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発明の名称 酸化亜鉛−酸化セリウム−複合粒子
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−161578(P2007−161578A)
公開日 平成19年6月28日(2007.6.28)
出願番号 特願2006−336394(P2006−336394)
出願日 平成18年12月13日(2006.12.13)
代理人 【識別番号】100061815
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 敏雄
発明者 ミヒャエル クレル / シュティパン カトゥジック / グイド ツィマーマン / シュテファン ヘーベラー
要約 課題
光触媒活性をわずかに有するか又は有さず、UV−B及びUV−A範囲の吸収を示すUVフィルターを提供する。

解決手段
本発明の対象は、BET表面積が5〜100m2/gであり、酸化亜鉛マトリックスと酸化セリウムドメインとを含有し、このドメインは、このマトリックス中及びマトリックス上に存在し、かつ複合粒子に対してそれぞれ、酸化亜鉛の割合が80〜98質量%であり、かつ酸化セリウムの割合が2〜20質量%である複合粒子である。
特許請求の範囲
【請求項1】
BET表面積が5〜100m2/gであり、酸化亜鉛マトリックスと酸化セリウムドメインとを含有し、このドメインは、このマトリックス中及びマトリックス上に存在し、かつ複合粒子に対してそれぞれ、酸化亜鉛の割合が80〜98質量%であり、かつ酸化セリウムの割合が2〜20質量%である複合粒子。
【請求項2】
凝結形で存在することを特徴とする、請求項1に記載の複合粒子。
【請求項3】
複合粒子に対してそれぞれ、酸化亜鉛の割合が85〜95質量%であり、かつ酸化セリウムの割合が5〜15質量%であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の複合粒子。
【請求項4】
酸化亜鉛及び酸化セリウムの割合が、複合粒子に対して少なくとも99.9質量%であることを特徴とする、請求項1から3までの何れか1項に記載の複合粒子。
【請求項5】
BET表面積が、20〜50m2/gであることを特徴とする、請求項1から4までの何れか1項に記載の複合粒子。
【請求項6】
マトリックスの平均直径が、20〜100nmであることを特徴とする、請求項1から5までの何れか1項に記載の複合粒子。
【請求項7】
ドメインの平均直径が、2〜10nmであることを特徴とする、請求項1から6までの何れか1項に記載の複合粒子。
【請求項8】
請求項1から7までの何れか1項に記載の複合粒子を製造する方法において、
− 酸化可能な亜鉛化合物を含有する溶液1と、酸化可能なセリウム化合物を含有する溶液2とを、ノズルにより噴霧ガスを用いて平均直径100μm未満の液滴を形成させつつ反応空間に噴霧し、その際、
− 溶液1の割合は、ZnOとして算出した場合に80〜98質量%であり、かつ溶液2の割合は、CeO2として算出した場合に2〜20質量%であり、
− 溶液1の粘度は200〜5000mPasであり、かつ溶液2の粘度は5〜150mPasであり、この粘度を、場合により亜鉛化合物及びセリウム化合物の分解温度未満の温度にそれぞれ加熱することにより調節し、
− 噴霧された溶液を反応器の高温帯域内に導入し、該領域内で800〜1200℃の温度で酸素又は酸素含有ガスと反応させ、
− この高温ガス及び固体生成物を冷却し、次いでこの固体生成物をこのガスから分離することを特徴とする方法。
【請求項9】
反応温度を、水素含有燃焼ガスと酸素及び/又は空気との反応から得られる火炎により生じさせることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
請求項1から7までの何れか1項に記載の複合粒子を含有する分散液。
【請求項11】
請求項1から7までの何れか1項に記載の複合粒子又は請求項10に記載の分散液と、少なくとも1種のバインダーとを含有する被覆組成物。
【請求項12】
請求項1から7までの何れか1項に記載の複合粒子又は請求項10に記載の分散液を含有するサンスクリーン配合物。
【請求項13】
請求項1から7までの何れか1項に記載の凝結した複合粒子、請求項10に記載の分散液、請求項11に記載の被覆組成物又は請求項12に記載のサンスクリーン配合物を、UVフィルターとして用いる使用。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化亜鉛−酸化セリウム−複合粒子、その製造及びその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
無機UVフィルター、例えば二酸化チタン(UV−B)及び酸化亜鉛(UV−A)の光触媒活性は、光触媒に不活性な成分で包囲することによって減少することは公知である。
【0003】
US6132743号においては、シリコーン化合物での被覆により光触媒活性を減少させた酸化亜鉛粒子が開示されている。
【0004】
US6500415号は、二酸化ケイ素又は酸化アルミニウムで包囲させて光触媒活性を最小限にした二酸化チタン粒子又は酸化亜鉛粒子を開示している。
【0005】
WO03/037994号においては、例えば、光触媒活性をアルミニウム、セリウム、ジルコニウム及び/又はケイ素の酸化物、水酸化物又は酸化水酸化物での包囲により減少させた二酸化チタン粒子が開示されている。WO03/037994号に開示された方法の場合には、包囲する材料の前駆物質が、酵素による沈殿剤系を用いて二酸化チタン粒子上に施与される。この包囲された粒子は凝結せず、かつその平均粒度は50nm未満である。この光触媒活性の顕著な減少には、完全な被覆が必要不可欠である。
【0006】
要約すると、技術水準は、光触媒に不活性な成分での包囲により光触媒活性を減少させることができるUV−Bフィルターを開示している。一般的に、この包囲により、包囲された物質のUV吸収が低下し、よくても同じままである。このUV吸収の波長は、技術水準において公知の包囲された物質によっては、変化しないか又はわずかに小さくなる。すなわち、この被覆は、光触媒活性を最小化することを課題にしているにすぎず、UV−フィルターのUV−B範囲の吸収は極めて損なわれる。
【特許文献1】US6132743号
【特許文献2】US6500415号
【特許文献3】WO03/037994号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、光触媒活性をわずかに有するか又は有さず、UV−B及びUV−A範囲の吸収を示すUVフィルターを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の対象は、BET表面積が5〜100m2/gであり、酸化亜鉛マトリックスと酸化セリウムドメインとを含有し、このドメインは、このマトリックス中及びマトリックス上に存在し、かつ複合粒子に対してそれぞれ、酸化亜鉛の割合が80〜98質量%であり、かつ酸化セリウムの割合が2〜20質量%である複合粒子である。
【0009】
本発明にかかる複合粒子は、凝結形でか又は単離した個々の粒子として存在してよい。凝結した複合粒子は、UV−A及びUV−B範囲の吸光度が大きく、かつ光触媒活性が低い。従って、本発明にかかる複合粒子は、凝結形で存在していることが好ましい。
【0010】
本発明にかかる粒子は、酸化亜鉛の割合が80〜98質量%であり、かつ酸化セリウムの割合が2〜20質量%である。この割合が2質量%未満であれば、光活性触媒の顕著な減少は、純粋な酸化亜鉛粒子と比較すると依然として確認することができない。酸化セリウムの割合が20質量%よりも大きければ、光触媒活性の更なる減少はもはや確認することができない。
【0011】
酸化亜鉛の割合は85〜95質量%であり、かつ酸化セリウムの割合は5〜15質量%であることが好ましい。
【0012】
本発明にかかる複合粒子においては、酸化亜鉛及び酸化セリウムの割合の合計は、複合粒子に対して少なくとも99.9質量%であることが好ましい。特に、金属不純物の割合を減少させることが有利であり得る。従って、複合粒子に対してそれぞれ、鉛の割合が20ppm未満であり、ヒ素の割合が3ppm未満であり、カドミウムの割合が15ppm未満であり、水銀の割合が1ppm未満であり、鉄の割合が200ppm未満であり、かつアンチモンの割合が1ppm未満である複合粒子が特に有利であり得る。
【0013】
この複合粒子のBET表面積は、20〜50m2/gであることが好ましい。この範囲内では、複合粒子は、低い光活性でUV−A及びUV−B範囲の吸収が大きい。
【0014】
この複合粒子のマトリックスは、平均直径が20〜100nmであることが好ましい。この範囲内では、複合粒子は、低い光活性でUV−A及びUV−B範囲の吸収が大きい。
【0015】
この複合粒子のドメインは、平均粒径が2〜10nmであることが好ましい。この範囲内では、複合粒子は、低い光活性でUV−A及びUV−B範囲の吸収が大きい。
【0016】
本発明の更なる課題は、
− 酸化可能な亜鉛化合物を含有する溶液1と、酸化可能なセリウム化合物を含有する溶液2とを、ノズルにより噴霧ガスを用いて平均直径100μm未満の液滴を形成させつつ反応空間に噴霧し、その際、
− 溶剤は、好ましくは有機性であり、
− 溶液1の割合は、ZnOとして算出した場合に80〜98質量%であり、かつ溶液2の割合は、CeO2として算出した場合に2〜20質量%であり、
− 溶液1の粘度は200〜5000mPasであり、かつ溶液2の粘度は5〜150mPasであり、好ましくは10〜50mPasであり、この粘度を、場合により亜鉛化合物及びセリウム化合物の分解温度未満の温度にそれぞれ加熱することにより調節し、
− 噴霧された溶液を、反応器の高温帯域内に導入し、該領域内で800〜1200℃の温度で酸素又は酸素含有ガスと反応させ、
− この高温ガス及び固体生成物を冷却し、次いでこの固体生成物をこのガスから分離する方法である。
【0017】
この高温帯域内に必要な温度は、水素含有燃焼ガスと酸素及び/又は空気との反応から得られる火炎を用いて生じさせる。この温度は、水素含有燃焼ガスと酸素との比により調節することができる。好適な水素含有燃焼ガスは:水素、メタン、エタン、プロパン、ブタン及び/又は天然ガスであってよい。水素を使用することが好ましい。
【0018】
本発明の更なる課題は、本発明にかかる複合粒子を含有する分散液である。複合粒子の含有率は、この分散液の全量に対して0.1〜60質量%であり、好ましくは10〜40質量%であってよい。この分散液は、水性か又は有機性の何れかであってよく、又は水と有機溶剤とを液相として有する混合物からなっていてよく、その際、全ての場合において単一の液相のみが存在する。水性とは、液相の大部分が水からなることと解される。有機性とは、液相の大部分がもっぱら少なくとも1種の有機溶剤からなることと解される。好適な有機溶剤は、モノ−、ジ−、トリ−、ポリアルコール、エーテル、エステル、芳香族化合物、アルカン及びアルケンであってよい。特に、エタノール、メタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、エチルアセテート、ブチルアセテートを使用することができる。この有機溶剤は、反応希釈剤、例えばヘキサンジオールジアクリレート又はトリプロピレングリコールジアクリレートであってよい。
【0019】
本発明にかかる分散液は、更に添加剤を含有してよい。この添加剤は、分散助剤、乳化剤、pH値調整物質及び/又は安定剤であってよい。この添加剤は、好ましくは、ポリリン酸Na、アスコルビン酸、クエン酸、6−アミノヘキサン酸、ステアリン酸及び/又はポリアクリル酸塩、特にそのナトリウム塩であってよい。更に、Disperbyk163、Disperbyk180、Disperbyk190及び/又はByk9077を使用してよい。この添加剤は、この分散液の液相に対して好ましくは0.1〜5質量%、特に好ましくは0.5〜1.5質量%の量で存在する。
【0020】
本発明の更なる課題は、本発明にかかる複合粒子又は本発明にかかる分散液と、少なくとも1種のバインダーを含有する被覆調製物である。
【0021】
好適なバインダーは、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリアルキド、ポリエポキシド、ポリシロキサン、ポリアクリロニトリル及び/又はポリエステルであってよい。1種以上の反応希釈剤を液相として有する分散液の場合には、バインダーとしては、脂肪族ウレタンアクリレート、例えばLaromer(R)LR8987(BASF社)が特に好適であり得る。特に好ましくは、本発明にかかる被覆調製物はポリアクリレート及び/又はポリウレタンを含有してよい。
【0022】
この被覆調製物中のバインダーの割合は、0.1〜50質量%であることが好ましい。1〜10質量%の範囲であることが特に好ましい。
【0023】
この被覆調製物中の複合粒子の割合は、0.1〜60質量%であることが好ましい。1〜10質量%の範囲であることが特に好ましい。
【0024】
更に、この被覆調製物は、塗布の間にこの被覆調製物のレオロジーを変化させる化合物を含有してよい。二酸化ケイ素を含有する充填剤が特に有利であり、この場合、例えば熱分解法により製造された二酸化ケイ素が特に好ましい。この量は、全被覆調製物に対して好ましくは0.1〜20質量%であってよい。
【0025】
更に、この被覆調製物は、有機溶剤、例えばエタノール、ブチルアセテート、エチルアセテート、アセトン、ブタノール、THF、アルカン又は2種以上の上述の物質からの混合物を、この全被覆調製物に対して1〜98質量%の量で含有してよい。
【0026】
本発明にかかる被覆調製物は、樹脂、PVC、プラスチック、鋼、アルミニウム、亜鉛、銅、MDF、ガラス、コンクリートからの物質の被覆に使用することができる。
【0027】
本発明の更なる課題は、本発明にかかる複合粒子を含有するサンスクリーン配合物である。
【0028】
この複合粒子の割合は、サンスクリーン配合物に対して好ましくは0.01〜25質量%であってよい。更に、本発明にかかるサンスクリーン剤は、公知の無機UV吸収顔料及び/又は化学UVフィルターとの混合物中で使用することができる。公知のUV吸収顔料としては、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化鉄、二酸化ケイ素、ケイ酸塩、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム又はこれらの混合物が挙げられる。化学UVフィルターとしては、当業者に知られている全種の水溶性又は油溶性のUVAフィルターもUVBフィルターも挙げられ、その例示として、限定されるものではないが、ベンゾフェノン及びベンズイミダゾールのスルホン酸誘導体、ジベンゾイルメタンの誘導体、ベンジリデンカンファー及びその誘導体、ケイ皮酸及び/又はそのエステルの誘導体又はサリチル酸のエステルが挙げられる。
【0029】
本発明にかかるサンスクリーン剤は、更に当業者に知られている溶剤、例えば水、1価又は複数価のアルコール、化粧品油、乳化剤、安定剤、粘稠調整剤、例えばカルボマー、セルロース誘導体、キサンタンガム、ワックス、ベントン、熱分解法ケイ酸及び化粧品に慣用な更なる物質、例えばビタミン、酸化防止剤、保存剤、着色剤及び香料を含有してよい。
【0030】
一般的には、本発明にかかるサンスクリーン剤は、エマルジョン(O/W、W/O、又はマルチプル)、水性ゲル又は水性アルコールゲル又はオイルゲルとして存在してよく、かつローション、クリーム、ミルクスプレー、ムースの形で、スティックとして、又は他の慣用の形で提供することができる。
【0031】
本発明の更なる課題は、本発明にかかる複合粒子、本発明にかかる分散液、本発明にかかる被覆組成物又は本発明にかかるサンスクリーン配合物をUVフィルターとして用いる使用である。
【実施例】
【0032】
使用される材料
溶液A:Octa−Soligen Zinc 10(Fa.Borchers社):
粘度(20℃):325mPas
オクタン酸亜鉛:10質量%(亜鉛として算出)
ホワイトスピリット:42質量%
6−C19−脂肪酸:46質量%
2−(2−ブトキシエトキシエタノール):2質量%。
【0033】
溶液B:Borchi Kat 22(Fa.Borchers社)、
粘度(20℃):5017mPas
オクタン酸亜鉛:22質量%(亜鉛として算出)
6−C19−脂肪酸:78質量%。
【0034】
溶液C:Octa−Soligen Cerium 12(Fa.Borchers社)
粘度(30℃):61mPas
オクタン酸セリウム50質量%
2−エチルヘキサン酸50質量%。
【0035】
溶液D:硝酸セリウム(III)六水和物をアセトン中に溶解、セリウムの含有率は8質量%、粘度(20℃):52mPas。
【0036】
実施例1:1463g/hの溶液Aを、粘度が325mPasを示す20℃の温度で、かつ136g/hの溶液Cを、粘度が9.2mPasを示す80℃の温度で、三成分ノズルを用いて反応空間内にエアロゾルを形成させつつ噴霧した。この液滴の平均直径D30は、100μm未満であった。ここで、水素(3Nm3/h)と一次空気(5Nm3/h)とからの酸水素ガスが燃焼し、エアロゾルが反応した。付加的に、二次空気(25Nm3/h)をこの反応空間内に導入した。この火炎の0.5m下方の温度は、925℃であった。次いで、この反応混合物を冷却し、そしてこの固体生成物をフィルター上でガス状物質から分離した。
【0037】
実施例2〜6も、同様に実施した。使用物質及び使用量を、第1表に記載する。得られた複合粒子の組成及びBET表面積を、同様に第1表に記載する。
【0038】
図1は、実施例2からの複合粒子のTEM像を示している。暗色の酸化セリウムドメインを酸化亜鉛マトリックス中に明確に識別することができる。この酸化亜鉛マトリックスの直径は、一般的には20〜100nmであり、酸化セリウムドメインの直径は、一般的には5〜10nmである。酸化亜鉛部分は六角形で存在しており、酸化セリウム部分は立方体形で存在している。
【0039】
図2は、ZnO(点線)、CeO(破線)及び本発明にかかる実施例2からの複合粒子(実線)の吸光度を、波長(nm)に応じて示している。約90質量%の酸化亜鉛と、約10質量%酸化セリウムとを含有する本発明にかかる複合粒子の場合、酸化セリウムの割合が小さいにもかかわらず、純粋な酸化セリウムの場合と比べて吸光度がごくわずかに小さいにすぎないことが明らかに識別することができる。
【0040】
第1表:使用物質及び使用量;得られた複合粒子の分析値
【表1】


【0041】
他方、この複合粒子中の酸化亜鉛分の吸光度は、純粋な酸化亜鉛の吸光度にほぼ達する。すなわち、複合粒子の統合された吸光度が、個々の成分(酸化セリウム10%、酸化亜鉛90%)の合計から算術的に得られる吸光度と比べて大きいという相乗効果が存在する。本発明にかかる複合粒子は更に、その構成成分はUV−A範囲及びUV−B範囲の吸収が大きく、従って広帯域フィルターとして使用できることを特徴とする。
【0042】
実施例7:光触媒活性
酸化亜鉛(比較例)及び実施例2からの複合粒子の光触媒活性は、ジクロロ酢酸(DCA)の分解に基づいて、20℃にサーモスタット調節された表面4.9cm2の石英ガラス窓を備えた容量250mlの放射線反応器を使用して試験した。450Wのキセノンランプ(Osram XBO)を用いて、65mW/cm2の放射線強度で放射線照射した。放射線照射時間は、少なくとも4時間であった。試験されるべき材料は、水中の0.1%分散液として存在させた。全試験の間のイオン強度を一定に保つために、この分散液に付加的に10mMのKNO3を添加した。ジクロロ酢酸(DCA)の開始濃度は、1mMであった。この連続的に撹拌された分散液のpH値は、0.1MのNaOHの添加により一定に保ち、その際0.1MのNaOHを滴定した。
【0043】
このDCAの分解は、pH値を一定に保つための水酸化ナトリウムの消費に基づき直接に調べることができる。以下の化学量論比が当てはまる:
CHCl2COO-+O2→H++2Cl-+2CO2
得られたプロトン形成曲線の最初の上昇から、分解速度(nM/秒)、及びこれから、入射された光強度に対する光量子効率(%)を決定することができる。
【0044】
これによれば、純粋な酸化亜鉛は、DCA分解速度が21.5nM/秒であり、光量子効率は0.58%であった。これに対して、本発明にかかる実施例2からの複合粒子は、DCA分解速度が4.23nM/秒にすぎず、かつ光量子効率は0.11%であった。
【0045】
酸化セリウムの割合が10質量%にすぎず、使用された複合粒子の表面の大部分が酸化亜鉛という事実の場合でさえ、光触媒活性を明らかに減少させることができた。更に、酸化セリウムの割合が20質量%より大きいと、光触媒活性をもはや顕著には減少させることができないことを見出した。
【0046】
実施例8:本発明にかかる分散液の製造
50gの水に、0.1質量%のポリアクリル酸をナトリウム塩の形で添加し、それに、実施例2からの複合粒子を小分けにして撹拌しつつ固体含有率が10質量%になるまで添加した。次いで、それぞれ1分にわたって(直径:7mm、装置:超音波処理機UP400s、出力:400W、Dr.Hielscher社)を用いて分散させた。
【0047】
実施例9:本発明にかかるアクリル−/ポリウレタンベースの被覆調製物の製造
実施例8からの分散液を、分散条件下で市販のアクリル−/ポリウレタンバインダー調製物(Relius Aqua Siegel Gloss)に添加し、その結果、複合粒子の割合が2質量%の被覆調製物が得られた。
【0048】
実施例10:本発明にかかるアクリルベースの被覆調製物の製造
実施例9と同様に実施したが、但し市販のアクリルバインダー調製物(Macrynal SM 510(Cytec社)、Desmodur N75(Bayer社))を使用して実施した。
【0049】
実施例11:木材の被覆の際の耐UV性
実施例9及び10からの被覆調製物を、プライマー(Relius Aqua Holz Grund)で前処理した3つのマツ材試料にそれぞれ被覆した(QUV−B313、DIN−EN−927−6、ISO 11507、ASTM D 4857)。比較例として、アクリル−/ポリウレタンベース(Relius Aqua Siegel Gloss)の複合粒子を有さない被覆調製物で被覆されたマツ材試料を利用した。
【0050】
1000時間の試験時間の後に、実施例9及び10からの被覆物は、複合粒子を有さない被覆物と比べて、その被覆物中で明らかに黄変が減少し、明らかに光沢が大きく、かつ脆性及び亀裂を示さなかった。
【0051】
実施例12:ガラスの被覆の際の硬度
実施例9及び10からの被覆調製物、並びに比較例としての複合粒子を有さないアクリル−/ポリウレタンベースの被覆調製物(Relius Aqua Siegel Gloss)を、層厚150μmでガラス板上に塗布した。通常の実験室条件(20℃、65%RH)での1、6、13、34日の乾燥時間の後の硬度を測定した。実施例9及び10から製造された層の硬度は、比較例と比べて100%まで大きい。
【0052】
実施例13:被覆された金属板の光沢及び白色度
金属板を白色塗料で前処理した。次いで、この被覆組成物9及び10、並びに市販の被覆組成物を、有機UVフィルターで処理し、そしてDIN53231により55日にわたって放射線照射した。
【0053】
有機UVフィルターを有するこの試料のBergerによるその後の白色度は、実施例9及び10の組成物からの試料の白色度と比べて明らかに小さかった。
【0054】
実施例14:本発明にかかるサンスクリーン配合物の製造
以下の配合物を用いて、実施例2による本発明にかかる粒子4質量%を有するサンスクリーン剤を製造した。
【0055】
【表2】


【0056】
相Aを、混合機内で70℃まで加熱した。磁性加熱板上で80℃で溶融させた後に、相Bを相Aに添加した。相Cを約300回転/分で真空下でこの油相に撹拌導入した。同様に相Dを70℃まで加熱し、そして真空下でA〜Cからの混合物に添加した。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】実施例2からの複合粒子のTEM像を示している
【図2】ZnO(点線)、CeO(破線)及び本発明にかかる実施例2からの複合粒子(実線)の吸光度を、波長(nm)に応じて示している




 

 


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