米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 農業 -> 三菱電機株式会社

発明の名称 オゾン発生器
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−119305(P2007−119305A)
公開日 平成19年5月17日(2007.5.17)
出願番号 特願2005−314158(P2005−314158)
出願日 平成17年10月28日(2005.10.28)
代理人 【識別番号】100057874
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道照
発明者 和田 昇 / 谷村 泰宏 / 長 伸朗
要約 課題
放電ギャップ長が0.1mm未満の高精度な放電空間を有し、高濃度なオゾンガスを発生するオゾン生成器を提供する。

解決手段
オゾン発生器は、平行平板型の接地電極2および高圧電極3、接地電極2に面するとともに高圧電極3に接するように配置される誘電板4,5および接地電極2と誘電板4,5とのギャップ長を規定するスペーサ7を有する電極モジュール17を備え、接地電極2と誘電板4,5とにより形成される放電空間に酸素を含むガスが供給され、放電空間内で発生する放電により酸素がオゾンに変えられ、誘電板4,5は、高圧電極3が一方の面に形成された第1のグリーンシートが焼成されて得られる誘電体であり、スペーサ7は、第1のグリーンシートの他方の面に形成された導体または第1のグリーンシートの他方の面が凹凸加工されて形成される凸部が焼成されて得られるセラミックスであるとともに接地電極2に接合されている。
特許請求の範囲
【請求項1】
平行平板型の接地電極および高圧電極、上記接地電極に面するとともに上記高圧電極に接するように配置される誘電板および上記接地電極と上記誘電板とのギャップ長を規定するスペーサを有する電極モジュールを備え、上記接地電極と上記誘電板とにより形成される放電空間に酸素を含むガスが供給され、上記放電空間内で発生する放電により酸素がオゾンに変えられることによりオゾンを発生するオゾン発生器において、
上記誘電板は、上記高圧電極が一方の面に形成された第1のセラミックスグリーンシートが焼成されて得られる誘電体であり、
上記スペーサは、上記第1のセラミックスグリーンシートの他方の面に形成された導体または上記第1のセラミックスグリーンシートの他方の面が凹凸加工されて形成される凸部が焼成されて得られるセラミックスであるとともに上記接地電極に接合されていることを特徴とするオゾン発生器。
【請求項2】
平行平板型の接地電極および高圧電極、上記接地電極と上記高圧電極との間に上記接地電極と上記高圧電極とにそれぞれ接するように配置される2つの誘電板および上記両誘電板のギャップ長を規定するスペーサを有する電極モジュールを備え、上記両誘電板により形成される放電空間に酸素を含むガスが供給され、上記放電空間内で発生する放電により酸素がオゾンに変えられることによりオゾンを発生するオゾン発生器において、
一方の上記誘電板は、上記高圧電極が一方の面に形成された第1のセラミックスグリーンシートが焼成されて得られる誘電体であり、
他方の上記誘電板は、上記接地電極が一方の面に形成された第2のセラミックスグリーンシートが焼成されて得られる誘電体であり、
上記スペーサは、上記第1のセラミックスグリーンシートの他方の面または上記第2のセラミックスグリーンシートの他方の面の少なくともいずれか一方に形成された導体または上記第1のセラミックスグリーンシートの他方の面または上記第2のセラミックスグリーンシートの他方の面の少なくともいずれか一方が凹凸加工されて形成される凸部が焼成されて得られるセラミックスであることを特徴とするオゾン発生器。
【請求項3】
上記高圧電極は、上記第1のセラミックスグリーンシートの上記高圧電極が形成された面に積層された第3のセラミックスグリーンシートが焼成されて得られる絶縁板と上記第1のセラミックスグリーンシートが焼成されて得られる誘電板との間に埋設され、
上記絶縁板の厚さが上記第1のセラミックスグリーンシートが焼成されて得られる誘電板の厚さの2倍以上であることを特徴とする請求項1または2に記載するオゾン発生器。
【請求項4】
上記電極モジュールが両側から上記電極モジュールを挟持するヒートシンクと一体化されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載するオゾン発生器。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、高濃度オゾンガスを高効率に発生するオゾン発生器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
産業用途に用いられるオゾン発生器は、近年の微細化・集積化の向上ともに必要とされるオゾン濃度も上昇し、オゾン濃度300g/Nmの超高濃度オゾンガスを発生することが要望されている。そして、オゾン濃度300g/Nm以上を達成するためには、放電ギャップ長を0.1mm未満にまで狭ギャップ化する必要がある。
一方、オゾン発生効率は放電空間内の放電ギャップ長の精度に大きく影響されるため、オゾン発生器の放電空間には均一な放電ギャップ長が必要とされる。しかし、オゾン発生器を構成する個々の部材を積層し、固定しようとすると、放電空間を形成する部材を高精度に加工し、放電ギャップ長の精度を補償しなければならないので、コストや加工安定性の面で大きな障害があり、実用上困難であった。
【0003】
また、半導体・液晶製造プロセスに用いられるオゾン発生器は、一般的にクリーンルーム内に設置される。しかし、クリーンルームの有効利用の観点から、よりコンパクトなオゾン発生器が要求されている。オゾン発生器のコンパクト化に大きな影響を及ぼす因子として最も重要なものが短ギャップ化による放電空間の冷却効率を向上させることであり、次いで、構成部材の機能共通化による部品容積および点数の削減が挙げられる。
【0004】
そこで、セラミックスグリーンシートを用い、高圧電極を誘電体の中央に埋設し、対向する2つの接地電極との間に形成される2つの放電空間に対して共通化することにより、部品点数の削減を提案している(例えば、特許文献1参照)。
また、放電電極を埋設したセラミックスによる誘電体部が対向して配置され、その間に放電空間を形成し、セル部上にはセラミックスによる保護部を積層し、セル部と保護部間に冷却水導入溝を形成することにより、放電空間の冷却を可能とし、セラミックスグリーンシートを用い、オゾン発生器のコンパクト化を提案している(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2003−192313号公報
【特許文献2】特開2001−206705号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、この構造においては、放電空間の冷却について記載されていないため、高濃度オゾンの高効率発生は実現できない。誘電体中に埋設された電極が全く冷却されていないため、熱伝導率に優れた誘電体を用いて放熱性を高めたところでコンパクト化への効果は極めて少ない。
また、放電空間を形成するために、形状保持部材を対向する誘電体部に配置し、セラミックス部を焼成した後に形状保持部材を抜き取り、放電空間を形成するという複雑な工程が必要となるという問題がある。
また、この放電空間形成方法では、結局形状保持部材の加工精度により放電ギャップ長が決定されるため、0.1mm未満の放電ギャップ長を高精度に形成することは困難であるという問題がある。
また、冷却水を多孔質・吸水性を有するセラミックス内を流通させているため、冷却水の流出、滲み出しにより、原料ガスのガス露点上昇によるオゾン発生特性の低下、また高電圧機器に対する安全上の問題がある。
【0007】
この発明の目的は、放電ギャップ長が0.1mm未満の高精度な放電空間を有し、高濃度なオゾンガスを発生するオゾン生成器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係るオゾン発生器は、平行平板型の接地電極および高圧電極、上記接地電極に面するとともに上記高圧電極に接するように配置される誘電板および上記接地電極と上記誘電板とのギャップ長を規定するスペーサを有する電極モジュールを備え、上記接地電極と上記誘電板とにより形成される放電空間に酸素を含むガスが供給され、上記放電空間内で発生する放電により酸素がオゾンに変えられることによりオゾンを発生するオゾン発生器において、上記誘電板は、上記高圧電極が一方の面に形成された第1のセラミックスグリーンシートが焼成されて得られる誘電体であり、上記スペーサは、上記第1のセラミックスグリーンシートの他方の面に形成された導体または上記第1のセラミックスグリーンシートの他方の面が凹凸加工されて形成される凸部が焼成されて得られるセラミックスであるとともに上記接地電極に接合されている。
【発明の効果】
【0009】
この発明に係わるオゾン発生器の効果は、厚さのばらつきが数μmと小さいセラミックスグリーンシートとスクリーン印刷により形成される導体とを用いて電極モジュールが作製され、機械加工を必要とする部材を必要としないで作製されるので、放電ギャップ長を0.1mm未満にしても、極めて高精度な放電空間を有することができる。そして、放電ギャップ長が0.1mm未満の放電空間で放電することによりガス濃度350g/Nm程度の高濃度なオゾンガスを発生することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係わるオゾン発生器の電極部の断面図である。
この発明の実施の形態1に係わるオゾン発生器の電極部1は、図1に示すように、一対として扱われ、互いに所定の距離だけ離間する接地電極2および高圧電極3、接地電極2と高圧電極3の相対する面に配設される誘電板4、5を有し、平行平板型の構造である。そして、誘電板4、5の相対する面は、所定の空隙長dだけ離れており、この空隙長dを放電ギャップ長、この放電ギャップ長を有する空間を放電空間6と称す。この放電ギャップ長dは、放電空間6内に形成されたスペーサ7により保持される。
なお、誘電板4は必ずしも必要ではなく省略してもよい。
【0011】
また、電極部1は、接地電極2に直に接し、内部に水道水が流される冷却水通路8が形成され、放電空間6の冷却のためのヒートシンク9、高圧電極3に相対し、内部に水道水が流される冷却水通路8が形成され、放電空間6の冷却のためのヒートシンク10、高圧電極3とヒートシンク10を離間し、冷却水通路8を流れる冷却水を経由する電気的短絡を防止するための絶縁板11、電極部1での熱応力を緩和するためのベローズ弾性体12を有している。そして、以下の説明では高圧電極3、誘電板5および絶縁板11を誘電体アセンブリ13、その誘電体アセンブリ13、誘電板4および接地電極2を電極モジュール17と称す。
【0012】
そして、電極部1では、ヒートシンク9、電極モジュール17、ヒートシンク10、ベローズ弾性体12がこの順に積層されている。
ヒートシンク9、10は、例えばステンレスなどの金属により形成されており、オゾン発生器の動作中に冷却水が流出・滲み出すことはない。
なお、ベローズ弾性体12は、ヒートシンク9の下側に設置してもよく、また、電極部1の熱応力を緩和できる程度の弾性が備わっていれば、ベローズだけでなく、皿ばねなどの弾性体を使用してもよい。
【0013】
また、図示しないが、電極部1は圧力容器内に収納されている。そして、圧力容器内に導入された酸素を含むガスが図1の放電空間6の外周部より矢印に示すように中央部へ流入し、接地電極2と高圧電極3との間に交流高電圧が印加されることにより放電空間6に無声放電プラズマが発生する。プラズマ中で酸素分子が電子と衝突することにより、酸素分子が解離し、三体衝突によりオゾンを生成することができる。発生したオゾンはオゾンガス排出口15からヒートシンク9内に形成されたオゾン流路16を通って外部へ取り出される。
【0014】
次に、このオゾン発生器を発明するに至った背景と経過を説明する。
半導体・液晶製造プロセスにおけるオゾン利用では、プロセスの微細化・集積化が進むに従ってより高濃度のオゾンガスが要求される。従来、ガス濃度200g/Nm程度のオゾンガスがCVD(Chemical Vapor Deposition)プロセスなどに応用されてきた。しかし、近年、ALD(Atomic Layer Deposition)プロセスなどの次世代プロセスへ高濃度オゾンガスの利用が検討され、ガス濃度350g/Nm以上の超高濃度オゾンガスが必要とされるようになってきた。
【0015】
無声放電式オゾン発生装置においては、酸素原子発生効率が最大となるような換算電界強度E/N(E:電界強度、N:ガス密度)100Td(1Td=1×10−17Vcm)程度、すなわち、放電空間の放電ギャップ長が1.0mm程度に設定され、ガス圧力が1気圧程度で低濃度オゾン発生が実施されていた。しかし、200g/Nm以上の高濃度オゾンガスを高効率に得るためには、放電空間の放電ギャップ長を0.1mm程度に設定することが有効である。この場合、換算電界強度が200Td程度と大幅に増大し、そのまま実施すると酸素原子発生効率が低下するので、オゾン発生器を高ガス圧力動作させることにより、換算電界強度100Td、すなわち放電空間の放電ギャップ長が1.0mm程度に設定され、ガス圧力が1気圧程度で低濃度オゾンを発生したときの酸素原子発生効率には及ばないものの、酸素原子発生効率の低下を抑制することができる。
【0016】
そして、無声放電によりガス濃度が300g/Nm以上のオゾンガスを高効率に発生するためには、その放電ギャップ長を0.05mm程度とする必要がある。しかし、放電ギャップ長が短くなるにつれ、放電空間における放電ギャップ長精度は極めて厳しくなることから均一な放電ギャップ長を有した放電空間を形成することが困難になる。例えば、放電ギャップ長を0.05mm程度に設定した場合、その精度は±0.01mm未満が要求されるので、放電空間を構成する部材自身の加工精度が顕著に影響することになる。構成部材を高精度に加工することは技術的には可能ではあるが、コストや製作安定性を考慮すると実用的ではないことは明らかである。以上のことから、ガス濃度300g/Nm以上の超高濃度オゾンガスを発生するためには、放電ギャップ長を0.1mm未満に短ギャップ化することが知られていながらも、実用化は困難とされていた。
【0017】
しかし、発明者は、放電ギャップ長が0.1mm未満、すなわち放電ギャップ長精度が数μm〜数十μmオーダになることにより、逆に回路基板製造プロセスなどの高精度な微細加工プロセスや集積プロセスがオゾン発生器の電極形成に利用できることに着目し、0.1mm未満の放電ギャップ長を高精度に実現でき、かつ極めてコンパクトな電極構造を考案した。このようなプロセスは、通常、数百μm以下の加工がターゲットであるため、機械加工に比して、はるかに高い精度の加工が一般的に実施できる。
【0018】
次に、オゾン発生器の電極形成に利用するセラミックスグリーンシート法について説明する。
セラミックスグリーンシートは、アルミナ、窒化アルミニウム、ムライト、窒化ケイ素または炭化ケイ素などのセラミックス粉末を樹脂バインダと一緒にビヒクル中に分散してスラリーを作製し、このスラリーをテープキャスティング法などによりシート状に成形されたものである。
また、セラミックスグリーンシートの原材料に焼成助材として酸化イットリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウムまたは酸化ケイ素などを添加することにより、セラミックス層の熱伝導率を向上することができる。
また、低温で電極モジュール17を焼結させる必要がある場合、ガラス粉末とセラミックス粉末との混合物を原材料としてもよい。
【0019】
接地電極2、スペーサ7、および高圧電極3などの導体は、導体ペーストを使用して各々の形状パターンでセラミックスグリーンシート上またはビアホール内にスクリーン印刷法などにより形成される。
導体ペーストの材料としては、タングステン、モリブデンおよびレニウム等を主成分とした高融点金属を用いることができる。また、低温焼結型の場合、銅や銀などを主成分としたいわゆる回路基板に用いられる材料を導体用として使用することができる。
なお、接地電極2、スペーサ7および高圧電極3などの導体の形成には、スクリーン印刷法ではなく、例えば蒸着やCVDなどにより形成してもよい。
接地電極2、スペーサ7および高圧電極3などの導体の厚さは、各々0.1mm以下で良く、特に0.05mm以下の厚さにしたとき、厚さの精度が良好になり、経済的に形成できる。
【0020】
また、一般的に、セラミックスグリーンシートの主成分がアルミナの場合、1400〜1800℃、主成分が窒化アルミニウムの場合、1600〜2100℃の加熱が焼結には必要となる。また、ガラス粉末を用いた低温焼結型においては800〜1000℃の加熱が必要となる。
【0021】
このようにして作製されたセラミックスグリーンシートは、セラミックス粉末が樹脂バインダにより結合されているので樹脂シートと同程度に加工性に優れているので、様々な形状やビアホール加工、凹凸加工などが極めて容易に実現できる。
また、テープキャスティング法によりシート化されたセラミックスグリーンシートの厚さのばらつきが数μm程度と小さく、これを用いるので形成される放電ギャップ長dの精度が高い。
また、セラミックスグリーンシートの焼成により形成されるセラミックス層は極めて緻密であり、絶縁性能に優れている。
【0022】
次に、一体化された電極モジュール17の製造方法について図2と図3を参照して説明する。図2は、実施の形態1に係わる電極モジュール17の製造に関わる様子を示す図である。図3は、実施の形態1に係わる電極モジュール17を製造する手順を示すフローチャートである。
S101で、図2(a)に示すように、第2のセラミックスグリーンシート31の中央に電極モジュール17のオゾンガス排出口15となるビアホール32を形成する。
S102で、図2(b)に示すように、ビアホール32を形成した第2のセラミックスグリーンシート31の一方の面に接地電極2、他方の面にスペーサ33を形成する。このとき、接地電極2はビアホール32を除くようにして形成される。
S103で、図2(c)に示すように、第1のセラミックスグリーンシート34の一方の面に高圧電極3、他方の面に第2のセラミックスグリーンシート31上のスペーサ33と同じパターンのスペーサ35を形成する。
S104で、図2(d)に示すように、第3のセラミックスグリーンシート36の第1のセラミックスグリーンシート34に形成された高圧電極3の一端部に重畳する位置にビアホール37を形成し、そのビアホール37を給電部材38で埋める。
S105で、図2(e)に示すように、第2のセラミックスグリーンシート31、第1のセラミックスグリーンシート34および第3のセラミックスグリーンシート36を位置合わせして積層して積層体39を作製する。
S106で、この積層体39を加熱・加圧して一体焼成し、電極モジュール17が形成される。
なお、積層体39の一体化は、一般的な焼成・焼結の他に、例えばHIP(Hot Isostatic Pressing)拡散接合やホットプレスにても実施できる。
【0023】
第1のセラミックスグリーンシート34および第3のセラミックスグリーンシート36は、焼成後、一体化されて誘電体アセンブリ13の誘電板5および絶縁板11となり、誘電板5が無声放電における誘電板バリヤ、絶縁板11が冷却水を経由する電気的短絡を防止する絶縁体として機能する。
【0024】
なお、実施の形態1においては、絶縁板11の厚さは誘電板5の厚さの少なくとも2倍以上である必要がある。
すなわち、数kV〜10kV程度の高圧交流電圧が印加されるオゾン発生器においては、誘電体バリヤとして10kV/mm程度の絶縁性能を有した誘電体バリヤが採用されることが多い。
また、冷却水を経由する電気的短絡を防止するために、20kV/mm程度の絶縁性能が要求される。したがって、第3のセラミックスグリーンシート36の厚さは、第1のセラミックスグリーンシート34の厚さに対して少なくとも2倍以上であることが必要である。
【0025】
なお、焼成後に誘電体バリヤおよび絶縁体表面を機械加工などにより厚さを調整する場合はこの限りではない。この場合、第1のセラミックスグリーンシート34上にスペーサ7を形成する場合も同様に誘電体バリヤ表面を機械加工した後、スペーサ7を形成する必要がある。このような誘電体アセンブリ13を用いることとヒートシンク9、10の一体化により純水やイオン交換水を用いることなく、水道水を用いて、放電空間6を接地電極2側および高圧電極3側の両面から冷却することが可能となる。
【0026】
スペーサ33、35は、セラミックスグリーンシート31、34上に原料ガスの流入およびオゾンガス排出口15へのガスの流れを妨げない位置に分散的に配置されるので、第2のセラミックスグリーンシート31と第1のセラミックスグリーンシート34間のスペーサ33、35が存在しない部分が放電空間6となる。
また、スペーサ33とスペーサ35が接合されるため、スペーサ33、35の厚さの合計が放電ギャップ長dとなる。スペーサ33、35は、概ねヒートシンク9、10のリブの位置に合致するように配置されるのが好ましい。
【0027】
なお、スペーサ33、35は、図2における第2のセラミックスグリーンシート31または第1のセラミックスグリーンシート34上のいずれか一方にのみ形成されてもよい。但し、一方だけにスペーサ33、35を形成するときは、単独で設定する放電ギャップ長を維持できる厚さを形成する必要がある。
【0028】
誘電板4を設置しない場合は、接地電極2または第1のセラミックスグリーンシート34上のいずれか一方に設定する放電ギャップ長を維持できる厚さのスペーサ35を配置すればよい。当然ながら、誘電板4を設置した場合と同様に、接地電極2にスペーサ33、第1のセラミックスグリーンシート34上にスペーサ35を形成し、両スペーサ33、35の接合時厚さを放電ギャップ長としてもよい。
また、高圧電極3は、第3のセラミックスグリーンシート36に形成してもよい。
【0029】
次に、電極部1の製造方法について図4を参照して説明する。図4は、実施の形態1に係わる電極部1の製造の様子を示す図である。図4では、電極部1の構成部材を離して図示してあるが、実際は接している。
ヒートシンク9、電極モジュール17、ヒートシンク10、ベローズ弾性体12を、図4に示すように積層する。
ヒートシンク9、10とベローズ弾性体12は、加圧・加熱によるHIP拡散接合またはホットプレスにて電極モジュール17と一体化され、一体の電極部1が形成される。
このような接合においては、構成部材に均等に加圧・加温がなされるため、局所溶接などの加工のように部材に歪を与えることなく、高精度に一体化することが可能となり、極めてコンパクトな電極部1を形成することができる。
所定のオゾン発生量に従い、電極部1を複数個積層または並行して圧力容器内に設置することにより、小容量から大容量に至るすべてのオゾン発生量に容易に対応することができる。
【0030】
このようなオゾン発生器は、厚さのばらつきが数μmと小さいセラミックスグリーンシートとスクリーン印刷により形成される導体とを用いて電極モジュール17が作製され、機械加工を必要とする部材を必要としないので、放電ギャップ長を0.1mm未満にしても、極めて高精度な放電空間6を有することができる。そして、放電ギャップ長が0.1mm未満の放電空間6で放電することによりガス濃度350g/Nm程度の高濃度なオゾンガスを発生することができる。
【0031】
また、セラミックスグリーンシートがセラミックス粉末を樹脂バインダによりシート化されたものなので、ビアホールの孔空けなど加工性に優れ、また、セラミックスグリーンシート上への導体形成では所望のパターンを容易に形成できることから、電極部1の設計に大きな自由度が付加され、低コスト化も実現できる。
【0032】
また、高圧電極3を誘電板5と絶縁板11により高圧電極3の端子だけを除いてセラミックス層で覆われているので、一般水道水により接地電極2側および高圧電極3側の両面から放電空間6を冷却することが可能となり、低ランニングコストかつ極めてコンパクトな電極部1が形成できる。
【0033】
なお、放電空間6の外周部より原料ガスが導入され、生成したオゾンガスは接地電極2の中央部に設けられたオゾンガス排出口15へ放射状に流入し、ヒートシンク9内部を経て外部へ取り出される例を説明したが、放電空間6の外周部より導入された原料ガスが一方向に流れる場合においても同様の効果が得られる。
【0034】
実施の形態2.
図5は、この発明の実施の形態2に係わるオゾン発生器の電極モジュールの断面図である。
この発明の実施の形態2に係わるオゾン発生器の電極モジュール17Bは、図5に示すように、実施の形態1に係わるオゾン発生器の電極モジュール17とスペーサ7Bの材質が異なり、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記して説明は省略する。
実施の形態2に係わるスペーサ7Bは、実施の形態1に係わるスペーサ7が導電材料からできているのに対して、焼成後誘電体バリヤの機能を果たすセラミックスグリーンシートの主成分であるセラミックスからできている。そして、このことに関連して、第1のセラミックスグリーンシート34Bの表面に焼成後スペーサとなる凸部40を形成する製造工程が電極モジュール17Bの製造方法に追加されている。なお、焼成後スペーサ7Bとなる凸部40を第2のセラミックスグリーンシート31の接地電極2を形成する面の反対の面に形成してもよい。
【0035】
次に、実施の形態2に係わる電極モジュール17Bの製造方法について図6と図7を参照して説明する。図6は、実施の形態2に係わる電極モジュール17Bの製造の様子を示す図である。図7は、実施の形態2に係わる電極モジュール17Bを製造する手順を示すフローチャートである。
S201で、図6(a)に示すように、第2のセラミックスグリーンシート31の中央に電極モジュール17Bのオゾンガス排出口15となるビアホール32を形成する。
S202で、図6(b)に示すように、ビアホール32を形成した第2のセラミックスグリーンシート31の一方の面に接地電極2を形成する。このとき、接地電極2はビアホール32を除くようにして形成される。
S203で、図6(c)に示すように、第1のセラミックスグリーンシート34Bの一方の面を加工してスペーサ7Bに対応する位置に凸部40を形成する。
S204で、図6(d)に示すように、第1のセラミックスグリーンシート34Bの凸部40が形成された面の反対の面に高圧電極3を形成する。
S205で、図6(e)に示すように、第3のセラミックスグリーンシート36の第1のセラミックスグリーンシート34Bに形成された高圧電極3の一端部に重畳する位置にビアホール37を形成し、そのビアホール37を給電部材38で埋める。
S206で、図6(f)に示すように、第2のセラミックスグリーンシート31、第1のセラミックスグリーンシート34Bおよび第3のセラミックスグリーンシート36を位置合わせして積層して積層体39Bを作製する。
S207で、この積層体39Bを加熱・加圧して一体焼成し、電極モジュール17Bが形成される。
このように一体焼成された電極モジュール17Bでは、誘電板4、スペーサ7B、誘電板5は一体のセラミックス層になる。
【0036】
このようなオゾン発生器は、実施の形態1に係わるオゾン発生器の効果以外にも、スペーサ7Bがセラミックスグリーンシート34Bの表面を寸法精度良く加工した凸部40が焼成されたことにより形成されたものなので、精度の良好な放電ギャップを得ることができる。
【0037】
実施の形態3.
図8は、この発明の実施の形態3に係わるオゾン発生器の電極部の製造の様子を示す図である。図8では、電極部1の構成部材を離して図示してあるが、実際は接している。
実施の形態3に係わるオゾン発生器の電極部1Cは、実施の形態1に係わるオゾン発生器の電極部1と構成は同じであるが、製造方法が異なっている。電極部1Cの構成部材には実施の形態1と同様な番号を付記して説明は省略する。
実施の形態1においては、電極部1をまず電極モジュール17を先に作製し、その後ヒートシンク9、10などを用いて電極部1を作製しているが、実施の形態3においては、電極モジュール17を構成する部材とヒートシンク9、10、ベローズ弾性体12を所定の順に積層し、1回の加熱・加圧により電極部1Cを形成する。
電極モジュール17を構成する部材は、図2(a)〜図2(d)に示すようにして作製され、図8に示すように、ヒートシンク9の冷却水通路8に近い面上に積層される。そして、電極モジュール17を構成する部材の上にヒートシンク10とベローズ弾性体12とをこの順で積層する。それから、HIP拡散接合またはホットプレスを行って一体化された電極部1Cが作製される。
【0038】
このようなオゾン発生器は、実施の形態1に係わるオゾン発生器の効果以外にも、電極部1Cを構成する部材を1回の加熱・加圧処理により一体化して作製しているので、電極部1Cの製造に要する工程が削減できる。
【0039】
実施の形態4.
図9は、この発明の実施の形態4に係わる電極モジュールの部分分解斜視図である。図9では、放電空間6を積層方向に分解した図である。
この発明の実施の形態4に係わる電極モジュール17Dは、実施の形態2に係わる電極モジュール17Bと原料ガスの導入口42およびオゾンガス排出口15Dが異なっており、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ番号を付記して説明は省略する。
実施の形態4に係わる放電空間6Dは、図9に示すように、外周部で原料ガス導入口42およびオゾンガス排出口15Dを除いてセラミックス層により閉鎖されている。この構造の放電空間6Dを形成するために、高圧電極3を形成する第1のセラミックスグリーンシート34Bの高圧電極3が形成される面の反対の面に凸部40を形成するときに、原料ガス導入口42およびオゾンガス排出口15Dに対応する位置だけを除いて凸部40を形成する。そして、電極モジュール17Dを構成する部材を積層するときに接地電極2が形成された第2のセラミックスグリーンシート31と凸部40が接するので、加熱・加圧処理を施すことにより一体のセラミックス層となり、放電空間6Dがセラミックス層により外部とシールされ、直接放電空間6Dに原料ガスを導入することができる。
【0040】
このようなオゾン発生器は、実施の形態1、2に係わるオゾン発生器の効果以外にも、放電空間6Dがセラミックス層により外部に対してシールされているので、電極モジュール17Dを設置する圧力容器が不要となり、全体の大きさを小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】この発明の実施の形態1に係わるオゾン発生器の電極部の断面図である。
【図2】実施の形態1に係わる電極モジュールの製造に関わる様子を示す図である。
【図3】実施の形態1に係わる電極モジュールを製造する手順を示すフローチャートである。
【図4】実施の形態1に係わる電極部の製造の様子を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態2に係わるオゾン発生器の電極モジュールの断面図である。
【図6】実施の形態2に係わる電極モジュールの製造の様子を示す図である。
【図7】実施の形態2に係わる電極モジュールを製造する手順を示すフローチャートである。
【図8】この発明の実施の形態3に係わるオゾン発生器の電極部の製造の様子を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態4に係わる電極モジュールの部分分解斜視図である。
【符号の説明】
【0042】
1 電極部、2 接地電極、3 高圧電極、4、5 誘電板、6 放電空間、7、33、35 スペーサ、8 冷却水通路、9、10 ヒートシンク、11 絶縁板、12 ベローズ弾性体、13 誘電体アセンブリ、15 オゾンガス排出口、16 オゾン流路、17 電極モジュール、31、34、36 セラミックスグリーンシート、32、37 ビアホール、38 給電部材、39 積層体、40 凸部、42 ガス導入口。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013