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発明の名称 酸化チタン分散液及び高屈折率膜並びに高屈折率膜の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−84374(P2007−84374A)
公開日 平成19年4月5日(2007.4.5)
出願番号 特願2005−273742(P2005−273742)
出願日 平成17年9月21日(2005.9.21)
代理人 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
発明者 栗野 恭行 / 高橋 賢次 / 小松 謙司
要約 課題
酸化チタンの光触媒活性を十分に抑制することが可能な酸化チタン分散液、この酸化チタン分散液を用いることで酸化チタンの光触媒活性に起因する樹脂等の材料の劣化や光透過率の低下の虞がなく、したがって、長期使用時においても光透過率の低下の虞がない高屈折率膜、並びに高屈折率膜の製造方法を提供する。

解決手段
本発明の酸化チタン分散液は、アルミナ、シリカ、ジルコニア等の酸化物にて表面処理されたルチル型の酸化チタン微粒子と、アルミニウムイソプロポキシド等の有機金属化合物とを含有してなることを特徴とする。
特許請求の範囲
【請求項1】
酸化物にて表面処理されたルチル型の酸化チタン微粒子と、有機金属化合物とを含有してなることを特徴とする酸化チタン分散液。
【請求項2】
前記酸化物は、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、酸化アンチモン、酸化スズ、酸化亜鉛の群から選択された1種または2種以上であることを特徴とする請求項1記載の酸化チタン分散液。
【請求項3】
前記有機金属化合物は、金属キレート化合物、環状金属オリゴマー、金属アルコキシドの群から選択された1種または2種以上であることを特徴とする請求項1または2記載の酸化チタン分散液。
【請求項4】
前記有機金属化合物は、アルミニウム、ジルコニウム、アンチモン、スズ、亜鉛、チタンの群から選択された1種または2種以上を含むことを特徴とする請求項1、2または3記載の酸化チタン分散液。
【請求項5】
前記有機金属化合物の含有量は、前記酸化チタン微粒子100重量部に対して1重量部以上かつ10重量部以下であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項記載の酸化チタン分散液。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項記載の酸化チタン分散液を含む樹脂組成物により形成されてなることを特徴とする高屈折率膜。
【請求項7】
基材上に、請求項1ないし5のいずれか1項記載の酸化チタン分散液を含む樹脂組成物を塗布し、得られた塗膜を乾燥または硬化させることを特徴とする高屈折率膜の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化チタン分散液及び高屈折率膜並びに高屈折率膜の製造方法に関し、更に詳しくは、ルチル型の酸化チタン微粒子の光触媒活性を抑制した酸化チタン分散液、及び、この酸化チタン分散液を用いて得られる高屈折率膜、並びに、この高屈折率膜の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、酸化チタンは、化学的に安定で紫外線等を吸収するという特性を有することから、顔料、化学繊維、塗料、インキ、医薬品、化粧品等に広く用いられている。
酸化チタンには、ルチル型とアナターゼ型の2種類があり、ルチル型はアナターゼ型と比べて光触媒活性を有しないといわれているが、実際には光触媒活性を有している。そこで、ルチル型の酸化チタン粒子の表面を金属化合物からなる被覆層で覆うことで、光触媒活性を抑制する方法が取られてきた(例えば、非特許文献1参照)。
この被覆層は、酸化チタンを、例えば、アルミニウム、ケイ素、ジルコニウム、アンチモン、スズ、亜鉛等の塩を含む水溶液に投入し、この水溶液に酸またはアルカリを添加して上記の塩を中和するとともに、発生する酸化物あるいは水和物により酸化チタンを被覆する表面処理により形成することができる。
【0003】
また、酸化チタンは、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(EL)等のフラットパネルディスプレイ(FPD)の表示面の反射防止膜にも用いられている。
この反射防止膜は、低屈折率層と高屈折率層を積層した膜であり、この高屈折率層には、屈折率の関係からルチル型の酸化チタンを樹脂中に分散させた複合材が用いられている。
【非特許文献1】清野学、「酸化チタン−物性と応用技術」、技報堂出版株式会社、1991年6月、p.29−33
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の酸化チタンでは、表面を酸化物により完全に覆うことが難しく、したがって、被覆層の不完全な部分に光触媒活性が残ることとなり、その結果、光触媒活性を小さくすることはできるが完全に抑制することはできないという問題点があった。
そこで、被覆層を緻密な層にするために、様々な無機物処理あるいは有機物処理が提案されているが、いまだに光触媒活性を完全に抑制することができていない。
また、従来の反射防止膜では、太陽光や蛍光灯から放出される紫外線が酸化チタンに吸収された場合、酸化チタンの光触媒活性により樹脂が黄変し、劣化する等の問題点があった。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、酸化チタンの光触媒活性を十分に抑制することが可能な酸化チタン分散液、この酸化チタン分散液を用いることで酸化チタンの光触媒活性に起因する樹脂等の材料の劣化や光透過率の低下の虞がなく、したがって、長期使用時においても光透過率の低下の虞がない高屈折率膜、並びに高屈折率膜の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等は、ルチル型の酸化チタンの光触媒活性を十分に抑制することを目的として鋭意検討を重ねた結果、酸化チタン分散液中にて、酸化アルミニウムや酸化ケイ素等の酸化物にて表面処理されたルチル型の酸化チタン微粒子と、金属アルコキシド等の有機金属化合物とを共存させることにより、酸化チタン微粒子に表面処理を施す際に、この酸化チタン微粒子の表面処理の不完全な部分を有機金属化合物により覆うことで、酸化チタン微粒子の光触媒活性が十分に抑制されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明の酸化チタン分散液は、酸化物にて表面処理されたルチル型の酸化チタン微粒子と、有機金属化合物とを含有してなることを特徴とする。
【0008】
前記酸化物は、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、酸化アンチモン、酸化スズ、酸化亜鉛の群から選択された1種または2種以上であることが好ましい。
前記有機金属化合物は、金属キレート化合物、環状金属オリゴマー、金属アルコキシドの群から選択された1種または2種以上であることが好ましい。
前記有機金属化合物は、アルミニウム、ジルコニウム、アンチモン、スズ、亜鉛、チタンの群から選択された1種または2種以上を含むことが好ましい。
前記有機金属化合物の含有量は、前記酸化チタン微粒子100重量部に対して1重量部以上かつ10重量部以下であることが好ましい。
【0009】
本発明の高屈折率膜は、本発明の酸化チタン分散液を含む樹脂組成物により形成されてなることを特徴とする。
【0010】
本発明の高屈折率膜の製造方法は、基材上に、本発明の酸化チタン分散液を含む樹脂組成物を塗布し、得られた塗膜を乾燥または硬化させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の酸化チタン分散液によれば、酸化物にて表面処理されたルチル型の酸化チタン微粒子と、有機金属化合物とを含有したので、酸化チタン微粒子と有機金属化合物との共存下にて酸化チタン微粒子に表面処理を施す際に、この酸化チタン微粒子の表面処理の不完全な部分を有機金属化合物により覆うことができ、酸化チタン微粒子の光触媒活性を十分に抑制することができる。
【0012】
本発明の高屈折率膜によれば、本発明の酸化チタン分散液を含む樹脂組成物により形成したので、酸化チタン微粒子の表面処理の不完全な部分を有機金属化合物により覆うことで、酸化チタン微粒子の光触媒活性を十分に抑制することができる。
したがって、この高屈折率膜に、太陽光や蛍光灯から放出される紫外線が照射された場合においても、この高屈折率膜の酸化チタン微粒子の光触媒活性に起因する変色や劣化を防止することができる。
【0013】
本発明の高屈折率膜の製造方法によれば、基材上に、本発明の酸化チタン分散液を含む樹脂組成物を塗布し、得られた塗膜を乾燥または硬化させるので、この酸化チタン分散液を含む樹脂を塗布して得られた塗膜は、酸化物にて表面処理されたルチル型の酸化チタン微粒子と有機金属化合物とが共存し、その後の乾燥または硬化により、酸化チタン微粒子の表面処理の不完全な部分を金属酸化物で覆うことができ、酸化チタン微粒子の光触媒活性を十分に抑制することができる。
したがって、酸化チタンの光触媒活性が十分に抑制された高屈折率膜を容易かつ安価に作製することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の酸化チタン分散液及び高屈折率膜並びに高屈折率膜の製造方法を実施するための最良の形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
【0015】
「酸化チタン分散液」
本発明の酸化チタン分散液は、酸化物にて表面処理されたルチル型の酸化チタン微粒子と、有機金属化合物とを含有してなる分散液である。
この酸化物としては、ルチル型の酸化チタンの表面を覆うことができるものであれば特に制限はないが、例えば、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、酸化アンチモン、酸化スズ、酸化亜鉛等が挙げられ、中でも酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素のいずれかが好ましい。
【0016】
このルチル型の酸化チタン微粒子の分散粒径、すなわちUPAマイクロトラック粒度分布計により測定した90%累積粒度分布における粒径は、90nm以下が好ましく、より好ましくは60nm以下である。ここで、分散粒径を90nm以下と限定した理由は、分散粒径が90nmを超えると、塗膜透明性を損なうからである。
【0017】
有機金属化合物としては、金属キレート化合物、環状金属オリゴマー、金属アルコキシドの群から選択された1種または2種以上が好ましい。
この有機金属化合物は、アルミニウム、ジルコニウム、アンチモン、スズ、亜鉛、チタンの群から選択された1種または2種以上を含むことが好ましい。
この様な金属キレート化合物としては、例えば、アルキルアセトアルミニウムジイソプロピレート、オキシ酢酸ジルコニウム(ZrO(OCOCH)等が挙げられる。
【0018】
また、環状金属オリゴマーとしては、例えば、環状アルミニウムオキサイドオクチレート等が挙げられる。
また、金属アルコキシドとしては、例えば、アルミニウムイソプロポキシド(Al(i−OCH(CH、チタンイソプロポキシド(Ti(i−OCH(CH、テトラメトキシシラン(Si(OCH)、ジルコニウム(IV)tert−ブトキシド(Zr(OC(CH)等が挙げられる。
【0019】
分散媒は、基本的には、水および/または有機溶媒である。
上記の有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、オクタノール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン等のエステル類、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類が好適に用いられ、これらの溶媒のうち1種または2種以上を用いることができる。
【0020】
この酸化チタン分散液は、上記以外に、その特性を損なわない範囲において、他の酸化物微粒子、分散剤、分散助剤、カップリング剤、レベリング剤、消泡剤、樹脂モノマー等を含有していてもよい。
酸化チタン微粒子以外の酸化物微粒子としては、光触媒活性を有するものとして、酸化亜鉛等が挙げられる。
【0021】
また、有機金属化合物の含有量は、酸化チタン微粒子100重量部に対して1重量部以上かつ20重量部以下であることが好ましく、より好ましくは2重量部以上かつ15重量部以下、さらに好ましくは3重量部以上かつ10重量部以下である。
ここで、有機金属化合物の含有量を酸化チタン微粒子100重量部に対して1重量部以上かつ20重量部以下と限定した理由は、含有量が1重量部未満であると、光活性抑制効果が劣り、かつ分散安定性も低下するからであり、また、含有量が20重量部を超えると、分散安定性が低下し、塗膜性状も悪くなるからである。
【0022】
「高屈折率膜」
本発明の高屈折率膜は、本発明の酸化チタン分散液を含む樹脂組成物、例えば、本発明の酸化チタン分散液と樹脂とを混合してなる樹脂組成物により形成されたもので、樹脂としては、可視光線あるいは近赤外線等の所定の波長帯域の光に対して透明性を有する樹脂であればよく、熱可塑性、熱硬化性、可視光線や紫外線や赤外線等による光(電磁波)硬化性、電子線照射による電子線硬化性等の硬化性樹脂が好適に用いられる。
【0023】
この樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリシクロヘキシルメタクリレート、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ポリエーテル、ポリエステル、ポリアリレート、ポリアクリル酸エステル、ポリアミド、フェノール−ホルムアルデヒド(フェノール樹脂)、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)、メチルメタクレート・スチレン共重合体(MS樹脂)、ポリ−4−メチルペンテン、ノルボルネン系ポリマー、ポリウレタン、エポキシ、シリコーン等が挙げられる。
この樹脂に対しては、その特性を損なわない範囲において、酸化防止剤、離型剤、カップリング剤、無機充填剤等を添加してもよい。
【0024】
「高屈折率膜の製造方法」
本発明の高屈折率膜は、次に挙げる方法により作製することができる。
まず、上述した本発明の酸化チタン分散液と、樹脂のモノマーやオリゴマーを、ミキサー等を用いて混合し、次いで、押出機、加熱ロール、加熱ニーダ等の混練機を用いて加圧混練し、酸化チタン含有樹脂組成物を作製する。
【0025】
次いで、この酸化チタン含有樹脂組成物を基材上に塗布し、得られた塗膜を乾燥または硬化させる。
基材としては、特に限定されず、ガラス基板、プラスチック基板(有機高分子化合物基板)を挙げることができ、その形状としては、平板、フィルム、シート等であってもよい。プラスチック基板としては、透明プラスチックシートや透明プラスチックフィルム等が好ましい。
【0026】
プラスチック基板の材質としては、特に限定されるものではないが、例えば、セルロースアセテート、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテル、ポリイミド、エポキシ、フェノキシ、ポリカーボネート(PC)、ポリフッ化ビニリデン、アクリル、ポリエチレン(PE)、ナイロン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリテトラフルオルエチレン(PTFE)、ポリフルオルアセチレン(PFA)等から適宜選択することができる。
また、このプラスチック基板の厚みも特段限定されるものではなく、フィルムであれば通常50〜250μm、シートであれば10mm程度のものまでが使用可能である。
【0027】
これらの基板は単独で用いてもよく、複数の基板を貼り合わせて一体化した積層構造の基板として用いてもよい。この基板は、導電性塗料を塗布する前に、純水や有機溶剤等の洗浄液を用いて洗浄することが好ましく、この洗浄の際に洗浄液に超音波を印加すれば、洗浄力が大幅に向上するので好ましい。
【0028】
塗布方法としては、例えば、スピンコート法、スプレーコート法、インクジェット法、ディップ法、ロールコート法、スクリーン印刷法等、通常の方法が用いられる。これらの塗布方法により上記の酸化チタン含有樹脂組成物を基材上に塗布する。
基材上に塗布された酸化チタン含有樹脂組成物は、水および/または有機溶媒を含んでいるので、この樹脂組成物を塗布した基材を室温、大気中にて乾燥するか、あるいは所定の温度、例えば、50℃〜80℃の温度にて乾燥することにより、樹脂組成物に含まれる水および/または有機溶媒を散逸させ、塗膜とする。
なお、この樹脂組成物に含まれる樹脂が上述した硬化性樹脂の場合では、塗膜の硬化に当たっては、硬化条件は特に限定されず、個々の硬化性樹脂の推奨硬化条件により決定される。
【実施例】
【0029】
以下、実施例1〜6及び比較例1、2により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
「実施例1」
アルミナで表面処理された平均粒子径が25nmのルチル型酸化チタン40重量部、アルミニウムイソプロポキシド5重量部、有機酸系界面活性剤1重量部、トルエン54重量部を混合し、UPAマイクロトラック粒度分布計により測定した90%累積粒度分布における粒径が90nm以下となるようにミルにて分散させ、表面処理酸化チタン分散液を作製した。
【0030】
次いで、この表面処理酸化チタン分散液をアクリルエマルジョン樹脂に、この樹脂の固形分100重量部に対して酸化チタンが70重量部となるよう混合し、酸化チタン含有樹脂組成物を作製した。
次いで、この酸化チタン含有樹脂組成物をロールコーターを用いて硬化後の厚みが1μm程度となるようPETフィルム上に塗布し、その後、塗膜を乾燥器を用いて、大気中、130℃にて30分間加熱して硬化させ、実施例1の膜を作製した。
【0031】
「実施例2」
アルミナで表面処理された平均粒子径が25nmのルチル型酸化チタン40重量部、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート5重量部、有機酸系界面活性剤1重量部、トルエン54重量部を混合し、UPAマイクロトラック粒度分布計により測定した90%累積粒度分布における粒径が90nm以下となるようにミルにて分散させ、表面処理酸化チタン分散液を作製した。
この表面処理酸化チタン分散液を実施例1と同様にアクリルエマルジョン樹脂と混合し、酸化チタン含有樹脂組成物を作製した。
次いで、この酸化チタン含有樹脂組成物を用いて実施例1と同様にして実施例2の膜を作製した。
【0032】
「実施例3」
アルミナで表面処理された平均粒子径が25nmのルチル型酸化チタン40重量部、環状アルミニウムオキサイドオクチレート3重量部、有機酸系界面活性剤1重量部、トルエン56重量部を混合し、UPAマイクロトラック粒度分布計により測定した90%累積粒度分布における粒径が90nm以下となるようにミルにて分散させ、表面処理酸化チタン分散液を作製した。
この表面処理酸化チタン分散液を実施例1と同様にアクリルエマルジョン樹脂と混合し、酸化チタン含有樹脂組成物を作製した。
次いで、この酸化チタン含有樹脂組成物を用いて実施例1と同様にして実施例3の膜を作製した。
【0033】
「実施例4」
シリカで表面処理された平均粒子径が25nmのルチル型酸化チタン40重量部、アルミニウムイソプロポキシド5重量部、有機酸系界面活性剤1重量部、トルエン54重量部を混合し、UPAマイクロトラック粒度分布計により測定した90%累積粒度分布における粒径が90nm以下となるようにミルにて分散させ、表面処理酸化チタン分散液を作製した。
この表面処理酸化チタン分散液を実施例1と同様にアクリルエマルジョン樹脂と混合し、酸化チタン含有樹脂組成物を作製した。
次いで、この酸化チタン含有樹脂組成物を用いて実施例1と同様にして実施例4の膜を作製した。
【0034】
「実施例5」
シリカ及びアルミナで表面処理された平均粒子径が25nmのルチル型酸化チタン40重量部、アルミニウムイソプロポキシド5重量部、有機酸系界面活性剤1重量部、トルエン54重量部を混合し、UPAマイクロトラック粒度分布計により測定した90%累積粒度分布における粒径が90nm以下となるようにミルにて分散させ、表面処理酸化チタン分散液を作製した。
この表面処理酸化チタン分散液を実施例1と同様にアクリルエマルジョン樹脂と混合し、酸化チタン含有樹脂組成物を作製した。
次いで、この酸化チタン含有樹脂組成物を用いて実施例1と同様にして実施例5の膜を作製した。
【0035】
「実施例6」
シリカ及びジルコニアで表面処理された平均粒子径が25nmのルチル型酸化チタン40重量部、アルミニウムイソプロポキシド5重量部、有機酸系界面活性剤1重量部、トルエン54重量部を混合し、UPAマイクロトラック粒度分布計により測定した90%累積粒度分布における粒径が90nm以下となるようにミルにて分散させ、表面処理酸化チタン分散液を作製した。
この表面処理酸化チタン分散液を実施例1と同様にアクリルエマルジョン樹脂と混合し、酸化チタン含有樹脂組成物を作製した。
次いで、この酸化チタン含有樹脂組成物を用いて実施例1と同様にして実施例6の膜を作製した。
【0036】
「比較例1」
表面処理されていない平均粒子径が25nmのルチル型酸化チタン40重量部、有機酸系界面活性剤5重量部、トルエン55重量部を混合し、UPAマイクロトラック粒度分布計により測定した90%累積粒度分布における粒径が90nm以下となるようにミルにて分散させ、酸化チタン分散液を作製した。
この酸化チタン分散液を実施例1と同様にアクリルエマルジョン樹脂と混合し、酸化チタン含有樹脂組成物を作製した。
次いで、この酸化チタン含有樹脂組成物を用いて実施例1と同様にして比較例1の膜を作製した。
【0037】
「比較例2」
アルミナで表面処理された平均粒子径が25nmのルチル型酸化チタン40重量部、有機酸系界面活性剤5重量部、トルエン55重量部を混合し、UPAマイクロトラック粒度分布計により測定した90%累積粒度分布における粒径が90nm以下となるようにミルにて分散させ、表面処理酸化チタン分散液を作製した。
この表面処理酸化チタン分散液を実施例1と同様にアクリルエマルジョン樹脂と混合し、酸化チタン含有樹脂組成物を作製した。
次いで、この酸化チタン含有樹脂組成物を用いて実施例1と同様にして比較例2の膜を作製した。
【0038】
「膜の評価」
実施例1〜6及び比較例1、2それぞれの膜について、ヘーズ、全光線透過率、分光透過率、屈折率及び外観の5点について、初期の特性とサンシャインウエザオメーターを用いてキセノン(Xe)光を240時間照射した後の特性との比較を行った。
測定方法または装置は、下記の通りである。
(1)ヘーズ
ヘーズメーター NDH2000(日本電色社製)を用いて測定した。
(2)全光線透過率
ヘーズメーター NDH2000(日本電色社製)を用いて測定した。
【0039】
(3)分光透過率
分光光度計 V−570(日本分光社製)を用いて365nmの波長における透過率を測定した。
(4)屈折率
分光光度計 V−570(日本分光社製)を用いて測定した。
(5)外観
膜の表面の黄変の有無を目視にて観察し、黄変が全く認められなかったものを「○」、黄変が僅かに認められたものを「△」、黄変が認められたものを「×」とした。
以上の評価結果を表1に示す。
【0040】
【表1】


【0041】
これらの評価結果によれば、実施例1〜6では、ヘーズ、全光線透過率、分光透過率、屈折率及び外観ともに良好であることが分かった。
一方、比較例1、2では、初期特性こそ実施例1〜6と遜色ないものの、240時間照射後では、ヘーズが約2倍程度悪化し、外観も黄変が認められ、全光線透過率も僅かに低下しており、実施例1〜6と比べて劣っていることが明らかになった。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明の酸化チタン分散液は、酸化物にて表面処理されたルチル型の酸化チタン微粒子と、有機金属化合物とを含有したことにより、酸化チタン微粒子の光触媒活性を十分に抑制することができるものであるから、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(EL)等のフラットパネルディスプレイ(FPD)の表示面の反射防止膜等はもちろんのこと、これ以外の様々な工業分野においても、その効果は大である。




 

 


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