、リリース止具15の下端部が首部領域を通ってスライダーの外に出るまで枢動し、その姿勢を変位させる。
【0035】
リリース止具15が回動するにつれて、スライダー35のA−A軸に対して直交する横方向に測定したリリース止具15と噛合エレメント11bの夫々の幅を合わせた幅は減少する。従って、リリース止具15が回動してスライダー35のA−A軸と平行な姿勢から変位した姿勢となるにつれて、リリース止具15は、スライダー35の首部領域48を容易に通過することができ、これによって、スライダー35は、リリース止具15と対向する噛合エレメント11a,11bを越えて、スライダー35のチャネル47を貫通することが出来る。図4に示されているように、リリース上止具15の突起部21,23の間に介在する凹部33bに配された第2対向噛合エレメント11bの頭部34は、スペース33b内に更に挿入される。これによって、リリース上止具15がテープ7の面上で回動するにつれて、第2対向噛合エレメント11bの頭部34は、リリース上止具15の第1側部19(即ち、図1における芯部9)と当接する。
【0036】
リリース止具15と対向する噛合エレメント11を超えてスライダー35を移動させるために必要な力は、肩部27のサイズと、テープ7と第1ストリンガー3の縁部に設けられた芯部9の弾力性によってきまる。テープ7と芯部9の弾力性によって、リリース止具15は、フランジ41の内側壁49に押され、図4に示された位置まで移動される。リリース止具15がスライダー35の首部領域48を貫通して外されることが出来るかどうかは、リリース上止具15の圧縮可能性というよりもむしろ、リリース止具15がスライダーの内部で回動することを可能にするテープ7と芯部9の柔軟性による。これは、リリース止具15は、スライドファスナーの繰り返しの操作に適する硬質且つ耐摩耗性の材料で作ることが出来ることを意味する。従って、リリース止具15が操作の際に損傷する可能性は減少する。
【0037】
図1からわかるように、この実施例においては、芯部9の一部が突起部21,23の間においてリリース止具15の止具本体17の第1側部19から突出している。芯部9のこの突出部分は、図4に示されているように、対向する噛合エレメント11bの頭部34が突起部21,23の間にある凹部33b内に押入された時に圧縮される。そして、この位置における芯部9の弾力性により、対向するエレメント11bに付勢力が加えられる。別の実施例においては、芯部9は、突起部21,23の間のこの位置においては露出していないが、芯部9は、底部19bにおいて、リリース止具15内に包みこまれている。
【0038】
第2ストリンガー5のテープ7上にスライダー35を保持し、リリース止具15を越えてスライダー35を引き続き上昇させることを容易にするために、噛合エレメント11bよりも第2ストリンガー5の上端側の位置には、更に3つのエレメント11cが設けられている。リリース止具15は、スライダー35が(芯部9の長さ方向に測定された)ひとつの噛合エレメントの長さ分だけリリース止具15から外れることが出来る位置に位置付けられていることが好ましい。この位置付けは、3つの噛合エレメント11cと、この噛合エレメント11cよりも第2ストリンガー5の上端側に隣り合って取り付けられている上止具13とによって行なわれる。第1ストリンガー3がスライダー35から容易に外れることを確実にするため、リリース止具15よりも第1ストリンガー3の上端側に配置された芯部9は、テープ7がスライダー35の上翼部と下翼部37の対向するフランジ41間の隙間から容易に引き出せるように平坦にしておくか除去しておいてもよい。
【0039】
図3について簡単に述べるが、リリース止具15の下端部32に隣り合って配置された噛合エレメント11の肩部は、リリース上止具15の成型を容易にするために変形されているので、この噛合エレメント11と係合する第2ストリンガー5の噛合エレメント11dの頭部34には、肩部と干渉し合わないようにするための切欠き51が形成されている。
【0040】
図5a乃至図5dは、スライドファスナー1が開口する際、即ち、スライダー35が図3に示された位置からストリンガー3,5に沿って下方に移動する際におけるスライダー35の内部におけるリリース止具15の位置を示す。スライダー35のフランジ41とスライダー35の分離壁体39によって形成された二股状のチャネル47は、噛合エレメント11がチャネル47内に更に進入するにつれて、スライダー35の後端部から入り込んだ噛合エレメント11を分離するようにリリース止具15と噛合エレメント11a,11bを誘導する。
【0041】
図1からわかるように、リリース止具15の突起部25は、リリース止具15と隣り合う噛合エレメント11の頭部34ほどは芯部9から外方向に突出していない。ファスナーを開口する際に、二股状のチャネル47を通って隣り合う噛合エレメント11が円滑、且つ確実に走行できるようにするために、リリース止具15の最下端の突起部25は、十分な長さ延びていなければならない。これによって、当該突起部25は、分離壁体39の側面45と当接した時に、リリース止具15と他方の第2ストリンガー5に設けられた対向する噛合エレメント11が、分離壁体39の楔状部分39aを挟んで十分に分離し、その下にある噛合エレメント11が分離する。
【0042】
図3に示されているように、スライダー35を上方へ引き上げ、スライダー35の滑動をリリース止具15によって停止させた後に、使用者がスライダー35を逆方向即ち下方へ引き下げたいと欲することも理解される。特に、リリース止具15の上端部31に設けられた突起部21と、下端部32に設けられた突起部25は、スライドファスナー1を閉鎖するためスライダー35を上方への移動させる際と、スライドファスナー1を開口するためスライダー35を下方に移動させる際について、スライダーの円滑な操作を確実にするような形状になっている。従って、突起部21,25は、分離壁体39がリリース止具15を越えて下方に即ち開口方向に移動するのを助けるために、分離壁体39の側面45と対向する側の面に傾斜係合面21a,25aが設けられ、分離壁体39の側面45に沿って滑動する。
【0043】
突起部21,25は、傾斜係合面21a,25aを設けることにより、その先端に向けて先細状に形成されている。突起部21の傾斜係合面21aは、リリース止具15の上端部31側に設けられ、突起部25の傾斜係合面25aは、凹部33側に設けられている。また、突起部21の傾斜係合面21aは、突起部25の傾斜係合面25aよりもより急激に傾斜しており、スライダー35のA−A軸に対してより小さい角度で交差する方向に延びていることが理解される。芯部9に対して約30乃至50度の角度が、好ましくは、35乃至45度の角度が、そしてもっと好ましくは、約40度の角度が使用される。この角度は、噛合エレメント11の頭部34の頂点によって示される角度と類似の角度である。
【0044】
図6a及び図6bは、長さの短いリリース止具15’を示している。第1実施例に示されているように、リリース止具15は、スライダー35のチャネル47内でスライダー35の前後方向に延びるA−A軸と平行な姿勢に配されるように、二つ以上の噛合エレメント11に亘って延びていることが好ましいけれども、長さの短いリリース止具15’とともに本発明を実施することも出来ると信じている。芯部9とテープ7は、リリース止具15’がフランジ41に沿って滑動し、対向するエレメント11bと係合する際に、スライダー35のチャネル47内でリリース止具15’の方向付けをコントロールする機能をするのである。
【0045】
図7は、本発明を具現化したスライドファスナー1を取り付けた衣料品60を示している。スライドファスナー1は、コートを着用するために上に示したように従来方法で操作される。コートを緊急に開口しなければならない場合には、スライドファスナー1のスライダー35は、リリース上止具15を越えて移動するように強制的に引き上げることができる。そして、スライドファスナー1の噛合エレメント11は、コートを脱げるように緊急に引き離すことが出来る。このスライドファスナーは、バッグ、救命具のような他の物品にも使用できる。そして、緊急に開口する手段が必要とされる場合に、特に有益である。
【0046】
当該技術分野における当業者にとって、本発明に基づき色々な変形例が理解される。本発明は、ここに開示された発明の権利範囲に属する、全ての変形例を含む。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】 図1は、本発明の一実施例であって、スライダーが省略されたスライドファスナーの平面図である。
【図2】 図2aは、図1に示すスライドファスナーのリリース止具の平面図、図2bは、図2aに示すリリース止具の斜視図である。
【図3】 図3は、図1の実施例において、リリース上止具がスライダーの上方向即ち閉鎖方向への運動を邪魔する際に、スライダーのチャネル内におけるリリース止具と噛合エレメントの状態を示す一部を切り欠いた部分説明図である。
【図4】 図4は、図1の実施例において、スライダーがリリース止具を強制的に越えて移動させられた際に、スライダーのチャネル内におけるリリース止具と噛合エレメントの状態を示す一部を切り欠いた部分説明図である。
【図5】 図5(a)、図5(d)は、図1の実施例において、スライダーがスライドファスナーの下方向即ち開口方向に移動した際に、スライダーのチャネル内におけるリリース止具と噛合エレメントの状態を示す一部を切り欠いた部分説明図である。
【図6】 図6a、6bは、長さの短いリリース止具を備えた、図1乃至図5に示す実施例の変形例を開示した部分説明図である。
【図7】 図7は、本発明のスライドファスナーを取り付けた物品を示す説明図である。
【符号の説明】
【0048】
1 スライドファスナー
3 第1ストリンガー
5 第2ストリンガー
7 テープ
9 芯部
11 噛合エレメント
11a 第1対向噛合エレメント
11b 第2対向噛合エレメント
13 上止具
15 リリース止具
17 止具本体
19 第1側部
21、23、25 突起部
27 肩部
29 第2側部
31 上端部
32 下端部
33 凹部
33a 第1凹部
33b 第2凹部
34 頭部
35 スライダー
39 分割壁体
41 フランジ
47 チャネル
48 首部領域




 

 


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