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発明の名称 紐止め具
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−29343(P2007−29343A)
公開日 平成19年2月8日(2007.2.8)
出願番号 特願2005−215709(P2005−215709)
出願日 平成17年7月26日(2005.7.26)
代理人 【識別番号】100079083
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 實三
発明者 高橋 義信
要約 課題
組立性に優れ、しかも、紐に対する止着性能を向上できる紐止め具を提供する。

解決手段
略筒状のソケット10と、その内側に挿入係合されるプラグ20とを備える。ソケットは、紐用開口11と、プラグ用開口12と、紐用開口およびプラグ用開口に連通された収容部13と、収容部内に収容された紐端部1Aを係止する複数の係止部14と、拡開部17とを有する。プラグ20には、プラグがソケットに殆ど挿入された際(少なくとも略半分以上挿入された際)に拡開部に当接され、各係止部に向かって拡開可能で紐端部を係止部へ押圧する複数本の押圧脚部24が設けられている。
特許請求の範囲
【請求項1】
複数の紐端部(1A)を収容可能な本体(3)を有する紐止め具(2)であって、
前記本体(3)は、略筒状のソケット(10)と、前記ソケット(10)内に挿入されるプラグ(20)とを有し、
前記ソケット(10)は、前記紐端部(1A)が挿入される紐用開口(11)と、前記プラグ(20)が挿入されるプラグ用開口(12)と、前記紐用開口(11)および前記プラグ用開口(12)に連通されかつ前記紐用開口(11)から挿入された前記紐端部(1A)を所定長さにわたって収容する収容部(13)と、前記収容部(13)内に収容された前記紐端部(1A)を係止する複数の係止部(14)とを有し、
前記ソケット(10)およびプラグ(20)のうちいずれか一方には、前記各係止部(14)に向かって拡開可能で前記紐端部(1A)を前記係止部(14)へ押圧する複数本の押圧脚部(24)が設けられ、
前記ソケット(10)およびプラグ(20)のうちいずれか他方には、前記押圧脚部(24)に当接され、前記プラグ(20)が挿入されるのに伴って前記押圧脚部(24)を前記各係止部(14)に向かって拡開させる拡開部(17,41)が設けられていることを特徴とする紐止め具(2)。
【請求項2】
前記プラグ(20)は、前記ソケット(10)の前記プラグ用開口(12)を塞ぐ基部(21)と、この基部(21)から一体的に延設され前記ソケット(10)の前記収容部(13)内に挿入される押圧部(22)とを有し、
前記押圧部(22)には前記押圧脚部(24)が形成され、前記ソケット(10)には前記拡開部(17,41)が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の紐止め具(2)。
【請求項3】
前記押圧脚部(24)は、前記押圧部(22)の先端部に形成され、
前記拡開部(17,41)は、前記ソケット(10)の前記紐用開口(11)近傍に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の紐止め具(2)。
【請求項4】
前記拡開部(17,41)は、前記ソケット(10)に対する前記プラグ(20)の挿入方向に対して逆方向へ向かうに従って先細形状に形成されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の紐止め具(2)。
【請求項5】
前記拡開部(17,41)は、前記複数の係止部(14)の間に配置されていることを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれかに記載の紐止め具(2)。
【請求項6】
前記係止部(14)は、前記ソケット(10)の中心に向かうに従って拡開するV溝によって構成されていることを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれかに記載の紐止め具(2)。
【請求項7】
前記プラグ(20)は、前記紐端部(1A)を仮固定する仮固定部(36)を備えていることを特徴とする請求項2〜請求項6のいずれかに記載の紐止め具(2)。
【請求項8】
前記プラグ(20)の押圧部(22)には、先端部に前記押圧脚部(24)を形成する第1スリット(23)が前記プラグ(20)の挿入方向に沿って形成されているとともに、根本部に前記第1スリット(23)と略直交する第2のスリット(31)が形成され、この第2スリット(31)によって分割された分割壁(32)の一方の前記根本部側には切欠部(33)が形成されているとともに、前記分割壁(32)には、前記第2スリット(31)を挟んで対向する挟持片(35)が突出形成され、この対向する挟持片(35)により前記仮固定部(36)が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の紐止め具(2)。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、紐端部に装着される紐止め具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、紐は様々な用途で用いられる。例えば、靴や鞄あるいは衣服や装身具における開口部等の封止、寸法等の調整には紐が多用されている。また、物品の連結や貨物の固定等に実に多様な状況において紐が用いられている。
なお、ここでいう紐とは、結束等が可能ないわゆる紐状体を総称するものであり、一般的な紐、ワイヤ、ケーブル等の他、テープ、ベルトまでを含むものである。
【0003】
これらの紐では一般に端部処理が行われる。すなわち単に切断しただけの状態では断面の外観あるいは手触りが劣るほか、編んだ素材では解れを生じることがある。端部処理としては、単純なものは結び目を作ることが挙げられる。また、操作性や装飾性を高めるために専用の紐止め具を装着することがなされている。
【0004】
紐止め具としては、紐に結び目を作る手間を解消できるように、紐の端部(紐の端から所定長さの領域)を包み込むようにしたものが開発されている。
具体的には、略筒状の本体に紐の端部を挿入し、反対側から挿入されたロック具の突起部分が紐の端部に噛みつくようにして紐に固定されるものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、雄要素と雌要素とを備え、紐に対して突起部分が食い込む方向を紐と交差する方向とし、かつ紐の先端を屈曲させて長さ寸法を抑えたものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】特開平9−289906号公報(第4頁、図1、図6)
【特許文献2】特開2002−17411号公報(第3〜4頁、図1〜図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した特許文献1および特許文献2では、ソケット(本体や雌要素)内にテーパ孔を設け、このテーパ孔とプラグ(ロック具や雄要素)の突起との間に紐を固定する構造であるため、ソケットにプラグを差し込んでいくと、ソケットのテーパ孔によって挿入時の負荷が次第に大きくなるため、ソケットにプラグを挿入して紐を固定しづらいという欠点がある。つまり、組立性が劣るという欠点がある。
【0007】
また、一般に紐の表面がニット素材で被覆されたものでは、編み目に突起部分が引っかかり、良好な食い付き性が得られるが、近年、芯材としてゴム等のエラストマ系を用いた紐では、前述した突起部分が食い込もうとしても芯材が容易に変形してしまい、十分な食い付き性が得られない。
【0008】
本発明の目的は、組立性に優れ、しかも、紐に対する止着性能を向上できる紐止め具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の紐止め具は、複数の紐端部を収容可能な本体を有する紐止め具であって、前記本体は、略筒状のソケットと、前記ソケット内に挿入されるプラグとを有し、前記ソケットは、前記紐端部が挿入される紐用開口と、前記プラグが挿入されるプラグ用開口と、前記紐用開口および前記プラグ用開口に連通されかつ前記紐用開口から挿入された前記紐端部を所定長さにわたって収容する収容部と、前記収容部内に収容された前記紐端部を係止する複数の係止部とを有し、前記ソケットおよびプラグのうちいずれか一方には、前記各係止部に向かって拡開可能で前記紐端部を前記係止部へ押圧する複数本の押圧脚部が設けられ、前記ソケットおよびプラグのうちいずれか他方には、前記押圧脚部に当接され、前記プラグが挿入されるのに伴って前記押圧脚部を前記各係止部に向かって拡開させる拡開部が設けられていることを特徴とする。
【0010】
このような構成によれば、紐端部をソケットの紐用開口から挿入して収容部内に収容するとともに、ソケットのプラグ用開口からプラグを挿入する。プラグがソケットに挿入され、ソケットおよびプラグのうちいずれか一方に設けられた押圧脚部にいずれか他方に設けられた拡開部が当接するまでは、押圧脚部が拡開しないので、挿入負荷が増大することがない。従って、押圧脚部に拡開部が当接するまでは、挿入負荷が増大することがないから、プラグをソケットにスムーズに挿入することができる。従って、組立性に優れる。
やがて、プラグのソケット内への挿入によって、拡開部が押圧脚部に当接したのち、更に、プラグを挿入すると、拡開部が押圧脚部をソケットに設けられた各係止部に向かって拡開させるから、収容部内に収容された紐端部が係止部に押圧される。このとき、プラグがソケットに挿入され、ソケットに対するプラグの姿勢も安定しているから、拡開部による押圧脚部の拡開動作も安定して行うことができる。その結果、収容部内に収容された紐端部が押圧脚部と係止部とで挟持された状態で拘束されるから、紐に対する止着性能を向上させることができる。
【0011】
本発明の紐止め具において、前記プラグは、前記ソケットの前記プラグ用開口を塞ぐ基部と、この基部から一体的に延設され前記ソケットの前記収容部内に挿入される押圧部とを有し、前記押圧部には前記押圧脚部が形成され、前記ソケットには前記拡開部が形成されていることが好ましい。
このような構成によれば、プラグは、ソケットのプラグ用開口を塞ぐ基部と、この基部から一体的に延設された押圧部とを有しているから、ソケットのプラグ用開口を基部によって塞ぐことができる。従って、外観的にも良好にできるとともに、塵埃などがソケット内に侵入するのを防止できる。
また、プラグ側に係止部に向かって拡開可能な複数本の押圧脚部が、ソケット側に拡開部が形成されているから、製造が容易である。例えば、ソケット側に拡開可能な複数本の押圧脚部を形成しようとすると、筒状のソケット内部に拡開可能な複数本の押圧脚部を形成しなければならないから、製造が面倒であるが、上記構成であれば、製造が容易である。とくに、これらを樹脂の射出成形で成形しようとした場合、金型の加工が極めて複雑になるため、工数が掛かるという課題もある。
【0012】
本発明の紐止め具において、前記押圧脚部は、前記押圧部の先端部に形成され、前記拡開部は、前記ソケットの前記紐用開口近傍に形成されていることが好ましい。
ここで、ソケットの紐用開口近傍とは、筒状のソケット中心より紐用開口側を指す。
このような構成によれば、プラグがソケットに殆ど挿入された状態になったときに、拡開部が押圧脚部に当接するが、それまでは、拡開部が押圧脚部に当接しないので、プラグの挿入に大きな負荷が発生しない。従って、組立性に優れる。
やがて、プラグがソケットに殆ど挿入された状態になると、拡開部が押圧脚部に当接し、押圧脚部を拡開させる。つまり、プラグがソケットに殆ど挿入された状態では、ソケットに対してプラグの姿勢も最も安定しているので、押圧脚部の拡開動作も安定して行うことができる。そのため、押圧脚部と係止部とによって、紐端部を確実に挟持できる。
また、紐端部は、押圧脚部が拡開動作されるまでは固定されず、さらに、拡開動作開始から紐端部がソケットに固定されるまでのプラグの動作距離も短いので、紐端部の位置もずれることがなく、安定して固定できる。
【0013】
本発明の紐止め具において、前記拡開部は、前記ソケットに対する前記プラグの挿入方向に対して逆方向へ向かうに従って先細形状に形成されていることが好ましい。
このような構成によれば、プラグをソケットに対して挿入し、拡開部が押圧脚部に当接する際、拡開部がプラグ挿入方向に対して逆方向へ向かうに従って先細形状に形成されているから、押圧脚部を拡開させやすい。
【0014】
本発明の紐止め具において、前記拡開部は、前記複数の係止部の間に配置されていることが好ましい。
このように構成によれば、拡開部が複数の係止部の間に配置されているから、押圧脚部が紐端部を係止部の中央から押圧するため、強い挟持力で紐端部を挟持できる。
【0015】
本発明の紐止め具において、前記係止部は、前記ソケットの中心に向かうに従って拡開するV溝によって構成されていることが好ましい。
このような構成によれば、紐端部が押圧脚部によって係止部へ押圧された際、係止部がV溝によって構成されているから、紐端部の引き抜き抵抗が大きく、止着効果が高い。
【0016】
本発明の紐止め具において、前記プラグは、前記紐端部を仮固定する仮固定部を備えていることが好ましい。
このような構成によれば、紐端部をソケットの紐用開口から挿入し、収容部を通してプラグ用開口から突出させたのち、プラグの仮固定部に仮固定させる。この状態において、紐端部を引き戻しながら、プラグをソケットのプラグ用開口に挿入すれば、紐端部を所定の姿勢でソケットの収容部内に収容することができる。その後、押圧脚部によって紐端部が係止部に押圧されるので、確実な止着が期待できる。
【0017】
本発明の紐止め具において、前記プラグの押圧部には、先端部に前記押圧脚部を形成する第1スリットが前記プラグの挿入方向に沿って形成されているとともに、根本部に前記第1スリットと略直交する第2のスリットが形成され、この第2スリットによって分割された分割壁の一方の前記根本部側には切欠部が形成されているとともに、前記分割壁には、前記第2スリットを挟んで対向する挟持片が突出形成され、この対向する挟持片により前記仮固定部が形成されていることが好ましい。
このような構成によれば、プラグの押圧部の先端部に押圧脚片を形成する第1スリットがプラグの挿入方向に沿って形成されているから、押圧脚部を第1スリットによって互いに開く方向へ弾性変形させることができ、押圧脚部による紐端部の挟持を確実に行うことができる。また、仮固定部である挟持片が形成された分割壁の一方には切欠部が形成されているから、紐端部の太さに変動があっても、分割壁の弾性変形により、紐端部を確実に挟持できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本実施形態の紐止め具2を構成するソケット10およびプラグ20を示す分解斜視図、図2はソケット10の縦断面図、図3はプラグ20の側面図、図4はプラグ20に紐端部1Aを仮固定した状態の側面図、図5はソケット10およびプラグ20の組込状態の断面図である。図6はプラグ20がソケット10に挿入される前の状態を示す図、図7はプラグ20がソケット10に完全に挿入される直前の状態を示す図、図8はプラグ20がソケット10に完全に挿入された状態を示す図、図9はプラグ20がソケット10に完全に挿入された状態において紐端部が係止された状態を示す図(図8のIX−IX線断面図)である。
【0019】
<構造説明>
本実施形態の紐止め具2は、図1に示すように、U字状に屈曲させた紐1の2つの紐端部1Aを収容可能な本体3を有する。
紐1は、たとえば、ジッパーのスライダの孔に挿通されて2つに屈曲され、各紐端部1Aが紐止め具2に挿入された状態で使用(スライダを操作する際につまみとして利用)される。なお、紐1の断面形状(例えば、丸紐や平紐など)や材質などについては、問わないが、例えば、ゴム紐のような縮径率が大きいものについてはより効果を発揮できる。本体3は、略扁平長円筒状のソケット10と、このソケット10内に挿入係合されるプラグ20とを備えている。これらのソケット10およびプラグ20は、例えば合成樹脂の射出成形品として構成される。
【0020】
ソケット10は、図1、図2および図5に示すように、隙間を隔てて対向する直線壁10A,10Bおよびその両端に形成された円弧壁10C,10Dを有する略扁平長円筒状体に形成されている。筒状体の一端には紐端部1Aが挿入される紐用開口11が、他端にはプラグ20が挿入されるプラグ用開口12がそれぞれ形成されているとともに、中間部には紐用開口11およびプラグ用開口12に連通されかつ紐用開口11から挿入された紐端部1Aを所定長さにわたって収容する収容部13が形成されている。
【0021】
収容部13は、プラグ20の挿入方向に対する直交方向の断面形状が、プラグ用開口12と略同一形状で、かつ、プラグ20の挿入方向に沿って略同一形状(略扁平長円形状)に形成されている。詳細に述べると、円弧壁10C.10D間の寸法は、プラグ20の挿入方向において略同一寸法であるが、直線壁10A,10B間の寸法は、プラグ20の挿入方向へ向かうに従って次第に狭くなるようなテーパ筒状に形成されている。
【0022】
収容部13の紐用開口11側には、収容部13内に収容された2つの紐端部1Aを係止する2つの係止部14が形成されているとともに、これら2つの係止部14の中間に拡開部17が形成されている。
各係止部14は、紐用開口11側の円弧壁10C,10DにV溝として形成されている。つまり、円弧壁10C,10Dから収容部13の中心へ向かうに従って対向する直線壁10A,10B中央に達する傾斜壁15が形成され、この傾斜壁15の間に係止部14であるV溝が形成されている。傾斜壁15のV溝開口縁には、微小V溝16が複数形成され、紐端部1Aの引き抜き抵抗が大きくなる(食い付きがより高くなる)ように構成されている。
拡開部17は、2つの係止部14の中間において、直線壁10A,10Bの内面に中心に向かって突出形成された凸部によって構成されている。凸部は、プラグ20がソケット10に挿入する方向(プラグ挿入方向)に対して逆方向へ向かうに従って先細形状に形成されている。
【0023】
収容部13のプラグ用開口12側には、プラグ20がソケット10内の所定位置まで挿入された際、具体的には、後述するプラグ20の押圧部22がソケット10内に挿入された際、プラグ20と係合する係合溝18が形成されている。係合溝18は、プラグ用開口12側の直線壁10A,10B内面中央位置に一定幅で所定深さに形成されている。係合溝18の奥側段部は、紐用開口11に向かうに従って収容部13中心へ傾斜するテーパ壁に形成されている。
【0024】
プラグ20は、図1、図3、図4および図5に示すように、ソケット10のプラグ用開口12を塞ぐ基部21と、この基部21から一体的に延設されソケット10の収容部13内に挿入される押圧部22とを有する。
基部21は、ソケット10のプラグ用開口12に嵌合する輪郭形状、つまり、厚みが略一様で、プラグ挿入方向から見た形状が略扁平長円形状に形成されている。
押圧部22には、先端側に各係止部14に向かって拡開可能で紐端部1Aを係止部14へ押圧する一対の押圧脚部24が形成されているとともに、根本側に紐端部1Aを仮固定する弾性変形可能な挟持片35を有した仮固定部36が形成されている。
具体的には、押圧部22の中間位置から先端にかけて、2つの押圧脚部24を分割形成する第1スリット23がプラグ20の挿入方向に沿って形成されているとともに、押圧部22の中間位置から根本部にかけて、第1スリット23と略直交する第2のスリット31が形成されている。
【0025】
押圧脚部24の先端面は、プラグ20の挿入方向に向かうに従って外側へ傾斜する斜面25、つまり、2つの押圧脚部24の先端形状が次第に広がるテーパ面に形成されている。このテーパ面は、プラグ20がソケット10に略半分以上挿入された際、本実施形態の場合、プラグ20がソケット10に殆ど挿入された際(プラグ20の押圧部22がソケット10内に挿入された際)に、拡開部17に当接される。この状態から、プラグ20が更に挿入されると、そのプラグ20の挿入に伴って押圧脚部24が各係止部14に向かって拡開されるようになっている。また、押圧脚部24の第1スリット23との対向面とは反対側面には、紐端部食込突起となる2つの食込突起26と、この先端側食込突起26を挟んだ両側にずれ規制突起27とが設けられている。食込突起26は、円錐形状に形成されているが、その頂角が円錐形状の底面部よりも押圧部22の根本寄りになるような形状に形成されている。
【0026】
第2スリット31によって分割された分割壁32の一方に、基部21との間に切欠部33が形成されている。両分割壁32には、ソケット10の係合溝18に嵌合する係合爪34が形成されているとともに、第2スリット31を挟んで対向する一対の挟持片35が突出形成されている。この対向する挟持片35の間には仮固定部36が形成されている。係合爪34は、両分割壁32の外面から基部21へ向かうに従って次第に外方へ傾斜したのち、中心に向かって直角に成形された断面直角三角形状に形成されている。挟持片35の内面は、中間より先端に向かうに従って次第に外側へ傾斜するテーパ面に形成され、これにより、紐端部1Aの挟持片35間への挿入を容易にしている。
【0027】
<組立方法の説明>
まず、図6に示すように、紐1の2つの紐端部1Aをソケット10の紐用開口11から挿入し、収容部13を通してプラグ用開口12から引き出し、プラグ20の仮固定部36に仮固定する。具体的には、紐端部1Aをプラグ20の挟持片35間に差し込む。この際、紐端部1Aの太さが挟持片35間の間隔より太い場合でも、両分割壁32のうちの一方の挟持片35が設けられた分割壁32が外方へ弾性変形可能であるため(切欠部33によって一方の分割壁32が外方へ弾性変形可能であるため)、一対の挟持片35によって紐端部1Aを係止することで仮固定できる。
【0028】
次に、図7に示すように、指で基部21をソケット10の方向へ押しながら、紐1をソケット10から引き抜いていくと、プラグ20がソケット10内に挿入されるに従って、プラグ20の2つの押圧脚部24が互いに接近する方向へ弾性変形されていく。つまり、2つの紐端部1Aがソケット10の係止部14に当接しながらソケット10から引き抜かれるため、係止部14からの反力が発生する。すると、その反力が紐端部1Aを通じて2つの押圧脚部24に作用するため、これらが互いに接近する方向へ弾性変形される。この状態が、プラグ20がソケット10に完全に挿入される直前まで維持される。従って、プラグ20がソケット10に挿入されていっても、プラグ20がソケット10に完全に挿入される前までは、2つの押圧脚部24が互いに接近する方向へ弾性変形するため、プラグ20の挿入時に大きな負荷が発生することがない。そのため、プラグ20をソケット10にスムーズに挿入できる。
【0029】
やがて、プラグ20がソケット10に挿入され、プラグ20がソケット10に完全に挿入される直前になると、プラグ20の押圧脚部24がソケット10の拡開部17に当接する。
この状態から、プラグ20がソケット10に更に挿入され、プラグ20がソケット10に完全に挿入されると、図8に示すように、プラグ20の押圧脚部24が互いに離れる方向へ弾性変形され、ソケット10の各係止部14に向かって拡開される。すると、収容部13内に収容された紐端部1Aが押圧脚部24により係止部14に対して押圧される。その結果、収容部13内に収容された紐端部1Aが係止部14と押圧脚部24とに挟持されるから、紐端部1Aが係止部14と押圧脚部24とで挟持された状態で拘束される。
【0030】
このとき、紐端部1Aは、図9に示すように、押圧脚部24および食込突起26により押圧されて係止部14のV溝内に挟持され、かつ、V溝の内周縁のV溝16内にも食い込んだ状態であるため、引き抜き方向に対して大きな抵抗力が付与される。しかも、拡開部17が係止部14の中間に位置しているため、押圧脚部24が紐端部1Aを係止部14の真横(略中央)から押圧するため、強い挟持力で紐端部1Aを挟持できる。それに加え、プラグ20の食込突起26が紐端部1Aに食い込んだ状態となっているから、確実な固定が行える。
【0031】
<実施形態の効果>
(1)プラグ20がソケット10に完全に挿入される直前までは、プラグ20の押圧脚部24がソケット10の拡開部17に当接することはないので、プラグ20をソケット10にスムーズに挿入することができる。従って、プラグ20がソケット10に完全に挿入される直前までは、プラグ20をソケット10にスムーズに挿入することができるから、組立性に優れる。
【0032】
(2)プラグ20がソケット10に完全に挿入される直前になると、拡開部17が押圧脚部24に当接し、押圧脚部24を係止部14に向かって拡開させるから、収容部13内に収容された紐端部1Aが押圧脚部24により係止部14に対して押圧される。つまり、収容部13内に収容された紐端部1Aが係止部14と押圧脚部24とに挟持されるから、紐端部1Aが拘束される。従って、紐1が縮径率の大きいエラストマ素材等であっても、紐端部1Aを係止部14内において確実に拘束でき、抜ける等の不都合を防止できるから、止着性能を向上させることができる。
【0033】
(3)プラグ20は、ソケット10のプラグ用開口12を塞ぐ基部21と、この基部21から一体的に延設されソケット10の収容部13内に挿入される押圧部22とから構成されているから、ソケット10のプラグ用開口12をプラグ20の基部21で塞ぐことができる。従って、外観的にも良好にできるとともに、塵埃などがソケット10内に入るのを防止できる。
【0034】
(4)押圧部22には係止部14に向かって拡開可能な複数本の押圧脚部24が、ソケット10側には拡開部17が形成されているから、製造が容易である。例えば、ソケット10側に拡開可能な複数本の押圧脚部を形成しようとうすると、その筒状のソケット10の内部に拡開可能な複数本の押圧脚部を形成しなければならないから、製造が面倒である。これに対し、本実施形態の構成であれば、製造が容易で、とくに、これらを樹脂の射出成形で成形しようとした場合、金型の加工も比較的容易(逆構成に比べ容易)にできる。
【0035】
(5)押圧部22の先端部に押圧脚部24が形成され、ソケット10の紐用開口11近傍に拡開部17が形成されているから、プラグ20がソケット10に殆ど挿入された状態になったときに、拡開部17が押圧脚部24に当接するので、押圧脚部24を安定して拡開できる。つまり、プラグ20がソケット10に殆ど挿入された状態では、ソケット10に対してプラグ20の姿勢も安定しているので、押圧脚部24を安定して拡開できる。
【0036】
(6)拡開部17は、プラグ20がソケット10に挿入する方向に対して逆方向へ向かうに従って先細形状に形成されているから、プラグ20をソケット10に対して挿入し、拡開部17が押圧脚部24に当接する際、押圧脚部24を拡開させやすい。
【0037】
(7)拡開部17は、2つの係止部14の間に配置されているから、押圧脚部24が紐端部1Aを係止部14の真横(略中央)から押圧するため、強い挟持力で紐端部1Aを挟持できる。しかも、プラグ20の食込突起26が紐端部1Aに食い込んだ状態となっているから、確実な固定が行える。
【0038】
(8)プラグ20は、紐端部1Aを仮固定する仮固定部36を備えているから、紐端部1Aをソケット10の紐用開口11から挿入し、収容部13を通してプラグ用開口12から突出させたのち、プラグ20の仮固定部36に仮固定させる。この状態において、紐端部1Aを引き戻しながら、プラグ20をソケット10のプラグ用開口12に挿入すれば、紐端部1Aを所定の姿勢でソケット10の収容部13内に収容することができる。その後、押圧脚部24によって紐端部1Aが係止部14に押圧されるので、確実な止着が期待できる。
【0039】
(9)プラグ20の押圧部22の先端部に押圧脚部24を構成する第1スリット23がプラグ20の挿入方向に沿って形成されているから、押圧脚部24を第1スリット23によって互いに開く方向へ弾性変形させることができ、押圧脚部24による紐端部1Aの挟持を確実に行うことができる。また、仮固定部36である挟持片35が形成された両分割壁32の一方には切欠部33が形成されているから、紐端部1Aの太さに変動があっても、両分割壁32の弾性変形により、紐端部1Aを確実に挟持できる。
【0040】
<変形例>
本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
前記実施形態では、プラグ20に、各係止部14に向かって拡開可能で紐端部1Aを係止部14へ押圧する複数本の押圧脚部24が設けられ、ソケット10に、プラグ20がソケット10に完全に挿入される直前に押圧脚部24に当接される拡開部17が設けられていたが、これらは逆でもよい。
つまり、ソケット10に複数本の押圧脚部24が設けられ、プラグ20に拡開部17が設けられた構成でもよい。例えば、ソケット10の内部に複数本の押圧脚部24を互いに接近可能かつ離間可能に設けるとともに、プラグ20に複数本の押圧脚部24を互いに離れる方向へ離間させる拡開部17を設けても、同様な作用効果が期待できる。
【0041】
前記実施形態では、プラグ20がソケット10に完全に挿入される直前に、プラグ20の押圧脚部24がソケット10の拡開部17に当接し、その後、プラグ20が更に挿入されるのに伴って、押圧脚部24が拡開部17によって拡開される構成であったが、少なくとも、プラグ20がソケット10に対して略半分以上挿入された際に、プラグ20の押圧脚部24がソケット10の拡開部17に当接し、その後、プラグ20が更に挿入されるのに伴って、押圧脚部24が拡開部17によって拡開される構成であってもよい。
【0042】
前記実施形態では、ソケット10の直線壁10A,10Bの内面に凸部を形成し、これを拡開部17としたが、必ずしも凸部でなくてもよい。例えば、図10に示すように、ソケット10の直線壁10A,10B間に跨る仕切壁41を形成し、この仕切壁41を拡開部としてもよい。要は、押圧脚部24を係止部14へ向かって拡開できる構造であれば、他の構造でもよい。
【0043】
前記実施形態では、2本の紐端部1Aを端部処理する紐止め具2を対象として説明したが、3本以上の紐端部(紐は1本でも、複数本でもよい)を端部処理する紐止め具であってもよい。この場合、ソケット10に設ける係止部14の数や、押圧脚部24の数についても、紐端部1Aの数に対応した数を設ける必要がある。
【0044】
前記実施形態では、ソケット10に係合溝18を設けるとともに、プラグ20に係合爪34を設け、プラグ20をソケット10内に挿入した際、係合爪34が係合溝18に係合してプラグ20がソケット10から外れないように構成したが、係合溝18や係合爪34については、必ずしも必要としない。紐端部1Aを係止部14と押圧脚部24とで挟持した状態になると、その挟持力によってソケット10、プラグ20および紐端部1Aが一体化するため、係合溝18や係合爪34は、必ずしも必要としない。
【0045】
前記実施形態では、プラグ20の押圧部22に第2スリット31を設けたが、第2スリット31を設けなくてもよい。つまり、挟持片35自体の弾性を利用して紐端部1Aを固定することができる。さらに、プラグ20に仮固定部36を設けたが、仮固定部36は特になくてもよい。
【0046】
前記実施形態では、ジッパーのスライダ操作用紐の紐止め具に適用した例について説明したが、本発明は、これに限らず、他の紐の端部処理用の止め具として利用できる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、各種用途の紐に対する紐止め具として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施形態のソケットおよびプラグを示す分解斜視図。
【図2】前記実施形態のソケットの縦断面図。
【図3】前記実施形態のプラグの側面図。
【図4】前記実施形態のプラグに紐端部を仮固定した状態の側面図。
【図5】前記実施形態において、ソケットにプラグを組み込んだ状態の縦断面図。
【図6】前記実施形態において、プラグがソケットに挿入される前の状態を示す図。
【図7】前記実施形態において、プラグがソケットに係合される直前を示す図。
【図8】前記実施形態において、プラグがソケットに係合された状態を示す図。
【図9】図8のIX−IX線断面図。
【図10】本発明の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0049】
1…紐、1A…紐端部、2…紐止め具、3…本体、10…ソケット、11…紐用開口、12…プラグ用開口、13…収容部、14…係止部(V溝)、17…拡開部、20…プラグ、21…基部、22…押圧部、23…第1スリット、24…押圧脚部、31…第2スリット、32…分割壁、33…切欠部、35…挟持片、36…仮固定部、41…仕切壁(拡開部)。




 

 


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