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発明の名称 中種法の連続製パンにおけるパン生地の自動搬送装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−116946(P2007−116946A)
公開日 平成19年5月17日(2007.5.17)
出願番号 特願2005−311772(P2005−311772)
出願日 平成17年10月26日(2005.10.26)
代理人 【識別番号】100102314
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 阿佐子
発明者 安田 定明
要約 課題
中種発酵容器同士を衝突させることなく搬送することでパン生地がダメージを受けることを防ぎ、その結果、風味の良好なパン類の提供を可能とする中種法の連続製パンにおけるパン生地の自動搬送装置の提供。

解決手段
中種発酵容器を間欠的に搬送するコンベアと、コンベアと同一水平面に中種発酵容器の搬送ベルトを有し、レール上を往復動するトラバーサとを備える中種法の連続製パンにおけるパン生地の自動搬送装置であって、前記レールに隣接して設けられたコンベアと連動して搬送ベルトを回動させることで中種発酵容器同士を衝突させることなくコンベアからトラバーサへの受け渡し、および、トラバーサからコンベアへの受け渡しを行うことを特徴とする自動搬送装置。
特許請求の範囲
【請求項1】
中種発酵容器を間欠的に搬送するコンベアと、コンベアと同一水平面に中種発酵容器の搬送ベルトを有し、レール上を往復動するトラバーサとを備える中種法の連続製パンにおけるパン生地の自動搬送装置であって、
前記レールに隣接して設けられたコンベアと連動して搬送ベルトを回動させることで中種発酵容器同士を衝突させることなくコンベアからトラバーサへの受け渡し、および、トラバーサからコンベアへの受け渡しを行うことを特徴とする自動搬送装置。
【請求項2】
中種発酵容器を間欠的に搬送するコンベアと、中種発酵容器を搭載して水平動および垂直動するアームを有し、レール上を往復動するトラバーサとを備える中種法の連続製パンにおけるパン生地の自動搬送装置であって、
前記トラバーサは、アームを降下位置で筐体から側方に延出して前記レールに隣接する床面に載置された中種発酵容器を積載し、当該アームを短縮して中種発酵容器を筐体内に収納すること、および、筐体内に収納された中種発酵容器をアームを降下位置で筐体から側方に延出して前記レールに隣接する床面に載置すること、並びに、
前記レールに隣接して設けられたコンベアと連動してアームを上昇位置で筐体から側方に延出することで中種発酵容器同士を衝突させることなくコンベアからトラバーサへの受け渡し、および、トラバーサからコンベアへの受け渡しを行うことを特徴とする自動搬送装置。
【請求項3】
中種発酵容器を搬送するコンベアと、コンベアと同一水平面に中種発酵容器の搬送ベルトを有し、レール上を往復動する搬送ベルト付きトラバーサと、中種発酵容器を搭載して水平動および垂直動するアームを有し、レール上を往復動するアーム付きトラバーサとを備える中種法の連続製パンにおけるパン生地の自動搬送装置であって、
前記搬送ベルト付きトラバーサは、前記レールに隣接して設けられたコンベアと連動して搬送ベルトを回動させることで中種発酵容器同士を衝突させることなくコンベアから当該トラバーサへの受け渡し、および、当該トラバーサからコンベアへの受け渡しを行うことができ、
前記アーム付きトラバーサは、アームを降下位置で筐体から側方に延出して前記レールに隣接する床面に載置された中種発酵容器を積載し、当該アームを短縮して中種発酵容器を筐体内に収納すること、および、筐体内に収納された中種発酵容器をアームを降下位置で筐体から側方に延出して前記レールに隣接する床面に載置すること、並びに、
前記レールに隣接して設けられたコンベアと連動してアームを上昇位置で筐体から側方に延出することで中種発酵容器同士を衝突させることなくコンベアからトラバーサへの受け渡し、および、トラバーサからコンベアへの受け渡しを行うことができる自動搬送装置。
【請求項4】
前記中種発酵容器は、アーム付きトラバーサにより最初のコンベアに受け渡され、コンベア間の移動は、搬送ベルト付きトラバーサにより行われ、アーム付きトラバーサにより次工程への受け渡しが行われることを特徴とする請求項3のパン生地の自動搬送装置。
【請求項5】
前記搬送ベルト付きトラバーサは、前記コンベアの間欠動の間、中種発酵容器を搭載した状態で待機することを特徴とする請求項3または4のパン生地の自動搬送装置。
【請求項6】
前記搬送ベルト付きトラバーサは、中種発酵容器搭載位置を検知するセンサーを備え、当該センサーの検知情報に基づき前記搬送ベルトの回動速度を制御することを特徴とする請求項3、4または5のパン生地の自動搬送装置。
【請求項7】
前記トラバーサは位置情報通信装置を備え、レール端部に設けられた受信装置との通信を行うことにより自動で運行管理が行われることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかのパン生地の自動搬送装置。
【請求項8】
前記コンベアは、コンベア上の中種発酵容器が所定の位置にあることを検知する複数のセンサーを備えることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかのパン生地の自動搬送装置。
【請求項9】
前記コンベアは、終端部に中種発酵容器のはみ出しを検知するセンサーを備えることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかのパン生地の自動搬送装置。


発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、製パン工場におけるパン生地の自動搬送装置に関し、より具体的には低温長時間発酵の中種法の連続製パンをオンライン化しながら、パン生地がダメージを受けることを防ぐことができる中種法の連続製パンにおけるパン生地の自動搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
製パン法は、ストレート法(直捏ね法とも呼ばれる)と中種法とに大別される。
ストレート法は、小麦粉、水、砂糖、油脂、食塩、酵母などの全ての製パン原材料を一度に混捏、発酵させる方法で、風味良好なパンが得られるのが長所である。その反面、発酵の温度、時間は厳密に管理する必要があり、生地は機械耐性に劣るなどの欠点があり大量生産には適さない。
【0003】
中種法は、製パン原材料の一部を混捏発酵させた後、残りの原材料を加えて本捏ねする方法で、出来上がったパンの内層のきめが細かく、ソフトで老化が遅いパンができる。その反面、製パンに長時間が必要で、通常行われる2〜4時間で発酵させる中種製パン法では、風味がストレート法に比べて劣るなどの欠点があった。
【0004】
近年、こうした中種法の欠点を改良できる低温長時間発酵の中種製パン法が考案されている。従来の低温長時間発酵の中種製パン法は中種の発酵にムラが生じるため、工場規模の大量生産には適していなかったが、出願人は、工場規模の大量生産にも適した低温長時間発酵の中種法の連続製パンを提言した(特許文献1)。
【0005】
ところで、中種法の連続製パンにおいてパン生地の搬送工程の無人化をする搬送装置としては、軌道上を自在に前後進して運行するように制御された搬送車により、第1発酵室、本捏用混合機、分割機間を搬送するものが提言されている(特許文献2)。
【特許文献1】特開平11−196758号公報
【特許文献2】特開平6−269243号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来、中種法の連続製パンによる中種生地の搬送は、中種発酵容器の重量が数百kg(200〜900kg)にもなるため、図2に示すように、プッシャー4により複数の中種発酵容器3を一括して行っていた。しかしながら、プッシャー4による一括移動では、中種発酵容器同士が衝突することで生地がダメージを受けるため、風味が低下するという課題があった。
【0007】
特に、低温長時間発酵の中種法の連続製パンでは、通常は4時間程度の中種発酵時間が10〜26時間と長くなるため、中種発酵室内でより多くの中種発酵容器を取り扱う必要があった。そこで、低温長時間発酵の中種法の連続製パンをオンライン化しながら、大量の中種発酵容器同士を衝突させずに自動で搬送する装置が求められていた。
【0008】
本発明は、中種発酵容器同士を衝突させることなく搬送することでパン生地がダメージを受けることを防ぎ、その結果、風味の良好なパン類の提供を可能とする中種法の連続製パンにおけるパン生地の自動搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のパン生地の自動搬送装置は、トラバーサと、コンベアとの組み合わせから構成され、コンベアの回転に合わせてトラバーサの有するベルトまたはアームの作動を制御することにより、中種発酵容器に衝突のダメージを与えることなく搬送することを可能とした。
【0010】
すなわち、第1の発明は、中種発酵容器を間欠的に搬送するコンベアと、コンベアと同一水平面に中種発酵容器の搬送ベルトを有し、レール上を往復動するトラバーサとを備える中種法の連続製パンにおけるパン生地の自動搬送装置であって、前記レールに隣接して設けられたコンベアと連動して搬送ベルトを回動させることで中種発酵容器同士を衝突させることなくコンベアからトラバーサへの受け渡し、および、トラバーサからコンベアへの受け渡しを行うことを特徴とする自動搬送装置である。
第2の発明は、中種発酵容器を間欠的に搬送するコンベアと、中種発酵容器を搭載して水平動および垂直動するアームを有し、レール上を往復動するトラバーサとを備える中種法の連続製パンにおけるパン生地の自動搬送装置であって、前記トラバーサは、アームを降下位置で筐体から側方に延出して前記レールに隣接する床面に載置された中種発酵容器を積載し、当該アームを短縮して中種発酵容器を筐体内に収納すること、および、筐体内に収納された中種発酵容器をアームを降下位置で筐体から側方に延出して前記レールに隣接する床面に載置すること、並びに、前記レールに隣接して設けられたコンベアと連動してアームを上昇位置で筐体から側方に延出することで中種発酵容器同士を衝突させることなくコンベアからトラバーサへの受け渡し、および、トラバーサからコンベアへの受け渡しを行うことを特徴とする自動搬送装置である。
第3の発明は、中種発酵容器を搬送するコンベアと、コンベアと同一水平面に中種発酵容器の搬送ベルトを有し、レール上を往復動する搬送ベルト付きトラバーサと、中種発酵容器を搭載して水平動および垂直動するアームを有し、レール上を往復動するアーム付きトラバーサとを備える中種法の連続製パンにおけるパン生地の自動搬送装置であって、前記搬送ベルト付きトラバーサは、前記レールに隣接して設けられたコンベアと連動して搬送ベルトを回動させることで中種発酵容器同士を衝突させることなくコンベアから当該トラバーサへの受け渡し、および、当該トラバーサからコンベアへの受け渡しを行うことができ、前記アーム付きトラバーサは、アームを降下位置で筐体から側方に延出して前記レールに隣接する床面に載置された中種発酵容器を積載し、当該アームを短縮して中種発酵容器を筐体内に収納すること、および、筐体内に収納された中種発酵容器をアームを降下位置で筐体から側方に延出して前記レールに隣接する床面に載置すること、並びに、前記レールに隣接して設けられたコンベアと連動してアームを上昇位置で筐体から側方に延出することで中種発酵容器同士を衝突させることなくコンベアからトラバーサへの受け渡し、および、トラバーサからコンベアへの受け渡しを行うことができる自動搬送装置である。
第4の発明は、第3の発明において、前記中種発酵容器は、アーム付きトラバーサにより最初のコンベアに受け渡され、コンベア間の移動は、搬送ベルト付きトラバーサにより行われ、アーム付きトラバーサにより次工程への受け渡しが行われることを特徴とする。
第5の発明は、第3または4の発明において、前記搬送ベルト付きトラバーサは、前記コンベアの間欠動の間、中種発酵容器を搭載した状態で待機することを特徴とする。
第6の発明は、第3、4または5の発明において、前記搬送ベルト付きトラバーサは、中種発酵容器搭載位置を検知するセンサーを備え、当該センサーの検知情報に基づき前記搬送ベルトの回動速度を制御することを特徴とする。
第7の発明は、第1ないし6のいずれかの発明において、前記トラバーサは位置情報通信装置を備え、レール端部に設けられた受信装置との通信を行うことにより自動で運行管理が行われることを特徴とする。
第8の発明は、第1ないし7のいずれかの発明において、前記コンベアは、コンベア上の中種発酵容器が所定の位置にあることを検知する複数のセンサーを備えることを特徴とする。
第9の発明は、第1ないし8のいずれかの発明において、前記コンベアは、終端部に中種発酵容器のはみ出しを検知するセンサーを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、中種法の連続製パンの工場におけるパン生地の自動搬送を実現しながら、中種発酵容器同士を衝突させることなく搬送することが可能となり、これによりパン生地がダメージを受けることを防ぐことができ、その結果、風味の良好なパン類を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明を実施するための最良の形態を、中種法の連続製パンの中種発酵工程において説明する。中種法の連続製パンにおける一般的な製パン工程は図1に示すとおりであり、まず生地の約70%が中種発酵室で4〜26時間発酵され、本捏ミキサー投入時に残りの30%の生地が加えられる。本発明によれば、中種生地を中種発酵室に搬入し、発酵時間が経過したものから順次搬出する作業を自動化することができる。
【0013】
本発明のパン生地の自動搬送装置は、搬送ベルト付きトラバーサ1と、アーム付きトラバーサ2と、コンベア6との組み合わせから構成される。トラバーサは、中種発酵容器3を積載し、レール5上を搬送する台車である。トラバーサには、搬送ベルト付きのものとアーム付きのものがあり、前者はコンベア6と中種発酵容器3の受け取り・受け渡しをするために使用され、後者は床面および/またはコンベア6と中種発酵容器3の受け取り・受け渡しをするために使用される。
【0014】
(1)搬送ベルト付きトラバーサの構成
搬送ベルト付きのトラバーサ1は、筐体35の四隅に車輪25を備え、レール5上を自在に前後進退して往復運行する。コンベア6と同一水平レベルにベルト21を備え、ベルトモーター23によりベルト21を回転させることで、コンベア6から中種発酵容器3を受け取り、或いはコンベア6に中種発酵容器3を受け渡すことができる(図3参照)。図4は、中種発酵容器3をコンベア6から受け取る様子を側面から描写したものである。
中種発酵容器3が筐体35内に搭載されると、一対の固定板22がサーボモーター24により前進し、中種発酵容器3の側方を挟着し固定する。中種発酵容器3の受け取り時および受け渡し時には、固定板22がサーボモーター24により後退し、中種発酵容器3が開放される。
中種発酵容器3の受け取り・受け渡しは、左右両側から行うように構成することもできるし、一方の側面からのみ行うように構成してもよい。一方の側面からのみ行う場合には、搭載時の衝撃を緩和するために弾性体からなるストッパー25を投入側と反対側面に設けるのが好ましい。トラバーサ1への電源供給は、例えば三極の電極レールを用いて行う。
【0015】
トラバーサ1によりコンベア6aから中種発酵容器3を受け取り、コンベア6bに受け渡す際の作動を説明する。
まず、コンベア6aが回転し、中種発酵容器3がトラバーサ1の近傍まで移送される(STEP1)。続いてコンベア6aとベルト21が同時に回転することで、中種発酵容器3がベルト21上への載置が開始される(STEP2)。第2のセンサー42が中種発酵容器3を検知後所定の距離だけベルト21が回転することで中種発酵容器3が筐体35内に搭載される(STEP3)。その際、第3のセンサー43が中種発酵容器3を検知すると、ベルト21の回転速度が減速される(STEP4)。第2のセンサー42と第3のセンサー43が中種発酵容器3を検知した状態で、且つ、第1のセンサー41と第4のセンサー44が中種発酵容器3を検知しない状態(はみ出しが無い状態)となると、トラバーサ1がレール5上で移動を開始する(STEP5)。レール5上の移動中、サーボモーター24が左右の固定板22を片方ずつ作動して、中種発酵容器3の位置を修正する(STEP6)。トラバーサ1がレール5上を移動する間、コンベア6bが回転し、中種発酵容器3が搭載されるためのスペースを設ける(STEP7)。トラバーサ1がコンベア6bの側方に到達後、サーボモーター24が作動して固定板22による中種発酵容器3の固定を開放する(STEP8)。続いて、コンベア6bとベルト21が同時に回転することで、中種発酵容器3がコンベア6b上に搭載される(STEP9)。このようにコンベア6とベルト21の回転を制御することにより、中種発酵容器3に衝突のダメージを与えることなく搬送することを可能としている。
【0016】
トラバーサ1のレール5上の移動は、筐体35の四隅に設けられた位置情報通信装置26によりレール5の終端部に設けられた受信装置19と位置情報の通信を行うことにより制御される。位置情報通信装置26と受信装置19との通信は光通信で行うことができ、トラバーサ1の位置情報に基づき減速位置・停止位置を制御することで、自動運行管理が行われる。中種発酵容器3の搬送は自動で行われるが、受信装置19が異常を検知した際にはシステムを停止することで、トラブルを未然に防ぐことができる。
【0017】
(2)アーム付きトラバーサの構成
アーム付きのトラバーサ2は、一対の固定板22と、筐体35の四隅に車輪25および位置情報通信装置26とを備え、レール5上を自在に前後進退して往復運行する点は、搬送ベルト付きトラバーサ1と同じである。
トラバーサ2は、図5に示すように、水平動および垂直動が可能なアーム28を備えている。床に載置された中種発酵容器3の積載は、アーム28が降下位置にある状態で4個のホイール32が回転することでアーム28が筐体の外方に延出され、中種発酵容器3の底部を支持枠33により支持することで行う。その際、図6に示すように、コンベア6の内側にアーム28が入り込み平行となった状態で、支持枠33により中種発酵容器3を持ち上げる。続いて、中種発酵容器3を搭載したアーム28は、ホイール32が逆回転することで筐体内に収納される。
【0018】
中種発酵容器3をコンベア6へ受け渡す際は、昇降用モーター27でアーム28をコンベア6と同一水平面レベルより若干高い位置まで上昇させて筐体35の側方に延出し、コンベア6上でアーム28を若干降下させることで受け渡しを行う。中種発酵容器3をコンベア6から受けとる際は、昇降用モーター27でアーム28をコンベア6と同一水平面レベルより若干低い位置まで上昇させて筐体35の側方に延出し、支持枠33が中種発酵容器3の底面下にある状態でアーム28を更に若干上昇させて受け取りを行う。
中種発酵容器3を床へ載置する際は、アーム28が降下位置にある状態でアーム28を筐体35の側方に延出し、更に若干降下させることで中種発酵容器3を床面上に載置する。中種発酵容器3を床から受け取る際は、アーム28が降下位置にある状態でアーム28を筐体35の側方に延出して支持枠33を中種発酵容器3の底面下にもぐりこませ、そこで若干上昇させて支持枠33で持ち上げて中種発酵容器3を床面から積載する。
【0019】
中種発酵容器3の搭載の有無は、搭載検知センサー45が検知する。トラバーサ1と同様に、中種発酵容器3のはみ出しを検知するセンサーを設けてもよい。
なお、アーム28の態様は、図6に示すような一対のフォークに限定されない。また、コンベアより幅広であってもよく(例えば、図9の6e)、その場合には、コンベアがアーム28の内側に入った状態で平行となり、コンベアからはみ出した中種発酵容器3の側部を持ち上げて受け取り或いは受け渡しを行う。アーム28の構造としては、チェーン駆動により3段階のスライド式に延出する態様が例示されるが、これに限定されない。
【0020】
(3)コンベアの構成
コンベア6は、2列仕様のチェーンコンベアであり、数メートルないし十数メートルの長さに構成され、搬送速度はコンベアの長さおよび中種の発酵時間に応じて可変となるが、例えば4.8m/分である。コンベアの全長および本数は、中種の発酵時間と設置スペースに応じて設計される。コンベア6の一端には、公知のコンベア駆動手段8があり、数分ないし数十分(例えば、12分)間隔で、チェーンベルト7を間欠動することができる。
コンベア6上には、複数の中種発酵容器3が数十cm〜数m間隔で、それぞれが常に非接触の状態となるように載置される。コンベアの側面に、中種発酵容器3の載置位置と対応する箇所に複数の位置監視センサー29を設けることにより、中種発酵容器3が一定間隔で(非接触で)載置されていることを監視することができる。
また、コンベア6の終端部に設けられたはみ出し監視センサー30により、中種発酵容器3がコンベア6から落下することを防止することができる。
【0021】
本発明によれば、例えば、各フロアーに4本のコンベアを備え、同時に60個の中種発酵容器を各フロアーで6時間ずつ滞在させることができる2階建ての中種発酵室を実現することができる。
【0022】
以下では、本発明の詳細を実施例で説明するが、本発明は何ら実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0023】
本実施例のパン生地の自動搬送装置は、中種法の連続製パンにおける中種発酵工程で用いられる。図8に示すように、中種発酵室10は、中種用ミキサー11と本捏用ミキサー13とレール5a,5eにより繋がれている。中種発酵室10の内側と外側を結ぶレール5aの途中には、シャッター15が設けられた搬入口があり、レール5eの途中にはシャッター16が設けられた搬出口がある。
レール5aの側方に配された中種用ミキサー11により撹拌された中種生地が中種発酵容器3に投入され、トラバーサ2aにより中種発酵室10内に搬入される。中種発酵室10内で6〜15時間巡回した中種発酵容器3はトラバーサ2bにより搬出され、レール5eの側方に配されたボックスリフト12により本捏用ミキサー13に投入される。
【0024】
中種発酵室10内の環境温度は、例えば5ないし20℃の範囲内で、好ましくは10ないし15℃の範囲内で、生地の外側と中心部の温度差の発生を抑え、好ましくは該温度差を5℃以内、更に好ましくは3℃以内となるように調整されている。中種発酵時の環境温度に応じて環境湿度は最適に調整される。
本実施例で用いる中種発酵容器3は、1600lのステンレス製であり、寸法はW250cm×D103cm×H104cm、最大重量は800kg(自重330kg含む)である。
【0025】
図9により、中種発酵室10内での中種発酵容器3の巡回を詳細に説明する。アーム付きのトラバーサ2aにより搬入された中種発酵容器3は、コンベア6aに受け渡される。コンベア6a上では、中種発酵容器3が約150〜180cm間隔で載置されている。コンベア6a上の中種発酵容器3は、図8の左手方向に搬送される。コンベア6aの終端部には、レール5b上を移動する搬送ベルト付きのトラバーサ1aが配置されており、コンベア6aから受け渡された中種発酵容器3をコンベア6bに受け渡す。コンベア6b上の中種発酵容器3は、図8の右手方向に搬送され、コンベア6bからコンベア6cへの移動は、搬送ベルト付きのトラバーサ1bにより行われる。コンベア6cは図8の左手方向に進行し、コンベア6dは図8の右手方向に進行する。コンベア6cからコンベア6dへの移動は、搬送ベルト付きのトラバーサ1cにより行われる。コンベア6a〜dにより搬送された中種発酵容器3は、アーム付きのトラバーサ1bに載置され、レール5eにより中種発酵室10から搬出される。
トラバーサ2bは、リフトボックス12に中種発酵容器3を受け渡し、続いて本捏用ミキサー13に中種生地が投入される。空になった中種発酵容器3は、再びトラバーサ2bにより搬送され、コンベア6e上で待機する。空の中種発酵容器3がトラバーサ2aに搭載されるタイミングで中種用ミキサー11の準備ができている場合には中種用ミキサー11の側方に移動し、そうでない場合には空の状態のままコンベア6a〜6dを再度循環する。以上のように、本実施例の中種発酵工程においては、中種発酵容器3の自動循環ループが構成されている。
【0026】
本実施例で用いるトラバーサは、図10〜12に示す搬送ベルト付きのものと、図13〜15に示すアーム付きのものがある。前者は1a〜1cであり、後者は2aおよび2bである。搬送ベルト付きのトラバーサ1は、片側からしか中種発酵容器3の受け取り・受け渡しを行わないため、その反対側に中種発酵容器3搭載時の衝撃を緩和する弾性体からなるストッパー25を設けている。
【0027】
また、フロアーに敷設したレール5a〜5eの延長戦上にある床面に一対の受信装置を設け、トラバーサ1,2に設けられた4つの位置情報通信装置26と光通信を行うことで稼働状況を監視している。例えば、図8中、レール5c上をトラバーサ1bが正常に搬送されているかどうかは、床面に設けられた受信装置19a〜19dとトラバーサ1bに設けられた4つの位置情報通信装置26との光通信により監視されている。
【0028】
コンベア6a〜6dは、十数分間隔で、間欠的に回転させることで中種発酵室10内の滞在時間を調整している。また、トラバーサ1a〜1dおよび2a、2b上でコンベア6b〜6dの間欠間隔だけ中種発酵容器3を待機させることもできる。このように、トラバーサ上をも中種発酵容器3の発酵場所として利用することにより、スペース効率を高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、中規模以上の製パン工場で実施することで特に効果的であり、具体的にはライン能力が時間当たりに30〜40袋(小麦粉25kg/袋)の中規模工場から、70〜90袋の大規模工場で実施される。
食パンのように大量生産される製品において特に有利な効果を奏するものであるが、イーストを使用するパン製品全てに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】中種法の連続製パンにおける一般的な製パン工程である。
【図2】従来の中種発酵容器搬送手段の説明図である。
【図3】本発明の搬送ベルト付きトラバーサの概要平面図である。
【図4】搬送ベルト付きトラバーサからコンベアへの受け渡しの説明側面図である。
【図5】本発明のアーム付きトラバーサの概要側面図である。
【図6】本発明のアーム付きトラバーサの概要平面図である。
【図7】本発明のコンベアの概要平面図である。
【図8】本実施例の中種発酵室周辺のレイアウトである。
【図9】本実施例の中種発酵室内のレイアウトである。
【図10】本実施例の搬送ベルト付きトラバーサの平面図である。
【図11】本実施例の搬送ベルト付きトラバーサの正面図である。
【図12】本実施例の搬送ベルト付きトラバーサからコンベアへの受け渡しの説明側面図である。
【図13】本実施例のアーム付きトラバーサの平面図である。
【図14】本実施例のアーム付きトラバーサの正面図である。
【図15】本実施例のアーム付きトラバーサからコンベアへの受け渡しの説明側面図である。
【符号の説明】
【0031】
1 搬送ベルト付きトラバーサ
2 アーム付きトラバーサ
3 中種発酵容器
4 プッシャー
5 レール
6 コンベア
7 チェーンベルト
8 コンベア駆動手段
10 中種発酵室
11 中種用ミキサー
12 ボックスリフト
13 本捏用ミキサー
15 搬入口シャッター
16 搬出口シャッター
17 室内シャッター
19 受信装置
21 ベルト
22 固定板
23 ベルトモーター
24 サーボモーター
25 車輪
26 位置情報通信装置
27 昇降用モーター
28 アーム
29 位置監視センサー
30 はみ出し監視センサー
31 キャスター
32 ホイール
33 支持枠
34 走行用サーボモーター
35 筐体
36 アーム出入用モーター
41 第1のセンサー
42 第2のセンサー
43 第3のセンサー
44 第4のセンサー
45 搭載検知センサー




 

 


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