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発明の名称 防水性スライドファスナーの下止
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−215819(P2007−215819A)
公開日 平成19年8月30日(2007.8.30)
出願番号 特願2006−40617(P2006−40617)
出願日 平成18年2月17日(2006.2.17)
代理人 【識別番号】100070529
【弁理士】
【氏名又は名称】縣 一郎
発明者 岡田 守
要約 課題
防水性のファスナーテープのスペース部に防水性のシート部材をファスナーエレメントに連接する形で裏打ちし、表面に下止を成形した防水性の下止を提供する。

解決手段
一対のファスナーテープ2の全面をエラストマーで被覆し、対向縁8に樹脂製のファスナーエレメント3を一体成形し、スペース部19に防水性のシート部材5を左右のファスナーテープ2に跨設し、シート部材5の先端部30を端部のファスナーエレメント3に連接し、ファスナーテープ2およびシート部材5の側縁に設けた透孔9を介して樹脂製の下止4をファスナーエレメント3と間隔をおいて成形し、下止4は上面部24の片側にファスナーエレメント3と同厚の突出部22をスペース部19に設けた防水性スライドファスナーの下止である。
特許請求の範囲
【請求項1】
一対のファスナーテープ2の全面をエラストマーで被覆し、該ファスナーテープ2の一定区間の対向縁8にファスナーエレメント3を熱可塑性樹脂で一体成形し、端部のファスナーエレメント3とファスナーテープ2の端部との間にスペース部19を設け、該スペース部19における左右のファスナーテープ2にわたって防水性を備えたシート部材5を先端部30がファスナーエレメント3に連接する形で装着し、ファスナーテープ2に穿設した透孔9を介してシート部材5上に熱可塑性樹脂製の下止4をファスナーエレメント3と間隔をおいてファスナーテープ2の表裏に一体成形したことを特徴とする防水性スライドファスナーの下止。
【請求項2】
シート部材5の先端部30は左右のファスナーテープ2の対向縁8においては、下止4より突出する形に装着してなる請求項1記載の防水性スライドファスナーの下止。
【請求項3】
ファスナーエレメント3は噛合頭部11、首部12、脚部13および首部12に係合突片14、脚部13の外端に舌片16を形成し、シート部材5は係合突片14に当接する形でファスナーテープ2に装着してなる請求項1記載の防水性スライドファスナーの下止。
【請求項4】
下止4は、上面部24の片側にファスナーエレメント3と同厚で突出する突出部22を設け、該突出部22の外側面にファスナーエレメント3の舌片16と同厚の舌片23を形成してなる請求項1記載の防水性スライドファスナーの下止。
【請求項5】
シート部材5は、織製、編製の基布または不織布の表面に熱可塑性エラストマーまたは合成ゴムを被着し、あるいは樹脂フィルムによって形成し、左右のファスナーテープ2にシート部材5を裏打ちしてなる請求項1記載の防水性スライドファスナーの下止。
【請求項6】
シート部材5はファスナーテープ2の片面へ接着または溶着して装着してなる請求項1記載の防水性スライドファスナーの下止。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、織製または編製されたファスナーテープの全面をエラストマーによって被覆し、防水性を備えたファスナーテープに仕上げ、このファスナーテープの対向縁に熱可塑性樹脂を用いてファスナーエレメントを射出成形してファスナーチエンを形成し、このファスナーチエンにおけるファスナーエレメントのないスペース部に熱可塑性樹脂製の下止を射出成形して取り付けた防水性を具備した防水性スライドファスナーの下止に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、防水性を備えた一対のファスナーテープの対向縁に熱可塑性樹脂製の射出タイプのファスナーエレメント、たとえば噛合頭部、首部、脚部から形成されたファスナーエレメントを射出成形手段によって成形してファスナーチエンを形成し、このファスナーチエンのファスナーエレメントが存在しないスペース部に熱可塑性樹脂フィルムをファスナーテープの裏側から、左右のファスナーテープに架け渡す状態に溶着しファスナーテープを固定するとともに、この部分に表裏に貫通する透孔を穿設し、この透孔を介して熱可塑性樹脂製の下止を端部のファスナーエレメントと間隔をおいて射出成形手段によって成形した防水性を備えた防水性スライドファスナーの下止が図10に示すように実施され公知である。
【0003】
また、図11に示すように、一対のファスナーテープは溶着可能な材料で作製するか、または溶着可能な材料でコーティングし、このファスナーテープの対向縁に熱可塑性樹脂製の射出タイプのファスナーエレメントを射出成形手段によって成形してファスナーチエンを形成し、このファスナーチエンの端部の裏側に溶着可能な生地片またはフィルム片を左右のファスナーテープに架け渡して溶着して左右のファスナーテープを固定し、この部分の一部に掛けて表裏一体化する熱可塑性樹脂製の下止を射出成形手段によって、左右のファスナーエレメントを被覆する形で成形した防水性スライドファスナーの下止が、国際公開パンフレットに開示されている。
【特許文献1】国際公開第03/037132号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前項で述べた図10に示す熱可塑性樹脂製の防水性スライドファスナーの下止は、下止を装着したファスナーチエンにおける下止とファスナーエレメントとの間に間隔が存在するため、下止の成形は樹脂フィルムを裏打ちしたファスナーテープに対し、ファスナーエレメントの成形後に成形加工することができるが、ファスナーチエンを長期にわたって使用すると、下止の上側近傍におけるファスナーテープの水密性、気密性を保持することが難しくなる傾向があった。
【0005】
また、図11に示す熱可塑性樹脂製の防水性スライドファスナーの下止は、防水性を備えたファスナーテープの側縁に、射出タイプのファスナーエレメントを成形し取り付けてファスナーチエンを形成し、このファスナーチエンの端部の裏側に溶着できるフィルム片を左右のファスナーテープに架け渡して溶着し、この溶着部分の一部に掛けて左右のファスナーエレメントを被覆する形で樹脂製の下止を成形加工したものである。したがってファスナーエレメントと下止とは経時的な成形であり面倒である。またファスナーエレメントの表面に下止用の金型を設置することが難しく、下止の射出成形時に樹脂が金型から溢れてバリを形成するなど下止の成形が面倒で体裁のよい下止を形成することが難しいなど問題点がある。
【0006】
この発明は、上記の点を考慮して発明したものであり、この発明のうち請求項1記載の発明は、防水性を備えたファスナーチエンの端部に形成する下止の近傍におけるファスナーチエンの柔軟性を損なうことなく水密性、気密性を確保し、そのため防水性を備えた左右のファスナーテープのファスナーエレメントがないスペース部に樹脂フィルムなどのシート部材を裏打ちして装着し、このスペース部の一部に掛けて下止を強固に取り付け、かつ簡易に成形加工を行うことによって、強靭な防水性を備えたスライドファスナーの下止を提供することが主たる目的である。
【0007】
請求項2および5,6記載の発明は、それぞれ請求項1記載の発明の目的に加え、ファスナーチエンにおける左右のファスナーテープに裏打ちして装着するシート部材の形態、材質およびファスナーテープに対する装着手段について、具体的に特定することによって、効率のよい水密性、気密性が容易に確保できる防水性を備えたスライドファスナーの下止を提供することが目的である。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明の目的に加え、ファスナーチエンにおける左右の防水性を備えたファスナーテープの対向縁に取り付けるファスナーエレメントの形態を特定することによって、効率のよい水密性、気密性が容易に確保できる防水性を備えたスライドファスナーの下止を提供することが目的である。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明の目的に加え、ファスナーチエンにおけるファスナーエレメントがないスペース部に取り付ける下止の形態を具体的に特定することによって、効率のよく成形加工ができ、ファスナーチエンの水密性、気密性が容易に確保できる防水性を備えたスライドファスナーの下止を提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の目的を達成するため、この発明のうち請求項1記載の発明は、ファスナーチエン1における左右のファスナーテープ2の表裏全面にエラストマーたとえば熱可塑性エラストマーあるいは合成ゴムなど用いて被覆し、このファスナーテープ2の一定区間すなわち所定長さの対向縁8にファスナーエレメント3を熱可塑性樹脂を用いて射出成形で取り付け、ファスナーチエン1における端部のファスナーエレメント3とファスナーテープ2の端部との間にファスナーエレメント3が取り付けられていないスペース部19において、左右のファスナーテープ2に架橋状に防水性を備えたシート部材5たとえば樹脂フィルムなどを端部のファスナーエレメント3に連接する形態に装着し、ファスナーテープ2およびシート部材5に穿設した透孔9を介してシート部材5に熱可塑性樹脂製の下止4をファスナーエレメント3と間隔をおいてファスナーテープ2の表裏両面で一体になるように成形した防水性を備えたスライドファスナーの下止を主な構成とするものである。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加え、ファスナーチエン1に裏打ちして装着したシート部材5の先端部30は、左右のファスナーテープ2の対向縁8においては、ファスナーチエン1のスペース部19に装着する下止4よりもファスナーエレメント3側へ突出する形態に装着した防水性を備えたスライドファスナーの下止である。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加え、ファスナーチエン1の左右のファスナーテープ2の対向縁8に装着するファスナーエレメント3は熱可塑性樹脂製の射出タイプで噛合頭部11、首部12、脚部13および首部12に係合突片14、脚部13の外側端に舌片16を形成し、シート部材5は首部12に形成した係合突片14に当接する形態でファスナーテープ2に装着した防水性を備えたスライドファスナーの下止である。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加え、ファスナーチエン1のスペース部19に一体成形する下止4は、下止4の上面部24の片側にファスナーテープ2に取り付けられたファスナーエレメント3と同じ厚さでファスナーエレメント3側へ突出する突出部22を設け、この突出部22の外側面に、ファスナーエレメント3の脚部13の外側端に形成した舌片16と同じ厚さの舌片23を形成した防水性を備えたスライドファスナーの下止である。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加え、ファスナーチエン1のスペース部19に装着するシート部材5は、織製、編製の基布または不織布の表面に熱可塑性エラストマーまたは合成ゴムを被着し、あるいは樹脂フィルムによって形成し、左右のファスナーテープ2の片面、たとえばファスナーテープ2の裏側に裏打ちによって装着した防水性を備えたスライドファスナーの下止である。
【0015】
請求項6記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加え、ファスナーチエン1のスペース部19に装着するシート部材5は、左右のファスナーテープ2の片面、たとえばファスナーテープ2の裏側へ接着または溶着によって装着した防水性を備えたスライドファスナーの下止である。
【発明の効果】
【0016】
この出願の発明の効果として、請求項1記載の発明は、一対のファスナーテープの全面をエラストマーで被着し、該ファスナーテープの一定区間の対向縁にファスナーエレメントを熱可塑性樹脂で一体成形し、端部のファスナーエレメントとファスナーテープの端部との間にスペース部を設け、該スペース部における左右のファスナーテープにわたって防水性を備えたシート部材を先端部がファスナーエレメントに連接する形で装着し、ファスナーテープに穿設した透孔を介してシート部材上に熱可塑性樹脂製の下止をファスナーエレメントと間隔をおいてファスナーテープの表裏に一体成形したことによって、下止の成形加工が簡易に行うことができ、下止の上側の近傍における水密性、気密性が簡単な構造で確実に達成でき、かつ下止の近傍におけるファスナーチエンの柔軟性が確保でき、ファスナーチエンの取扱いが容易にできる効果がある。
【0017】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加え、シート部材の先端部は左右のファスナーテープの対向縁においては、下止より突出する形に装着したことによって、下止の上側においては、シート部材が下止と関係なくファスナーエレメントに当接するので、水密性、気密性が簡単かつ確実に保持できる効果がある。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加え、ファスナーエレメントは噛合頭部、首部、脚部および首部に係合突片、脚部の外端に舌片を形成し、シート部材は係合突片に当接する形でファスナーテープに装着したことによって、シート部材がファスナーテープに固定されたファスナーエレメントの係合突片に当接する形態であるから、ファスナーエレメントとシート部材とを効率よく簡易に密接させ、かつ左右のファスナーテープを容易に密封させることができる効果がある。
【0019】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加え、下止は、上面部の片側にファスナーエレメントと同厚で突出する突出部を設け、該突出部の外側にファスナーエレメントの舌片と同厚の舌片を形成したことによって、スライダーの下止に対する摺接動作が的確に行うことができ、また突出部を設けることにより、ファスナーエレメントが設置されていない側のファスナーテープを容易に噛合方向へ移動させ圧接することができるから、下止の近傍の水密性、気密性が容易に達成できる効果がある。
【0020】
請求項5および6記載の発明は、それぞれ請求項1記載の発明の効果に加え、シート部は、織製、編製の基布または不織布の表面に熱可塑性エラストマーまたは合成ゴムを被着し、あるいは樹脂フィルムによって形成し、左右のファスナーテープにシート部材を裏打ちし、またシート部材はファスナーテープの片面へ接着または溶着して装着したことによって、シート部材を左右のファスナーテープに簡易に装着でき、かつ体裁よくシート部材を装着したファスナーチエンに仕上げることができる効果があるなど、この発明が奏する効果はきわめて顕著である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
この発明の防水性スライドファスナーの下止は、図1〜6に示すとおり織製または編製された基布の表面をエラストマーたとえば熱可塑性エラストマーあるいは合成ゴムなどで被覆してファスナーテープ2を形成し、図6に示すようにファスナーテープ2の対向縁8に穿設した透孔9を介してファスナーテープ2の表裏に熱可塑性樹脂製のファスナーエレメント3を射出成形加工によって成形し、このファスナーエレメント3は、膨大状の噛合頭部11、この噛合頭部11の先端に相手側のファスナーテープ2の対向縁8と係合突片14とが嵌め込むことができる凹状の噛合凹部15を形成する。噛合頭部11の内側には括れた首部12を設け、この首部12に噛合凹部15に嵌め込むことができる係合突片14をファスナーテープ2の対向縁8より内側において横方向すなわちファスナーチエン1の長手方向へ突出させる。首部12の内側に噛合頭部11と略同じ幅の脚部13を設け、脚部13の外端面にスライダー34のフランジ35が滑動できる舌片16を突設した形状に形成し、左右のファスナーエレメント3が噛合した場合、それぞれのファスナーエレメント3は噛合相手のファスナーテープ2の対向縁8を押圧し、この噛合部分での水密性、気密性が保持できる。
【0022】
ファスナーチエン1におけるファスナーエレメント3を連続的に成形した端部とファスナーテープ2の端部との間に、ファスナーエレメント3が取り付けられていないスペース部19を設け、このスペース部19の裏面に図6に示すように中央が上方へ突出する突片31を形成した長尺状の凸状の織製、編製の基布または不織布の表面に熱可塑性エラストマーまたは合成ゴムを被着し、あるいは樹脂フィルムによってシート部材5を形成し、このシート部材5を左右のファスナーテープ2に架け渡す形態で接着または溶着して裏付けし、好ましくは高周波加工あるいは超音波加工によって溶着し、裏付けするのがよく、この裏付けの際シート部材5の突片31の先端部30をファスナーエレメント3の係合突片14の側端へ当接する形態に装着するとともに、スペース部19を含めたファスナーテープ2の表裏へ貫通する透孔9を複数個穿設し、この透孔9を介してシート部材5の一部に掛けて、ファスナーテープ2の表裏にスライダー34の後口部36が当接できる表面部20と裏面部21とをファスナーエレメント3と同じ材質の熱可塑性樹脂を用いて射出成形加工によって成形し、一体化して下止4を形成する。
【0023】
下止4は全体が長方形であり、下止4の表裏の上面部24はファスナーエレメント3が存在しない側の片側に、ファスナーエレメント3に向けて突出する突出部22を設け、この突出部22はファスナーエレメント3の厚さと同じ厚さに形成し、突出部22の外側すなわちファスナーエレメント3の舌片16が設けられている側に、この舌片16と同じ厚さで同じ位置にスライダー34のフランジ35が滑動できる舌片23を設ける。突出部22はファスナーエレメント3と一定の間隔をあけて間隙部26を設け、かつ下止4の他側の上面部24もファスナーエレメント3と一定の間隔をあけて間隙部26を設け、ファスナーチエン1における下止4の上側近傍に柔軟性を付与させた防水性を備えたスライドファスナーの下止である。
【実施例1】
【0024】
図1〜6に示す実施例の防水性スライドファスナーの下止は、前項で説明したとおりであり、詳述すると織製または編製された基布の表裏両面をエラストマーたとえば熱可塑性エラストマーあるいは合成ゴムなどで被覆することによって、ファスナーテープ2に防水性を付与し、このファスナーテープ2の対向縁8に表裏へ貫通する透孔9を穿設し、この透孔9を介してファスナーテープ2の表裏に熱可塑性樹脂、たとえばポリアミド、ポリアセタール、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレートなどを用いて射出成形加工によって、ファスナーエレメント3を成形する。
【0025】
ファスナーテープ2に成形されるファスナーエレメント3の形態は、先端に膨大状の噛合頭部11を形成し、この噛合頭部11の先端内側に噛合相手のファスナーテープ2の対向縁8と首部12に形成した係合突片14とが嵌め込まれる凹状の噛合凹部15を形成する。噛合頭部11の内側には括れた首部12を設け、この首部12に相手方の噛合凹部15に嵌め込まれる係合突片14を横方向すなわちファスナーチエン1の長手方向に突出する形に設ける。首部12に続いて内側に噛合頭部11と略同じ幅の脚部13を設け、この脚部13の外端面を薄手に形成してスライダー34のフランジ35が滑動できる舌片16を突設した形状に形成し、並列された左右のファスナーエレメント3が噛合した場合は、それぞれのファスナーエレメント3の噛合頭部11に形成した噛合凹部15によって噛合相手のファスナーテープ2の対向縁8を押圧し、左右のファスナーエレメント3間では完全に水密性、気密性が保持できる。
【0026】
ファスナーチエン1におけるファスナーエレメント3を連続的に成形した端部とファスナーテープ2の端部との間に、ファスナーエレメント3が取り付けられていないスペース部19を設け、このスペース部19の裏面に図6に示すようにシート部材5を裏付けする。このシート部材5は上端部中央が上方へ突出する突片31を形成した長尺状の凸状の織製、編製の基布または不織布の表裏面に熱可塑性エラストマーまたは合成ゴムを被着し、あるいは樹脂フィルムによって形成して防水性を備えさせ、このシート部材5を並列する左右のファスナーテープ2のスペース部19に架け渡す形態で接着または溶着して裏付けし、突片31を含むシート部材5は対向縁8上を覆っている。好ましくは高周波加工あるいは超音波加工によって溶着して裏付けするのがよく、シート部材5はファスナーテープ3に使用する材質と同じ種類の熱可塑性エラストマーであることが接着上からよい。この裏付けの際シート部材5における突片31の先端部30が側近すなわち噛合した状態の最下端のファスナーエレメント3の首部12に形成した係合突片14の側端へ当接する形態に裏付けするとともに、スペース部19を含めた左右のファスナーテープ2およびシート部材5の表裏へ貫通する透孔9を複数個穿設し、この透孔9を介してシート部材5の一部に掛けて、ファスナーテープ2の表裏にスライダー34の後口部36が当接できる表面部20と裏面部21とをポリアミド、ポリアセタール、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレートなどの熱可塑性樹脂を用いて射出成形加工によって、表裏一体化させて下止4を形成する。
【0027】
下止4は全体の形状が横長の長方形であり、図2に示すように、シート部材5とファスナーテープ2に跨って形成され、シート部材5の幅よりも狭く形成する。下止4の表裏における上面部24は、ファスナーエレメント3が離れている側の片側に、ファスナーエレメント3に向けて突出する突出部22を設け、この突出部22はファスナーエレメント3の厚さと同じ厚さに形成し、突出部22の外側すなわちファスナーエレメント3の舌片16が設けられている側に、この舌片16と同じ厚さで同じ位置にスライダー34のフランジ35が滑動できる舌片23を設ける。突出部22を設けることによりファスナーエレメント3が存在しない部分のファスナーテープ2の変形を未然に防ぐことができる。突出部22はその上方に配されるファスナーエレメント3とは一定の間隔をあけて間隙部26が形成されるように設け、かつ下止4の他の側の上面部24もその上方に配されるファスナーエレメント3とは一定の間隔をあけて間隙部26が形成されるように設け、ファスナーチエン1における下止4の上側近傍に柔軟性を付与させた防水性を備えたスライドファスナーの下止である。
【実施例2】
【0028】
図7に示す実施例2の防水性スライドファスナーの下止は、前記実施例1の下止と異なるところは、ファスナーチエン1のスペース部19に裏付けするシート部材5の形状に差異がある。シート部材5の材質は実施例1と同じであり、織製、編製の基布または不織布の表裏面に熱可塑性エラストマーまたは合成ゴムを被着し、あるいは樹脂フィルムによって形成し、このシート部材5は、並列した左右のファスナーテープ2の対向縁8に跨って上方へ突出する突片31を突設し、この突片31の先端部30は、一方側すなわち側近のファスナーエレメント3の首部12に形成した係合突片14の側端に当接するように形成し、また他方側すなわち側近のファスナーエレメント3と噛合する相手側のファスナーエレメント3の首部12に形成した係合突片14の側端に当接するよう、噛合相手の側近のファスナーエレメント3の噛合頭部11を回避する形で階段状に延出させ、突片31は他方側へ多少偏倚した形で突出している。
【0029】
シート部材5はファスナーチエン1のスペース部19においては、左右のファスナーエレメント3の首部12に形成された係合突片14に、それぞれ当接する形態でファスナーテープ2の裏面に裏付けし、裏付けされたシート部材5の一部に掛けて実施例1で述べた形態の下止4をスペース部19に穿設した透孔を介して射出成形加工により成形した防水性を備えたスライドファスナーの下止である。
【実施例3】
【0030】
図8に示す実施例3の防水性スライドファスナーの下止は、前記実施例1および2の下止と異なるところは、ファスナーチエン1のスペース部19に裏付けするシート部材5の形状に差異があるシート部材5の変形例を示すものである。シート部材5の材質は前記各実施例と同じである。
【0031】
シート部材5の形状は、シート部材5の先端部30が山形状に突出し、この突出した先端部30を一方側すなわち側近のファスナーエレメント3の首部12に形成した係合突片14の側端に当接するようにファスナーテープ2の裏面に裏付けし、このシート部材5の先端一部に掛けて、前記各実施例と同じ形態の下止4をスペース部19に穿設した透孔を介して射出成形加工により成形した、防水性を備えたスライドファスナーの下止である。
【実施例4】
【0032】
図9に示す実施例4の防水性スライドファスナーの下止は、前記各実施例の下止と異なるところは、ファスナーチエン1のスペース部19の裏面に裏付けするシート部材5の形状に差異があるシート部材5の変形例を示すものであり、シート部材5の材質は前記各実施例と同じである。
【0033】
シート部材5の形状は、シート部材5の先端部30が直線状にカットされ、先端部30は側近のファスナーエレメント3の首部12に形成した係合突片14の側端に当接するようにファスナーテープ2の裏面に裏付けし、シート部材5上に掛けて前記各実施例と同じ形態の下止4をスペース部19に穿設した透孔を介して射出成形加工により成形した、防水性を備えたスライドファスナーの下止である。
【0034】
上記実施例1〜4は、いずれもシート部材5がファスナーテープ3の片面に裏付けされているが、下止4の表裏方向の厚さはスライドファスナーを取り付ける被着物との関係から決められるので、シート部材5がファスナーテープ3の裏面のみに裏付けすることで、裏側のシート部材5上に成形される下止4の厚さは多少薄く成形されるが、表側の厚さは十分なもので、下止4の強度が保たれる。ただし、下止4の強度が十分に許容できる場合には、シート部材5を左右のファスナーテープ3の両面に跨設し接着してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0035】
この発明の防水性スライドファスナーの下止は、大きな防水性スライドファスナーはテント、オイルフェンスなどの大きな荷重が加わる製品、また小さなものは防水用の被服、靴および包装用製品に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】第1実施例に基づく防水性スライドファスナーの下止の正面図である。
【図2】同上の下止の拡大正面図である。
【図3】同上の下止の図1におけるA−A断面拡大図である。
【図4】同上の下止の図1におけるB−B断面拡大図である。
【図5】同上の下止の図2におけるC−C断面縮小図である。
【図6】同上の下止の取り付け加工時の正面図である。
【図7】第2実施例に基づく防水性スライドファスナーの下止の正面図である。
【図8】第3実施例に基づく防水性スライドファスナーの下止の正面図である。
【図9】第4実施例に基づく防水性スライドファスナーの下止の正面図である。
【図10】公知の防水性スライドファスナーの下止の正面図である。
【図11】他の公知の防水性スライドファスナーの下止の正面図である。
【符号の説明】
【0037】
1 ファスナーチエン
2 ファスナーテープ
3 ファスナーエレメント
4 下止
5 シート部材
8 対向縁
9 透孔
11 噛合頭部
12 首部
13 脚部
14 係合突片
16 舌片
19 スペース部
22 突出部
23 舌片(下止)
24 上面部
30 先端部




 

 


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