米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 衣類 -> YKK株式会社

発明の名称 紐止具
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−61321(P2007−61321A)
公開日 平成19年3月15日(2007.3.15)
出願番号 特願2005−250636(P2005−250636)
出願日 平成17年8月31日(2005.8.31)
代理人 【識別番号】100079083
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 實三
発明者 杵淵 真一郎 / 才津 奈津子
要約 課題
他のものとの衝突や引っかかりをなくし、傷の発生を少なくしつつ、意匠性にも優れた紐止具を提供する。

解決手段
紐2を係止可能かつ押圧力が与えられたとき解除可能な係止部材10Aと、この係止部材10Aを収容する収容部31を有し被着体1に取り付けられる収容部材30Aとを備える。収容部31は、係止部材10Aを略収容できる大きさの収容空間37を有し、かつ、この収容空間37の外壁を通じて係止部材10Aに押圧力を付与できる。
特許請求の範囲
【請求項1】
紐(2,2A〜2C)を係止可能かつ押圧力が与えられたとき解除可能な係止部材(10A〜10E)と、この係止部材(10A〜10E)を収容する収容部(31,31E)を有し被着体(1)に取り付けられる収容部材(30A〜30E)とを備え、
前記収容部(31,31E)は、前記係止部材(10A〜10E)を略収容できる大きさの収容空間(37,37E)を有し、かつ、この収容空間(37,37E)の外壁を通じて前記係止部材(10A〜10E)に押圧力を付与できることを特徴とする紐止具。
【請求項2】
前記収容部(31,31E)は、前記係止部材(10A〜10E)に押圧力を付与できる弾性変形部(33〜35,36E)を有していることを特徴とする請求項1に記載の紐止具。
【請求項3】
前記係止部材(10A〜10E)を前記収容部(31,31E)内に保持する保持手段(17)が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の紐止具。
【請求項4】
前記保持手段(17)は、前記係止部材(10A〜10E)および前記収容部材(30A〜30E)のいずれか一方に設けられた係合孔部(40)と、前記係止部材(10A〜10E)および前記収容部材(30A〜30E)のいずれか他方に設けられ前記係止部材(10A〜10E)が前記収容部(31,31E)内に収容されたとき前記係合孔部(40)に係合する係合凸部(16)とから構成されていることを特徴とする請求項3に記載の紐止具。
【請求項5】
前記収容部材(30A〜30E)は、前記収容部(31,31E)の縁部に前記収容部材(30A〜30E)を前記被着体(1)に取り付ける取付片(41,41D,41E)を有していることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の紐止具。
【請求項6】
前記係止部材(10A〜10E)は、紐通部(23,24)を有し一部が重なり合った一対の挟持部(21,22)と、押圧力が与えられたとき前記紐通部(23,24)が一致する方向へ前記一対の挟持部(21,22)を変位させる弾性変形部(11)とを備え、前記一対の挟持部(21,22)および前記弾性変形部(11)が一体的に形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の紐止具。
【請求項7】
前記収容部(31,31E)は、前記係止部材(10A〜10E)を収容するための開口(38,38E)を備え、
前記開口(38,38E)は、前記係止部材(10A〜10E)が前記収容部(31,31E)内に収容されたとき前記係止部材(10A〜10E)によって塞がれることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の紐止具。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、紐の任意の位置を被着体に固定する紐止具に関する。詳しくは、紐を係止可能かつ押圧力が与えられたとき解除可能な係止部材と、この係止部材を収容する収容部を有し被着体に取り付けられる収容部材とを備えた紐止具に関する。
【背景技術】
【0002】
衣服の袖口やバッグ類の口を絞ったり緩めたりする道具として、紐止具が用いられている。
従来の紐止具は、筒状の雌部材と、この雌部材の筒方向に摺動自在に挿入される雄部材とから構成されている。雄部材は、一体または別体の弾性手段によって、雌部材から抜け出す方向に付勢されている。雌部材および雄部材には孔部が形成されており、弾性手段に抗して雄部材を雌部材内に押し込むと、これらの孔部が連通(一致)するようになり、その孔部に紐を通すことが可能となる。押し込みをやめると、弾性手段によって雄部材が基の位置に復帰される。すると、雄部材の孔部と雌部材の孔部とがずれ、紐が係止される。
【0003】
通常、このような紐止具は、衣服に装着された紐に挿通され、紐の端部の任意の位置に係止された状態で使用される。そのため、紐とともにぶらつく。紐止具がぶらつくと、紐止具が肌に当たったり、引っ掛かったりするなど運動の支障となる。また、紐止具がぶらつくと、他のものと接触、衝突するため傷を受け、紐止具としての機能性が損なわれるという課題がある。
また、紐止具は、紐を確実に係止する必要性から、その材質にはアセタールなどの比較的硬い材料が用いられている。衣服などに取付けられた紐止具の場合、紐止具が直接あるいは衣服などを通じて肌に接触すると、肌が異物感を感じるなどの課題もある。
【0004】
そこで、紐止具がぶらつくことを防止するために、紐止具を収容する収容部材を衣服などに縫製などによって固定した例が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
これは、筒状の雌部材と、この雌部材内に摺動自在に挿入される雄部材と、この雄部材を雌部材から抜け出る方向へ付勢する付勢手段とを備え、雄部材および雌部材に紐の通し孔が形成されているとともに、雌部材に縫着用片部が形成された構成である。
【0005】
【特許文献1】特開2005−58583号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載の紐止具にあっては、紐止具がぶらつくことは解決できるものの、雄部材が雌部材から突出しているため、その突出部が他のものに接触、あるいは、引っかかり、他のものあるいは自身に傷を付けてしまう場合も考えられる。また、雄部材が雌部材から突出しているので、外観的にも意匠性を損なう。
【0007】
本発明の目的は、他のものとの衝突や引っかかりをなくし、傷の発生を少なくしつつ、意匠性にも優れた紐止具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の紐止具は、紐を係止可能かつ押圧力が与えられたとき解除可能な係止部材と、この係止部材を収容する収容部を有し被着体に取り付けられる収容部材とを備え、前記収容部は、前記係止部材を略収容できる大きさの収容空間を有し、かつ、この収容空間の外壁を通じて前記係止部材に押圧力を付与できることを特徴とする。
ここで、前記収容部は、前記係止部材に押圧力を付与できる弾性変形部を有していることが好ましい。
【0009】
このような構成によれば、係止部材が収容部の収容空間に収容されると、収容部によって覆われるため、他のものとの接触や引っかかりなどによる傷の発生を少なくできるとともに、意匠性にも優れるという効果が期待できる。
しかも、紐に対する係止および解除操作にあたっては、収容部を押圧すると、収容部が弾性変形される。これにより、収容部の外壁を通じて係止部材に押圧力が付与されるため、紐の係止状態が解除される。収容部への押圧を解くと、変形した収容部の外壁が弾性復帰するので、係止部材に付与されていた押圧力が解除されるため、紐が係止部材によって拘束(係止)される。従って、紐に対する係止および解除操作に支障を生じることなく、傷の発生が少なく、かつ、意匠性にも優れた紐止具を提供できる。
もとより、収容部材が被着体に取り付けられているので、紐止具がぶらつくことがなく、紐止具がぶらつくことに伴う問題も発生しない。
【0010】
本発明の紐止具において、前記係止部材を前記収容部内に保持する保持手段が設けられていることが好ましい。
このような構成によれば、係止部材を収容部内に収容すると、係止部材は保持手段によって収容部内に保持されるから、係止部材が収容部から不用意に抜けるのを防止できる。
【0011】
なお、保持手段とは、係止部材および収容部材のいずれか一方に係合孔部を、いずれか他方に係合孔部に係合する係合凸部を設ける構成に限らず、収容空間を、係止部材の外形形状よりも僅かに小さい内形形状を持つ伸縮性部材から形成した構成でもよい。
このような構成とすれば、係止部材を収容空間に収容すると、収容空間は伸張して係止部材の外面に密着する。このとき伸縮性部材の復元力が係止部材に働くので、収容部が係止部材を保持する保持力を高めることができる。これによっても、係止部材が収容部から不用意に抜けるのを防止できる。
【0012】
本発明の紐止具において、前記保持手段は、前記係止部材および前記収容部材のいずれか一方に設けられた係合孔部と、前記係止部材および前記収容部材のいずれか他方に設けられ前記係止部材が前記収容部内に収容されたとき前記係合孔部に係合する係合凸部とから構成されていることが好ましい。
このような構成によれば、係止部材が収容部内に収容されると、係合凸部が係合孔部に係合するから、つまり、凸部と孔部との嵌め合いによって係合するから、係止部材は収容部内に確実に保持される。従って、係止部材が収容部から不用意に抜けるのを確実に防止できる。
【0013】
本発明の紐止具において、前記収容部材は、前記収容部の縁部に前記収容部材を前記被着体に取り付ける取付片を有していることが好ましい。
このような構成によれば、収容部の縁部に取付片を有しているから、この取付片を利用して収容部材を被着体に容易に取り付けることができる。たとえば、取付片と被着体とを、縫着糸によって縫製したり、リベットによって結合したり、接着剤あるいは溶着によって接合したりすることにより、収容部材を被着体に容易に取り付けることができる。
【0014】
本発明の紐止具において、前記係止部材は、紐通部を有し一部が重なり合った一対の挟持部と、押圧力が与えられると前記紐通部が一致する方向へ前記一対の挟持部を変位させる弾性変形部とを備え、前記一対の挟持部および前記弾性変形部が一体的に形成されていることが好ましい。
このような構成によれば、係止部材は、一対の挟持部および弾性変形部を備え、これらが一体的に形成されているから、つまり、収容部内に収容される係止部材が一体ものから構成されているから、紐止具を小さく構成できる。
【0015】
本発明の紐止具において、前記収容部は、前記係止部材を収容するための開口を備え、前記開口は、前記係止部材が前記収容部内に収容されたとき前記係止部材によって塞がれることが好ましい。
このような構成によれば、収容部の開口から係止部材を収容すると、係止部材によって収容部の開口が塞がれるから、収容部が凹部となることもない。この点からも、他のものが収容部に引っかかることもないので、傷などの発生を少なくできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各実施形態の説明にあたって、同一構成要件については、同一符号を付し、その説明を省略する。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態を、図1〜図4に示す。
図1は、第1実施形態の紐止具を示す分解斜視図である。
第1実施形態の紐止具3Aは、図1に示すように、衣服などの被着体1に取り付けられる紐2に装着された係止部材10Aと、この係止部材10Aを収容するとともに被着体1に取り付けられる収容部材30Aとから構成されている。
【0017】
なお、紐2は、例えば、被着体1が衣類であるとき、その袖口などの開口縁に沿って設けられており、被着体1に形成された引出し孔などを通って、その一端が被着体1の外部(または内部)へ引き出されている。
また、係止部材10Aは、ポリアセタール、ポリアミド、ポリプロピレン、ABS樹脂、ポリカーボナイトなどの比較的硬質の材料によって形成されている。収容部材30Aは、ポリウレタンエラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマーなどの比較的軟質でかつ伸縮性のある材質(係止部材10Aに比べて)によって形成されている。
【0018】
係止部材10Aは、U字形状の本体部11と、この本体部11の両端部から互いに向かい合う方向に屈曲された一対の挟持部21,22とを有し、これらが一体的に形成されている。
本体部11は、連結壁12と、この連結壁12によって一端側が連結された2枚の対向壁13,14とを備え、側面から見て略U字形状に形成されている。2枚の対向壁13,14のうち一方の対向壁13には、連結壁12寄りに紐通部15が形成されているとともに、外面側に向かって突出する断面矩形形状の係合凸部16が一体的に形成されている。紐通部15は、長孔状で、一端側が対向壁13の側面に開口されている。つまり、片側に開口を有する長溝状に形成されている。
【0019】
挟持部21,22は、本体部11の対向壁13,14の先端から互いに向かい合う方向に屈曲され一部が上下に重なり合った状態で形成されている。これら挟持部21,22には、紐通部23,24が本体部11の中心からそれぞれ対向壁13,14側にずれて設けられている。紐通部23,24は、長孔状で、一端側が挟持部21,22の側面に開口されている。つまり、片側に開口を有する長溝状に形成されている。
なお、本体部11は、紐通部23,24が一致する方向へ一対の挟持部21,22を変位させる弾性変形部を構成している。従って、係止部材10Aは、紐2を係止可能で、かつ、本体部11の対向壁13,14に互いに接近する方向へ押圧力が与えられたとき係止状態を解除可能に構成されている。
【0020】
収容部材30Aは、係止部材10Aを収容する収容部31と、この収容部31の外周縁に沿って一体的に形成され収容部材30Aを被着体1に取り付ける取付片41とを備える。
収容部31は、第1〜第4周壁32,33,34,35とこれら第1〜第4周壁32,33,34,35の一端に設けられた底壁36とから、内部に係止部材10Aを略収容できる大きさの収容空間37を有する。収容空間37の大きさは、係止部材10Aの外形寸法より僅か小さい形状に形成されている。収容空間37の底壁36とは反対側面には、係止部材10Aを収容するための開口38が形成されている。これによって、係止部材10Aの対向壁13が第1周壁32と、対向壁14が第2周壁33と対面するように覆われている。
【0021】
4つの周壁32,33,34,35のうち、第1周壁32を除く3つの周壁33〜35は、押圧力が与えられたとき収容空間37の内部に弾性変形できる厚み、形状に構成されている。つまり、これらの周壁33〜35が、収容空間37の外壁を通じて係止部材10Aに押圧力を付与する弾性変形部を構成しており、外壁と一緒に係止部材10Aを変形させる。被着体1と接する第1周壁32には、底壁36寄り位置に孔部39が形成されているとともに、開口38寄り位置に係合孔部40が形成されている。孔部39は、被着体1に通じ、収容部31内の紐2を被着体1側に出せるようになっている。係合孔部40は、係止部材10Aが収容部31内に収容されたとき係合凸部16が係合される。つまり、係合凸部16と係合孔部40とにより、係止部材10Aを収容部31内に保持する保持手段17が形成されている。なお、係合孔部40と孔部39とは、同じ孔であってもよい。
【0022】
取付片41は、収容部31の第3周壁34、第4周壁35および底壁36の外周に沿って、第1周壁32と同じ面に一体的形成されているとともに、幅方向の中央位置に他の部分より肉厚を薄くした溝部42を備える。溝部42は、取付片41を被着体1に取り付ける際に、取付片41と被着体1とを縫着糸43によって一体的に縫着させるために利用される。
【0023】
図2は、係止部材10Aを収容部材30Aに収容した状態を示す斜視図である。
係止部材10Aを収容部材30Aに収容する手順としては、たとえば、次のようにして行う。
(a)被着体1に収容部材30Aを縫着する。つまり、収容部材30Aの取付片41(溝部42)と被着体1とを縫着糸43によって一体的に縫着する
(b)被着体1に装着された紐2を収容部31内を通して被着体1の外または内に出す。
(c)その紐2の端部を係止部材10Aの紐通部23,24に通す。このとき、紐通部23,24の一端が開口しているので、紐2を通しやすい。また、紐通部23,24の一端が開口した形状では、製作も容易である。
【0024】
(d)こののち、係止部材10Aを収容部31に収容する。このとき、収容部材30Aが伸縮性を有する材料で形成され、しかも、収容部材30Aの収容部31が、係止部材10Aの外形寸法より僅か小さい内形寸法の収容空間37を有する大きさに形成されているから、係止部材10Aを収容部31に収容すると、係止部材10Aは、収容部31が伸長(拡張)された状態で収容部31に収容される。
(e)係止部材10Aが収容部31に収容されると、係止部材10Aの係合凸部16が収容部材30Aの係合孔部40に係合される。これにより、係止部材10Aが収容部31から抜けるのが防止される。
(f)また、収容部31の開口38は、係止部材10Aの一対の挟持部21,22によって塞がれる。このため、収容部31が凹部となることもない。この点からも、他のものが収容部31に引っかかることもないので、傷などの発生を少なくできる。
【0025】
図3は、係止部材10Aを収容部材30Aに収容した状態を示す断面図である。
係止部材10Aを収容部材30Aに収容した状態では、2つの挟持部21,22の紐通部23,24が互いにずれている。紐通部23,24の一致する隙間(孔)は、紐2の太さよりも小さい隙間しかないので、紐2が拘束(固定)される。
【0026】
図4は、図3の部分拡大図(紐の解除操作時の状態を示す部分拡大図)である。
紐2を解除するには、収容部31の第2周壁33ごと、中の係止部材10Aの本体部11を押圧する。つまり、収容部31の第2周壁33を第1周壁32に向かって押圧すると、第2周壁33が収容部31内に弾性変形される。第2周壁33が弾性変形すると、収容部31内の係止部材10Aの対向壁14が対向壁13に向かって変形される。すると、係止部材10Aの一対の挟持部21,22が互いに接近する結果、紐通部23,24の一致する隙間が大きくなるので、紐2を自由に動かすことができる。ただし、その隙間は、必ずしも紐2の太さよりも大きい必要はない。固定している状態より隙間が大きくなれば、摩擦しながらでも、紐2を動かすことは可能である。
【0027】
第1実施形態によれば、次に述べる効果を奏することができる。
(1)係止部材10Aが収容部31に収容されると、係止部材10Aは収容部31の収容空間37内に完全に収容された状態となるため、つまり、収容部31の外部に突出するものがないため、他のものとの接触や引っかかりなどによる傷の発生を少なくできる。
しかも、係止部材10Aが収容部31に収容された状態では、係止部材10Aの一対の挟持部21,22によって収容部31の開口38が塞がれる。そのため、収容部31が凹部となることもないから、他のものが収容部31に引っかかることもないので、傷などの発生を少なくできる。
また、外観的にも、収容部31のみが現れるため、スッキリとした印象を与え、意匠性にも優れる。ちなみに、収容部材30Aは被着体1に取り付けられているので、紐止具3Aがぶらつくことがなく、紐止具3Aがぶらつくことに伴う問題も発生しない。
【0028】
(2)係止部材10Aが収容部31に収容された状態において、紐2に対する係止および解除操作にあたっては、収容部31の周壁33を周壁32に向かって押圧すると、周壁33が収容部31内に弾性変形される。すると、収容部31内の係止部材10Aの対向壁14が対向壁13に向かって変形され、これに関連して、係止部材10Aの一対の挟持部21,22が互いに接近される。その結果、紐通部23,24の一致する隙間が大きくなるので、紐2を自由に動かすことができる。
収容部31の周壁33に対する押圧をやめると、周壁33および挟持部22も弾性復帰し、紐通部23,24の一致する隙間が小さくなるので、紐2が拘束される。
従って、係止部材10Aが収容部31内に収容されている状態であっても、紐2に対する係止および解除操作に支障を生じることなく、傷の発生が少なく、かつ、意匠性にも優れた紐止具を提供できる。
【0029】
(3)係止部材10Aが収容部31に収容されると、係止部材10Aは保持手段17によって収容部31内に保持されるから、係止部材10Aが収容部31から不用意に抜けるのを防止できる。
保持手段17は、収容部材30Aに設けられた係合孔部40と、係止部材10Aに設けられ係合孔部40に嵌り合う係合凸部16とから構成されているから、確実な係合が実現できる。
しかも、収容部31の収容空間37が、係止部材10Aの外形形状よりも僅かに小さい内形形状を持つ大きさに形成され、かつ、収容部31(収容部材30A)が伸縮性部材から形成されているから、係止部材10Aを収容空間37に収容すると、収容空間37は伸張して係止部材10Aの外面に密着する。このとき伸縮性部材の復元力が係止部材10Aに働くので、収容部31が係止部材10Aを保持する保持力を高めることができる。
【0030】
(4)収容部材30Aは、収容部31の縁部に収容部材30Aを被着体1に取り付ける取付片41を有しているから、この取付片41を利用して収容部材30Aを被着体1に容易に取り付けることができる。とくに、取付片41には、他より肉薄に形成した溝部42が設けられているから、その溝部42と被着体1とを、縫着糸43によって縫製することにより、収容部材30Aを被着体1に簡単に取り付けることができる。
【0031】
(5)係止部材は、紐通部23,24を有し一部が重なり合った一対の挟持部21,22と、押圧力が与えられたとき紐通部23,24が一致する方向へ一対の挟持部21,22を変位させる弾性変形部としての本体部11を備え、これら一対の挟持部21,22および本体部11が一体的に形成されているから、つまり、収容部31内に収容される係止部材10Aが一体ものから構成されているから、紐止具3Aを小さく構成できる。
【0032】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態を、図5〜図8に示す。
図5は、第2実施形態の紐止具3Bを示す分解斜視図である。
第2実施形態の紐止具3Bは、第1実施形態の紐止具3Aとは、次の点で異なる。
係止部材10Bは、一対の対向壁13,14の向きが第1実施形態の対向壁13,14に対して90度異なる。つまり、係止部材10Bが収容部31に収容された状態において、収容部31の第3周壁34および第4周壁35を互いに内側に向かって押圧したときに、一対の対向壁13,14が内側に向かって弾性変形されるように構成されている。そのため、収容部材30Bの孔部39に連通する紐通部15が係止部材10Bには設けられておらず、U字形状の本体部11の内側を通って紐2が被着体1に引き出されるようになっている。また、本体部11の側面、つまり、紐2の引き出し方向の側面に係合凸部16Bが形成されている点も第1実施形態とは異なる。
収容部材30Bは、孔部39とは別に、係合孔部40が設けられていない点が、第1実施形態の紐止具3Aとは異なる。つまり、本実施形態では、孔部39が係合孔部40を兼ねている。
【0033】
図6は、係止部材10Bを収容部材30Bに収容した状態を示す断面図である。
係止部材10Bを収容部材30Bに収容した状態では、2つの挟持部21,22の紐通部23,24が互いにずれている。紐通部23,24の一致する隙間(孔)は、紐2の太さよりも小さい隙間しかないので、紐2が拘束(固定)される。
【0034】
図7は、図6の部分拡大図(紐の解除操作時の状態を示す部分拡大図)である。
紐2を解除するには、収容部31の第3周壁34および第4周壁35ごと、中の係止部材10Bの本体部11を押圧する。つまり、収容部31の第3周壁34および第4周壁35を互いに接近する方向へ向かって押圧すると、これらの第3周壁34および第4周壁35が収容部31内に弾性変形される。第3周壁34および第4周壁35が弾性変形すると、収容部31内の係止部材10Bの対向壁13,14が互いに接近する方向に向かって変形される。すると、係止部材10Bの一対の挟持部21,22が互いに接近する方向へ変位される結果、紐通部23,24の一致する隙間が大きくなるので、紐2を自由に動かすことができる。
そのため、第2実施形態では、収容部31の対向する周壁34および周壁35を両側から指で挟んで押圧すれば、紐2を解除、あるいは、係止できるので、つまり、指の開閉操作のみで行えるので、極めて操作しやすいという利点がある。
【0035】
図8は、係止部材10Bが収容部材30Bに収容された状態を示す断面図(図6のVIII- VIII線断面図)である。
係止部材10Bが収容部材30Bに収容されると、係止部材10Bに設けた係合凸部16Bが、収容部材30Bに設けた孔部39に係合される。紐2は、係止部材10Bの紐通部23,24から収容部材30Bの孔部39を通って被着体1へ引き出される。
そのため、第2実施形態では、第1実施形態のように、紐2を引き出す孔部39と、係合凸部16Bが係合する係合孔部との両方を収容部材30Bに形成しなくてもよい。
【0036】
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態を、図9に示す。図9は、第3実施形態の紐止具3C(係止部材10Cを収容部材30Cに収容した状態)を示す斜視図である。
第3実施形態の紐止具3Cは、2本の紐2A,2Bを通している点が、第1、第2実施形態の紐止具3A,3Bとは異なる。紐2A,2Bは、それぞれの周壁34,35に設けられた孔部39Cを通って収容部31の外(両側)に引き出されている。
なお、紐の数は3本以上であってもよい。この場合、周壁32〜35および底壁36の各面から1本ずつ引き出すようにしてもよく、あるいは、1つの面から2本以上の紐を引き出すようにしてもよい。
【0037】
<第4実施形態>
本発明の第4実施形態を、図10に示す。図10は、第4実施形態の紐止具3Dを示す分解斜視図である。
第4実施形態の紐止具3Dは、平らな紐2Cを係止可能かつ解除可能とする紐止具である。このため、係止部材10Dおよび収容部材30Dに設けられる紐通部23,24は、紐2Cの形状に合わせて四角形状に形成されている。また、紐通部15Dについては係止部材10Dの連結壁12に、孔部39Dについては収容部材30Dの底壁36にそれぞれ形成されている点が、第1実施形態とは異なる。
また、収容部材30Dの取付片41Dは、リベット44によって被着体1に取り付けられる点が、第1実施形態とは異なる。そのため、縫製用の溝部42は設けられていない。
【0038】
<第5実施形態>
本発明の第5実施形態を、図11〜図13に示す。
図11は、第5実施形態の紐止具3Eを示す分解斜視図である。
第5実施形態の紐止具3Eは、係止部材10Eおよび収容部材30Eが、第1実施形態に対して次の点で異なる。
係止部材10Eは、一端に開口を有する筒状のソケット50と、このソケット50内に摺動可能に挿入されたプラグ51と、ソケット50の内底面に設けられプラグ51をソケット50から抜け出る方向へ付勢するコイルスプリングなどの付勢手段52と、ソケット50およびプラグ51に設けられた紐通部53,54とから構成されている。なお、付勢手段52としては、コイルスプリングに代えて、プラグ51の下端に弾性を有する脚片を形成し、この弾性脚片がソケット50の内底面に対し当接してプラグ51に付勢力を与える構造であってもよい。
【0039】
収容部材30Eは、係止部材10Eを収容する収容部31Eと、この収容部31Eの外周縁に沿って一体的に形成された取付片41Eとから構成されている。収容部31Eは、第1〜第4周壁32E〜35Eと、弾性変形部としての第1,2底壁36E,36Eとから四角箱状の収容空間37Eを有する形状に形成されている。第1周壁32Eおよび第2周壁33Eには、孔部39Eが対向して設けられている。第3周壁34Eには、係止部材10Eを収納部31E内に収容するための開口38Eが形成さているとともに、開口38E内に突出して係止部材10Eを収容部材30Eの収容部37E内に保持するための保持手段としての係合突部40Eが形成されている。取付片41Eには、溝部42が設けられていないが、溝部42を設けてもよい。
【0040】
図12は、係止部材10Eを収容部材30Eに収容した状態を示す断面図(紐固定状態の断面図)である。
係止部材10Eを収容部材30Eに収容した状態では、プラグ51が付勢手段52の付勢力によってソケット50から抜け出る方向へ付勢されているため、プラグ51の紐通部54とソケット50の紐通部53とが互いにずれている。そのため、紐通部53,54の一致する隙間(孔)は、紐2の太さよりも小さい隙間しかないので、紐2が拘束(固定)される。
【0041】
図13は、係止部材10Eを収容部材30Eに収容した状態において、紐の解除操作時の状態を示す断面図である。
紐2を解除するには、収容部31Eの底壁36Eごと、中の係止部材10Eのプラグ51を押圧する。つまり、収容部31Eの底壁36Eを底壁36Eに向かって押圧すると、底壁36Eが収容部31E内に弾性変形される。底壁36Eが変形すると、収容部31E内の係止部材10Eのプラグ51がソケット50内に挿入される。すると、プラグ51の紐通部54とソケット50の紐通部53とが一致する隙間が大きくなるので、紐2を自由に動かすことができる。
押圧をやめると、付勢手段52によってプラグ51が基の状態に戻る。つまり、図12の状態に戻るので、その位置で紐2が拘束(固定)される。
【0042】
<変形例>
なお、本発明は前述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
係止部材10A〜10Eの構造としては、第1〜第5実施形態で述べた構造に限らず、他の構造でもよく、要は、紐2,2A,2B,2Cを係止可能で、かつ、押圧力が与えられたとき解除可能な構造であれば他の構造でもよい。
【0043】
収容部材30A〜30Eの構造としては、第1〜第5実施形態で述べた構造に限らず、他の構造でもよく、要は、係止部材10A〜10Eを収容する収容部31,31Eを有し、その収容部31,31Eは、係止部材10A〜10Eを略収容できる大きさの収容空間37,37Eを有し、かつ、この収容空間37,37Eの外壁を通じて係止部材10A〜10Eに押圧力を付与して紐の係止を解除できる弾性変形部を有していればよい。
【0044】
ここで、係止部材10A〜10Eを略収容できる大きさの収容空間37,37Eとは、必ずしも係止部材10A〜10Eの全てを収容する空間である必要はなく、係止部材10A〜10Eの一部が収容空間37から露出しているものでも含む意味である。収容空間37,37Eから露出した係止部材10A〜10Eの一部についても、収容部材30A〜30Eの外形形状に沿って連続的でかつ一体的な形状を構成すれば、特に、他のものとの引っかかりなどの問題も発生しないので、同様な効果が期待できる。
【0045】
また、第1〜第5実施形態では、収容部材30A〜30Eの材質を、ポリウレタンエラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマーなどの比較的軟質で伸縮性のある材質によって形成し、これによって、収容空間37の外壁を通じて係止部材10A〜10Eに押圧力を付与できる弾性変形部としたが、収容部31,31Eの押圧部分の肉厚を薄く形成し、この薄肉部分を弾性変形部としてもよい。
【0046】
また、収容部31,31Eの押圧部分の外表面に、例えば、指当部を形成し、この指当部に指を沿わせて収容部31,31Eを押圧するようにすれば、押圧位置を正確に押圧することができる。指当部としては、押圧部分の外表面を凹面状に窪ませる構成とすれば、指を正しい押圧位置に誘導することができるので、押圧位置からずれることがない。また、押圧部分の外表面に凹凸を形成すれば、押圧時に指が凹凸によってずれることがないので、確実に押圧できる。
【0047】
第1〜第4実施形態では、保持手段17を構成する係合孔部40(孔部39)が収容部材30A〜30Dに設けられ、係合凸部16,16Bが係止部材10A〜10Dに設けられた構成であったが、これとは逆に、係合孔部40(39)が係止部材10A〜10Dに設けられ、係合凸部16,16Bが収容部材30A〜30Dに設けられた構成であっても、同様な効果を奏することができる。
【0048】
第1〜第3実施形態および第5実施形態では、縫着糸43を取付片41の溝部42に沿って縫い付けることにより、また、第4実施形態では、リベット44により、取付片41,41D,41Eを被着体1に取付けていたが、これに限られない。被着体1と当接する取付片41(41D,41E)の表面を被着体1に溶着したり、接着剤などで接着する方法等が考えられる。溶着、接着などを取付方法として用いる場合は、取付片41に溝部42を形成する必要はない。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、紐の任意の位置を衣類などの被着体に固定できる紐止具に利用できるほか、バックや荷物の梱包用紐の紐止具としても利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる紐止具を示す分解斜視図。
【図2】同上実施形態において、係止部材を収容部材に収容した状態を示す斜視図。
【図3】同上実施形態において、係止部材を収容部材に収容した状態を示す断面図。
【図4】図3の状態において、紐の解除操作時の状態を示す部分拡大図。
【図5】本発明の第2実施形態にかかる紐止具を示す分解斜視図。
【図6】同上実施形態において、係止部材を収容部材に収容した状態を示す断面図。
【図7】図6の状態において、紐の解除操作時の状態を示す部分拡大図。
【図8】図6のVIII−VIII線断面図。
【図9】本発明の第3実施形態にかかる紐止具を示す斜視図。
【図10】本発明の第4実施形態にかかる紐止具を示す分解斜視図。
【図11】本発明の第5実施形態にかかる紐止具を示す分解斜視図。
【図12】同上実施形態において、係止部材を収容部材に収容した状態を示す断面図。
【図13】図12の状態において、紐の解除操作時の状態を示す断面図。
【符号の説明】
【0051】
1…被着体、2,2A〜2C…紐、10A〜10E…係止部材、11…本体部(弾性変形部)、16…係合凸部、17…保持手段、21,22…挟持部、23,24…紐通部、30A〜30E…収容部材、31,31E…収容部、33〜35…周壁(弾性変形部)、36E…底壁(弾性変形部)、37,37E…収容空間、38,38E…開口、40…係合孔部、40E…係合突部(保持手段)、41,41D,41E…取付片、42…溝部。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013