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流体有機化合物の処理方法及び処理装置 - 中部電力株式会社
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発明の名称 流体有機化合物の処理方法及び処理装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−131465(P2007−131465A)
公開日 平成19年5月31日(2007.5.31)
出願番号 特願2005−323553(P2005−323553)
出願日 平成17年11月8日(2005.11.8)
代理人 【識別番号】100076473
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 昭夫
発明者 棚橋 尚貴
要約 課題
流体有機化合物の分解・改質を簡易かつ生産性を良好に行うことができる流体有機化合物の処理方法を提供すること。

解決手段
出発原料である流体有機化合物を、反応層に吸着させて、反応気体の存在下で行う分解改質処理を行って改質ガスを得る流体有機化合物の処理方法。(1)反応層をマイクロ波発熱物質で形成するとともに、反応層に常温にて流体有機化合物を吸着させる流体吸着工程と、(2)流体有機化合物の供給を停止した状態で、反応層をマイクロ波加熱手段によって加熱しながら反応気体を供給して、流体有機化合物の分解改質を行う分解改質工程と、(3)反応層を、マイクロ波加熱手段によって加熱してマイクロ波発熱物質の再生処理を行う反応層再生処理工程との、三工程を順次繰り返して行う。
特許請求の範囲
【請求項1】
原料である流体有機化合物を反応層に吸着させて、H2O、CO2、CO及びO2の群から選択される少なくとも1種以上の反応気体の存在下で分解反応及び/又は改質反応による処理(以下「分解改質処理」という。)を行って改質ガスを得る流体有機化合物の処理方法において、
前記反応層の少なくとも一部にマイクロ波を吸収し発熱する物質(以下「マイクロ波発熱物質」という。)で形成するとともに、前記反応層に前記流体有機化合物を供給して、常温にて前記流体有機化合物を吸着させる流体吸着工程と、
前記流体有機化合物の供給を停止した状態で、前記反応層をマイクロ波加熱手段によって前記流体有機化合物の分解改質が可能な第一設定温度に加熱又は維持しながら前記反応気体を供給し、前記流体有機化合物の分解改質処理を行う分解改質工程と、
さらに、前記反応層を、マイクロ波加熱手段によって前記第一設定温度より高温の第二設定温度に加熱又は維持しながら前記反応層の再生処理を行う反応層再生工程との、
三工程を順次繰り返して行うことを特徴とする流体有機化合物の処理方法。
【請求項2】
前記第一設定温度が100〜600℃であり、前記第二設定温度が200〜900℃であることを特徴とする請求項1記載の流体有機化合物の処理方法。
【請求項3】
前記反応層が単一であることを特徴とする請求項1又は2記載の流体有機化合物の処理方法。
【請求項4】
前記反応層を並列に複数個設け、前記吸着工程を順次、別の反応層で順送りし、時間差を設けて行うことを特徴とする請求項1又は2記載の流体有機化合物の処理方法。
【請求項5】
前記反応層を直列に複数個設け、該各反応層を充填粒体で形成し、該充填粒体を前記反応層の配列順に、連続的又は間欠的に移動させて、前記各反応層で前記吸着工程、前記分解改質工程及び反応層再生工程の全工程、又は、前記吸着工程と該吸着工程以外の前記二工程とを、それぞれ固定的かつ実体的に担わせて連続処理し、さらに、前記排出された充填粒体を最前段の前記反応層へ再導入することを特徴とする請求項1又は2記載の流体有機化合物の処理方法。
【請求項6】
前記反応層の少なくとも一部を、前記流体有機化合物の分解触媒成分とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の流体有機化合物の処理方法。
【請求項7】
前記マイクロ波発熱物質が、金属酸化物、金属炭化物若しくは炭素又はそれらの複合体から選択される1種又は2種以上からなるもの又はそれらを主体とするものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の流体有機化合物の処理方法。
【請求項8】
前記マイクロ波発熱物質としての金属酸化物が、遷移金属酸化物の群並びにアルミニウム、鉛、インジウム及び錫からなる典型金属酸化物の群から1種又は2種以上選択されるものであることを特徴とする請求項7記載の流体有機化合物の処理方法。
【請求項9】
前記金属酸化物が、β−アルミナ、γ−アルミナ、酸化チタン、酸化鉄、酸化ジルコニウム又は酸化セリウムであることを特徴とする請求項8記載の流体有機化合物の処理方法。
【請求項10】
前記マイクロ波発熱物質としての複合体が、赤泥、無機汚泥、クリンカ(石炭ボトムアッシュ)、カルシウムフェライト、酸化鉄含有汚泥、煙道・ボイラースケール処理後ブラスト材、アルミドロス、焼却灰、ゼオライト、アルミン酸ナトリウム及び石炭フライアッシュの群から1種又は2種以上選択されることを特徴とする請求項7記載の流体有機化合物の処理方法。
【請求項11】
原料である流体有機化合物を、反応層に吸着させた状態で、反応気体の存在下で分解改質処理して改質ガスを得、さらに、前記反応層の再生処理をする機能を備えた処理装置において、
前記反応層を備えた処理容器と流体供給手段とマイクロ波加熱手段とを備え、
前記処理容器は、少なくとも一部に前記流体有機化合物の吸着機能を有するマイクロ波発熱物質を含む反応層を内部に備えるとともに、前記流体有機化合物又は前記反応気体を供給する流体入口部と前記改質ガスを排出するガス出口部とを備え、
前記流体供給手段は、前記流体有機化合物及び反応気体を独立的に送り込み可能に前記流体入口部に接続し、
前記マイクロ波加熱手段は、前記反応層を前記分解改質処理及び前記反応層の再生処理の各設定処理温度に加熱・維持可能に設けた、
ことを特徴とする流体有機化合物の処理装置。
【請求項12】
前記反応層が単一であることを特徴とする請求項11記載の流体有機化合物の処理装置。
【請求項13】
前記反応層を備えた前記処理容器を複数個並列に配し、
前記流体供給手段が、前記各処理容器内の反応層に、前記流体有機化合物及び前記反応気体を別々に又は同時に供給可能な制御機構を有することを特徴とする請求項11記載の流体有機化合物の処理装置。
【請求項14】
前記充填粒体により形成された反応層を備えた前記処理容器を複数個、直列に配するとともに、それらの処理容器相互間を配列順に前記充填粒体を連続的又は間欠的に移動させる移動手段によって接続し、
前記複数個の処理容器が、配列順に原料の流体入口部を備えた原料吸着容器、前記反応気体の流体入口部及び前記マイクロ波加熱手段を備えた分解改質容器、及び前記マイクロ波加熱手段を備えた再生処理容器からなり、
前記分解改質容器及び/又は再生処理容器は改質ガス排出口を備え、さらに、前記再生処理容器の前記充填粒体の流出口は、前記原料吸着容器の前記充填粒体の導入口と、再生後の前記充填粒体を戻し可能となるように接続することを特徴とする請求項11記載の流体有機化合物の処理装置。
【請求項15】
前記分解改質容器と前記再生処理容器とが同一容器であることを特徴とする請求項14記載の流体有機化合物の処理装置。
【請求項16】
前記マイクロ波発熱物質が、金属酸化物、金属炭化物もしくは炭素又はそれらの複合体から選択される1種または2種以上からなる、又はそれらを主体とするものであることを特徴とする請求項11〜15のいずれかに記載の流体有機化合物の処理装置。
【請求項17】
前記マイクロ波発熱物質としての金属酸化物が、遷移金属酸化物及びアルミニウム、鉛、インジウム、錫の典型金属酸化物の群から選択されるものであることを特徴とする請求項16記載の流体有機化合物の処理装置。
【請求項18】
前記金属酸化物が、β−アルミナ、γ−アルミナ、酸化チタン、酸化鉄、酸化ジルコニウム又は酸化セリウムであることを特徴とする請求項17記載の流体有機化合物の処理装置。
【請求項19】
前記マイクロ波発熱物質としての複合体が、赤泥、無機汚泥、クリンカ(石炭ボトムアッシュ)、カルシウムフェライト、酸化鉄含有汚泥、煙道・ボイラースケール処理後ブラスト材、アルミドロス、焼却灰、ゼオライト、アルミン酸ナトリウム及び石炭フライアッシュの群から1種又は2種以上選択されることを特徴とする請求項16記載の流体有機化合物の処理装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機化合物を改質処理する方法及び装置に関し、具体的には、炭化水素等の流体の有機化合物を、反応性ガス(例えばH2O、CO2、O2等)の存在下で、分解反応及び/又は改質反応をするのに好適な流体有機化合物の処理方法及び処理装置に係る。
【0002】
ここで流体の有機化合物には、ガスないし液体の炭化水素(脂肪族、脂環式、芳香族を含む)ばかりでなく、ポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチック類(廃プラスチック類を含む。)の熱分解ガス・液体を含む。また、流体とは、常温流体の化合物ばかりでなく、反応に際して、流体となっている全ての状態を含む。
【背景技術】
【0003】
昨今、環境的見地から燃料電池に対する関心が高まり、将来、燃料電池の原料となる水素の需要が増大することが予測され、低コストで水素を製造する技術の開発が要請されている。
【0004】
他方、同様に環境的見地から、廃プラスチック類のリサイクルが望まれている。廃プラスチック類は、熱処理すると、熱分解で炭化水素類が多量に発生するため、炭化水素等を水蒸気や酸素改質して、水素を得ることが可能である。
【0005】
例えば、特許文献1には、有機化合物(炭化水素やアルコール)又は一酸化炭素を含む反応流体から触媒反応により水素を発生させる触媒体を、流体流路内に設けた改質反応装置であって、該触媒体の少なくとも一部分が通電により発熱可能に構成されている触媒反応装置が記載されている。そして、該装置を用いて、有機化合物と水蒸気(改質用ガス)等とを反応物質として含む反応流体を通過させて、該有機化合物を改質処理して、水素等の改質ガスを調製する技術が記載されている(特許文献1の段落0038〜0040、図10参照)。
【0006】
この技術は、改質処理における加熱は、抵抗発熱を前提としており、触媒体(触媒担持体)を兼ねる発熱体はFe−Cr−Al、Fe−Al、Fe−Cr等の合金からなるハニカム構造体等で形成するものである(同段落0041参照)。
【0007】
加えて、さらなる課題として、人体に悪影響を与える有害な有機化合物が大気中に放出されている場合があり、環境保護の観点からも、これらの有機化合物が大気放出される前に無害な物質に分解改質することが望まれている。
【0008】
これに対応するために、有害な有機化合物を吸着させた後、触媒や酸化助剤を用いて、分解に必要な温度まで加熱することで無害な二酸化炭素等に改質する技術が種々提案されている。
【0009】
例えば、特許文献2では、排気ガス流内に抵抗加熱で脱着温度にまで加熱可能な手段を備えた活性炭吸着層と、その下流側に有機化合物を酸化する酸化剤層を設置し、活性炭層での有機化合物の吸着及び加熱脱着、さらには、酸化剤層での脱着後の有機化合物の分解改質を行なう方法が開示されている。この方法の場合は、活性炭等の抵抗加熱が可能な吸着剤に直接通電することが前提となっており、活性炭を用いるため、活性炭の発火点以上の温度域まで加熱することはできない。また、直接通電であるため、排ガス中の煤塵などが抵抗加熱体に蓄積するとその抵抗値が変動して、全体の温度制御が困難となる。
【0010】
この方法に類似して、特許文献3には、酸化機能を有する吸着剤に有機化合物を吸着させた後、その吸着層内を低温プラズマで沿面放電させて分解させる方法が開示されている。この方法の場合は、吸着剤自体を高温加熱する方法ではなく、分解温度が低いことから、処理対象が低濃度の揮発性有機物質に限定されている。
【特許文献1】特開平11−130405号公報
【特許文献2】特開平9−206557号公報(特許請求の範囲等参照)
【特許文献3】特開2004−41884号公報(特許請求の範囲等参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記先行技術文献に記載されていない新規な構成で、流体有機化合物の分解及び/又は改質を簡易に、かつ、生産性良好に行なうことができる流体有機化合物の改質処理方法及び処理装置を提供することを課題(目的)とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の流体有機化合物の処理方法は、下記構成により上記目的(課題)を解決するものである。
【0013】
本発明は、出発原料である流体有機化合物を、反応層に吸着させて、H2O、CO2、CO及びO2の群から選択される少なくとも1種以上の反応気体の存在下で行なう分解反応及び/又は改質反応による処理(「分解改質処理」という。以下同じ。)を行って改質ガスを得る流体有機化合物の処理方法において、
反応層の少なくとも一部にマイクロ波を吸収して発熱する物質(以下「マイクロ波発熱物質」という。)で形成するとともに、反応層に常温にて有機化合物を吸着させる流体吸着工程と、
流体有機化合物の供給を停止した状態で、反応層をマイクロ波加熱手段によって前記流体有機化合物の分解改質が可能な第一設定温度に加熱又は維持しながら前記反応気体を供給し、有機化合物の分解改質を行なう分解改質工程と、
さらに、前記反応層を、マイクロ波加熱手段によって前記第一設定温度より高温の第二設定温度に加熱又は維持しながら、マイクロ波発熱物質の再生処理を行う反応層再生工程との、
三工程を順次繰り返して行なうことを特徴とする。
【0014】
上記の如く、分解改質処理を、吸着工程、分解改質工程及び反応層再生工程の三工程に分割して順次繰り返すことにより、下記のような効果を奏する。
【0015】
反応層再生工程を経た反応層に、常温で流体有機化合物を吸着させるため、流体有機化合物と反応気体を同時に高温の反応層へ導入する場合に比して、流体有機化合物の吸着効率が良好となる。これは、反応層が、吸着に適した未使用又は再生(活性化)された状態にあり、しかも、低温の方が高温の場合よりも一般に吸着性が優れているためである。また、流体有機化合物と反応気体とを同時に反応層へ導入しないため、反応制御が容易となる。
【0016】
上記反応層に安定吸着された流体有機化合物に対して、反応気体(改質用ガス)をその反応に適した温度(第一設定温度)に加熱維持した反応層に選択的に導入することができ、反応効率(改質効率)も最大化できる。
【0017】
上記反応層をマイクロ波発熱物質とすることにより、マイクロ波照射したとき、直接加熱(誘電加熱)が可能となる。このため、被処理物である流体有機化合物の分解改質反応に適した温度に制御して均一加熱が可能となる。マイクロ波加熱は抵抗加熱に比して温度制御や均一加熱が容易である。また、マイクロ波により流体有機化合物(誘電体)も直接加熱(誘電加熱)され熱分解が促進されやすくなる。さらに、特許文献1・2の抵抗発熱体の如く直接通電しないため、排ガス中の煤塵等が蓄積されて、抵抗値が変動して温度制御が困難となるような問題が発生することがなく、さらには、水蒸気改質においても、漏電対策が不要となる。また、廃プラスチックの熱分解成分(炭化水素等)を原料として使用でき、低コストで水素等を製造可能となる。
【0018】
なお、反応気体存在下の反応層における流体有機化合物(分解反応に伴い発生するものを含む。)の改質反応は、脂肪族炭化水素又は脂肪族アルコールの場合、下記の如くである。以下の各反応式で、「+Q」は発熱量を示し、「−Q」は吸熱量を示す。
【0019】
1)脂肪族炭化水素の触媒酸化による直接改質・・・
2Cn2n+2+(3n+1)O2→2nCO2+2(n+1)H2O+Q1
2)脂肪族炭化水素の水蒸気による改質・・・
n2n+2+nH2O→nCO+(2n+1)H2−Q2
3)脂肪族炭化水素の二酸化炭素による改質・・・
n2n+2+nCO2→2nCO+2(n+1)H2−Q3
4)脂肪族炭化水素の一酸化炭素による改質・・・
CH4+CO→C22+H2O−Q4
26+CO+H2O→2CH3COOH−Q4´
5)脂肪族アルコールの水蒸気による改質・・・
n2n+1(OH)+nH2O→nCO2+(2n+1)H2−Q5
これらの反応は、1)を除いていずれも吸熱反応であり、加熱により右側への反応が促進される。
【0020】
上記2)、3)において、燃料ガスの場合は、このままでもよいが、改質ガスを水素として燃料電池に使用する場合は、下記COシフト反応や、CO選択酸化反応により、生成ガスのCOを低減させるための、さらなる改質処理が必要である。それは、COが燃料電池の電極を被毒させるおそれがあるためである。(特許文献1段落0018参照)。
【0021】
6)COシフト反応・・・CO+H2O→CO2+H2+Q6
7)CO選択酸化反応・・・CO+1/2O2→CO2+Q7
上記構成において、第一設定温度は100〜600℃とし、第二設定温度は200〜900℃の範囲から、流体有機化合物及び反応気体の種類、及び、改質ガスの種類に応じて適宜選定する。
【0022】
また、本発明の処理方法は、反応層が単一である構成とすることもできるが、次のような反応層を複数個設けた下記各構成とすることができる。
【0023】
その一態様は、前記反応層を並列に複数個設け、前記吸着工程を順次、別の反応層で順送りし、時間差を設けて行なう構成である。すなわち、各反応層で前記吸着工程を再度行なうまでに、該各反応層での前記反応層再生工程を終了するように時間差を設定して、前記流体有機化合物を連続供給して処理することができ、原料である流体有機化合物の反応層への供給を、反応工程ないし反応層再生工程中に停止する必要がない。また、反応層再生工程を経た反応層を、吸着工程に使用するため、吸着効率が良好であるとともに、分解触媒の触媒能を回復させて分解改質工程に使用するため、良好な反応効率を維持できる。
【0024】
他の一態様は、前記反応層を直列に複数個設け、該反応層を充填粒体で形成し、該充填粒体を前記反応層の配列順に、連続的又は間欠的に移動させて、前記各反応層で前記吸着工程、前記分解改質工程及び前記反応層再生工程の全工程、又は、前記吸着工程と他の前記二工程とを、それぞれ固定的かつ実体的に担わせて連続処理するとともに、さらに、前記排出された充填粒体を最前段の前記反応層へ再導入する構成である。上記反応層が触媒毒(例えば、CO)等により分解触媒の触媒作用が低下する前に反応層を形成する充填粒体を、再生処理容器へ移動し、さらに、循環使用するため、長時間の閉鎖系の連続運転が可能となる。ここで、上記「実体的に担わせて」とは、分解改質工程から反応層再生工程への変換は徐々に(傾斜的に)行われるものであり、同一反応層において分解改質工程と反応層再生工程とが混在していることを意味する。
【0025】
そして、前記反応層の少なくとも一部を、前記流体有機化合物の分解触媒成分とすることが望ましい。流体有機化合物の低温での分解反応を促進させることができ、温度制御も容易となるからである。
【0026】
前記マイクロ波発熱物質としては、通常、金属酸化物、金属炭化物若しくは炭素又はそれらの複合体から選択される1種又は2種以上からなるもの、又はそれらを主体とするものとする。
【0027】
ここで、前記マイクロ波発熱物質としての金属酸化物は、遷移金属酸化物の群並びにアルミニウム、鉛、インジウム及び錫からなる典型金属酸化物の群から1種又は2種以上を選択する。これらは、流体有機化合物の分解反応に対して選択性を有するとともに触媒活性の高いものが多く、分解触媒成分を兼ねることができる。
【0028】
金属酸化物の内で、β−アルミナ、γ−アルミナ、酸化チタン、酸化鉄、酸化ジルコニウム及び酸化セリウム(以下、「特定金属酸化物」という。)は、特に触媒活性が高く、マイクロ波発熱特性が良好であり望ましい。
【0029】
前記マイクロ波発熱物質としての複合体は、赤泥、無機汚泥、クリンカ(石炭ボトムアッシュ)、カルシウムフェライト、酸化鉄含有汚泥、煙道・ボイラースケール処理後ブラスト材、アルミドロス、焼却灰、ゼオライト、アルミン酸ナトリウム及び石炭フライアッシュの群から1種又は2種以上を選択する。これらは、上記特定金属酸化物と同様に長所を有するとともに、産業廃棄物に多量に含まれており、廃棄物の資源化が可能となる。
【0030】
そして、上記流体有機化合物の処理方法に適した流体有機化合物の処理装置は、下記構成となる。
【0031】
原料である流体有機化合物を、反応層に吸着させた状態で、反応気体の存在下で分解改質処理して改質ガスを得、さらに、前記反応層の再生処理をする機能を備えた処理装置において、
前記反応層を備えた処理容器と流体供給手段とマイクロ波加熱手段とを備え、
前記処理容器は、少なくとも一部に前記流体有機化合物の吸着機能を有するマイクロ波発熱物質を含む反応層を内部に備えるとともに、前記流体有機化合物又は前記反応気体を供給する流体入口部と前記改質ガスを排出するガス出口部とを備え、
前記流体供給手段は、前記流体有機化合物及び反応気体を独立的に送り込み可能に前記流体入口部に接続し、
前記マイクロ波加熱手段は、前記反応層を前記分解改質処理及び前記反応層の再生処理の各設定温度に加熱・維持可能に設けている、ことを特徴とする。
【0032】
そして、当該装置において、前記反応層が単一である構成でもよいが、下記各構成とすることが連続処理するのに適している。
【0033】
その一態様は、前記反応層を備えた前記処理容器を複数個並列に配し、前記流体供給手段が、前記各処理容器内の反応層に、前記流体有機化合物及び前記反応気体を別々に又は同時に供給可能な制御機構を有する構成である。
【0034】
他の一態様は、前記充填粒体により形成された反応層を備えた前記処理容器を複数個、直列に配するとともに、それらの処理容器相互間を配列順に前記充填粒体を連続的又は間欠的に移動させる移動手段を備えて接続し、
前記複数の処理容器は、配列順に原料の流体入口部を備えた原料吸着容器、前記反応気体の流体入口部及び前記マイクロ波加熱手段を備えた分解改質容器、及び前記マイクロ波加熱手段を備えた再生処理容器とし、
前記分解改質容器及び/又は再生処理容器は改質ガス排出口を備え、さらに、前記再生処理容器の前記充填粒体の流出口は、前記原料吸着容器の前記充填粒体の導入口と、再生後の前記充填粒体を戻し可能に接続されている構成である。
【0035】
上記構成の処理装置において、前記分解改質容器と前記再生処理容器とが同一容器とすることもできる。
【0036】
上記各処理装置における反応層を形成するマイクロ波発熱物質の態様は、前記処理方法における場合と同様である。
【発明の効果】
【0037】
本発明の流体有機化合物の処理方法及び処理装置は、上記のような構成・作用により、流体有機化合物の分解及び/又は改質を簡易に、かつ、生産性を良好に行なうことができる。すなわち、特許文献1・2の如く、温度分布が不均一、温度制御困難、加熱に時間を要するというような抵抗加熱における問題点も発生せず、また、特許文献2の如く、流体有機化合物の温度を所定温度以下に制御する必要がなく、さらには、特許文献3の如く、処理対象物が、低濃度の揮発性有機物質に限定されない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明についてさらに詳細な説明を行う。以下の説明で組成を示す「%」は、特に断らない限り「質量%」を意味する。
【0039】
A.第一実施形態:
図1に本発明で使用する流体有機化合物の処理装置における処理容器一個(反応層単一)タイプの概念図を示す。
【0040】
本装置は、基本的には、被処理物である流体有機化合物(原料)を、固定型の反応層11に吸着させた状態で、反応気体の存在下で分解改質処理して改質ガスを得、さらに、前記反応層の再生処理をする機能を備えた処理装置である。
【0041】
そして、反応層11を備えた1個の処理容器13と流体供給手段とマイクロ波加熱手段17とを備えている。
【0042】
処理容器13は、少なくとも一部に原料の吸着機能を有するマイクロ波発熱物質を含む反応層11を内部に備えるとともに、原料又は反応気体を供給する流体入口部19と改質ガスを排出するガス出口部21とを備えている。なお、処理容器13は、通常、断熱材で囲繞されている。また、ガス出口部21には、反応層に供給される流体有機化合物及び反応気体のショートパスを防止したり、流量を制御するために、開閉弁22が設けられているが、省略することも可能である。
【0043】
流体供給手段は、流体有機化合物(原料)及び反応気体を独立的に送り込み可能に流体入口部19に接続されている。例えば、流体供給手段は、それぞれ、図示しない各流体のタンク、流体生成装置と、ポンプ等の送り込み装置を備えた原料・反応気体供給配管23、25で形成され、切替え弁15を介して流体入口部19と接続されている。なお、吸引手段により流体有機化合物又は反応気体を導入可能としてもよい。また、図例では、流体有機化合物及び反応気体の流体入口部19は、1個で取付け方向は水平方向であるが、分解改質反応させることができれば、その位置は任意であり、また、流体有機化合物と反応気体の入口部は別々にしてもよい。例えば、流体有機化合物の流体入口部を反応層11の上側に、反応気体の流体入口部19を反応層11の下側に設ける。
【0044】
マイクロ波加熱手段17は、反応層11を、分解改質処理及び反応層再生処理の第一・第二設定温度に加熱・維持可能に設けられている。処理容器13には、複数個の制御のための温度・湿度等の計測ポート(図示せず)を備えるとともに、処理容器13内の温度の均一化を図るために攪拌ファンを取付けてもよい。また、マイクロ波加熱手段17は、図示しないが、導波管にパワーモニターが取付けられて、マイクロ波出力信号を取り出して、マイクロ波出力を制御可能となっている。
【0045】
反応層11は、充填粒体又は多孔質成形体で形成する。充填粒体の形成粒子の形態は、球状、ペレット状、筒状、等任意であり、多孔性成形体の形態も、ハニカム、多孔板積層体、連泡成形体、等任意である。これら充填粒体又は多孔質成形体の形態は、吸着性能向上の見地から、比表面積を大きくしたものが望ましい。
【0046】
上記において、反応層11は、少なくともマイクロ波発熱物質を含み、さらには、分解触媒成分を含むものとする。
【0047】
ここで、マイクロ波発熱物質は、分解触媒成分とは別の充填剤(化合物)で形成することもできるが、通常、分解触媒成分の一部又は全部を形成するものとする。
【0048】
上記マイクロ波発熱物質とは、誘電損失(誘電率(ε)×誘電力率(tanδ))の大きな物質(化合物)からなるものをいう。通常、誘電率が高いものは、誘電損失が大きく、誘電加熱されやすい。マイクロ波発熱物質として、相対的に誘電率が高い、金属酸化物(複酸化物を含む。)や金属炭化物若しくは炭素又はそれらの複合体から選択される1種又は2種以上からなるもの、又はそれらを主体とするものを使用できる。以下に例示する化学式の後の括弧内の数字は、比誘電率である。比誘電率は、主として日本化学会編「化学便覧改訂3版基礎編Vol II」(昭−5)丸善、p505から引用したものである。
【0049】
上記金属酸化物としては、遷移金属酸化物、及び、典型元素のうち、アルミニウム(Al)、鉛(Pb)、インジウム(In)、錫(Sn)の各典型金属酸化物を挙げることができる。
【0050】
遷移金属酸化物・・・FeO(14.2)、Fe23、Fe34、TiO2(85.8)、Cr23(12.0)、ZrO2(12.5)等。
【0051】
典型金属酸化物・・・Al23(特にβ体、γ体が発熱効率が良好で望ましい。)(11.5)、PbO(14.3)、In23、SnO、SnO2、等。
【0052】
金属炭化物・・・SiC(10.2)、Fe3C等。
【0053】
そして、上記複合体としては、赤泥(主成分:Fe23−Fe34)、無機汚泥(主成分:FeO−Fe23−Fe34)、クリンカ(主成分:SiO2−Al23−CaO−Fe23)、カルシウムフェライト(主成分:CaO−Fe23)、酸化鉄含有汚泥、煙道・ボイラースケール処理後ブラスト材(主成分:SiO2−Fe23−Fe34)、アルミドロス残灰(主成分:Al23−Fe23、Fe34)、焼却灰(主成分:Al23−SiO2)、ゼオライト(主成分:Al23−SiO2−Fe23)、石炭フライアッシュ(主成分:Al23−SiO2−Fe23)、アルミン酸ナトリウム(Na3AlO3、NaAlO2)等の産業廃棄物(未利用資源)に多量に含まれるものが、廃棄物の資源化を図ることができて望ましい。
【0054】
この装置を用いた流体有機化合物の処理方法は、下記三工程を順次繰り返して行なう(図2参照)。
【0055】
1)流体吸着工程:反応層に流体有機化合物を供給して、常温にて流体有機化合物を吸着させる。
【0056】
2)分解改質工程:流体有機化合物の供給を停止した状態で、反応層をマイクロ波加熱手段によって第一設定温度に加熱又は維持しながら反応気体を供給し、流体有機化合物の分解改質処理を行なう。ここで第一設定温度は、流体有機化合物の種類、反応層の組成、及び、生産性(経済性)の見地により異なるが、例えば、100〜600℃、好ましくは、160〜300℃の範囲から適宜選定する。
【0057】
3)反応層再生処理工程:反応層を、マイクロ波加熱手段によって第一設定温度より高温の第二設定温度に加熱又は維持しながら反応層(マイクロ波発熱物質)の再生処理を行なう。ここで、第二設定温度は、反応層の組成及び生産性(経済性)の見地により異なるが、200〜900℃、好ましくは、250〜450℃の範囲から適宜選定する。
【0058】
B.第二実施形態:
図3に同じく処理容器複数個タイプで反応層非移動型(固定型)の概念図を示す。なお、図例中、図1と同一部分については、同一図符号を、対応部分については、接尾記号(大文字アルファベット)を付して、それらの説明の全部又は一部を省略する。
【0059】
非移動型とした反応層11A、11B、11Cを備えた処理容器13A、13B、13Cを複数個(図例では3個)並列に設け、流体供給手段は、各処理容器13A、13B、13C内の反応層11A、11B、11Cに、流体有機化合物及び反応気体を別々に又は同時に供給可能な制御機構を有する。
【0060】
図例では、各処理容器13A、13B、13Cに流体有機化合物(原料)と反応気体との原料供給配管23及び反応気体供給配管25を、それぞれ原料用第一・第二切替え弁15A、15B及び反応気体用第一・第二切替え弁16A、16Bを介してそれぞれに、切替え供給可能となっている。また、各改質ガス出口部21A、21B、21Cは延設集合されて一本の改質ガス回収配管20と接続され、該接続部に改質ガス回収配管20に導通する切替え(開閉)弁22Aが配されている。
【0061】
他の処理容器、反応層及びマイクロ波加熱手段に係る構成は、基本的に上記第一実施形態と同様である。
【0062】
この装置を用いた流体有機化合物の処理方法は、基本的に、前記吸着工程を順次、別の反応層へ順送りし、該各反応層で前記吸着工程を再度行なうまでに、該各反応層での反応層再生工程を終了させるようにして、前記流体有機化合物を連続供給して連続処理するものである(図4参照)。
【0063】
(1)第一工程:
原料用第一切替え弁15Aにより、原料供給配管23を第一処理容器13Aのみと導通させる。このとき、反応気体用の第一切替え弁16Aは全閉位置にあるとともに、マイクロ波加熱手段17Aは起動していない(オフである)。
【0064】
すると、流体有機化合物が第一反応層11Aに供給されて、流体有機化合物が吸着飽和状態以下の設定飽和度になるまで吸着される。なお、飽和度の判定は、慣用の方法、例えば、予め蓄積したデータに基づくタイマー設定等の時間による方法、ガス警報機等での設定濃度の計測による方法、マイクロ波入力/出力比の設定値による方法、等で行なうことができる。
【0065】
(2)第二工程:
原料用の第一・第二切替え弁15A、15Bにより、原料供給配管23を第二処理容器13Bのみと導通させるとともに、反応気体用の第一・第二切替え弁16A、16Bにより、反応気体供給配管25を第一処理容器13Aのみと導通させ、さらに、第一処理容器13Aのマイクロ波加熱手段17Aをオン(通電状態)とする。
【0066】
すると、マイクロ波加熱状態の第一反応層11Aに反応気体が供給されて、流体有機化合物が分解改質される(分解改質工程)。
【0067】
また、同時に第二反応層11Bには、流体有機化合物が供給されて飽和状態になるまで吸着される(流体吸着工程)。
【0068】
(3)第三工程:
原料用の第一・第二切替え弁15A、15Bにより、原料供給配管23を第三処理容器13Cのみと導通させるとともに、反応気体用の第一・第二切替え弁16A、16Bにより、反応気体供給配管25を第一・第二処理容器13A、13Bのみと導通させ、さらに、第一処理容器13Aのマイクロ波加熱手段17Aとともに、第二処理容器13Bのマイクロ波加熱手段17Bもオンとする。
【0069】
すると、第一反応層11Aは分解改質処理が略完了しているため、マイクロ波加熱状態が継続されることにより再生処理が行われる(反応層再生工程)。このとき、反応気体も供給されるため、再生処理効率が増大して促進される。
【0070】
また、マイクロ波加熱状態の第二反応層11Bに反応気体が供給されるとともに第二反応層11Bが加熱されて、流体有機化合物が分解改質される(分解改質工程)。
【0071】
(4)第四工程:
再び、第一工程と同様にして、原料供給配管23を第一処理容器13Aのみと導通させる。このとき、反応気体供給配管25は、第二・第三処理容器13B、13Cのみの導通に切り替えて、第一マイクロ波加熱手段17Aをオフとする(第二・第三マイクロ波加熱手段17B、17Cはオンのまま)。このときまでに、第一反応層11Aは、反応層再生工程が終了するような設定となっている。
【0072】
すると、再び、流体有機化合物が第一反応層11Aに供給されて、流体有機化合物が飽和状態になるまで吸着される(流体吸着工程)。後は、前述の第二工程に戻り、第二〜第四工程が繰り返される。
【0073】
こうして、各第一・第二・第三反応層の順に、流体吸着工程が連続的に行われるとともに、各反応層では、順次、流体吸着工程・分解改質工程・反応層再生工程が行われ、流体有機化合物を連続供給可能となって、流体有機化合物の連続処理が効率よくできる。
【0074】
なお、各反応層における分解改質工程及び反応層再生工程の合計時間が、流体吸着工程の各反応層を一回りする時間に比して長い場合は、処理容器(反応層)の数を本実施形態の3個より、適宜増やす必要がある。また、逆に、分解改質工程及び反応層再生工程の合計時間が、流体吸着工程の時間と同一又は短い場合は、分解改質工程及び反応層再生工程を同一処理容器で行なうことにより、処理容器の総数は2個でもよい。
【0075】
C.第三実施形態:
図5に、充填粒体で形成され該充填粒体を導入・排出可能な移動型とした前記反応層を直列に複数個設けた例を示す。
【0076】
図例では、反応層111A、111B、111Cを備えた処理容器113A、113B、113Cを直列に複数個配し、反応層111A、111B、111Cを充填粒体Fで形成したものである。各処理容器113A、113B、113C相互間は、前記充填粒体を連続的又は間欠的に移動させる移動手段を備えた密封ダクト26A、26Bを介して接続されている。移動手段は、自重落下方式としてもよいが、スクリュー等の強制移動方式とする。各反応層における滞留時間の制御が容易にできるためである。
【0077】
各処理容器は、配列順に原料の流体入口部(「原料入口部」という。以下同じ。)119Aを備えた原料吸着容器113A、前記反応気体の流体入口部(「反応気体入口部」という。以下同じ)119B及び第一マイクロ波加熱手段117Aを備えた分解改質容器113B、並びに、反応気体入口部119C及び第二マイクロ波加熱手段117Bを備えた再生処理容器113Cとする。
【0078】
分解改質容器113B及び再生処理容器113Cは改質ガス出口部121A、121Bを備え、さらに、再生処理容器113Cの充填粒体の流出口27には、原料吸着容器113Aの充填粒体の導入口29と、再生後の前記充填粒体Fを戻し可能に接続されている。
【0079】
他の処理容器、反応層及びマイクロ波加熱手段に係る構成は、基本的に上記実施形態と同様である。
【0080】
この装置を用いた流体有機化合物の処理方法は、基本的に、充填粒体を、直列に設けた反応層の配列順に、連続的又は間欠的に移動させて、各反応層で吸着工程、分解改質工程及び反応層再生工程をそれぞれ固定的にかつ実体的に担わせるものである(図6参照)。
【0081】
マイクロ波加熱手段117A、117Bをオンとするとともに、原料及び反応気体を第一・第二・第三開閉弁115A、115B、115Cを開位置として、原料吸着容器113Aに原料を導入するとともに、反応気体を分解改質容器113B及び再生処理容器113Cに導入する。そして、同時に、充填粒体Fのスクリューコンベア等の移動手段(図示せず)を起動させる。
【0082】
すると、原料吸着容器113Aへ供給された流体有機化合物は、該吸着容器内に形成された反応層111Aに吸着される。そして流体有機化合物が吸着された反応層111Aは、移動手段により連続的又は間欠的に分解改質容器113B内へ移動して反応層111Bとなる。なお、当初においては、反応層111Aに十分な吸着(略飽和状態になるまで)を行なわせるために、充填粒体Fの分解改質容器113Bへの移動は、所定時間経過後に開始させることが望ましい。
【0083】
ここで、該分解改質容器113B内へは反応気体が供給されているとともに、オン状態の第一マイクロ波加熱手段117Aにより加熱され、分解改質容器113B内の反応層111Bにおいて、流体有機化合物は分解改質される。該分解改質により発生した改質ガスは、改質ガス出口121Aから改質ガスとしてガスタンク等に回収される。
【0084】
さらに、再生処理容器113C内でも反応気体が供給されるとともに、オン状態の第二マイクロ波加熱手段117Bにより加熱されるため、再生処理容器113C内では反応層111Cは再生処理される。なお、分解改質容器113B内で分解改質が完全でない場合は、再生処理容器113C内の反応層111Cでも分解改質が行われる。この場合には、発生した改質ガスはガス排出口121Bから回収される。なお、122A、122Bは、流量制御用の開閉弁である。
【0085】
<試験例>
本発明で使用する金属酸化物やそれらの複合体が良好なマイクロ波特性を示すことを裏付けるために行った試験について説明する。
【0086】
下記市販の6種類の各原料粉末200gをφ90×65mmのアルミナフェルトに充填し、1kWのマイクロ波(2.45GHz)を照射して、昇温試験を行った。
【0087】
市販原料粉末:α−アルミナ、β−アルミナ、アルミン酸ナトリウム、カルシウムフェライト、ゼオライト及び石炭フライアッシュ
その結果を示す図7から、α−アルミナを除き、β−アルミナ、カルシウムフェライト等の各原料粉末は良好なマイクロ波特性を示すことが確認できた。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】流体有機化合物の固定反応層を備えた処理装置における処理容器一個タイプの概念図である。
【図2】図1の装置を用いた流体有機化合物の処理方法(第一実施形態)を示すフロー図である。
【図3】流体有機化合物の固定反応層を備えた処理装置における処理容器複数個タイプの概念図である。
【図4】図3の装置を用いた流体有機化合物の処理方法(第二実施形態)を示すフロー図である。
【図5】流体有機化合物の移動反応層を備えた処理装置における処理容器複数個タイプの概念図である。
【図6】図5の装置を用いた流体有機化合物の処理方法(第三実施形態)を示すフロー図である。
【図7】市販のマイクロ波発熱体である粉末原料についてのマイクロ波発熱特性の試験結果を示すグラフ図である。
【符号の説明】
【0089】
11、111A、111B、111C・・・反応層
11A・・・第一反応層
11B・・・第二反応層
11C・・・第三反応層
13・・・処理容器
13A・・・第一処理容器
13B・・・第二処理容器
13C・・・第三処理容器
17・・・マイクロ波加熱手段
17A、117A・・・第一マイクロ波加熱手段
17B、117B・・・第二マイクロ波加熱手段
17C・・・第三マイクロ波加熱手段
19、119A・・・流体入口部
21、21A、21B、21C、121A、121B・・・改質ガス出口部
113A・・・原料吸着容器(処理容器)
113B・・・分解改質容器(処理容器)
113C・・・再生処理容器(処理容器)




 

 


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