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発明の名称 切り裂き特性を有するチーズ入り食品とその製造方法、および具材
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−20544(P2007−20544A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−220036(P2005−220036)
出願日 平成17年7月29日(2005.7.29)
代理人
発明者 岡部 俊彦
要約 課題

解決手段
特許請求の範囲
【請求項1】
蟹肉とまたは切り裂き特性を有する蒲鉾などの練製品と、チーズとから成り、このチーズに切り裂き特性が付与されていることを特徴とする、切り裂き特性を有するチーズ入り食品。
【請求項2】
蒲鉾などの練製品が繊維状を呈すると共にチーズを含んでおり、このような繊維状の練製品がランダムな交又状態にまたは方向を揃えた状態に形成された纏まりである、請求項1に記載の切り裂き特性を有するチーズ入り食品。
【請求項3】
蟹肉の、または繊維状を呈すると共にランダムな交又状態にまたは方向を揃えた状態に纏められて成る蒲鉾などの練製品の、その一纏まりの外側が、纏まりがほぐれる時に一緒にほぐれる程度の薄さのチーズの層で覆われて成る、請求項1に記載の切り裂き特性を有するチーズ入り食品。
【請求項4】
蟹肉の、または繊維状を呈すると共にランダムな交又状態にまたは方向を揃えた状態に纏められて成る蒲鉾などの練製品の、その一纏まりの外側が薄いチーズの層で覆われていると共に、このチーズの層に前記蟹肉や練製品の繊維の方向に合わせて多数の筋目が入れられて成る、請求項1に記載の切り裂き特性を有するチーズ入り食品。
【請求項5】
隣り合う繊維状の練製品が少なくともその一部で繋がった状態である、請求項2乃至請求項4の何れか一に記載の切り裂き特性を有するチーズ入り食品。
【請求項6】
蟹肉の繊維の、または繊維状を呈する蒲鉾などの練製品の繊維の、その表面部分が薄いチーズの層で覆われており、このような繊維状の構成物がランダムな交又状態にまたは方向を揃えた状態に纏められて成る、請求項1に記載の切り裂き特性を有するチーズ入り食品。
【請求項7】
蟹肉が、または繊維状を呈する蒲鉾などの練製品が、少なくともその一部で繋がって成るシート状体に、前記蟹肉や練製品がほぐれる時に一緒にほぐれる程度の薄いシート状体のチーズが重なっている、請求項1に記載の切り裂き特性を有するチーズ入り食品。
【請求項8】
前記練製品が蟹風味蒲鉾である、請求項1乃至請求項7の何れか一に記載の切り裂き特性を有するチーズ入り食品。
【請求項9】
蟹肉と、または繊維状を呈する蒲鉾などの練製品と、繊維状のチーズとが、ランダムな交又状態にまたは方向を揃えた状態に纏められて成る、請求項1に記載の切り裂き特性を有するチーズ入り食品。
【請求項10】
蟹肉と、または繊維状を呈する蒲鉾などの練製品と、切り裂き特性を有するストリングチーズとが、ランダムな交又状態にまたは方向を揃えた状態に纏められて成る、請求項1に記載の切り裂き特性を有するチーズ入り食品。
【請求項11】
前記蟹肉とまたは前記練製品と、前記チーズとが混在した状態である、請求項9または請求項10に記載の切り裂き特性を有するチーズ入り食品。
【請求項12】
前記蟹肉とまたは前記練製品と、前記チーズとが、各々層状を呈すると共にこれ等が積層された状態にある、請求項9または請求項10に記載の切り裂き特性を有するチーズ入り食品。
【請求項13】
繊維状のチーズを繋げて成るシート状体と、蟹肉または繊維状を呈する蒲鉾などの練製品を繋げて成るシート状体とが、重なった状態に纏められて成る、請求項1に記載の切り裂き特性を有するチーズ入り食品。
【請求項14】
前記練製品が蟹風味蒲鉾である、請求項9乃至請求項13の何れか一に記載の切り裂き特性を有するチーズ入り食品。
【請求項15】
蒲鉾などの練製品の層とチーズの層とから成ると共に繊維状を呈する、請求項1に記載の切り裂き特性を有するチーズ入り食品。
【請求項16】
蒲鉾などの練製品の層とチーズの層とから成ると共に繊維状を呈しており、このような繊維状の構成物がランダムな交又状態にまたは方向を揃えた状態に纏められて成る、請求項1に記載の切り裂き特性を有するチーズ入り食品。
【請求項17】
シート状を呈する蒲鉾などの練製品の上にチーズ層が形成されており、これの辺部分に薄皮を残して、多数の切れ目が入れられて切断されて成る、請求項1に記載の切り裂き特性を有するチーズ入り食品。
【請求項18】
シート状を呈する蒲鉾などの練製品の上にチーズ層が形成されており、この何れかの面側から他方の面側に向けて多数の筋目が入れられて成る、請求項1に記載の切り裂き特性を有するチーズ入り食品。
【請求項19】
蒲鉾などの練製品の部位とチーズの部位とが隣り合うようにして、1枚のシート状体が形成されており、これの辺部分に薄皮を残して、多数の切れ目が入れられて切断されて成る、請求項1に記載の切り裂き特性を有するチーズ入り食品。
【請求項20】
蒲鉾などの練製品の部位とチーズの部位とが隣り合うようにして、1枚のシート状体が形成されており、このシート状体に略平行に多数の筋目が入れられて成る、請求項1に記載の切り裂き特性を有するチーズ入り食品。
【請求項21】
多数の筋目が入れられたシート状を呈する蒲鉾などの練製品と、多数の筋目が入れられたシート状のチーズとが、筋目の方向を合わせるようにして重なった状態に纏められて成る、請求項1に記載の切り裂き特性を有するチーズ入り食品。
【請求項22】
前記シート状体が複数枚積層されて成る、請求項17乃至請求項21の何れか一に記載の切り裂き特性を有するチーズ入り食品。
【請求項23】
前記シート状体が束ねられた状態にまたは巻かれた状態にある、請求項17乃至請求項21の何れか一に記載の切り裂き特性を有するチーズ入り食品。
【請求項24】
前記練製品が蟹風味蒲鉾である、請求項15乃至請求項23の何れか一に記載の切り裂き特性を有するチーズ入り食品。
【請求項25】
シート状のチーズが、その辺部分に薄皮を残して多数の切れ目が入れられて成るか、または略平行に多数の筋目または多数の切れ目が入れられて成ると共に、目の方向を合わせるようして束ねられてまたは巻かれて芯状を成し、この芯の外側が蟹肉または切り裂き特性を有する蒲鉾などの練製品で覆われて成る、請求項1に記載の切り裂き特性を有するチーズ入り食品。
【請求項26】
繊維状のチーズまたは切り裂き特性を有するストリングチーズが、ランダムな交又状態にまたは方向を揃えた状態に纏められて芯状を成し、この芯の外側が蟹肉または切り裂き特性を有する蒲鉾などの練製品で覆われて成る、請求項1に記載の切り裂き特性を有するチーズ入り食品。
【請求項27】
前記練製品が蟹風味蒲鉾である、請求項25または請求項26に記載の切り裂き特性を有するチーズ入り食品。
【請求項28】
シート状を呈する蒲鉾などの練製品がチーズを含んでおり、このようなシート状体に、その辺部分に薄皮を残して多数の切れ目が入れられて成るか、または多数の筋目または切れ目が入れられて成る、請求項1に記載の切り裂き特性を有するチーズ入り食品。
【請求項29】
シート状を呈する蒲鉾などの練製品の表面に細かいチーズが付着しており、このようなシート状体に、その辺部分に薄皮を残して多数の切れ目が入れられて成るか、または多数の筋目または切れ目が入れられて成る、請求項1に記載の切り裂き特性を有するチーズ入り食品。
【請求項30】
前記シート状体が複数枚積層されて成る、請求項28または請求項29に記載の切り裂き特性を有するチーズ入り食品。
【請求項31】
前記シート状体が束ねられた状態にまたは巻かれた状態にある、請求項28または請求項29に記載の切り裂き特性を有するチーズ入り食品。
【請求項32】
前記練製品が蟹風味蒲鉾である、請求項28乃至請求項31の何れか一に記載の切り裂き特性を有するチーズ入り食品。
【請求項33】
更にこの外側が蟹肉または切り裂き特性を有する蒲鉾などの練製品で覆われて成る、請求項30または請求項31に記載の切り裂き特性を有するチーズ入り食品。
【請求項34】
前記練製品が蟹風味蒲鉾である、請求項33に記載の切り裂き特性を有するチーズ入り食品。
【請求項35】
蟹肉のまたは切り裂き特性を有する蒲鉾などの練製品の外側が、切り裂き特性を有するチーズで覆われて成ると共に、この層間に引き抜き可能な隔壁シートを有する、請求項1に記載の切り裂き特性を有するチーズ入り食品。
【請求項36】
シート状を呈する蒲鉾などの練製品に略平行に多数の筋目を入れるか、または多数の切れ目を入れると共に、シート状のチーズに略平行に多数の筋目を入れるか、または多数の切れ目を入れて、これ等のシート状体を目の方向を合わせるように重ね、さらに束ねるかまたは巻く、切り裂き特性を有するチーズ入り食品の製造方法。
【請求項37】
シート状を呈する蒲鉾などの練製品の上にチーズ層を形成し、このものに略平行に多数の切れ目を入れて切断し、これ等をランダムな交又状態にまたは方向を揃えた状態に纏める、切り裂き特性を有するチーズ入り食品の製造方法。
【請求項38】
シート状を呈する蒲鉾などの練製品の上にチーズ層を形成し、これの辺部分に薄皮を残して、略平行に多数の切れ目を入れて切断する、切り裂き特性を有するチーズ入り食品の製造方法。
【請求項39】
シート状を呈する蒲鉾などの練製品の上にチーズ層を形成し、この何れかの面側から他方の面側に向けて略平行に多数の筋目を入れる、切り裂き特性を有するチーズ入り食品の製造方法。
【請求項40】
前記シート状体を複数枚積層する、請求項38または請求項39に記載の切り裂き特性を有するチーズ入り食品の製造方法。
【請求項41】
前記シート状体を目が並ぶ方向に束ねるかまたは巻く、請求項38または請求項39に記載の切り裂き特性を有するチーズ入り食品の製造方法。
【請求項42】
前記練製品が蟹風味蒲鉾である、請求項36乃至請求項41の何れか一に記載の切り裂き特性を有するチーズ入り食品の製造方法。
【請求項43】
蒲鉾などの練製品となるすり身をシート状に形成し、このシート状体に略平行に多数の筋目を入れるかまたは多数の切れ目を入れると共に、目の方向を合わせるようして束ねるかまたは巻いてスティック状と成し、このスティックの外側をスティックがほぐれる時に一緒にほぐれる程度の薄さのチーズの層で覆う、切り裂き特性を有するチーズ入り食品の製造方法。
【請求項44】
シート状のチーズに略平行に、多数の筋目を入れるかまたは多数の切れ目を入れると共に、目の方向を合わせるようして束ねるかまたは巻いて芯を形成し、この芯の外側を蟹肉または切り裂き特性を有する蒲鉾などの練製品で覆う、切り裂き特性を有するチーズ入り食品の製造方法。
【請求項45】
繊維状のチーズまたは切り裂き特性を有するストリングチーズを、ランダムな交又状態にまたは方向を揃えた状態に纏めて芯を形成し、この芯の外側を蟹肉または切り裂き特性を有する蒲鉾などの練製品で覆う、切り裂き特性を有するチーズ入り食品の製造方法。
【請求項46】
前記練製品に蟹風味蒲鉾を用いる、請求項43乃至請求項45の何れか一に記載の切り裂き特性を有するチーズ入り食品の製造方法。
【請求項47】
蒲鉾などの練製品となるすり身にチーズを混入して、シート状に形成して加熱凝固させた後に、このシート状体にその辺部分に薄皮を残して多数の切れ目を入れるか、またはこのシート状体に略平行に多数の筋目または多数の切れ目を入れる、切り裂き特性を有するチーズ入り食品の製造方法。
【請求項48】
蒲鉾などの練製品となるすり身をシート状に形成し、このシート状体の表面に細かいチーズを付着させて加熱凝固させた後に、このシート状体にその辺部分に薄皮を残して多数の切れ目を入れるか、またはこのシート状体に略平行に多数の筋目または多数の切れ目を入れる、切り裂き特性を有するチーズ入り食品の製造方法。
【請求項49】
更にこのシート状体の複数枚を積層する請求項47または請求項48に記載の切り裂き特性を有するチーズ入り食品の製造方法。
【請求項50】
更にこのシート状体を目の方向を合わせるようして束ねるかまたは巻く、請求項47または請求項48に記載の切り裂き特性を有するチーズ入り食品の製造方法。
【請求項51】
更に蟹風味に調製する、請求項47乃至請求項50の何れか一に記載の切り裂き特性を有するチーズ入り食品の製造方法。
【請求項52】
更にこの外側を切り裂き特性を有する蒲鉾などの練製品で覆う、請求項47乃至請求項50の何れか一に記載の記載の切り裂き特性を有するチーズ入り食品の製造方法。
【請求項53】
繊維状のチーズがランダムな交又状態にまたは方向を揃えた状態に纏められており、この外側が可食性ケーシングで覆われていることを特徴とする、チーズ入り食品の具材。
【請求項54】
シート状のチーズが、その辺部分に薄皮を残して多数の切れ目が入れられて成るか、または略平行に多数の筋目または多数の切れ目が入れられて成ると共に、目の方向を合わせるようして束ねられてまたは巻かれて芯状を成し、この芯の外側が可食性ケーシングで覆われて成る、チーズ入り食品の具材。
【請求項55】
チーズが混入したすり身がシート状に形成されており、その辺部分に薄皮を残して多数の切れ目が入れられて成るか、または略平行に多数の筋目または多数の切れ目が入れられて成ると共に、目の方向を合わせるようして束ねられてまたは巻かれて芯状を成し、この芯の外側が可食性ケーシングで覆われて成る、チーズ入り食品の具材。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、チーズ入り食品とその製造方法、および具材に係り、特に切り裂き特性を有するものに関する。
【背景技術】
【0002】
蟹や貝柱やスルメイカやフカ鰭や松茸などの食品に共通している性質として、指や箸で裂けると言う切り裂き特性を上げることが出来る。特に蟹やフカ鰭は口の中で解すことが可能である。このような食感を有する食品に対する人気には極めて高いものがある。
【0003】
日本で発明された蟹風味蒲鉾は蟹脚を模した魚肉ペーストのボイル製品であり、味付けが蟹の風味であることもさりながら、上記の切り裂き特性を有して蟹の脚の繊維のように細く裂ける点に特徴があり、とても人気のある食品となっている。例えば特開平06−261712号によれば、トランスグルタミナーゼを、粉末コラーゲン、水、魚肉すりみ、でん粉の混合物に作用させ、素材に適度なゲル強度を持たせることにより、繊維状に加工する場合の破砕耐性を賦与することが出来、また酵素反応を終えた練製品においても蟹肉様に繊維状カット処理を行うことで蟹様食感を得ることが出来、更に調理加熱後においてもトランスグルタミナーゼの効果により蟹様の食感を維持することが出来る蟹様食品素材の製造法が開示されている。今日ではこのような蟹風味蒲鉾がフランスで日常的に食されるようになっている。またこのような蟹風味蒲鉾が世界的に広まっていることが、”バンコク、020419、成長するタイのカニ風味カマボコ産業”と題するJETROの調査レポートに書かれている。
【0004】
このように人気のある切り裂き特性を有する蒲鉾ではあるが、味付けは蟹風味であり、その提供形態が特開2003−174858号のような繊維状の構成物がランダムな交又状態に固められて成るものか特公昭56−38187号のような繊維状の構成物が方向を揃えた状態に固められて成るものくらいしかなかった。当発明者はこのように人気のある切り裂き特性を有する蒲鉾のバリエーションを増やしたいものと考えた。なお蒲鉾と言うものは元来淡泊な食品である上に料理の味が染み込まない性質があるために、蒲鉾料理の種類も限られている。すなわち正月料理に用いられる他は弁当のおかずを手間を掛けずに一品増やすと言うような用途くらいしかないのが現状である。従って蒲鉾を旨いと思わない人も多く存在するのである。このような蒲鉾をより深みのある味の食品にしたいものと考えた。それによって蒲鉾料理の種類を増やすことが出来、蒲鉾の消費量を増大することが出来るであろう。
【0005】
そこで当発明者は蒲鉾にチーズを入れたら良いと言う知見を得て、鋭意研究を行なった結果、同様の考えに至った先行技術として特開2002−291446号「カマンベールチーズ等を入れて三重包みにしたカニ風味等カマボコの製造方法」の存在を知ったのである。このものはすり上がり身を芯として、その回りにカマンベールチーズ等を包み込み、更にその回りをすり上がり身で包み込むものである。カマンベールチーズと蒲鉾の味とを同時に賞味することが出来、スナック的な嗜好品として広く用いられ、蒲鉾の需要拡大にも効果が期待出来るとされている。なお特開平7−23747号「チーズ入りちくわ及びその製造方法」なるものもある。
【特許文献1】特開平06−261712号公報、”カニ様食品素材の製造法”
【特許文献2】特開2003−174858号公報、”タラバ肉状蒲鉾の製造方法と該方法により製造されたタラバ肉状蒲鉾製品”
【特許文献3】特公昭56−038187号、”魚肉製品の製造方法及び同装置”
【特許文献4】特開2002−291446号公報、”カマンベールチーズ等を入れて三重包みにしたカニ風味等カマボコの製造方法”
【特許文献5】特開平07−023747号公報、”チーズ入りちくわ及びその製造方法”
【非特許文献1】JETRO調査レポート、”バンコク、020419、成長するタイのカニ風味カマボコ産業”、[online]、[平成16年4月10日検索]、インターネット<URL:http://www.jetrobkk.or.th/japanese/s3_8_3_10.html>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
確かに特開2002−291446号によれば、蒲鉾の比較的淡泊な味に芳醇なチーズの味が加わってより深みのある味となってはいる。これにより蒲鉾料理の幅がぐんと広がることは間違いない。しかしながら当発明者による継続的な研究の結果、切り裂き特性を有する蒲鉾にチーズを加えた場合には、この種の蒲鉾では指や箸で裂いたり口の中で解せることが特徴であるにもかかわらず、チーズの部位でこの特性が全く無くなってしまうと言う問題を生ずることが分かった。この種の蒲鉾の場合は、箸で解した蒲鉾を口に含むと蟹の肉に特有な繊維性食感を得ることが出来る。また蒲鉾を口に含んでから顎と舌で圧を加えたり歯で噛んだりすると独特の咀嚼感を味わうことが出来る。ところがチーズの層があると、この部位に歯が至ったところでチーズ独特の食感が優り、蒲鉾の食感が失われ、場合によっては蒲鉾の味が殺されてしまうのである。すなわちこの種の蒲鉾の食感は極めてデリケートなものであり、チーズの食感は蒲鉾とは全く異なるものだからである。そうなると利点であったはずの繊維性食感が、かえって細くした蒲鉾の弾力のなさ(最もおいしいとされる蒲鉾の厚さは11.4ミリである)を強調して蒲鉾の味をまずく感じさせる結果ともなるのである。
【0007】
なおチーズを加える構成は、蒲鉾以外の切り裂き特性を有する食品にも適用することが出来るが、やはり上述したような問題がある。例えば本物の蟹肉や貝柱やフカ鰭等の食品に於いても、上記同様チーズを噛んだ時の強い食感によってこれ等の食品に独特の食感が損なわれてしまうのである。この他これ等の食品を模した蒲鉾製品がある。例えばイカ様カマボコやホタテ貝柱様カマボコの特開昭60−012961号の発明やロブスター肉様カマボコの特公平3−33309号の発明があるが、これ等もチーズを加えた構成とした場合に上記同様の問題を生ずる。
【0008】
このようにチーズの個性は強烈であるのに対して、切り裂き特性を有する食品の繊維性食感は弱く、チーズは切り裂き特性を有する食品に勝って繊維性食感を損なってしまうため、両者は組み合わせられないことがはっきりした。しかしながらこの組み合わせによって味そのものはより魅力的なものとなるのである。従ってこの発明は構造面を含めた見直しを行なうことにより、両者が都合良く組み合わさるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明はその構成要素であるチーズから、チーズを噛んだ時の強い食感を取り除いて繊維性食感が得られるようにしたことを主要な特徴とするものである。すなわち請求項1の発明は、蟹肉(本物の蟹肉である、以下同様)とまたは切り裂き特性を有する蒲鉾などの練製品と、チーズとから成り、このチーズ部に切り裂き特性が付与されて成ることを特徴とする、切り裂き特性を有するチーズ入り食品である。チーズに指や箸で裂いたり口の中で解せるような切り裂き特性を与えて、食した時に繊維性食感が得られるようにしたことを最も主要な特徴とするものである。これによってこの食品の全体が繊維性食感を有することになる。
【0010】
なおさらにこの発明は、おおよそ3つのタイプに細分類することができる。請求項2〜請求項8の発明は練製品などの切り裂き特性を利用してチーズに切り裂き特性を与えると言うものである。次に請求項9〜請求項14の発明は繊維状のチーズを用いることによってチーズに切り裂き特性を与えると言うものである。次に請求項15〜請求項23の発明は繊維の1本やシートの1枚に練製品とチーズとを混在させると共にほぐせるようにすることで、チーズに切り裂き特性を与えると言うものである。なお請求項24〜請求項30の発明は製造方法に関するものである。
【0011】
さて請求項2の切り裂き特性を有するチーズ入り食品は、蒲鉾などの練製品が繊維状を呈すると共にチーズを含んでおり、このような繊維状の練製品がランダムな交又状態にまたは方向を揃えた状態に形成された纏まりであるものとした。これはチーズを繊維状の練製品と同列に扱うのでなく、チーズを繊維状の練製品の中に潜ませることによって、繊維状の練製品の切り裂き特性を実質的にチーズにも付与するようにしたのである。これによりチーズの味わいがあるものの繊維性食感は少しも失われることがなくなった。このものは生で食しても大変旨い。
【0012】
前記纏まりには繊維状の練製品がシート状体を呈しているものも含まれる。従って更にこのシート状体が、複数枚積層されていたり、束ねられたり(収束)、巻かれた(捲回)状態にあるものも前記纏まりであると言うことが出来る。またこのような纏まりが半ほぐし状態で提供される場合もあり得るが、これに付いてもこの発明の権利範囲内のものである。
【0013】
なお練製品には魚肉を原料とする蒲鉾などの他、鶏肉や獣肉のすり身を原料としたものも提供可能である。例えば特開平10−248530号の肉風練製品が参考になる。繊維状とは例えば蟹肉の筋肉繊維の1本1本のことである。繊維状の練製品の径は模したいとする肉の径、例えば蟹肉の繊維の1本とほぼ同じ大きさの径を呈するものである方がより好ましい。しかしながら帯状などであってもよい。繊維状の練製品の断面形状は円形状でも方形状でも何でもよい。重要なことは切り裂き特性を有していることである。チーズに関しては粉状、粒状、ヒゲ状、紡錘状等の形状のもの、またペースト状のものなどを任意に混入し得る。なおチーズを含む繊維と含まない繊維とから形成された纏まりであるものとすることも可能である。
【0014】
次に請求項3の切り裂き特性を有するチーズ入り食品は、蟹肉の、または繊維状を呈すると共にランダムな交又状態にまたは方向を揃えた状態に纏められて成る蒲鉾などの練製品の、その一纏まりの外側が、纏まりがほぐれる時に一緒にほぐれる程度の薄さのチーズの層で覆われて成るものとした。この一纏まりに接しているチーズの部位が蟹肉や蒲鉾などの練製品の繊維に付着していると、繊維がほぐれる時にチーズの層が繊維と繊維との境目のあたりで切れて、一緒にほぐれて、結果的にばらばらとしたチーズになる。すなわち蟹肉や練製品の切り裂き特性が実質的にチーズにも付与されていることになり、チーズの味わいがあるものの蟹肉や練製品の繊維性食感は少しも失われることがない。
【0015】
チーズは繊維との接着度がより強いほうが良く、繊維との一体感が増す。このチーズの層を形成するには、蟹肉の一纏まりや練製品の一纏まりにチーズを薄く塗布して層を形成する、この一纏まりを溶けたチーズに浸して層を形成する、熱を加えて軟かくしたシート状のチーズでこの一纏まりを覆う、チーズを塗布した可食性ケーシングでこの一纏まりを被覆してチーズ層を転写する、などすればよい。このチーズの層はこの一纏まりの全体に形成されているものとしても、一部分にのみ形成されているものとしてもよい。
【0016】
次に請求項4の切り裂き特性を有するチーズ入り食品は、蟹肉の、または繊維状を呈すると共にランダムな交又状態にまたは方向を揃えた状態に纏められて成る蒲鉾などの練製品の、その一纏まりの外側が薄いチーズの層で覆われていると共にこのチーズの層に蟹肉や練製品の繊維の全体の方向に合わせて多数の筋目が入れられて成るものとした。繊維とチーズとの間には一体感があるため、繊維がほぐれる時にはチーズの層が前記筋目を切り裂き案内部として切れて一緒にほぐれ、結果的にばらばらとしたチーズになる。前記筋目を入れた構成によってチーズに切り裂き特性が付与されている。
【0017】
なお上述した請求項2のチーズ入り食品に関して、また請求項3や請求項4で蟹肉ではなく蒲鉾などの練製品が用いられている場合のチーズ入り食品に関して、隣り合う繊維状の練製品が少なくともその一部で繋がった状態であるものとすることが出来る。これには各々独立した繊維状の練製品同士が結着している構造のものと、シート状の練製品に食した時に解れる程度の深さの多数の筋目(これは非貫通の溝である)を入れた構造のものとがある。前者としては上述の特開2003−174858号が参考になる。結着に付いては例えば特開2001−197871号の練製品が参考になる。また加圧処理やつなぎを用いて結着させたものもある。後者の場合このように多数の筋目を入れたシート状の練製品を棒状(スティック状など)に束ねたものや巻いたものとしたり、複数枚のシート状の練製品を積層したものとすることが可能である。なお多数の筋目は正確に平行である必要はない。
【0018】
次に請求項6の切り裂き特性を有するチーズ入り食品は、蟹肉の繊維の、または繊維状を呈する蒲鉾などの練製品の繊維の、その表面部分が薄いチーズの層で覆われており、このような繊維状の構成物がランダムな交又状態に、または方向を揃えた状態に纏められて成るものとした。これはチーズを蟹肉の繊維や蒲鉾などの練製品の繊維と同列に扱うのでなく、これ等の繊維の表面にチーズを付着させることによって、蟹肉や練製品の切り裂き特性を実質的にチーズにも付与するようにしたのである。従ってチーズは蟹肉や練製品と共にほぐれることになる。これによりチーズの味わいがあるものの蟹肉や練製品の繊維性食感は少しも失われることがなくなったのである。
【0019】
次に請求項7の切り裂き特性を有するチーズ入り食品は、蟹肉が、または繊維状を呈する蒲鉾などの練製品が、少なくともその一部で繋がって成るシート状体に、前記蟹肉や練製品がほぐれる時に一緒にほぐれる程度の薄いシート状体であるチーズが重なっているものとした。蟹肉のまたは繊維状を呈する練製品のシート状体に、チーズのシート状体が重なっていると、繊維がほぐれる時にチーズが繊維と繊維との境目で切れて一緒にほぐれてばらばらとしたチーズになる。すなわち蟹肉や練製品の切り裂き特性が実質的にチーズにも付与されていることになる。チーズが繊維に添う度合は密接な方が好ましく、繊維との一体感が増す。なお練製品のシート状体にシート状体のチーズが重なった状態にあるものをさらに棒状に束ねたり巻いたり、あるいはこの複数組を積層して、一纏まりに纏められた構成とすることも可能である。
【0020】
なお蟹肉がまたは繊維状を呈する蒲鉾などの練製品がその一部で繋がったシート状体が束ねられてまたは巻かれてスティック状を呈し、このスティックの外側がスティックがほぐれる時に一緒にほぐれる程度の薄さのチーズの層で覆われて成る、切り裂き特性を有するチーズ入り食品とすることが出来る。なおこれに類する構成は既に請求項3で説明されている。また前記スティックの外側が薄いチーズの層で覆われていると共にこのチーズの層に繊維の方向に合わせて多数の筋目が入れられて成る、切り裂き特性を有するチーズ入り食品とすることが出来る。なおこれに類する構成は既に請求項4で説明されている。
【0021】
なお上述した請求項1で蟹肉ではなく蒲鉾などの練製品が用いられている場合のチーズ入り食品に関して、練製品を蟹風味蒲鉾であるものとすることが出来る。上述したように従来の蟹風味蒲鉾は蟹香料が添加されると共に外周部が赤色に着色された蟹風味の食品であり、蟹脚のように細く裂けるためとても人気のある食品となっている。これに倣い請求項1の練製品でも蟹香料を添加したり外周部を赤色に着色するなどが可能である。すなわち蟹風味蒲鉾に芳醇なチーズの味を加えることでより深みのある味とすることができる。チーズと蟹風味蒲鉾との相性は抜群である。なおチーズに蟹香料を添加することなども可能である。
【0022】
また同様に、上述した請求項2のチーズ入り食品に関して、また請求項3〜請求項7で蟹肉ではなく蒲鉾などの練製品が用いられている場合のチーズ入り食品に関して、練製品を蟹風味蒲鉾であるものとすることが出来る。従来の蟹風味蒲鉾に倣い請求項2〜請求項7の練製品でも蟹香料を添加したり外周部を赤色に着色するなどが可能である。
【0023】
さて請求項9の切り裂き特性を有するチーズ入り食品は、蟹肉とまたは繊維状を呈する蒲鉾などの練製品と、繊維状のチーズとが、ランダムな交又状態にまたは方向を揃えた状態に纏められて成るものとした。これはチーズを蟹肉の繊維や蒲鉾などの練製品の繊維と同列に扱うものであって、繊維状のチーズは隣り合うチーズとまたは蟹肉や練製品と圧力などによって結着しているが、これ等は箸や口で容易にほぐすことが可能であり、チーズは切り裂き特性を有していると言うことができる。このような纏まりは半ほぐし状態にて提供される場合もあり得る。なお繊維状のチーズの直径は、蟹肉の繊維の1本や蒲鉾などの練製品の繊維の1本とほぼ同じ大きさの径を呈するものである方がより好ましい。なおこのチーズ入り食品に蟹肉を用いる場合に、燻製された蟹肉を利用すると燻製特有の味と香が楽しめるチーズ入り食品を得ることが可能である。
【0024】
次に請求項10の切り裂き特性を有するチーズ入り食品は、蟹肉とまたは繊維状を呈する蒲鉾などの練製品と、切り裂き特性を有するストリングチーズとが、ランダムな交又状態にまたは方向を揃えた状態に纏められて成るものとした。この構成によればチーズは切り裂き特性を有しており、蟹肉などと共に切り裂くことが可能である。ストリングチーズは例えば特開昭57−138342号のホタテ貝柱様チーズや、特開平6−78670のスライスチーズや、特開平9−248131号の乾燥チーズのように、糸状組織や繊維状組織を有して指先で引き裂きながら食べることができるものであるが、この発明に於いてはどのような方法によって製造されたものであってもよい。この種チーズは既に市販されてもいる。
【0025】
なお請求項9または請求項10に記載の切り裂き特性を有するチーズ入り食品に於て、前記蟹肉とまたは前記練製品と、前記チーズとの関係は、両者が混在した状態にあるものとすることが出来る。両者はランダムな交又状態であっても、方向を揃えた状態であっても混在させることが可能である。また両者の関係が、前記蟹肉とまたは前記練製品と、前記チーズとが、各々層状を呈して、これ等が積層された状態にあるものとすることが可能である。また同心円状に積層された状態のものとすることも可能である。なお何れの層側に於いてもランダムな交又状態や方向を揃えた状態を取ることができる。
【0026】
次に請求項13の切り裂き特性を有するチーズ入り食品は、繊維状のチーズを繋げて成るシート状体と、蟹肉または繊維状を呈する蒲鉾などの練製品を繋げて成るシート状体とが、重なった状態に纏められて成るものとした。各々独立した繊維状の練製品同士が結着している構造に付いては請求項5で説明した通りである。また隣り合う繊維状の練製品がその一部で繋がっている(各々独立した繊維ではない)構造のものに付いても請求項5で説明した通りである。またこれ等は繊維状のチーズに付いても同様である。なおこのように重なった状態にあるものをさらに束ねたり巻いたり、あるいはこの複数組を積層して、一纏まりに纏められた構成とすることも可能である。前者の場合チーズの側が外側であっても内側であってもよい。従って例えばチーズの側が内側となり且つチーズのシート状体の方が他側に比べて面積が小さいものとする構成が可能である。
【0027】
なお上述した請求項9〜請求項13で蟹肉ではなく蒲鉾などの練製品が用いられている場合のチーズ入り食品に関しては、練製品を蟹風味蒲鉾であるものとすることが出来る。上述したように従来の蟹風味蒲鉾は、蟹香料が添加されると共に外周部が赤色に着色された蟹風味の食品であり、蟹脚のように細く裂けるため、とても人気のある食品となっている。これに倣って請求項9〜請求項13でも蟹香料を添加したり外周部を赤色に着色するなどが可能である。すなわち蟹風味蒲鉾に芳醇なチーズの味を加えることで、より深みのある味とすることができる。チーズと蟹風味蒲鉾との相性は抜群である。なおチーズに蟹香料を添加することなども可能である。
【0028】
さて請求項15の切り裂き特性を有するチーズ入り食品は、蒲鉾などの練製品の層とチーズの層とから成ると共に繊維状を呈するものとした。練製品の層とチーズの層とが合わさって1本の繊維を構成している。繊維状の練製品に副うチーズはやはり繊維状であるから食した時にしっかりとした繊維感が得られる。このチーズ入り食品の集合体は箸や口で容易にほぐすことが可能である。またこのような纏まりを半ほぐし状態で提供することも可能である。このチーズ入り食品は構成の仕方にもよるが、蒲鉾などの練製品とチーズとの間でさらに切り裂きを生ずることもある。なおこの繊維1本の直径を蟹肉の繊維の1本とほぼ同じ大きさの径とすることも好ましい。このような構成の切り裂き特性を有するチーズ入り食品はサラダの具材などとして用いることができる。
【0029】
次に請求項16の切り裂き特性を有するチーズ入り食品は、蒲鉾などの練製品の層とチーズの層とから成ると共に繊維状を呈しており、このような繊維状の構成物がランダムな交又状態にまたは方向を揃えた状態に纏められて成るものとした。この纏まりにはシート状体も含まれる。従って更にこのシート状体が複数枚積層されていたり、このシート状体がスティック状に束ねられたり巻かれた状態にあるものも前記纏まりであると言うことが出来る。何れにせよこのような繊維状体の集合体は箸や口で容易にほぐすことが可能であり、チーズは切り裂き特性を有していると言うことができる。なおこの繊維1本の直径を蟹肉の繊維の1本とほぼ同じ大きさの径とすることも好ましい。
【0030】
次に請求項17の切り裂き特性を有するチーズ入り食品は、シート状を呈する蒲鉾などの練製品の上にチーズ層が形成されており、これの辺部分に薄皮を残して多数の切れ目が入れられて切断されているものとした。辺部分に薄皮を残して多数の切れ目が入れられていることに付いては例えば特開平6−217738号の切れ目入り練製品が参考になる。このものは鋭角のV字形の切れ目を、外側に薄皮を残すようにして多数刻設して成るものであり、実際の蟹足肉に近い食感が得られると言うものである。請求項17のチーズ入り食品では辺部分の薄皮を除いて1本1本の繊維が形成されており、箸や口で薄皮の部分の接続を切って容易にほぐすことが可能であり、チーズは切り裂き特性を有していると言うことができる。このほぐされた繊維の1本1本はまた、請求項15のチーズ入り食品のように練製品の層とチーズの層とから成るものである。
【0031】
次に請求項18の切り裂き特性を有するチーズ入り食品は、シート状を呈する蒲鉾などの練製品の上にチーズ層が形成されており、この何れかの側から他方の側に向けて多数の筋目が入れられて成るものとした。この筋目は練製品の側から切り込んで付けることも、チーズ層の側から切り込んで付けることも、あるいは双方の側から互いの筋目が合わないように(合わさると切れ目になる)付けることも可能であり、何れの場合も食した時に解れる程度の深さの多数の筋目を入れることにより構成する。これによって切り裂き特性が獲得される。なお請求項18のチーズ入り食品で、チーズ層の側から筋目を入れる場合には筋目は練製品の層に達しており且つ練製品の層の途中までとする必要がある(なおこの筋目はチーズ層にとっては切れ目であると言うことが出来る)。また練製品の側から筋目を入れる場合でチーズ層に達するものの場合では、チーズ層を貫通しないことが必要である。また多数の筋目は正確に平行である必要はない。またごく緩い波状の筋目が全体として平行であると言うものも提供可能である。なお切れ目を鎖腺状のものとすることにより筋目とすることができる。また筋目の中に鎖腺状の切れ目を設けることも可能である。
【0032】
このチーズ層を形成するには、シート状を呈する蒲鉾などの練製品の上にチーズを薄く塗布したり、シート状の練製品を溶けたチーズに浸したり、熱を加えて軟かくしたシート状のチーズをシート状の練製品に重ねて接着させたり、シート状の練製品に糊材や付け身や卵の白身などの結着剤を用いてを貼り合わせるなどすればよい。この際に重要なことは繊維感が得られるようにチーズの層を形成しなくてはならないのであるから、チーズが流れてしまわないようにすることが肝要である。なおチーズ層をシート状の練製品の両面に形成したり、2枚のシート状の練製品の間にチーズ層を形成して筋目を入れるようにしてもよい。このチーズ層はシート状の練製品の全体に形成されているものとしても、一部分にのみ形成されているものとしてもよい。またチーズ層の厚みに関しては任意決定事項である。この他前記チーズ層を形成するのに、シート状に形成したペースト状態の練製品の表面に加熱に強い粉チーズを付着させてから練製品をゲル化してチーズを固定することができる。このようにこの発明で用いる練製品と言う用語には、ゲル化される以前の粘稠な状態のものを含む場合がある。
【0033】
次に請求項19の切り裂き特性を有するチーズ入り食品は、蒲鉾などの練製品の部位とチーズの部位とが隣り合うようにして1枚のシート状体が形成されており、これの辺部分に薄皮を残して多数の切れ目が入れられて切断されているものとした。この辺部分に薄皮を残して多数の切れ目が入れられていることに付いては、請求項17のチーズ入り食品で説明したように特開平6−217738号の切れ目入り練製品が参考になる。これによりこの1枚のシート状体は切り裂き特性を備えることになる。なお切れ目の方向は、練製品の部位とチーズの部位との境界線に沿うものとすることも、この境界線を横切るものとすることも可能である。なお練製品の部位とチーズの部位との隣り合わせの構成に関して、中央のチーズの部位の両側に練製品の部位を配置したものや、両者がストライプ状を呈するように配置したものなども提供可能である。また両者の境界を例えば巴のような図形になるようにデザインすることも可能である。
【0034】
次に請求項20の切り裂き特性を有するチーズ入り食品は、蒲鉾などの練製品の部位とチーズの部位とが隣り合うようにして1枚のシート状体が形成されており、このシート状体に略平行に多数の筋目が入れられて成るものとした。略平行とは、平行を含み、線分の方向が全体としておおよそ揃っていることを言う。従って例えば特開平6−217738号のV字形の切れ目などは略平行に設けられていると言うことが出来る。この筋目の方向は、練製品の部位とチーズの部位との境界線に沿うものとすることも、この境界線を横切るものとすることも可能である。このようにしてこの1枚のシート状体は切り裂き特性を備えるに至っている。
【0035】
次に請求項21の切り裂き特性を有するチーズ入り食品は、多数の筋目が入れられたシート状を呈する蒲鉾などの練製品と、多数の筋目が入れられたシート状のチーズとが、筋目の方向を合わせるようにして重なった状態に纏められて成るものとした。筋目は非貫通の溝であって練製品もチーズも共に口の中で解すことが出来る。しかも筋目の方向が一致しているので解し易い。
【0036】
なお請求項17乃至請求項21に記載の切れ目や筋目の間隔については、これを任意に決めることが出来る。なお請求項17乃至請求項21の何れか一に記載の切り裂き特性を有するチーズ入り食品に於いて、前記シート状体の複数枚が積層されて成るものとすることが出来る。例えば特開2001−197871号の練製品が参考になる。またこのように積層されたものを一口サイズに形成したりすることが出来る。このような一纏まりとすることによって口に運びやすくなるなど取り扱いが容易なものとなる。
【0037】
また請求項17乃至請求項21の何れか一に記載の切り裂き特性を有するチーズ入り食品に於いて、前記シート状体が束ねられた状態にまたは巻かれた状態にあるものとすることが出来る。このような纏まりとすることによって、指や箸での取り扱いがより容易なものとなる。なお巻きの方向に付いて、請求項18や請求項20のシート状体の場合では、筋目のある面側を外側とすることも内側とすることも可能である。また請求項17や請求項18のシート状の練製品とシート状のチーズとの2枚重ねの場合に、チーズ層側を内側とすることも外側とすることも可能である。また請求項19や請求項20の練製品の部位とチーズの部位とが隣り合うようにして1枚のシート状体が形成されているものの場合では、巻きの方向によって練製品の部位とチーズの部位とが隣り合うようにも、重なって巻かれるようにすることも可能である。
【0038】
なお上述した請求項15〜請求項23で、練製品を蟹風味蒲鉾であるものとすることが出来る。上述したように従来の蟹風味蒲鉾は、蟹香料が添加されると共に外周部が赤色に着色された蟹風味の食品であり、蟹脚のように細く裂けるため、とても人気のある食品となっている。これに倣って請求項15〜請求項23でも蟹香料を添加したり外周部を赤色に着色するなどが可能である。すなわち蟹風味蒲鉾に芳醇なチーズの味を加えることで、より深みのある味とすることができる。チーズと蟹風味蒲鉾との相性は抜群である。なおチーズに蟹香料を添加することなども可能である。
【0039】
次に請求項25の切り裂き特性を有するチーズ入り食品は、シート状のチーズが、その辺部分に薄皮を残して多数の切れ目が入れられて成るか、または略平行に多数の筋目または多数の切れ目が入れられて成ると共に、目の方向を合わせるようして束ねられてまたは巻かれて芯状を成し、この芯の外側が蟹肉または切り裂き特性を有する蒲鉾などの練製品で覆われて成るものとした。シート状のチーズはこれが、辺部分に薄皮を残して多数の切れ目が入れられて成るものでも、略平行に多数の筋目が入れられて成るものでも、略平行に多数の切れ目が入れられて成るものでも、これを束ねたり巻いて成るものとすることが出来る。このような切り裂き特性を有するチーズが芯にあり、その周りを蟹肉または切り裂き特性を有する蒲鉾などの練製品が覆っているため、食した時には先ず蒲鉾などの練製品の繊維感を味わうことが出来、続いてチーズをその繊維感と共に味わうことが出来るのである。
【0040】
次に請求項26の切り裂き特性を有するチーズ入り食品は、繊維状のチーズまたは切り裂き特性を有するストリングチーズが、ランダムな交又状態にまたは方向を揃えた状態に纏められて芯状を成し、この芯の外側が蟹肉または切り裂き特性を有する蒲鉾などの練製品で覆われて成るものとした。蟹肉の纏まりや切り裂き特性を有する蒲鉾などの練製品の纏まりの芯として、繊維状のチーズや切り裂き特性を有するストリングチーズを用いている。繊維状のチーズに関してはヒゲのような短いものであっても繊維の一種であると言うことが出来る。ストリングチーズそのものは元々の性質として切り裂き特性を有しているが、更に例えば蟹肉の直径くらいに細かく切り裂いて用いるようにしても良い。
【0041】
なお上述した請求項25や請求項26で、練製品の場合にこれを蟹風味蒲鉾であるものとすることが出来る。更に外周部を赤色に着色することも可能である。蟹風味蒲鉾に芳醇なチーズの味を加えることで、より深みのある味とすることができる。
【0042】
次に請求項28の切り裂き特性を有するチーズ入り食品は、シート状を呈する蒲鉾などの練製品がチーズを含んでおり、このようなシート状体に、その辺部分に薄皮を残して多数の切れ目が入れられて成るか、または多数の筋目または切れ目が入れられて成るものとした。上述した請求項2のチーズ入り食品に関して、蒲鉾などの練製品が繊維状を呈すると共にチーズを含んで成るものを取り上げた。このような練製品はシート状体として提供することが可能である。そしてこのシート状体に切れ目や筋目(これは非貫通の溝である)を入れた構造とすることによって、切り裂き特性が付与された一纏まりとなり、この切り裂き特性が実質的にチーズにも付与されていることになる。従って食した時に、はっきりとしたチーズ味と共に繊維性食感を味わうことが出来る。練製品特に蒲鉾は淡白な味であるから良くチーズの味を引き出してくれる。なおチーズを切り裂き特性を有するシート状体としたことで後述する積層や収束や捲回の際の取り扱いが容易なものとなる優れた効果がある。
【0043】
次に請求項29の切り裂き特性を有するチーズ入り食品は、シート状を呈する蒲鉾などの練製品の表面に細かいチーズが付着しており、このようなシート状体に、その辺部分に薄皮を残して多数の切れ目が入れられて成るか、または多数の筋目または切れ目が入れられて成るものとした。切り裂き特性が付与されたシート状体のチーズに付いては上述した通りであるが、ここでは練製品に細かいチーズを含ませるのではなく、練製品の表面に細かいチーズを付着させて成るものとした点に特徴を有する。
【0044】
なお上述した請求項28や請求項29で、前記シート状体が複数枚積層されて成るものとすることが出来る。また前記シート状体が束ねられた状態にまたは巻かれた状態にあるものとすることが出来る。これ等によって前記シート状体をスティック状などの纏まりとすることが出来る。また請求項28〜請求項31に付いて前記練製品が蟹風味蒲鉾であるものとすることが出来る。蟹味とチーズ味の相性はとても良い。更に請求項30や請求項31に関してスティック状などの纏まりの外側が蟹肉または切り裂き特性を有する蒲鉾などの練製品で覆われて成るものとすることが出来る。これによれば切り裂き特性を有するチーズを芯としてその周りを蟹肉または切り裂き特性を有する蒲鉾などの練製品が取り囲む構造が実現される。更にスティック状などの纏まりの外側を覆う練製品が蟹風味蒲鉾であるものとすることが出来る。
【0045】
次に請求項35の切り裂き特性を有するチーズ入り食品は、蟹肉のまたは切り裂き特性を有する蒲鉾などの練製品の外側が切り裂き特性を有するチーズで覆われて成ると共に、この層間に引き抜き可能な隔壁シートを有するものとした。切り裂き特性を有する蒲鉾などの練製品では製造後時間が経つと水が出るものがある。チーズによってはこの水が原因で融けるものがあるため、このような場合ではなるべく水に触れないようにすると良い。隔壁シートは練製品とチーズとの間にあってセパレータの役割を果たす。なおこのような場合ではチーズの外側を更にケーシングで覆った状態で出荷される。従って食する際には隔壁シートをケーシングと共に引き抜くようにしたり、或いはケーシング及び隔壁シートから練製品とチーズとを押し出すようにすれば良い。
【0046】
さて請求項36の切り裂き特性を有するチーズ入り食品の製造方法は、シート状を呈する蒲鉾などの練製品に略平行に多数の筋目を入れるか、または多数の切れ目を入れると共に、シート状のチーズに略平行に多数の筋目を入れるか、または多数の切れ目を入れて、これ等のシート状体を目の方向を合わせるように重ね、さらに束ねるかまたは巻くようにしている。シート状を呈する蒲鉾などの練製品でもシート状のチーズでも、略平行に多数の筋目や切れ目を入れることにより切り裂き特性を獲得させることができる。従ってこれ等のシート状体を重ね合わせて束ねるかまたは巻くと、切り裂き特性を有するチーズ入り食品を得ることができるのである。なお筋目を入れたものであっても切れ目を入れたものであっても、これを束ねることも巻くことも可能である。またこれ等のシート状体を重ねて巻く場合には、チーズの側が外側であっても内側であってもよい。従って例えばチーズの側が内側となり、且つチーズのシート状体の方が他側に比べて面積が小さいものとして製造することが可能である。また巻きの方向に付いて筋目のある側を外側とすることも内側とすることも可能である。なお束ねや巻きの方法は常法に従えばよい。
【0047】
次に請求項37の切り裂き特性を有するチーズ入り食品の製造方法は、シート状を呈する蒲鉾などの練製品の上にチーズ層を形成し、これに略平行に多数の切れ目を入れて切断して、これ等をランダムな交又状態にまたは方向を揃えた状態に纏めるようにしている。これによって請求項16の切り裂き特性を有するチーズ入り食品が得られる。このようにして1本1本の繊維を構成するチーズからはしっかりした繊維感が得られる。チーズ層の形成は、シート状を呈する蒲鉾などの練製品の上にチーズを薄く塗布したり、シート状の練製品を溶けたチーズに浸したり、シート状の練製品に熱を加えて軟かくしたシート状のチーズを重ねて接着させたり、シート状の練製品に糊材や付け身や卵の白身などの結着剤を用いてを貼り合わせるなど任意である。またチーズ層をシート状の練製品の両面に形成したり、2枚のシート状の練製品の間にチーズ層を形成して切断するようにしてもよい。またチーズ層の厚みに関しては任意設計事項である。
【0048】
次に請求項38の切り裂き特性を有するチーズ入り食品の製造方法は、シート状を呈する蒲鉾などの練製品の上にチーズ層を形成し、これの辺部分に薄皮を残して略平行に多数の切れ目を入れて切断するようにしている。これにより請求項17の切り裂き特性を有するチーズ入り食品が得られる。辺部分に薄皮を残して多数の切れ目を入れて切断することに付いては、例えば特開平6−217738号が参考になる。このものは鋭角のV字形の切れ目を、外側に薄皮を残すようにして多数刻設して成るものであって、実際の蟹足肉に近い食感が得られると言うものである。請求項38の製造方法によれば、辺部分の薄皮を除いて1本1本の繊維を形成するため、箸や口で薄皮の部分の接続を切って容易にほぐすことが可能となり、チーズには切り裂き特性を与えることができるのである。このほぐされた繊維の1本1本は、請求項15のチーズ入り食品のように練製品の層とチーズの層とから成るものである。なお切れ目の幅は蟹肉の繊維とほぼ同じ太さの径にすると良い。
【0049】
次に請求項39の切り裂き特性を有するチーズ入り食品の製造方法は、シート状を呈する蒲鉾などの練製品の上にチーズ層を形成し、これ等の何れかの側から他方の側に向けて略平行に多数の筋目(非貫通の溝である)を入れるようにしている。これによって請求項18の切り裂き特性を有するチーズ入り食品が得られる。この筋目は練製品の側から切り込んで付けたり、チーズ層の側から切り込んで付けたり、或いは双方の側から互いの筋目が合わないように(合わせると切れ目になるため)切り込んで付けたりすればよく、何れの場合も食した時に解れる程度の深さの多数の筋目を入れるようにする。このようにして切り裂き特性を付与するのである。なおチーズ層の側から筋目を入れる場合には、筋目が練製品の層に達するように且つ練製品の層の途中まで入るようにする必要がある。練製品の側から筋目を入れる場合でチーズ層に達するものの場合ではチーズ層を貫通しないように入れることが必要である。なお多数の筋目は正確に平行にする必要はない。
【0050】
上述した請求項38、請求項39に於けるチーズ層を形成するには、請求項37の製造方法で説明したような形成方法を行なえばよい。またチーズ層をシート状の練製品の両面に形成したり、2枚のシート状の練製品の間にチーズ層を形成して筋目を入れるようにしてもよい。またチーズ層はシート状の練製品の全体に形成されているものとしても、一部分にのみ形成されているものとしてもよい。またチーズ層の厚みに関しては任意設計事項である。
【0051】
また請求項38、請求項39で前記シート状体を複数枚積層するようにすることが出来る。このような一纏まりとすることによって、指や箸に取りやすくなり、口に運びやすくなるなどの効果を奏する。なお請求項38の場合では、例えば前記チーズ層が形成された蒲鉾などの練製品のシート状体を複数列にカットして出来る複数枚のシート状体を中央に寄せて整列積層し、この周辺部分に薄皮を残して略平行に多数の切れ目を入れて切断するようにする。あるいは前記チーズ層が形成された蒲鉾などの練製品のシート状体を複数列にカットして出来る複数枚のシート状体の各々に、この周辺部分に薄皮を残して略平行に多数の切れ目を入れて切断し、この複数枚のシート状体を整列積層するようにする。また請求項39の場合では複数枚のシート状体の各々に食した時に解れる程度の深さの多数の筋目を入れてから整列積層するようにすればよい。
【0052】
また請求項38、請求項39で、前記シート状体を目が並ぶ方向に束ねるかまたは巻くようにすることが出来る。このような纏まりとすることによって、指や箸での取り扱いがより容易なものとなる。なお請求項39の場合では、筋目のある面側を外側とすることも内側とすることも可能である。またチーズ層側を内側とすることも外側とすることも可能である。巻きの方法は常法に従えばよい。
【0053】
なお上述した請求項36〜請求項41の製造方法に関して、前記練製品が蟹風味蒲鉾であるものとすることが出来る。上述したように従来の蟹風味蒲鉾は、蟹香料を添加すると共に外周部を赤色に着色して蟹風味の食品を作っており、蟹脚のように細く裂くことができるようになっている。これに倣い請求項36〜請求項41でも蟹香料を添加したり外周部を赤色に着色するなどが可能である。あるいは巻き上がった後にこの外側を、蟹香料を添加し外周部を赤色に着色した別のシート状の蟹風味蒲鉾でさらに巻くようにしてもよいであろう。
【0054】
次に請求項43の切り裂き特性を有するチーズ入り食品の製造方法は、蒲鉾などの練製品となるすり身をシート状に形成し、このシート状体に略平行に多数の筋目を入れるかまたは多数の切れ目を入れると共に、目の方向を合わせるようして束ねるかまたは巻いてスティック状と成し、このスティックの外側をスティックがほぐれる時に一緒にほぐれる程度の薄さのチーズの層で覆うようにしている。ティック状に形成した切り裂き特性を有する練製品を芯としてその外側を薄いチーズの層で覆うようにしているが、これに類するものは請求項7で説明されている。スティックを構成する繊維がほぐれる時にチーズが繊維と繊維との境目で切れて一緒にほぐれてばらばらとしたチーズになる。すなわち練製品の切り裂き特性が外側を覆うチーズにも実質的に付与されていることになる。チーズがスティックに添う度合は密接な方が好ましく、繊維との一体感が増す。
【0055】
次に請求項44の切り裂き特性を有するチーズ入り食品の製造方法は、シート状のチーズに略平行に、多数の筋目を入れるかまたは多数の切れ目を入れると共に、目の方向を合わせるようして束ねるかまたは巻いて芯を形成し、この芯の外側を蟹肉または切り裂き特性を有する蒲鉾などの練製品で覆うようにしている。芯となる切り裂き特性を有するチーズを作るにはシート状のチーズに筋目や切れ目を付けてから纏めるようにする。この周りを蟹肉または切り裂き特性を有する蒲鉾などの練製品が覆うため、食した時には先ず蒲鉾などの練製品の繊維感を味わうことが出来、続いてチーズをその繊維感と共に味わうことが出来るのである。
【0056】
次に請求項45の切り裂き特性を有するチーズ入り食品の製造方法は、繊維状のチーズまたは切り裂き特性を有するストリングチーズを、ランダムな交又状態にまたは方向を揃えた状態に纏めて芯を形成し、この芯の外側を蟹肉または切り裂き特性を有する蒲鉾などの練製品で覆うようにしている。芯となる切り裂き特性を有するチーズを作るに当たってこの請求項の発明ではストリングチーズを用いている。そもそもストリングチーズは糸状組織や繊維状組織を有して指先で引き裂きながら食べることができる。
【0057】
なお上述した請求項43〜請求項45で、練製品に蟹風味蒲鉾を用いることが出来る。蟹風味蒲鉾に芳醇なチーズの味を加えることで、より深みのある味とすることができる。チーズと蟹風味蒲鉾との相性は抜群である。
【0058】
次に請求項47の切り裂き特性を有するチーズ入り食品の製造方法は、蒲鉾などの練製品となるすり身にチーズを混入し、シート状に形成して加熱凝固させた後に、このシート状体にその辺部分に薄皮を残して多数の切れ目を入れるか、またはこのシート状体に略平行に多数の筋目または多数の切れ目を入れるようにしている。請求項2の切り裂き特性を有するチーズ入り食品では、蒲鉾などの練製品が繊維状を呈すると共にチーズを含んで成るものとしている。チーズを繊維状の練製品の中に潜ませることによって、繊維状の練製品の切り裂き特性を実質的にチーズにも付与している。これによりチーズに繊維性食感を付与している。請求項47では食した時に解れて繊維状となるように、チーズを混入したシート状のすり身に多数の筋目または多数の切れ目を入れるようにしている点に最大の特徴を有する。なおすり身にチーズを混入するに当たっては実開昭62−7893号が参考になる。
【0059】
次に請求項48の切り裂き特性を有するチーズ入り食品の製造方法は、蒲鉾などの練製品となるすり身をシート状に形成し、このシート状体の表面に細かいチーズを付着させて加熱凝固させた後に、このシート状体にその辺部分に薄皮を残して多数の切れ目を入れるか、またはこのシート状体に略平行に多数の筋目または多数の切れ目を入れるようにしている。ゲル化させるに当たってはチーズが付着したシート面をバーナーの火で炙るなどすれば良い。この場合のシート状体は請求項47に於けるシート状体と同様、細かいチーズの担持体であると言うことが出来る。従って実質的にシート状のチーズである前記シート状体に多数の筋目または多数の切れ目を入れるようにしている点が重要であり、これによりチーズに繊維性食感を付与しているのである。
【0060】
なお請求項47や請求項48のシート状体を複数枚積層するようにすることが出来る。このような一纏まりとすることによって、指や箸に取りやすくなり、口に運びやすくなるなどの効果を奏する。また請求項47や請求項48のシート状体を目の方向を合わせるようして束ねるかまたは巻くようにすることが出来る。このような纏まりとすることによって指や箸での取り扱いがより容易なものとなる。また請求項47〜請求項50の切り裂き特性を有するチーズ入り食品を蟹風味に調製することが出来る。チーズ味と蟹味とは良くマッチする。また請求項47〜請求項50の切り裂き特性を有するチーズ入り食品の更に外側を切り裂き特性を有する蒲鉾などの練製品で覆うようにすることが可能である。これにより芯が切り裂き特性を有するチーズであり、その外側が切り裂き特性を有する練製品であるチーズ入り食品を得る。これによれば食した時に先ず蒲鉾などの練製品の繊維感を味わうことが出来、続いてチーズをその繊維感と共に味わうことが出来る。
【0061】
また請求項47や請求項48のチーズ入りすり身をシート状体に形成するに当たって、蟹風味蒲鉾となる蟹味付けすり身をシート状に形成したものの上に、チーズ入りすり身を展着させるようにすることが出来る。チーズにすりみが含まれているためにシート状蟹風味蒲鉾との親和性、結着性が強まり両層の一体性がより高まる。なおチーズとすりみとの混合比率を調整することによってチーズの味の濃さをコントロールすることが出来る。
【0062】
この他この発明では繊維状ではなく帯状のものとして構成することが可能である。また切れ目を入れて切断したり筋目を入れるのに際して、例えば特公平2−48227号の、すり身を坐り後の加熱前に細断すれば、細断物を混合したり、細断物とすり身を混合したりしても接合しやすく、喫食に際し容易に分離するものとすることができると言うような技術が参考になる。蒲鉾などの練製品に味付けを行なう場合、蟹風味としたりカレー風味としたり、任意の味付けが可能である。用いるチーズの種類は任意であり、例えばレッドチェダーチーズやモツァレラチーズなどを適宜に選択し得る。また2種類以上のチーズを混用することも可能である。
【0063】
さて請求項53のチーズ入り食品の具材は、繊維状のチーズがランダムな交又状態にまたは方向を揃えた状態に纏められており、この外側が可食性ケーシングで覆われていることを特徴とするものである。可食性ケーシングがあることによって、纏められた繊維状のチーズがバラけることがなくなり、人手や機械による取り扱いが容易となっている。また可食性ケーシングを取り去ることなくそのまま食することが可能であり、食した時に繊維性食感が得られる。従って切り裂き特性を有するチーズ入り食品のための具材として適している。なおこの具材は、この発明の切り裂き特性を有するチーズ入り食品のためのみならず、これまでの練製品を始めとして各種の食品に広範に利用することが可能である。このようなことは請求項54のチーズ入り食品の具材、すなわちシート状のチーズが、その辺部分に薄皮を残して多数の切れ目が入れられて成るか、または略平行に多数の筋目または多数の切れ目が入れられて成ると共に、目の方向を合わせるようして束ねられてまたは巻かれて芯状を成し、この芯の外側が可食性ケーシングで覆われて成るものによっても実現することが出来る。あるいはまた請求項55のチーズ入り食品の具材、すなわちチーズが混入したすり身がシート状に形成されており、その辺部分に薄皮を残して多数の切れ目が入れられて成るか、または略平行に多数の筋目または多数の切れ目が入れられて成ると共に、目の方向を合わせるようして束ねられてまたは巻かれて芯状を成し、この芯の外側が可食性ケーシングで覆われたものによっても実現することが出来る。
【発明の効果】
【0064】
この発明のチーズ入り食品では、その構成要素であるチーズに、指や箸で裂いたり口の中で解せるような切り裂き特性を与えているため、やはり構成要素である切り裂き特性を有する蒲鉾などの食品の食感を損なうことなく、芳醇なチーズの味を加えてより深みのある味とすることができると言う効果を奏する。なおこの発明の具材によれば、ほぐし特性を有する繊維状のチーズの纏まりがバラけることがなくなり、人手や機械による取り扱いが容易となると言う効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0065】
以下この発明の幾つかの実施形態を図面を参照しつつ説明するが、この発明はこれ等の実施形態にのみ限定されるものではない。また図面ではチーズ部を見やすくするために、ハッチングとは逆向きの傾斜となる斜め線を描き込んでいる。
【0066】
第1実施形態
図2はこの実施形態で使用する、一部分を拡大して断面図で表した繊維状蒲鉾10であるが、調味料を混ぜたすけそうだらなど魚肉から成るすり身の中に極く細かいチーズ2が練り込まれて繊維状に形成され、加熱凝固された後、繊維状蒲鉾10の多数本が絞り込み加工されて繊維同士がランダムに交又した状態に一つに纏められ、食べ易いスティックタイプに成形されたものが図1のチーズ入り蒲鉾1である。なおこの実施形態ではチーズ2にチェダーチーズが用いられており、その径は繊維状蒲鉾10の径よりも十分に小さい。このチーズ入り蒲鉾1は指先や口や箸などで容易に解すことが出来、ほぐすことによってバラバラの繊維状蒲鉾10となり、チーズ2が含まれているものの繊維感を十分に楽しむことが出来る。こうして繊維状蒲鉾10の切り裂き特性が実質的にチーズ2にも付与されているのである。
【0067】
このスティックタイプのチーズ入り蒲鉾1はこのまま提供することも、周囲を薄いポリエチレンなどの合成樹脂製フィルムで包装して提供することも可能である。またチーズを含んでいない繊維状蒲鉾10を混在させることも出来る。また多数本の繊維状蒲鉾10を方向を揃えるように並べて接着してシート状体としたものや、このシート状体を更に束ねたり巻いたり積層させて纏めたものなども提供し得る。なお蒲鉾に各種の味付き蒲鉾例えば蟹風味蒲鉾を用いるようにすることが可能である。また蒲鉾以外の練り製品を用いるようにしてもよい。
【0068】
第2実施形態
図3はこの実施形態のシート状蟹風味蒲鉾11の模式図であり、その一部分を拡大して断面図で表したものであるが、調味料を混ぜたすけそうだらなど魚肉から成るすり身の中に極く細かいチーズ2が練り込まれてシート状に形成され、加熱凝固された後、直線状の筋目12を1.5ミリメートル間隔で平行に刻んで成るものである。図3から明かとなるようにシート状蟹風味蒲鉾11の一面側から刻み込まれた非貫通の溝である筋目12は他面側には到達しておらず、他面側との間に薄皮部13を残している。これは筋目12で区切られた繊維状の蒲鉾が薄皮部13で隣同士と繋がって、全体として一纏まりの構成をとっていると言うことが出来る。なおこの構成は第1実施形態に於ける隣り合う繊維状蒲鉾10が、その一部分で繋がった状態を呈しているものと見ることが可能である。この実施形態のシート状蟹風味蒲鉾11は食した時に薄皮部13から容易に解れて、繊維性の食感をチーズの芳醇な味と共に味わうことが出来る。
【0069】
蒲鉾を蟹風味蒲鉾とするには、すり身に蟹香料を添加したり、シート状蟹風味蒲鉾11を赤色に着色する。また更にシート状蟹風味蒲鉾11を束ねたり巻いたり積層させて纏めたものなども提供可能である。なおこのように纏めたものを、赤色着色すり身をスプレーによって塗布した包装フィルム上に供給して包装成形することなども常の如くに可能である。またこのように纏めたものを着色を施した可食性フィルムによって包含し包装する技術が特開2004−033037号で開示されている。またこのように纏めたものに着色すり身を付着する技術が特開平09−322739号で開示されており参考になる。なおチーズ2はシート状蟹風味蒲鉾11の表面に露出していてもよい。或いはシート状蟹風味蒲鉾11に溝を作っておき、この溝にチーズ2を埋め込むような構成が可能である。またこの溝を前記筋目として利用する構成も可能である。この他チーズを混合する対象に蟹風味蒲鉾以外の蒲鉾や、蒲鉾以外の練り製品を使用することが出来る。これに付いては実開昭62−7893号が参考になる。なおチーズ2が練りこまれたすり身をシート状に形成してゲル化させたものに、貫通の溝である切れ目を略平行に多数本入れて切断して成るものは、上述した第1実施例の繊維状蒲鉾10とほぼ同一のものと見ることが可能である。またチーズ2が練りこまれたすり身をシート状に形成してゲル化させたものに、その辺部分に薄皮を残して多数の切れ目(例えば図20で表わすような切れ目)を入れた構造も可能であり、切れ目で区切られた繊維状の蒲鉾が辺部分の薄皮で隣同士と繋がっているが、これも箸や指や口で簡単に解すことが出来る。
【0070】
第3実施形態
図4はこの実施形態の蟹肉を用いたチーズ入り食品を側面方向から見た模式図である。全体は円筒形のスティック状を呈している。蟹肉を一旦解して蟹肉繊維3とし、この蟹肉繊維3の多数本を方向を揃えるようにして束ねて一纏まりとしたものの周囲に、溶かしたチーズを塗布してチーズ層4を設けて成る。符号40はこのチーズ層4の肉薄部である。この纏まりの外側の蟹肉繊維3にはチーズ層4が付着している。そこでこのチーズ入りの蟹肉を指先や口や箸などで解すとバラバラの蟹肉繊維3となり、この際チーズ層4が破壊される。チーズはバラけた蟹肉繊維3に付着したり蟹肉繊維3から分離した状態となる。こうしてチーズに付いても繊維性の食感を十分に楽しむことが出来るのである。すなわち蟹肉繊維3の切り裂き特性が実質的にチーズにも付与されているのである。
【0071】
この実施形態では蟹肉を使用しており本物の蟹の味がうまい。なお蟹肉に代えて蟹風味蒲鉾を使用するようにしてもよい。またこの場合に隣り合う繊維状の蟹風味蒲鉾が少なくともその一部で繋がっている構成も可能である。
【0072】
第4実施形態
図5はこの実施形態の繊維状蟹風味蒲鉾51を用いたチーズ入り食品を側面方向から見た模式図である。多数の繊維状蟹風味蒲鉾51とそれをつなぐための魚肉すり身52とが混ぜ合わされ攪拌されて後、スティック状に束ねられた一纏まりの周囲をチーズ層41で覆って成るものであり、このチーズ層41の表面には繊維状蟹風味蒲鉾51の繊維の方向に沿わせて多数の筋目42が入れられている。このチーズ入り食品を解すとチーズ層41は前記筋目42から裂けてバラバラの繊維状を呈するようになる。すなわち筋目42を設けたチーズ層41は切り裂き特性を備えている。
【0073】
なおチーズ層41で繊維状蟹風味蒲鉾51の纏まりを覆うに際し、前記筋目42を内側にしてこれを隠す構成も可能である。またここでは繊維状蟹風味蒲鉾51の方向を揃えるようにしているが、ランダムな交又状態に纏めることも可能でありこの場合には筋目42をスティックの長手方向へ向けるようにする。またここで用いた繊維状蟹風味蒲鉾51と魚肉すり身52との混合物の代わりに、シート状に形成したすり身を加熱凝固させた後、すり身に直線状の筋目を平行に刻んで成るシート状体を、巻いたり積層したものを利用して、その周囲をチーズ層41で覆った構成のものとすることも可能である(図示せず)。さらにチーズ層41の代わりに、上述したすり身の中に極く細かいチーズが練り込まれてシート状に形成され多数の筋目42が入れられて成るシート状のチーズを用いるようにしても良い。このすり身の代わりに例えばナタデココのような自己の味を主張しない材料を用いて粉粒のチーズを練り込み筋目を入れるようにすることが可能である。
【0074】
またここでは繊維状蟹風味蒲鉾51を用いているが、蟹風味以外にも例えばたらこ味とすることが可能である。特開2000−350564号の熱変性たらこの製造方法が参考になる。また動物性コラーゲンを使用したフカ鰭類似食品なども利用可能であり、これもこの発明では練製品であるとする。
【0075】
第5実施形態
図6はこの実施形態の蟹肉繊維3を用いたチーズ入り食品を側面方向から見た模式図である。蟹肉を一旦解して蟹肉繊維3とし、この蟹肉繊維3の1本1本に液状チーズを塗布して乾燥させたものを、方向を揃えた状態に束ねて纏めて成るチーズ入り食品である。隣り合う蟹肉繊維3同士は各々の表面に形成されているチーズ被膜43が付着し合うことで纏まっている。チーズ被膜43は蟹肉繊維3と共にほぐれることになる。これによって蟹肉繊維3の切り裂き特性を実質的にチーズにも付与することが出来、チーズの味わいがあるものの蟹肉繊維3の繊維性食感は少しも失われることがない。
【0076】
なお蟹肉繊維3の代わりに繊維状を呈する蒲鉾などの練製品を使用することが出来る。またこの練製品に蟹風味蒲鉾を使用することが出来る。このような練製品を繊維状に形成してその各々にチーズ被膜43を設け、これ等をランダムな交又状態に纏めることも可能である。また極く細かいチーズを練り込んだすり身で繊維状の練製品を被覆したものなども提供可能である。
【0077】
第6実施形態
図7はこの実施形態のチーズ入り蒲鉾6の巻きの端部を剥して見た側面模式図である。魚肉すり身をシート状に形成したシート状蒲鉾60の一側面には直線状の筋目61が多数平行に刻まれており、この筋目61がある側の面に薄いチーズ層44が設けられており、このチーズ層44の側が内側と成るようにして巻かれて纏められてスティック状を呈するものと成っている。このスティック状の外周面となる蒲鉾部に蟹エキス、フレーバーが塗布されて赤色を呈している。前記筋目61は非貫通の溝であり他面側との間に薄皮部62を残している。この筋目61で区切られた繊維状蒲鉾は薄皮部62で隣同士と繋がっているだけであるから、この一纏まりを解すのは容易である。このようなシート状体に、このシート状体が解れる時に一緒に解れる程度の薄いシート状のチーズ層44が形成されているのである。これによってシート状蒲鉾60の切り裂き特性がチーズ層44にも備わり、繊維性の食感をチーズの芳醇な味と共に味わうことが出来るのである。
【0078】
なおシート状蒲鉾60の代わりに、一旦解した蟹肉の繊維を並べてシート状体に再構成したものを使用し、この蟹肉のシート状体に薄いチーズ層44が重なっている構成とすることも可能である。
【0079】
第7実施形態
図8はこの実施形態の蟹肉繊維3を用いたチーズ入り食品を側面方向から見た模式図である。これは蟹肉を一旦解して蟹肉繊維3とし、この蟹肉繊維3の多数本と、別途繊維状に成形された繊維状チーズ70の多数本とが、方向を揃えるように且つ混在するようにして束ねられ一纏まりのものになっている。このスティック状のチーズ入り食品では、蟹肉繊維3も繊維状チーズ70も共にばらけ易くなっており、指先や口や箸などで容易に解すことが出来る。従って食した時に蟹肉繊維3は言うまでもなく、繊維状チーズ70に付いても繊維性食感を味わうことが出来るのである。
【0080】
なお繊維状チーズ70の断面形状や直径などは任意である。また第1実施形態のチーズ2入りの繊維状蒲鉾10で代替することが可能である。蟹肉繊維3の代わりに繊維状を呈する蒲鉾などの練製品を利用することも出来る。また蟹肉や練製品と繊維状チーズ70とをランダムな交又状態に纏めたものとすることが可能である。また蟹肉や練製品と繊維状チーズ70とを混在させるのではなく、各々の纏まりを合わせたような層状を呈するものとすることも出来、この実施形態を次に説明する。なお練製品を用いる場合にこれに蟹風味蒲鉾を適用してもよい。
【0081】
第8実施形態
図9はこの実施形態のチーズ入り食品を斜視図で表わしたものであり、蒲鉾層5の上にチーズ層7が形成されているチーズ入り食品となっている。蒲鉾層5は多数の繊維状蟹風味蒲鉾50をランダムな交又状態に纏めて成るものである。またチーズ層7は多数の繊維状チーズ70をランダムな交又状態に纏めて成るものである。すなわち蒲鉾層5もチーズ層7も共に指先や口や箸などで容易に解すことが出来る切り裂き特性を備えるに至った。従って蟹風味蒲鉾の繊維性食感がチーズによって損なわれることがなく、芳醇なチーズの味が加わってより深みのある味に成ると言う効果を奏する。
【0082】
なお図9のものは全体として方形スティック状を呈するが、円形スティック状など形状に付いては任意である。この場合に蒲鉾層5とチーズ層7との分量比率を半々としてもよい。また蒲鉾層5とチーズ層7との何れか一方または双方共に繊維が方向を揃えた状態に纏められて成るものとすることが出来る。また繊維状蟹風味蒲鉾50を蟹肉に代えた構成も可能である。
【0083】
第9実施形態
図10はこの実施形態の繊維状蟹風味蒲鉾51を用いたチーズ入り食品を側面方向から見た模式図である。繊維状蟹風味蒲鉾51の多数本と、それ自体が切り裂き特性を有するストリングチーズ71の多数本とが、方向を揃えるように且つ混在するようにして束ねられ、結着剤によって一纏まりに成っているチーズ入り食品である。ストリングチーズ71は糸状組織や繊維状組織を有して指先で引き裂きながら食べることができるものである。従って繊維状蟹風味蒲鉾51とストリングチーズ71とを解しながら食することによってその繊維性食感を味わうことが出来る。なおさらにストリングチーズ71の1本1本はこれを引き裂くことが可能である。
【0084】
なお上述した第8実施形態に倣って繊維状蟹風味蒲鉾51の層とストリングチーズ71の層とが重ね合わされている構成も可能である。この際に例えばストリングチーズ71の層を内側にして繊維状蟹風味蒲鉾51の層を外側にした同心円状の層配置などとすることが出来る。また各々の層に於いて繊維をランダムな交又状態に纏める構成も可能である。また繊維状蟹風味蒲鉾51の代わりに蟹肉を用いたものとしてもよい。
【0085】
第10実施形態
図11はこの実施形態のスティック状のチーズ入り食品を側面方向から見た模式図である。多数本の蟹肉繊維3を整列させつなぎで平たく繋げて纏められたシート状体と、多数本の繊維状チーズ70を整列させつなぎで平たく繋げて纏められたシート状体とが、重ね合わされて巻かれた状態にあるチーズ入り食品である。なお符号30はシート状の蟹肉の巻始め端部であり、この実施形態ではチーズの側が内側となるようにして巻かれている。このように重なり合う2枚のシート状体は指先や口や箸などで潰そうとすると簡単に解れて、繊維状チーズ70や蟹肉繊維3の状態に戻る。すなわちチーズ部にも引き裂き特性が備わっており、繊維性の食感をチーズの芳醇な味と共に味わうことが出来るのである。
【0086】
なお蟹肉繊維3の代わりに蟹風味蒲鉾を用いてもよく、また蟹風味蒲鉾に上述した第6実施形態の筋目61を有するシート状蒲鉾60を用いてもよい。繊維状チーズ70の直径は任意であり蟹肉繊維3よりも細くすることが可能である。また繊維状チーズ70を第1実施形態のチーズ2入りの繊維状蒲鉾10で代替することが可能である。またチーズの側が外側となるようにして巻くことも可能である。なお重なり合う2枚のシート状体の内の何れか一の側の方が他側のシート状体の巻終り端部よりも1周以上多く捲回されて成るものとする構成も可能である。これは例えばチーズ味を抑えたいとする場合に、蟹肉繊維3のシート状体の方が数周余分に巻かれているようにする、と言うことである。このような構成は他の実施形態でも採用し得る。
【0087】
第11実施形態
図12はこの実施形態のチーズ入り食品に係る装置の概略構成図であり、図13はこのチーズ入り食品の説明図であり、また図14はこのチーズ入り食品の側面方向からの模式図である。シート状蒲鉾60に略平行に多数の切れ目64を入れると共に、シート状チーズ45に略平行に多数の切れ目46を入れ、これ等のシート状体を目の方向を合わせるように重ねて巻く製造方法を行なう装置は次の通りである。すなわちベルトコンベア92の上流側部位にはこのベルトコンベア92に近接させて2個の回転ローラー9,90が設けられている。この2個の回転ローラー9,90の周囲には多数の環状溝91が2個の回転ローラー9,90で相互に食い違うように列設されている。この回転ローラー9,90より下流にはベルトコンベア92に臨んで、前記重合されたシート状体を巻いて棒状に成形するための捲回装置93が設けられている。
【0088】
シート状に形成したすり身を加熱凝固させた後に、このシート状蒲鉾60にシート状チーズ45を重合して、前記2個の回転ローラー9,90の間に通すと、環状溝91,91の作用によりここでは1.0ミリメートル間隔の繊維状の切れ目64が入って裁断され、全体としてはシート状を保ったままベルトコンベア92上に載置されることになる。そしてこのままベルトコンベア92によって移動する内に前記捲回装置93で巻かれて幅が狭いものとなり、最終的に図14で表わしたような棒状のチーズ入り蒲鉾63の纏まりにされる。符号47はシート状チーズ45の巻始め端部である。この纏まりは蒲鉾などの切り口それ自体の接着力、しかし解れる程度の接着力を利用しており、自然には散けないものの指先や口や箸などで力を加えると容易に散けるようになっている。この後はチーズ入り蒲鉾63の纏まりを所望の長さ例えば60ミリメートルに裁断する。なお必要に応じてチーズ入り蒲鉾63に蟹味や蟹赤色を着けるような加工を施したり包装することが可能である。
【0089】
前記シート状蒲鉾60とシート状チーズ45との重合体を図13で表わす。矢線の位置に環状溝91の角が当たって切れ目64,46が形成される。また図14ではチーズ入り蒲鉾63が巻きの端部を剥して描かれている。この重なり合うシート状蒲鉾60とシート状チーズ45との巻終り端部に関して、シート状蒲鉾60の方がシート状チーズ45よりも巻きの長さを大きく取ったものとする構成も可能である。このようにしてチーズの含有比率を変更することが出来る。なおシート状チーズ45の厚さを調節することによっても含有比率を変更し得る。またこの場合切れ目64のピッチよりも切れ目46のピッチの方を短く取るように装置を構成することも出来る。またシート状チーズ45をすり身の中に極く細かいチーズが練り込まれてシート状に形成されたもので代替可能である。なおこの実施形態のチーズ入り蒲鉾63は上述した第10実施形態のバリエーションであると見ることが可能である。
【0090】
上述の環状溝91を有する回転ローラー9,90の構成は素麺機などでも馴染みのあるものであるが、環状溝91の代わりに回転刃を設けた構成のものなども採用可能である。また前記捲回装置93は常法に則ったものでよい。また前記シート状蒲鉾60とシート状チーズ45との重合体を渦巻き状に巻くのではなく、単なる棒状に収束させる構成も可能である。例えば前記捲回装置93の代わりにベルトコンベア92に近接させて設けた左右1対の収束ローラー間に前記重合体を巻き込み中央に寄せ、これを次段の収束ローラー間に通して更に幅の狭いものと為し、更に次段の収束ローラー間に通すと言うようにして、最終的には圧着された棒状のチーズ入り蒲鉾63の纏まりにするのである。これには特公昭56−38187号が参考になる。
【0091】
第12実施形態
図15はこのチーズ入り食品の説明図であり、また図16はこのチーズ入り食品の側面方向からの模式図である。上述した第11実施形態と異なる点は、回転ローラーは切れ目を入れるのではなく、これまで説明して来た筋目を入れるものであることと、シート状蒲鉾60とシート状チーズ48とは別々に筋目が入れられてから重合されたものであることである。すなわちこの実施形態のチーズ入り蒲鉾67は、シート状蒲鉾60に多数の筋目65が入れられており、シート状チーズ48にも同様に略平行に多数の筋目49が入れられており、これ等のシート状体が筋目の方向を合わせるようにして重ね合わされ、シート状チーズ48の側が内側となるようにして巻かれて成るものである。符号401はシート状チーズ48の巻始め端部である。
【0092】
符号66はシート状蒲鉾60の筋目65の部位に出来る薄皮部であり、また符号400はシート状チーズ48の筋目49の部位に出来る薄皮部である。この筋目65で区切られた繊維状蒲鉾は薄皮部66で隣同士と繋がっているだけであるからこの一纏まりを解すのは容易である。同様にこの筋目49で区切られた繊維状チーズは薄皮部400で隣同士と繋がっているだけであるからこの一纏まりを散すのは容易である。この構成によりチーズ入り蒲鉾67は、上述した第11実施形態と同様に切り裂き特性を備えて、繊維性の食感をチーズの芳醇な味と共に味わうことが出来るようになっている。
【0093】
なおシート状チーズ48の側が外側となるようにして巻かれて成るものも提供出来る。またシート状蒲鉾60の筋目65の面側とシート状チーズ48の筋目49の面側とを合わせるようにして重合し得る。この実施形態のチーズ入り蒲鉾67は上述した第10実施形態のバリエーションであると見ることが可能である。なお前記シート状蒲鉾60とシート状チーズ48との重合体を渦巻き状に巻くのではなく、単なる棒状に束ねる構成も可能である。この過程で双方の薄皮部が破けることがあるが強制的に束ねることが出来る。
【0094】
第13実施形態
図17はこの実施形態のチーズ入り食品に係る装置の概略構成図であり、図18はこのチーズ入り食品の説明図である。この製造装置は、蟹風味に加工した魚肉すり身を攪拌してベルトコンベア92上にシート状蟹風味蒲鉾68として展着させる押出し成形装置94と、この下流に於いてベルトコンベア92に望み、チーズと魚肉すりみとの混合物を攪拌してノズル96から押し出し、前記シート状蟹風味蒲鉾68の上に魚肉チーズ層402を展着させる塗布装置95とから構成されている。攪拌された魚肉すり身は押出し成形装置94から押出され、ベルトコンベア92の上にシート状蟹風味蒲鉾68として展着しこのままベルトコンベア92によって下流に移送されるが、塗布装置95のノズル96からはチーズと魚肉すりみとの混合物が押し出されて来るため、ここでシート状蟹風味蒲鉾68の上に魚肉チーズ層402が形成されたシート状体となり、更に下流に移送されて図示しない加熱装置によりゲル化が為され、図示しない切断装置によって切断部69から繊維状のチーズ入り蒲鉾600に細断される。この際の繊維の幅をここでは蟹肉の繊維の1本とほぼ同じ大きさの径としている。なおここでは魚肉チーズ層402の厚さをシート状蟹風味蒲鉾68の厚さの略2分の1とした。
【0095】
上述第4実施形態では、多数の繊維状蟹風味蒲鉾51とそれをつなぐための魚肉すり身52とが混ぜ合わされ攪拌された後に一纏まりのスティック状に成形されている。これに倣ってこの実施形態ではチーズと魚肉すりみとの混合物を魚肉チーズ層402に成形している。ここではチーズと魚肉すりみとの混合比率を半々としている。チーズに魚肉すりみが含まれているために、チーズすなわち魚肉チーズ層402とシート状蟹風味蒲鉾68との親和性、結着性が強まり両層の一体性がより高まる。なおチーズと魚肉すりみとの混合比率を調整することによってチーズの味の濃さをコントロールすることが出来る。
【0096】
このチーズ入り蒲鉾600の集合体ははいわゆる蟹ふぶきであり、サラダの具材などとして用いることができ、箸や口で容易にほぐすことが可能である。このものは蟹風味蒲鉾の層とチーズの層とから成る繊維状体であるため、繊維状の蟹風味蒲鉾に副うチーズには食した時にやはり繊維感がある。このようにチーズ入り蒲鉾600は切り裂き特性を備えて、繊維性の食感をチーズの芳醇な味と共に味わうことが出来るようになっている。なお製造条件にもよるが蟹風味蒲鉾の層とチーズの層との間でさらに切り裂きを生ずることもある。
【0097】
第14実施形態
図19はこの実施形態のチーズ入り食品の側面模式図である。上述した第13実施形態のシート状蟹風味蒲鉾68の上に魚肉チーズ層402が形成されたシート状体に等間隔の繊維状の切れ目が入って裁断され、全体としてはシート状を保ったままベルトコンベア上に載置され、移送される内に魚肉チーズ層402を内側として捲回装置で巻かれて最終的に図19で表わしたような棒状のチーズ入り蒲鉾63の纏まりとなる。符号403は魚肉チーズ層402の巻始め端部である。この纏まりは蒲鉾などの切り口それ自体の接着力、しかし解れる程度の接着力を利用しており、自然には散けないものの、指先や口や箸などで力を加えると容易に散けるようになっている。この後はこの纏まりを所望の長さ例えば60ミリメートルに裁断する。なお必要に応じてシート状蟹風味蒲鉾68に蟹赤色を着けるような加工を施したり包装することが可能である。
【0098】
なおこの重合したシート状蟹風味蒲鉾68と魚肉チーズ層402との巻終り端部に関して、シート状蟹風味蒲鉾68の方が魚肉チーズ層402よりも巻きの長さを大きく取ったものとする構成も可能である。またこの重合体を渦巻き状に巻くのではなく単なる棒状に収束させる構成も可能である。あるいは裁断後のチーズ入り蒲鉾600をランダムな交又状態に纏めたものとすることも可能である。
【0099】
第15実施形態
図20はこの実施形態のチーズ入り食品の部分切欠平面図であり、魚肉チーズ層402の一部を切り欠いてその下に重なっているシート状蟹風味蒲鉾68が見られるように表わしたものである。上述した第13実施形態のシート状蟹風味蒲鉾68の上に魚肉チーズ層402が形成されたシート状体に鋭角のV字形の切れ目404,601を4列に刻設して成るものである。この切れ目404,601は、破線で表わした列の隣り合う隙間部分と両辺部分に薄皮を残して刻設されている。この構成は例えば特開平6−217738号の切れ目入り練製品が参考になる。このシート状体は例えば10センチメートルの長さに切断されて提供される。また上記破線で1列毎に切り離して提供することが出来る。
【0100】
このようなV字形の切れ目404,601が入れられていることにより、箸や口で薄皮の部分の接続を切って容易にほぐすことが可能であり、チーズは切り裂き特性を有しており、実際の蟹足肉に近い食感が得られる。このほぐされた繊維の1本1本は、蟹風味蒲鉾の層と魚肉チーズの層とから成るものである。魚肉チーズ層402とシート状蟹風味蒲鉾68との重合体は一体性が良好であり、このままのシート状体で提供するのに都合がよいが、これを束ねたり巻いたり重合したものとして提供することも可能である。そこで次の実施形態ではこのシート状体の複数枚を重合して成るものを取り上げる。
【0101】
第16実施形態
図21はこの実施形態のチーズ入り食品の斜視図である。このものは上述した第15実施形態のシート状体に類似する。すなわちシート状蟹風味蒲鉾68の上には魚肉チーズ層402が形成されており、このようなシート状体が複数枚重合されて一纏まりとされており、この一纏まりのチーズ入り蒲鉾602の周囲に0.7ミリメートル幅の薄皮を残すようにして鋭角のV字形の切れ目404が刻設されている。なおこの切れ目404の最下部は一番下のシート状蟹風味蒲鉾68の途中までとされており、ここから下は薄皮であると言うことが出来る(この図には現われていない)。
【0102】
このような形態であるためこの実施形態のチーズ入り蒲鉾602は、握り寿司な一緒に提供したり、各種料理の添え物として利用される。また指先で摘みやすく、噛んだときに容易に解れてシート状蟹風味蒲鉾68や魚肉チーズ層402の繊維性食感を楽しむことが出来る。魚肉チーズ層402は切り裂き特性を有しているのである。
【0103】
第17実施形態
図22および図23はこの実施形態のチーズ入り食品に係る製法の概略工程図であり、図24はこのチーズ入り食品の側面模式図である。ベルトコンベアで搬送されるシート状蟹風味蒲鉾603の上にシート状チーズ405を貼り合わせ、シート状チーズ405の側からシート状蟹風味蒲鉾603に向けて直線状の筋目604を1.0ミリメートル間隔で平行に刻んで成るものである。図23から明かとなるようにシート状蟹風味蒲鉾603の一面側から刻み込まれた非貫通の溝である筋目604は他面側には到達しておらず、他面側との間に薄皮部605を残している。これは筋目604で区切られた、チーズ層を有する繊維状の蒲鉾が薄皮部605で隣同士と繋がって、全体として一纏まりの構成をとっていると言うことが出来る。この実施形態のチーズ入り食品はシート状体のまま提供することが可能であり、シート状蟹風味蒲鉾603は食した時に薄皮部605から容易に解れ、繊維性の食感をチーズの芳醇な味と共に味わうことが出来る。
【0104】
なおこの実施形態のチーズ入り食品を巻いてスティック状にして提供することが可能である。図24ではシート状チーズ405の側を外側にして渦巻き状に捲回したものが表わされている。またこのようなスティック状の外周部が赤色に着色されたものとすることが可能である。なおシート状チーズ405の代わりに上述した魚肉チーズ層402を用いるようにしてもよい。
【0105】
第18実施形態
図25はこの実施形態のチーズ入り食品の側面模式図である。このものは上述の第17実施形態に於ける筋目604の付け方に変更を加えたものである。すなわちシート状蟹風味蒲鉾603の側からシート状チーズ405側に向けて直線状の筋目604を1.0ミリメートル間隔で平行に刻んで成る。図25から明かとなるようにシート状チーズ405の一面側から刻み込まれた非貫通の溝である筋目604は他面側には到達しておらず、他面側との間に薄皮部406を残している。すなわち筋目604で区切られた、蒲鉾を有する繊維状のチーズが薄皮部406で隣同士と繋がって、全体として一纏まりの構成をとっていると言うことが出来る。このチーズ入り食品はシート状体のまま提供することが可能であり、シート状蟹風味蒲鉾603は食した時にチーズの薄皮部406から容易に解れて、繊維性の食感をチーズの芳醇な味と共に味わうことが出来る。
【0106】
なおこの実施形態のチーズ入り食品は、更にこれを束ねたり巻いたり重合したものとして提供することが可能である。チーズ層に上述した魚肉チーズ層402を利用するようにしてもよい。
【0107】
第19実施形態
図26はこの実施形態のチーズ入り食品の平面模式図である。このものはシート状蟹風味蒲鉾606とシート状チーズ407とが隣合わせに接続されて1枚のシート状体が形成されており、この接続部に平行と成るように且つシート状蟹風味蒲鉾606の辺部分に薄皮部608を残すようにして多数の切れ目607が、またシート状チーズ407の辺部分に薄皮部409を残すようにして多数の切れ目408が入れられて成るものである。これはこれで一纏まりのチーズ入り食品となっているが、更にこのようなシート状体の複数枚を、1枚目は左側がシート状蟹風味蒲鉾606で右側がシート状チーズ407、2枚目は逆に左側がシート状チーズ407で右側がシート状蟹風味蒲鉾606、と言うように重なり合うシート状体の左右が逆向きとなるように積層して一纏まりとする構成を採用している。これによって蒲鉾やチーズが各々一方に偏ることがないようにしている。このように重合したものは、請求項19の構成と請求項17の構成とを兼ね備えているものと見ることも可能である。
【0108】
何れにせよこの実施形態のチーズ入り食品は、指先や口や箸などで力を加えると容易に散け、切り裂き特性を備えて、繊維性の食感をチーズの芳醇な味と共に味わうことが出来るようになっている。なおシート状蟹風味蒲鉾606、シート状チーズ407、シート状蟹風味蒲鉾606と言う具合に、サンドイッチ状に隣合うように接続されて1枚のシート状体が形成されたものなども提供出来る。また前記切れ目607,408を前記接続部に直行する方向に入れる構成なども可能である。またこのシート状体を積層するのではなく束ねたり巻くようにして一纏まりとする構成も採用出来る。
【0109】
第20実施形態
図27はこの実施形態のチーズ入り食品に係る製法の概略工程図であり、図28はこのチーズ入り食品の側面模式図である。シート状蟹風味蒲鉾609とシート状チーズ410とを隣合わせに接続して1枚のシート状体を形成し、この接続部611に平行と成るようにしてシート状蟹風味蒲鉾609の側に筋目610を、またシート状チーズ410の側に筋目411を等間隔に刻み込むようにしている。従ってこれ等の薄皮部を介してシート状蟹風味蒲鉾609からシート状チーズ410までが一繋がりであり、切り裂き特性を備えて指先や口や箸などで容易に解すことが出来るようになっている。これはこれで繊維性食感を有した一纏まりのチーズ入り食品となっているが、更にこれを束ねたり巻いたり重合したものとして提供することが可能である。図28はこの一例である。
【0110】
すなわちこれは上述したシート状蟹風味蒲鉾609とシート状チーズ410とが接続部611で隣合わせに接続されて成る1枚のシート状体を、シート状チーズ410の端部の方から巻き上げて成るチーズ入り蒲鉾612である。これによればチーズ入り蒲鉾612は中心部にチーズが位置し、その外側に蟹風味蒲鉾が位置している。なおート状蟹風味蒲鉾609の端部の方から巻き上げたものとすることが出来る。また第19実施形態で説明したような2種類のシート状体がサンドイッチ状に隣合うように接続されたものを巻いたものとすることも可能である。またこのようなシート状体を2枚重ね、3枚重ね等、積層してから巻いた構成も可能である。
【0111】
なお接続部611を設けることなく、巻いたシート状チーズ410を用意しておき、これを芯にしてシート状蟹風味蒲鉾609を巻くようにすることが出来る。芯の直径は任意設計事項であるが、例えばシート状チーズ410の直径を全体の直径の3分の1などとする。また捲回したシート状チーズ410の代わりとして、繊維状のチーズを束ねて纏めたものやストリングチーズを芯として使用することが出来る(図28から容易に理解されるため図示せず)。またこのようなチーズ芯に捻りを加えてツイスト状にして成るものとすることが出来る。このように切り裂き特性を有するチーズを芯として、その周りにシート状蟹風味蒲鉾609を巻きつけるようにして成るものは、構造的にシンプルであり、製造も容易であり、食した味も感触も良好であって、ユーザーからも受け入れられ易いものである。
【0112】
なお捲回したシート状チーズ410の代わりとして、上述したすり身の中に極く細かいチーズ2が練り込まれてシート状に形成され、このシート状体に多数の筋目が入れられて巻かれて成るものを芯として用い、この外側をシート状蟹風味蒲鉾609で巻くようにすることが出来る。またこのバリエーションとして上記の配置関係を逆転させ、シート状蟹風味蒲鉾609を芯としてこの外側をチーズ2が練り込まれたシート状体で巻いたものとすることが出来る。さらに単純化したものを第2実施形態で説明したが、蟹風味に調製したすり身の中に極く細かいチーズ2を練り込み、シート状に形成して多数の筋目を入れ、これを巻いたものとすることが出来る。これ等は何れも図28から容易に理解されるため図示しない。
【0113】
第21実施形態
図29はこの実施形態のチーズ入り食品に係る装置の概略構成図であり、図30はこのチーズ入り食品の説明図である。この製造装置は蟹風味に加工した魚肉すり身を攪拌してベルトコンベア92上にシート状蟹風味蒲鉾613として展着させる押出し成形装置94と、この下流に於いてベルトコンベア92に望み、シート状蟹風味蒲鉾613に粉チーズ412を降り掛ける降り掛け装置97と、シート状蟹風味蒲鉾613に粉チーズ412を密着させるべく圧力を掛けるプレスローラー98と、更に下流で粉チーズ412とシート状蟹風味蒲鉾613を加熱するガスバーナー99とから構成されている。攪拌された魚肉すり身は押出し成形装置94から押出され、ベルトコンベア92の上にシート状蟹風味蒲鉾613として展着しこのままベルトコンベア92によって下流に移送されるが、ゲル化される以前の粘稠な状態であることから、降り掛け装置97の位置で落ちてくる粉チーズ412を受けるとこれをある程度粘着する。更にこの下流ではプレスローラー98の作用によってシート状蟹風味蒲鉾613に粉チーズ412が押し付けられ、一部はシート状蟹風味蒲鉾613の内部に入り込む。更に下流に移送されてガスバーナー99により表面の粉チーズ412が焼かれると共にシート状蟹風味蒲鉾613はゲル化が為され、次に図示しない回転ローラーによって略平行に多数の筋目614が入れられる。
【0114】
これによればシート状蟹風味蒲鉾613の表面にあるのみならずその内部にまでチーズ412が入り込んで、表面に薄いチーズの層を形成している。そしてこのシート状蟹風味蒲鉾613は筋目614が付けられているために切り裂き特性を備え、これによりチーズにも切り裂き特性が与えられている。従ってこのものは箸や指や口で容易に解され、繊維性食感をチーズの芳醇な味と共に味わうことが出来る。
【0115】
第22実施形態
図31はこの実施形態のチーズ入り食品の模式図である。シート状蟹風味蒲鉾609には略平行に多数の筋目が入れられており、この筋目を利用して巻かれ更にその外側を薄い隔壁シート901で巻かれて芯部を構成している。またシート状チーズ410にも略平行に多数の筋目が入れられている。このようなシート状チーズ410で前記芯部の周りを巻き、その外側をフィルム状のケーシング900で覆って成る。
【0116】
仮にシート状蟹風味蒲鉾609から水が出るようなことがあったとしても、隔壁シート901の存在によって水が直接的にシート状チーズ410の側に伝わることを防止している。食する際には図31の上部の矢線で示したように、端部を指先で摘んでシート状蟹風味蒲鉾609をシート状チーズ410共々押し出すようにすればよい。なお前記隔壁シート901を可食性フィルムにより構成することが出来、この場合には可食性フィルムを取り去る必要はなくそのまま食することが可能である。
【0117】
第23実施形態
次に図32はこの実施形態の具材の模式図である。多数の繊維状チーズ72を束ねて纏めたものの周りを可食性ケーシング902で筒状に覆って成る。このものを例えば蟹風味蒲鉾Sの中心部に置いたり、側面部に沿わせて重ねたりする。なお同様の具材として上述の切り裂き特性を与えたシート状チーズ45,48を巻いて一纏まりとしたものや、上述の切り裂き特性を与えたシート状チーズ410を巻いて一纏まりとしたものや、第21実施形態の切り裂き特性を与えると共に表面に粉チーズ412を付着させたシート状蟹風味蒲鉾613(シート状チーズである)を巻いて一纏まりとしたもの、などの周りを可食性ケーシング902で巻いて成る具材を提供することが可能である。またこれ等の一纏まりのチーズが全体としてツイストされた状態にあるものとすることも可能である。
【0118】
この何れにせよ可食性ケーシングで巻かれていることにより、不本意にバラけたりすることがなく取り扱いが容易である。これ等は全く新しい具材であると言うことが出来る。更に練製品を始めとして各種の食品に利用することが可能である。
【0119】
(その他の実施形態)
この発明はこれ等の実施形態にのみ限定されるものではない。また各実施形態での工夫は他の実施形態に利用可能なものであれば利用することが出来る。切り裂き特性を付与したチーズ層を包装フィルム上に形成しておき、これを以て蟹風味蒲鉾などを包装することによって、チーズ層を蟹風味蒲鉾などの周りに転写成形することが可能である。チーズに関しては焼いたり揚げたりしたものを使用することが出来る。シート状蒲鉾の製造方法に関しては特開平08−322518号の「帯状練り製品原料の加熱方法」や特開2002−262833号の「カニ風練り製品の製造方法」が参考になる。
【産業上の利用可能性】
【0120】
なお蟹肉などの本物の肉を模さない場合、或いは正確には模さない場合には、シート状の練製品やシート状チーズに入れる筋目や切れ目は直線でなくともよく、ギザや波などを任意にデザインしてよい。またこれ等に擂りゴマやアーモンド粉末を混入させたり、紫蘇葉などのハーブ類や、わさびや唐辛子を含ませることなどが可能である。練製品に魚肉をスモークしたもの、一例を上げればスモークサーモンを用いることが出来る。また蟹風味蒲鉾にカニやエビの殻から抽出した生体活性解毒物質であるキトサンを混入させるようにしても良い。また第4実施形態で説明したことに関連して、切り裂き特性を有する蒲鉾などの練製品と組み合わせる、切り裂き特性を有するチーズ部に関して、すり身とチーズとを混合してシート状に形成し、過熱凝固させて後、筋目や切れ目を付ける場合のすり身の代わりに、アルギン酸ナトリウムやゼラチンなど任意のゲル化剤を利用することが可能である。このものはまた蟹肉と組み合わせることが可能である。またそもそもチーズ味とするのではなく、海苔やワサビやマヨネーズなどが混入された切り裂き特性を有するシートと、蟹肉や切り裂き特性を有する蒲鉾などの練製品と、の組み合わせに成る食品を提供することが出来る。同様に錦糸玉子やひじきや茸や貝柱などの繊維状の食品をチーズの代わりに組み合わせる構成が可能である。チーズを用いた場合と同様、練製品の繊維性食感を損なうことなく、練製品の比較的淡白な味に海苔味やワサビ味やマヨネーズ味などの新味が加わり、より深みのある味の食品となる効果は大きい。また逆に蟹肉や蟹風味蒲鉾の代わりに、貝柱やフカ鰭等の切り裂き特性を有する食品や、これ等を切り裂き特性を有する練製品に加工したものを利用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】第1実施形態の斜視図である。
【図2】一本の繊維状蒲鉾10の一部分を拡大して断面図で表した模式図である。
【図3】第2実施形態の一部分を拡大して断面図で表した模式図である。
【図4】第3実施形態の側面模式図である。
【図5】第4実施形態の側面模式図である。
【図6】第5実施形態の側面模式図である。
【図7】第6実施形態の巻きの端部を剥して見た側面模式図である。
【図8】第7実施形態の側面模式図である。
【図9】第8実施形態の斜視図である。
【図10】第9実施形態の側面模式図である。
【図11】第10実施形態の側面模式図である。
【図12】第11実施形態に係る装置の概略構成図である。
【図13】同実施形態のチーズ入り食品の説明図である。
【図14】同実施形態の側面模式図である。
【図15】第12実施形態のチーズ入り食品の説明図である。
【図16】同実施形態の側面模式図である。
【図17】第13実施形態に係る装置の概略構成図である。
【図18】同実施形態のチーズ入り食品の説明図である。
【図19】第14実施形態のチーズ入り食品の側面模式図である。
【図20】第15実施形態のチーズ入り食品の部分切欠平面である。
【図21】第16実施形態のチーズ入り食品の斜視図である。
【図22】第17実施形態の概略工程図である。
【図23】同実施形態の概略工程図である。
【図24】同実施形態の側面模式図である。
【図25】第18実施形態の側面模式図である。
【図26】第19実施形態の平面模式図である。
【図27】第20実施形態の概略工程図である。
【図28】同実施形態の側面模式図である。
【図29】第21実施形態に係る装置の概略構成図である。
【図30】同実施形態のチーズ入り食品の説明図である。
【図31】第22実施形態のチーズ入り食品の縦断面模式図である。
【図32】第23実施形態の具材の横断面模式図である。
【符号の説明】
【0122】
1 チーズ入り蒲鉾
10 繊維状蒲鉾
11 シート状蟹風味蒲鉾
12 筋目
13 薄皮部
2 チーズ
3 蟹肉繊維
30 巻始め端部
4 チーズ層
40 肉薄部
41 チーズ層
42 筋目
43 チーズ被膜
44 チーズ層
45 シート状チーズ
46 切れ目
47 巻始め端部
48 シート状チーズ
49 筋目
400薄皮部
401巻始め端部
402魚肉チーズ層
403巻始め端部
404切れ目
405シート状チーズ
406薄皮部
407シート状チーズ
408切れ目
409薄皮部
410シート状チーズ
411筋目
412粉チーズ
5 蒲鉾層
50 繊維状蟹風味蒲鉾
51 繊維状蟹風味蒲鉾
52 魚肉すり身
6 チーズ入り蒲鉾
60 シート状蒲鉾
61 筋目
62 薄皮部
63 チーズ入り蒲鉾
64 切れ目
65 筋目
66 薄皮部
67 チーズ入り蒲鉾
68 シート状蟹風味蒲鉾
69 切断部
600チーズ入り蒲鉾
601切れ目
602チーズ入り蒲鉾
603シート状蟹風味蒲鉾
604筋目
605薄皮部
606シート状蟹風味蒲鉾
607切れ目
608薄皮部
609シート状蟹風味蒲鉾
610筋目
611接続部
612チーズ入り蒲鉾
613シート状蟹風味蒲鉾
614筋目
7 チーズ層
70 繊維状チーズ
71 ストリングチーズ
72 繊維状チーズ
9 回転ローラー
90 回転ローラー
91 環状溝
92 ベルトコンベア
93 捲回装置
94 押出し成形装置
95 塗布装置
96 ノズル
97 降り掛け装置
98 プレスローラー
99 ガスバーナー
900ケーシング
901隔壁シート
902可食性ケーシング




 

 


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