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発明の名称 合成樹脂製の開閉用押圧止部材と同押圧止部材が取着されてなる衣類
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−167579(P2007−167579A)
公開日 平成19年7月5日(2007.7.5)
出願番号 特願2005−373109(P2005−373109)
出願日 平成17年12月26日(2005.12.26)
代理人 【識別番号】100091948
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 武男
発明者 吉江 謙一 / 西田 泰隆
要約 課題
基材の肉厚にこだわることなく実用性に優れ、更には押圧止具自体を身体の一部曲面に沿いやすくし、同時に衣類などの被着体の外面に意図的に露呈させて装飾品の一部としての機能をもつ合成樹脂製の開閉用押圧止部材と同止部材を袖口に取り付けた衣類とを提供する。

解決手段
1枚の細長い合成樹脂製板材からなる平板状基材(11,111,211,301,411)の長さ方向の一端部に被着体(1) の一端部が縫着される縫製領域(M) を有するとともに、同縫製領域(M) を除く前記平板状基材(11,111,211,301,411)の裏面側に多数のフック状雄係合素子(13,115,216,314,415)が起立する係合領域(E) を有している。これにより、縫製領域以外の係合領域の全てが外部に露出することになる。同係合領域(E) の押圧及び剥離操作により前記被着体(1) の他端部に設けられた相手方の多数のループ状雌係合素子(22)を有する被着体の被係合面に係脱可能に構成されている。
特許請求の範囲
【請求項1】
細長い合成樹脂製板材からなる平板状基材(11,111,211,301,411)の長さ方向の一端部に被着体(1) の一端部が縫着される縫製領域(M) を有するとともに、同縫製領域(M) を除く前記平板状基材(11,111,211,301,411)の裏面側に多数のフック状雄係合素子(13,115,216,314,415)が起立する係合領域(E) を有し、同係合領域(E) の押圧及び剥離操作により前記被着体(1) の他端部に設けられた相手方の多数のループ状雌係合素子(22)を有する被着体の被係合面に係脱可能に構成されてなることを特徴とする開閉用押圧止部材。
【請求項2】
前記フック状雄係合素子(13,115,216,314,415)が前記平板状基材(11,111,211,301,411)に成形一体化されてなる請求項1記載の開閉用押圧止部材。
【請求項3】
前記係合領域(E) の一部にフック状係合素子の存在しない非係合領域(NE)を有してなる請求項1に記載の開閉用押圧止部材。
【請求項4】
前記平板状基材(11,111,211,301,411)の係合領域(E) の幅方向の一部側縁部が互いに接近する方向に湾曲して切り欠かれてなる形状を有してなる請求項1〜3のいずれかに記載の開閉用押圧止部材。
【請求項5】
前記係合領域(E) における平板状基材(11,111,211,301,411)の一部表面に段部(15a,114,413) を介して他の部分よりも肉厚となる肉厚部分を有してなる請求項1〜3のいずれかに記載の開閉用押圧止部材。
【請求項6】
前記非係合領域(NE)に複数本の微小溝(17,217,315)が形成されてなる請求項5記載の開閉用押圧止部材。
【請求項7】
前記被係合領域(E) に表裏を貫通するスリット(14)が形成されてなる請求項5に記載の開閉用押圧止部材。
【請求項8】
前記平板状基材(11,111,211,301,411)は係合領域側の表面が凹むように長手方向に沿って僅かに湾曲されてなる請求項1〜3のいずれかに記載の開閉用押圧止部材。
【請求項9】
前記縫着領域(M) に縫着線に沿って薄肉部が形成されてなる請求項1〜3のいずれかに記載の開閉用押圧止部材。
【請求項10】
請求項1〜3のいずれかに記載の開閉用押圧止部材(10,100,200,300,400)が袖口(20)に取着されてなる衣類。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、従来の袖口の止部材の改良に関し、従来の釦などに代わる合成樹脂製の開閉用押圧止部材と同押圧止部材が被着された衣類に関する。
【背景技術】
【0002】
従来も、この種の合成樹脂製の開閉用押圧止部材は、例えば本出願人が先に提案した、例えば特開2001−78810号公報(特許文献1)や特許第3474791号公報(特許文献2)などに多数開示されている。特許文献1に記載された合成樹脂製の開閉用押圧止部材によれば、衣服などの前開き部の端縁に取り付けられる表面側平板部及び裏面側平板部を有し、その一端が連結部により連結され、全体がコ字状断面を有している。前記連結部の内面が前記衣類の端縁の位置決め部となる。前記裏面側平板部の裏面には面ファスナーの多数の雄係合素子が設けられている。
【0003】
この開閉用押圧止具を前記衣類の相対する端縁のうちの止具取付端縁に取り付けるには、衣類の止具取付端縁を押圧止具の表裏面側の前記平板部の開放端から差し入れ、前記端縁が前記連結部に当接したとき、少なくとも一端に係着頭部を有する合成樹脂製のピン部材により、衣服の端縁部を介して前記両平板部間を連結させると共に、前記係着頭部を相手方平板部の係着穴に脱着可能に係着させる。このように衣類等の被取付体に対する取付けが容易で且つ正確にでき、肉厚に関わらず止具の開放操作が容易で且つ円滑性が確保され、しかも開放操作時の外力によっても衣服に無理な力がかからず耐久性に富むと共にコスト的にも低減できるというものである。
【0004】
一方、上記特許文献2に記載された合成樹脂製の押圧止具は、連結部を介して一端縁が連結された2枚の略平行な長さの異なる熱可塑性合成樹脂製の第1及び第2の平板部からなる断面が略J字状をなした一体成形品からなる。表面積の大きい前記第1の平板部表面には多数の係合素子が直立状態で形成されると共に、その全周縁部に沿って溝状の縫着線が形成されている。また、表面積の小さい前記第2の平板部表面にも第1の平板部に形成された前記縫着線の一部に対応して端部が開放する溝状の縫着線がC字状に形成されている。また、前記連結部には同連結部から前記平板部に平行に外方へ向けて突出する同一樹脂材料からなる摘み部が一体に成形される。
【0005】
この押圧止具は、上記特許文献1に開示された押圧止具とは異なり、連結部を介して連結された2枚の平板部の一方が短く形成されているため、縫着にあたっても2枚の平板部を開くことなく衣類の端縁を2枚の平板部の間に容易に挿入することができる。また第1平板部には、その全周縁に沿って溝状の縫着線が形成され、表面積の小さい第2平板部には前記第1の平板部に形成された縫着線の一部に重なるように対応させて、連結部とは反対側の端縁で終わる端部が開放したコ字状の溝状の縫着線が形成されているに過ぎない。そのため、第1及び第2平板部の縫着線同士のずれが少なくなり、縫着線に沿った縫着が正確になされるばかりでなく、衣類の表面側では第2の平板部の縫着に続いて生地に直接縫着がなされるようになるため、止具の開閉操作、特にその開放操作時に上記特許文献1に開示された止具のように第2平板部側では縫着糸に同平板部による剪断方向の無理な力がかからず、縫着糸を破断させるようなこともない。
【0006】
また、衣類の止具取付部位の裏面側に表面積の大きい第1平板部が配され、衣類の表面側に表面積の小さい第2平板部が配されるため、外観的にも実質的にも同取付部位の剛直感がなくなると共に見栄えも増し、更には平板部の肉厚を多少厚くしても、所要の可撓性が確保できるようになり、止具の開放操作も円滑になされる。この開閉押圧止具は、形態が安定しているばかりでなく、単一の成形工程により所望の形態と模様などをもつファッション性に富んだ製品が低コストで得られ、しかも前記連結部に衣類の取付端縁を内側から当接させれば、同止具を衣類などに取り付けるにあたって整然とした状態で装着ができ、且つその位置決めも容易である。
【特許文献1】特開2001−78810号公報
【特許文献2】特許第3474791号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記特許文献1及び2に記載された押圧止具は、その構造から必然的に衣類端縁を挟み込むように、衣類に縫着することになるため、その止具取付部は合成樹脂製の2枚の平板部と衣類の生地の3枚が重ねられるため、どうしても剛直にならざるを得ない。しかも、これらの押圧止具を衣類に取り付ける場合、その構造からどうしても身体の線に沿いにくく、見た目も剛直な感が拭いきれない。また、そのいずれもが衣服の前開き部の開閉用押圧止具として開発されたものであるため、実用性に主眼がおかれ、押圧止具を止めたとき同押圧止具自体を衣類の表面に露呈せずに、且つその止具構造と相まって衣類の止具取付部における柔軟性を失わない工夫が要求される。柔軟性を失わなせないため、押圧止具の肉厚を極力薄くしようとすると、必要な強度が確保できず、ピン部材による係着力が小さくなりすぎ、或いは縫着糸に負けて裂断しかねない。
【0008】
本発明は、かかる従来の合成樹脂製押圧止具が抱えた課題を払拭すべく開発されたものであり、あまり肉厚にこだわることなく実用性に優れ、更には押圧止具自体を身体の一部曲線に沿いやすくし、同時に衣類などの被着体の外面に意図的に露呈させて装飾品の一部としての機能をもつ合成樹脂製の開閉用押圧止部材と同止部材を袖口に取り付けた衣類とを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる目的は、本発明の主要な構成である細長い合成樹脂製板材からなる平板状基材の長さ方向の一端部に被着体の一端部が縫着される縫製領域を有するとともに、同縫製領域を除く前記平板状基材の裏面側に多数のフック状雄係合素子が起立する係合領域を有し、同係合領域の押圧及び剥離操作により前記被着体の他端部に設けられた相手方の多数のループ状雌係合素子を有する被着体の被係合面に係脱可能に構成されてなることを特徴とする開閉用押圧止部材により効果的に達成される。
【0010】
好適には、前記フック状雄係合素子が前記平板状基材に成形一体化されることが好ましく、また前記係着領域の一部にフック状係合素子が存在しない非係合領域を有するようにしてもよい。この非係合領域には複数本の微小溝が形成することができ、前記微小溝に代えて表裏を貫通するスリットを形成することもできる。更に、前記平板状基材の係合領域における自由端部が段部を介して他の領域よりも肉厚に形成してもよい。また、前記平板状基材の係合領域の幅方向の一部側縁部が互いに接近する方向に湾曲して切り欠かれた形状を有していることが好ましい。或いは、前記平板状基材は長手方向に沿って係合領域側の表面が凹むように僅かに湾曲させることもできる。また、前記縫着領域には縫着線に沿った縫着溝を形成するとよい。このような開閉用押圧止部材が被着される被着体は衣服の袖口である場合に好適である。
【発明の効果】
【0011】
細長い合成樹脂製板材からなる平板状基材の長さ方向の一端部に縫製領域を設け、例えば被着体である袖口の一端部に前記縫製領域を縫着する。このときの縫製は、袖口の端縁を開放して重ね合わせた2枚の生地片により構成し、その2枚の生地片にて前記縫製領域を挟むようにして縫着する。その結果、本発明の押圧止部材の前記縫製領域を除く前記平板状基材の全てが被着体の端縁から外方に向けて突出した状態となる。その外部に露呈する基材の裏面側には多数のフック状雄係合素子を起立させて係合領域を形成する。すなわち、本発明の前記開閉用押圧止具は、その固定部である縫製領域が平板状基材の周囲全体にわたって形成されずに、その一端部にだけ形成されている以外は、通常の被着体に対する固定部と雄係合領域とを備えた合成樹脂製の成形面ファスナーの雄部材と何ら変わるところがなく、またその成形方法も本出願人が所有する実用新案登録第2545058号と格別に変わるところがない。
【0012】
本発明の前述の構成を備えた押圧止部材は、その雄係合領域を基材とともに被着体の外部に突出させて、被着体の他端側表面に形成された多数の雌係合素子からなる雌係合領域に、本発明の押圧止部材を表面側から重ねて押圧することにより、雄係合素子を雌係合素子に係合させて、例えば袖口を閉じた状態とする。このとき、本発明の押圧止部材の縫製領域を除く全ての基材表面が袖口の表面に露呈している。この露呈している基材部分の大きさは任意に決められるため、相手方との必要な係合強度も十分に確保され、激しい動きに対しても簡単には外れることがなく、実用性が向上する。ここで、本発明の平板状基材の形状を任意の形状とし、同時にその表面に様々な模様を賦形するとともに各種の色彩を施すことにより、袖口に露呈しているにも関わらず全く違和感がなく、例えば各種のスポーツ用ジャンパーやレジャー用上着に適用すれば、逆に一種の装飾品としての価値が生じ、極めてファッション性に富んだものとなる。
【0013】
本発明の開閉用押圧止部材は、例えば合成樹脂製の平板状基材の裏面に、従来から知られる繊維織物又は編物に織り込まれ又は編み込まれる合成樹脂製のモノフィラメントのループを切断してフック状の係合素子を形成した繊維製面ファスナーを接着剤などにより張り合わせてもよいが、製造の容易性、経済性、係合強度の点から成形一体化されることが好ましい。また前記係着領域の一部にフック状係合素子が存在しない非係合領域を有するようにすると、その部分がフック状係合素子をもたないため、例えば長さ方向に沿った表裏を貫通するスリットを形成したり、幅方向に延びる非係合領域に沿ってスリットを形成してもよく、或いは係合素子列の間に微小溝を形成することにより曲げやすくを得ることができる。
【0014】
更に、前記平板状基材の係合領域における曲げやすさを確保するには、同係合領域の幅方向の一部側縁を互いに接近する方向に湾曲して切り欠いた形状、すなわち基材の平面から見て、首部のように幅方向の一部領域を内側に凹ませる形状を採用すれば、その切り欠き部分を中心として長さ方向に湾曲させやすくなる。更に、平板状基材の自由端部側で長手方向に曲げたい箇所を段部を介して肉厚とすることにより、その境界部で曲げやすくなる。或いは長手方向に沿って係合領域側の表面が凹むように前記平板状の基材全体を予め僅かに湾曲して成形しておけば、例えば袖口に押圧止部材を取り付けた時点から、同押圧止部材が手首にフィットする。また前記縫着領域に縫着線に沿った縫着溝を形成して、縫製を簡単に行えるようにする。このような開閉用押圧止部材は、前記被着体として衣類の生地が本体よりも比較的に厚みがある袖口に適用すると、本発明の開閉用押圧止部材としての本領が発揮される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図示実施例に基づいて具体的に説明する。図1〜図3は本発明の第1実施例に係る開閉用押圧止部を示している。図1は同開閉用押圧止部の上面図、図2は同裏面図、図3は上面から見た斜視図である。
【0016】
本実施例に係る開閉用押圧止部材10は、熱可塑性合成樹脂製の中央部の横幅が湾曲線に沿って幅狭となった細長い矩形状の板材からなり、図5に示す被着体1に長さ方向の一端部を縫糸により縫着される縫製領域Mと、相手方の雌係合領域と係合離脱する雄係合領域Eとを有している。前記縫製領域Mは他の係合領域Eの自由端部15を除いた他の領域よりも肉厚で且つ幅広に形成されている。開閉用押圧止部材10の全体は円弧状に湾曲している。前記縫製領域Mには、縫製を容易にするため、縫着線に沿って幅方向に細長い矩形状の縫着用スリット12が形成されている。開閉用押圧止部材10の全体は長さ方向に弓なりに湾曲している。
【0017】
前記係合領域Eの平板状基材11の凹み側の表面(背面)には多数のフック状係合素子13が形成されている。そのフック形状は、基材から立ち上がるステムとその上端から基材の長さ方向に湾曲して又は直線的に延びる係合頭部とを有している。この係合頭部は隣り合う係合素子列では逆方向に延出させることが好ましく、或いは全係合素子が開閉用押圧止部材10の長さ方向の前後に一対の係合頭部を突出させるようにしてもよい。なお、図示実施例の開閉用押圧止部材10の全体が熱可塑性合成樹脂からなる射出成形品であるが、本発明にあって前記基材11の係合領域に従来から広く知られている繊維製の面ファスナーを接合させることも可能である。熱可塑性合成樹脂材料としては、特に限定するものではないが、例えばポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリ塩化ビニル、各種の熱可塑性エラストマー樹脂などが挙げられる。
【0018】
図示例によれば、多数の前記フック状係合素子13は縫製領域を除く全ての面に均等に形成されてはおらず、複数の区画(図示例では6区画)に所要の数のフック状係合素子13が群となって配されている。従って、各群との間にはフック状係合素子13が形成されていない非係合領域NEが形成される。本実施例では、前記非係合領域NEを利用して、表裏に貫通し係合領域の左右側縁部に沿って延びる2本のスリット14が形成されている。更には、図示を省略しているが、同じく幅方向に延びる非係合領域NEに沿って、複数本の微小な溝を形成する場合もある。
【0019】
上述のように開閉用押圧止部材10の中央部を幅狭に形成したり、前述のように非係合領域NEに沿ってスリット14や微小な溝17を形成することにより、開閉用押圧止部材10を長手方向に曲げやすくなり、例えば手首などの周りによくフィットさせることができる。更に本実施例にあっては、前記係合領域Eの上記縫製領域Mとは反対側の自由端部15の外面(表面)側を、他の領域と比較して段部15aを介して肉厚に形成している。前記段部15aの輪郭は任意であるが、図示例では全体としては略正方形を呈し、その縫製領域M側の幅方向の左右角部を円弧状に切り欠いた形状としている。このように自由端部15を段部15aを介して肉厚に形成することによっても、段部15aを起点として係合領域Eの肉薄部分が長さ方向に更に曲げやすくなる。
【0020】
また、前記自由端部15の先端には所要の肉厚をもつ摘み部16が延設されているため、相手方のループ状の雌係合素子22との係合を外すときも、前記摘み部16を指で摘んで引き剥がしやすくしている。更にファッション性を高めるために、開閉用押圧止部材10の全体を着色するとともに、その色調を変化させるとよい。また、前記自由端部15の表面には各種のロゴマークや模様などを印刷している。
【0021】
以上のように構成された本実施例1による開閉用押圧止部材10を、例えば袖口に縫製により取着するには、図4に示すように、袖口20を予め2枚の生地片20a,20bを重ね合わせた状態に構成し、その止部材被着部23に開閉用押圧止部材10の縫製領域Mを差し込めるように開口させて仕立てておく。ここで開閉用押圧止部材10の縫製領域Mを、そのロゴマークの印刷されている面(表面)を上にして、2枚の生地片20a,20bの開口に差し込んだのち、同縫製領域Mを2枚の生地片20a,20bで挟んだまま縫着スリット12に沿って2枚の生地片20a,20bを縫着して、開閉用押圧止部材10を袖口20に固定する。
【0022】
一方、袖口の反対側の合わせ部の外表面には、図4に示すように、袖口を巡るようにして所要の長さの多数のループ状係合素子をもつ雌の面ファスナーテープ21が縫着により取り付けられている。この雌面ファスナーテープ21は繊維製の織物又は編物の織成又は編成と同時に多数のループ状の雌係合素子22を形成しながら合成樹脂製のモノフィラメントを織り込み又は編み込む公知の製法によって作られる。
【0023】
こうして開閉用押圧止部材10と雌面ファスナーテープ21とが取着された袖口を閉鎖しようとするときは、図5に示すように、前記開閉用押圧止部材10の係合領域Eの裏面側に形成されたフック状係合素子面を前記雌面ファスナーテープ21に形成されたループ面にあてがい押圧することにより面接合させる。このとき、開閉用押圧止部材10の係合領域Eが多数のフック状係合素子13が起立する雄面ファスナーを構成しているため、前記雌面ファスナーテープ21に対する前記開閉用押圧止部材10の係合領域Eの係合長さを調節することができ、袖口の大きさを任意に変えることができる。開閉用押圧止部材10と雌面ファスナーテープ21とが接合された袖口を開放しようとするときは、開閉用押圧止部材10の自由端部の端縁から外側に向けて延在する摘み部16を摘まみ、開閉用押圧止部材10と雌面ファスナーテープ21とを離間方向に引き剥がすだけで袖口20を簡単に開放させることができる。
【0024】
なお、前記フック状係合素子13の成形用キャビティはその形状から単独の金型表面に刻設することは不可能であるため、複数の薄板材の端面に同キャビティの全形状又は一部の形状を形成し、これにスペーサ用の薄板材を適当に組み合わせて積層することにより成形できる。また、その成形終了後には図示せぬ離型部材によって前記フック状係合素子13の成形用キャビティから直接引き抜くことができるが、前記スペーサ用薄板材を板厚方向に移動させ、或い同薄板材を板面に沿ってスライドさせて、スペーサ用薄板材を前記キャビティから離間させることによっても容易に離型させることが可能である。
【0025】
ところで、本実施例の開閉用押圧止部材10の縫製領域Mを袖口20の生地片20a,20b間に差し込んで固定するにあたっては、その差し込み量を常に一定とする必要がある。そこで、本実施例では袖口20の止部材被着部23に開閉用押圧止部材10の差し込み量を規定するストッパを配しておくとよい。本実施例では被着体として袖口20を挙げているいるため、袖口20の柔軟性を損なってはならない。そこで、ストッパとしての機能を有するとともに、柔軟性をも阻害させないためには、袖口20における開閉用押圧止部材10の差し込み端に対応する位置で、生地片20a,20bを縫糸をもって縫い付けるだけでも前記機能が発揮される。
【0026】
ところで、これは本発明の特徴的構成の一つであるが、開閉用押圧止部材10の一端部に形成された縫製領域Mを袖口20の生地片20a,20bによって被覆して、係合領域Eの全体を外部に突出させて被着しているため、係合領域Eのロゴマークなどが印刷されている面(表面)が袖口の一部を巡るようにして完全に外部に露呈される。また、既述したとおり開閉用押圧止部材10は単色に限らず様々な色彩が施されており、同時にその端面にはロゴマークや各種の装飾模様が形成されている。これらの装飾模様は成形時に賦形することが望ましいが、各種ウェルダーやプリントにより成形後に形成することも可能である。こうした色彩や装飾模様の他に開閉用押圧止部材10の全体の形状を様々にデザインすると、開閉用押圧止部材10はそのものが装飾品となり得る。
【0027】
本発明の開閉用押圧止部材10は、例えば本出願人の提案による成形面ファスナーの一種であるEP0465983 A1に開示されている板状物品を固定するための固定具と同様に、従来の成形面ファスナーの延長線上にある。本発明の開閉用押圧止部材10が前述のとおり装飾品としての機能をも兼ね備えているため、形状が妄りに変形しないように、通常の成形面ファスナーよりもある程度の剛性を備えさせている。一方、本発明の開閉用押圧止部材10は被着品が衣服類である場合が多く、しかも身体の線に沿わせて係着させることが望まれる。
【0028】
そのため、図3に示すごとく開閉用押圧止部材10の全体を長さ方向に僅かに湾曲させて成形しているが、これを更に曲げやすくするため、本実施例では開閉用押圧止部材10の中央部を幅狭にしたり、或いは係合領域Eのフック状係合素子13が形成されていない非係合領域NEに、表裏を貫通して長さ方向に延びる複数本のスリット14や、幅方向に延びる多数の細い溝17を形成している。このように構成することで、妄りには捩じれたり折れ曲がったりしにくいが、開閉用押圧止部材10と相手方の雌面ファスナーとを身体に沿って湾曲させながら確実に係合させることができる。
【0029】
図6〜図8は、上記実施例1の第1変形例を示している。これらの図によれば、開閉用押圧止部材100の平板状基材111の輪郭は、図6及び図7に示すように、台形部112の上底部分に細長い長円形部113が連結された特殊な形状を有している。また、これを上面から見ると、前記台形部112の上底部分から細長い二等辺三角形部114を延設し、これを前記長円形部113の上面に重ね合わせたような形状をしている。従って、全体としては、図8に示すように、台形部112の上底部分と細長い長円形部113とを連結した形状に細長い二等辺三角形部114の等辺部分を段部114aとして重ね合わせた形状を有し、その全体が長手方向に弓なりに湾曲している。
【0030】
こうした形状をもつ平板状基材111の湾曲面のうち凹んだ側の面(裏面)には、図7に示すように大きな面積で区画された2区画と小さな面積で区画された4区画との計6区画にそれぞれ多数のフック状係合素子115が一体に起立して成形されて係合領域Eを形成している。この係合領域Eは前記長円形部113のほぼ全体にわたっており、前記区画の間がフック状係合素子115が形成されていない非係合領域NEとなる。一方、上記台形部112は縫製領域Mを構成する。
【0031】
本変形例にあって、上記実施例1と異なるところは、前述のとおり全体形状が異なることと、非係合領域NEにスリットや溝が格別に形成されていないこととである。このスリットや溝を形成していない理由は、前記台形部112の上底部分と細長い長円形部113との連結部分が互いに接近する方向に大きく切り込まれ幅狭になっており、しかも湾曲する平板状基材111の凸側の面(表面)の等辺部分による段部114により撓みやすくなっているがためである。なお、前記縫製領域Mに縫着線に沿った溝部の図示は省略しているが、この変形例に限らず、その縫着線の形状も装飾(模様)部分の一部となることから、任意のデザインの縫着模様として縫着線が描かれる。
【0032】
図9〜図11は、上記実施例1の第2変形例を示している。この変形例の開閉用押圧止部材200の平板状基材211の輪郭を裏面側から見ると、図10に示すように台形部分212の上底部分から内側に湾曲しながら一旦拡開したのち、直線的に漸次幅を狭くしていき直線状の端縁で終わっており、その端縁の中央部から矩形片が延設された形状をしている。この矩形片が本発明におけるフック状係合素子216を構成している。ここで第2変形例にあっても、平板状基材211は、その一端部に形成される縫製領域Mと、残る本体部分のほぼ全体に渡って形成される係合領域Eとに分かれており、その係合領域Eを開閉用押圧止部材200の表面側から見ると、図9及び図11に示すように、形状の異なる3枚の第1〜第3薄板片213〜215を3段に重ねた構造を有していることが理解できる。また、この変形例にあっても、開閉用押圧止部材200の全体が長さ方向に弓なりに湾曲している。その係合領域Eの凹んだ側の面(裏面)には多数のフック状係合素子216が一体に形成されている。
【0033】
すなわち、最も表面側の第1薄板片213の平面形状は、図9に示すように、縫製領域Mの末端から幅広の矩形部212aの先端に外側に膨らんで幅が漸減する概略二等辺三角形部212bが接続された形状を有している。中段の第2薄板片214の平面形状は、前記第1薄板片213の前記矩形部213aに前記二等辺三角形部212bの中間から横幅を漸減させながら長さ方向の前方へと開閉用押圧止部材200の全長を構成する長さまで延在している。最も裏面側に配される第3薄板片215は、前記第2薄板片214の平面形状に加えて、図10に示すように、前記第1及び第2薄板片213,214の切り替え点から前方に向けて横幅を漸増させたのち、最大の横幅から先端に向けて横幅を僅かに漸減させ、前記第2薄板片214の先端よりも短い位置で前記第2薄板片214の先端部と同一形状となって終わっている。
【0034】
前記縫製領域Mを除く係合領域Eの凹んだ側の面(裏面)にはほぼ全面にわたってフック状の係合素子216が多数形成されている。この変形例では、図10に示すようにフック状係合素子216は4区画に分けられており、そのうちの縫製領域M側の端部の2区画の間及び左右側縁部に形成された非係合領域NEに、それぞれ幅方向に延びる複数本の微小な溝217が形成されている。この微小な溝217の存在により、上記第1薄板片213及び第2薄板片214の外郭線による段部213a,214a周りの曲げやすさに加えて、縫着領域Mと係合領域Eとの間の肉厚が厚い部分の曲げやすさも確保している。
【0035】
前記縫着領域Mには、表面側から見ると図9及び図11に示すように、縫着領域Mに略V字状の縫着線に沿って屈曲部に縫着溝218が形成され、その屈曲部から左右に斜めに延びる直線部は表裏を貫通する縫着用スリット219が形成されている。
【0036】
図12〜図14は、上記実施例1の第3変形例を示している。この変形例による開閉用押圧止部材300は、図12及び図13に示すように全体の外郭形状が長さ方向に対称な形状を有している。すなわち、係合領域Eの自由端側端部と縫製領域Mとが同一の外郭形状を有しており、残る係合領域Eは図13に示すように第1薄板材311が横幅を一旦外側に湾曲して膨らむように僅かに漸増させたのち、同じように漸減させている。縫製領域M(係合領域Eの自由端部)の表面側の平面形状は概略正五角形を呈しており、図14に示すように、その縫製領域Mと係合領域Eの自由端部との間を前記第1薄板材311をもって連結するとともに、縫製領域Mと係合領域Eの前記自由端部との途中から、幅方向の中央部に長手方向に長い矩形状の第2薄板材312を積層一体化した形状を有している。前記第2薄板材312の中央部には幅方向に平行に延びる複数本の溝313が形成されている。
【0037】
本変形例にあっても、開閉押圧止部材300は全体が弓なりに湾曲しており、その平板状基材301の係合領域の裏面には4つの区画内に多数のフック状係合素子314が一体に形成されている。また中央部の2区画の間の被係合領域NEと幅方向の側縁部には、それぞれ幅方向に延びる微小な溝315が形成されている。縫製領域Mの縫着線は上述のように任意の模様状に描けばよい。この変形例では、格別に摘み部を形成していない。かかる構成により、本変形例の開閉押圧止部材300は長さ方向に曲げやすく、図示せぬ被着体に被着されたとき、曲面部にもよく馴染む。
【0038】
図15〜図17は、上記実施例1の第4変形例を示している。この変形例では、開閉押圧止部材400の平板状基材411の平面形状は、図16に示すとおり、上記第1変形例と類似した形状を有している。ただし、その縫製領域から係合領域へと延在する薄板部分412は、第1変形例と異なって高さが短い二等辺三角形状とされている。その二等辺部分が段部413となって係合領域Mに重ね合わせて一体化されている。この変形例にあっても開閉押圧止部材400の全体が長さ方向に弓なりに湾曲しており、その凹んだ側の面(裏面)にはほぼ全面にわたりフック状の係合素子415が多数形成されている。
【0039】
本変形例にあって、上記実施例1や第1〜第3変形例と異なるところは、平板状基材411の係合領域Eの自由端部寄りに幅方向に延びる3本の溝416が形成されている点と、係合領域の基端部寄りと縫製領域Mにかけて矩形状の縫製線414が描かれており、この閉ループ状の縫製線414に沿って、例えば一部に表裏に貫通する断続的なスリットを形成するとともに、同スリット間を溝にて連結するようにすることができ、或いは全縫着線414に沿って縫着溝を形成するようにしてもよい。このように溝やスリットを形成すると、前記段部413の部分で曲げやすさが得られると同時に、前記溝やスリットによって開閉押圧止部材400の縫着領域Mと係合領域Eの自由端部側とが曲げやすくなり、上記実施例1や第1〜第3変形例と同様に、被着体に被着され、相手方の雌係合部材と係合したとき、被着体の曲面によく馴染むようになる。
【0040】
以上、の説明からも明らかなごとく、本発明に係る開閉押圧止部材は従来の成形面ファスナーの延長線上にあるが、従来の成形面ファスナーと異なるところは、同開閉押圧止部材を多様な外郭形状をが採用できる細長い板材から構成し、しかもその被着体に縫製により縫着する領域を開閉押圧止部材の一端部に形成している点にある。このように、開閉押圧止部材の一端部に縫製領域を設けることにより、同開閉押圧止部材の大部分を占める係合領域の表面を全て外部に露呈させることができ、その結果、同開閉押圧止部材を単なる押圧止部材として機能させるだけでなく、アクセサリーなどの装飾品としての機能をもたせることができるようになる。
【0041】
従って、本発明の開閉押圧止部材は簡単には変形しないようにある程度の剛性を備えているものの、その要所で厚みを変えたり、フック上係合素子が形成されていない非係合領域にスリットや微小な溝を複数形成することにより、被着体が曲面を有するときも、その曲面に沿って被着体の開口部を閉じた状態で固定することができる。
【0042】
ここで、縫製領域を被着体の縫着部(止め部材被着部)に縫製により取着させるとき、同縫製領域の全てを、例えば2枚の生地片をもって挟み込むようにして被覆した状態で縫着することが望ましく、縫製領域を外部に露呈させることがなく、またある程度剛直な縫製領域を肌などに直接触れさせることもなくなるため、格別の違和感を与えない。
なお、本発明は上記実施例及び変形例に限定されるものではなく、各請求項の範囲内で様々な変更が可能であることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施例1に係る開閉押圧止部材の上面図である。
【図2】同裏面図である。
【図3】同開閉押圧止部材を斜め上方から見た斜視図である。
【図4】被着体である衣類の袖口に同開閉押圧止部材を被着したときの断面図である。
【図5】同開閉押圧止部材を衣類の袖口に被着したときの要部斜視図である。
【図6】上記実施例1の第1変形例を示す開閉押圧止部材の上面図である。
【図7】同裏面図である。
【図8】同開閉押圧止部材を斜め上方から見た斜視図である。
【図9】上記実施例1の第2変形例を示す開閉押圧止部材の上面図である。
【図10】同裏面図である。
【図11】同開閉押圧止部材を斜め上方から見た斜視図である。
【図12】上記実施例1の第3変形例を示す開閉押圧止部材の上面図である。
【図13】同裏面図である。
【図14】同開閉押圧止部材を斜め上方から見た斜視図である。
【図15】上記実施例1の第4変形例を示す開閉押圧止部材の上面図である。
【図16】同裏面図である。
【図17】同開閉押圧止部材を斜め上方から見た斜視図である。
【符号の説明】
【0044】
1 被着体
10,100,200,300,400 開閉用押圧止部材
11,111,211、301 411 平板状基材
12,219 縫着用スリット
13,115,216,314,415 フック状係合素子
14 スリット
15 係合領域の自由端部
15a,114a,213a,214a,413 段部
16,220 摘み部
17,217,315 微小な溝
20 袖口
20a,20b (2枚の)生地片
21 (雌の)面ファスナーテープ
22 (ループ状の雌)係合素子
112 台形部
113 長円形部
114 二等辺三角形部
212 台形部分
212a 矩形部
212b 二等辺三角形部
213〜215 第1〜第3薄板片
218 縫着溝
311,312 第1及び第2薄板材
313 溝
412 薄板部分
414 縫製線
E 係合領域
M 縫製領域
NE 非係合領域




 

 


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