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発明の名称 冷菓及びその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−166922(P2007−166922A)
公開日 平成19年7月5日(2007.7.5)
出願番号 特願2005−365201(P2005−365201)
出願日 平成17年12月19日(2005.12.19)
代理人 【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
発明者 榎本 朋浩 / 勝田 康夫
要約 課題
乳製品とデキストリンを含む冷菓であって、その風味が改善された冷菓及びその製造方法を提供すること。

解決手段
乳製品、デキストリン及び添加された食塩を含む冷菓であって、該デキストリンのDE値が4〜20であり、該デキストリンの含量が冷菓の全量に対して2〜10質量%であり、添加された食塩が冷菓の全量に対して0.005〜0.100質量%であることを特徴とする冷菓;乳製品及びデキストリンを含む冷菓に食塩を添加することを特徴とする上記冷菓の製造方法。
特許請求の範囲
【請求項1】
乳製品、デキストリン及び添加された食塩を含む冷菓であって、該デキストリンのDE値が4〜20であり、該デキストリンの含量が冷菓の全量に対して2〜10質量%であり、添加された食塩が冷菓の全量に対して0.005〜0.100質量%であることを特徴とする冷菓。
【請求項2】
該デキストリン以外の糖質を含有する請求項1記載の冷菓。
【請求項3】
糖質が、砂糖、ぶどう糖、果糖、異性化糖、水あめ、及び粉あめからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項2記載の冷菓。
【請求項4】
該デキストリン以外の糖質の添加量が冷菓の全量に対して8〜25質量%である請求項2又は3記載の冷菓。
【請求項5】
アイスミルク又はラクトアイスである請求項1〜4のいずれか1項記載の冷菓。
【請求項6】
乳製品及びデキストリンを含む冷菓に食塩を添加することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の冷菓の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、乳製品、デキストリン及び食塩を含有する冷菓であって、乳製品のコク味及び旨味が強化された冷菓及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
冷菓中の水以外の固形分としては、脂肪分、無脂乳固形分、糖質、卵黄、乳化剤、安定剤、果汁固形分等が挙げられる。冷菓において固形分の含量は、構成する成分の性質とは別に、冷菓の組織、風味、口融け、保存性等に大きく影響する。すなわち固形分を増加させると冷菓の組織は滑らかで緻密になり、逆に低下させると口当たりが冷たくシャリシャリとした軽い組織となる。従来、固形分を増加させるには、水あめ、粉あめと称するDE値が20〜50の澱粉分解物が広く用いられてきた。他の原料に比べて比較的安価であり、他の糖質に比べで甘味度が低く、水溶性で扱い易いためである。しかしながら、近年の嗜好の多様化により、より分解度が低いDE値が20以下の澱粉分解物(デキストリン)が使用され始めている。しかしながら、これらの澱粉分解物を冷菓に使用すると、乳成分の旨味がマスクされるという問題がある。
【0003】
DE値が20以下の澱粉分解物を冷菓に用いる発明として、DE36未満の澱粉分解物を6重量%以上含む冷菓(特許文献1)がある。DE値を36未満と比較的低くすることによって、冷菓の凍結点降下を抑えてヒートショック耐性を向上させ、粘度を付与することで冷菓に適度なクリーミー感を与えている。
また、乳脂肪を約1重量%以上含有するアイスクリーム類の製造に際し、30重量%水溶液の粘度が約8〜35cpで且つ6糖類までの糖類含量が約30重量%以下である澱粉分解物をアイスクリーム類中に約15重量%を越えない割合で添加することを特徴とするアイスクリーム類の製造方法(特許文献2)が開示されている。この発明によれば、比較的乳脂肪が少ないか非常に少ないアイスミルクやラクトアイスのようなものでも、乳脂肪に由来するコク味や風味を増強し、比較的乳脂肪の多いアイスクリームでは高級感のあるコク味や風味を付与することが出来るとされている。
しかしながら、特定の澱粉分解物を使用することで、冷菓にクリーミーな食感を付与したり、乳脂肪に由来するコク味を強化することは出来るものの、澱粉分解物により乳成分特有の旨味呈味成分がマスクされて弱くなり、乳製品本来の風味が低下するという欠点があった。
一方、特許文献3には、冷菓に砂糖の0.5%程度の食塩を添加することが甘味増強に有効であるとの記載がある。冷菓に使用する砂糖濃度は通常10〜20%であるから、この場合の冷菓中の食塩添加量は0.05〜0.10%となるが、デキストリンを含む冷菓に関する記載は無い。また、塩化ナトリウムは冷菓にコク味を全く与えないとの記載もある。
【0004】
【特許文献1】特表平6−506825号公報
【特許文献2】特開平7−50994号公報
【特許文献3】特開昭59−2658号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、乳製品とデキストリンを含む冷菓であって、その風味が改善された冷菓及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記従来技術の問題点に鑑み、検討を行った結果、乳製品及びデキストリンを含む冷菓に、食塩を添加することにより、乳成分特有の風味を損なわずにコク味を付与出来ることを見出した。すなわち、本発明は以下に示す冷菓及びその製造方法を提供するものである。
1.乳製品、デキストリン及び添加された食塩を含む冷菓であって、該デキストリンのDE値が4〜20であり、該デキストリンの含量が冷菓の全量に対して2〜10質量%であり、添加された食塩が冷菓の全量に対して0.005〜0.100質量%であることを特徴とする冷菓。
2.該デキストリン以外の糖質を含有する上記1記載の冷菓。
3.糖質が、砂糖、ぶどう糖、果糖、異性化糖、水あめ、及び粉あめからなる群から選ばれる少なくとも1種である上記2記載の冷菓。
4.該デキストリン以外の糖質の添加量が冷菓の全量に対して8〜25質量%である上記2又は3記載の冷菓。
5.アイスミルク又はラクトアイスである上記1〜4のいずれか1項記載の冷菓。
6.乳製品及びデキストリンを含む冷菓に食塩を添加することを特徴とする上記1〜5のいずれか1項記載の冷菓の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、乳製品及びデキストリンを含む冷菓に、食塩を添加することにより、乳製品特有の風味を損なわずにコク味を付与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明でいう乳成分とは、生乳を原料として製造される乳製品に含まれる生乳由来の固形分のことであり、乳脂肪分、乳タンパク、乳糖や、微量のミネラル、リン脂質、ビタミン、有機酸等が挙げられる。冷菓に原材料として使用される乳製品は、牛乳、脱脂乳、生クリーム、バター、脱脂粉乳、全脂粉乳、加糖全脂練乳、加糖脱脂粉乳、濃縮乳等が挙げられる。
本発明でいうデキストリンとは、澱粉を酸又は酵素により、あるいはその両者により加水分解し、中和または酵素失活によって加水分解を止めた後、精製、濃縮、必要に応じて乾燥して得られる澱粉分解物の中で、特に加水分解の程度を表すDE値が4〜20、好ましくは6〜16、さらに好ましくは8〜12であるものを示す。DE値が4〜20であれば、澱粉分解物の平均分子量が大きくなり、その粘度特性により、冷菓に含まれる乳成分由来のコク味を増強することが出来るためである。しかし、DE値が4未満になると、コク味は増強されるが糊感が強調されるので、好ましくない。デキストリンの添加量は冷菓全量に対して2〜10質量%、好ましくは3〜8質量%である。2質量%より少ないと乳製品由来のコク味の強化が不十分な場合があり、また10重量%を超えると、過度にコク味が強化されて糊っぽくなり、口融けの悪いものになることがある。
【0009】
本発明は上述のデキストリンとともに、食塩を使用することを特徴とするものである。デキストリンは冷菓に使用される他の糖質と比較して分子量が大きく、この粘度特性により、乳製品を含む冷菓のコク味を適度に強化するが、逆に分子量が大きいために乳成分由来の旨味成分を包接し、最終的に冷菓の旨味を損なうという欠点があった。
本発明者は、デキストリンを含む冷菓に0.005〜0.100質量%の食塩を添加することにより、デキストリンによってマスクされた乳成分由来の旨味成分が引き出されて回復することを見出し、この知見に基づいて本発明を完成したものである。従来、デキストリンを含まない冷菓に0.05〜0.10質量%程度の食塩を配合し、砂糖の甘味を引き立たせるという使われ方はされてきたが(特許文献3)、デキストリンを含む冷菓に食塩を添加することによって、損なわれた乳成分の旨味を回復させるという知見は存在しなかった。
【0010】
食塩の添加量は冷菓全量に対して、0.005〜0.100質量%、好ましくは0.01〜0.05質量%、さらに好ましくは0.02〜0.04質量%である。0.005質量%より少ないと、旨味の回復が不十分になる傾向があり、0.100質量%より多いと旨味は回復するが、塩味が出現するためである。
なお、冷菓に使用するほとんどの乳製品原料は、乳成分由来の塩化ナトリウムを含んでいるため、最終的に乳製品を使用して製造された従来の冷菓製品も食塩を含んでいる。しかしながら、この程度の食塩の含有量では本発明の効果を発揮することは出来ない。
【0011】
本発明でいう冷菓とは、乳製品を含む限り、乳等省令および公正競争規約で定められているところのアイスクリーム類の分類による、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、又は氷菓のいずれでもよいが、好ましくは乳固形分を3〜15質量%含有するアイスミルク又はラクトアイスである。乳固形分が3質量%未満では、デキストリンを添加しても乳成分由来のコク味の強化が不十分で、さらに食塩を添加しても乳成分に特有の旨味に乏しい傾向があるためである。また、乳固形分が15質量%を超えると、すでに十分に乳成分由来のコク味と旨味が得られているため、デキストリンおよび食塩を添加する必要がない。
【0012】
本発明の冷菓は、乳製品、デキストリンおよび食塩を含有する以外は一般的な冷菓の製造法と同様の方法で製造することができる。詳しくは、従来の製造工程に従って、例えば、水に牛乳、生クリーム、バター、脱脂粉乳等の乳製品、砂糖、デキストリン等の糖質、及び食塩、さらに必要に応じて植物性脂肪、乳化剤、及び安定剤を加熱溶解し、ホモジナイザー(均質機)にかけてアイスクリームミックスを調製する。これをエージング後、バニラ、果汁等のフレーバーを添加し、フリージング、硬化工程を経て所望の冷菓を製造できる。
【0013】
尚、本発明の冷菓には、デキストリン以外の糖質として、冷菓に一般に用いられている砂糖、ぶどう糖、果糖、異性化糖、水あめ、粉あめ等の糖質を併用することが望ましい。その理由は、本発明で使用するデキストリン、特に2〜10質量%のデキストリンだけでは甘味および冷菓全体の固形分が不足するからである。すなわち、上記デキストリン以外の糖質の添加量は、目的の甘味と、食感の滑らかさに影響する冷菓の固形分を考慮して、冷菓全体に対して8〜25質量%、好ましくは10〜20質量%とするのが一般的である。冷菓に用いるデキストリン以外の糖質は、砂糖、DE値が20〜50の澱粉分解物である水あめもしくは粉あめ、及び必要に応じて少量のぶどう糖、果糖等の単糖類であり、これらを組合わせて使用することで目的の甘味と固形分を調整することができる。本発明の好ましい冷菓は、糖質として水あめ、粉あめを含有するものである。
【実施例】
【0014】
以下、参考例及び実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
表1の処方に従い、容量3000ccの容器に所定の水と卵黄を加え、予め秤量し混合しておいた脱脂粉乳、砂糖、澱粉分解物、食塩等の粉体原料を加えて攪拌しながら内容物の温度が60℃に達するまで加熱した。次に生クリームを加えて攪拌しながらさらに85℃に達するまで加熱した後、70℃まで冷却し、高圧ホモジナイザー(150kgf/cm2、1パス)に投入し均質化した。これをさらに冷水を用いて5℃まで冷却した後、庫内温度5℃の冷蔵庫に12時間保存したものを、アイスクリームフリーザーを用いてフリージングし、オーバーラン60%にて取出し、紙製のカップに充填し、−30℃の急速冷凍庫中で1時間硬化した後、−18℃の冷凍庫に移し、比較例1〜7と本発明1〜3の製品試料を得た。これらは乳固形分11.0%、乳脂肪分3.1%であり乳等省令および公正競争規約で定めるアイスクリーム類の分類においてアイスミルクに分類される。
【0015】
【表1】


*1:乳脂肪分:47.0%、無脂乳固形分: 4.0%
*2:乳脂肪分: 0.8%、無脂乳固形分:96.2%
*3:松谷化学工業株式会社 パインデックス#6
*4:松谷化学工業株式会社 パインデックス#3
*5:松谷化学工業株式会社 パインデックス#4
*6:松谷化学工業株式会社 パインデックス#2
*7:松谷化学工業株式会社 パインデックス#100
【0016】
得られた比較例1〜7と本発明1〜3の冷菓を、パネラー5名に試食させ官能試験を行った。各パネラーが、比較例1のコク味の強さを1とし、比較例5の旨味の強さを1としたときのコク味及び旨味についてそれそれ強さの順に加点して順位付けをし、それらを平均して順位を決定した(すなわち、数値が大きいほど順位が高いことを示す)。表2にアイスミルク官能試験結果を示す。
【0017】
【表2】


【0018】
表2の結果より、本発明で得られたアイスミルク試料(本発明品1〜3)は、食塩を配合していない比較例3〜5と比較し、コク味を維持したまま、旨味が強化回復されていることが判る。
【0019】
実施例2
表3の処方に従い、製造工程は実施例1と同様にし、比較例8〜10と本発明4〜7の製品試料を製造した。これらは乳固形分8.9%、乳脂肪分2.1%であり、乳等省令および公正競争規約で定めるアイスクリーム類の分類においてラクトアイスに分類される。
【表3】


*1:乳脂肪分:47.0%、無脂乳固形分: 4.0%
*2:乳脂肪分: 0.8%、無脂乳固形分:96.2%
*3:松谷化学工業(株) パインデックス#2、DE値10
【0020】
得られた比較例8〜10と本発明品4〜7のラクトアイスを、パネラー5名に試食させ官能試験を行った。すなわち、比較例8のコク味,旨味及び塩味の強さをそれぞれ1として、実施例1と同様に評価した。ラクトアイス官能試験結果を表4に示す。
【表4】


【0021】
表4の結果より、本発明で得られたラクトアイス試料(本発明品4〜7)は、比較例8〜9と比較し、コク味を維持したまま、旨味が強化されていることが判る。また、比較例10は、旨味は強化されているものの、わずかながらも塩味の出現が感じられ、全体的な味のバランスが崩れたものとなった。




 

 


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