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発明の名称 長尺根菜類の洗浄装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−97529(P2007−97529A)
公開日 平成19年4月19日(2007.4.19)
出願番号 特願2005−294380(P2005−294380)
出願日 平成17年10月7日(2005.10.7)
代理人 【識別番号】100106954
【弁理士】
【氏名又は名称】岩城 全紀
発明者 湯口 孝二
要約 課題
手洗いを強いられてきた扁平状の長芋や、葉付大根を自動的に連続洗浄することを可能とすることにより、洗浄、選別、箱詰めと言った一連の作業をシステム化し、出荷における合理化、省力化を可能とする長尺根菜類の洗浄装置を提供する。

解決手段
被洗浄物に対して高水圧の水を噴射することにより洗浄を行う高水圧噴射手段を備え、長手方向に添って配設された内方洗浄用ロールブラシ16、外側に位置する外方洗浄用ロールブラシ18、上方に位置する被洗浄物の飛びはね防止ブラシ20を有する長尺根菜類の洗浄装置において、内方洗浄用ロールブラシ16、外方洗浄用ロールブラシ18に植毛されている刷毛を被洗浄物が進む方向に傾けて植毛したことにより、被洗浄物に傷を付けることなく、洗浄を行うようにした。
特許請求の範囲
【請求項1】
フレーム本体と、洗浄装置とを備え、該洗浄装置は、被洗浄物に対して高水圧の水を噴射することにより洗浄を行う高水圧噴射手段を備えるとともに、前記フレーム本体の長手方向に添って配設された内方洗浄用ロールブラシ、該内方洗浄用ロールブラシに対して外側に位置する外方洗浄用ロールブラシ、該外方洗浄用ロールブラシに対して上方に位置する被洗浄物の飛びはね防止ブラシ、前記内方洗浄用ブラシと並行して配設された仕切部を有し、これらの3つのロールブラシは同一方向に回転するように設けられてなる長尺根菜類の洗浄装置において、
前記内方洗浄用ロールブラシ、外方洗浄用ロールブラシに植毛されている刷毛は、数十本から数百本の毛が束ねられることにより一束につき数ミリの外径寸法を有し、刷毛一束、一束の間隔は少なくとも、刷毛一束の外径以上の間隔をもって植毛され、且つ、被洗浄物が進む方向に傾けて植毛されていることを特徴とする長尺根菜類の洗浄装置。
【請求項2】
前記内方洗浄用ロールブラシ、外方洗浄用ロールブラシ、飛びはね防止ブラシは円柱状の芯材に対し、被覆材によって外周面が被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の長尺根菜類の洗浄装置。
【請求項3】
前記高水圧噴射手段には、前記内方洗浄用ロールブラシと外方洗浄用ロールブラシに対し、昇降調整自在とする昇降手段が配設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の長尺根菜類の洗浄装置。
【請求項4】
前記高水圧噴射手段の噴射ノズルは、前記内方洗浄用ロールブラシと外方洗浄用ロールブラシとの間の上方に配設されているとともに、該噴射ノズル先端の形状が、断面略扁平状に形成され、根菜類の投入口側或いは出口側から見た場合に、該噴射ノズルから水を略一直線となるように噴射することにより、回転しながら移動する被洗浄物に対して、ほぼ満遍なく水が噴射されるようにしたことを特徴とする請求項1〜3に記載の長尺根菜類の洗浄装置。
【請求項5】
前記内方洗浄用ロールブラシ、外方洗浄用ロールブラシには、間隔を隔てて、各ロールブラシよりも大径のリングブラシが同心円状に取り付けられていることを特徴とする請求項1〜4に記載の長尺根菜類の洗浄装置。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、長尺根菜類の洗浄装置に係わり、長尺根菜類には例えば大根、長芋、ごぼう等があるが、このうち、特に葉付大根、長芋の洗浄に好適な洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、消費者の健康志向の高まりを受け、特に葉付大根は、通常の大根よりも高価格で販売され、健康野菜に対する消費者のニーズは大幅に高まっている。従来、このような葉付大根の洗浄は、横送り式ロールブラシ洗浄機で葉付大根の根部のみを洗浄した後、大根の葉を水に浸しながら、人手による手洗いによって洗浄する方法などが採られている。
一方、本発明の出願人は、既に長尺根菜類自動洗浄装置(特願2000-69700号=特許第3343683号)を開発し、この長尺根菜類自動洗浄装置は、洗浄後の根菜類に傷がつかず、且つ日持ちがするなどの特徴を有している。
【特許文献1】特許第3343683号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、水などに浸して手作業、或いは横送り式ロールブラシ洗浄機で根部のみを洗浄して、葉部を手洗いして出荷する方法は、非常に手間の掛かる重労働であるとともに、洗浄、選別、箱詰めの一連の作業を連続して行うことができないため、大量出荷は困難である。また、大根の葉は水に浸し過ぎると、水分を吸って、劣化が進行して傷みやすくなる性質があり、このため、前記方法では、商品価値が低下すると言う問題点があった。
また、前述した長尺根菜類自動洗浄装置(特願2000-69700号=特許第3343683号)によっても葉付き大根を洗浄することは可能であるが、葉の形状によっては不具合が発生していた。具体的には、葉付き大根を洗浄した場合、葉に広がりを持った大根や扁平状になった長芋の場合、葉が水噴射ノズルにぶつかったり、ブラシにこすられて傷がつく場合があった。また、長芋を洗浄する場合でも扁平状の長芋の場合は傷をつけてしまう場合があった。
さらに、従来の根菜類自動洗浄装置は、円柱状をなすブラシ本体の材質として木を芯材として使用しているものが多いが、木にブラシの刷毛を直接植毛していたため、北海道や東北など、冬期間乾燥凍結する地域ではブラシ本体の木部が乾燥により割れが生じ、刷毛がブラシ本体から抜け落ちる場合があり、その結果、最悪1年程度の短いサイクルで交換しなければならないこともあり、維持管理に手間とコストがかかっていた。
【0004】
本発明は、このような諸事情に対処するために提案されたものであって、手洗いを強いられてきた扁平状の長芋や、葉付大根を自動的に連続洗浄することを可能とすることにより、洗浄、選別、箱詰めと言った一連の作業をシステム化し、出荷における合理化、省力化を可能とする長尺根菜類の洗浄装置を提供することを目的とする。
また、洗浄中に大根葉や、扁平状の長芋を傷つけることがなく商品価値を向上させることが可能であるとともに、ブラシ寿命を飛躍的に延ばし、ブラシ交換における作業手間と維持経費の削減を図り、且つ洗浄水の噴射ノズルの形状を見直すことで使用水量の低減を図ることが可能な長尺根菜類の洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、フレーム本体と、洗浄装置とを備え、該洗浄装置は、被洗浄物に対して高水圧の水を噴射することにより洗浄を行う高水圧噴射手段を備えるとともに、前記フレーム本体の長手方向に添って配設された内方洗浄用ロールブラシ、該内方洗浄用ロールブラシに対して外側に位置する外方洗浄用ロールブラシ、該外方洗浄用ロールブラシに対して上方に位置する被洗浄物の飛びはね防止ブラシ、前記内方洗浄用ブラシと並行して配設された仕切部を有し、これらの3つのロールブラシは同一方向に回転するように設けられてなる長尺根菜類の洗浄装置において、前記内方洗浄用ロールブラシ、外方洗浄用ロールブラシに植毛されている刷毛は、数十本から数百本の毛が束ねられることにより一束につき数ミリの太さを有し、刷毛一束、一束の間隔は少なくとも、刷毛一束の外径以上の間隔をもって植毛され、且つ、被洗浄物が進む方向に傾けて植毛されていることを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1において、前記内方洗浄用ロールブラシ、外方洗浄用ロールブラシ、飛びはね防止ブラシは円柱状の芯材に対し、被覆材によって外周面が被覆されていることを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2において、前記高水圧噴射手段には、前記内方洗浄用ロールブラシと外方洗浄用ロールブラシに対し、昇降調整自在とする昇降手段が配設されていることを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3において、前記高水圧噴射手段の噴射ノズルは、前記内方洗浄用ロールブラシと外方洗浄用ロールブラシとの間の上方に配設されているとともに、該噴射ノズル先端の形状が、断面略扁平状に形成され、根菜類の投入口側或いは出口側から見た場合に、該噴射ノズルから水を略一直線となるように噴射することにより、回転しながら移動する被洗浄物に対して、ほぼ満遍なく水が噴射されるようにしたことを特徴とする。
【0009】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4において、前記内方洗浄用ロールブラシ、外方洗浄用ロールブラシには、間隔を隔てて、各ロールブラシよりも大径のリングブラシが同心円状に取り付けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
上述のように、請求項1乃至5記載の発明によれば、内方洗浄用ロールブラシ、外方洗浄用ロールブラシに植毛されている刷毛は、数十本から数百本の毛が束ねられることにより一束につき外径数ミリの太さを有し、隣接する刷毛一束、一束の間隔は少なくとも、刷毛一束の外径以上の間隔をもって植毛され、且つ、被洗浄物が進む方向に傾けて植毛されている。即ち、洗浄用ロールブラシを構成する刷毛につき、密植することを避け、ある程度の間隔をもって刷毛の一束、一束を植毛しているので、洗浄時に被洗浄物が刷毛の上に載ったときに、刷毛の弾力性を維持しながら被洗浄物に刷毛が当接し、その表面を傷付けるのを防止しつつ、確実に洗浄することが可能となったものである。また、同時に刷毛の弾力性が維持される結果、刷毛自身の耐久性も向上するというメリットがある。
加えて、刷毛を被洗浄物が進む方向に傾けて植毛したことから、根菜の洗浄時に、被洗浄物である根菜の表面に当接するのは刷毛の先端ではなく側面が当接するため、傷の付き易い葉付大根や、平芋などを傷つけることなく洗浄することができる。
さらに、各ロールブラシは、刷毛を構成する毛を数十本から数百本の束を複数植毛して構成しているため、洗浄水を毛細管現象によって刷毛全体で保水しつつ、ブラシの回転により生じる遠心力によって刷毛の先端に水が集まるようになる。そして、刷毛を被洗浄物が進む方向に傾けて植毛したこととも相まって、水が刷毛から飛び出しにくくなり、この結果、洗浄時のブラシの表面は水膜で覆われた状態となる。この水膜の上を、被洗浄物である根菜類が回転しながら進むため、前述した一束同士の間隔を空けて植毛したこともプラスに作用し、ブラシの回転による根菜類表面への傷付きを防止しながら、確実な洗浄が可能となったものである。
【0011】
特に、請求項2記載の発明によれば、内方洗浄用ロールブラシ、外方洗浄用ロールブラシ、飛びはね防止ブラシを形成する円柱状の芯材に対し、その外周面を被覆材によって被覆している。このため、芯材が冬季間の乾燥や凍結などから、保護され、ブラシの寿命を大幅に伸ばすことが可能となり、洗浄装置のメンテナンスに要する費用を削減することが可能となった。
【0012】
さらに、請求項3記載の発明によれば、被洗浄物に高圧の水を噴射することによって洗浄を行う高水圧噴射手段を昇降調整自在とする昇降手段を配設しているので、水を噴射するノズルの位置を被洗浄物の状態に合わせて微調整することができる。このため、例えば、葉に広がりを持った葉付大根の場合は、葉が噴射ノズルに接触しないように、高水圧噴射手段を上側へ移動させることで、葉を傷つけることなく洗浄することが可能である。
【0013】
請求項4記載の発明によれば、高水圧噴射手段の噴射ノズル先端の形状を、断面略扁平状に形成し、投入口或いは出口から見た場合に、噴射ノズルから水を、ほぼ一直線に見えるほど縦方向に極めて狭い角度で噴射するようにしている。これにより、移動する被洗浄物に対し、高圧水を無駄に飛散させることなく、噴射することが可能となり、少ない水量で効率的に洗浄を行うことができる。
【0014】
加えて、請求項5記載の発明によれば、内方洗浄用ロールブラシ、外方洗浄用ロールブラシに、間隔を隔てて、各ロールブラシよりも大径のリングブラシを取り付けているので、リングブラシによって被洗浄物の先端や、曲がり部、凹凸部などに付着した汚れを浮かしながら被洗浄物である根菜類が移動するため、高水圧噴射手段の水圧による洗浄を効果的に行うことが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係る長尺根菜類の洗浄装置の好適な実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0016】
図1は本発明の一実施形態に係る洗浄装置の概略斜視図、図2は洗浄装置の内部構成を示した斜視図、図3は洗浄装置の要部であるブラシの配置状況を示した正面図である。図1及び図2に示されるように、洗浄装置10は、フレーム本体12と、上部フレーム14と、内方洗浄用ロールブラシ16と、外方洗浄用ロールブラシ18と、飛びはね防止ブラシ20と、高水圧噴射手段22等とから構成され、本実施形態の洗浄装置10では右方洗浄装置10A、及び左方洗浄装置10Bの2列の洗浄ラインを備えている。
【0017】
図1及び図2に示されるように、フレーム本体12は、鉄材で製作された前部側一対の支脚12A,12Aと、後部側一対の支脚12B,12B等とを備え、これらの支脚のうち、前部側の支脚12Aは、後部側の支脚12Bよりも高く形成されている。上部フレーム14は、前部側の支脚12A、及び後部側の支脚12Bの上端間を前後方向に連結する前後枠14A,14Aと、前後枠14Aの前端部同士を横方向に連結する前部側横枠14Bと、前後枠14Aの後端部同士を横方向に連結する後部側横枠14Cとを有し、平面視矩形状に形成されている。上部フレーム14は、支脚12A及び12Bの高低差によってフレーム本体12に対し、0°〜30の角度で前部側が高くなるように傾斜して支持されている。また、図3に示されるように、上部フレーム14の前部側は、前部側横枠14Bを上辺とする正面視矩形状の枠体24が取り付けられている。
【0018】
前部側横枠14A、並びに後部側横枠14Bには、各ブラシの回転軸を軸支する支持部材26,26…が左右一対ずつ起立するように立設され、それぞれ正面から視ると略コ字状をなしている。各支持部材26には、内方洗浄用ロールブラシ16の回転軸を軸支する支持片26Aと、飛びはね防止ブラシ20の回転軸を軸支する支持片26Bがそれぞれ設けられている。また、前部側横枠14B、及び後部側横枠14Cには、外方洗浄用ロールブラシ18の回転軸を軸支する支持片28が設けられている。
【0019】
図2及び図3に示されるように、内方洗浄用ロールブラシ16、並びに外方洗浄用ロールブラシ18、飛びはね防止ブラシ20は相互に平行となるよう上部フレーム14上に配設され、各ブラシのうち、内方洗浄用ロールブラシ16、外方洗浄用ロールブラシ18及び飛びはね防止ブラシ20は、円柱状に形成されているとともに、このうち、内方洗浄用ロールブラシ16と外方洗浄用ロールブラシ18は同一寸法を有している。図2に示されるように、内方洗浄用ロールブラシ16と、外方洗浄用ロールブラシ18には、各ロールブラシよりも大径のリングブラシ32が、前後方向に所定の間隔を隔てて取り付けられている。内方洗浄用ロールブラシ16、外方洗浄用ロールブラシ18は、一定間隔を隔てて平行に配設されているが、各ロールブラシ16,18に取り付けられているリングブラシ32は、前後方向に交互に位置するように配置され、隣接する各ロールブラシ16,18の毛先に接触するように配設されている。また、外方洗浄用ロールブラシ18及び飛びはね防止ブラシ20は、所定の間隔を隔てて配設されている。
なお、内方洗浄用ロールブラシ16、並びに外方洗浄用ロールブラシ18は、中心が同一の高さとなるように設置してもよいし、或いは図3に示すように、ある程度段違いとなる高さで設置してもよい。
【0020】
外方洗浄用ロールブラシ18,18間には、仕切部30が外方洗浄用ロールブラシ18,18の前後に沿って、やはり各ブラシと平行となるように取り付けられ、右方洗浄装置10A、及び左方洗浄装置10Bとの間を仕切っている。また、図3に示されるように、枠体24の下部には、駆動モータ34,34が配設され、歯車とチェーンによって、内方洗浄用ロールブラシ16、外方洗浄用ロールブラシ18、飛びはね防止ブラシ20を、それぞれ回転させるようになっている。内方洗浄用ロールブラシ16、外方洗浄用ロールブラシ18及び飛びはね防止ブラシ20は、上部フレーム14上に設置されたカバー部31によって覆われている。
【0021】
図1に示されるように、カバー部31は、上部フレーム14上に取り付けられ、このカバー部31は、骨枠31Aと、カバー31Bとで構成されている。骨枠31Aは、上部フレーム14の上面に配置された右方洗浄装置10A、及び左方洗浄装置10Bを上方から覆うように構成された枠からなっている。カバー部31Bは、骨枠31Aの全面を覆うように張設されたビニールなどからなるシートで構成されている。カバー部31の前部側には被洗浄物が投入される入口シュート29Aが設けられているとともに、後部側には被洗浄物の出口シュート29Bが設けられている。
【0022】
次に、各ブラシの詳細な構成について説明する。図4は、内方洗浄用ロールブラシ16及び外方洗浄用ロールブラシ18の一部を示す側面断面図、並びにロールブラシ16,18に植毛されている刷毛の状態を図示した概略図である。図4(A)に示されるように、3種類の内方洗浄用ロールブラシ16、外方洗浄用ロールブラシ18、及び飛びはね防止ブラシ20は、いずれも木製の芯部33と、被覆部35、刷毛部37等とから構成されている。各ロールブラシ16,18の外周面を被覆している被覆部35としては、例えば塩ビ管、樹脂パイプ、ゴム管などが用いられ、この被覆部35によって木製の芯部33を保護している。
【0023】
図4(B)に示されるように、各ロールブラシ16,18の刷毛部37は、ブラシの中心部に対し洗浄を行う大根等の根菜類の進行方向に傾けて植毛されており、この刷毛部37は獣毛、樹脂系材料の毛、ナイロンの毛など、太さや種類を、1種類だけ又は数種類組み合わせて、数十本から数百本束ねられて構成されている。刷毛部37の太さは、束が例えば円形をなす場合は、数ミリの直径dを有するように形成されているとともに、刷毛部37,37・・の一束、一束の間隔Lは、少なくとも一束の太さであるd以上となるように植毛されている。このように、刷毛部37同士の間隔をあけたのは、被洗浄物が刷毛部37の上に載ったときに弾力性が失われず、進行方向に傾けて斜めに植毛したことと相まって被洗浄物を傷つけることがなく、刷毛部37自身の耐久性が向上するためである。即ち、洗浄時に被洗浄物が刷毛の上に載ったときに、刷毛の弾力性を維持しながら被洗浄物に刷毛部37が当接するため、大根などの表面を傷付けるのを防止しつつ、確実に洗浄することが可能となったものである。また、同時に刷毛部37の弾力性が維持される結果、刷毛部37を構成する1本1本の毛自体の耐久性も向上する。なお、図4で示した刷毛部37を構成する一束の形状は、円形のほか、楕円形など、用途に応じて適宜選択することができる。
【0024】
また、図4(B)に示されるように、各ロールブラシ16,18を、根菜類の投入口側或いは出口側から見た場合に、刷毛部37は束で植毛されているため、洗浄水を噴射すると毛細管現象で、刷毛部37の先端で保水効果を発揮し、ブラシ16,18が回転すると遠心力により刷毛部37先端に水が集まるとともに、図4(C)にも示されるように、刷毛部37が進行方向に傾斜して植毛されていることで、先端に集まった水が水膜X,X・・となって外側に飛び出しにくくなり、回転中においても刷毛部37先端の外側を水膜X,X・・で覆うことになる。それにより、これらの水膜X,X・・上を、被洗浄物である根菜類が回転しながら進むため、被洗浄物に直接刷毛部37が当たらす、ブラシに絡んで傷のつきやすい葉付き大根や、扁平状なために重量が偏ることにより、傷つきやすい平芋などを傷つけることなく洗浄することが可能となっている。一方、内方洗浄用ロールブラシ16及び外方洗浄用ロールブラシ18に取り付けられているリングブラシ32の刷毛は、進行方向に対し垂直方向に植毛されている。
なお、飛びはね防止ブラシ20については、図示していないが、同様に木製の芯部33を被覆部35によって被覆する構造であり、且つ斜め植毛ではなく進行方向に対して垂直に植毛されているが、内方洗浄用ロールブラシ16及び外方洗浄用ロールブラシ18と同様に斜めに傾けて植毛してもよい。
【0025】
高水圧噴射手段22は、昇降手段である上下微動装置22Aと、配管22Bと、噴射管22C等とから構成され、このうち、上下微動装置22Aにはパンタグラフタイプのネジ式ジャッキが2基用いられている。前後の上下微動装置22Aの間は、そのネジ部同士がハンドル19を有する棒材21を介して接続され、ハンドル19を回転させることにより、棒材21に回転力が伝達され、前後の上下微動装置22Aを協働して上下動させ、同じ距離だけ上下動させることができるようになっている。配管22Bは、カバー部31の上面に沿って前後方向に配設された左右一対のパイプからなり、後述するように、上下微動装置22Aと上下動可能に連結されている。
【0026】
図5は昇降手段である上下微動装置22Aによって高圧水噴射手段22を上下動させた場合の作用を示す概略側面図、並びに概略正面図である。図3及び図5に示されるように、上下微動装置22Aの可動部23は、左右の配管22B間に架設された水平軸36の中央部と接続され、上下方向の力を水平軸36に伝達することが可能となっている。また、前後の各水平軸36の端部には、カバー部31の前後に2本ずつ立設された支柱38,38に対し、摺動可能な内径のパイプ材40,40が取り付けられており、上下被動装置22Aの可動部23が上下動することによって水平軸36が両脇の支柱36にガイドされながら上下方向へ移動する。水平軸36は、例えば図5(A)に示される実線の位置から一点鎖線に示す位置まで配管22B全体を上下に移動させることができるようになっている。このように、上下微動装置22Aであるジャッキの上下動に従って噴射管22C全体が上下動するため、噴射ノズル22Dの上下位置を被洗浄物の種類や、汚れ具合、葉の状況等に応じて微調整することが可能である。
【0027】
噴射管22Cは、配管22Bの下面に、所定間隔をもって複数の噴射管が配設されており、各噴射管22Cは、カバー部31の天井面を上方から貫通する状態で垂下されている。噴射管22Cの先端には噴射ノズル22Dが取り付けられ、噴射ノズル22Dは、被洗浄物である根菜類の通り道となる内方洗浄用ロールブラシ16と外方洗浄用ロールブラシ18間の上方に位置している。噴射ノズル22Dは、その先端の断面形状が略扇状に形成されているため、噴射される水は、従来の洗浄装置のように円錐状ではなく、横方向から見ると扇状に噴射され、被洗浄物に対して満遍なく水が噴射されるようになっている。
【0028】
次に、前述した本実施形態の洗浄装置の洗浄時における作用について説明する。
図6は投入された被洗浄物の動きを示した説明図、図7は噴射ノズル22Dによって噴射される水の状態を示す説明図並びにリングブラシ32の作用を示す説明図、図8は曲がりのある被洗浄物の移動時における作用を示す説明図並びに飛びはね防止ブラシ20の作用を示す説明図である。
【0029】
図6(A)に示されるように、投入シュート29Aから投入された大根などの被洗浄物50は、内方洗浄用ロールブラシ16及び外方洗浄用ロールブラシ18に設けられた刷毛部37の作用によって被洗浄物50の底部と側部から力が働き、1本ずつ無理なく回転しながら洗浄装置内を移動していく。この際、内方洗浄用ロールブラシ16及び外方洗浄用ロールブラシ18には、それぞれリングブラシ32が一定間隔毎に前後方向に亘って取り付けられているため、図6(B)に示されるように、被洗浄物50はリングブラシ32によって進行方向に対し横向き、若しくは上向きの力が与えられ、内方洗浄用ロールブラシ16及び外方洗浄用ロールブラシ18との間を蛇行しながら移動していく。
また、前述したように、ロールブラシ16,18の刷毛部37は、被洗浄物50の進行方向に傾けて植毛されているため、後述する高水圧噴射手段22から噴射される洗浄水を、刷毛部37全体で保水しつつ、ブラシの回転による遠心力によって刷毛部37の先端付近に水を集めるため、刷毛部37の表面が水膜で覆われた状態となる。このため、図8(A)に示されるように、被洗浄物50である大根などが仮に曲がっていたり、扁平形状、凹凸を有している場合でも、その表面に刷毛部37による擦過傷などの傷を付けることなく移動させながら、被洗浄物50を洗浄することができる。
【0030】
被洗浄物50は、移動中において、高圧水噴射手段22の噴射ノズル22Dから噴射される水によって泥や汚れなどの洗浄が行われる。噴射ノズル22Dから噴射される水は、ノズル22Dの断面形状が扁平状に形成されているため、図7(A)の一点鎖線Yに示されるように、根菜類の投入口側或いは出口側から見た場合、ほぼ直線状をなすように水が噴射される。即ち、噴射ノズル22Dは、根菜類の通り道となる内方洗浄用ロールブラシ16と外方洗浄用ロールブラシ18間の上方から、水を略直線状に噴射するため、大根などの被洗浄物50に対し、満遍なく高圧の水による洗浄が行われるとともに、被洗浄物の通り付近のみに高圧の水を噴射するため、水の無駄な飛散が減少し、少ない水量で効果的な洗浄を行うことが可能となっている。また、被洗浄物50が葉付大根の場合には、水圧の力で、葉が跳ね上がるのを防止しながら洗浄作業を行うことができる。
前述したように、高圧水噴射手段22は、上下微動装置22Aによって被洗浄物50の状況に応じて、噴射手段22全体を上下させることができるので、例えば、葉に広がりを持った葉付大根の場合は、葉がノズル22Dに接触しない位置まで高水圧噴射手段22全体を上側へ移動させて洗浄することで、葉を傷つけることなく洗浄することが可能である。
【0031】
図7(B)に示されるように、洗浄中における内方洗浄用ロールブラシ16、外方洗浄用ロールブラシ18、飛びはね防止ブラシ20の回転方向は同一であり、本実施形態では右方洗浄装置10Aの場合は左回りであり、一方、左方洗浄装置10Bでは右回りに回転するようになっている。図8(B)に示されるように、移動中の被洗浄物50が二点鎖線に示すように跳ね上がった場合には、飛びはね防止ブラシ20によって回転力が作用し、被洗浄物50を元の位置に戻すように働く。これによって、被洗浄物50が飛び跳ねて洗浄が行われなくなると言った事態を防止することができる。
【0032】
以上説明したように、本実施形態の長尺根菜類の洗浄装置によれば、葉付大根などの長尺根菜類を連続的に自動運転で洗浄することが可能となる結果、人手による重労働を解消することができるとともに、本洗浄装置を、選別、箱詰めの作業を実施する一連のプラントに組み込むことが可能となり、出荷作業の合理化、省力化を図ることができる。特に、手洗いを余儀なくされていた扁平状長芋や、加工用の大径の大根の自動洗浄が可能なため、生産者の出荷時における作業効率が向上する。
また、傷つきやすい肌を有する根菜類についても、内方洗浄用ロールブラシ16と外方洗浄用ロールブラシ18の刷毛部37を傾けて植毛しているため、傷をつけることなく自動洗浄することができ、商品価値の向上に寄与する。
さらに、今まで廃棄されていた葉付大根の出荷を拡大することができるので、商品の差別化を図ることができ、高付加価値の商品として市場に提供することができる。また、内方洗浄用ロールブラシ16、外方洗浄用ロールブラシ18、飛びはね防止ブラシ20は、その外側を塩ビなどの被覆部35で覆っているため、木製の芯部33のブラシの場合、冬季間の乾燥や凍結から芯部33を保護することができ、ブラシの交換サイクルを長期化することが可能なため、その結果、維持コスト、交換作業に要する作業手間等を低減することが可能である。
加えて、洗浄装置そのものの構造がシンプルなため、組立作業が容易で使用者である農家自身がメンテナンスを行うことができると言う利点を有する。
【0033】
なお、本実施形態では、内方洗浄用ロールブラシ16、外方洗浄用ロールブラシ18、飛びはね防止ブラシ20の芯材として木製の部材を使用したが、植毛することができ、円柱状に加工可能で一定の強度を持つ部材であれば、木製には限定されない。また、本実施形態の洗浄装置は、右方洗浄装置10Aと、左方洗浄装置10Bとの2基の洗浄装置から構成したが、これには限定されず、単一の洗浄装置、或いは3基とするなど、その数は幾つでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0034】
以上説明したように、本発明によれば、手洗いを強いられてきた扁平状の長芋や、葉付大根を自動的に連続洗浄することを可能となり、洗浄、選別、箱詰めと言った一連の作業をシステム化することができ、出荷時の作業を合理化、省力化することが可能である。また、洗浄中に大根葉や、扁平状の長芋を傷つけることがないため、市場における商品価値を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の一実施形態に係る長尺根菜類の洗浄装置の概略斜視図である。
【図2】本実施形態における長尺根菜類の洗浄装置の内部構成を示した斜視図である。
【図3】同じく、本実施形態における長尺根菜類の洗浄装置の要部であるブラシの配置状況を示した正面図である。
【図4】同じく、本実施形態における長尺根菜類の洗浄装置の要部である内方洗浄用ロールブラシ及び外方洗浄用ロールブラシの一部を示す側面断面図、並びにロールブラシに植毛されている刷毛の状態を図示した概略図、洗浄時の作用の概略図である。
【図5】同じく、本実施形態における長尺根菜類の洗浄装置の要部である昇降手段である上下微動装置によって高圧水噴射手段を上下動させた場合の作用を示す概略側面図及び正面図である。
【図6】同じく、本実施形態における長尺根菜類の洗浄装置に投入された被洗浄物の動きを示した説明図である。
【図7】同じく、本実施形態における長尺根菜類の洗浄装置の要部である高圧水噴射手段によって噴射される水の状態を示す説明図である。
【図8】同じく、本実施形態における長尺根菜類の洗浄装置を使用して曲がりのある被洗浄物の移動時における作用を示す説明図、並びに飛びはね防止ブラシの作用を示す説明図である。
【符号の説明】
【0036】
10 長尺根菜類の洗浄装置
10A 右方洗浄装置
10B 左方洗浄装置
12 フレーム本体
12A 支脚(前部側)
12B 支脚(後部側)
14 上部フレーム
14A 前後枠
14B 前部側横枠
14C 後部側横枠
16 内方洗浄用ロールブラシ
18 外方洗浄用ロールブラシ
20 飛びはね防止ブラシ
22 高圧水噴射手段
22A 上下微動装置
22B 配管
22C 噴射管
22D 噴射ノズル
23 可動部
24 枠体
26 支持部材
26A 26B 28 支持片
29A 入口シュート
29B 出口シュート
30 仕切部
31 カバー部
31A 骨枠
31B カバー
32 リングブラシ
33 芯部
34 駆動モータ
35 被覆部
36 水平軸
37 刷毛部
38 支柱
40 パイプ材
50 被洗浄物
X 水膜





 

 


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