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発明の名称 流体有機化合物の改質処理方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−84389(P2007−84389A)
公開日 平成19年4月5日(2007.4.5)
出願番号 特願2005−276702(P2005−276702)
出願日 平成17年9月22日(2005.9.22)
代理人 【識別番号】100076473
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 昭夫
発明者 棚橋 尚貴
要約 課題
ハロゲン及び硫黄を含まない流体有機化合物の改質を簡易かつ生産性良好に行なうことができ、水素等を低コストで得ることができる流体有機化合物の改質処理方法を提供すること。

解決手段
ハロゲン及び硫黄を含まない流体の有機化合物の改質処理方法。有機化合物と、H2O、CO2、CO及びO2から選択される少なくとも1種以上の反応気体とを、反応層に導入して通過させ、前記有機化合物の分解・改質反応をさせる。反応層をマイクロ波発熱物質で形成するとともに、反応層をマイクロ波照射して設定温度に加熱又は維持して、有機化合物の分解反応及び/又は改質反応を行なう。
特許請求の範囲
【請求項1】
ハロゲン及び硫黄を含まない流体有機化合物と、H2O、CO2、CO及びO2の群から選択される少なくとも1種以上の反応気体とを、反応層に導入して通過させ、前記流体有機化合物を分解反応及び/又は改質反応させるに際して、
前記反応層の少なくとも一部にマイクロ波を吸収し発熱する物質(以下、「マイクロ波発熱物質」という。)で形成するとともに、前記反応層にマイクロ波を照射して、前記反応層を設定温度に加熱又は維持することを特徴とする流体有機化合物の改質処理方法。
【請求項2】
前記反応層が、粒状充填剤(ペレット等の造粒物を含む。以下同じ。)及び/又は多孔質成形体からなる固定型であることを特徴とする請求項1記載の流体有機化合物の改質処理方法。
【請求項3】
前記反応層が、粒状充填剤を反応層の形成部位に連続的又は間欠的に導入及び排出させて形成される移動型の反応層であることを特徴とする請求項1記載の流体有機化合物の改質処理方法。
【請求項4】
前記反応層の形成部位から排出された前記粒状充填剤を再利用することを特徴とする請求項3記載の流体有機化合物の改質処理方法。
【請求項5】
前記反応層の設定温度を140〜900℃の範囲から選択することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の流体有機化合物の改質処理方法。
【請求項6】
前記反応層の少なくとも一部を、前記流体有機化合物の分解改質触媒成分(以下、単に「分解触媒成分」という。)とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の流体有機化合物の改質処理方法。
【請求項7】
前記マイクロ波発熱物質が、金属酸化物、金属炭化物若しくは炭素又はそれらの複合体から選択される1種又は2種以上からなる、又はそれらを主体とするものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の流体有機化合物の改質処理方法。
【請求項8】
前記マイクロ波発熱物質としての金属酸化物が、遷移金属酸化物並びにアルミニウム、鉛、インジウム及び錫の典型金属酸化物の群から1種又は2種以上選択されるものであることを特徴とする請求項7記載の流体有機化合物の改質処理方法。
【請求項9】
前記金属酸化物が、β−アルミナ、γ−アルミナ、酸化チタン、酸化鉄、酸化ジルコニウム及び酸化セリウムのいずれかであることを特徴とする請求項8記載の流体有機化合物の改質処理方法。
【請求項10】
前記マイクロ波発熱物質としての複合体が、赤泥、無機汚泥、クリンカ(石炭ボトムアッシュ)、カルシウムフェライト、酸化鉄含有汚泥、煙道・ボイラースケール処理後ブラスト材、アルミドロス、焼却灰、ゼオライト、アルミン酸ナトリウム及び石炭フライアッシュの群から1種又は2種以上選択されるものであることを特徴とする請求項7記載の流体有機化合物の改質処理方法。
【請求項11】
ハロゲン及び硫黄を含まない流体有機化合物を反応性気体と反応させて、分解・改質反応又は改質反応を行うための処理装置であって、
反応容器と流体供給手段とマイクロ波加熱手段とを備え、
前記反応容器は、少なくとも一部に吸着機能を有するマイクロ波発熱物質を含む反応層を内部に備えるとともに、該反応層に前記流体有機化合物を導入するための流体入口部と、前記反応層を通過後の改質ガスを排出するガス出口部とを備え、
前記流体供給手段は、前記流体入口部に前記流体有機化合物と前記反応性気体との流量を制御して供給可能に接続され、
前記マイクロ波加熱手段は、前記反応層を設定温度に加熱又は維持することが可能なものであることを特徴とする流体有機化合物の改質処理装置。
【請求項12】
前記反応層が、粒状充填剤又は多孔質成形体からなる固定型であることを特徴とする請求項11記載の流体有機化合物の改質処理装置。
【請求項13】
前記反応層が、粒状充填剤を該反応層の形成部位に連続的に又は間欠的に供給・排出させて形成される移動型であることを特徴とする請求項11記載の流体有機化合物の改質処理装置。
【請求項14】
前記反応層の少なくとも一部を、前記有機化合物の分解触媒成分とすることを特徴とする請求項11〜13のいずれかに記載の流体有機化合物の改質処理装置。
【請求項15】
前記マイクロ波発熱物質が、金属酸化物、金属炭化物若しくは炭素又はそれらの複合体から選択される1種又は2種以上からなる、又はそれらを主体とするものであることを特徴とする請求項11〜14のいずれかに記載の流体有機化合物の改質処理装置。
【請求項16】
前記マイクロ波発熱物質としての金属酸化物が、遷移金属酸化物並びにアルミニウム、鉛、インジウム及び錫の典型金属酸化物の群から1種又は2種以上選択されるものであることを特徴とする請求項15記載の流体有機化合物の改質処理装置。
【請求項17】
前記金属酸化物が、β−アルミナ、γ−アルミナ、酸化チタン、酸化鉄、酸化ジルコニウム及び酸化セリウムのいずれかであることを特徴とする請求項16記載の流体有機化合物の改質処理装置。
【請求項18】
前記マイクロ波発熱物質としての複合体が、赤泥、無機汚泥、クリンカ(石炭ボトムアッシュ)、カルシウムフェライト、酸化鉄含有汚泥、煙道・ボイラースケール処理後ブラスト材、アルミドロス、焼却灰、ゼオライト、アルミン酸ナトリウム及び石炭フライアッシュの群から1種又は2種以上選択されるものであることを特徴とする請求項15記載の流体有機化合物の改質処理装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハロゲン及び硫黄を含まない流体有機化合物を分解反応及び/又は改質反応により改質処理をする方法に関し、具体的には、炭化水素等の流体有機化合物を、反応性気体と反応させて改質するのに好適な流体有機化合物の改質処理方法に係る。
【0002】
ここでハロゲン及び硫黄を含有しない流体有機化合物には、ガスないし液体の炭化水素(脂肪族、脂環式、芳香族を含む)ばかりでなく、ポリエチレン、ポリプロピレン等のハロゲン元素・硫黄元素非含有の有機廃プラスチック類の熱分解ガス・液体を含む。また、流体とは、常温流体の化合物ばかりでなく、反応に際して、流体となっている全ての状態を含む。
【背景技術】
【0003】
昨今、環境的見地から燃料電池に対する関心が高まり、将来、燃料電池の原料となる水素の需要が増大することが予測され、低コストで水素を製造する技術の開発が要請されている。
【0004】
他方、同様に環境的見地から、廃プラスチック類における、ハロゲン及び硫黄を含まないもの(熱可塑性エラストマーを含む)の比重が増大しつつある。
【0005】
これらを熱処理すると、熱分解で炭化水素類が多量に発生するため、炭化水素等を水蒸気や酸素で改質して、水素を得ることが考えられる。
【0006】
例えば、特許文献1には、有機化合物(炭化水素やアルコール)又は一酸化炭素を含む反応流体から触媒反応により水素を発生させる触媒体を、流体流路内に配設してなる改質反応装置であって、該触媒体の少なくとも一部分が通電により発熱可能に構成されている触媒反応装置が記載されている。そして、該装置を用いて、有機化合物と水蒸気(改質用ガス)等とを反応物質として含む反応流体を通過させて、該有機化合物を改質処理して、水素等の改質ガスを調製する技術が記載されている(特許文献1の段落0038〜0040、図10参照)。
【0007】
この技術は、改質処理における加熱は、抵抗発熱を前提としており、触媒体(触媒担持体)を兼ねる発熱体はFe−Cr−Al、Fe−Al、Fe−Cr等の合金からなるハニカム構造体等で形成するものである(同段落0041参照)。
【特許文献1】特開平11−130405号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記先行技術文献に記載されていない新規な構成で、ハロゲンおよび硫黄を含まない流体有機化合物の改質を簡易にかつ生産性を良好に行うことができる流体有機化合物の改質処理方法を提供することを課題(目的)とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の流体有機化合物の改質処理方法は、下記構成により上記目的(課題)を解決するものである。
【0010】
ハロゲン及び硫黄を含まない流体有機化合物と、H2O、CO2、CO及びO2の群から選択される少なくとも1種以上の反応気体(改質用ガス)とを反応層に導入し通過させて、前記流体有機化合物を分解反応及び/又は改質反応させるに際して、
前記反応層の少なくとも一部にマイクロ波を吸収し発熱する物質(以下、「マイクロ波発熱物質」という。)で形成するとともに、前記反応層にマイクロ波を照射して、前記反応層を設定温度に加熱又は維持することを特徴とする。
【0011】
上記反応層をマイクロ波発熱物質とすることにより、マイクロ波照射したとき、直接加熱(誘電加熱:内部加熱)が可能となる。このため、被処理有機化合物の分解反応及び/又は改質反応に最適な温度に制御して均一加熱可能となる。マイクロ波加熱は抵抗加熱に比して温度制御・均一加熱が容易である。また、マイクロ波により有機化合物(誘電体)も直接加熱(誘電加熱)され熱分解が促進されやすくなる。さらに、特許文献1の抵抗発熱体の如く直接通電しないため、水蒸気改質においても、漏電対策が不要となる。また、廃プラスチックの熱分解成分(炭化水素等)を原料と使用でき、低コストで水素等を製造可能となる。
【0012】
流体有機化合物を反応気体と混合して、反応層に導入して通過させるに際して、分解反応及び/又は改質反応されて、メタン、アルコール、水素、一酸化炭素等の改質ガス(有価ガス)に変換されたり、さらには、無害な水蒸気と二酸化炭素に変換されたりする。ここで、「分解反応及び/又は改質反応されて」とは、流体有機化合物の分解反応生成物が、さらに、低分子の炭化水素等に分解反応される場合、該分解反応後、又は、分解反応されずに直接、有価ガス又は無害ガスに改質(酸化を含む。)される場合を意味する。
【0013】
流体有機化合物(分解生成物を含む。)の改質反応の各例を下記する。
【0014】
1)脂肪族炭化水素の触媒酸化による直接改質・・・
2Cn2n+2+(3n+1)O2→2nCO2+2(n+1)H2O+Q1
2)脂肪族炭化水素の水蒸気(H2O)による改質・・・
n2n+2+nH2O→nCO+(2n+1)H2−Q2
3)脂肪族炭化水素の二酸化炭素(CO2)による改質・・・
n2n+2+nCO2→2nCO+2(n+1)H2−Q3
4)脂肪族炭化水素の一酸化炭素による改質・・・
CH4+CO→C22+H2O−Q4
26+CO+H2O→2CH3COOH−Q4´
5)脂肪族アルコールの水蒸気(H2O)による改質・・・
n2n+1(OH)+nH2O→nCO2+(2n+1)H2−Q5
上記1)以外の反応はいずれも吸熱反応であり、高温加熱(500℃)することにより右側へ反応が促進される。上記1)の触媒酸化反応は発熱反応であり、初期段階で主として発生し、マイクロ波加熱に加えて反応層の加熱を促進させると考えられる。
【0015】
上記2)、3)において、燃料ガスの場合は、このままでもよいが、本発明では有用ガスを水素として燃料電池に使用する場合は、下記COシフト反応や、CO選択酸化反応により、生成ガスのCOを低減させる、さらなる改質処理が必要である。COが燃料電池の電極を被毒させるおそれがあるためである。(特許文献1段落0018参照)。
【0016】
6)COシフト反応・・・CO+H2O→CO2+H2+Q6
7)CO選択酸化反応・・・CO+1/2O2→CO2+Q7
上記構成において、前記反応層は、粒状充填剤(ペレット等の造粒物を含む。以下同じ。)若しくは多孔質成形体で形成する固定型(図1参照)、又は、該粒状充填剤を反応層の形成部位に連続的又は間欠的に導入及び排出する移動型(図2参照)とすることができる。この反応層を移動型とする場合は、反応層に触媒毒(例えば、CO)等により分解触媒の触媒作用が低下する前に反応層から系外へ移動するため、長時間の連続運転が可能となる。さらには、粒状充填剤を再利用する構成とすることもできる。
【0017】
上記各反応層における設定温度は、通常、約140〜900℃の範囲から適宜選択する。
【0018】
上記各構成において、反応層の全部又は一部を、有機化合物の分解改質触媒成分(以下単に「分解触媒成分」という。)とすることが望ましい。分解反応が相対的に低温で効率的に可能となり、省エネになり、温度制御も容易となる。
【0019】
反応層を形成するマイクロ波発熱物質としては、通常、金属酸化物、金属炭化物若しくは炭素又はそれらの複合体から選択される1種又は2種以上からなる、又はそれらを主体とするものとする。
【0020】
上記マイクロ波発熱物質(マイクロ波吸収物質)としての金属酸化物は、遷移金属酸化物の群並びにアルミニウム、鉛、インジウム及び錫からなる典型金属酸化物の群から1種又は2種以上選択することが望ましい。これらは、有機化合物の分解反応に対して選択性を有するとともに触媒活性の高いものが多く、分解触媒成分を兼ねることができる。特に、触媒活性が高いマイクロ波発熱物質としては、β−アルミナ、γ−アルミナ、酸化チタン、酸化鉄、酸化ジルコニウム及び酸化セリウムを挙げることができる。
【0021】
上記マイクロ波発熱物質としての複合体は、赤泥、無機汚泥、クリンカ(石炭ボトムアッシュ)、カルシウムフェライト、酸化鉄含有汚泥、煙道・ボイラースケール処理後ブラスト材、アルミドロス、焼却灰、ゼオライト、アルミン酸ナトリウム及び石炭フライアッシュの群から1種又は2種以上選択することが望ましい。上記特定金属酸化物と同様の理由からである。
【0022】
上記構成の流体有機化合物の改質処理方法に使用する装置の構成は、例えば、下記の如くになる。
【0023】
ハロゲン及び硫黄を含まない流体有機化合物を反応性気体と反応させて、分解・改質反応又は改質反応を行うための処理装置であって、
反応容器と流体供給手段とマイクロ波加熱手段とを備え、
前記反応容器は、少なくとも一部に吸着機能を有するマイクロ波発熱物質を含む反応層を内部に備えるとともに、該反応層に前記流体有機化合物を導入するための流体入口部と、前記反応層を通過後の改質ガスを排出するガス出口部を備え、
前記流体供給手段は、前記流体入口部に前記流体有機化合物と前記反応性気体とを流量を制御して供給可能に接続され、
前記マイクロ波加熱手段は、前記反応層を設定温度に加熱又は維持することが可能なものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明は上記のような解決手段(発明特定事項)により、揮発性の流体有機化合物を、反応層をマイクロ波加熱(内部加熱)により短時間で加熱して、反応気体と反応させて水素等の有価ガスを低コストで得ることができるとともに、無害な二酸化炭素や水蒸気に変換することができる。また、反応層を形成する材料としてマイクロ波発熱物質とともに分解触媒成分を含むものを、安価な産業廃棄物の内から適宜選択することができ、処理コストの低減に寄与する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明についてさらに詳細な説明を行う。以下の説明で組成を示す「%」は、特に断らない限り「質量%」を意味する。
【0026】
図3に本発明で使用する流体有機化合物の改質処理装置であるマイクロ波分解・改質反応装置の概念図を、図4に詳細要部概念図をそれぞれ示す。ここでは、有機化合物としてガス体(気体)を主として例に採り説明する。
【0027】
本装置は、基本的には、流体有機化合物(被処理ガス)Gが導入され、反応層12を有する反応容器14と、反応層12を所定温度に維持するマイクロ波加熱手段16、16Aとを備えている。反応容器14の大きさは、所要処理量により異なるが、例えば、内径:10〜100cm×高さ:10〜200cmとし、反応層の容量1〜1500Lとする。
【0028】
ここで、反応容器14は、断熱材18で囲繞され、反応層12の下端高さ位置には被処理ガス(原料)GIの入口部(ガス導入口)20を、反応層12の上端高さ直上位置には処理済みの改質ガス(製品)GOの出口部(ガス導出口)22が形成されている。
【0029】
改質ガス(H2)は原料ガス(有機化合物及び反応性ガス)より通常軽いため、製品ガス回収の見地、及び、反応層12を形成する粒状充填剤に向流接触(ガス流れに対する接触性が良好となる。)の見地から、本図例の構成とすることが望ましい。なお、原料ガスGIの反応層12への導入は、原料ガス供給側からのポンプによる加圧押込み又は製品ガス排出側からのポンプによる吸引の一方又は双方により行う。
【0030】
ここで、入口部20と出口部22との位置関係は、上下逆としてもよい。
【0031】
特に、有機化合物が液体の場合は、有機化合物を上方から流入させ、反応性ガス(H2O、CO2、CO又はO2)を下方から流入させ、上方に図示しない製品(ガス)回収口を設ける。
【0032】
また、上記原料ガス導入口20の対向位置には、予備ガス導入口21が形成されている。ガス状の有機化合物には、予め上記改質用ガスを混合して反応流体として原料入口から導入してもよいが、予備ガス導入口から改質用ガスを導入してもよい。
【0033】
反応容器の天井部を形成する上蓋24は、その下面に複数個の制御のための温度・湿度等の計測ポート26、27を備えるとともに、反応容器14内の温度の均一化を図るために攪拌ファン28が取付けられている。なお、マイクロ波の漏洩を防止するために、上蓋24の開閉時にインターロック(マイクロ波出力ゼロ状態)されるようになっている。
【0034】
そして、反応容器14の底部のガス導入部位置には、粒状充填剤が通過可能でガス流れを均一化するガス整流部材30が取付けられている。
【0035】
マイクロ波加熱手段16、16Aは、個別に出力調節可能にインバータ32に接続されたマイクロ波発振器34と、反応容器14に接続される導波管36とを備えたもので、図例では上・下2組設けられている。なお、上側のマイクロ波加熱手段の導波管36には、パワーモニター38が取付けられて、マイクロ波出力信号を取り出して、マイクロ波出力を制御可能となっている。
【0036】
反応層12は、粒状充填剤Fで形成するとともに、連続又は間欠的に反応層12へ充填剤を導入・導出可能な移動型(移動反応層)とする。固定粒状充填剤Fの形成粒子の形態は、球状、ペレット状、筒状等任意である。なお、反応層12は、多孔性成形体(固定反応層)とすることもできる。多孔性成形体の態様としては、ハニカム、多孔板積層体、連泡成形体等が考えられる。また、多孔性成形体を、成形体本体(母材)の少なくとも一部をマイクロ波発熱物質であるもので形成し、該成形体本体の表面に白金やパラジウム等の貴金属触媒を担持させる構成も可能である。
【0037】
上記移動反応層12の空隙率は、被処理ガスが大きな圧損を発生させずに通過可能なものとし、通常、30〜70%の範囲で適宜設定する。また、粒状充填剤Fの形成粒子の、上記空隙率を形成可能な径とし、通常、2〜12mmとする。
【0038】
そして、反応層12に粒状充填剤Fを導入・排出する粒状充填剤の導入手段40及び排出手段42を備えている。導入手段40は、特に限定されないが、図例では、供給ホッパ41から供給パイプ46を介して、自重落下により連続又は間欠供給可能となっている。
【0039】
そして、反応層12の底部側からは排出シュート44を介して排出コンベア45により連続的又は間欠的に粒状充填剤を排出可能とされている。
【0040】
排出手段42は、図例のようなねじコンベアでなくても、ベルトコンベア、エプロンコンベア、バケットコンベアでもよい。また、間欠的に粒状充填剤を排出する場合は、プランジャー方式や、開閉ダンパを利用した自由落下方式としてもよい。
【0041】
反応層12に対応する位置で反応容器14の内壁には反応層12と同様なマイクロ波発熱特性を有する材料で形成したマイクロ波発熱筒部(成形体)48を配することが望ましい。反応層の温度の均一化を図るためである。また、反応容器12ガス導入口20の周囲及びガス導入口20下方の排出シュート44周囲には、外部加熱手段である保温ヒータ50、50Aが配設されている。前者50は、反応層12へ導入する原料ガスの温度を一定にして反応処理温度を安定化させるため、及び/又は、流体有機化合物(原料流体)が液状の場合にガス化させるためであり、後者50Aは、反応層12の下部位置の排出シュートにおいて、所定温度(例えば400℃以上)に制御してタールによるガス閉塞を防止するためである。なお、図4において、52、52Aはメインテナンスのための点検口(ユーテリティポート)であり、54は架台である。
【0042】
反応容器14内の温度・湿度及び粒状充填剤の充填・排出速度は、計測ポート26、27及び発振器34のパワーモニター38に信号が入力されて、PID(Proportional Integral Differential:比例積分微分)方式により連続制御可能となっている。
【0043】
上記において、反応層12は、少なくとも反応吸収成分を含み、さらには、分解触媒成分を含むものとする。そして、反応層12は、全部又は一部をマイクロ波発熱物質で形成する。
【0044】
ここで、マイクロ波発熱物質は、反応吸収成分、分解触媒成分と別の充填剤(化合物)で形成することもできるが、通常、反応吸収成分及び分解触媒成分の一部又は全部とを形成するものとする。
【0045】
上記マイクロ波発熱物質とは、誘電損失(誘電率(ε)×誘電力率(tanδ))の大きな物質(化合物)からなるものをいう。通常、誘電率が高いものは、誘電損失が大きく、誘電加熱されやすい。マイクロ波発熱物質として、相対的に誘電率が高い、金属酸化物(複合体を含む。)や金属炭化物を好適に使用できる。以下に例示する化学式で示す物質の括弧内の数字は、比誘電率である。比誘電率は、主として日本化学会編「化学便覧改訂3版基礎編Vol. II」(昭−59)丸善、p505から引用したものである。
【0046】
上記金属酸化物としては、遷移金属酸化物並びにアルミニウム(Al)、鉛(Pb)、インジウム(In)及び錫(Sn)の各典型金属酸化物を挙げることができる。
【0047】
遷移金属酸化物・・・FeO(14.2)、Fe23、Fe34、TiO2(85.8)、Cr23(12.0)、ZrO2(12.5)、CeO2(24.0)等。
【0048】
典型金属酸化物・・・Al23(11.5)、PbO(14.3)、In23、SnO、SnO2等。
【0049】
金属炭化物・・・SiC(10.2)、Fe3C等。
【0050】
なお、誘電率が低くても、C(5.5)等の高い抵抗発熱特性を示す物質や、SiO2(4.5)等の高い保水(保湿)性を示す物質をマイクロ波発熱物質として使用可能である。保水(保湿)性が良好であると、誘電率(誘電損失)の高いH2O(80.5)を保持させることにより、見掛け誘電損失を高くすることができ、高いマイクロ発熱特性を付与できる。
【0051】
これらの金属酸化物うちでβ・γ−アルミナ(Al23)、酸化チタン(TiO2)、酸化鉄(Fe23、Fe34)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化セリウム(CeO2)等は、有機化合物の分解に好適な触媒活性を示し、分解触媒成分の全部又は一部とすることができ、しかも、マイクロ波発熱効率が高くて望ましい。
【0052】
そして、上記複合体としては、Al23−SiO2、CaO−Fe23、TiO2−V25等を挙げることができる。さらには、赤泥(主成分:Fe23−Fe34)、無機汚泥(主成分:FeO、Fe23、Fe34)、アルミドロス残灰(主成分:Al23)、焼却灰(Al23−SiO2)、ゼオライト(主成分:Na2O−Al23−SiO2−Fe23)、石炭フライアッシュ(石炭灰ともいう。)(主成分:Al23−SiO2−Fe23)等の産業廃棄物(未利用資源)も用いることができる。
【0053】
そして、上記のようにマイクロ波発熱物質及び分解触媒成分を含む充填剤で反応層を形成した流体有機化合物の処理装置の使用態様は下記の如くである。
【0054】
まず、マイクロ波加熱手段(マイクロ波発振器34)16により反応層をマイクロ波加熱して昇温させた状態で、原料ガス(有機化合物)及び改質用ガス(H2O、CO2又はO2)からなる反応流体を反応層12へポンプ(図示せず)で押込む(導入する)。
【0055】
このとき、反応層12の平均温度は、反応流体組成・充填剤の種類など、さらには、変換目的物(改質ガス)により異なるが、内部温度140〜900℃範囲で適宜設定する。例えば、触媒酸化の場合は、200〜350℃の範囲で、反応気体による改質の場合は、500〜700℃の範囲でそれぞれ適宜設定することが望ましい。
【0056】
そして、分解触媒成分とマイクロ波照射の相互作用で、流体有機化合物は相対的に低い温度で改質処理が可能となる。
【0057】
この流体有機化合物としては、ハロゲン・硫黄元素非含有のガス状ないし液体状の化合物を挙げることができる。例えば、Cn2n+2、Cn2nの一般式で示される各種飽和・不飽和脂肪族炭化水素(脂環式を含む。)、さらには、ベンゼンおよびその誘導体(キシレン、トルエン等)の芳香族炭化水素を使用可能である。さらに、ポリエチレン、ポリプロピレン、オレフィン系エラストマー等のハロゲン及び硫黄を含まないポリマー(廃プラスチック)の場合には、別に設けた熱分解室によりガス化ないし液化して、本反応容器内の反応層へ導入する。
【0058】
そして、反応層を通過した流体有機化合物は、そのままの状態で、又は、熱分解させた後に、触媒酸化反応により無害なガス(H2OやCO2)に変換させたり、反応性ガスにより前述のような改質反応により改質させたりする。すなわち、改質されたガスは、燃料ガス(H2やCO)として、又は、冷却して燃料油として有価的に使用できる。
【0059】
<試験例>
本発明で使用する金属酸化物やそれらの複合体が良好なマイクロ波昇温特性を示すことを裏付ける試験例について説明をする。
【0060】
(1)昇温試験1:
下記市販の6種類の各原料粉末200gをφ90×65mmのアルミナフェルトに充填し、1kWのマイクロ波(2.45GHz)を照射して、昇温試験を行った。
【0061】
原料粉末:α−アルミナ、β−アルミナ、アルミン酸ナトリウム、カルシウムフェライト、ゼオライト及び石炭フライアッシュ
その結果を示す図5から、α−アルミナを除き、β−アルミナ、カルシウムフェライト等の各原料粉末は良好なマイクロ波昇温特性を示すことが確認できた。
【0062】
(2)昇温試験2:
市販のゼオライト150gと消石灰50gとに、又はカルシウムフェライト150gと消石灰50gとに、それぞれ適量の水を加えて混合して、φ5mm×5mmのペレット化物を調製した。各ペレット化物を、上記と同一仕様のアルミナフェルトに充填し、同様にして昇温試験を行った。
【0063】
その結果を示す図6は、本発明に使用する金属酸化物やその複合体は、マイクロ波を吸収し難い消石灰を混合してペレット化しても、良好な昇温特性を示すことが確認できた。
【0064】
<実施例>
図4に示す装置(内容積30L、マイクロ波出力3kW)の内部に、上記の昇温試験で使用したカルシウムフェライト75%−消石灰25%の混合ペレット15kgを充填し600℃に加熱した。本改質装置の上流部に設置した熱分解装置によりポリスチレン3kgを450℃、Ar−大気調整雰囲気下で処理し、発生した熱分解ガスを本改質装置に流入させた。本改質装置出口ガスをガスクロマトグラフィーで分析した結果、水素15〜22%、一酸化炭素1〜5%、二酸化炭素3〜12%が得られた。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の流体有機化合物の改質処理方法において反応層が固定型である場合のモデル図である。
【図2】同じく反応層が移動型である場合のモデル図である。
【図3】本発明の流体有機化合物の改質処理方法に使用する分解・改質反応処理装置の概念図である。
【図4】同じく詳細概念要部図である。
【図5】市販のマイクロ波発熱体である粉末原料についてのマイクロ波発熱特性の試験結果を示すグラフ図である。
【図6】マイクロ波発熱体を消石灰と混合ペレット化したものについてのマイクロ波発熱特性の試験結果を示すグラフ図である。
【符号の説明】
【0066】
12・・・反応層(固定反応層)
14・・・反応容器
16、16A・・・マイクロ波加熱手段
20・・・流体入口部
22・・・改質ガス出口部
40・・・粒状充填剤導入手段
42・・・粒状充填剤排出手段




 

 


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