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発明の名称 農用作業車
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−97468(P2007−97468A)
公開日 平成19年4月19日(2007.4.19)
出願番号 特願2005−291090(P2005−291090)
出願日 平成17年10月4日(2005.10.4)
代理人 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
発明者 太田 真史
要約 課題
センサ等を用いてトラクタ等の農用作業車の状態を認識し,その認識内容に基づいて当該農用作業車とロータリ耕耘装置の対地作業機の制御を行う農用作業車において、速やかに耕深制御を収束させ、対地作業機の姿勢制御を行い得る農用作業車を提供する。

解決手段
農用作業車1の左右傾斜を検出する機構16と当該農用作業車1と対地作業機14との相対角度を検出する機構23を備え、前記検出手段に基づいて対地作業機の相対角度を制御する制御手段21とを具備する農用作業車1において、前記制御手段は、対地作業機14を下降させて地表と設置する際には、対地作業機14のローリング方向対地角度制御の不感帯幅を通常の制御時より広げた。
特許請求の範囲
【請求項1】
農用作業車の左右傾斜を検出する機構と当該農用作業車と対地作業機との相対角度を検出する機構を備え、前記検出手段に基づいて対地作業機の相対角度を制御する制御手段とを具備する農用作業車において、
前記制御手段は、対地作業機を下降させて地表と接地する際には、対地作業機のローリング方向対地角度制御の不感帯幅を通常の制御時より広げることを特徴とした農用作業車。
【請求項2】
前記制御手段は、対地作業機の対地高さを検出する手段を備え、対地高さの変動が一定値以下に収束した状態が続いた場合には前記制御手段の不感帯幅を通常に戻すことを特徴とした請求項1に記載の農用作業車。
【請求項3】
前記制御手段は、対地作業機の耕深を検出する手段を備え、耕深の変動が一定値以下に収束した状態が続いた場合には、前記制御手段の不感帯幅を通常に戻すことを特徴とした請求項1に記載の農用作業車。
【請求項4】
前記制御手段は、対地作業機の対地高さを検出する手段を備え、対地作業機が下降してから一定時間後に前記制御手段の不感帯幅を通常に戻すことを特徴とした請求項1に記載の農用作業車。
【請求項5】
前記制御手段は、対地作業機の対地高さを変更するべく操作する手段を備え、対地作業機が下降操作されてから一定時間後に前記制御手段の不感帯幅を通常に戻すことを特徴とした請求項1記載の農用作業車。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサ等を用いてトラクタ等の農用作業車と、該農用作業車に装着される作業機との相対関係を検知して、該農用作業車に対して対地作業機の角度制御を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、農用作業車の一例としてその後部に圃場を耕耘するためのロータリ耕耘装置等の対地作業機が連結可能なトラクタは存在する。
このようなトラクタは、その本体にローリング方向(左右方向)の対地角度(傾斜角度)を検出するとともに、トラクタとロータリ耕耘装置との相対角度(上下方向)を検出する。
さらにトラクタが傾いたときは、連結されるロータリ耕耘装置の傾きを補償するように油圧シリンダなどのアクチュエータを作動させることによって、圃場を平坦にすべく耕耘する。
この対地作業機のローリング角度と対地高さ(リフトシリンダ位置)を検出することによって姿勢制御量を制限する技術は公知となっている。
【特許文献1】特公平5−81201号公報
【特許文献2】特開平6−141604号公報
【特許文献3】実公平2−7976号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般にロータリ耕耘装置等では、上昇状態にある対地作業機を下降操作して地面に接地させ耕耘作業を開始する。この耕耘作業機の接地直後にはロータリ耕耘装置が地中に入り込み、所定の目標耕深に至り耕深制御が収束状態になるまでの間は動作が安定しない場合が多い。
この耕深が安定していない状態でローリング制御を行うと、その制御動作が耕深の検知にも影響を与えて耕深制御の収束を妨げる場合がある。また、耕深制御が収束しない場合には、作業車本機の姿勢も安定しないため、ローリング制御の安定をも相互に妨げる結果となる。
本発明は、以上のような実情を鑑みてなされたものであり、速やかに耕深制御を収束させ、対地作業機の姿勢制御を行い得る農用作業車を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0005】
即ち、請求項1においては、農用作業車の左右傾斜を検出する機構と当該農用作業車と対地作業機との相対角度を検出する機構を備え、前記検出手段に基づいて対地作業機の相対角度を制御する制御手段とを具備する農用作業車において、前記制御手段は、対地作業機を下降させて地表と設置する際には、対地作業機のローリング方向対地角度制御の不感帯幅を通常の制御時より広げるものである。
【0006】
請求項2においては、対地作業機の対地高さを検出する手段を備え、対地高さの変動が一定値以下に収束した状態が続いた場合には前記制御手段の不感帯幅を通常に戻すものである。
【0007】
請求項3においては、対地作業機の耕深を検出する手段を備え、耕深の変動が一定値以下に収束した状態が続いた場合には、前記制御手段の不感帯幅を通常に戻すものである。
【0008】
請求項4においては、対地作業機の対地高さを検出する手段を備え、対地作業機が下降してから一定時間後に前記制御手段の不感帯幅を通常に戻すものである。
【0009】
請求項5においては、対地作業機の対地高さを変更するべく操作する手段を備え、対地作業機が下降操作されてから一定時間後に前記制御手段の不感帯幅を通常に戻すものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0011】
請求項1においては、対地作業機を用いて作業を開始するとき、耕深制御の収束を早めることによって、その制御精度を高め、作業精度を向上させる。その手段として、対地角度制御の不感帯幅を広げることにより対地作業機のローリング方向の動作頻度を減らすことができる。ローリング方向の動作時には耕深を検知する手段としてのリヤカバーが片側に押し付けられる。または、片側が持ち上げられることになり、耕深検知の状態が変化することになる。よって、耕深制御が収束していない状態では、耕深検知を安定させることを優先し、余計な外乱を与えないことにより、対地作業機の姿勢制御の安定によって作業精度を向上させる。
【0012】
請求項2においては、対地高さの変動すなわち耕深制御動作の収束状態を検知することで対地作業機のローリング制御の不感帯幅を通常に戻し速やかな応答性を回復する。これによって、耕深安定後のローリング方向の精度を高める。耕耘開始時の制度の向上と耕深安定後の精度を両立することを可能にしている。
【0013】
請求項3においては、耕深の変動を検知することによって制御動作の安定を判断し、制御動作の安定を確認した場合にはローリング方向の不感帯幅を通常に戻し速やかな応答性を回復する。これによって、耕深安定後には対地作業機のローリング方向の精度を高める。耕耘開始時の精度の向上と耕深安定後の精度を両立することを可能にしている。
【0014】
請求項4においては、対地高さが非作業状態から作業状態の高さに変化した時間を計測し、一定時間以上が経過したならば対地作業機のローリング制御の不感帯幅を通常に戻し速やかな応答性を回復する。これによって、単純な判断でローリング制御の応答性復帰を行うことが可能になる。また、耕深制御動作が頻繁に行われる凹凸の激しい圃場面においては、耕深制御の収束を判断することが難しい場合、ローリング制御の不感帯幅が広がったままとなる可能性がある。本発明は、耕耘開始時に予測されるべき耕深が安定しない条件に対してその制御収束を速やかにすることを目的としており、条件によってローリング制御の精度向上を放棄するものではない。よって、耕運開始後、一定時間が経過したならば、耕深の変動は定常的なものであると判断してローリング制御を規制無く行うことにより、作業精度の安定を可能としている。
【0015】
請求項5においては、対地高さが非作業状態から作業状態の高さに人為的に変更された後に経過した時間を計測し、一定時間以上が経過したならば対地作業機のローリング制御の不感帯幅を通常に戻し速やかな応答性を回復する。これによって、請求項4と同じ効果をより単純な判断で実現すると同時に、対地高さの検知が正常にできなくなった場合にもローリング制御の規制を解除できる。これによって、制御動作の安定も可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
図1は本発明の実施の形態に係るトラクタ1の概略構成を示す側面図、図2はトラクタ1の制御系に関するブロック図、図3はトラクタ1における油圧回路図、図4は制御系が行う一連の処理の一例を示した流れ図、図5は図4に示した流れ図における処理(ステップA)の詳細な流れ図、図6は図4に示した流れ図における処理(ステップB)の詳細な流れ図である。
【0017】
先ず、図1(外観図)、図2(ブロック図)、及び図3を(油圧回路図)を用いて本発明の農用作業車の一例であるトラクタの概略構成について説明する。
1はトラクタで、機体の前後部に夫々前輪2・2と後輪3・3とを備え、ミッションケース4の後上部には油圧シリンダケース5を固着して設けている。
該油圧シリンダケース5内には、単動式油圧シリンダ6が設けられており、油圧シリンダケース5の左右両側には該油圧シリンダ6の伸縮により回動するリフトアーム7・7を配置している。
【0018】
また、トップリンク10、ロワーリンク11、11からなる3点リンク機構12の後端部には、対地作業機の一例であるロータリ耕耘装置14がリフトアーム7・7にて昇降自在に連結されている。
したがって、上記単動式油圧シリンダ6によって、リフトアーム7・7に連結されるロータリ耕耘装置14が上昇または下降制御されることになる。
リフトアーム7、7とロワーリンク11、11との間には左右一方にリフトロッド15と左右他方に傾斜シリンダ18が介装されている。
【0019】
また、傾倒シリンダ18は複動式とし、後述する制御弁の切換で伸縮され、ロータリ耕耘装置14をローリング方向(左右方向)に傾動させることが可能となり、ロータリ耕耘装置14の水平(姿勢)制御を行うことが可能となる。
また、17は本機(リフトアーム)と作業機の間の左右方向の相対角を検出する手段であり、トラクタ1とロータリ耕耘装置14との間の相対的回動量を検出するストロークセンサで構成して、具体的には直線式のポテンショメータで構成されている。
このストロークセンサ17は、上記傾倒シリンダ18の横側部に配設され、該傾倒シリンダ18の伸縮量を検出することによって、上記相対的回動量を検出するものである。
16は、本機の任意位置、例えば、油圧シリンダケース5の横側部に取り付けられた傾斜センサであって、トラクタ1の左右の傾斜角度(即ち対地角度)を検出する対地検出手段の一例である。
【0020】
<ロータリ耕耘装置14の位置決めに関するもの>
20はポジション制御用の油圧操作レバーであって、この油圧操作レバー20の回動基部には、トラクタ1の後部に連結されているロータリ耕耘装置14の対地高さを設定するためのポテンショメータからなる対地高さ設定器21(図2参照)が取り付けられている。
【0021】
一方、片側リフトアーム7の回動基部にもポテンショメータからなる対地高さセンサ23(図2参照)が設けられ、油圧操作レバー20にて設定された位置にリフトアーム7、7が回動してその設定位置に停止するように構成している。該対地高さセンサ23は回転型のポテンショメータやロータリエンコーダ等の回転センサにより、リフトアーム7の回動角度を検知することにより、ロータリ耕耘装置(作業機)14の高さを検出するようにしている。
【0022】
<ロータリ耕耘装置14に関して>
ロータリ耕耘装置14について簡単に説明すると、ロータリ耕耘装置14は、耕耘爪を回動して耕耘する耕耘部34と、耕耘部34の上方を覆う耕耘カバー35と、耕耘カバー35の後部にリヤカバー36を枢支し、該リヤカバー36の回動基部に、リヤカバー36の角度を検出する耕深センサ37が設けられている。該耕深センサ37はリヤカバーの角度を検出しても、ハンガーロッドの伸縮長さを検知する構成であっても良い。
【0023】
次に油圧経路について図3を用いて説明する。
<ロータリ耕耘装置14の左右の傾動に関する油圧系統>
油圧ポンプ25から送り出された作動圧油は、分流弁26により一部は上述した水平制御用の傾動シリンダ18側に送られ、他はトラクタ1の後部に連結可能な作業機(例えば、上述したロータリ耕耘装置14)を昇降するためのリフトアーム7・7に連結される単動式油圧シリンダ6側に送られる。
ロータリ耕耘装置14の水平制御用の切換弁27は、3位置4ポート式の弁にて構成され、左側のソレノイド27aが励磁されると傾倒シリンダ18は伸長し、逆に右側のソレノイド27bが励磁されると短縮する。
前記切換弁27は、制御装置60(図2参照)からパルス信号を受信した場合に、ソレノイド27a又はソレノイド27bにパルス信号を流すことによって、制御される電磁弁であって、電流値に比例するものである。
また、上記切換弁27は常態においては中立位置を保っており、傾斜センサ16によってトラクタ1の傾斜が検出された場合に、制御装置60は、ロータリ耕耘装置14を水平に維持すべく、上記何れかのソレノイド(27a、27b)を励磁することによって切換弁27を切り替える。
【0024】
<リフトアーム7の上昇、下降に関する油圧系統>
40はメインの油圧昇降回路の一部を構成する油路、42は上昇用比例制御弁、45は下降用比例制御弁である。
上昇用比例制御弁42は、パイロット圧を制御する第1制御弁47と、流量を制御する第2制御弁48とからなり、第1制御弁47のソレノイドに流す電流値をコントロールすることによって第2制御弁48に掛かるパイロット圧が変わり、上記単動式油圧シリンダ6に至る作動油の量がコントロールされる。
同様に、下降用比例制御弁45も、パイロット圧をコントロールする第1制御弁49と、流量制御する第2制御弁50とからなり、第1制御弁49のソレノイドに通電する電流値を変えることによって、第2制御弁50に掛かるパイロット圧が変わり、上記単動式油圧シリンダ6から作動油タンクに排出される作動油の量が制御される。
これらの上昇用、下降用の比例制御弁42・45は水平制御用の切換弁27と同様、1パルスあたりのON時間を変えて電流値をコントロールする(デューティ制御)ものである。
【0025】
また、上記切換弁27、上記上昇用比例制御弁42、及び上記下降用比例制御弁45は、制御装置60より送出されるPWM(Pulse Width Modulation)信号によって、切り替えられる構成であっても良い。
このように、PWM信号によって切り替えられる構成にする場合、例えば、対地高さ設定器21による設定値と対地高さセンサ23の検出値との間に偏差が生じた場合に、制御装置60は該偏差が小さい場合には1パルス当たりのON時間(オンタイム)を短くしてPWM信号を送出し、他方、該偏差が大きい場合には1パルス当たりのON時間を長くしてPWM信号を送出するように構成しても良い。
【0026】
制御系の構成としては、トラクタ1においてロータリ耕耘装置14の相対角度のローリング制御等を行うための制御手段の一例である制御装置60には、図2に示すように、トラクタ1の左右の傾斜角度の変化速度を計測する角速度センサ19を具備している。
その他、制御装置60には、トラクタ1の後部に取り付けられるロータリ耕耘装置14等の対地作業機の取り付け幅等の連結状態に応じて切り替えを設定するための設定手段の一例である取付切換スイッチ59、シフト位置を検出するシフト位置センサ56、エンジン回転数センサ57、及びトラクタ1の車速を検出するための車速検出手段の一例である車速センサ70等が接続されている。(以下、「スイッチ」を「SW」と表記する)
更に,ロータリ耕耘装置14の耕耘深さを設定するための耕深設定器51,トラクタ1とロータリ耕耘装置14との相対速度やトラクタ1の傾斜角度をあらかじめ設定するための傾斜設定器52も接続されている。また、作業機の昇降を簡便に行う上昇SW81と下降SW82も接続されている。
なお、上記取付切換SW59や傾斜設定器52は、トラクタ1の運転席近傍のダッシュボードやメータパネルに設けられても良い。
【0027】
また、制御装置60の入力側にはA/D変換器55が設けられており、該A/D変換器55を介して、取付切換SW59、シフト位置センサ56、傾斜設定器52、耕深設定器51、対地高さ設定器21、対地高さセンサ23、耕深センサ37、ストロークセンサ17、傾斜センサ16、角速度センサ19等が制御装置60に接続されている。
上記A/D変換器55を介さずに該制御装置60に接続されるものとしては、エンジン回転数センサ57、モードSW61、車速センサ70、上昇SW81、下降SW82等がある。
なお、上記制御装置60は、MPUやCPU等の中央演算装置より成るものであっても良い。
【0028】
また、制御装置60の出力側には、リフトアーム7、7を昇降回動させる上昇用比例制御弁42と下降用比例制御弁45、及び水平制御用の傾倒シリンダ18を伸長させるソレノイド27aと短縮させるソレノイド27bが接続されている。
【0029】
<一連の処理>
制御の一連の処理について図4を用いて説明する。
まず、制御装置60は上述のスイッチ類やセンサ類の設定や検出位置などを読み込んでトラクタ1の状況を認識する(ステップ1)。制御装置60はその検出結果に基づき、ステップAにおいてリフトアーム7、7の上昇、下降に関する制御処理を行い、ステップBにおいて傾倒シリンダ18の伸縮に関する処理を行う.
ここで、ステップAにおけるリフトアーム7の昇降、すなわちロータリ耕耘装置14の昇降に関する処理について図5を用いて説明する。
この昇降は上昇モードと下降モードの二つによって成る。まずステップA−10からステップA−30で上昇モード、下降モードの判断を行う。すなわち、下降SWが操作されたか否かの判断(ステップA−10)、上昇モードか否かの判断(ステップA−20)、上昇SWが操作されたか否かの判断(ステップA−30)を行う。
上昇SW81が操作された場合とは、作業終了等で上昇スイッチ81を操作する場合であり、それ以降は上昇モードとして処理を行う。下降SW82が操作された場合とは、作業の開始時等で下降スイッチ82を操作する場合であり、それ以降は下降モードとして処理を行う。そして、耕深制御中でセンサからの入力と設定値とを比較して、偏差があり、且つ上昇モードなら、ステップA−50の処理に、下降モードならステップA−60以降の処理に移行する。
【0030】
上昇モードでは、昇降偏差に上昇時目標位置までの対地高さ偏差をセットする(ステップA−50)。つまり、現在の高さを対地高さセンサ23で検知して、目標位置(例えば最上昇位置)までの差を演算して、その差(偏差)を読み込む。
下降モードでは、まず、設定位置までの耕深の偏差(ステップA−60)及び、設定位置までの対地高さの偏差の計算を行う(ステップA−70)。つまり、耕深設定器51により設定され設定深さと現在の深さ(リヤカバーの位置)を耕深センサ37で検知してその値の差(偏差)を演算し、現在の高さを対地高さセンサ23で検知して、目標位置(例えば最下降位置または対地高さ設定器21による設定高さ)までの差を演算する。
【0031】
そして、対地高さの偏差方向が上昇方向であるか否かの判断(ステップA−80)を行い、上昇方向の場合は、次に耕深の偏差方向が同一の上昇方向であるか否かを判定する(ステップA−90)。耕深の偏差方向が下降方向である場合は、対地高さ偏差を昇降偏差にセットする。耕深の偏差方向と対地高さの偏差方向が同じく上昇方向である場合は、夫々の偏差の大きさを比較し(ステップA−95)、対地高さの偏差のほうが大きい場合には、対地高さの偏差を昇降偏差にセットし(ステップA−111)、耕深偏差のほうが大きい場合には、耕深偏差を昇降偏差にセットする(ステップA−110)。
対地高さの偏差方向が下降方向の場合、次に耕深偏差が反対方向の上昇方向であるか否かを判定する(ステップA−100)。耕深偏差が対地高さ偏差と反対の上昇方向であるならば、耕深偏差を昇降偏差にセットする(ステップA−110)。耕深の偏差方向が同じく下降方向である場合は、夫々の偏差の大きさを比較し(ステップA−105)、対地高さ偏差のほうが大きい場合には、耕深偏差を昇降偏差にセットし(ステップA−110)、耕深偏差のほうが大きい場合には、対地高さ偏差を昇降偏差にセットする(ステップA−111)。
【0032】
このようにして昇降偏差にセットされると、昇降偏差が不感帯の範囲内であるか否かの判断に移行する(ステップA−130)。不感帯の範囲内であれば、出力されず昇降制御を行わない(ステップA−140)。一方、不感帯の範囲外であれば、まだ設定位置に至っていないので、偏差に応じて上昇若しくは下降方向に出力する(ステップA−150、ステップA−151)。
すなわち、上昇モードであれば、昇降偏差にセットされた、上昇目標位置までの対地高さ偏差の分、リフトアーム7、7を駆動するべく、上昇用の比例制御弁42を駆動し、上昇位置に達したならばその対地高さを維持する。
下降モードであれば昇降偏差にセットされた値(耕深偏差もしくは対地高さ偏差)が正の値であれば上昇モードと同様に、リフトアーム7、7を駆動するべく、上昇用の比例制御弁42を駆動し、負の値であれば、下降用の比例制御弁45を駆動し、昇降偏差の分だけ、昇降した場合その対地高さを維持する。
【0033】
また、下降モードの状態で、耕深センサによって耕耘深さ偏差が生じた場合は次のように処理される。
耕深センサ37によって耕深が耕深設定器51によって定められる目標値よりも深いと判断される場合は、制御装置60は上昇用の比例制御弁42を駆動し、リフトアーム7を上昇方向に動作させることによって耕深を浅くする。耕深センサ37によって耕深が耕深設定器51によって定められる目標値より深いと判断される場合は、制御装置60は下降用の比例制御弁45を駆動し、リフトアーム7、7を下降方向に動作させることによって耕深を深くする。ただし、この下降駆動は対地高さ設定器21によって定められた位置を下限とする。なお、偏差が大きいほど制御弁の駆動量は大きく、速く設定位置に至るようにし、偏差が小さいほど駆動量も減少されて、オーバーシュートとなってハンチング等が生じないようにしている。
【0034】
ロータリ耕耘装置14は前述のように昇降制御されるが、それと同時に下記のローリング方向の傾斜制御を行う。図6は傾斜制御の処理(ステップB)の詳細な流れ図である。
まず、作業機下降SW82の操作されたことが認識されるか(ステップB−10)、または対地高さが高い位置から低い位置に変化したことを認識した場合(ステップB−20)には、傾き制御の動作不感体幅を通常の制御時より広げる処理を行う(ステップB−40)。
【0035】
このように構成することにより、対地作業機を用いて作業を開始するとき、耕深制御の収束を早めることによって、その制御精度を高め、作業精度を向上させる。その手段として、対地角度制御の不感帯幅を広げることにより、耕深センサ23となるリヤカバーが接地する時に対地作業機のローリング方向の動作頻度を減らすことができる。例えば、本機が傾斜した状態で作業機を下降したり、作業機を傾斜させた状態で、作業機を下降させたりすると、耕深を検知する手段としてのリヤカバーは接地時にまず左右片側が接地して、片側が持ち上げられてからローリング方向の制御動作に入ることになり、耕深検知の状態変化が大きい。この時に通常のローリング制御を行なうと、ロータリが地中に入り設定した目標値を一瞬に通り過ぎたりすることがあって、制御駆動が頻繁に行なわれてハンチング等を生じることがある。よって、耕深制御が収束するまでの変化が大きい制御開始時では、耕深検知を安定させることを優先し、余計な外乱を与えないことにより、対地作業機の姿勢制御の安定によって作業精度を向上させる。
【0036】
また、作業機下降SW82の操作されたことが認識されるか(ステップB−10)、または対地高さが高い位置から低い位置に変化したことを認識した場合(ステップB−20)、それぞれの時点より不感帯幅が増加した状態が継続される最大の時間を決定し、時間のカウントを開始する(ステップB―41)。
次に、傾き動作に対して上記の如く規制処理が実行されている場合はステップB70からステップB100の如く動作範囲を限定し、不感帯幅増加の夫々の規制処理を解除するか否かの判断を行った後に制御偏差の演算を行い、規制が設けられていない場合はそのまま制御偏差の演算に処理を移行する。
規制処理が実行されている場合、ステップB−41で設定された時間が経過したか否かを判定して、経過している場合は不感帯幅を通常に戻す。また、もしそれぞれの処理時間が経過していなくとも、耕深制御がすでに安定したことが認識される場合は、速やかに不感帯幅を通常に戻す(ステップB−100)。すなわち、耕深センサ37の定時間あたりの変化量が一定以下であり、能動的に耕深制御を行う必要のない状態(ステップB−80)、もしくは、対地高さセンサ23の定時間当たりの変化が一定以下であり、能動的に耕深制御を行う必要のない状態(ステップB−90)であれば、ステップB−100にて通常の不感帯を用い制御応答性を回復する。
【0037】
このように構成することにより、対地高さの変動もしくは耕深の変動、すなわち耕深制御動作の収束状態を検知することで対地作業機のローリング制御の不感帯幅を通常に戻し速やかな応答性を回復する。これによって、耕深安定後のローリング方向の精度を高める。耕耘開始時の制度の向上と耕深安定後の精度を両立することを可能にしている。
【0038】
また、対地高さが非作業状態から作業状態の高さに変化した時間を計測し、一定時間以上が経過したならば対地作業機のローリング制御の不感帯幅を通常に戻し速やかな応答性を回復することにより、単純な判断でローリング制御の応答性復帰を行うことが可能になる。さらに、下降SW81が操作された時点後に経過した時間を計測し、一定時間以上が経過したならば対地作業機のローリング制御の不感帯幅を通常に戻し速やかな応答性を回復することにより、より単純な判断でローリング制御の応答性復帰を行うことが可能になると同時に、対地高さの検知が正常にできなくなった場合にもローリング制御の規制を解除できる。
【0039】
ステップB−120によって傾き偏差が計算された後、ステップB−130によって偏差が所定の不感帯を超えるか判定されるが、その閾値は不感帯幅であるのでステップB−40の処理が継続されているか否かによって異なるものとなる。
すなわち、傾き偏差が所定範囲内であれば、傾き制御は行わない(ステップB−140)。
傾き制御が所定の範囲外であれば、偏差に応じて伸長方向(ステップB−170)、短縮方向(ステップB−180)に傾倒シリンダ18を伸縮させて傾きを制御する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施の形態に係るトラクタ1の概略構成を示す側面図。
【図2】トラクタ1の制御系に関するブロック図。
【図3】トラクタ1における油圧回路図。
【図4】制御系が行う一連の処理の一例を示した流れ図。
【図5】図4に示した流れ図における処理(ステップA)の詳細な流れ図。
【図6】図4に示した流れ図における処理(ステップB)の詳細な流れ図。
【符号の説明】
【0041】
1 トラクタ
6 単動式油圧シリンダ
7 リフトアーム
14 ロータリ耕耘装置
16 傾斜センサ
18 傾倒シリンダ
21 対地高さ設定器
23 対地高さセンサ
60 制御装置
81 上昇スイッチ
82 下降スイッチ




 

 


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