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発明の名称 スライドファスナーの防水用上止
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−89898(P2007−89898A)
公開日 平成19年4月12日(2007.4.12)
出願番号 特願2005−284939(P2005−284939)
出願日 平成17年9月29日(2005.9.29)
代理人 【識別番号】100070529
【弁理士】
【氏名又は名称】縣 一郎
発明者 草山 昌洋 / 冨永 豊 / 田中 亮
要約 課題
水密性、気密性を簡単な構造で高めることができるスライドファスナーの防水用上止を提供する。

解決手段
一対の防水性を備えたファスナーテープ5の対向側縁にファスナーエレメントを取り付け、これに連接する形で弾性を備えた上止1を取り付け、上止1は中央に案内柱21を収容できる収容部10を設け、この周囲に表裏方向へ突出し翼板20の内面に圧接する突条12を設け、上止1の入口に通路部14を設け、この通路部14に対応して上止1の挿入脚部13の外側縁に押圧部15を設け、押圧部15の外側は隣接するファスナーエレメント7の脚部29の接触面31より外側へ突出し、スライダー2のフランジ22によって押圧部15を押圧し、同時に通路部14を圧接して水密、気密機能を果す。
特許請求の範囲
【請求項1】
一対のファスナーテープ5の対向側縁に沿って設けたファスナーエレメント7に連接して固定し、それぞれのファスナーテープ5を連結する弾性を備えた上止1において、上止1は中央に挿入脚部13によって囲まれ、スライダー2の案内柱21を収容できる収容部10を設け、収容部10の内周縁部11に沿ってスライダー2の上下の翼板20と接触する突条12を突設し、挿入脚部13の端部に案内柱21が挿通可能な通路部14を設け、上止1の両外側に隣接するファスナーエレメント7における脚部29の接触面31より突出する押圧部15を設け、通路部14を密接可能に形成してなることを特徴とするスライドファスナーの防水用上止。
【請求項2】
押圧部15は、少なくとも通路部14に対応する挿入脚部13の外側縁に設置してなる請求項1記載のスライドファスナーの防水用上止。
【請求項3】
挿入脚部13の入口側の外側縁に押圧部15を設け、押圧部15から内側の外側縁はスライダー2のフランジ22間の間隔よりも狭く形成し、フランジ22と接触しない形に形成してなる請求項1記載のスライドファスナーの防水用上止。
【請求項4】
押圧部15は挿入脚部13より上下方向へ突出する形に形成してなる請求項1記載のスライドファスナーの防水用上止。
【請求項5】
押圧部15は挿入脚部13より外側方向へ突出する形に形成してなる請求項1記載のスライドファスナーの防水用上止。
【請求項6】
挿入脚部13は上下方向へ突出する突条12と押圧部15との間を凹状に形成してなる請求項4記載のスライドファスナーの防水用上止。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、ウェットスーツをはじめ、防水ズボン、水中作業用の防水靴などの開閉口に用いるスライドファスナーにおける防水用上止に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のスライドファスナーにおける防水用上止は、図9に示すように、中央にスライダーにおける案内柱を収容することができる収納孔を設け、この収納孔へ通ずる案内柱を挿通することができ、かつ密接することができる通路部を設け、収納孔と通路部とを包囲することができる形の肉厚の厚い内部シール部を設け、この内部シール部の表面に収納孔と通路部とにわたって上下に突出し、全体がラケット形を呈するリブ状シールを設け、このリブ状シールはスライダーの上下翼板の内面へ密接できるように形成した防水用上止が知られている。
【特許文献1】実公平4−36659号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前項で述べた図9に示すスライドファスナーにおける防水用上止は、スライダーの胴体内を埋装できる肉厚の厚い内部シール部を全体が縦長になるように形成し、この内部シール部に形成するスライダーの上下翼板に接触するリブ状シールは、収納孔と通路部との双方にわたってラケット状に突設しなければならないので、リブ状シールが長い間隔設けるから、水密、気密の保持からすればあまり芳しいことではない。また内部シール部の内側に形成した通路部を密接するため、スライダーを引き上げてスライダーのフランジによって案内柱の通路部を密接させるタイプの上止であるが、この通路部分を単にスライダーのフランジによって通路部の側面を接合させるものであり、通路部は単に接合させるものであるから、この通路部分から水が浸透し、浸水するおそれがあるなど問題点がある。
【0004】
この発明は、上述の問題点を考慮して発明されたものであり、この発明のうち請求項1記載の発明は、スライダーの上下翼板の内面に接触する突条、すなわちリブ状シールを如何に短く形成して、水密、気密効果を効率よくあげることができるか、また上止における挿入脚部の接触面、すなわち案内柱通路部の接触部分を短小に形成して確実に密接できるように上止の外側面を積極的に押圧できる押圧部を形成して接触部分を密接させるところに特徴があり、水密、気密の効果を的確に奏するスライドファスナーの防水用上止を提供することが主たる目的である。
【0005】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の目的に加え、上止に設置する押圧部を通路部に対応する挿入脚部の外側縁に設置して上止の通路部を的確かつ円滑に押圧し、水密、気密の効果を高めることができるスライドファスナーの防水用上止を提供することが目的である。
【0006】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明の目的に加え、上止の挿入脚部に設置する押圧部とその内側に設置する外側縁とを装着するスライダーとの関係を特定して、効果的かつ的確に水密、気密の効果を高めることができるスライドファスナーの防水用上止を提供することが目的である。
【0007】
請求項4および5記載の発明は、請求項1記載の発明の目的に加え、上止の挿入脚部の両外側に形成するスライダーのフランジと接触する押圧部の形態を特定し、効果的かつ的確に挿入脚部の接触部分を積極的に密接させて水密、気密効果を高めることができるスライドファスナーの防水用上止を提供することが目的である。
【0008】
請求項6記載の発明は、請求項4記載の発明の目的に加え、上止に設置する挿入脚部を突条と押圧部とによって、スライダーの翼板に部分接触させ、スライダーの摺動を円滑かつ軽快に行えることができるスライドファスナーの防水用上止を提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するため、この発明のうち請求項1記載の発明は、スライドファスナーにおける一対のファスナーテープ5の対向側縁に沿って設けたファスナーエレメント7に連接する形で固定し、それぞれのファスナーテープ5に連結する弾性を備えた上止1において、上止1は中央に挿入脚部13によって包囲され、摺動するスライダー2の案内柱21を収容できる収容部10を設け、この収容部10の内縁に設置する内周縁部11に沿ってスライダー2における上下の翼板20と接触する突条12を突出状に設け、挿入脚部13の内側端部には、スライダー2の案内柱21が挿通できる通路部14を設け、上止1の両外側すなわち挿入脚部13の外側には上止1に隣接するファスナーエレメント7における脚部29の接触面31すなわちスライダー2と摺接する面より突出する押圧部15を挿入脚部13に設け、この押圧部15をスライダー2の摺動によって内側へ押圧することができ、その結果通路部14を密接できる形に形成したスライドファスナーの防水用上止を主な構成とするものである。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加え、上止1に設置する押圧部15は、少なくともスライダー2の案内柱21が挿通できる通路部14に対応する位置すなわち挿入脚部13の外側縁に形成したスライドファスナーの防水用上止である。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加え、上止1に設置する押圧部15は、挿入脚部13の入口側の外側縁に設け、押圧部15から上止1の内側に設置する外側縁はスライダー2の左右のフランジ22間の間隔よりも狭く形成してフランジ22と接触しない形に形成したスライドファスナーの防水用上止である。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加え、上止1に設置する押圧部15は、挿入脚部13より上下方向へ突出する形に形成したスライドファスナーの防水用上止である。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加え、上止1に設置する押圧部15は、挿入脚部13より外側方向へ突出する形に形成したスライドファスナーの防水用上止である。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項4記載の発明の構成に加え、上止1の挿入脚部13に設置する突条12と押圧部15は、ともに上下方向へ突出しその間は凹状に窪んだ形に形成したスライドファスナーの防水用上止である。
【発明の効果】
【0015】
この発明の効果として、請求項1記載の発明は、一対のファスナーテープの対向側縁に沿って設けたファスナーエレメントに連接して固定し、それぞれのファスナーテープを連結する弾性を備えた上止において、上止は中央に挿入脚部によって囲まれ、スライダーの案内柱を収容できる収容部を設け、収容部の内周縁部に沿ってスライダーの上下の翼板と接触する突条を突設し、挿入脚部の端部に案内柱が挿通可能な通路部を設け、上止の両外側に隣接するファスナーエレメントにおける脚部の接触面より突出する押圧部を設け、通路部を密接可能に形成したことによって、下記の効果を奏する。
【0016】
上止に形成するスライダーの案内柱を通過できる通路部分を短小形の接触面に形成しても、上止の両外側に設けた押圧部によって、積極的に挿入脚部を内方へ押圧して水などの浸透、浸水を的確に阻止できる効果があり、またスライダーの翼板の内面に接触する突条を収容部の内周縁部に沿って短く形成しても、水密、気密を効果的に発揮でき、しかも上止成形の容易性を果すことができる効果がある。
【0017】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加え、押圧部は、少なくとも通路部に対応する挿入脚部の外側縁に設置したことによって、上止の挿入脚部の内側に設置した通路部分を的確に圧接して、この通路部から水などの浸透、浸水を的確に阻止し、きわめて良好な水密、気密性を高めることができる効果がある。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加え、挿入脚部の入口側の外側縁に押圧部を設け、押圧部から内側の外側縁はスライダーのフランジ間の間隔よりも狭く形成し、フランジと接触しない形に形成したことによって、挿入脚部は入口側がスライダーの摺動動作により、押圧部を内側へ押圧し、押圧部から内側すなわち奥側ではスライダーのフランジと接触しないので、スライダーの摺動動作が軽快に行うことができる効果がある。
【0019】
請求項4および5記載の発明は、それぞれ請求項1記載の発明の効果に加え、押圧部は挿入脚部より上下方向へ突出する形、あるいは押圧部を挿入脚部より外側方向へ突出する形に形成したことによって、上止の挿入脚部に設けた押圧部をスライダーのフランジと確実に摺接させることができ、挿入脚部の内側に設けた通路部分を的確に圧接し、きわめて良好な水密、気密効果をあげることができる効果がある。
【0020】
請求項6記載の発明は、請求項4記載の発明の効果に加え、挿入脚部は上下方向へ突出する突条と押圧部との間を凹状に形成したことによって、挿入脚部を部分的な接触によりスライダーの上下の翼板に内接させるので、スライダーの摺動が円滑かつ軽快に行える効果があるなど、この発明が奏する効果はきわめて顕著である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
この発明のスライドファスナーの防水用上止は、図1,5に示すように、一対のファスナーテープ5の表面に塩化ビニル、ポリエチレンなどの熱可塑性エラストマーまたは合成ゴムなどの防水材6をコーティングして基布4を形成し、この基布4の側縁にポリアミド、ポリアセタールなどの熱可塑性樹脂からなる単体のファスナーエレメント7を射出成形手段によって成形し取り付ける。このファスナーエレメント7を取り付けた端部に、前記防水材6と同質で弾性を備えているスライダー2を停止させるための上止1を成形して取り付ける。
【0022】
上止1は一端が封鎖され、中央にスライダー2の案内柱21を収容できる収容部10を設け、他端にファスナーエレメント7に連接して左右に挿入脚部11を成形する。この挿入脚部11の入口端部、すなわちファスナーエレメント7に連接する側にスライダー2の案内柱21が通過させることができる通路部14を側面に形成し、この通路部14はスライダー2によってファスナーチエンを閉鎖したとき、左右の通路部14が密接し水密性が得られるように形成する。
【0023】
挿入脚部13の左右外側は、ファスナーエレメント7の外側よりも多少外側面へ突出し、かつスライダー2のフランジ22と接触できる上下方向へ突出する押圧部15を設ける。案内柱21を収容する収容部10の内周縁部11に沿って、スライダー2の上下の翼板20の内面に向けて突出し、接触できる突条12を周設し、突条12の入口端部は挿入脚部13の通路部14に面し、かつ端部は斜面状に切り欠いて傾斜面16を形成することで、上下の翼板20との衝撃を軽減し、案内柱21の挿入通過を容易にしている。上止1の封鎖された端部両面には、スライダー2の翼板20の頭部23が当接するストッパー17が突設され、スライダー2を的確に収容部10に収容する。
【0024】
なお、上止1の封鎖されたストッパー17の外側の基布4の裏面に、左右のファスナーテープ5を一体化させるため、シール材8を裏打ちして一体化を図る。
【0025】
上止1とスライダー2との関係は、スライダー2を摺動操作して案内柱21を上止1の収容部10に収容させることによって、水密、気密性を発揮し防水用上止として用いられる。その際、上止1はスライダー2の案内柱21を収容部10に収容したとき、収容部10の内周縁部11に周設した突条12が図4に示すように翼板20の内面に圧接することによって、上止1の上下面がスライダー2の内面とが密閉され、また上止1の挿入脚部13に形成した案内柱21を通過させる通路部14における密閉機能は、図3および図4に示すように、左右の挿入脚部13に形成したフランジ22によって内方へ押圧し、通路部14を左右から密接させる。従って上止1における水密、気密効果は、突条12と翼板20との圧接、およびフランジ22によって押圧部15を内方へ押圧して通路部14を密接することによって行う。
【実施例1】
【0026】
図1〜6に示す実施例1の防水用上止は、一対のファスナーテープ5の表裏の表面へ塩化ビニル、ポリエチレンなどの熱可塑性エラストマーまたは合成ゴムなどの防水材6を図4に示すようにコーティングして基布4を形成し、この基布4の対向側縁にポリアミド、ポリアセタール、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレートなどの熱可塑性樹脂を用いて単体のファスナーエレメント7を射出成形する。ファスナーエレメント7は大別して噛合頭部28と脚部29から形成し、脚部29は方形体から形成し、脚部29の外端にはスライダー2のフランジ22が摺接する接触面31を形成するとともに、接触面31のファスナーテープ5側に平坦なヒレ部30を設け、このヒレ部30と接触面31にスライダー2のフランジ22が接して滑動する。
【0027】
噛合頭部28は脚部29からひょうたん形に突出し、かつ脚部29の頭部28側にはファスナーテープ5の端縁に平坦な係合片32を設け、噛合相手の噛合頭部28に設けた凹溝33と嵌合する。従って噛合頭部28の先端には凹状の凹溝33が形成され、噛合相手のファスナーエレメント7の両側に突設した係合片32を収容して左右のファスナーエレメント7を噛合する。
【0028】
スライダー2は上下の翼板20を案内柱21で連結し、翼板20の両外側にファスナーエレメント7をガイドするフランジ22を曲設する。このスライダー2を用いて前後に摺動させ、基布4の側縁に成形したファスナーエレメント7を前後方向および左右方向に密接させることによって、左右の基布4は防水性を備えることができる。
【0029】
基布4の側縁に取り付けられたファスナーエレメント7に連続して、先端が封鎖され中央にスライダー2の案内柱21を収容できる収容部10を形成し、この収容部10の左右に挿入脚部13を一体に設けた上止1を、基布4の表面をコーティングした塩化ビニル、ポリエチレンなどの熱可塑性エラストマーまたは合成ゴムと同質の素材によって射出成形する。上止1は図2に示すように、スライダー2の左右のフランジ22内に収容でき、中央の収容部10の内周縁部11に沿って表面へ向けて突出する突条12を設け、この突条12はスライダー2の上下の翼板20の内面に接触する形態に形成して水密性を図る。ここで内周縁部11に沿うとは、内周縁部11から所定の距離を置いて、内周縁部11の輪郭に合わせて形成すること、または突条12が内周縁部11と同一面で形成することであって、すなわち突条12は収容部10とともに案内柱21を囲む形態に形成されていればよい。
【0030】
上止1の挿入脚部13の入口端部は、図3に示すように密接させることができ、案内柱21を容易に通過できる通路部14を形成し、突条12はこの通路部14で終端する形態に形成し、通路部14とファスナーテープ5の端縁とは同一面に形成する。そして突条12は入口に面した部分、すなわちファスナーエレメント7に連接する側の表面隅角部分を切り欠いて斜面を設けることにより傾斜面16を形成する。この傾斜面16を設けることによって、上下の翼板20との衝撃を軽減し、案内柱21の通過を円滑に行えるように形成する。
【0031】
上止1の挿入脚部13の入口端部の左右外側の一部には、挿入脚部13の外側縁よりも外側へ膨出し、かつ挿入脚部13の上下の表面において翼板20に向けて突出する押圧部15を設け、この押圧部15は図3および図6に示すように成形されたファスナーエレメント7における脚部29の外側面すなわち接触面31よりも外側へ突出し、スライダー2を終端まで摺動させたとき、スライダー2のフランジ22と脚部29の接触面31との間には間隙が生ずるが、スライダー2のフランジ22と上止1の挿入脚部13の外側縁に形成した押圧部15との間には間隙はなく密接し、フランジ22によって押圧部15は内側へ押圧され、通路部14は密着する。さらに説明すると、押圧部15の外側からファスナーテープ5の縁部までの幅方向の寸法は、脚部29の接触面31からファスナーテープ5の端部までの幅方向の寸法よりも大きい。
【0032】
挿入脚部13に形成した押圧部15から内側すなわち奥側では、上止1が図3に示すようにスライダー2のフランジ22間の間隔よりも狭く形成してフランジ22と挿入脚部13とは接触しない形に形成することによってスライダー2の摺動を軽快に行う。つまり、フランジ22と接触しない挿入脚部13は、互いに密着する通路部14と対応する上止1の外側の位置よりも内側に形成され、押圧部15は少なくとも通路部14と対応する位置に形成されている。また上止1の挿入脚部13は収容部10の周囲に形成した突条12と押圧部15との間に凹状の窪みを設けることによって、スライダー2の翼板20の内面と部分的な接触により、スライダー2の摺動動作が円滑かつ軽快に行うことができる。なお、挿入脚部13の入口端部はファスナーエレメント7の配列に従って左右の端部が食い違っているが、突条12の端部は左右一致している。
【0033】
上止1の封鎖された先端には、図2に示すようにスライダー2における上下の翼板20の頭部23の肩口外縁と一致し、当接できるストッパー17を図6に示すように表裏面に突設してスライダー2の翼板20の頭部23を積極的に当接させ、スライダー2の摺動をストップさせる。このストッパー17の外側の裏面に基布4を密接して水密性を得るため、熱可塑性エラストマーからなるシール材8を裏打ちして補強している。
【0034】
この上止の使用態様を説明すると、図5に示すように左右の基布4に装着されたスライダー2を上止1に向けて摺動させ、弾性を備えた上止1の通路部14を案内柱21が押し広げ、スライダー2の翼板20の頭部23がストッパー17に当接し、同時に収容部10へ案内柱21を収容することによって、スライダー2におけるフランジ22が左右の押圧部15を押圧して通路部14を圧接し、かつ上止1の突条12がスライダー2の翼板20の内面に圧接し、基布4の終端において水密、気密性が保持される。
【0035】
水密、気密性を開放するには、スライダー2を上止1から離反する方向へ摺動させ、案内柱21で挿入脚部13の通路部14を押し広げてスライダー2を摺動させることができる。
【実施例2】
【0036】
図7に示す実施例2の防水用上止は、前記実施例1と異なるところは、上止1の挿入脚部13の外側縁に設ける押圧部15の形態が平面的であり、表裏へ向けて突出する部分がない。詳しく述べると、熱可塑性エラストマーから成形された上止1は、案内柱21を収容する収容部10を設け、この収容部10の内周縁部11に沿って表裏方向へ突出する突条12を表裏面に設けて翼板20の内面に圧接させ、左右の挿入脚部13の外側縁には挿入脚部13の外面より多少平面的に膨出する押圧部15を形成する。この押圧部15は上止1の表裏面に存在する挿入脚部13と同一厚さから形成され、スライダー2のフランジ22の内面と摺接する形態に形成されている。
【0037】
スライダー2を上止1へ向けて摺動させると、スライダー2のフランジ22によって上止1の挿入脚部13の外側縁に形成した押圧部15を押圧して挿入脚部13を内側へ圧迫して通路部14を密着させる。この上止1は収容部10の内周縁部11に周設した突条12によって、スライダー2の翼板20の内面に圧接し、また通路部14においてはスライダー2のフランジ22によって密接することにより、上止1に水密性機能を備えさせることができる防水用上止である。
【0038】
以上説明した実施例1,2の上止は、射出タイプのファスナーエレメントに限定されるものではなく、合成樹脂製のモノフィラメントから形成したコイル状ファスナーエレメントまたはジグザグ状ファスナーエレメントを装備したファスナーチエンにも適用することができる。この場合、ファスナーエレメントにおける脚部の接触面とは、コイル状またはジグザグ状のファスナーエレメントにおける上下の脚部に連なる噛合頭部とは反対側の反転部すなわち連結部の外側を指すものであり、摺動するスライダーのフランジと接触する部分を意味するものである。
【産業上の利用可能性】
【0039】
この発明のスライドファスナーの防水用上止は、各種のウェットスーツ、防水ズボン、水中作業用の防水靴などにおける水中での開口部に用いるものや、カバンの開口部に用いる水密、気密性を備えた防水用の上止として利用する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】スライドファスナーの防水用上止の斜視図である。
【図2】同上の防水用上止の使用状態を示すスライダーの一部を切欠した正面図である。
【図3】同上上止の図2における拡大正面図である。
【図4】同上上止の図3におけるA−A断面図である。
【図5】同上上止の使用状態を示す正面図である。
【図6】同上上止の押圧部とファスナーエレメントとの関係を示す要部の拡大図である。
【図7】同上上止にスライダーを摺接した状態を示す側面図である。
【図8】他の上止の斜視図である。
【図9】公知の上止の使用状態を示す正面図である。
【符号の説明】
【0041】
1 上止
2 スライダー
5 ファスナーテープ
7 ファスナーエレメント
10 収容部
11 内周縁部
12 突条
13 挿入脚部
14 通路部
15 押圧部
20 翼板
21 案内柱
22 フランジ
29 脚部
31 接触面




 

 


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