米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 農業 -> 松谷化学工業株式会社

発明の名称 ソフトキャンディ及びその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−75060(P2007−75060A)
公開日 平成19年3月29日(2007.3.29)
出願番号 特願2005−270430(P2005−270430)
出願日 平成17年9月16日(2005.9.16)
代理人 【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
発明者 榎本 朋浩 / 荒木 誠也
要約 課題
糖質を主原料とし、油脂およびゼラチンを副原料として含む気泡含有ソフトキャンディに、歯切れ及び歯離れの良い新規な食感を付与すること。

解決手段
糖質を主原料とし、油脂及びゼラチンを副原料として含む気泡含有ソフトキャンディにおいて、糖質原料の一部が米澱粉を含み、糖質原料に対する米澱粉の質量比率が0.11〜0.41であるソフトキャンディ;主原料糖質を煮詰める工程の前工程において米澱粉を添加する事を特徴とするソフトキャンディの製造方法。
特許請求の範囲
【請求項1】
糖質を主原料とし、油脂及びゼラチンを副原料として含む気泡含有ソフトキャンディにおいて、糖質原料の一部が米澱粉を含むことを特徴とするソフトキャンディ。
【請求項2】
米澱粉が架橋澱粉である請求項1に記載のソフトキャンディ。
【請求項3】
糖質原料に対する米澱粉の質量比率が0.11〜0.41である請求項1又は2記載のソフトキャンディ。
【請求項4】
主原料糖質を煮詰める工程を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載のソフトキャンディの製造方法において、主原料糖質を煮詰める工程の前工程において米澱粉を添加する事を特徴とする方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な食感を有するソフトキャンディ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
キャンディ類は、水分含量が5質量%以下のハードキャンディ類と、5〜20質量%のソフトキャンディ類に大別することが出来る。前者は硬質であるのに対し、後者は軟質であることが特徴である。両者とも主原料に砂糖、水飴等の糖質を用いる。さらにソフトキャンディ類は、副原料の種類、水分含量を変えることで、種々のものが製造されている。特に副原料に油脂とゼラチンを使用し、さらに気泡を含有させたソフトキャンディは、その独特の食感により、長年多くの消費者に慣れ親しまれてきた。
しかしながら、このようなソフトキャンディが出現してからかなりの年月が経ち、また消費者の嗜好の多様化により、新規な食感を有するものが望まれている。
特許文献1には、果糖と分岐デキストリンを主原料とする果糖キャンディが開示されている。これは果糖以外の糖類を使用しない、低甘味、低吸湿性でエネルギー効率の良いキャンディであるとされている。また、特許文献2には、糖原料の一部としてトレハロースを用いることを特徴とするキャンディの製造方法が記載されている。この方法で得られるキャンディは、食感、歯離れに優れ、低甘味でクリアな味を有し、香り立ちが良く、透明感があり、製造時の型離れが良いとされている。
しかしながら、特定の澱粉とソフトキャンディの食感との関係については、いずれの文献にも開示されていない。
【0003】
【特許文献1】特開平8−103222
【特許文献2】特開平8−256694
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、糖質を主原料とし、油脂およびゼラチンを副原料として含む気泡含有ソフトキャンディに、歯切れ及び歯離れの良い新規な食感を付与することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、新規な食感を有するソフトキャンディについて鋭意検討の結果、糖質を主原料とし、油脂およびゼラチンを副原料として含む気泡含有ソフトキャンディにおいて、糖質原料の一部に米澱粉を用いることで、歯切れ及び歯離れのよい新規な食感を付与することが出来ることを見出した。また、リン酸架橋米澱粉を使用することで、澱粉の膨潤の影響を受けることなくさらに容易にソフトキャンディの製造が可能であることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて達成された。
すなわち、本発明は、以下に示す気泡含有ソフトキャンディ及びその製造方法を提供する。
1.糖質を主原料とし、油脂及びゼラチンを副原料として含む気泡含有ソフトキャンディにおいて、糖質原料の一部が米澱粉を含むことを特徴とするソフトキャンディ。
2.米澱粉が架橋澱粉である上記1に記載のソフトキャンディ。
3.糖質原料に対する米澱粉の質量比率が0.11〜0.41である上記1又は2記載のソフトキャンディ。
4.主原料糖質を煮詰める工程を含む上記1〜3のいずれか1項に記載のソフトキャンディの製造方法において、主原料糖質を煮詰める工程の前工程において米澱粉を添加する事を特徴とする方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、従来にない歯切れ及び歯離れの良い食感を有するソフトキャンディ及びその製造方法を提供することができるので、キャンディ分野における新たな市場の開拓が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明に使用する糖質、油脂およびゼラチンは、一般的なソフトキャンディの製造に用いるものを使用することが出来る。例えば、ソフトキャンディの主原料である糖質原料の代表としては、砂糖、水飴が挙げられる。また必要に応じて、パラチニット、マルチトール、エリスリトール、ソルビトール、還元水飴等の糖アルコールを用いることも出来る。
副原料として使用する油脂としては、硬化ヤシ油、硬化パーム油、ショートニング等が挙げられる。ゼラチンとしては、望まれるソフトキャンディの硬さに応じて、適当なゼリー強度のものを選定することが出来る。また、ゼラチン、油脂以外の副原料として、油脂を練りこむためにシュガーエステル等の乳化剤を使用することができる。さらに、目的の製品に応じて、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸などの酸味料や、果汁、香料、色素等を用いることが出来る。また、ソフトキャンディの製造において副原料の混合攪拌の最終段階に、ソフトキャンディを適度に硬化させるために、少量の結晶性の糖質粉末を混合攪拌するのが一般的であり、これには粉砕した砂糖(粉糖)が広く用いられる。
【0008】
本発明のソフトキャンディは、糖質原料の一部に米澱粉を含むことを特徴とするが、ここでいう糖質原料とは、砂糖、水飴等の主原料としての糖質原料に加え、最終工程で混合攪拌する副原料としての粉糖を含むものとする。
本発明に用いる澱粉は米澱粉であることが好ましく、さらに好ましくはリン酸架橋処理した米澱粉(リン酸架橋米澱粉)である。しかしその由来は粳米、もち米のどちらでも良い。以下、その理由について説明する。
キャンディ類においては、食した際にざらつき感が無く滑らかな食感であることが望まれる。米澱粉の粒径は2〜5μmであり、一般に使用されている馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、とうもろこし澱粉、タピオカ澱粉等の食用澱粉と比較して小さく、キャンディ類に用いた場合、ざらつきが無く滑らかな食感となる。
また、本発明に使用する米澱粉は、ソフトキャンディ中で可能な限り膨潤していない状態にあることが重要である。一般に加工していない澱粉は、十分な水を加えて加熱すると、加熱時間を経て、澱粉粒は吸水して膨潤する。ソフトキャンディ中において米澱粉が膨潤すれば、粒径は2〜5μmを超えて大きくなるため、食した際にざらつき感が現れ滑らかな食感が失われてしまう。また、糖液の煮詰め工程中に米澱粉が膨潤すれば、煮詰め糖液の粘度が著しく上昇し、その結果、目的の水分まで煮詰める前に焦げ付き、また目的の水分まで煮詰めることができても、煮詰められた糖液の粘度が高すぎ、その後の副原料との混合攪拌が出来ないという問題が生じる。
【0009】
ソフトキャンディ中の米澱粉の膨潤を抑制する方法としては、煮詰め前の米澱粉を含む糖液の混合液の水分を、糖液の煮詰め中に米澱粉が吸水しない程度に、あらかじめ少なくしておく方法が挙げられる。しかしながら煮詰め前の糖液であっても作業性を考慮すると、ある程度の流動性が必要であり、水分は20〜30質量%とするのが一般的である。この場合、リン酸架橋処理した米澱粉を用いれば、煮詰め前の糖液の水分が20〜30質量%であっても、リン酸架橋米澱粉が吸水膨潤しにくいために、煮詰め糖液の粘度上昇が抑えられ、本発明の目的とする歯切れ及び歯離れのよい新規な食感のソフトキャンディが製造できる。
リン酸架橋米澱粉は市販のものを使用することができるが、できるだけ膨潤度の低い澱粉とするためには高架橋度の澱粉が好ましい。食品に使用されるリン酸架橋澱粉の製造には、主としてトリメタリン酸塩又はオキシ塩化リンが用いられる。前者の場合、澱粉粒が膨潤しない程度の加温状態で澱粉けん濁液に作用させる。後者の場合は室温で同様に作用させる。反応はいずれもアルカリ性下で進行する。架橋剤の濃度を調節することにより、所望の架橋度を有する架橋澱粉を製造することができる。
【0010】
米澱粉の配合量は、目的とする食感の程度によって、自由に調整することが出来るが、糖質原料に対して好ましくは0.11〜0.41、より好ましくは0.17〜0.41の質量比率であることが望ましい。0.11より少ないと、米澱粉を用いない従来のソフトキャンディと比べて食感の向上が少なく、0.41より多いと大量の澱粉粒の存在によって煮詰め糖液の粘度が増加し、これは米澱粉の膨潤抑制によっても解消されず、ソフトキャンディの製造が困難になる。
さらに、本発明に使用する米澱粉は、煮詰め前の糖液に添加することが望ましい。米澱粉の膨潤による煮詰め糖液の粘度上昇を回避するために、煮詰め後のゼラチン、油脂等の副原料を添加混合する際に添加した場合、攪拌により澱粉が飛散し、攪拌中の煮詰め糖液の温度の低下につれて煮詰め糖液の粘度は上昇するため、十分な混合攪拌が難しい。
【0011】
本発明のソフトキャンディは、例えば以下の方法で製造することができる。すなわち、主原料の砂糖、水飴及び米澱粉を所定の配合に従って配合し、水分を15〜30質量%に調整した後、銅鍋中で110〜130℃に達するまで加熱撹拌して所定の水分濃度(例えば、85〜95質量%)まで煮詰める。次いでこれを縦型ミキサーに移し、加熱溶解したゼラチン溶液(例えば、25〜50質量%水溶液)を糖質原料100質量部(乾燥質量、以下同じ)に対して3.8〜7.6質量部加えて80〜95℃で1〜6分撹拌した後、油脂(糖質原料100質量部に対して5〜20質量部)及び乳化剤(糖質原料100質量部に対して0.1〜0.5質量部)を加えてさらに60〜80℃で0.5〜2分撹拌する。必要に応じて酸味料、香料及び粉糖(糖質原料100質量部に対して2〜5質量部)などを加えて50〜80℃で0.5〜2分撹拌した後、ミキサーから取り出して5〜30℃で冷却固化しつつ適当な厚さの板状成型物とする。これを適当な大きさに切断すれば所望のソフトキャンディが得られる。
【実施例】
【0012】
次に、本発明を以下の実施例を用いて具体的に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
表1の配合に従って、煮詰め前の糖液を調製した。最終的にソフトキャンディ中の水飴とグラニュー糖、及びその後の工程にて添加する粉糖の固形分合計量に対する米澱粉の乾燥質量の比率が0.05〜0.51となるように設定し、必要に応じて水を加えて水分が16.7質量%(固形分440.0g、水分88.2g)になるように調整した(配合1〜7)。また、対照として、米澱粉を加えずに水飴とグラニュー糖を混合し、必要に応じて水を加えて水分が16.7質量%(固形分440.0g、水分88.2g)になるように調整した(対照1)。なお、グラニュー糖と米澱粉は予め粉体混合した。また、米澱粉は、粳米を原料とする市販の非架橋米澱粉(姫粉)を用いた。各配合例528.2gを容量900mlの銅鍋にて攪拌しながら、重量が478.3g(水分8.0質量%)になるまで煮詰めた。







【0013】
【表1】


*1:水飴、グラニュー糖及び粉糖(13g)の合計量に対する米澱粉の比率
【0014】
このようにして煮詰めた濃縮液478.3gのうち、414.0gを縦型ミキサー容器に量り採り、表2の配合に従って副原料を加えた。あらかじめ所定の水を加えて加熱溶解したゼラチンを加えて、縦型ミキサー(HOBART社製N50型)で約4分間高速攪拌(撹拌速度3)した後、ショートニングとシュガーエステルを加えてショートニングが十分に馴染むまで約1分間低速攪拌(撹拌速度1)した。さらにクエン酸溶液を加えて約30秒間低速攪拌した後、粉糖とピーチフレーバー、色素を加えて約1分間低速攪拌した。これをミキサーから取り出し、30分間室温にて冷却した後、重量3kgの鉄板を載せて12時間静置し、厚み15mmの板状の成型物を得た。これを縦25mm、横15mmに包丁でカットし、最終的に糖質、油脂およびゼラチンを含み、気泡を含有し、米澱粉を含まない対照1と、米澱粉を糖質原料に対して0.05〜0.41の比率で含む配合1〜6を得た。米澱粉を糖質原料に対して0.51の比率で含む配合7は、煮詰め中の糖液の粘度が著しく高いため、水分8.0質量%まで煮詰めることが出来ず、ソフトキャンディが製造出来なかった。
【0015】
【表2】


*2:新田ゼラチン(株)製 AP−250
*3:雪印乳業(株)製 ショートニング
*4:三菱化成(株)製 シュガーエステルS−770
【0016】
これらのソフトキャンディの製造適性及び食感を、以下の基準により評価した。
製造適性の評価基準:
○;水分8.0質量%まで煮詰めたものの粘度が対照品と同程度かわずかに高く、対照品と同じ程度にソフトキャンディを製造できる。
△;水分8.0質量%まで煮詰めたものの粘度が対照品よりも高いが、ソフトキャンディを製造できる。
×;水分8.0質量%まで煮詰めたものの粘度が対照品よりもかなり高く、その後の縦型ミキサーでの副原料との混合攪拌が困難となり、ソフトキャンディを製造できない。
なお、対照品と同程度の粘度とは、手動で撹拌したときに容易に撹拌できる程度の粘度であり、対照品よりも高い粘度とは、同様に撹拌したときに容易ではないが撹拌可能な程度の粘度であり、対照品よりもかなり高い粘度とは、同様に撹拌したときに撹拌が困難な程度の粘度である。
【0017】
食感の評価基準:
10名のパネラーが製造後1日目のソフトキャンディを試食し、歯切れ及び歯離れ食感の良さの順位付けを行った。対照品を0とし、各パネラーが食感の良さの順に加点して順位付けをし、それらを平均して順位を決定した(すなわち、数値の大きいほうが順位が高いことを示す)。ここで歯切れとは、咀嚼したときの対象物が破断し易い程度のことであり、歯離れとは、咀嚼したときの対象物が歯に付着しにくい程度のことである。
上記基準によって評価した結果、糖質原料に対する米澱粉の比率を高めることにより、歯切れ及び歯離れの良い食感は増強された。
一方、製造適性は、煮詰め前の水分含量を通常よりも低く設定したために、配合7を除いて維持された(表3)。
【0018】
【表3】


【0019】
実施例2
原料配合及び製造は実施例1と同じで、煮詰め前の水分が30.0質量%である点においてのみ実施例1(水分16.7質量%)と異なり、最終的に非架橋米澱粉の固形分比率が、糖質原料に対してそれぞれ0.05〜0.51の範囲にある配合8〜14及び対照2を調製した。実施例1と同じ製造工程を経て対照2及び配合8のソフトキャンディを得た。製造適性及び食感は実施例1と同様に評価した。また、配合9〜14は煮詰め中の糖液粘度が高すぎて水分8.0質量%まで濃縮することができず、ソフトキャンディを製造することができなかった(表4)。これは煮詰め前の水分含量を通常の30%に設定したために、米澱粉の膨潤が顕著となったためと考えられる。










【0020】
【表4】


【0021】
実施例3
水150部に硫酸ナトリウム25部、米澱粉100部を加えたスラリーに、攪拌下3質量%苛性ソーダ水溶液を加えてpH11.0〜11.5に攪拌しながら、トリメタリン酸ソーダ5部を加え、40℃で18時間反応した後、硫酸で中和し、水洗、脱水、乾燥し、リン酸架橋米澱粉を得た。
【0022】
実施例4
米澱粉として実施例3で得たリン酸架橋米澱粉を用いた以外は、原料の配合及び製法は実施例2に従い、最終的にリン酸架橋米澱粉の固形分比率が、糖質原料に対してそれぞれ0.05〜0.51の範囲にある配合15〜21を調製した。その結果、リン酸架橋米澱粉を糖質原料に対して0.51の比率で含む配合21は、煮詰め中の糖液の粘度が著しく高いため、水分8.0質量%までの煮詰めが出来ず、ソフトキャンディが製造出来なかった。実施例1と同様の評価基準で製造適性及び食感を評価した結果、リン酸架橋米澱粉の添加比率の増加に対応して所望の食感が増強された。一方、製造適性に関しては配合21を除けばいずれの配合も製造可能であった。これはリン酸架橋米澱粉が通常の水分含量においても膨潤が顕著に抑制されるためであると考えられる(表5)。
【0023】
【表5】






 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013