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発明の名称 粒子の製造方法、粒子および吸着装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−99555(P2007−99555A)
公開日 平成19年4月19日(2007.4.19)
出願番号 特願2005−290563(P2005−290563)
出願日 平成17年10月3日(2005.10.3)
代理人 【識別番号】100091292
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 達哉
発明者 小林 伸太郎 / 湯蓋 一博
要約 課題
リン酸カルシウム系化合物で構成された緻密質の球状粒子を、効率よく安価に製造可能な粒子の製造方法、かかる粒子の製造方法で製造された粒子、および、かかる粒子を吸着剤として用いた吸着装置を提供すること。

解決手段
リン酸カルシウム系化合物の一次粒子と分散媒とを含むスラリー(液体)を調製する工程と、このスラリーを液滴として加熱雰囲気中に供給し、液滴中から分散媒を除去して一次粒子の集合体を得、この集合体を溶融するとともに球形化し、その後、固化させて、緻密質の二次粒子を得る工程とを有する。また、加熱雰囲気は、雰囲気ガスを電離したプラズマを含むものが好ましい。さらに、このプラズマは、加熱雰囲気中にプラズマ炎を形成しており、このプラズマ炎の外周部にスラリーを供給するのが好ましい。
特許請求の範囲
【請求項1】
リン酸カルシウム系化合物の一次粒子と分散媒とを含む液体を、液滴として加熱雰囲気中に供給し、前記液滴中から前記分散媒を除去して前記一次粒子の集合体を得、該集合体を溶融するとともに球形化し、その後、固化させて、緻密質の二次粒子を得ることを特徴とする粒子の製造方法。
【請求項2】
前記加熱雰囲気は、雰囲気ガスを電離したプラズマを含む請求項1に記載の粒子の製造方法。
【請求項3】
前記プラズマは、前記加熱雰囲気中にプラズマ炎を形成しており、
前記液体は、前記プラズマ炎の外周部に供給される請求項2に記載の粒子の製造方法。
【請求項4】
前記プラズマ炎の外周部におけるプラズマ温度は、1000〜3000℃である請求項3に記載の粒子の製造方法。
【請求項5】
前記球形化した溶融状態の集合体を、強制的に冷却することにより固化させる請求項1ないし4のいずれかに記載の粒子の製造方法。
【請求項6】
前記得られた二次粒子に対して、その表面の凹凸を低減または消失させる平滑化処理を施す請求項1ないし5のいずれかに記載の粒子の製造方法。
【請求項7】
前記平滑化処理は、熱処理である請求項6に記載の粒子の製造方法。
【請求項8】
前記熱処理の温度は、400〜900℃である請求項7に記載の粒子の製造方法。
【請求項9】
前記得られた二次粒子は、その空孔率が5%以下である請求項1ないし8のいずれかに記載の粒子の製造方法。
【請求項10】
前記得られた二次粒子は、その平均粒径が0.5〜20μmである請求項1ないし9のいずれかに記載の粒子の製造方法。
【請求項11】
前記得られた二次粒子は、下記式(I)で表される円形度係数Cの平均値が、0.8〜0.99である請求項1ないし10のいずれかに記載の粒子の製造方法。
C=4πS/L ・・・(I)
(ただし、式中、S[μm]は、測定対象の粒子の投影像の面積、L[μm]は、測定対象の粒子の投影像の周囲長を表す。)
【請求項12】
前記リン酸カルシウム系化合物は、ハイドロキシアパタイトまたはリン酸三カルシウムである請求項1ないし11のいずれかに記載の粒子の製造方法。
【請求項13】
請求項1ないし12のいずれかに記載の粒子の製造方法により製造されたことを特徴とする粒子。
【請求項14】
カラムの充填空間に、吸着剤として請求項13に記載の粒子を充填してなることを特徴とする吸着装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒子の製造方法、粒子および吸着装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
セラミックス材料の一種であるリン酸カルシウム系化合物は、例えば、生体材料や、クロマトグラフィーの固定相用材料等として、広く使用されている。
生体材料として使用する場合、リン酸カルシウム系化合物は、スラリー(液体)等から粒子を得、この粒子を所望の形状に成形して成形体とし、さらに、この成形体を焼成(焼結)することにより焼結体とされる。そして、かかる焼結体を、人工骨や人工歯根等として、臨床的に使用している。
【0003】
また、クロマトグラフィーの吸着剤として使用する場合、リン酸カルシウム系化合物は、前記生体材料として使用する場合と同様にして粒子を得、この粒子を焼成(焼結)することにより、焼結された焼結微粒子とされる。そして、かかる焼結微粒子を、カラムの充填空間に充填して使用している。
このような粒子を得る方法として、水酸基の少なくとも一部をハロゲン基で置換したハイドロキシアパタイトの一次粒子を含むスラリーを、噴霧乾燥法により造粒して、二次粒子を製造する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
噴霧乾燥法(スプレードライ)は、一次粒子を含む液滴に熱風を接触させることにより、液滴中の液相成分を瞬時に乾燥させ、球状の二次粒子を製造する方法である。
しかしながら、上記方法で製造される粒子は、複数の一次粒子が集合した集合体に過ぎず、粒子内の空孔率が大きく、機械的強度が低い。このため、かかる粒子をカラムの充填空間に充填し、液体クロマトグラフィー用吸着装置の吸着剤として用いた場合、カラム内の高い圧力により粒子が崩壊して、フィルタ部材の目詰まり等を生じるおそれがある。
【0005】
また、粒子の空孔率が大きいと、この空孔内で分離成分に粒子内拡散を生じ、吸着装置の分離特性が低下するという問題もある。
さらに、噴霧乾燥法では、数μm程度の比較的小さい粒径の粒子の収量が少ないため、これらの粒子を製造するのに長時間、高コストを要する。
以上のような課題を解決するためには、粒子が緻密質であることが有効だが、これまでは、そのような緻密質の粒子を効率よく製造する方法が確立されていない。
【0006】
【特許文献1】特開2004−330113号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、リン酸カルシウム系化合物で構成された緻密質の球状粒子を、効率よく安価に製造可能な粒子の製造方法、かかる粒子の製造方法で製造された粒子、および、かかる粒子を吸着剤として用いた吸着装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的は、下記(1)〜(14)の本発明により達成される。
(1) リン酸カルシウム系化合物の一次粒子と分散媒とを含む液体を、液滴として加熱雰囲気中に供給し、前記液滴中から前記分散媒を除去して前記一次粒子の集合体を得、該集合体を溶融するとともに球形化し、その後、固化させて、緻密質の二次粒子を得ることを特徴とする粒子の製造方法。
これにより、リン酸カルシウム系化合物で構成された緻密質の球状粒子を、効率よく安価に製造することができる。
【0009】
(2) 前記加熱雰囲気は、雰囲気ガスを電離したプラズマを含む上記(1)に記載の粒子の製造方法。
これにより、一次粒子の集合体を溶融状態に容易に変化させ、二次粒子を得ることができる。
【0010】
(3) 前記プラズマは、前記加熱雰囲気中にプラズマ炎を形成しており、
前記液体は、前記プラズマ炎の外周部に供給される上記(2)に記載の粒子の製造方法。
これにより、一次粒子を構成するリン酸カルシウム系化合物を分解することなく、緻密質の二次粒子をより確実に得ることができる。
【0011】
(4) 前記プラズマ炎の外周部におけるプラズマ温度は、1000〜3000℃である上記(3)に記載の粒子の製造方法。
これにより、一次粒子を構成するリン酸カルシウム系化合物が分解するのをより確実に防止しつつ、集合体の確実な溶融を可能とする。
【0012】
(5) 前記球形化した溶融状態の集合体を、強制的に冷却することにより固化させる上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の粒子の製造方法。
これにより、単位時間あたりの二次粒子の収量を増大させ、二次粒子の製造コストの低減を図ることができる。
【0013】
(6) 前記得られた二次粒子に対して、その表面の凹凸を低減または消失させる平滑化処理を施す上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の粒子の製造方法。
これにより、二次粒子の表面が滑らかに整形され、二次粒子の流動性を高めることができる。
【0014】
(7) 前記平滑化処理は、熱処理である上記(6)に記載の粒子の製造方法。
これにより、前記凹凸の低減または消失を、厳密な制御を必要とせず、乾式で容易に行うことができる。
【0015】
(8) 前記熱処理の温度は、400〜900℃である上記(7)に記載の粒子の製造方法。
これにより、前述のプラズマ処理における未反応物が確実に反応を完了し、所望のリン酸カルシウム系化合物となる。また、この処理により、意図しない極めて微小な破片は、二次粒子表面に取り込まれて消失する。このため、得られた二次粒子を吸着装置に利用した場合、微小破片による目詰まりを効果的に防止できる。
【0016】
(9) 前記得られた二次粒子は、その空孔率が5%以下である上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の粒子の製造方法。
これにより、二次粒子は、特に機械的強度に優れたものとなる。
【0017】
(10) 前記得られた二次粒子は、その平均粒径が0.5〜20μmである上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の粒子の製造方法。
【0018】
本発明によれば、特にこのような粒径の二次粒子を、比較的短時間かつ低コストで製造することができる。
【0019】
(11) 前記得られた二次粒子は、下記式(I)で表される円形度係数Cの平均値が、0.8〜0.99である上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の粒子の製造方法。
C=4πS/L ・・・(I)
(ただし、式中、S[μm]は、測定対象の粒子の投影像の面積、L[μm]は、測定対象の粒子の投影像の周囲長を表す。)
これにより、二次粒子は、流動性が高いものとなる。
【0020】
(12) 前記リン酸カルシウム系化合物は、ハイドロキシアパタイトまたはリン酸三カルシウムである上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の粒子の製造方法。
これらの化合物は、化学量論比の関係から、安定した結晶質の粒子を得易い組成である。
【0021】
(13) 上記(1)ないし(12)のいずれかに記載の粒子の製造方法により製造されたことを特徴とする粒子。
これにより、リン酸カルシウム系化合物で構成された緻密質の球状粒子が得られる。
【0022】
(14) カラムの充填空間に、吸着剤として上記(13)に記載の粒子を充填してなることを特徴とする吸着装置。
これにより、分離特性の優れた吸着装置が得られる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、リン酸カルシウム系化合物で構成された緻密質の球状粒子を、効率よく安価に製造することができる。
【0024】
また、スラリーを液滴として、プラズマを含む加熱雰囲気中に供給すると、液滴の加熱が効率よく均一に行われ、一次粒子の集合体を溶融状態に容易に変化させ、二次粒子を得ることができる。
【0025】
また、液滴がプラズマ炎の外周部に供給されると、液滴中の一次粒子を構成するリン酸カルシウム系化合物を分解することなく、集合体を溶融し、緻密質の二次粒子をより確実に得ることができる。
【0026】
また、溶融状態の集合体を強制的に冷却すると、二次粒子の生成および冷却を効率よく短時間に行うことができるため、単位時間あたりの二次粒子の収量を増大させ、製造コストの低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の粒子の製造方法、粒子および吸着装置を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0028】
本発明の粒子の製造方法は、リン酸カルシウム系化合物の一次粒子を含むスラリー(液体)を調製する工程(スラリー調製工程)と、このスラリーを液滴として加熱雰囲気中に供給し、緻密質の二次粒子(本発明の粒子)を得る工程(造粒工程)とを有する。以下、各工程を順次説明する。
【0029】
[スラリー調製工程]
まず、分散媒中にリン酸カルシウム系化合物の一次粒子を加え、混合してスラリーを調製する。
【0030】
リン酸カルシウム系化合物としては、例えば、ハイドロキシアパタイト、フッ素アパタイト、炭酸アパタイト等のアパタイト類、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム、リン酸四カルシウム、リン酸八カルシウム等が挙げられる。
【0031】
このようなリン酸カルシウム系化合物は、Ca/P比が1〜2程度のものが好ましく、1.3〜1.7程度のものがより好ましい。Ca/P比が前記範囲のリン酸カルシウム系化合物は、優れた生体安全性、生体適合性を有するため、生体材料として適している。
【0032】
さらに、リン酸カルシウム系化合物としては、ハイドロキシアパタイト(Ca/P比:1.67)またはリン酸三カルシウム(Ca/P比:1.5)が特に好ましい。これらの化合物は、化学量論比の関係から、安定した結晶質の粒子を得易い組成である。
【0033】
また、ハイドロキシアパタイトおよびリン酸三カルシウムは、その組成や構造が人骨の無機成分に近く、生体親和性が高い材料である。したがって、生成された粒子は、生体由来成分に対して高い親和性を示すため、人工骨、骨補填材のような生体材料、クロマトグラフィーの固定相用材料等に好適に適用できる。
【0034】
なお、このようなリン酸カルシウム系化合物は、公知の湿式合成法、乾式合成法および水熱合成法等により合成することができる。
【0035】
また、一次粒子の形状は、特に限定されず、球状、針状、層状、不定形状等であってもよい。
【0036】
分散媒としては、例えば、水や、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等のアルコール系分散媒等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を混合したものを用いることができる。
【0037】
また、スラリーにおける一次粒子の濃度は、8wt%以上であるのが好ましく、10〜35wt%程度であるのがより好ましい。これにより、スラリーの粘度が最適化され、後述する工程において、微小かつ均一なサイズの液滴を得ることができる。
【0038】
なお、分散媒中には、上述した材料以外の成分が含まれていてもよい。
また、必要に応じて、スラリー中の気泡を除去する脱気処理を施してもよい。脱気処理の方法は、例えば、スラリーに超音波振動を与える方法(超音波振動法)や、スラリーを減圧雰囲気中に置く方法(減圧法)等を用いることができる。
【0039】
[造粒工程]
次に、調製したスラリーを液滴として、加熱雰囲気中に供給する。これにより、液滴を加熱雰囲気に接触させ、液滴中の分散媒を揮発・除去することができる。
【0040】
スラリーを液滴にする方法としては、例えば、回転円盤による遠心噴霧法、圧力ノズルによる加圧噴霧法等が挙げられる。
【0041】
また、この液滴中には、複数の一次粒子と分散媒が含まれている。
加熱雰囲気中に供給された液滴は、加熱雰囲気に接触することにより加熱され、液滴中の分散媒が揮発して除去される。これにより、一次粒子の集合体が形成される。
【0042】
この集合体は、さらに加熱されると溶融し、溶融状態の集合体に生じる表面張力により球形化した後、固化する。これにより、球形状の二次粒子を得ることができる。
【0043】
このような液滴から二次粒子への変化は、加熱雰囲気中において、ほぼ瞬時に行われる。
【0044】
ここで、加熱雰囲気としては、特に限定されないが、雰囲気ガスを電離したプラズマを含むものが好ましい。プラズマは、液滴に対して、非常に高いエネルギーをより均一に付与することができるため、液滴の加熱を効率よく均一に行うことができる。
【0045】
これにより、液滴中の分散媒を効率よく揮発・除去するとともに、一次粒子の集合体を溶融状態に容易に変化させ、二次粒子を得ることができる。
【0046】
かかる観点から、プラズマとしては、特に、熱プラズマを用いるのが好ましい。熱プラズマは、比較的容易に得ることができるプラズマであり、雰囲気中の気体分子から容易にラジカル(化学活性種)を得ることができる。これにより、熱プラズマは、集合体に対して効率よく熱エネルギーを付与することができる。
【0047】
また、ガスをプラズマ化する方法も、特に限定されないが、例えば、高周波誘導熱プラズマ、アーク放電、グロー放電のような放電による方法、レーザ光、ランプ光のような光照射による方法、化学反応熱のような熱の付与による方法等の各種プラズマ化法を用いることができる。
【0048】
このうち、高周波誘導熱プラズマ法とは、高周波電流の流れるコイルによる電磁誘導作用によって雰囲気ガスを高温化し、電離してプラズマ化する方法である。
【0049】
一方、アーク放電およびグロー放電は、減圧雰囲気における直流放電により生じる熱でプラズマ化する方法である。減圧雰囲気の圧力としては、1〜1500Pa程度であるのが好ましく、1.3〜1300Pa程度であるのがより好ましい。
【0050】
レーザ光としては、例えば、ヘリウムネオンレーザ、アルゴンイオンレーザ、炭酸ガスレーザ、エキシマーレーザ、窒素レーザのようなガスレーザ、ルビーレーザ、YAG(Yttrium Aluminum Garnet)レーザ、ガラスレーザ、ネオジウムレーザのような固体レーザ、ヘリウムカドミウムレーザ、銅蒸気レーザ、金蒸気レーザのような金属レーザ、半導体レーザ等を用いることができる。
【0051】
ランプ光としては、例えば、フラッシュランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプのような放電灯、ハロゲンランプ、タングステンランプのような発熱灯等を用いることができる。
化学反応熱としては、例えば、火薬の燃焼、爆発等を用いることができる。
【0052】
プラズマ化法としては、以上のような方法の中でも、放電による方法を用いるのが好ましく、特に、高周波誘導熱プラズマによる方法を用いるのがより好ましい。放電による方法(特に高周波誘導熱プラズマによる方法)によれば、雰囲気ガスをより効率よくプラズマ化させることができるとともに、雰囲気温度を高い温度に設定するのが容易である。このため、二次粒子をより容易、確実かつ安価に製造することができる。
【0053】
また、高周波誘導熱プラズマによれば、比較的大きな空間にムラの少ないプラズマを発生させることができるため、形状や粒径のばらつきが小さい二次粒子を製造することができるという利点もある。
【0054】
上記の各種プラズマ化法で生成されたプラズマは、一般に、中心部ほどプラズマ温度が高く、外周部ほど低いプラズマ温度分布を有するプラズマ炎を形成する。
【0055】
例えば、高周波誘導熱プラズマでは、前述のコイルの中心部ほど電磁誘導作用が強いため、電磁誘導作用により加速された電子と、加熱雰囲気中の気体分子とがより激しく衝突し、中心部ほどプラズマ温度の高いプラズマ炎が形成される。
【0056】
このプラズマ炎は、その中心部のプラズマ温度が、好ましくは2000〜15000℃程度、より好ましくは7000〜15000℃程度、さらに好ましくは10000〜15000℃程度とされる。
【0057】
ここで、液滴は、このプラズマ炎の外周部に供給されるのが好ましい。プラズマ炎の外周部は、中心部に比べてプラズマ温度が低いため、一次粒子を構成するリン酸カルシウム系化合物を分解することなく、集合体を溶融することができる。このため、緻密質の二次粒子をより確実に得ることができる。
【0058】
かかる観点から、プラズマ炎は、その外周部のプラズマ温度が、1000〜3000℃程度であるのが好ましく、1500〜2500℃程度であるのがより好ましい。これにより、一次粒子を構成するリン酸カルシウム系化合物が分解するのをより確実に防止しつつ、集合体の確実な溶融を可能とする。
【0059】
なお、上記のプラズマ温度とは、実際の雰囲気の温度ではなく、プラズマが有する運動エネルギーを温度の単位に換算した理論上の温度のことを言う。
【0060】
このような造粒工程では、球形化した溶融状態の集合体を、プラズマ炎から遠ざけることにより固化させてもよいが、強制的に冷却することにより固化させるのが好ましい。これにより、二次粒子の冷却を効率よく短時間に行うことができるため、単位時間あたりの二次粒子の収量を増大させることができる。その結果、二次粒子の製造コストの低減を図ることができる。
【0061】
また、二次粒子が十分に冷却されていると、生成後の二次粒子が堆積した際に、二次粒子自体の温度により二次粒子が変形するのを防止することもできる。
【0062】
次に、得られた二次粒子に対しては、必要に応じて、その表面の凹凸を低減または消失させる平滑化処理を施してもよい。これにより、二次粒子の表面が滑らかに整形され、二次粒子の流動性を高めることができる。
【0063】
この平滑化処理としては、例えば、熱処理、薬液処理等が挙げられるが、特に熱処理であるのが好ましい。熱処理によれば、例えば、二次粒子の表面に付着または突出した一次粒子やその断片等を二次粒子表面に取り込むことにより、二次粒子の表面を滑らかに整形することができる。
【0064】
また、熱処理で前記凹凸を低減または消失させる場合、厳密な制御を必要とせず、また、乾式で容易に行うことができる。
【0065】
かかる観点から、この熱処理の温度は、二次粒子の一部が表面に取り込まれる程度の温度であればよく、リン酸カルシウム系化合物の組成によっても若干異なるが、400〜900℃程度であるのが好ましく、600〜750℃程度であるのがより好ましい。これにより、前述のプラズマ処理における未反応物(カルシウム源及びリン酸源)が確実に反応を完了し、所望のリン酸カルシウム系化合物となる。また、この処理により、意図しない極めて微小な破片は、二次粒子表面に取り込まれて消失する。このため、得られた二次粒子を吸着装置に利用した場合、微小破片による目詰まりを効果的に防止できる。
【0066】
熱処理の時間は、特に限定されないが、10分〜3時間程度であるのが好ましく、30分〜2時間程度であるのがより好ましい。
【0067】
熱処理の雰囲気としては、例えば、大気、酸素のような酸化性雰囲気、窒素、アルゴンのような不活性雰囲気、水素、一酸化炭素のような還元性雰囲気、減圧雰囲気等が挙げられる。
【0068】
このようにして得られた二次粒子の平均粒径は、0.5〜20μm程度であるのが好ましく、1〜10μm程度であるのがより好ましい。本発明によれば、特にこのような粒径の二次粒子を、比較的短時間かつ低コストで製造することができる。
【0069】
また、このような粒径の二次粒子は、例えば、吸着装置の吸着剤や、タンパク質や核酸、細胞等の捕捉対象物を吸着(捕捉)し得る担体等として好適に用いることができる。
【0070】
緻密質の二次粒子の空孔率は、5%以下であるのが好ましく、3%以下であるのがより好ましい。これにより、二次粒子は、特に機械的強度に優れたものとなり、例えば、この二次粒子を用いて製造した焼結体を構成材料とする骨補填材は、欠損等が生じ難い、強固なものとなる。このような緻密な二次粒子の製造に、本発明が好適に適用できる。
【0071】
また、液体クロマトグラフィー用吸着装置の吸着剤として、高い圧力を付与された場合でも、二次粒子の崩壊が防止され、吸着剤としての機能を長期間維持することができる。
【0072】
また、前述したように、二次粒子は球形状をなしているが、この二次粒子の下記式(I)で表される円形度係数Cの平均値は、0.8〜0.99程度であるのが好ましく、0.85〜0.99程度であるのがより好ましい。
C=4πS/L ・・・(I)
(ただし、式中、S[μm]は、測定対象の粒子の投影像の面積、L[μm]は、測定対象の粒子の投影像の周囲長を表す。)
【0073】
なお、円形度係数Cは、測定対象の粒子の投影像が真円である場合が最大値1となり、数値が最大値1に近いほど粒子が真球に近いことを示す。
【0074】
円形度係数Cが上記数値範囲を満たすような二次粒子は、真球に近い形状をなしているため、例えば、分散媒に対して優れた分散性を示すことができる。その結果、例えば、前述の捕捉対象物を含有する液体試料中に、二次粒子を均一に分散させることができるため、この粒子を、捕捉対象物を効率よく吸着(捕捉)し得る担体として特に好適に用いることができる。
【0075】
また、二次粒子がほぼ真球に近い形状をなしていると、流動性が向上するため、二次粒子を成形する際に、二次粒子の充填性や成形体の密度の向上を図ることができる。これにより、二次粒子を、緻密で高強度の成形体を得るための原料粒子として用いることができる。さらに、この成形体を焼成することにより、寸法精度に優れた高強度の焼結体を得ることができる。
【0076】
また、例えば、二次粒子をファンデーションのような化粧品に適用した場合、滑りがよく、化粧乗りの良好なものとなる。
【0077】
以上、本発明の粒子の製造方法について説明したが、この方法は、例えば、図1に示すような装置によって好適に実施される。
【0078】
図1は、高周波誘導熱プラズマによりプラズマを発生させ、リン酸カルシウム系化合物球状粒子を製造することができる熱プラズマ装置の模式図(縦断面図)である。なお、以下の説明では、図1中の上側を「上」、下側を「下」と言う。また、図1では、図が煩雑となるのを避けるため、一部の部材を省略している。
【0079】
リン酸カルシウム系化合物粒子の製造装置(熱プラズマ装置)1は、熱プラズマを発生させるプラズマトーチ2と、原材料をプラズマトーチ2内へ供給する原材料供給装置3と、リン酸カルシウム系化合物粒子(二次粒子)8を生成するチャンバー4と、生成されたリン酸カルシウム系化合物粒子8を回収する回収部5と、を含んで構成される。
【0080】
プラズマトーチ2は、石英管2aと、その外側を取り巻く高周波発振用コイル2bとで構成される。プラズマトーチ2の側部には、原材料と噴霧ガス(キャリアガス)とをプラズマトーチ2内に導入するための導入管2dが設けられている。また、プラズマトーチ2の上部には、プラズマガス導入口2cが設けられており、プラズマガス(雰囲気ガス)はプラズマガス導入口2cより、石英管2aの内管に沿って垂直方向に導入される。
【0081】
プラズマガスは、プラズマガス供給源6からプラズマガス導入口2cへ送り込まれる。プラズマガスとしては、例えばアルゴン、窒素、水素、酸素等、またはこれらの混合ガスが用いられる。プラズマガス供給源6には、例えば2種類のプラズマガスが準備されている。プラズマガスは、プラズマガス供給源6からプラズマ導入口2cを介して、石英管2a内に送り込まれる。そして、高周波発振用コイル2bに高周波電流が印加されて、プラズマ炎7が発生する。
【0082】
前述したように、このプラズマ炎7は、中心部ほどプラズマ温度が高く、外周部ほどプラズマ温度が低くなるような温度分布を有している。
【0083】
なお、石英管2aの外側は、同心円上に形成された管(図示せず)で囲まれており、この管と石英管2aとの間に冷却水(図示せず)が循環して、石英管2aを水冷し、プラズマトーチ2内で発生したプラズマ炎7により石英管2aが高温になりすぎるのを防いでいる。
【0084】
原材料である一次粒子を含むスラリー3aをプラズマトーチ2内へ供給する原材料供給装置3は、プラズマトーチ2の側部に設けられた導入管2dへ管9を介して繋げられている。スラリーとは、細かい固体の粒子が液体の中に混ざっている、固体と液体の混合物のことである。
【0085】
原材料供給装置3には、スラリー3aを入れる容器3bと、容器3b中のスラリー3aを攪拌する攪拌機3cと、導入管2dを介してスラリー3aに圧力をかけプラズマトーチ2内に供給するためのポンプ3dと、噴霧ガス供給源3eと、が備えられている。噴霧ガスは、噴霧ガス供給源3eからスラリー3aと共に、導入管2dを介してプラズマトーチ2内へ供給される。これにより、スラリー3aをプラズマトーチ2内に噴霧する。要するにスラリー3aを液滴化させることができる。噴霧ガスにはアルゴン、窒素、水素、酸素、空気等が用いられる。
【0086】
本実施形態では、プラズマトーチ2の側部に導入管2dが設けられており、スラリー3aを、プラズマ炎7の中心部を避け、外周部に供給し得るよう構成されている。
【0087】
一方、プラズマトーチ2の下方に隣接して設けられたチャンバー4では、リン酸カルシウム系化合物粒子(二次粒子)8が生成される。つまり、原料供給装置3からプラズマトーチ2内に噴霧された(液滴化された)スラリー3aは、プラズマ炎7中で分散媒が揮発・除去され、一次粒子の集合体となる。さらに、この集合体は溶融状態となり、表面張力で球形化しつつプラズマ炎7から遠ざかることにより固化して、チャンバー4内で、リン酸カルシウム系化合物粒子8となる。
【0088】
チャンバー4の上部には、冷却手段10が設けられている。
冷却手段10の冷却方法としては、特に限定されないが、図1に示すように冷却ガス11に接触させる方法、チャンバー4内のガスを冷却する方法等が挙げられる。
【0089】
冷却ガス11としては、例えば、大気、酸素のような酸化性ガス、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴンのような不活性ガス、水素、一酸化炭素のような還元性ガス等が挙げられるが、不活性ガスを用いるのが好ましい。これにより、リン酸カルシウム系化合物の酸化または還元による変性を防止することができる。
【0090】
また、チャンバー4内のガスを冷却する方法としては、冷媒等でチャンバー4を冷却することにより、熱伝達でガスを冷却する方法等が挙げられる。
なお、この冷却手段10は、必要に応じて設ければよく、省略することもできる。
【0091】
チャンバー4の側方下部には、生成されたリン酸カルシウム系化合物粒子8を回収する回収部5が設けられている。回収部5は、回収室5aと、回収室5a内に設けられたフィルタ5bと、回収室5a上部に設けられた管5cを介して繋げられた真空ポンプ(図示せず)と、を備える。生成された粒子は、真空ポンプ(図示せず)で吸引されることにより、回収室5a内に引き込まれ、フィルタ5b表面で留まった状態にされて回収される。
【0092】
また、本発明の粒子の製造方法で得られた二次粒子(本発明の粒子)は、人工骨、骨補填材のような生体材料、クロマトグラフィーの固定相用材料、細胞等固定用担体、ウイルス吸着機能性マスク、消臭スプレー、抗菌性石鹸のようなヘルスケア商品の吸着剤、パウダー、ファンデーションのような化粧品等に適用することができる。
【0093】
ここで、生体材料等に用いる焼結体は、例えば、次のようにして製造することができる。
【0094】
まず、前述のようにして、リン酸カルシウム系化合物の二次粒子を得る。
次に、このリン酸カルシウム系化合物の二次粒子を所望の形状に成形して、成形体を得る。
【0095】
この成形方法としては、例えば、I:リン酸カルシウム系化合物の二次粒子を含むスラリーを、所望の型内に充填して、成形する方法、II:前記スラリーに対して、沈殿または遠心分離により固形分を偏在させる方法、III:前記スラリーを所望の型内に入れ、脱水処理し、固形分を型内に残す方法、IV:圧縮成形法、V:リン酸カルシウム系化合物の二次粒子と水状の糊とを混ぜ、これを型に入れ乾燥させる方法等、種々の方法により製造することができる。
【0096】
このようにして得られた成形体に対しては、例えば、自然乾燥、温風乾燥、フリーズドライ、真空乾燥等の方法により、乾燥がなされる。
【0097】
また、得られた成形体に対しては、成形後、例えば、切断、切削、研削、研磨等の機械加工を施してもよい。
【0098】
次に、乾燥後の成形体を、例えば炉等で焼成することにより、焼結体を得る。
焼成の際の温度としては、リン酸カルシウム系化合物が焼結する温度であればよく、具体的には700〜1300℃程度であるのが好ましく、900〜1250℃程度であるのがより好ましい。
【0099】
また、焼成の際の時間としては、前記焼成温度等によっても若干異なり、特に限定されないが、0.1〜10時間程度であるのが好ましく、1〜5時間程度であるのがより好ましい。
【0100】
また、焼成の際の雰囲気としては、特に限定されないが、例えば、大気、酸素等の酸化性雰囲気、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン等の不活性雰囲気、水素、一酸化炭素等の還元性雰囲気、減圧雰囲気等が挙げられる。
【0101】
なお、焼成は、必要に応じて、複数回繰り返し行うようにしてもよい。
このようにして、焼結体を得ることができる。
【0102】
次に、本発明の粒子を備える本発明の吸着装置について説明する。
ここでは、一例として、本発明の粒子を液体クロマトグラフィー用吸着装置の吸着剤として用いた場合について説明する。
【0103】
図2は、本発明の吸着装置の実施形態を示す図(縦断面図)である。なお、以下の説明では、図2中の上側を「流入側」、下側を「流出側」と言う。
【0104】
ここで、流入側とは、目的とする化合物を分離・精製する際に、例えば試料、溶出液等の液体を、本発明の吸着装置に供給する側のことを言い、一方、流出側とは、前記流入側と反対側、すなわち、前記液体が本発明の吸着装置から流出する側のことを言う。
【0105】
図2に示す吸着装置100は、カラム102と、粒状の吸着剤103と、2枚のフィルタ部材104、105とを有している。
【0106】
カラム102は、カラム本体121と、このカラム本体121の流入側端部および流出側端部に、それぞれ装着されるキャップ(蓋体)122、123とで構成されている。
【0107】
カラム本体121は、例えば円筒状の部材で構成されている。
また、カラム本体121には、その流入側開口および流出側開口を、それぞれ塞ぐようにフィルタ部材104、105を配置した状態で、その流入側端部および流出側端部に、それぞれキャップ122、123が螺合により装着される。
【0108】
このような構成のカラム102では、カラム本体121と各フィルタ部材104、105とにより、吸着剤充填空間120が画成されている。そして、この吸着剤充填空間120の少なくとも一部に(本実施形態では、ほぼ満量で)、吸着剤(本発明の粒子)103が充填されている。
【0109】
また、カラム本体121に各キャップ122、123を装着した状態で、これらの間の液密性が確保されるように構成されている。
【0110】
各キャップ122、123のほぼ中央には、それぞれ、流入管124および流出管125が液密に固着(固定)されている。この流入管124およびフィルタ部材104を介して吸着剤103に、例えば試料、溶出液等の液体が供給される。また、吸着剤103に供給された液体は、吸着剤103同士の間(間隙)を通過して、フィルタ部材105および流出管125を介して、カラム102外へ流出する。このとき、試料に含まれる各成分(化合物)は、吸着剤103に対する吸着性の差異に基づいて相互に分離される。
【0111】
各フィルタ部材104、105は、それぞれ、吸着剤充填空間120から吸着剤103が流出するのを防止する機能を有するものである。
【0112】
ここで、液体が吸着剤充填空間120を通過する際には、ポンプ等で高い圧力が付与される。本発明の緻密質の粒子で構成された吸着剤103は、高い機械的強度を有しているため、この圧力によって崩壊するのを防止することができる。これにより、崩壊した吸着剤103の破片が、フィルタ部材105に堆積し、フィルタ部材105に目詰まりが生じるのを防止することができる。その結果、吸着装置100の長寿命化を図ることができる。
【0113】
また、緻密質の粒子であれば、粒子の空孔内に液体が浸入することがなく、分離成分の粒子内拡散を抑制または防止することもできる。これにより、吸着装置の分離特性の低下を防止することができる。
【0114】
以上、本発明の粒子の製造方法、粒子および吸着装置について図示の実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0115】
例えば、本発明の粒子の製造方法は、必要に応じて、任意の目的の工程を追加することもできる。
【実施例】
【0116】
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.粒子および吸着装置の製造
(実施例1)
[1] まず、一般的な湿式合成法により、平均粒径150nmのハイドロキシアパタイト粒子(一次粒子)を生成した。
【0117】
次に、50vol%エタノール水溶液(分散媒)中に、濃度が30wt%となるように一次粒子を加え、混合してスラリーを調製した。
次に、このスラリーに超音波振動を与え、スラリー中の気泡を除去した(脱気処理)。
【0118】
[2] 次に、得られたスラリーを、図1に示す熱プラズマ装置のプラズマ炎の外周部付近に噴霧し、球状の粒子(二次粒子)を得た。なお、冷却ガスとしては、空気を用いた。
【0119】
以下に熱プラズマ装置の設定条件を示す。
・高周波電流の周波数 :4MHz
・高周波電流の出力 :70kW
・プラズマ炎中心部のプラズマ温度:10000℃
・プラズマ炎外周部のプラズマ温度:2000℃
・プラズマ化ガスの種類 :アルゴン+酸素
なお、得られた粒子の平均粒径は、3μmであった。
【0120】
[3] 次に、得られた粒子に対して、熱処理を施した。
以下に熱処理条件を示す。
【0121】
・温度 :900℃
・時間 :1時間
・雰囲気 :大気雰囲気
【0122】
[4] 熱処理を施した粒子を、図2に示すようなカラム本体(内径4.6mm×長さ35mm)内の空間に充填し、液体クロマトグラフィー用吸着装置を得た。
【0123】
(実施例2)
前記工程[3]の熱処理の温度を700℃に変更した以外は、前記実施例1と同様にして粒子および吸着装置を得た。
【0124】
(実施例3)
前記工程[3]の熱処理の温度を400℃に変更した以外は、前記実施例1と同様にして粒子および吸着装置を得た。
【0125】
(実施例4)
前記工程[3]の熱処理を省略した以外は、前記実施例1と同様にして粒子および吸着装置を得た。
【0126】
(実施例5)
電気ヒーターで加熱した雰囲気中にスラリーを噴霧するように変更した以外は、前記実施例1と同様にして粒子および吸着装置を得た。
【0127】
なお、前記工程[2]における噴霧したスラリー(液滴)の加熱温度は、1800℃とした。
【0128】
(比較例)
前記実施例1の工程[2]〜[3]を以下のように変更した以外は、前記実施例1と同様にして、粒子および吸着装置を得た。
【0129】
[2] 次に、得られたスラリーを、噴霧乾燥法(スプレードライ)により造粒し、球状の粒子を得た。
なお、得られた粒子の平均粒径は、5μmであった。
【0130】
[3] 次に、得られた粒子に対して、熱処理を施した。
以下に熱処理条件を示す。
・温度 :950℃
・時間 :1時間
・雰囲気 :大気雰囲気
【0131】
2.評価
2.1 粒子構造、形状および粒径の評価
各実施例および比較例で得られた粒子構造と平均粒径を評価した。
粒子構造は、粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察することにより行った。
【0132】
なお、代表として、実施例2の観察像を図3、実施例4の観察像を図4、比較例の観察像を図5にそれぞれ示す。
【0133】
顕微鏡による観察の結果、各実施例および各比較例で得られた粒子は、いずれもほぼ球形をなしていることが確認できた。
【0134】
なかでも、各実施例で得られた粒子は、粒子表面が滑らかであった。特に、実施例2で得られた粒子は、その傾向が顕著であった。
【0135】
一方、比較例で得られた粒子は、多数の一次粒子が集合した集合体で構成されている様子が認められた。また、一次粒子同士の間には、多数の空孔が認められた。
【0136】
また、各観察像に対して、画像解析ソフトウェア(住友金属テクノロジー社製、「粒子解析 Ver.2.0」)を用い、下記式(I)で表される円形度係数Cを求めた。そして、粒子10個の平均値を算出した。
C=4πS/L ・・・(I)
(ただし、式中、S[μm]は、測定対象の粒子の投影像の面積、L[μm]は、測定対象の粒子の投影像の周囲長を表す。)
【0137】
また、平均粒径は、各観察像から求めた粒子10個の粒径の平均値とした。
これらの円形度係数Cの平均値と平均粒径の評価結果を表1に示す。
【0138】
【表1】


【0139】
表1からも明らかなように、各実施例で得られた粒子は、いずれも、円形度係数Cが0.85以上と高く、真球に近い形状をなしていることが認められた。
【0140】
一方、比較例で得られた粒子は、円形度係数Cが0.85未満と低いものであった。
また、各実施例および比較例で得られた粒子は、いずれも平均粒径が4μm前後の粒子であった。
【0141】
さらに、実施例1〜4で得られた粒子は、いずれも平均粒径が2〜3μmと特に小さいことが確認できた。
【0142】
2.2 空孔率の評価
各実施例で得られた粒子の空孔率を評価した。
【0143】
この空孔率の評価は、水銀圧入法による細孔径分布を測定することにより行った。
その結果、空孔率は、いずれも1%未満であった。
【0144】
2.3 吸着装置の特性評価
各実施例および比較例で得られた吸着装置の成分分離特性を評価した。
【0145】
まず、吸着装置内に、1mMのリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.8)を導入して平衡化を図った。
【0146】
次に、吸着装置内に、試料として、オバルブミン、ミオグロビン、キモトリプシノーゲンおよびチトクロームCの各成分を含むサンプル30μLを注入した。
【0147】
そして、リニアグラジエント法により、吸着装置内を通過するリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.8)の濃度が、12分間で1mMから1Mに徐々に変化するようにして、各成分の分離を行った。
【0148】
また、溶出液の波長280nmの吸光度を、UV検出器を用いて経時的に測定した。
この測定結果を図6に示す。なお、図6には、代表として、実施例1〜3と比較例の吸光度分布(左縦軸)と、併せて、溶出液の電気伝導率(右縦軸)の推移を示す。また、横軸は、溶出液の体積を示す。
【0149】
図6では、吸光度曲線においても、試料中の4種類の成分に起因する主に4つのピークが認められる。
【0150】
いずれの吸着装置においても、4つのピークを確実に分離しており、分解能はほぼ同等と言える。
【0151】
なお、比較例で得られた吸着装置においても、粒子が多孔質であり、試料が粒子内部をも通過するため、良好な分離能が得られている。しかし、多孔質であることから機械的強度が各実施例の粒子と比較して低く、比較例の吸着装置は、繰り返しの使用には耐えられないものと推測できる。
【0152】
また、実施例1〜3を比較すると、実施例2が若干分解能が高いことが認められた。これらの吸着装置は、粒子の熱処理の温度のみの差異であるため、この場合では、熱処理の温度としては700℃が最も好ましいことが明らかとなった。
【図面の簡単な説明】
【0153】
【図1】熱プラズマ装置の模式図(縦断面図)である。
【図2】本発明の吸着装置の実施形態を示す図(縦断面図)である。
【図3】実施例2で得られた粒子の走査型電子顕微鏡による観察像である。
【図4】実施例4で得られた粒子の走査型電子顕微鏡による観察像である。
【図5】比較例で得られた粒子の走査型電子顕微鏡による観察像である。
【図6】実施例1〜3および比較例で得られた吸着装置による成分分離評価結果を示す吸光度分布である。
【符号の説明】
【0154】
1 粒子の製造装置(熱プラズマ装置)
2 プラズマトーチ
2a 石英管
2b 高周波発振用コイル
2c プラズマガス導入口
2d 導入管
3 原料供給装置
3a スラリー
3b 容器
3c 攪拌機
3d ポンプ
3e 噴霧ガス供給源
4 チャンバー
5 回収部
5a 回収室
5b フィルタ
5c 管
6 プラズマガス供給源
7 プラズマ炎
8 リン酸カルシウム系化合物粒子
9 管
10 冷却手段
11 冷却ガス
100 吸着装置
102 カラム
103 吸着剤
104、105 フィルタ部材
120 吸着剤充填空間
121 カラム本体
122、123 キャップ
124 流入管
125 流出管




 

 


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