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発明の名称 プエラリア・ミリフィカの栽培方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−89568(P2007−89568A)
公開日 平成19年4月12日(2007.4.12)
出願番号 特願2006−215257(P2006−215257)
出願日 平成18年8月8日(2006.8.8)
代理人 【識別番号】100071434
【弁理士】
【氏名又は名称】手島 孝美
発明者 西田 嶺明
要約 課題
寒冷地においてもプエラリア・ミリフィカを安定に栽培する。

解決手段
プエラリア・ミリフィカの種子を酸処理又は熱処理し、この種子を栽培土壌に移植し、この栽培土壌を5°Cないし40°C、好ましくは10°Cないし30°Cの範囲内の温度に保持するとともに、栽培土壌の下方に水を供給することにより、プエラリア・ミリフィカの種子を発芽させ成長させ、栽培土壌を5°Cないし40°C、10°Cないし30°Cの範囲内の温度に保持するとともに、栽培土壌の下方への水の供給を停止することにより、プエラリア・ミリフィカの根を肥大化させる。プエラリア・ミリフィカの種子に代え、茎、芽又は葉の形成層、根の先端部、あるいは根塊の成長点を活着床に着床させ、これを栽培土壌に移植して栽培することもできる。
特許請求の範囲
【請求項1】
プエラリア・ミリフィカを栽培するに当たり、
プエラリア・ミリフィカの種子を酸処理又は熱処理する工程と、
この種子を栽培土壌に移植し、この栽培土壌を5°Cないし40°Cの範囲内の温度に保持するとともに、上記栽培土壌の下方に水を供給することにより、プエラリア・ミリフィカの種子を発芽させ成長させる工程と、
上記栽培土壌を5°Cないし40°Cの範囲内の温度に保持するとともに、上記栽培土壌の下方への水の供給を停止することにより、プエラリア・ミリフィカの根を肥大化させる工程と、
を備えたことを特徴とするプエラリア・ミリフィカの栽培方法。
【請求項2】
プエラリア・ミリフィカを栽培するに当たり、
プエラリア・ミリフィカの茎、芽又は葉の形成層、根の先端部、あるいは根塊の成長点を活着床に着床させる工程と、
着床した種子茎、芽又は葉の形成層、根の先端部、あるいは根塊の成長点を栽培土壌に移植し、この栽培土壌を5°Cないし40°Cの範囲内の温度に保持するとともに、上記栽培土壌の下方に水を供給することにより、プエラリア・ミリフィカを成長させる工程と、
上記栽培土壌を5°Cないし40°Cの範囲内の温度に保持するとともに、上記栽培土壌の下方への水の供給を停止することにより、プエラリア・ミリフィカの根を肥大化させる工程と、
を備えたことを特徴とするプエラリア・ミリフィカの栽培方法。
【請求項3】
上記栽培土壌を10°Cないし30°Cの範囲内の温度に保持するようにした請求項1又は2記載のプエラリア・ミリフィカの栽培方法。
【請求項4】
上記栽培土壌を温室内に設け、温室内を5°Cないし40°Cの範囲内の温度に保持し、プエラリア・ミリフィカの温室栽培を行うようにした請求項1又は2記載のプエラリア・ミリフィカの栽培方法。
【請求項5】
上記温室内を10°Cないし30°Cの範囲内の温度に保持するようにした請求項4記載のプエラリア・ミリフィカの栽培方法。
【請求項6】
上記温室内を栽培土壌の温度と実質的に等しい温度に保持するようにした請求項4又は5記載のプエラリア・ミリフィカの栽培方法。
【請求項7】
所定寸法の容器の底部に水耕設備を設け、その上に上記栽培土壌を入れ、プエラリア・ミリフィカの根域を上記容器内に制限するようにした請求項1又は2記載のプエラリア・ミリフィカの栽培方法。
【請求項8】
上記栽培土壌の下方への水の供給期間を9カ月、上記水の供給停止期間を3カ月とし、水の供給と供給停止を繰り返すようにした請求項1又は2記載のプエラリア・ミリフィカの栽培方法。
【請求項9】
上記温室内の日照時間を13時間以上とするようにした請求項1又は2記載のプエラリア・ミリフィカの栽培方法。
【請求項10】
上記栽培土壌に、石灰岩が風化した土壌を用いるようにした請求項1ないし9のいずれかに記載のプエラリア・ミリフィカの栽培方法。
【請求項11】
上記栽培土壌が、鹿沼土からなる表層土、落葉堆肥を含む肥沃土からなる中間層土及び石灰岩の風化した土壌からなる底層土の3層構造とした請求項1、2又は10のいずれかに記載のプエラリア・ミリフィカの栽培方法。
【請求項12】
上記栽培土壌の下方に、pH6〜7で、カルシウム成分を含有する水を供給するようにした請求項1又は2記載のプエラリア・ミリフィカの栽培方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明はプエラリア・ミリフィカの栽培方法に関し、特に寒冷地においても安定して栽培できるようにした方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プエラリア・ミリフィカ(Pueraria mirifica)はタイ国原産のマメ科植物であって、その根塊には特異なイソフラボノイド系物質が含有され、健康の増進と維持に効果があるとされている(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5)。
【0003】
高齢者の人口が増加する現代にあっては、プエラリア・ミリフィカの各種薬用効果、特に若返り薬や長寿薬としての効能が期待されることから、プエラリア・ミリフィカの安定した供給が求められる。
【0004】
【特許文献1】特表2003−508041号公報
【特許文献2】特開2001−348334号公報
【特許文献3】特開2001−220340号公報
【特許文献4】特開2001−181170号公報
【特許文献5】特開2000−302667号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、プエラリア・ミリフィカは熱帯植物であり、栽培し得る地域が熱帯地域に限定され、わが国、特に寒冷地ではプエラリア・ミリフィカを露地栽培することができず、安定して入手することが難しかった。
【0006】
本発明はかかる点に鑑み、寒冷地においても安定して栽培できるようにしたプエラリア・ミリフィカの栽培方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本件発明者らはプエラリア・ミリフィカの植物学的な特性について鋭意研究を重ねたところ、プエラリア・ミリフィカの栽培には温度、雨量及び土壌が重要であることを知見し、本発明を完成するに至った。
【0008】
本発明に係るプエラリア・ミリフィカの栽培方法は、プエラリア・ミリフィカを栽培するに当たり、プエラリア・ミリフィカの種子を酸処理又は熱処理する工程と、この種子を栽培土壌に移植し、この栽培土壌を5°Cないし40°C、好ましくは10°Cないし30°Cの範囲内の温度に保持するとともに、上記栽培土壌の下方に水を供給することにより、プエラリア・ミリフィカの種子を発芽させ成長させる工程と、上記栽培土壌を5°Cないし40°C、好ましくは10°Cないし30°Cの範囲内の温度に保持するとともに、上記栽培土壌の下方への水の供給を停止することにより、プエラリア・ミリフィカの根を肥大化させる工程と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係るプエラリア・ミリフィカの栽培方法は、プエラリア・ミリフィカを栽培するに当たり、プエラリア・ミリフィカの根塊、茎又は成長点を土壌床に活着させる工程と、活着した根塊、茎又は成長点を温室内の栽培土壌に移植し、この栽培土壌を5°Cないし40°C、好ましくは10°Cないし30°Cの範囲内の温度に保持するとともに、上記栽培土壌の下方に水を供給することにより、プエラリア・ミリフィカを成長させる工程と、上記栽培土壌を5°Cないし40°C、好ましくは10°Cないし30°Cの範囲内の温度に保持するとともに、上記栽培土壌の下方への水の供給を停止することにより、プエラリア・ミリフィカの根を肥大化させる工程と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
プエラリア・ミリフィカは最低土中温度0°C〜最高土中温度50°Cの範囲内で生存するが、最適な土中温度は年間を通じて5°Cないし40°C、好ましくは10°C〜30°Cの範囲内の温度(より好ましくは15°C)であり、かかる温度に維持することが重要である。そこで、寒冷地においてもプエラリア・ミリフィカを栽培できるように、例えば栽培土壌にヒータを埋設し、栽培土壌上にヒータを敷設し、土中温度を5°Cないし40°C、好ましくは10°C〜30°Cの範囲内の温度に維持するようにしている。
【0011】
また、プエラリア・ミリフィカを寒冷地においてより確実に栽培できるように、温室栽培を採用し、温室内にヒータ設備と開閉窓(必要に応じて送風設備)を設け、温室内を1年を通じて5°Cないし40°C、好ましくは10°C〜30°Cの範囲内の温度、好ましくは土壌温度と実質的に等しい温度に維持するのがよい。
【0012】
タイ国原産地ではプエラリア・ミリフィカは3月〜11月の雨期に緑の葉をつけて成長し、12月〜2月の乾期に落葉し、この成長期と落葉期を支配しているのは雨量、特にプエラリア・ミリフィカの植物根が利用できる地下水量である。本発明では地下水の形式で栽培土壌の下方に水を供給するようにしている。
【0013】
また、温室栽培において、水分供給を継続すると、落葉は起こらず、一年中緑の葉で覆われているが、落葉が起こらない。プエラリア・ミリフィカは落葉期に根塊の肥大が顕著であり、落葉がないと根塊の収穫が期待できない。そこで、栽培土壌の下方への水の供給と供給停止とを行い、育成期と落葉期とを人為的に作り出すようにしている。また、栽培土壌の土中温度を年間を通じて5°Cないし40°C、好ましくは10°C〜30°Cの範囲内の温度に維持し、これによってもタイ国原産地における乾期の刺激と同様の刺激をプエラリア・ミリフィカに対して与えることができる。
【0014】
プエラリア・ミリフィカは上述のように水を求める性質が非常に強く、地中深さ3m以上、横幅10m以上の広い領域にわたって根をはりめぐらし、あちこちに根塊を形成する。このような根塊の成長を管理し、又根塊を収穫する労力は非常に大きな負担となる。そこで、所定の大きさの容器の底部に水耕設備を設け、その上に栽培土壌を入れ、プエラリア・ミリフィカの根域を容器内に制限するようにするのがよい。
【0015】
育成期と落葉期の期間は特に限定されないが、タイ国原産地での育成条件に合わせて栽培土壌の下方からの水の供給期間を9カ月、水の供給停止期間を3カ月とするのがよい。また、プエラリア・ミリフィカの根塊が収穫できる程度に肥大化するのに数年間を必要とする。そこで、水の供給と供給停止を繰り返すようにするのがよい。
【0016】
日照時間は時期によって多少変化するので、タイ国原産地では電気照明を利用し、13時間以上の日照時間を確保している。そこで、本発明でも温室内の日照時間を13時間以上とするのがよい。
【0017】
タイ国原産地の土壌は石灰岩の風化した細土からできており、又石灰岩には割れ目があって極めて水はけがよい。そこで、温室内の栽培土壌には石灰岩が風化した土壌を用いるようにするのがよい。例えば、鹿沼土からなる表層土、落葉堆肥を含む肥沃土からなる中間層土及び石灰岩の風化した土壌からなる底層土の3層構造を採用することができる。
【0018】
プエラリア・ミリフィカの植物根は毛根が少なく、太い根が地下水のある方向に伸長し、地下1m以上の地中深くにまで根塊をつくる傾向がある。このことは温室栽培においても同様であると考えられるので、栽培土壌の深さも1m以上とするのがよい。
【0019】
さらに、タイ国原産地の水質はpHが6〜7であり、置換性塩基類が多く、カルシウム含有量が多いのが特徴である。そこで、栽培土壌の下方にはpH6〜7で、カルシウム成分を含有する水を供給するのがよい。
【0020】
原生のプエラリア・ミリフィカは山火事によって発芽する。そこで、プエラリア・ミリフィカの栽培を始めるにあたって、種子を酸処理又は熱処理することによって発芽を促すようにする。プエラリア・ミリフィカの種子を用いて栽培すると、収穫量にバラツキがあり、3年で1株平均20kgの収穫が可能である。しかし、いわゆる「さし木」か「とり木」の方式を用いると、3年で1株平均30kgを超える収穫が可能である。
【0021】
つまり、プエラリア・ミリフィカの茎、芽又は葉の形成層、根の先端部、あるいは根塊の成長点を採取して活着床に移した後、1〜2週間すると活着して成長を開始するので、栽培土壌に移し、前述の栽培条件によって管理・栽培すると、収穫量をアップさせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0023】
プエラリア・ミリフィカの根塊の成長点を種とし、これに殺菌処理を施した。殺菌処理は中性殺菌剤に漬けて行った。殺菌処理した根塊を成長ホルモン液に漬け、活着床に移した。根塊の成長点を活着床に移して1〜2週間程度すると、根塊の成長点が活着し、成長を開始した。そのことを確認した後、活着した根塊の成長点を温室の栽培土壌に移した。
【0024】
温室はヒータ設備及び開閉窓を設け、1年を通して、つまり夏期及び冬期において室内環境温度を最低10°C、最高30°Cの範囲内の温度、好ましくは15°Cの温度に維持できるようにした。
【0025】
また、温室内には栽培土壌を入れた容器を並べた。容器は木板を用いて横幅1m×高さ1mで縦数mの大きさに組み立て、縦をほぼ1m毎に仕切った。なお、横幅1m×高さ1m×縦1mの大きさに組み立ててもいい。この容器内の栽培土壌のうち、数cmの表層土には鹿沼土を、70cm〜80cmの中間層土には落葉堆肥を含む肥沃土を用い、底層土には原産地と同様に、石灰岩が風化した土壌を用い、三層構造とした。いずれの土壌も使用前に100°C〜120°Cの環境温度中でネット上に土壌を載せ、攪拌しながら0.15時間〜0.45時間で熱殺菌を行い、既存の病原性微生物を除去する。
【0026】
肥料は殺菌処理した肥沃土に落葉堆肥を混合して元肥として施したが、窒素、リン酸、カリウムなどを含んだ液肥を必要に応じて使用した。
【0027】
栽培土壌にもヒータ設備を埋設し、あるいは土壌の上に載せ、1年を通して土中温度を最低10°C、最高30°Cの範囲内の温度、好ましくは15°Cの温度に維持できるようにした。
【0028】
灌漑用水は容器の底部に水耕設備を設け、地下水形式で根に供給するようにした。水耕設備には例えば送水管の上半部に多数の孔をあけ、この送水管に送水する方式、あるいは栽培土壌の下側に不織布や小石を敷設し、不織布や小石に水を供給する方式、などを採用することができる。
【0029】
供給する水にはpH6〜7で、置換性塩基類、例えばCaCl2・2H2Oなどを含有する水を用いた。
【0030】
活着した根塊の温室内の栽培土壌への移植は3月に行い、11月まで上述の環境温度の保持と水の供給とを行った。その間は緑の葉が繁り、プエラリア・ミリフィカが成長し、その根は地下水源に向けて伸長した。12月になると、上述の環境温度の保持を行ったまま水の供給を停止し、その状態を2月まで継続した。その間に落葉が起こり、根が肥大化した。
【0031】
このプエラリア・ミリフィカの成長と根の肥大化とを3年間繰り返し、根塊を収穫した。収穫量は1株あたり30kgを超える量であった。
【実施例2】
【0032】
プエラリア・ミリフィカの茎の形成層を用いて増殖を行った以外、上記と同様にしてプエラリア・ミリフィカを栽培し、根塊を収穫した。
【実施例3】
【0033】
プエラリア・ミリフィカの葉の形成層を用いて増殖を行った以外、上記と同様にしてプエラリア・ミリフィカを栽培し、根塊を収穫した。
【実施例4】
【0034】
プエラリア・ミリフィカの芽の形成層を用いて増殖を行った以外、上記と同様にしてプエラリア・ミリフィカを栽培し、根塊を収穫した。
【実施例5】
【0035】
プエラリア・ミリフィカの根の先端部を用いて増殖を行った以外、上記と同様にしてプエラリア・ミリフィカを栽培し、根塊を収穫した。
【0036】
実施例2〜5における収穫量は実施例1のそれと同程度であった。
【実施例6】
【0037】
プエラリア・ミリフィカの種子を用い、これに0.1重量%の希塩酸を用いて酸処理を施した。酸処理した種子を温室の栽培土壌に移し、発芽を待った。発芽を確認した後、実施例1と同様に、温度管理と水の供給、及び水の供給停止を行い、プエラリア・ミリフィカの成長と根の肥大化とを3年間繰り返し、根塊を収穫した。
【実施例7】
【0038】
プエラリア・ミリフィカの種子に対して100°C〜150°Cで熱処理を施した以外、実施例6と同様にしてプエラリア・ミリフィカを栽培し、根塊を収穫した。
【0039】
実施例6、7における収穫量は1株あたり20kgまでであった。




 

 


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