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発明の名称 係止具
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−20948(P2007−20948A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−208985(P2005−208985)
出願日 平成17年7月19日(2005.7.19)
代理人 【識別番号】100079083
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 實三
発明者 加藤 久典 / 金子 仁
要約 課題
係止操作および解除操作を比較的小さい力で行え、しかも、不用意に係止状態が解除されない係止具を提供する。

解決手段
ベルト4Aに固定される基体10と、ベルト4Bに固定され基体10に回動可能に設けられた係止体30とを備える。基体10には、係止部16が設けられているとともに、係止体30には、係止部16に係合離脱可能な係止爪42が設けられている。基体10には、負荷が所定方向に作用したとき、係止部16と係止爪42とがより係合する方向へ弾性変形する弾性変形部18が設けられている。
特許請求の範囲
【請求項1】
一方の部材4Aに対し他方の部材4Bを係止するとともに、係止状態において所定方向に負荷が作用する係止具5であって、
前記一方の部材4Aに固定される基体10と、前記他方の部材4Bに固定され前記基体10に回動可能に設けられた係止体30とを備え、
前記基体10および係止体30のいずれか一方には、係止部16が設けられているとともに、
前記基体10および係止体30のいずれか他方には、前記係止部16に係合離脱可能な係止爪40が設けられ、
前記基体10および係止体30の少なくとも一方には、前記負荷が所定方向に作用したとき、前記係止部16と前記係止爪40とがより係合する方向へ弾性変形する弾性変形部18が設けられていることを特徴とする係止具。
【請求項2】
一方の部材4Aに対し他方の部材4Bを係止するとともに、係止状態において所定方向に負荷が作用する係止具5であって、
前記一方の部材4Aに固定される基体10と、前記他方の部材4Bに固定され前記基体10に回動可能に設けられた係止体30とを備え、
前記基体10および係止体30のいずれか一方は、両側の側壁11,12、および、この両側側壁11,12の対向する両端側を連結する連結桟13,14を有する枠体に形成され、
この枠体は、前記両側側壁11,12間の一端側に形成された回動案内部15と、前記両側側壁11,12間の他端側に形成され前記一方の部材4Aに固定される固定部17と、前記回動案内部15と固定部17との間の前記両側側壁11,12間に形成された係止部16とを備え、
前記基体10および係止体30のいずれか他方は、前記係止部16に係合離脱可能な係止爪40を備え、
前記枠体の両側側壁11,12には、前記負荷が所定方向に作用したとき、前記係止部16と前記係止爪40とがより係合する方向へ弾性変形する弾性変形部18が設けられていることを特徴とする係止具。
【請求項3】
前記係止部16は、前記枠体から互いに内側に向かって突出され先端間に前記係止爪40が挿入可能な挿入溝20を有する一対の係止片21,22を含んで構成されていることを特徴とする請求項2に記載の係止具。
【請求項4】
前記係止部16は、前記一対の係止片21,22の先端部に形成された第1の係止部23と、前記一対の係止片21,22の側縁に沿って形成された第2の係止部24とを含んで構成され、
前記係止爪40は、前記第1の係止部23に係合離脱可能な第1の係止爪41と、前記第2の係止部24に弾性的に係合離脱可能な第2の係止爪42とを含んで構成されていることを特徴とする請求項3に記載の係止具。
【請求項5】
前記第2の係止爪42は、前記基体10および係止体30のいずれか他方に幅方向に沿ってかつ突出して設けられ、
前記第1の係止爪41は、前記第2の係止爪42の幅方向略中央位置に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の係止具。
【請求項6】
前記弾性変形部18は、前記枠体の両側側壁11,12に形成されたスリット溝18A,18Bを含んで構成されていることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の係止具。
【請求項7】
一方の部材4Aに対し他方の部材4Bを係止するとともに、係止状態において所定方向に負荷が作用する係止具5であって、
前記一方の部材4Aに固定される基体10と、前記他方の部材4Bに固定され前記基体10に回動可能に設けられた係止体30とを備え、
前記基体10および係止体30のいずれか一方には、第3の係止部50および第4の係止部60が前記所定方向に間隔をあけて設けられ、
前記基体10および係止体30のいずれか他方には、前記第3の係止部50に係合離脱可能な係止爪42が設けられ、
前記第3の係止部50と前記基体10および係止体30のいずれか一方との間には、前記負荷が所定方向に作用したとき、前記第3の係止部30が変位し前記第4の係止部60が前記係止爪42と係合する方向へ弾性変形する弾性変形部56が設けられていることを特徴とする係止具。
【請求項8】
前記基体10および係止体30のいずれか一方は、両側の側壁11,12、および、この両側側壁11,12の対向する両端側を連結する連結桟13,14を有する枠体に形成され、
この枠体は、前記両側側壁11,12間の一端側に形成され前記基体10および係止体30のいずれか他方との回動案内部15と、前記両側側壁11,12間の他端側に形成され前記一方の部材4Aに固定される固定部17と、前記回動案内部15と固定部17との間の前記両側側壁11,12間に形成された前記第3および第4の係止部50,60とを備え、
前記第4の係止部60は、前記両側側壁11,12から互いに内側に向かって突出され先端間に隙間61を有する一対の係止片62,63を含んで構成され、
前記第3の係止部50は、前記両側側壁11,12から互いに内側に向かって突出され中間部が前記隙間61に挿入された係止突起53を含んで構成され、
前記弾性変形部56は、前記第3の係止部50の前記両側側壁11,12から前記係止突起53までの間に形成されていることを特徴とする請求項7に記載の係止具。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、一方の部材に対し他方の部材を係止する係止具に関する。詳しくは、一方の部材に対し他方の部材を長さ調整可能に係止するため、一方の部材に対し他方の部材を締め付け固定するため、あるいは、一方の部材に対し他方の部材を連結固定するためなどに利用される係止具に関する。
【背景技術】
【0002】
一方の部材に対し他方の部材を長さ調整可能に係止するため、あるいは、一方の部材に対し他方の部材を締め付け固定するために係止具が利用されている。
たとえば、一方の部材に対し他方の部材を長さ調整可能に係止するための係止具として、懸垂帯の緩み止め付き長さ調節具(特許文献1参照)やバックル(特許文献2参照)などが知られている。
【0003】
特許文献1に記載の長さ調節具は、携帯用物入れなどに装着する懸垂体の長さを調整するもので、添付符号(特許文献1に付された符号)を用いて説明すると、固定部材4と、この固定部材4にヒンジを介して開閉可能に設けられた可動部材12とから構成されている。固定部材4には、複数の孔6,11、横棒7、ピン孔8および窪み9が形成されている。可動部材12には、複数の孔14,16、横棒15および前記ピン孔8に嵌合するピン17が形成されている。懸垂体1は、固定部材4の孔6,11から可動部材12の孔14,16を通り横棒15の回りに巻き付けられたのち、固定部材4の孔11に抜けるように挿通されている。
固定部材4に対して可動部材12が閉じられると、懸垂体1は、孔14,16を通る横棒15の回りに巻き付けられて摩擦力が高められ、緩み止めが働く。固定部材4に対して可動部材12が開くと、緩み止めが解除される。
【0004】
特許文献2に記載のバックルは、サスペンダーなどに使用されるもので、添付符号(特許文献2に付された符号)を用いて説明すると、回動可能に軸支された本体1と、係止体15とから構成されている。本体1には、係止孔4と係止部Cが幅方向に形成されている。係止体15には、係止条片19が形成されている。
本体1に対して係止体15を回動すると、本体1の係止部Cと係止体15の係止条片19の上面Mとが係合し、同時に、係止条片19の下面Nと本体1の係止孔4の下側内壁4bとの間でテープBを挟みつける。
【0005】
【特許文献1】特開2001−78806号公報
【特許文献2】実公平1−30883号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1および特許文献2に記載のいずれも、係止操作および解除操作に比較的大きな力が必要である。
つまり、特許文献1に記載の長さ調節具では、固定部材4に対して可動部材12を閉じると、可動部材12の先端部突起が固定部材4の先端部に弾性的に係合して閉じられる構造であるため、係止状態が外れないためには、可動部材12と固定部材4との嵌合状態が比較的強い状態で嵌合しなければならない。しかし、このようにすると、係止操作および解除操作に比較的大きな力が必要となる。
【0007】
また、特許文献2に記載のバックルでは、本体1に対して係止体15を回動すると、本体1の係止部Cと係止体15の係止条片19の上面Mとが係合する構造であるため、同様に、係止状態が外れないためには、本体1の係止部Cと係止体15の係止条片19との嵌合状態が比較的強い状態で嵌合しなければならない。しかし、このようにすると、係止操作および解除操作に比較的大きな力が必要となる。
【0008】
本発明の目的は、係止操作および解除操作を比較的小さい力で行え、しかも、不用意に係止状態が解除されない係止具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の係止具は、一方の部材に対し他方の部材を係止するとともに、係止状態において所定方向に負荷が作用する係止具であって、前記一方の部材に固定される基体と、前記他方の部材に固定され前記基体に回動可能に設けられた係止体とを備え、前記基体および係止体のいずれか一方には、係止部が設けられているとともに、前記基体および係止体のいずれか他方には、前記係止部に係合離脱可能な係止爪が設けられ、前記基体および係止体の少なくとも一方には、前記負荷が所定方向に作用したとき、前記係止部と前記係止爪とがより係合する方向へ弾性変形する弾性変形部が設けられていることを特徴とする。
ここで、一方の部材および他方の部材とは、必ずしも、ベルトや紐などに限られるものでなく、形状、材質、大きさなどは問わない。例えば、ベルトや紐などが取り付けられる部材で、衣服等では生地、バック等ではバック本体なども含む意味である。
【0010】
この発明によれば、基体に対して係止体を回動すると、係止爪が係止部に係合される。これにより、一方の部材に対し他方の部材が係止される。この係止状態において所定方向に負荷が作用すると、基体および係止体の少なくとも一方に設けられた弾性変形部が弾性変形される。つまり、係止部と係止爪とがより係合する方向へ弾性変形される。
従って、係止爪と係止部との係合状態を強くしなくても、使用時に所定方向に負荷が作用すると、係止部と係止爪とがより係合する方向へ弾性変形されるから、係止操作および解除操作を比較的小さい力で行え、しかも、不用意に係止状態が解除されない係止具を提供することができる。
【0011】
本発明の係止具は、一方の部材に対し他方の部材を係止するとともに、係止状態において所定方向に負荷が作用する係止具であって、前記一方の部材に固定される基体と、前記他方の部材に固定され前記基体に回動可能に設けられた係止体とを備え、前記基体および係止体のいずれか一方は、両側の側壁、および、この両側側壁の対向する両端側を連結する連結桟を有する枠体に形成され、この枠体は、前記両側側壁間の一端側に形成された回動案内部と、前記両側側壁間の他端側に形成され前記一方の部材に固定される固定部と、前記回動案内部と固定部との間の前記両側側壁間に形成された係止部とを備え、前記基体および係止体のいずれか他方は、前記係止部に係合離脱可能な係止爪を備え、前記枠体の両側側壁には、前記負荷が所定方向に作用したとき、前記係止部と前記係止爪とがより係合する方向へ弾性変形する弾性変形部が設けられていることを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、基体に対して係止体を回動すると、係止爪が係止部に係合される。これにより、一方の部材に対し他方の部材が係止される。この係止状態において所定方向に負荷が作用すると、つまり、枠体の回動案内部と固定部とが互いに離れる方向へ負荷が作用すると、枠体の両側側壁が接近する方向へ弾性変形される。すると、枠体の回動案内部と固定部との間の両側側壁間に形成された係止部の間隔が狭くなる。つまり、係止部と係止爪とがより係合する方向へ弾性変形される。
従って、係止爪と係止部との係合状態を強くしなくても、使用時に所定方向に負荷が作用すると、係止部と係止爪とがより係合する方向へ弾性変形されるから、係止操作および解除操作を比較的小さい力で行え、しかも、不用意に係止状態が解除されない係止具を提供することができる。
【0013】
本発明の係止具において、前記係止部は、前記枠体から互いに内側に向かって突出され先端間に前記係止爪が挿入可能な挿入溝を有する一対の係止片を含んで構成されていることが望ましい。
この発明によれば、基体に対して係止体を回動すると、係止爪が、枠体の両側側壁から互いに内側に向かって突出された一対の係止片間の挿入溝内に挿入されたのち、一対の係止片に弾性的に係合される。一対の係止片は両側側壁の中間に設けられているから、両側側壁の中間部は、係止爪が一対の係止片間の挿入溝内に挿入される際に互いに離れる方向へ弾性変形され、係止爪が一対の係止片に弾性的に係合されたのちに弾性復帰するから、係止操作をより小さい力で行うことができる。
【0014】
本発明の係止具において、前記係止部は、前記一対の係止片の先端部に形成された第1の係止部と、前記一対の係止片の側縁に沿って形成された第2の係止部とを含んで構成され、前記係止爪は、前記第1の係止部に係合離脱可能な第1の係止爪と、前記第2の係止部に弾性的に係合離脱可能な第2の係止爪とを含んで構成されていることが望ましい。
この発明によれば、基体に対して係止体を回動すると、第1の係止爪が第1の係止部に係合されるとともに、第2の係止爪が第2の係止部に係合される。この状態において、もし、基体と係止体とが回動軸線方向にずれても、第2の係止爪と第2の係止部とが常に係合しているから、外れにくい。もとより、第1の係止爪と第1の係止部との係合により、基体と係止体とが回動軸線に対して直交する方向にずれても、はずれにくい。
【0015】
本発明の係止具において、前記第2の係止爪は、前記基体および係止体のいずれか他方に幅方向に沿ってかつ突出して設けられ、前記第1の係止爪は、前記第2の係止爪の幅方向略中央位置に設けられていることが望ましい。
この発明によれば、第1の係止爪が、第2の係止爪の幅方向略中央位置に設けられているから、力を略均等に分散して負担できる。従って、負荷が作用しても、係止具が傾いてねじれることもなくすことができる。
【0016】
本発明の係止具において、前記弾性変形部は、前記枠体の両側側壁に形成されたスリット溝を含んで構成されていることが望ましい。
この発明によれば、枠体の両側側壁に形成されたスリット溝を含んで弾性変形部が形成されているから、枠体の剛性を維持しつつ、所定方向に負荷が作用した際に変形しやすい構造にできる。しかも、両側側壁にスリット溝を形成するだけでよいから、簡単に構成することができる。
【0017】
本発明の係止具は、一方の部材に対し他方の部材を係止するとともに、係止状態において所定方向に負荷が作用する係止具であって、前記一方の部材に固定される基体と、前記他方の部材に固定され前記基体に回動可能に設けられた係止体とを備え、前記基体および係止体のいずれか一方には、第3の係止部および第4の係止部が前記所定方向に間隔をあけて設けられ、前記基体および係止体のいずれか他方には、前記第3の係止部に係合離脱可能な係止爪が設けられ、前記第3の係止部と前記基体および係止体のいずれか一方との間には、前記負荷が所定方向に作用したとき、前記第3の係止部が変位し前記第4の係止部が前記係止爪と係合する方向へ弾性変形する弾性変形部が設けられていることを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、基体に対して係止体を回動すると、第3の係止爪が第3の係止部に係合される。これにより、一方の部材に対し他方の部材が係止される。この係止状態において所定方向に負荷が作用すると、第3の係止部が変位し第4の係止部が係合する方向へ弾性変形部が弾性変形される。
従って、係止爪と係止部との係合状態を強くしなくても、使用時に所定方向に負荷が作用すると、第3の係止部が変位し、第3の係止部とともに第4の係止部も係止爪と係合するから、係止操作および解除操作を比較的小さい力で行え、しかも、不用意に係止状態が解除されない係止具を提供することができる。
【0019】
本発明の係止具において、前記基体および係止体のいずれか一方は、両側の側壁、および、この両側側壁の対向する両端側を連結する連結桟を有する枠体に形成され、この枠体は、前記両側側壁間の一端側に形成され前記基体および係止体のいずれか他方との回動案内部と、前記両側側壁間の他端側に形成され前記一方の部材に固定される固定部と、前記回動案内部と固定部との間の前記両側側壁間に形成された前記第3および第4の係止部とを備え、前記第4の係止部は、前記両側側壁から互いに内側に向かって突出され先端間に隙間を有する一対の係止片を含んで構成され、前記第3の係止部は、前記両側側壁から互いに内側に向かって突出され中間部が前記隙間に挿入された係止突起を含んで構成され、前記弾性変形部は、前記第3の係止部の前記両側側壁から前記係止突起までの間に形成されていることが望ましい。
【0020】
この発明によれば、第4の係止部は、両側側壁から互いに内側に向かって突出され先端間に隙間を有する一対の係止片を含んで構成され、第3の係止部は、両側側壁から互いに内側に向かって突出され隙間に挿入された係止突起を含んで構成されているから、第3の係止部が変位し第4の係止部が係止爪と係合しても、左右均等に力を分散して受けることができる。しかも、弾性変形部は、第3の係止部の両側側壁から係止突起までの間に形成すればよいから、構造的にも簡単に、かつ、容易に構成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
第1実施形態を図1〜図7に示す。図1は本発明の係止具を締付用ベルトの係止具に適用した全体を示す斜視図、図2は係止具を開いた状態の斜視図、図3は係止具を開いた状態の断面図、図4は係止具を閉じた状態の断面図、図5は図2のV-V線断面図、図6は係止具を裏面から見た斜視図、図7は係止具を裏面から見た係止状態の斜視図である。
【0022】
本実施形態の係止具5は、図1に示すように、一方のベルト4Aに取り付けられる基体10と、他方のベルト4Bに取り付けられ基体10に回動可能に設けられた係止体30とを備え、基体10に対して係止体30が係止されると、ベルト4A,4Bによる締付作用が働き、基体10に対して係止体30が外れると、締付状態が解除される。締付状態おいては、所定方向(ベルト4A,4Bの長手方向)に負荷(引張力)をうける。
【0023】
基体10は、図2〜図4に示すように、両側の側壁11,12、および、この両側側壁11,12の対向する両端側を連結する連結桟13,14を有する矩形状の枠体に形成されている。
両側側壁11,12の基端側(図2において上側)は、他の部分より厚みが厚く形成され、互いに対向する内面に係止体30を回動可能に支持する回動案内部としての軸受孔15を備えている。連結桟13,14の間の両側側壁11,12間には係止部16が設けられているとともに、係止部16と連結桟14との間にはベルト4Aを挿通するベルト固定部17が、係止部16と連結桟13との間の側壁11,12には弾性変形部18が、それぞれ設けられている。
【0024】
係止部16は、両側側壁11,12から互いに内側に向かって突出され先端間に挿入溝20を有する一対の係止片21,22を備えている。一対の係止片21,22には、図5〜図7に示すように、外面先端縁に第1の係止部としての第1の係止面23が形成されているとともに、一対の係止片21,22の外面一側縁(連結桟14側の側縁)に沿って第2の係止部としての第2の係止面24が形成されている。
弾性変形部18は、負荷が所定方向に作用したとき、係止部16と後述する係止爪40とがより係合する方向へ弾性変形する機能を備えている。具体的には、弾性変形部18は、両側側壁11,12に形成されたスリット溝18A,18Bを含んで構成されている。
【0025】
係止体30は、図2〜図4に示すように、幅寸法が、基端部側において両側側壁11,12間の寸法より僅か小さい寸法に形成され、基端部から先端部に向かうに従って次第に幅広に形成されたのち、先端部において幅方向中央に向かう三角形状に形成されている。
係止体30の基端部において、幅方向両側には基体10の軸受孔15に回動可能に挿入支持される軸31が突設されているとともに、この間(2つの軸31の間)に2つの矩形状の凹部32が形成されている。軸31の外径は、軸受孔15の内径より小さく形成され、この間に比較的大きなクリアランス(ガタ)が形成されている。
係止体30の中間部において、幅方向に伸びる1本の桟33を挟んで基端側および先端側に2つのスリット孔34,35が形成されている。他方のベルト4Bが、スリット孔34から係止体30の内面側に挿入されたのち、桟33の回りに巻き付けられスリット孔35から係止体30の外面側に引き出される。つまり、これらの桟33およびスリット孔34,35が、他のベルト4Bを挿通固定するためのベルト固定部36として機能している。
【0026】
係止体30の先端部において、係止部16に係合離脱可能な係止爪40が設けられているとともに、三角形部分の中央位置に幅方向に長い長円孔43が形成されている。係止爪40として、第1の係止面23に弾性的に係合離脱可能な第1の係止爪41と、第2の係止面24に弾性的に係合離脱可能な第2の係止爪42とがそれぞれ設けられている。
第2の係止爪42は、図5〜図7に示すように、スリット孔35の内壁から内面に向かって立ち上がり、先端に係止突起42Aを備えている。
第1の係止爪41は、第2の係止爪42の先端幅方向略中央位置から基端部側へ向かってT字状に突出する係止突部41Aを備えている。
【0027】
このような構成において、基体10に対して係止体30を回動すると、つまり、係止体30と閉じると、係止体30の第1の係止爪41および第2の係止爪42が基体10の一対の係止片21,22に当接される。
まず、第2の係止爪42は、係止体30が更に閉じられるに伴い、一対の係止片21,22から離れる方向へ弾性変形されながら一対の係止片21,22と連結桟14との間のスリット内に挿入されていく。やがて、第2の係止爪42の係止突起42Aが一対の係止片21,22を越えると、第2の係止爪42が基の状態に復帰され、第2の係止爪42の係止突起42Aが一対の係止片21,22の第2の係止面24に係止される。
【0028】
また、第1の係止爪41は、係止体30が更に閉じられるに伴い、一対の係止片21,22を互いに離れる方向へ押圧する。すると、両側側壁11,12の中間部が外側に弾性変形される。このとき、両側側壁11,12の中間部にはスリット溝18A,18Bが形成されているから、弾性変形しやすい。やがて、第1の係止爪41の係止突部41Aが一対の係止片21,22を越えると、一対の係止片21,22が基の位置に復帰されるから、第1の係止爪41の係止突部41Aが一対の係止片21,22の第1の係止面23に係止される。
このようにして、基体10に対して係止体30が閉じられ、その状態に保持されると、ベルト4Bがベルト4Aに接近するから、これらベルト4A,4Bによる締付作用が働く。
【0029】
締付状態において、ベルト4A,4B(係止具5)には互いに離れる方向に力が働く(引張力が作用する)。
すると、基体10の枠体を構成する両側側壁11,12の両端側が互いに離れる方向へ引っ張られるから、枠体の両側側壁11,12が接近する方向へ弾性変形される。すると、枠体の回動案内部である軸受孔15とベルト固定部17との間の両側側壁11,12間に形成された一対の係止片21,22の間隔が狭くなる。つまり、第1の係止面23と第1の係止爪41とがより係合する方向へ弾性変形される。従って、不用意に係止状態が解除されない。
【0030】
また、基体10の軸受孔15と係止体30の軸31との間にクリアランスがあるため、基体10に対して係止体30がクリアランス分だけ移動することがある。
たとえば、係止体30が基体10の長手方向へクリアランス分だけ移動すると、第2の係止爪42と第2の係止面24との係合状態が小さくなるが、第1の係止爪41と第1の係止面23との係合状態は変化しないので、係止状態が解除されることがない。
また、係止体30が基体10の幅方向へクリアランス分だけ移動すると、第1の係止爪41と第1の係止面23との係合状態が小さくなるが、第2の係止爪42と第2の係止面24との係合状態は変化ないので、係止状態が解除されることがない。
【0031】
従って、第1実施形態によれば、次の効果が期待できる。
(1)第1の係止爪41と第1の係止面23との係合状態を強くしなくても、締付時の状態によってベルト4A,4Bが離れる方向により大きな負荷が作用すると、第1の係止面23と第1の係止爪41とがより係合する方向へ基体10が弾性変形されるから、係止操作および解除操作を比較的小さい力で行え、しかも、不用意に係止状態が解除されない係止具を提供することができる。
【0032】
(2)係止部16は、両側側壁11,12から互いに内側に向かって突出され先端間に第1の係止爪41が挿入可能な挿入溝20を有する一対の係止片21,22と、この一対の係止片21,22の先端部に形成され挿入溝20から挿入された第1の係止爪41を係止する第1の係止面23とを含んで構成されているから、基体10に対して係止体30を回動すると、第1の係止爪41が、枠体の両側側壁11,12から互いに内側に向かって突出された一対の係止片21,22間の挿入溝20内に挿入されたのち、第1の係止面23に弾性的に係合される。一対の係止片21,22は両側側壁11,12の中間に設けられているから、両側側壁11,12の中間部は、係止爪41が一対の係止片21,22間の挿入溝20内に挿入される際に互いに離れる方向へ弾性変形され、係止爪41が一対の係止片21,22に弾性的に係合されたのちに弾性復帰するから、係止操作をより小さい力で行うことができる。
【0033】
(3)一対の係止片21,22には、その側縁に沿って第2の係止面24が形成され、係止体30には、第2の係止面24に弾性的に係合離脱可能な第2の係止爪42が設けられているから、基体10に対して係止体30を回動すると、第1の係止爪41が第1の係止面23に係合されるとともに、第2の係止爪42が第2の係止面24に係合される。この係止状態において、もし、基体10と係止体30とが幅方向に対してずれても、第2の係止爪42と第2の係止面24とが常に係合しているから、外れにくい。もとより、第1の係止爪41と第1の係止面23との係合により、基体10と係止体30とが回動する軸31に対して直交する方向にずれても、はずれにくい。
【0034】
(4)第1の係止爪41は、第1の係止爪42の幅方向略中央位置に設けられているから、力を略均等に分散して負担できる。従って、負荷が作用しても、係止具が傾いてねじれることもなくすことができる。
【0035】
(5)弾性変形部18は、基体10の両側側壁11,12に形成されたスリット溝18A,18Bを含んで構成されているから、枠体の剛性を維持しつつ、所定方向に負荷が作用した際に変形できる構造にできる。しかも、両側側壁11,12にスリット溝18A,18Bを形成するだけでよいから、簡単に構成することができる。
【0036】
<第2実施形態>
第2実施形態を図8〜図11に示す。図8は第2実施形態の係止具を開いた状態の斜視図、図9は係止具を開いた状態の断面図、図10は係止具を閉じた状態の断面図、図11は係止具を閉じた状態において負荷が作用したときの様子を示す断面図である。なお、これらの図の説明にあたって、第1実施形態と同一構成要件については、同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
【0037】
第2実施形態の係止具5も、第1実施形態の係止具5と同様に、基体10と、この基体10に回動可能に設けられた係止体30とを備えるが、基体10に設けられる係止部と、係止体30に設けられる係止爪とが、第1実施形態とは異なる。
図8および図9に示すように、第2実施形態においては、係止体30に設けられる係止爪は、第1実施形態における第2の係止爪42のみである。また、基体10には、第3の係止部50および第4の係止部60が所定方向に間隔をあけて設けられているとともに、負荷が所定方向に作用したとき、第3の係止部50が変位し第4の係止部60が係止爪42と係合する方向へ弾性変形する弾性変形部56が設けられている。
【0038】
第4の係止部60は、両側側壁11,12から互いに内側に向かって突出され先端間に隙間61を有する一対の係止片62,63を含んで構成されている。この一対の係止片62,63の外面一側縁に沿って第4の係止面64が形成されている。
第3の係止部50は、両側側壁11,12から互いに内側に向かって突出された腕部51,52と、この腕部51,52の先端同士を連結しかつ隙間61に挿入された係止突起53を含んで構成されている。係止突起53の外面先端縁には、係止体30の係止爪42が係合する第3の係止面54が形成されている。第3の係止面54は、第4の係止面64より連結桟14に近い位置に設けられている。
弾性変形部56は、第3の係止部50の両側側壁11,12から係止突起53までの間、つまり、腕部51,52に形成されている。具体的には、腕部51,52の形状が、両側側壁11,12から内側に向かうに従って僅か連結桟13側に傾斜しかつ幅狭に形成され、略中央位置において、連結桟13側に湾曲したのち、係止突起53につながる形状に形成されている。
【0039】
このような構成において、基体10に対して係止体30を回動すると、つまり、係止体30を閉じると、係止体30の係止爪42が基体10の第3の係止部50、つまり、第3の係止面54に係止される(図10参照)。このとき、第4の係止面64は、係止爪42に対して僅か係止された状態にある。なお、この際、第4の係止面64が係止爪42に対して全く係合していない状態であってもよい。
この状態において、係止具5に互いに離れる方向に力が働く(負荷が作用する)と、図11に示すように、第3の係止部50が基体10の基端側へ変位される。つまり、腕部51,52が弾性変形して係止突起53が係止爪42と係合した状態のまま基体10の基端側へ変位される。すると、第4の係止部60の第4の係止面64も係止爪42と係止される。
従って、締付時に所定方向により大きな負荷が作用すると、第3の係止部50が変位し、第3の係止部50とともに第4の係止部60も係止爪42と係合する方向へ弾性変形されるから、不用意に係止状態が解除されることがない。
【0040】
従って、第2実施形態によれば、次の効果が期待できる。
(1)係止爪42と係止部50,60との係合状態を強くしなくても、締付時の状態によってベルト4A,4Bが離れる方向により大きな負荷が作用すると、第3の係止部50が変位し、第3の係止部50とともに第4の係止部60も係止爪42と係合する方向へ弾性変形されるから、係止操作および解除操作を比較的小さい力で行え、しかも、不用意に係止状態が解除されない係止具を提供することができる。
【0041】
(2)第4の係止部60は、両側側壁11,12から互いに内側に向かって突出され先端間に隙間61を有する一対の係止片62,63を含んで構成され、第3の係止部50は、両側側壁11,12から互いに内側に向かって突出された腕部51,52と、この腕部の先端に設けられ隙間61に挿入された係止突起53とを含んで構成されているから、第3の係止部が変位し第4の係止部が係止爪と係合しても、左右均等に力を分散して受けることができる。しかも、腕部51,52に弾性変形部56が形成されているから、構造的にも簡単に、かつ、容易に構成できる。
【0042】
<変形例>
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、第1,第2実施形態では、基体10をベルト4Aに固定したが、ベルト4Aを用いることなく、直接固定してもよい。その際、図12に示すように、基体10の外周に樹脂製の薄いプレート70を一体成形し、このプレート70の外周縁に沿って複数の孔71を一定ピッチで穿設し、この孔71を利用して基体10を一方の部材(あるいは他方の部材)としての被締付体などに縫い付け固定するようにしてもよい。
【0043】
また、第1,第2実施形態では、基体10に、係止部(第1、第2の係止面23,24、あるいは、第3、第4の係止面54,64)と弾性変形部18,56とを設け、係止体30に、係止爪(第1、第2の係止爪41,42)を設けたが、これらは逆でもよい。つまり、係止体30に、係止部(第1、第2の係止面23,24、あるいは、第3、第4の係止面54,64)と弾性変形部18,56とを設け、基体10に、係止爪(第1、第2の係止爪41,42)を設けてもよい。
【0044】
また、第1実施形態では、基体10に、第1の係止面23および第2の係止面24を設け、係止体30に第1の係止爪41および第2の係止爪42を設けたが、第1の係止面23および第1の係止爪41のみでもよい。
また、第2実施形態では、第4の係止部60の隙間61に第3の係止部50の係止突起53を配置したが、第4の係止部60については片側のみでもよい。
【0045】
また、第1,第2実施形態では、締付用ベルトの係止具に適用した例を説明したが、本発明は、これに限らず、他の用途にも適用できる。
たとえば、腕時計のバンド締付用係止具や、サポータの締付用係止具などとして利用することができる。ほかにも、一方の部材に対し他方の部材を長さ調整可能に係止するため、一方の部材に対し他方の部材を締め付け固定するため、あるいは、一方の部材に対し他方の部材を連結固定するためなどに利用できる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、締付用ベルトの係止具に利用できるほか、腕時計のバンド締付用係止具や、サポータの締付用係止具としても利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1実施形態を示す全体斜視図。
【図2】第1実施形態において、係止具の開いた状態の斜視図。
【図3】第1実施形態において、係止具の開いた状態の断面図。
【図4】第1実施形態において、係止具を閉じた状態の断面図。
【図5】図2のV-V線断面図。
【図6】第1実施形態において、係止具を裏面から見た斜視図。
【図7】第1実施形態において、係止具を裏面から見た係止状態の斜視図。
【図8】本発明の第2実施形態の係止具を開いた状態の斜視図。
【図9】第2実施形態において、係止具を開いた状態の断面図。
【図10】第2実施形態において、係止具を閉じた状態の断面図。
【図11】第2実施形態において、係止具を閉じた状態において負荷が作用したときの様子を示す断面図。
【図12】本発明の変形例を示す斜視図。
【符号の説明】
【0048】
4A…一方のベルト(一方の部材)、4B…他方のベルト(他方の部材)、5…係止具、10…基体、11,12…両側側壁、13,14…連結桟、15…軸受孔(回動案内部)、16…係止部、17…ベルト固定部、18…弾性変形部、18A,18B…スリット溝、20…挿入溝、21,22…係止片、23…第1の係止面(第1の係止部)、24…第2の係止面(第2の係止部)、30…係止体、31…軸、41…第1の係止爪、42…第2の係止爪、50…第3の係止部、51,52…腕部、53…係止突起、54…第3の係止面(第3の係止部)、56…弾性変形部、60…第4の係止部、62,63…係止片、64…第4の係止面。




 

 


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