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ファスナーエレメント及び隠しスライドファスナー - YKK株式会社
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発明の名称 ファスナーエレメント及び隠しスライドファスナー
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−151839(P2007−151839A)
公開日 平成19年6月21日(2007.6.21)
出願番号 特願2005−351434(P2005−351434)
出願日 平成17年12月6日(2005.12.6)
代理人 【識別番号】100091948
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 武男
発明者 小島 昌芳 / 氷見 直之
要約 課題
隠蔽性や噛合強度に優れ、引張り応力が働いても左右のファスナーテープ間に隙間が発生することを防止できる隠しスライドファスナー用のファスナーエレメントを提供する。

解決手段
ファスナーテープ(22)の側縁部装着溝(10)を有する略U字形断面を呈し、C字状基部(2)と、同C字状基部(2)の各先端から略平行して延設された平板状の第1及び第2テープ挟持部(3,4)と、前記第2テープ挟持部(4)のテープ挟持面(11)とは反対側の係合面(12)側に一体化した噛合部(5)とを備える隠しスライドファスナー用のファスナーエレメント(1)にあって、前記第1テープ挟持部(3)は、噛合方向の前後に膨出した膨出部(17)を有し、前記第1テープ挟持部(3)の先端面(15)は、前記第2テープ挟持部(4)の先端面(16)よりも幅広に形成されてなることを特徴とするファスナーエレメント。
特許請求の範囲
【請求項1】
ファスナーテープ(22)の側縁部装着溝(10)を有する略U字形断面を呈し、芯紐部(25)を抱持するC字状基部(2)と、同C字状基部(2)の各先端から略平行して延設された平板状の第1及び第2テープ挟持部(3,4)と、前記第2テープ挟持部(4)のテープ挟持面(11)とは反対側の係合面(12)側に一体化した噛合部(5)とを備える隠しスライドファスナー用のファスナーエレメント(1)にあって、
前記第1テープ挟持部(3)は、噛合方向の前後に膨出した膨出部(17)を有し、
前記第1テープ挟持部(3)の先端面(15)は、前記第2テープ挟持部(4)の先端面(16)よりも幅広に形成されてなる、
ことを特徴とするファスナーエレメント。
【請求項2】
ファスナーテープ(22)の側縁部装着溝(10)を有する略U字形断面を呈し、芯紐部(25)を抱持するC字状基部(2)と、同C字状基部(2)の各先端から略平行して延設された平板状の第1及び第2テープ挟持部(3,4)と、前記第2テープ挟持部(4)のテープ挟持面(11)とは反対側の係合面(12)側に一体化した噛合部(5)とを備える隠しスライドファスナー用のファスナーエレメント(1)にあって、
前記第2テープ挟持部(4)の前記係合面(12)が、前記噛合部(5)の噛合頭部(6)の上面(13)に対して、同係合面(12)の基部側から先端側に向けて上傾斜するテーパ面とされてなることを特徴とするファスナーエレメント。
【請求項3】
ファスナーテープ(22)の側縁部装着溝(10)を有する略U字形断面を呈し、芯紐部(25)を抱持するC字状基部(2)と、同C字状基部(2)の各先端から略平行して延設された平板状の第1及び第2テープ挟持部(3,4)と、前記第2テープ挟持部(4)のテープ挟持面(11)とは反対側の係合面(12)側に一体化した噛合部(5)とを備える隠しスライドファスナー用のファスナーエレメント(1)にあって、
前記第2テープ挟持部(4)の先端面(16)と前記噛合部(5)の噛合頭部(6)の上面(13)とを連結する補強部(9)が配されてなることを特徴とするファスナーエレメント。
【請求項4】
前記補強部(9)の上下方向の肉厚が、前記第2テープ挟持部(4)の先端面(16)から前記噛合頭部(6)の先端部に向けて漸減してなり、
前記ファスナーテープ(22)に取り付けた前記ファスナーエレメント(1)を噛合する際に、前記補強部(9)と前記ファスナーテープ(22)との干渉を避けてなる
ことを特徴とする請求項3記載のファスナーエレメント。
【請求項5】
前記補強部(9)の噛合方向の幅が、前記第2テープ挟持部(4)の先端面(16)から前記噛合頭部(6)の先端部に向けて漸減してなり、及び/又は、前記第2テープ挟持部(4)が、噛合方向前後の両縁部の先端肩口側に切欠き(28)を有してなり、
前記ファスナーテープ(22)に取り付けた前記ファスナーエレメント(1)を噛合する際に、前記補強部(9)と前記第2テープ挟持部(4)との干渉を避けてなる
ことを特徴とする請求項3又は4記載のファスナーエレメント。
【請求項6】
前記C字状基部(2)の上部から側部にかけて屈曲する第1屈曲部の第1外周面(18)と、側部から下部にかけて屈曲する第2屈曲部の第2外周面(19)とが曲面を成し、
前記第2外周面(19)は、前記第1外周面(18)よりも大きな曲率半径を有してなる
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のファスナーエレメント。
【請求項7】
一対のファスナーテープ(22)のエレメント取付縁部に沿って、請求項1〜6のいずれかに記載の複数の前記ファスナーエレメント(1)が所定間隔で列設され、前記ファスナーテープ(22)のエレメント取付縁部側を略U字状に折り返した状態で前記ファスナーエレメント(1)にスライダー(24)が挿通されてなることを特徴とする隠しスライドファスナー。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、一対のファスナーテープの一端縁に沿って取り付けたファスナーエレメント(以下、単にエレメントと略記することがある)を噛合させたときに、噛合したエレメントがテープ表面から見えなくなる隠しスライドファスナー用のファスナーエレメント、及び同エレメントをファスナーテープのエレメント取付縁部に列設した隠しスライドファスナーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の隠しスライドファスナーに使用されるファスナーエレメント(以下、単にエレメントと略記することがある)は、合成樹脂の射出成形や亜鉛合金等のダイキャスト等によって、ファスナーテープの一端縁に芯紐部を設けたエレメント取付縁部に沿って装着される。
【0003】
この隠しスライドファスナーに用いられるエレメントは、横断面が略U字形状を有しており、また、エレメントの噛合部がファスナーテープの内側を向くように装着される。また、エレメントが取り付けられたファスナーテープのエレメント取付縁部をU字状に折り返した状態でエレメント列にスライダーを挿通することにより、隠しスライドファスナーが構成される。
【0004】
しかし、このような隠しスライドファスナーにおいては、エレメントが噛合状態のときにファスナーテープの両側からテープ幅方向に引張り応力が加加わると、左右のファスナーテープ間に隙間が生じてテープ表面側から噛合状態のエレメントが見えてしまい、隠蔽性が確保できないといった問題があった。また、隠しスライドファスナーの開閉時には、スライダーの摺動が重く、操作を円滑に行い難いという不具合もあった。
【0005】
そこで、上記のような問題を解消するために、例えば実公昭52−10483号公報(特許文献1)には、断面U字状のエレメントにおけるテープ固定部の一端に噛合部を設け、同噛合部の上部と下部との形状を対称的に異ならしめ、上下の境界に左右対称の係合面を形成し、また前記テープ固定部の他端に突出部を表面に向けて突設させた隠しスライドファスナー用エレメントが開示されている。
【0006】
この特許文献1に記載されているエレメントを取り付けた隠しスライドファスナーは、スライダーを摺動して左右のエレメントを噛合したときに、エレメントの上下動が前記係合面によって防止されるため、偏位のない安定した噛合状態が得られる。このため、テープ幅方向に張力が働いても、エレメントの回動を防いで左右のファスナーテープ間に隙間が生じることを防止することが可能となる。
【0007】
また、特許文献1によれば、テープ固定部の他端に突出部を設けたことにより、エレメントの固定部とファスナーテープとの間に間隙が生じ、スライダーの摺動が軽快に行えるとともに、テープの損傷を未然に防ぐことができるとしている。
【0008】
また、実用新案登録第2598345号公報(特許文献2)には、以下のような隠しスライドファスナー用エレメントが開示されている。即ち、この特許文献2に記載されているエレメントは、テープ装着溝を形成した横断面略U字形のエレメントにおいて、一端側の噛合部は上段と下段との形状を異ならしめ、その境界には係合面を形成し、上段の先端には垂直な壁面を形成し、かつ、下段の厚みをエレメント主体の半分にしている。また、テープ装着溝を斜状に形成し、そのテープ装着溝の一部に、エレメントの一端側と他端側とを連結する連結部を架設している。更に、エレメントの他端側先端には、スライダーの摺動性を良くするために、スライダーガイド片を突設している。
【0009】
前記特許文献2によれば、このようなエレメントを隠しスライドファスナーに用いることにより、左右のエレメントを確実に噛合し、かつ上下方向の変動も充分に規制することができる効果があるとしている。また、ファスナーチェンを長手方向においてファスナーテープ側に折曲させるときは、従来品のように硬直することがなく、きわめて容易に折曲操作が行える利点があるとしている。
【0010】
更に、特許文献2においては、テープ装着溝を斜状に形成し、その一部に前記連結部を架設したので、スライドファスナーの横引き強度や噛合強度を高めることができ、その上、エレメントの他端部を薄く形成することが可能となり、エレメント自体を薄く体裁のよいものに仕上げることができるとしている。
【特許文献1】実公昭52−10483号公報
【特許文献2】実用新案登録第2598345号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
近年、隠しスライドファスナーは、エレメントを見えなくするという隠蔽性を有することにより製品のデザイン性を妨げないという利点を生かして、各種衣類や自動車の座席シート用シートカバー等の様々な製品にその用途が広がってきている。このため、隠しスライドファスナーには、様々な環境や条件で使用されても、隠蔽性や噛合強度を確保できるようなより高い性能が要求されている。
【0012】
具体的には、例えば隠しスライドファスナーが自動車のシートカバーに適用する場合等では、シートカバーがクッション体の外形寸法より小さく形成されているため、噛合するとき又は噛合状態にある隠しスライドファスナーに対して、ファスナーストリンガーを両側から引っ張る強い引張り応力が加わる。しかし、記特許文献1及び2等の従来のエレメントが取り付けられた隠しスライドファスナーは、上記のような強い引張り応力を受けてしまうと、左右のファスナーテープ間に隙間が生じたり、またエレメントの噛合が外れるといった不具合が生じ易かった。
【0013】
また、このような従来の隠しスライドファスナーは、ねじり力や突き押し力等にも弱く、例えば衣類等に縫着された隠しスライドファスナーがねじり力や突き押し力を受けた場合、エレメントの噛合部に変形や破損が生じ易く、長期の使用に耐えられないといった問題があった。
【0014】
更に、前記特許文献1のエレメントは、噛合部が上部、下部ともに先端まで形成されており、左右のエレメントを噛合させると、一方のエレメントにおける噛合部の上部及び下部の側端が、隣接する噛合部の上部及び下部の側端にそれぞれ密接してしまうため、ファスナーチェーンを折り曲げる際にファスナーチェーンは硬直性を帯びて、柔軟性を欠いてしまうため、折曲操作が円滑に行えないという不具合もあった。
【0015】
一方、前記特許文献2のエレメントは、前述のように折曲操作が容易に行えるものの、エレメントの基部(主体)から、太さが狭められた首部を介して噛合頭部が突設されているため、噛合頭部や首部に変形や破損が生じ易いといった不具合があった。
【0016】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであって、本発明の具体的な目的は、隠蔽性や噛合強度に優れ、引張り応力を受けても左右のファスナーテープ間に隙間が発生することを防ぎ、また、ねじり力や突き押し力等を受けても変形や破損が生じることを防止できる隠しスライドファスナー用のファスナーエレメント、及び同ファスナーエレメントを取り付けた隠しスライドファスナーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するために、本発明により提供されるファスナーエレメントは、基本的な構成として、ファスナーテープの側縁部装着溝を有する略U字形断面を呈し、芯紐部を抱持するC字状基部と、同C字状基部の各先端から略平行して延設された平板状の第1及び第2テープ挟持部と、前記第2テープ挟持部のテープ挟持面とは反対側の係合面側に一体化した噛合部とを備える隠しスライドファスナー用のファスナーエレメントにあって、前記第1テープ挟持部は、噛合方向の前後に膨出した膨出部を有し、前記第1テープ挟持部の先端面は、前記第2テープ挟持部の先端面よりも幅広に形成されてなることを最も主要な特徴とするものである。
【0018】
また、上記目的を達成するために、本発明により提供される別のファスナーエレメントは、基本的な構成として、ファスナーテープの側縁部装着溝を有する略U字形断面を呈し、芯紐部を抱持するC字状基部と、同C字状基部の各先端から略平行して延設された平板状の第1及び第2テープ挟持部と、前記第2テープ挟持部のテープ挟持面とは反対側の係合面側に一体化した噛合部とを備える隠しスライドファスナー用のファスナーエレメントにあって、前記第2テープ挟持部の前記係合面が、前記噛合部の噛合頭部の上面に対して、同係合面の基部側から先端側に向けて上傾斜するテーパ面とされてなることを最も主要な特徴とするものである。
【0019】
更に、上記目的を達成するために、本発明により更に提供される更に別のファスナーエレメントは、基本的な構成として、ファスナーテープの側縁部装着溝を有する略U字形断面を呈し、芯紐部を抱持するC字状基部と、同C字状基部の各先端から略平行して延設された平板状の第1及び第2テープ挟持部と、前記第2テープ挟持部のテープ挟持面とは反対側の係合面側に一体化した噛合部とを備える隠しスライドファスナー用のファスナーエレメントにあって、前記第2テープ挟持部の先端面と前記噛合部の噛合頭部の上面とを連結する補強部が配されていることが好ましい。
【0020】
この場合、前記補強部の上下方向の肉厚が、前記第2テープ挟持部の先端面から前記噛合頭部の先端部に向けて漸減しており、前記ファスナーテープに取り付けた前記ファスナーエレメントを噛合する際に、前記補強部と前記ファスナーテープとの干渉を避けることが好ましい。
【0021】
更に、前記補強部の噛合方向の幅が、前記第2テープ挟持部の先端面から前記噛合頭部の先端部に向けて漸減しており、及び/又は、前記第2テープ挟持部が、噛合方向前後の両縁部の先端肩口側に切欠きを有しており、前記ファスナーテープに取り付けた前記ファスナーエレメントを噛合する際に、前記補強部と前記第2テープ挟持部との干渉を避けることが好ましい。
【0022】
また、本発明では、前記C字状基部の上部から側部にかけて屈曲する第1屈曲部の第1外周面と、側部から下部にかけて屈曲する第2屈曲部の第2外周面とが曲面を成し、前記第2外周面は、前記第1外周面よりも大きな曲率半径を有していることが好ましい。
【0023】
そして、本発明により提供される隠しスライドファスナーは、一対のファスナーテープのエレメント取付縁部に沿って、複数の前記ファスナーエレメントが所定間隔で列設され、前記ファスナーテープのエレメント取付縁部を略U字状に折り返した状態で前記ファスナーエレメントにスライダーが挿通されていることに特徴を有している。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る略U字形断面を呈するファスナーエレメントは、C字状基部の各先端から平板状の第1及び第2テープ挟持部が略平行して延設されており、第1テープ挟持部が噛合方向の前後に膨出した膨出部を有し、また、第1テープ挟持部の先端面が第2テープ挟持部の先端面よりも幅広に形成されている。これにより、このファスナーエレメントを用いて作製された隠しスライドファスナーにおいて左右のエレメントを噛合した際に、第1テープ挟持部の先端面が従来のものよりも広く形成されているため、左右のエレメント間でファスナーテープを押し付ける面積が増大し、左右のエレメントでファスナーテープを両側から安定して押し付けることができる。従って、隠しスライドファスナーが引張り応力を受けても、ファスナーテープ間に隙間が発生することを効果的に防止でき、隠しスライドファスナーの隠蔽性を大幅に高めることができる。
【0025】
また、第1テープ挟持部が膨出部を有して幅広に形成されていることにより、例えば、本発明のエレメントを用いて作製された隠しスライドファスナーにねじり力や突き押し力等が働いた際に、第2テープ挟持部に荷重がかかっても、幅広の第1テープ挟持部でその荷重を受けて第2テープ挟持部を支えることができる。このため、第2テープ挟持部に変形や破損が生じることを防ぐことができ、長期の使用に耐え得る良質の隠しスライドファスナーとなる。
【0026】
なお、本発明において、噛合方向とは、エレメントをファスナーテープに装着したときに長手方向となる方向である。また、エレメントの上下方向とは、左右のエレメントを噛合した際におけるエレメントの表裏面方向をいう(図1を参照)。
【0027】
また、本発明に係る別の形態のファスナーエレメントは、C字状基部の各先端から平板状の第1及び第2テープ挟持部が略平行して延設されており、第2テープ挟持部の係合面が、噛合頭部上面に対して、係合面の基部側から先端側に向けて上傾斜するテーパ面とされている。
【0028】
これにより、スライダーを摺動して左右のエレメントを噛合するときには、このエレメントの傾斜した係合面で相手方のエレメントの噛合頭部を滑動させて、同噛合頭部を下方に押し下げながら適切に案内することができ、その結果、ファスナーテープ同士が密着する方向へ付勢する力を働かせることができる。従って、エレメントを噛合する際に左右のファスナーテープが引張り応力を受けても、上記作用により、ファスナーテープを安定して密着させることができるため、テープ間に隙間が発生することを防止して、隠しスライドファスナーの隠蔽性を大幅に高めることができる。また、隠しスライドファスナーを閉める際には、スライダーを軽快に摺動させることが可能となり、摺動性の向上が図れる。
【0029】
更に、本発明に係る更に別の形態のファスナーエレメントは、第2テープ挟持部の先端面と噛合部の噛合頭部上面とを連結する補強部が配されている。例えば、第2テープ挟持部の先端面と噛合頭部上面とが直角に交わり、更に噛合頭部がC字状基部から肩部及び括れた首部を介して設けられている場合、強いねじり力や突き押し力等を受けた際に噛合部に変形や破損が生じる恐れがあるが、本発明のように前記補強部を設けることにより、噛合部の強度を十分に確保して噛合部の変形や破損を防ぐことができる。これにより、エレメントを噛合した際に、強いねじり力や突き押し力等を受けても、ファスナーテープの密着状態を安定して維持することができるため、テープ間に隙間が発生することを防止し、隠しスライドファスナーの隠蔽性を大幅に高めることができる。更に、隠しスライドファスナーの安定した使用も長期に渡って可能となる。
【0030】
また、前記補強部を設けた場合、補強部の上下方向の肉厚を、第2テープ挟持部の先端面から噛合頭部の先端部に向けて漸減させる。これにより、ファスナーテープに取り付けたエレメントを噛合したときに、補強部が相手方のエレメント側のファスナーテープに接触することを防ぐ、又は、補強部が接触してもファスナーテープに過度に食い込むことを確実に防ぐことができ、補強部とファスナーテープとが干渉し合うことを避けることが可能となる。
【0031】
またこの場合、補強部の噛合方向の幅を、第2テープ挟持部の先端面から噛合頭部の先端部に向けて漸減させたり、また、第2テープ挟持部における噛合方向前後の両縁部の先端肩口側に切欠きを設ける。例えば、エレメントの噛合頭部を噛合する際に、エレメントの噛合頭部上面と、相手方のエレメントにおける第2テープ挟持部の係合面とが対面することになるが、上記のように補強部の幅を漸減させたり、また第2テープ挟持部の先端肩口側に切欠きを設けることにより、エレメントの噛合頭部上面に設けた補強部が、相手方の第2テープ挟持部の係合面と接触することを防いで、補強部と第2テープ挟持部とが干渉し合うことを避けることが可能となる。これにより、エレメントの噛合時に、エレメントの噛合頭部上面と、相手方のエレメントの係合面とが対面する状態を安定して確保でき、優れた噛合強度を得ることができる。
【0032】
更に、本発明のエレメントは、C字状基部の上部から側部にかけて屈曲する第1屈曲部の第1外周面と、側部から下部にかけて屈曲する第2屈曲部の第2外周面とがR形状に形成された曲面を成している。このため、スライダーを摺動させて隠しスライドファスナーを開閉させる際に、エレメントとスライダーとの干渉を抑えて、スライダーの摺動性を一層向上させることができる。更には、エレメントをスライダーの内部に挿通させた際に、エレメントの姿勢を噛合に適した姿勢となるように、スライダー内部でエレメントを回動させることが可能となり、左右のエレメントをより確実に噛合させることができる。特に、本発明においては、第2外周面が第1外周面よりも大きな曲率半径を有している。これにより、エレメントをスライダー内部で適正な姿勢に回動させる際に、エレメントの回動を非常に円滑に行うことができ、エレメントの姿勢を効率良く適切な姿勢に傾倒させることができる。
【0033】
次に、本発明に係る隠しスライドファスナーは、前述のような特徴を有するエレメントがファスナーテープのエレメント取付縁部に装着されているので、隠蔽性や噛合強度に優れ、引張り応力が働いても左右のファスナーテープ間に隙間が発生することを防ぎ、またねじり力や突き押し力等が働いても噛合部に変形や破損が生じることも防止できる。更に、本発明の隠しスライドファスナーは、スライダーの摺動性も良好な隠しスライドファスナーとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、実施例を挙げて図面を参照しながら詳細に説明する。ここで、図1は、本実施例に係るファスナーエレメントの全体を示す斜視図であり、図2は、同ファスナーエレメントの正面図である。また、図3(a)は、同ファスナーエレメントが噛合した状態を示す正面図であり、ファスナーエレメントを噛合した際における相手方のファスナーエレメントの位置を仮想線で示している。
【実施例】
【0035】
図1に示したファスナーエレメント1は、ファスナーテープ22のテープ側縁部装着溝10が形成された略U字形状の横断面を呈しており、ファスナーテープ22の芯紐部25を抱持するC字状基部2と、C字状基部2の各先端から略平行して延設された平板状の第1テープ挟持部3及び第2テープ挟持部4と、第2テープ挟持部4のテープ挟持面11とは反対側の係合面12側に一体化した噛合部5とを備えている。また、第2テープ挟持部4の先端は、第1テープ挟持部3の先端よりも僅かに前方に突出するように構成されている。
【0036】
本実施例のファスナーエレメント1には、C字状基部2の上下方向の略中心部に芯紐部25を抱持する円形抱持溝14が設けられており、この円形抱持溝14から斜め上方に向けてテープ側縁部装着溝10が形成されている。なお、本実施例では図示されていないが、テープ側縁部装着溝10の略中央に、例えば前記特許文献2に記載されているような、第1テープ挟持部3と第2テープ挟持部4とを連結する連結部を架設することも可能である。このような連結部を設けることにより、ファスナーエレメント1をファスナーテープ22の所定箇所に強固に固着させることが可能となる。
【0037】
第2テープ挟持部4の係合面12側に一体化した噛合部5は、長円形状を呈する噛合頭部6と、括れた首部7と、C字状基部2と連設する肩部8とを有している。この場合、係合面12は、首部7及び肩部8の左右両側で肩部8から噛合頭部6に向けて延出しており、第2テープ挟持部4の左右両縁部(即ち、噛合方向前後の両縁部)が首部7及び肩部8に対してひさし状に張り出している。このため、噛合頭部6は、対向する相手方のエレメント1と噛合した際に、その側面部が相手方のエレメント1の噛合部5に噛合し、噛合頭部6の上面13と相手方のエレメント1の係合面12とが対向した状態となる。
【0038】
第1テープ挟持部3は、噛合方向の前後に膨出した膨出部17を有しており、第2テープ挟持部4よりも幅広に形成されている。この膨出部17は、第1テープ挟持部3の先端まで形成されていれば良く、その形状や寸法は特に限定されず、例えば図1に示すように略台形状に形成することも、また例えば略三角形状に形成することもできる。また、膨出部17が第1テープ挟持部3の先端まで形成されていることにより、第1テープ挟持部3の先端面15は、第2テープ挟持部4の先端面16よりも噛合方向に広く形成されている。
【0039】
この場合、図2に示したように、C字状基部2の噛合方向の長さ(幅)W1は、膨出部17を有する第1テープ挟持部3の噛合方向の長さ(幅)W2よりも短く構成されている(即ち、W1<W2)。このようにC字状基部2の幅W1を、前記幅W2よりも短くすることにより、隠しスライドファスナー21を構成したときに、例えば図9に示したように、隣り合うエレメント1のC字状基部2間に所定の間隙(ピッチ)を確保することができる。これにより、C字状基部2間の間隙にファスナーテープ22の芯紐部25が露呈するため、スライドファスナーチェーンが剛直になることを防いで湾曲しやすくなり、例えばスライドファスナーチェーンの折曲操作等を容易に行うことが可能となる。なお、C字状基部2の幅W1、及び膨出部17を有する第1テープ挟持部3の幅W2の寸法は、エレメント1自体の大きさ等に応じて任意に設定することができるが、例えば前記幅W1は2.5〜2.8mmであり、前記幅W2は3.0〜3.3mmであることが好ましい。
【0040】
本実施例のファスナーエレメント1において、第2テープ挟持部4の先端面16と直角に交わる噛合頭部6の上面13には、噛合頭部上面13と先端面16とを連結するように三角錐状の補強部9が配されている。本実施例のエレメント1では、前述のように噛合頭部6が細い首部7を介して設けられおり、また噛合頭部上面13と先端面16とが直角に交わっているため、噛合部5の強度が懸念されるが、前記補強部9を設けたことにより、噛合部4の強度を十分に確保することができ、例えば噛合状態にあるエレメント1に強いねじり力や突き押し力等が加えられた場合でも、噛合部5の変形や破損を防止することができる。
【0041】
また、前記補強部9は、第2テープ挟持部4の先端面16から噛合頭部6の先端部に向けて、上下方向の肉厚と噛合方向の幅とが共に漸減した三角錐状に形成されている。即ち、補強部9の上下方向の肉厚を噛合頭部6の先端部に向けて漸減させたことにより、例えばファスナーテープ22に取り付けた左右のエレメント1を噛合わせた際に、例えば図8に示したように、補強部9が相手方のエレメント1を取り付けたファスナーテープ22と接触することを防ぐ、又は、例え接触してもファスナーテープ22に補強部9が過度に食い込むことを確実に防ぐことができ、補強部9とファスナーテープ22との干渉を避けることができる。
【0042】
更に、補強部9の噛合方向の幅を噛合頭部6の先端部に向けて漸減させたことにより、例えば図3(a)に示したように、補強部9が、相手方のエレメント1における第2テープ挟持部4と接触することを防ぎ、噛合時に一方のエレメント1の補強部9と他方のエレメント1の第2テープ挟持部とが互いに干渉し合うことを避けることができる。これにより、エレメント1の噛合頭部上面13と、相手方のエレメント1の係合面12とが対向する状態を安定して確保することができる。
【0043】
なお、噛合部5の強度をより高めるために例えば補強部9の寸法を大きくした場合では、補強部9の噛合方向の幅を噛合頭部6の先端部に向けて漸減させただけでは、補強部9と第2テープ挟持部との干渉を回避し得ない場合が考えられる。この場合、例えば図3(b)に示したように、第2テープ挟持部4のひさし状の両縁部の先端肩口側に、相手方のエレメント1の補強部9´の形状に合わせた切欠き28を設けておく。これにより、補強部9´の寸法を大きくしたとしても、一方のエレメント1の補強部9´と他方のエレメント1の第2テープ挟持部4との干渉を確実に避けることができる。
【0044】
また、本発明において、補強部9の形状は図1に示したような三角錐状に限定されるものではなく、例えば、円錐状や図4(a)に示したように矩形の底面を有する柱状体の形状で構成することも可能である。
【0045】
例えば図4(a)に示したように、補強部9″の形状が柱状体である場合、前記と同様に、補強部9″の上下方向の肉厚を噛合頭部6の先端部に向けて漸減させる。これにより、同補強部9″と相手方のファスナーテープ22との接触を防いで補強部9″とファスナーテープ22とが干渉し合うことを避けることができる。またこの場合、例えば、補強部9″の幅がエレメントの噛合時に相手方のエレメント1の第2テープ挟持部4と干渉しない程度の大きさであれば、安定した噛合状態を得ることができる。しかし、図4(b)に示したように、補強部9″の幅をある程度以上に大きくした場合、一方のエレメント1の補強部9″と他方のエレメント1の第2テープ挟持部4とが互いに干渉し合うことを避けるために、第2テープ挟持部4のひさし状の両縁部の先端肩口側に、補強部9″の形状に合わせた切欠き28´を設けることが必要である。
【0046】
更に、本実施例では、ひさし状の第2テープ挟持部4の下面となる係合面12が、噛合頭部6の上面13に対して、係合面12の先端側が基部側よりも上方となるように傾斜している。即ち、係合面12は、基部側から先端側に向けて上傾斜するテーパ面で形成されている。本発明において、この係合面12は3°〜7°の傾斜角度で傾斜させることが好ましく、これにより、以下で詳述するように、エレメント1を噛合させる際に、ファスナーテープ22同士が密着する方向へ付勢する力を有効に働かせることができ、隠しスライドファスナー21の隠蔽性を効果的に高めることができる。
【0047】
また、本実施例のファスナーエレメント1は、C字状基部2における上部から側部にかけて屈曲する第1屈曲部の第1外周面18、及び、側部から下部にかけて屈曲する第2屈曲部の第2外周面19が、それぞれR形状の曲面を成しており、更に、第2外周面19の曲率半径が、第1外周面18の曲率半径よりも大きくなるように形成されている。具体的には、第1外周面18の曲率半径は、R0.5mm以上R1.5mm以下であり、また、第2外周面19の曲率半径は、R1.0mm以上R2.0mm以下で第1外周面18よりも大きな値であることが好ましい。
【0048】
そして、上述のようなファスナーエレメント1を、一対のファスナーテープ22の各エレメント取付縁部に所定間隔で列設してファスナーストリンガー23を形成した後、ファスナーテープ22のエレメント取付縁部側を略U字状に折り返した状態でファスナーエレメント1のエレメント列にスライダー24を挿通させることにより、図5〜10に示すような隠しスライドファスナー21を得ることができる。ここで、図5は、本実施例に係る隠しスライドファスナー21をテープ表面側から見た正面図であり、図6は、同隠しスライドファスナー21をテープ裏面側から見た背面図である。
【0049】
ファスナーエレメント1のファスナーテープ22への取り付けに関しては、従来一般的に用いられている手段によって行うことができ、例えば、ファスナーテープ22のエレメント取付縁部に合成樹脂を射出成形することによって、所定形状を有する合成樹脂製のエレメント1をファスナーテープ22に装着することができる。この場合、エレメント1の材質となる合成樹脂として、例えばポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン等を用いることができる。またその他に、銅合金、ニッケル合金、アルミ等のダイキャストを行うことによっても、金属製のエレメント1をファスナーテープ22に装着することも可能である。
【0050】
このような前記ファスナーエレメント1を用いて得られた隠しスライドファスナー21は、図7に示すように、エレメント1の円形抱持溝14でファスナーテープ22の芯紐部25を抱持するとともに、エレメント1の第1テープ挟持部3と第2テープ挟持部4とでファスナーテープ22のエレメント取付縁部を挟持している。
【0051】
また、ファスナーテープ22は、第1テープ挟持部3の先端で略U字状に折り返されており、スライダー24を摺動させて左右のファスナーテープ22に取り付けたエレメント1同士を噛合させることにより、図8に示すように、ファスナーテープ22の略U字状に折り返された折返端面26同士を密着させる。これにより、隠しスライドファスナー21は、噛合状態のエレメント1をファスナーテープ22の表面側から見えなくすることができる。
【0052】
このとき、エレメント1の第2テープ挟持部4の係合面12は、前述のように噛合頭部13の上面13に対してテーパ状に傾斜している。このため、例えば図11に示したように、左右のエレメント1の噛合部5同士を噛合させる際に、一方のエレメント1の噛合頭部6は、相手方の係合面12によって、下方へ押し下げられるように案内されながら、噛合位置まで滑動する。
【0053】
これにより、エレメント1の噛合時には、ファスナーテープ22同士が密着する方向へ付勢する力を働かせることができる。このため、エレメント1を噛合する際に左右のファスナーテープ22が引張り応力を受けても、前記密着方向に働く力によって左右のエレメント1が上方に開いた状態になることを抑止して、左右のファスナーテープ22を折返端面26で安定して密着させることができる。従って、テープ22間に隙間が発生することを防止でき、隠しスライドファスナー21の隠蔽性を高めることができる。
【0054】
また、前記係合面12がテーパ面であることにより、左右のエレメント1の噛合頭部6が係合面12上を滑動し、噛合部5同士を円滑にかつ確実に噛合させることができるため、スライダー24の摺動も軽快となり、摺動性の向上を図ることができる。
【0055】
更に、本実施例の隠しスライドファスナー21は、エレメント1の第1テープ挟持部3が膨出部17を有し、その先端面15が第2テープ挟持部4の先端面16よりも幅広に形成されている。これにより、図9に示したように左右のエレメント1が噛合したときに、第1テープ挟持部3の先端面15がファスナーテープ22を左右から押し付ける面積を従来のものよりも増大させることができ、左右のエレメント1間でファスナーテープ22を両側から安定して押し付けることができる。このため、隠しスライドファスナー21が引張り応力を受けても、左右のファスナーテープ22間に隙間が発生することを効果的に防止でき、隠しスライドファスナー21の優れた隠蔽性を確保することができる。
【0056】
また、左右のエレメント1が噛合状態であるときには、図10に示すように一方のエレメント1の噛合頭部6と、他方のエレメント1の係合面12とが対面する。この状態で、例えば隠しスライドファスナー21がねじり力や付き押し力を受けた場合、第2テープ挟持部4が相手方の噛合頭部6によって係合面12側から押圧される。従来の隠しスライドファスナーの場合においては、エレメントが噛合しているときにこのようなねじり力や付き押し力が加えられると、噛合頭部と接触するエレメントの部分に大きな力がかかるため、エレメントに変形や破損が生じ易いといった問題があった。
【0057】
しかし、本実施例の隠しスライドファスナー21は、膨出部17を有する幅広の第1テープ挟持部3が、ファスナーテープ22を挟んで第2テープ挟持部4と対向しており、更に、噛合方向における各エレメント1間の間隔も膨出部17の存在により狭められている。このため、隠しスライドファスナー21にねじり力や付き押し力が加えられて第2テープ挟持部4が負荷を受けても、幅広に形成された第1テープ挟持部3がテープ22を介して第2テープ挟持部4を支えることができ、第2テープ挟持部4に変形や破損が生じるのを防ぐことができる。
【0058】
更に、本実施例の隠しスライドファスナー21は、第2テープ挟持部4の先端面16と直角に交わる噛合頭部6の上面13とを連結するように補強部9が配されている。これにより、噛合部の強度を十分に確保して噛合部の変形や破損を防ぐことができるため、噛合状態のエレメントが強いねじり力や突き押し力等を受けても、左右のエレメント間で密着しているファスナーテープ22の密着状態を安定して維持し、隠しスライドファスナーの隠蔽性を大幅に高めることができる。
【0059】
以上のように、本実施例における隠しスライドファスナー21は、第2テープ挟持部4の係合面12をテーパ面とすることにより隠蔽性を向上させる作用と、膨出部17で第1テープ挟持部3の先端面15を幅広に形成することにより隠蔽性を向上させる作用と、補強部9により隠蔽性を向上させる作用との3つの作用により、例えば引張り応力を受けやすい自動車のシートカバーに取り付けられても、優れた隠蔽性を確保することができる。
【0060】
なお、本実施例では、上記のように係合面12の傾斜、膨出部17の形成、補強部9の形成によって隠蔽性の向上を図っているが、本発明はこれに限定されず、何れか一つの構成のみを具備する場合であっても、隠しスライドファスナーの隠蔽性を大きく向上させることができる。
【0061】
また、前記隠しスライドファスナー21は、第1テープ挟持部3に膨出部17が形成されていることにより、ねじり力や突き押し力等を受けても噛合部5の変形や破損を防くことができる。その上、噛合頭部上面13に補強部9が設けられていることにより、噛合部5の強度を高めている。従って、本実施例の隠しスライドファスナー21は、長期の使用にも耐え得る良質の隠しスライドファスナーとなる。
【0062】
更に、この隠しスライドファスナー21は、エレメント1の前記第1外周面18及び第2外周面19がR形状の曲面であることから、スライダー24を摺動させたときに、エレメント1とスライダー24との干渉を抑えて良好な摺動特性を得ることができ、更には、以下のような効果も得ることができる。
【0063】
例えば、スライダー24を摺動させて左右のエレメント1を噛合させる際に、左右のファスナーテープ22に外側に向けての引張り応力が作用している場合、図12に仮想線で示すように、エレメント1がスライダー24のエレメント通路27に対して傾いた姿勢で進入することがある。
【0064】
この場合、エレメント1がスライダー24のエレメント通路27を通過する際に、エレメント1の第2外周面19がスライダー24の下板29に接し、また第1外周面18がスライダー24の逆L字状のフランジ30に接してスライダー24の後口側に向けて滑動する。その際に、スライダー24のエレメント通路27内の形状によっては、第2外周面19をスライダー24の下板29に接触させ、また第1外周面18をスライダー24のフランジ30に接触させることで、エレメント通路27内でエレメント1を回動させ、エレメント1の姿勢を図12の実線で示すような噛合に適した姿勢に傾倒させることができる。
【0065】
即ち、本実施例の隠しスライドファスナー21であれば、例えエレメント1がスライダー24のエレメント通路27に対して傾いて噛合に不適当な姿勢で進入するような状況にあっても、エレメント通路27内でエレメント1の姿勢を傾倒させることにより左右のエレメント1を確実に噛合させて、安定した噛合状態を確保することができるといった利点も得ることが可能となる。
【0066】
特に、本実施例では、エレメント1の第2外周面19が、前述のように第1外周面18よりも大きな曲率半径を有している。即ち、エレメント1を、上述のようにスライダー24内で回動させて噛合に適切な姿勢に傾倒させる場合、第2外周面19の方が、第1外周面18よりもスライダーと接触する範囲が広くなる。このため、第2外周面19が第1外周面18よりも大きな曲率半径を有していることにより、エレメント1のエレメント通路27内での回動を円滑に行い、エレメント1を効率的に、また安定して傾倒させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明のファスナーエレメントは、自動車のシートカバーや衣類などに取り付けられ、隠蔽性や噛合強度が求められる隠しスライドファスナー用のファスナーエレメントとして有効に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明に係るファスナーエレメントを示す斜視図である。
【図2】本発明に係るファスナーエレメントの正面図である。
【図3】(a)は、本発明に係るファスナーエレメントが噛合した状態を示す正面図であり、(b)は、本発明の別の形態に係るファスナーエレメントが噛合した状態を示す正面図である。
【図4】(a)は、本発明の更に別の形態に係るファスナーエレメントを示す斜視図であり、(b)は、同ファスナーエレメントが噛合した状態を示す正面図である。
【図5】本発明の隠しスライドファスナーをテープ表面側から見た正面図である。
【図6】同隠しスライドファスナーをテープ裏面側から見た背面図である。
【図7】図6に示したVII−VII断面図である。
【図8】図6に示したVIII−VIII断面図である。
【図9】図8に示したIX−IX断面図である。
【図10】図9に示したX−X断面図である。
【図11】ファスナーエレメント同士が噛合する際の噛合頭部の滑動を説明する説明図である。
【図12】ファスナーエレメントがスライダーのエレメント通路内へ導かれるときのファスナーエレメントの姿勢変化を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0069】
1 ファスナーエレメント
2 C字状基部
3 第1テープ挟持部
4 第2テープ挟持部
5 噛合部
6 噛合頭部
7 首部
8 肩部
9,9´,9″ 補強部
10 テープ側縁部装着溝
11 テープ挟持面
12 係合面
13 噛合頭部上面
14 円形抱持溝
15 第1テープ挟持部の先端面
16 第2テープ挟持部の先端面
17 膨出部
18 第1外周面
19 第2外周面
21 隠しスライドファスナー
22 ファスナーテープ
23 ファスナーストリンガー
24 スライダー
25 芯紐部
26 折返端面
27 エレメント通路
28,28´ 切欠き
29 下板
30 フランジ





 

 


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