米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 衣類 -> YKK株式会社

発明の名称 長さ調節具
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−154368(P2007−154368A)
公開日 平成19年6月21日(2007.6.21)
出願番号 特願2005−352306(P2005−352306)
出願日 平成17年12月6日(2005.12.6)
代理人 【識別番号】100079083
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 實三
発明者 井田 一夫
要約 課題
生地を傷めにくい長さ調節具を提供する。

解決手段
特許請求の範囲
【請求項1】
レール(2)と、このレール(2)を内部に挿通させたスライダ(3)とを備え、
前記レール(2)は、帯状基体(11)と、この帯状基体(11)に設けられた衣類等への取付部(12)と、前記帯状基体(11)の片面に帯状方向に沿って間隔を隔てて設けられた複数の係止部(13)とを有し、
前記スライダ(3)は、前記レール(2)を内部に挿通させたスライド枠体(20)と、このスライド枠体(20)に設けられた衣類等への取付部(30)と、前記スライド枠体(20)の内部に変位可能に設けられ前記レール(2)の係止部(13)に係合可能かつ解除可能な係止体(40)と、前記スライド枠体(20)の内部に設けられ前記係止体(40)が前記係止部(13)に対して係合する方向へ前記係止体(40)を付勢する付勢手段(50)と、前記スライド枠体(20)に移動可能に設けられ移動時に前記係止体(40)を前記付勢手段(50)に抗して前記レール(2)の係止部(13)から離れる方向へ変位させる解除子(60)とを有し、
前記スライド枠体(20)は、前記レール(2)が挿通する挿通孔(21)と、この挿通孔(21)を形成する周囲壁(22〜25)とを有する、ことを特徴とする長さ調節具。
【請求項2】
前記スライド枠体(20)および前記係止体(40)のいずれか一方には孔部(28)が、他方には前記孔部(28)に回動可能に支持される軸部(42)が形成され、
前記付勢手段(50)は、前記係止体(40)に一体的に形成され、かつ、前記スライド枠体(20)に連結された弾性片(51)によって形成され、
前記弾性片(51)を介して前記スライド枠体(20)と前記係止体(40)とが一体成形されていることを特徴とする請求項1に記載の長さ調節具。
【請求項3】
前記係止体(40)は、基端部が前記スライド枠体(20)に回動可能に設けられたロック片(41)と、このロック片(41)の先端部に設けられ前記レール(2)の係止部(13)に対して係合するロック爪(43)とを備え、
前記弾性片(51)は、前記係止体(40)とこの係止体(40)と対向する前記スライド枠体(20)の周囲壁(22)内面との間に沿って延長され、基端側が前記係止体(40)の回動支点から離れた位置に一体的に連結されているとともに、先端側が前記スライド枠体(20)の周囲壁(22)内面に一体的に連結されていることを特徴とする請求項2に記載の長さ調節具。
【請求項4】
前記解除子(60)は、前記スライド枠体(20)にそのスライド枠体(20)の内外方向へ進退可能に設けられた進退軸(61)と、この進退軸(61)に設けられ前記スライド枠体(20)の外部に突出する押圧部(62)と、前記進退軸(61)に設けられ前記スライド枠体(20)の挿通孔(21)内に係合する係合部(63)と、前記進退軸(61)に設けられその進退軸(61)の進出時に前記係止体(40)を前記レール(2)の係止部(13)から離れる方向へ変位させる当接部(64)と、前記押圧部(62)に押圧力が付与された際弾性変形するとともに押圧部(62)への押圧力が解除された際前記進退軸(61)を元の位置へ復帰させる弾性変形部(65)とを備えていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の長さ調節具。
【請求項5】
前記弾性変形部(65)は、前記進退軸(61)からその進退軸(61)を中心とした両側に延長された一対の弾性脚片(66)を備え、
前記スライド枠体(20)の周囲壁(23,25)外表面には、前記弾性脚片(66)の先端を収納しかつ互いに離れる方向へ移動可能にガイドするガイド溝(27)が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の長さ調節具。
【請求項6】
前記解除子(60)およびガイド溝(27)は、前記スライド枠体(20)の周囲壁(22〜25)のうち、前記第1周囲壁(22,24)と隣接する第2周囲壁(23,25)にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項5に記載の長さ調節具。
【請求項7】
前記解除子(60)は、前記スライド枠体(20)に設けられた解除子挿入孔(26)に対して、外部から差し込み可能に構成され、
前記係合部(63)は、前記進退軸(61)に対して直交する方向に弾性変形可能に形成され、先端部が前記解除子挿入孔(26)より小さく、かつ、基端側が前記解除子挿入孔(26)より大きい形状に形成されていることを特徴とする請求項4〜請求項6のいずれかに記載の長さ調節具。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類などの長さ調節具に関する。たとえば、ズボンやスカートのウエスト部分に取り付けられ、これら衣類のウエストサイズを調節できるようにした衣類などの長さ調節具に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、ズボンやスカートなどのウエストサイズを調節できるようにしたアジャスターとして、特許文献1に記載のアジャスターや、特許文献2に記載のアジャスターが知られている。
【0003】
特許文献1に記載のアジャスターは、長手方向に沿って複数の突条を有するガイドレール基帯と、このガイドレール基帯に装着されるスライダとを備える。スライダは、ウエスト帯に取り付けられる取付基体と、この取付基体に一体成形されガイドレール基帯が挿通するトンネル状空間を形成した被冠基体と、この被冠基体のトンネル状空間内に配設された係止体と、この係止体を操作する押動子とから構成されている。
被冠基体のガイドレール基帯と対向する面には、矩形形状の穴部が形成されているとともに、この穴部に臨んで弾性舌片が設けられている。係止体には、突条に係止する係止爪が形成されているとともに、被冠基体の穴部に遊嵌して弾性舌片を弾性変形させる当接背部が形成されている。
【0004】
ウエストサイズの調節は、押動子を押すと、係止体の係止爪がガイドレール基帯の突条から離れるので、ガイドレール基帯とスライダとを相対的にスライドさせることができる。所望の位置までスライドさせたのち、押動子を離すと、弾性舌片によって係止体がガイドレール基帯の突条へ向かって押し戻されるため、係止体の係止爪がガイドレール基帯の突条に係止される。
【0005】
特許文献2に記載のアジャスターも、上記と同様に、長手方向に沿って複数の突条を有するガイドレール基帯と、このガイドレール基帯に装着されるスライダとを備える。スライダは、ウエスト帯に取り付けられる取付基体と、この取付基体に一体成形されガイドレール基帯が挿通するトンネル状空間を形成した被冠体と、この被冠体のトンネル状空間内に突出形成された係止部と、この係止部を操作する操作体とから構成されている。
被冠体のガイドレール基帯と対向する面には、矩形形状の穴部が形成されているとともに、この穴部に臨んで弾性板部が設けられている。弾性板部には、自由端に前記係止部が形成されているとともに、操作杆に押し上げられるテーパ面が形成されている
【0006】
ウエストサイズの調節は、操作杆をガイドレール基帯の長手方向へスライドさせると、弾性板部の係止部がガイドレール基帯の突条から離れるので、ガイドレール基帯に対してスライダをスライドさせることができる。所望に位置までスライドさせたのち、操作杆を離すと、弾性板部によって係止部がガイドレール基帯の突条へ向かって変位するため、係止部がガイドレール基帯の突条に係止される。
【0007】
【特許文献1】特開2001−131816号公報
【特許文献2】特開平11−247012号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1および特許文献2に記載のアジャスターでは、被冠基体(被冠体)のガイドレール基帯と対向する面に、穴部や、この穴部に臨んで弾性片あるいは弾性板部が設けられているため、これらにズボンやスカートなどの生地が引っ掛かってしまうことが考えられる。つまり、ズボンやスカートなどの生地が穴部に入り込み弾性片や弾性板部との間に挟まってしまい、これらの生地を傷めることが考えられる。
【0009】
本発明の目的は、このような長さ調節具が取り付けられる生地を傷めにくい長さ調節具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の長さ調節具は、レールと、このレールを内部に挿通させたスライダとを備え、前記レールは、帯状基体と、この帯状基体に設けられた衣類等への取付部と、前記帯状基体の片面に帯状方向に沿って間隔を隔てて設けられた複数の係止部とを有し、前記スライダは、前記レールを内部に挿通させたスライド枠体と、このスライド枠体に設けられた衣類等への取付部と、前記スライド枠体の内部に変位可能に設けられ前記レールの係止部に係止可能かつ解除可能な係止体と、前記スライド枠体の内部に設けられ前記係止体が前記係止部に対して係合する方向へ前記係止体を付勢する付勢手段と、前記スライド枠体に移動可能に設けられ移動時に前記係止体を前記付勢手段に抗して前記レールの係止部から離れる方向へ変位させる解除子とを有し、前記スライド枠体は、前記レールが挿通する挿通孔と、この挿通孔を形成する周囲壁とを有する、ことを特徴とする。
【0011】
この構成において、レールとスライダのそれぞれの取付部を長さ調節可能に構成した衣類、例えば、ウエストサイズを調節可能に構成したズボンの長さ調節部分、つまり、ウエスト部分の一部を互いに重なり合わせた内側ウエスト帯と外側ウエスト帯とに取り付ける。
ウエストサイズを調節するには、解除子を移動させる。すると、係止体が付勢手段に抗してレールの係止部から離れる方向へ変位され、レールの係止部と係止体との係合状態が解除されるから、この状態において、レールとスライダとをレールの帯状方向に沿ってスライドさせる。このスライドによって、ウエストサイズを所望のサイズに調節したのち、解除子が元の位置に復帰すると、付勢手段によって、係止体がレールの係止部に対して係合する方向へ付勢されるため、係止体とレールの係止部とが係合される。つまり、レールとスライダとのスライドが規制される。
【0012】
この発明によれば、スライド枠体の内部に、レールの係止部に係合可能かつ解除可能な係止体と、この係止体を係止部に対して係合する方向へ付勢する付勢手段とが設けられ、つまり、これらがスライド枠体の周囲壁を貫通して外部に露出していないから、解除子の移動時、あるいは、レールとスライダとのスライド時にも、ズボンの生地が引っ掛かることが少ないので、生地を傷めにくいという効果がある。
【0013】
本発明の長さ調節具において、前記スライド枠体および前記係止体のいずれか一方には孔部が、他方には前記孔部に回動可能に支持される軸部が形成され、前記付勢手段は、前記係止体に一体的に形成され、かつ、前記スライド枠体に連結された弾性片によって形成され、前記弾性片を介して前記スライド枠体と前記係止体とが一体成形されていることが好ましい。
この発明によれば、係止体は、スライド枠体に対して、孔部と軸部とによって回動可能に支持され、しかも、係止体とスライド枠体とは、付勢手段を構成する弾性片を介して連結され、かつ、一体成形されているから、係止体に対して大きな引っ張り荷重が作用しても、係止体がスライド枠体から外れることが少なく、高強度な長さ調節具を提供できる。
【0014】
従来、係止体をスライド枠体に対して、孔部と軸部とによって回動可能に支持する構造の場合、例えば、スライド枠体に一対の孔部を、係止体にこれらの孔部に嵌合する軸部を形成し、係止体をスライド枠体に差し込んで組み立てる。そのため、孔部間の間隔に対して軸部間の距離を大きくし過ぎると、これらを嵌合させることができないため、これらの寸法差を比較的小さく設定せざるを得ない。
本発明では、係止体とスライド枠体とが、付勢手段を構成する弾性片を介して連結され、かつ、一体成形されているから、これらの寸法差を大きく取ることができる。従って、係止体に対して大きな引っ張り荷重が作用しても、係止体がスライド枠体から外れることが少なく、高強度な長さ調節具を提供できる。
また、係止体、スライド枠体および弾性片を一体成形できるから、製造工程も簡易化できるとともに、部品点数も少なくなるので、組立工数も削減でき、低コスト化が実現できる。
【0015】
本発明の長さ調節具において、前記係止体は、基端部が前記スライド枠体に回動可能に設けられたロック片と、このロック片の先端部に設けられ前記レールの係止部に対して係合するロック爪とを備え、前記弾性片は、前記係止体とこの係止体と対向する前記スライド枠体の周囲壁内面との間に沿って延長され、基端側が前記係止体の回動支点から離れた位置に一体的に連結されているとともに、先端側が前記スライド枠体の周囲壁内面に一体的に連結されていることが好ましい。
この発明によれば、付勢手段を構成する弾性片が、係止体とこれと対向するスライド枠体の周囲壁内面との間に沿って延長され、基端側が係止体の回動支点から離れた位置に一体的に連結されているとともに、先端側がスライド枠体の周囲壁内面に一体的に連結されているから、弾性片の弾性変形による反力が、係止体の回動支点から離れた位置に作用する。すると、係止体は、回動支点を中心とする回転モーメントによって、係止体の先端側のロック爪がレールの係止部に対して係合するため、係止体とレールの係止部との係合が確実になる。
【0016】
本発明の長さ調節具において、前記解除子は、前記スライド枠体にそのスライド枠体の内外方向へ進退可能に設けられた進退軸と、この進退軸に設けられ前記スライド枠体の外部に突出する押圧部と、前記進退軸に設けられ前記スライド枠体の挿通孔内に係合する係合部と、前記進退軸に設けられその進退軸の進出時に前記係止体を前記レールの係止部から離れる方向へ変位させる当接部と、前記押圧部に押圧力が付与された際弾性変形するとともに押圧部への押圧力が解除された際前記進退軸を元の位置へ復帰させる弾性変形部とを備えていることが好ましい。
この発明によれば、進退軸の押圧部を押圧すると、弾性変形部が弾性変形されながら、進退軸が進出される。すると、進退軸に設けられた当接部が、係止体をレールの係止部から離れる方向へ変位させるから、この状態において、レールとスライダとをレールの帯状方向に沿ってスライドさせることができる。押圧部への押圧力を解除すると、弾性変形部が弾性復帰し、進退軸を元の位置へ復帰させるから、係止体がレールの係止部に向かって変位され、係止体とレールの係止部とが係合される。つまり、押圧部への押圧力を解除すると、弾性変形部が弾性復帰し、進退軸が元の位置へ復帰するから、係止体とレールの係止部との係合が確実になる。
【0017】
本発明の長さ調節具において、前記弾性変形部は、前記進退軸からその進退軸を中心とした両側に延長された一対の弾性脚片を備え、前記スライド枠体の周囲壁外表面には、前記弾性脚片の先端を収納しかつ互いに離れる方向へ移動可能にガイドするガイド溝が形成されていることが好ましい。
この発明によれば、弾性変形部は、進退軸から両側に延長された一対の弾性脚片を備え、スライド枠体の周囲壁外表面には、弾性脚片のガイド溝が形成されているから、進退軸の押圧部を押圧すると、一対の弾性脚片がガイド溝に沿って弾性変形していくため、一対の弾性脚片の弾性変形を円滑に実行させることができる。しかも、これら一対の弾性脚片がスライド枠体の周囲壁外表面を覆うから、進退軸が挿入される解除子挿入孔も覆うことができ、この孔に生地などが引っ掛かることも防げる。
【0018】
本発明の長さ調節具において、前記解除子およびガイド溝は、前記スライド枠体の周囲壁のうち、前記第1周囲壁と隣接する第2周囲壁にそれぞれ設けられていることが好ましい。
この発明によれば、解除子およびガイド溝は、スライド枠体の第1周囲壁と隣接する第2周囲壁にそれぞれ設けられているから、係止体を挟んだ両側から、解除子の力を付与できる。従って、係止体を傾くことなく変位させることができる。
【0019】
本発明の長さ調節具において、前記解除子は、前記スライド枠体に設けられた解除子挿入孔に対して、外部から差し込み可能に構成され、前記係合部は、前記進退軸に対して直交する方向に弾性変形可能に形成され、先端部が前記解除子挿入孔より小さく、かつ、基端側が前記解除子挿入孔より大きい形状に形成されていることが好ましい。
この発明によれば、解除子をスライド枠体に設けられた解除子挿入孔に対して挿入すると、係合部は、挿入されるに従って、進退軸に対して直交する方向に弾性変形されながら挿入されていき、基端側が解除子挿入孔を通過した際、元の大きさに復元するので、つまり、基端側が解除子挿入孔より大きくなるので、解除子挿入孔に対して係止される。従って、解除子をスライド枠体に設けられた解除子挿入孔に対して挿入するだけで、解除子をスライド枠体に組み込むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態は、本発明の長さ調節具をズボンのウエストサイズ調節機構に適用した例である。図1は本実施形態の長さ調節具を適用したズボンの側面図、図2はその平面図である。図3は本実施形態の長さ調節具の斜視図、図4は本実施形態の長さ調節具の一部を破断した図、図5は図4のV−V線断面図、図6は図5のVI−VI線断面図、図7は図5において係止体が変位した状態を示す図、図8は図7のVIII−VIII線断面図である。
【0021】
本実施形態で用いるズボンは、図1および図2に示すように、ウエスト部分の一部に長さ調節用の重なり部分、具体的には、内側ウエスト帯W1と外側ウエスト帯W2との重なり部分が形成されている。
本実施形態の長さ調節具1は、内側ウエスト帯W1の外面側に取り付けられるレール2と、外側ウエスト帯W2の内面側に取り付けられレール2を内部にスライド可能に挿通させたスライダ3とを備える。
【0022】
レール2は、図3〜図5に示すように、帯状基体11と、この帯状基体11の両端側に設けられた衣類等への取付部12と、帯状基体11の片面に帯状方向に沿って一定間隔を隔てて設けられた複数の係止部13とを含み、全体がナイロンによって構成されている。
帯状基体11は、幅寸法が内側ウエスト帯W1および外側ウエスト帯W2の幅寸法と同じかこれより狭い寸法で、長さ寸法がウエストサイズの調節長さに相当する長さ寸法を有する帯板状に形成されている。取付部12は、帯状基体11の両端部に糸などでズボンの生地に逢着できる逢着部として形成されている。係止部13は、帯状基体11の表面から半円状に隆起し、帯状基体11の幅方向に長い直線状の突条として形成されている。
【0023】
スライダ3は、図3〜図5に示すように、レール2を内部に挿通させたスライド枠体20と、このスライド枠体20に設けられた衣類(ズボン)等への取付部30と、スライド枠体20の内部に変位可能に設けられレール2の係止部13に係合可能かつ解除可能な係止体40と、スライド枠体20の内部に設けられ係止体40がレール2の係止部13に対して係合する方向へ係止体40を付勢する付勢手段50と、スライド枠体20に移動可能に設けられ移動時に係止体40を付勢手段50に抗してレール2の係止部13から離れる方向へ変位させる解除子60とを含んで構成されている。ここでは、スライド枠体20、取付部30、係止体40、付勢手段50がナイロン材料によって一体成形され、解除子60がポリアセタール材料によって形成されている。
【0024】
スライド枠体20は、全体が矩形箱状に形成され、内部に対向する2つの面を貫通する断面矩形状の挿通孔21を有し、かつ、この挿通孔21を形成する4つの周囲壁22,23,24,25を有している。
これら4つの周囲壁22,23,24,25のうち、レール2の係止部13が形成された面およびこれと反対側面が対向する一対の第1周囲壁22,24は、平坦な壁で塞がれていて、孔などが形成されていない。ここで、第1周囲壁22,24には孔などが形成されていないとは、周囲壁22,24を貫通する孔が形成されていないことを意味し、凹部や溝などを指す意味ではない。この第1周囲壁22,24と隣接する残る一対の第2周囲壁23,25には、中央に解除子挿入孔26が貫通して形成されているとともに、これを中心として両側方向に沿ってガイド溝27が形成されている。また、片方のガイド溝27の底面には、ガイド溝27の溝方向に長く、かつ、孔幅が溝幅よりも狭い孔部28が貫通形成されている。
【0025】
取付部30は、スライド枠体20の周囲壁24から、この周囲壁24の外表面と面一(つらいち)にかつレール2の帯状方向に延長して一体的に形成されている。取付部30は、スライド枠体20の周囲壁24より厚みが薄く形成され、糸などでズボンの生地に逢着できる逢着部として形成されている。
【0026】
係止体40は、平板状のロック片41と、このロック片41の基端部両側に一体的に突出して設けられスライド枠体20の孔部28に回動可能に挿入される軸部42と、ロック片41の先端部に設けられレール2の係止部13に対して係合するロック爪43とを含んで構成されている。
ロック片41の幅方向両側には、図6に示すように、その両側から幅方向中心へ向かうに従ってロック爪43(レール2)側に傾斜するテーパ面41Aが形成されている。軸部42は、孔部28の内径よりも小さく形成されている。ロック爪43は、ロック片41の先端から軸部42とは反対側へ向かってかつレール2側に接近するように斜めに突出形成さている。
【0027】
付勢手段50は、係止体40に一体的に形成され、かつ、スライド枠体20に連結された弾性片51によって形成されている。
弾性片51は、係止体40とこの係止体40と対向するスライド枠体20の周囲壁22内面との間に沿って延長され、基端側が係止体40の回動支点から離れた位置(ここでは、先端のロック爪43寄り位置)に一体的に連結されているとともに、先端側がロック爪43より先端側において2箇所の連結部52を通じてスライド枠体20の周囲壁22内面に一体的に連結されている。
【0028】
解除子60は、スライド枠体20の周囲壁23,25にそのスライド枠体20の内外方向へ進退可能に設けられた進退軸61と、この進退軸61に設けられスライド枠体20の外部に突出する押圧部62と、進退軸61に設けられスライド枠体20の挿通孔21内に係合する係合部63と、進退軸61に設けられその進退軸61の進出時に係止体40をレール2の係止部13から離れる方向へ変位させる当接部64(図6参照)と、押圧部62に押圧力が付与された際弾性変形するとともに押圧部62への押圧力が解除された際進退軸61を元の位置へ復帰させる弾性変形部65とを含んで構成されている。
【0029】
係合部63は、進退軸61に対して直交する方向に弾性変形可能に形成され、先端部が解除子挿入孔26より小さく、かつ、基端側が解除子挿入孔26より大きい形状に形成されている。これにより、解除子60は、スライド枠体20に設けられた解除子挿入孔26に対して、外部から差し込み可能に構成されている。
弾性変形部65は、進退軸61からその進退軸61を中心とした両側に延長された一対の弾性脚片66を備える。一対の弾性脚片66の先端は、スライド枠体20に形成されたガイド溝27内に収納され、このガイド溝27に沿って互いに離れる方向および互いに接近する方向に案内されている。
【0030】
<組立方法>
まず、解除子60をスライド枠体20に設けられた解除子挿入孔26に対して挿入する。すると、解除子60の係合部63は、解除子挿入孔26に挿入されるに従って、進退軸61に対して直交する方向に弾性変形、つまり、縮小されながら挿入されていき、基端側が解除子挿入孔26を通過した際、元の大きさに復元する。つまり、基端側が解除子挿入孔26より大きくなるので、解除子挿入孔26に対して係止される。
【0031】
このとき、解除子60の弾性脚片66は、スライド枠体20のガイド溝27内に収まる。従って、これら一対の弾性脚片66がスライド枠体20の周囲壁23,25の外表面を覆うから、進退軸61が挿入される解除子挿入孔26も覆うことができ、この孔に生地などが引っ掛かることも防げる。
また、スライド枠体20の挿通孔21内にレール2を挿入する。レール2をスライド枠体20の挿通孔21に対して、図5の右側より挿入すると、係止体40のロック爪43は、レール2の係止部13が通過する毎に、レール2から離れる方向へ退避したのち、元の位置に復帰するので、所定位置までレール2を挿入する。
【0032】
この状態では、スライド枠体20の内部に、レール2の係止部13に係合可能かつ解除可能な係止体40と、この係止体40を係止部13に対して係合する方向へ付勢する付勢手段50とが設けられ、スライド枠体20の周囲壁22〜25のうち、レール2の係止部13が形成された面およびこれと反対側面が対向する一対の第1周囲壁22,24には孔が形成されていないから、解除子60の操作時、あるいは、レール2とスライダ3とのスライド時にも、ズボンの生地が引っ掛かることが少ないので、生地を傷めにくい。
【0033】
また、係止体40とスライド枠体20とが、付勢手段50を構成する弾性片51を介して連結され、かつ、一体成形されているから、これらの寸法差を大きく取ることができる。従って、係止体40に対して大きな引っ張り荷重が作用しても、係止体40がスライド枠体20から外れることが少なく、高強度な長さ調節具を提供できる。
また、係止体40、スライド枠体20および弾性片51を一体成形できるから、製造工程も簡易化できるとともに、部品点数の少なくなるので、組立工数も削減でき、低コスト化が実現できる。
【0034】
<使用方法>
レール2とスライダ3のそれぞれの取付部12,30を、ウエストサイズを調節可能に構成したズボンの長さ調節部分に取り付ける。ここでは、レール2の取付部12を内側ウエスト帯W1に、また、スライダ3の取付部30を外側ウエスト帯W2にそれぞれ逢着する。
【0035】
ウエストサイズの調節にあたっては、上下の解除子60を互いに接近する方向へ押圧する。すると、解除子60の弾性脚片66が弾性変形されながら、進退軸61がスライド枠体20内に進出される。このとき、スライド枠体20の周囲壁23,25には、弾性脚片66をガイドするガイド溝27が形成されているから、進退軸61の進出に伴って、一対の弾性脚片66がガイド溝27に沿って弾性変形されていくから、一対の弾性脚片66の弾性変形を円滑に行わせることができる。
【0036】
やがて、進退軸61に設けられた当接部64が、係止体40のテーパ面41Aに当接すると、図7および図8に示すように、係止体40を弾性片51に抗してレール2から離れる方向へ変位させる。これにより、レール2の係止部13と係止体40との係合状態が解除される。この状態において、レール2とスライダ3とをレール2の帯状方向に沿ってスライドさせれば、ウエストサイズを任意のサイズに調節することができる。
【0037】
ウエストサイズを調節したのち、解除子60の押圧を解除すると、弾性脚片66が弾性復帰し、進退軸61を元の位置へ復帰させる。また、弾性片51によって、係止体40がレール2に接近する方向へ回動付勢されるため、係止体40とレール2の係止部13とが係合される。つまり、レール2とスライダ3とのスライドが規制される。
【0038】
<変形例>
本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
前記実施形態では、弾性片51が、係止体40とこの係止体40と対向するスライド枠体20の周囲壁22内面との間に沿って延長され、基端側が係止体40の先端ロック爪43寄り位置に一体的に連結されているとともに、先端側がロック爪43より先端側において2箇所の連結部52を通じてスライド枠体20の周囲壁22内面に一体的に連結された構成であったが、これに限らず、図9あるいは図10に示す構成であってもよい。
【0039】
図9に示す構成では、弾性片51の基端側が係止体40の回動支点と先端側との略中間位置に連結され、弾性片51の先端側が、スライド枠体20の周囲壁22内面で係止体40の回動支点近傍位置に連結されている。
図10に示す構成では、弾性片51の基端側が、係止体40の回動支点寄り位置に連結され、弾性片51の先端側が、スライド枠体20の周囲壁22内面で係止体40の先端側寄り位置に連結されている。
これらによっても、前記実施形態と同様な効果が期待できる。
【0040】
前記実施形態では、スライド枠体20と係止体40とを、付勢手段50を構成する弾性片51を介して連結し、かつ、これらを一体成形したが、これらを別体として成形し、組み立てるようにしてもよい。
この場合、付勢手段50については、弾性片51でなくてもよく、例えば、板ばねやコイルばね、あるいは、ゴムなどの弾性体であってもよい。
【0041】
前記実施形態では、スライド枠体20に孔部28を設け、係止体40に孔部28に回動可能に嵌合する軸部42を設けたが、これとは逆であってもよい。つまり、スライド枠体20に軸部を設け、係止体40に孔部を設けるようにしてもよい。このようにすれば、スライド枠体20の外表面に孔が形成されないため、より生地が引っ掛かりにくい構成にできる。
また、係止体40は、スライド枠体20に対して回動自在な構成でなくてもよく、スライドなど変位可能な構成であればよい。
【0042】
前記実施形態では、レール2の両端側に取付部12を形成したが、一端側のみでもよい。同様に、スライダ3の取付部30についても、スライド枠体20の周囲壁24の外表面を取付部としてもよい。
また、取付部30の取付方法としては、前記実施形態で説明した逢着部に限らず、他の方法であってもよい。例えば、リベットなどでかしめて固定してもよく、あるいは、接着などで固定するようにしてもよい。
【0043】
前記実施形態では、レール2の片面側に設けた係止部13を、断面半円状の突条としたが、例えば、鋸歯状の係止部でもよく、あるいは、突起などではなく、レール2の幅方向に延びる直線状スリット溝をレール2の帯状方向(長手方向)に沿って一定ピッチ間隔で配列してもよい。また、係止部13の間隔は、一定ピッチ間隔でなくてもよく、不等間隔であってもよい。
【0044】
前記実施形態では、スライド枠体20の周囲壁23,25に解除子60を設けたが、必ずしも、両側に設けなくてもよい。つまり、片側1箇所のみ設けるようにしてもよい。
また、解除子60は、スライド枠体20に対して内外方向へ進退可能に設けられていたが、必ずしも、スライド枠体20に対して内外方向へ進退可能な構成でなくてもよく、例えば、スライド枠体20に対してレール2の帯状方向(長手方向)へスライド可能に設けられていてもよく、要は、移動できる構成であればよい。この場合、解除子60のスライド等の移動に伴って、係止体40が付勢手段50に抗してレール2の係止部13から離れる方向へ変位できるように構成すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、ズボンやスカートなどのウエストサイズの調節機構の他、衣類一般の長さ調節具として利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の長さ調節具をウエストサイズ調節機構に適用した例を示す側面図。
【図2】前記実施形態の平面図。
【図3】前記実施形態の長さ調節具の斜視図。
【図4】前記実施形態の長さ調節具の一部を破断した図。
【図5】図4のV−V線断面図。
【図6】図5のVI−VI線断面図。
【図7】図5において係止体が変位した状態を示す図。
【図8】図7のVIII−VIII線断面図。
【図9】本発明の変形例を示す断面図。
【図10】本発明の他の変形例を示す断面図。
【符号の説明】
【0047】
1…長さ調節具、2…レール、3…スライダ、11…帯状基体、12…取付部、13…係止部、20…スライド枠体、21…挿通孔、22〜25…周囲壁、26…解除子挿入孔、27…ガイド溝、28…孔部、30…取付部、40…係止体、41…ロック片、41A…テーパ面、42…軸部、43…ロック爪、50…付勢手段、51…弾性片、52…連結片、60…解除子、61…進退軸、62…押圧部、63…係合部、64…当接部、65…弾性変形部、66…弾性脚片、W1…内側ウエスト帯、W2…外側ウエスト帯。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013