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発明の名称 米菓の製造法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−151517(P2007−151517A)
公開日 平成19年6月21日(2007.6.21)
出願番号 特願2005−355480(P2005−355480)
出願日 平成17年12月8日(2005.12.8)
代理人 【識別番号】100107984
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 雅紀
発明者 佐々木 康二
要約 課題
米及び/又は米粉を主原料とする米菓の製造において、加工特性に優れ、成型が良好なペレットの安定製造を可能とし、かつ、製品形状及び食感に優れ米菓の製造法を提供すること。

解決手段
米及び/又は米粉を主原料とする米菓の製造に際して、該主原料に対し、加工ワキシーポテト澱粉を2〜35重量パーセント含有させることにより、加工特性に優れ、成型が良好なペレットの安定製造を可能とし、かつ、製品形状及び食感に優れた米菓の製造法を提供する。本発明において、加工ワキシーポテト澱粉としては、酸化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、架橋澱粉等を用いることが可能であり、該澱粉の一種または二種以上を混合したものを用いることができるが、特に、架橋又はアセチル化したワキシーポテト澱粉を用いることが好ましい。
特許請求の範囲
【請求項1】
米及び/又は米粉を主原料とし、該主原料に対し、加工ワキシーポテト澱粉を2〜35重量パーセント含有させることを特徴とする米菓の製造法。
【請求項2】
主原料に対し、加工ワキシーポテト澱粉を10〜25重量パーセント含有させることを特徴とする請求項1記載の米菓の製造法。
【請求項3】
加工ワキシーポテト澱粉が、架橋又はアセチル化したワキシーポテト澱粉であることを特徴とする請求項1〜2のいずれか記載の米菓の製造法。
【請求項4】
架橋ワキシーポテト澱粉が、本発明において定義したブラベンダーアミログラフ粘度測定法で測定した場合の(昇温中の最高粘度)−(94℃で10分保持後の粘度)の値が、400BUより小さくなるように架橋された架橋ワキシーポテト澱粉であることを特徴とする請求項3記載の米菓の製造法。
【請求項5】
アセチル化ワキシーポテト澱粉が、置換度(DS)0.01〜0.05となるようにアセチル化されたワキシーポテト澱粉であることを特徴とする請求項3記載の米菓の製造法。
【請求項6】
米及び/又は米粉を主原料とし、該主原料に対し、加工ワキシーポテト澱粉を2〜35重量パーセント含有させるように配合したことを特徴とする米菓製造用原料ミックス。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか記載の米菓の製造法で製造された、製品形状及び食感に優れた米菓。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、米及び/又は米粉を主原料とし、製品形状及び食感に優れた米菓を製造する方法に関するものであり、具体的には、粳米、粳米粉、糯米、或いは糯米粉、又はそれらの混合原料を主原料とし、該主原料に加工ワキシーポテト澱粉を混合することで、ペレットを安定に製造でき、かつ形状が良好で口どけ良好な米菓を製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
米菓には、粳米若しくは粳米粉を使ったもの、糯米若しくは糯米粉を使ったもの、両方の種類の米または米粉を使ったものがある。粳米若しくは粳米粉を原料とする粳米菓はソフト煎餅、草加煎餅に代表されるもので、サクサクとした軽い食感のものから、ザクザクと食べ応えのあるものまでバラエティに富んでおり、米食文化に根ざした嗜好性の強い菓子類である。粳米菓は一般的な製法において、粳米または粳米粉を主原料とし、蒸練後のドウを圧延成型し、乾燥工程を経てペレット(米菓の製品形状に小さく成形したもの)を製造し、製造したペレットを焼成、油揚げ等して製造される。
【0003】
糯米若しくは糯米粉を原料とする米菓は、おかき、あられに代表されるもので、一般的なものは粳米菓に比べ食感が軽く、糯米独特の風味を特徴とし、粳米菓と同様に嗜好性の強い菓子類である。糯米菓は一般的な製法において、糯米または糯米粉を主原料として蒸練後、ドウを作成し、型に流し込んだもの又は棒状に成型したものを冷蔵して硬化させ、硬化したドウを切断成型して乾燥工程を経てペレットを製造し、製造したペレットを焼成、油揚げ等して製造される。食感の多様化の立場から両種の米及び米粉の併用も行われている。また、昨今の傾向として、製品のソフト化・膨化性改善・口どけ改善・原料コスト削減などの目的で副原料として澱粉類が併用される。
【0004】
製品の膨化性が良くてソフトなテクスチャーが得られることから、澱粉類としては主にワキシーコーンスターチや馬鈴薯澱粉などが用いられる。これらの澱粉を用いることによりテクスチャーは改善されるが、歯にべたつくなどの問題点が発生する。この点を補うため、更なる改善提案がなされている。特開平3−187346号公報には、米澱粉またはその加工澱粉の併用が開示されており、米及び/又は米粉に粳米澱粉や糯米澱粉を混入してテクスチャーを改質することが記載されている。
【0005】
特開2005−27644号公報には、タピオカ澱粉に架橋処理と次亜塩素酸ソーダ処理の併用処理をして得られた化工澱粉を用い、米菓の膨化の改善やテクスチャーを改善する手法が開示されている。また、特開平6−276949号公報には、ワキシーコーンスターチを併用した際に見られる乾燥時や焼成時に米菓生地のひび割れの度合いが高くなる事に対する改良法としてタピオカ澱粉やサゴ澱粉のアセチル化澱粉、ヒドロキシプロピル化澱粉と架橋タピオカ澱粉を混用する方法が開示されている。しかし、これらの特許公報に記載の方法で、目的とするところは、製品のソフト感、口溶け、歯にべたつくなどの食感改善とひび割れによる製品の破損率を減少させることに止どまっていた。
【0006】
ペレットは、米菓製造の際の半製品で、粳米または粳米粉を原料とした場合、一般的な製法においては蒸練工程⇒圧延成型⇒乾燥を経て製造され、糯米または糯米粉を原料とした場合、一般的な製法においては蒸練工程⇒ドウの硬化⇒切断成型⇒乾燥を経て製造され、このペレットを焼成、油揚げ等をして最終製品とする。このペレット製造には、ドウに適度の粘性と弾力を必要とする。製品のソフト化・膨化性改善・口どけ改善・原料コスト削減などの目的で澱粉類を併用する場合、ドウの粘り・弾力が変化してしまう為、ペレットの安定製造が困難になる。また、澱粉類の配合量が多くなるにつれて、その傾向が強くなる。
【0007】
粳米菓の製造において澱粉類を併用する場合、具体的には、ドウの粘りが強くなると、圧延ロールに接着する、シートが引っ張られて型くずれする、型抜き時にドウが型から剥離しない等の問題が発生する。また、ドウの弾力が強くなると、圧延成型時にシートがゴワついて均一な成型が出来なくなる、型抜き時にドウが収縮する、乾燥時に変形する等の問題が発生し、ペレットの製造が不安定になる。また、ドウの粘りが弱くなると、練りがかかりにくくなる、乾燥時の変形や老化が多くなる等の問題が発生する。ドウの弾力が弱くなると、圧延成型時にシートが切れてしまって均一な成型が出来なくなる、型抜き時にドウが型から剥離しない等の問題が発生し、ペレットの製造が不安定になる。
【0008】
したがって、従来、ワキシーコーンスターチや馬鈴薯澱粉などの添加量は、上記のような問題から、それらの問題が許容される範囲に限定されている。
【0009】
また、糯米菓の製造において澱粉類を併用する場合、具体的には、ドウの粘りが強くなると、型に接着する、硬化時間が長くなる、ベタついて切断しにくくなる等の問題が発生する。更に、ドウの弾力が強くなると、ドウの流動性がなくなってドウ硬化物の成型性が悪化する、蒸練時の混合が不均一になる等の問題が発生し、ペレットの製造が不安定になる。また、ドウの粘りが弱くなると、ドウのまとまりが悪くなる、ペレットの変形が多くなる等の問題が発生し、ドウの弾力が弱くなると、ドウの流動性が強くてドウ硬化物の成型性が悪化する、ペレットの仕上がりが不均一になる等の問題が発生し、ペレットの製造が不安定になる。
【0010】
粳米菓の場合、蒸練工程を経てできたドウから直接ペレットを製造するのに対して、糯米菓の場合は蒸練工程を経てできたドウを冷蔵硬化させてから切断成型してペレットを製造するので、安定したペレットを製造するために硬化したドウの状態も重要となる。したがって、従来、ワキシーコーンスターチや馬鈴薯澱粉などの添加量は、上記のような問題から、それらの問題が許容される範囲に限定されている。
【0011】
澱粉類を併用して製品のソフト化・膨化性改善・口どけ改善・原料コスト削減などの目的を達成する為には、ある程度添加量を多くすることが望まれるし、併せて、ドウの粘り・弾力を適度な状態に保ち、ペレットの製造を安定させることが望まれる。また、ペレットの製造が不安定だとペレットも変形しやすく、ペレットの変形は焼成後或いは油揚げ後の最終製品の形状にも大きな影響を及ぼす。また、規格外製品の発生要因にもなり、ペレットの安定製造は米菓の安定製造に不可欠である。
【0012】
特表2002−538799号公報には、非穀物アミロペクチンデンプンを添加したスナックのような食品についての製造法が開示されている。この方法は、非穀物アミロペクチンデンプンを含有した組成物を用意し、該組成物の少なくとも一部を、ガラス転移温度よりも高い温度に加熱し、それをガラス転移温度以下に冷却することにより改良された膨張特性を有する膨張食品を得るものであるが、これによると、非穀物アミロペクチンデンプンを含有することにより、膨化性、食感(ソフト感)の改良ができるが、製品の製造時おいての成形性、製品ムラについての改良はなされていない。なお、実際に、本発明者は、アミロペクチンデンプンの未加工澱粉を添加した米菓では、食感のソフト化、膨化の改良が見られるが、出来上がりの製品の湾曲等が見られ、安定した形状の製品は得られにくいことを確認している。このように、上記公報に記載された方法では、スナックのような食品の製造において、ペレットの安定製造に不可欠であるドウの適度な弾力や粘りの獲得等の問題に対する解決手段については何も開示されていない。
【特許文献1】特開平3−187346号公報。
【特許文献2】特開平6−276949号公報。
【特許文献3】特開2005−27644号公報。
【特許文献4】特表2002−538799号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の課題は、米及び/又は米粉を主原料とする米菓の製造において、加工特性に優れ、成型が良好なペレットの安定製造を可能とし、かつ、製品形状及び食感に優れ、焼成または油揚げすることにより製造された製品の形状を安定化させ、なおかつ膨化性・口どけ性の優れた米菓の製造法を提供することにある。更に、本発明の課題は、最終製品の形状が安定化し、製品歩留まりに優れ、製造コストの軽減された米菓の製造法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討する中で、米及び/又は米粉を主原料とする米菓の製造に際して、該主原料に対し、加工ワキシーポテト澱粉を2〜35重量パーセント含有させることにより、加工特性に優れ、成型が良好なペレットの安定製造を可能とし、かつ、製品形状及び食感に優れ、焼成または油揚げすることにより製造された製品の形状を安定化させ、なおかつ膨化性・口どけ性の優れた米菓の製造法を提供することが可能であることを見い出し、本発明を完成するに至った。本発明の製造方法を用いることにより、ペレット製造の際、成型性の良いドウを調製することができ、そのドウにより調製したペレットを使用して作った最終製品の米菓は、形状の安定化が図れ、形が一定し、湾曲等の形状の歪さを抑えることができる。したがって、本発明の米菓の製造法は、最終製品の形状が安定化し、製品歩留まりに優れ、製造コストの軽減された米菓の製造を可能とする。
【0015】
本発明において、加工ワキシーポテト澱粉は、米及び/又は米粉主原料に対し、2〜35重量パーセントの割合で含有させるが、好ましくは、10〜25重量パーセントの割合で含有させる。本発明において、米及び/又は米粉としては、粳米、粳米粉、糯米或いは糯米粉、又はそれらの混合物が用いられる。本発明において、加工ワキシーポテト澱粉としては、酸化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、架橋澱粉等を用いることが可能であり、該澱粉の一種または二種以上を混合したものを用いることができるが、特に、架橋又はアセチル化したワキシーポテト澱粉を用いることが好ましい。
【0016】
更に、本発明において、架橋又はアセチル化したワキシーポテト澱粉として、軽度架橋ワキシーポテト澱粉及び/又は軽度アセチル化ワキシーポテト澱粉を、粳米或いは粳米粉、又は、糯米或いは糯米粉に添加することにより、顕著な効果が得られ、ペレット製造の際、成型性に優れ、そのペレットを使用して作った最終製品の形状の安定化が図れ、形が一定し、湾曲等の形状の歪さが抑えられることにより、製品形状及び食感に優れた米菓を製造することができる。この方法により得られた米菓は、従来求められている膨化性、口どけ性において良好な米菓となる。
【0017】
本発明において、軽度架橋ワキシーポテト澱粉としては、具体的には、下記に定義するブラベンダーアミログラフ粘度測定法で測定した場合の(昇温中の最高粘度)−(94℃で10分保持後の粘度)の値が、400BUより小さくなるように架橋された架橋ワキシーポテト澱粉を挙げることができる。
【0018】
<本発明のブラベンダーアミログラフ粘度測定法>
絶乾物換算4.0重量%濃度のブラベンダーアミログラフを用いて700CMGの感度で40℃より毎分1.5℃ずつ昇温して94℃とし、更に94℃で10分間保持する条件で粘度を測定する。
【0019】
本発明において、軽度アセチル化ワキシーポテト澱粉としては、具体的には、置換度(DS:澱粉のグルコース単位当たりのアセチル基の数で表す。)0.01〜0.05、より好ましくは、0.01〜0.03となるようにアセチル化されたワキシーポテト澱粉を挙げることができる。
【0020】
本発明は、米及び/又は米粉を主原料とし、該主原料に対し、加工ワキシーポテト澱粉を2〜35重量パーセント含有させるように配合し、米菓製造用原料ミックスとして調製する場合を包含する。
【0021】
すなわち具体的には本発明は、(1)米及び/又は米粉を主原料とし、該主原料に対し、加工ワキシーポテト澱粉を2〜35重量パーセント含有させることを特徴とする米菓の製造法や、(2)主原料に対し、加工ワキシーポテト澱粉を10〜25重量パーセント含有させることを特徴とする上記(1)記載の米菓の製造法や、(3)加工ワキシーポテト澱粉が、架橋又はアセチル化したワキシーポテト澱粉であることを特徴とする上記(1)〜(2)のいずれか記載の米菓の製造法や、(4)架橋ワキシーポテト澱粉が、本発明において定義したブラベンダーアミログラフ粘度測定法で測定した場合の(昇温中の最高粘度)−(94℃で10分保持後の粘度)の値が、400BUより小さくなるように架橋された架橋ワキシーポテト澱粉であることを特徴とする上記(3)記載の米菓の製造法からなる。
【0022】
また本発明は、(5)アセチル化ワキシーポテト澱粉が、置換度(DS)0.01〜0.05となるようにアセチル化されたワキシーポテト澱粉であることを特徴とする上記(3)記載の米菓の製造法や、(6)米及び/又は米粉を主原料とし、該主原料に対し、加工ワキシーポテト澱粉を2〜35重量パーセント含有させるように配合したことを特徴とする米菓製造用原料ミックスや、(7)上記(1)〜(5)のいずれか記載の米菓の製造法で製造された、製品形状及び食感に優れた米菓からなる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の米菓の製造法により、加工特性に優れたドウを形成することができ、成型が良好なペレットの安定した製造が可能となる。そして、焼成又は油揚げすることにより製造された製品の形状を安定化させ、製品形状及び食感に優れた米菓を製造することが可能となる。特に、本発明の米菓の製造法により、従来のワキシーコーンスターチや馬鈴薯澱粉を添加しても解決ができなかった問題点を解消することができ、澱粉を増量して用いることができ、膨化が均一で製品形状にも優れ、食感も良好で、膨化性・口どけ性に優れた米菓を提供することが可能となる。更に、本発明の製造方法により、最終製品の形状が安定化し、製品歩留まりに優れた米菓の製造が可能となり、製造コストの軽減された米菓の製造を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明は、米及び/又は米粉を主原料とし、該主原料に対し、加工ワキシーポテト澱粉を2〜35重量パーセント含有させることを特徴とする米菓の製造法よりなる。本発明において主原料となる、米及び/又は米粉としては、粳米、粳米粉、糯米或いは糯米粉、又はそれらの混合物を用いることができる。
【0025】
本発明においては、米及び/又は米粉の主原料に、加工ワキシーポテト澱粉を配合する。ワキシーポテト澱粉とは、アミロースの形成が抑制されるように遺伝的に改変された馬鈴薯より分離された澱粉で、実質的にアミロースを含まず、アミロペクチンからなる澱粉を指称する。ワキシーポテト澱粉はその加工澱粉も含めて、近年、アベベ. ビー. エイ.(オランダ国)で商品化されている。本発明で用いる加工ワキシーポテト澱粉としては、酸化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、架橋澱粉が挙げられ、該澱粉の一種または二種以上を混合したものが使用できる。
【0026】
本発明の米菓の製造方法において、加工ワキシーポテト澱粉として、軽度に架橋したワキシーポテト澱粉又は軽度にアセチル化したワキシーポテト澱粉を用いるのが、特に好ましい。架橋したワキシーポテト澱粉及びアセチル化したワキシーポテト澱粉は、適宜、公知の方法を用いて製造することができる(特表2004−530016号公報、特表2002−534566号公報)。
該加工ワキシーポテト澱粉を用いることにより、膨化がより均一になって一定形状の製品が得られるという、特に優れた効果を得ることができる。軽度に架橋したワキシーポテト澱粉は、ワキシーポテト澱粉を常法に従ってメタリン酸塩やオキシ塩化リンなど常用の架橋剤を用いて軽度に架橋して得られるものである。
【0027】
本発明において用いられる軽度に架橋したワキシーポテト澱粉としては、本発明において、前記<本発明のブラベンダーアミログラフ粘度測定法>として定義される方法、すなわち、「絶乾物換算4.0重量%濃度のブラベンダーアミログラフを用いて700CMGの感度で40℃より毎分1.5℃ずつ昇温して94℃とし、更に94℃で10分間保持する条件で粘度を測定する方法」で測定した時に、0<[(昇温中の最高粘度)―(94℃で10分保持後の粘度)]<400BUの関係になるようにしたものが好ましい。また、[(昇温中の最高粘度)―(94℃で10分保持後の粘度)]がマイナス値になるような高度に架橋したものは、ペレットの膨化が抑制され、製品の食感を硬化させる傾向にある。なお、ワキシーポテト澱粉を絶乾物換算4%濃度でブラベンダーアミログラフによって粘度を測定すると昇温中の最高粘度は概ね940BU、94℃で10分保持後の粘度は、概ね250BUである。
【0028】
本発明において用いられる軽度にアセチル化したワキシーポテト澱粉は、ワキシーポテト澱粉を無水酢酸又は酢酸ビニルモノマーを用いて常法に従ってアセチル化したアセチル化澱粉で、そのDS(置換度、澱粉のグルコース単位当たりのアセチル基の数で表す)が概ね0.01〜0.05のものが好ましく、より好ましくは0.01〜0.03のものである。また、各々の条件を満たす限り、アセチル化と架橋を組み合わせたアセチル化・架橋したワキシーポテト澱粉が包含される。
【0029】
前述の範囲にある架橋ワキシーポテト澱粉及び/又はアセチル化ワキシーポテト澱粉を用いると、安定したペレットが得られるとともに均一な形状が得られ易くなり、安定化した最終製品の形状を得、製品歩留まりに優れた米菓の製造を可能とする上で、特に好ましい。この均一な形状が得られるという特徴は同じ架橋澱粉やアセチル化澱粉であっても前述の範囲を逸脱すると低下する傾向がある。ただし、その場合であっても安定したペレットが得られ、食感に優れるなどのワキシーポテト澱粉に共通した特性は得ることができる。加工ワキシーポテト澱粉の添加量は、米または/及び米粉に対して2〜35重量%の割合が好ましい。2重量%以下では、安定したペレットが得られにくいだけではなく製品の形状の安定性も低下する。35重量%よりも多い添加量では、ペレットの形状が不安定になり、結果として製品の形状も不安定になる傾向にある。また、10〜25重量%の添加量がより好ましい。
【0030】
本発明の製造原料を用いた米菓の製造法の製造方法自体は、従来の方法に従って行うことができる。即ち、粳米菓の場合、一般的製法に従えば、粳米、粳米粉、加工ワキシーポテト澱粉などの主原料を同時に又は別々に蒸練後、搗砕または練り出しして生地を均一に混合してドウを製造し、ドウを冷却して板状に引き伸ばした後、型抜き成型し、乾燥してペレットを製造し、そのペレットをエイジング後、焼成または油揚げし、味付けを経て製造することができる。また、糯米菓の場合、一般的製法に従えば、糯米、糯米粉、加工ワキシーポテト澱粉などの主原料を同時に又は別々に蒸練後、搗砕または練り出しして生地を均一に混合してドウを製造し、ドウを型に流し込んだもの又は棒状に成型したものを冷蔵して硬化させ、硬化したドウを切断成型して乾燥工程を経てペレットを製造し、そのペレットをエイジングした後、焼成または油揚げ、味付けを経て製造することができる。
【0031】
以下に本発明の詳細を実施例により具体的に説明するが、本発明の技術的範囲は、これらの実施例により限定されるものではない。なお、以下に示す、実施例及び参考例において「部」は、「重量部」を示す。
【実施例1】
【0032】
(参考例1)
25℃の水120部に、それぞれ表1に示す各原料澱粉100部を分散したスラリーを用意し、攪拌下でそれぞれに3%水酸化ナトリウム溶液16.7部を添加し、酢酸ビニルモノマー0.8〜5部を加えて30分間反応させた後、硫酸で中和し、水洗、脱水、乾燥して試料No.1〜No.6のアセチル化澱粉を得た。その置換度を表1に示した。
【0033】
【表1】


(参考例2)
水120部に硫酸ナトリウム10部を溶解した溶液を2点用意し、それぞれにワキシーポテト澱粉を分散し、攪拌下でそれぞれに3%水酸化ナトリウム溶液16.7部を添加後、トリメタリン酸ソーダ0.008または、0.04部を添加し、40℃で6時間反応させた後、硫酸で中和し、水洗、脱水、乾燥して試料No.7、No.8の架橋澱粉を得た。絶乾物換算4.0重量%濃度のブラベンダーアミログラフを用いて700CMGの感度で40℃より毎分1.5℃ずつ昇温して94℃とし、更に94℃で10分間保持する条件で粘度を測定した時の、(昇温中の最高粘度)―(94℃で10分保持後の粘度)の値を表2に示した。なお、未加工のワキシーポテト澱粉を試料No.9、未加工の馬鈴薯澱粉を試料No.10、未加工のワキシーコーンスターチを試料No.11とした。
【0034】
【表2】


(実施例1)
粳米粉100部+澱粉類(試料No.1〜No.11)20部を水分38%となるように加水し、よく混合してから蒸練機にて8分間、蒸練した。その後、蒸練して出来上がったドウを水冷しながら練り機に5回通した後、圧延機にて厚さ2.5ミリに圧延した。引き続き、圧延生地を直径62ミリの円形に抜き取り、80℃にて水分20%まで乾燥し、ペレットを得た。これらのペレットの物性について評価し、その結果を表3に示した。
【0035】
【表3】


(評価基準)
(1)形状:丸型に成形したペレットの円の状態:
非常にきれいな円形を5点とし、楕円形を1点とし、中間的な形状を相対評価し、数値を付した。
(2)湾曲程度:ペレットの反り具合(湾曲の度合い)の状態:
非常に平らなものを5点とし、大きく湾曲したものを1点とし、中間的な湾曲の度合いを相対評価し、数値を付した。
【0036】
(実施例2)
実施例1で得られたペレットを80℃にて水分10%まで乾燥した後、試験用運行釜にて焼成した。得られた焼成品の物性について評価し、その結果を表4に示した。
【0037】
【表4】


(評価基準)
(1)形状:焼成品の円の状態:
非常にきれいな円形を5点とし、楕円形を1点とし、中間的な形状を相対評価し、数値を付した。
(2)湾曲程度:焼成品の反り具合(湾曲の度合い)の状態:
非常に平らなものを5点とし、大きく湾曲したものを1点とし、中間的な湾曲度合いを相対評価し、数値を付した。
(3)食感:焼成品の食べやすさの官能評価:
非常にソフトものを5点とし、非常に硬いものを1点とし、中間的な食べやすさを相対評価し、数値を付した。
(4)口どけ感:焼成品の咀嚼時の口どけの官能評価:
非常に口どけが良いものを5点とし、非常に口どけが悪いものを1点とし、中間的な口どけを相対評価し、数値を付した。
(実施例3)
実施例1で得られたペレットを80℃にて水分10%まで乾燥した後、試験用フライヤーにて油揚げした。得られた油揚げ品の物性について評価し、その結果を表5に示した。
【0038】
【表5】


(評価基準)
(1)形状:油揚げ品の形状についての総評(湾曲、生地の開き具合など):
変形が非常に少ないものを5点とし、変形が非常に多いものを1点とし、中間的な形状を評価し、数値を付した。
(2)食感:油揚げ品の食べやすさの官能評価:
非常にソフトものを5点とし、非常に硬いものを1点とし、中間的な食べやすさを評価し、数値を付した。
(3)口どけ感:油揚げ品の咀嚼時の口どけの官能評価:
非常に口どけが良いものを5点とし、非常に口どけが悪いものを1点とし、中間的な口どけを評価し、数値を付した。
【0039】
(実施例4)
粳米粉100部+試料No.3:5部、10部、25部、40部を水分38%となるように加水し、よく混合してから蒸練機にて8分間、蒸練した。その後、蒸練して出来上がったドウを水冷しながら練り機に5回通した後、圧延機にて厚さ2.5ミリに圧延した。引き続き、圧延生地を直径62ミリの円形に抜き取り、80℃にて水分20%まで乾燥し、ペレットを得た。これらのペレットの物性について評価し、その結果を表6に示した。
【0040】
【表6】


(評価基準)
実施例1の評価基準に従い評価した。
【0041】
(実施例5)
実施例4で得られたペレットを80℃にて水分10%まで乾燥した後、試験用運行釜にて焼成した。得られた焼成品の物性について評価し、その結果を表7に示した。
【0042】
【表7】


(評価基準)
実施例2の評価基準に従い評価した。
【0043】
(実施例6)
糯米粉(100部)と試料No.1〜No.11(20部)をよく混合し、加水して全体の水分が45%程度になるように調整したものを蒸気蒸し器で30分間蒸した。その後、電気式卓上餅つき機で15分間搗き込んだ後、一定の型に入れて冷蔵庫にて48時間硬化させた。次いで、出来上がった硬化したドウをハムスライサーで厚さ3.5ミリに切断後、15ミリ×40ミリ寸法に成型し、80℃にて水分30%まで乾燥させ、ペレットを得た。これらの硬化したドウの性状及びドウ硬化物より得られたペレットの性状について評価し、その結果を表8に示した。
【0044】
【表8】


(評価基準)
(1)ドウの硬化状態:目的の形状の得やすさ、硬化のしやすさなどの状態の評価:
非常に良好なものを5点とし、非常に悪いものを1点とし、中間的な形状を相対評価し、数値を付した。
(2)ドウ硬化物の成型性:切断のしやすさ、成型のしやすさの評価:
非常に良好なものを5点とし、非常に悪いものを1点とし、中間的な形状を相対評価し、数値を付した。
(3)ペレットの性状:湾曲の度合いや老化程度など、ペレットの状態の総評:
非常に良好なものを5点とし、非常に悪いものを1点とし、中間的な形状を相対評価し、数値を付した。
【0045】
(実施例7)
実施例6で得られたペレットを80℃にて水分20%まで乾燥した後、試験用運行釜にて焼成した。得られた焼成品の物性について評価し、その結果を表9に示した。
【0046】
【表9】


(評価基準)
実施例2の評価基準に従い評価した。
【0047】
(実施例8)
糯米粉(100部)と試料No.7(5部、10部、25部、40部)をよく混合し、加水して全体の水分が45%程度になるように調整したものを蒸気蒸し器で30分間蒸した。その後、電気式卓上餅つき機で15分間搗き込んだ後、一定の型に入れて冷蔵庫にて48時間硬化させた。次いで、出来上がった硬化したドウをハムスライサーで厚さ3.5ミリに切断後、15ミリ×40ミリ寸法に成型し、80℃にて水分30%まで乾燥させ、ペレットを得た。これらの硬化したドウの性状及びドウ硬化物より得られたペレットの性状について評価し、その結果を表10に示した。
【0048】
【表10】


(評価基準)
実施例6の評価基準に従い評価した。
【0049】
(実施例9)
実施例8で得られたペレットを80℃にて水分20%まで乾燥した後、試験用運行釜にて焼成した。得られた焼成品の物性について評価し、その結果を表11に示した。
【0050】
【表11】


(評価基準)
実施例2の評価基準に従い評価した。




 

 


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