Warning: fopen(data/log202007071608.log): failed to open stream: No space left on device in /home/jp321/public_html/header.php on line 106

Warning: flock() expects parameter 1 to be resource, boolean given in /home/jp321/public_html/header.php on line 107

Warning: fclose() expects parameter 1 to be resource, boolean given in /home/jp321/public_html/header.php on line 112
酸化アルミニウム含有希土類元素添加酸化セリウム粉体 - 住友大阪セメント株式会社
米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 農業 -> 住友大阪セメント株式会社

発明の名称 酸化アルミニウム含有希土類元素添加酸化セリウム粉体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−22835(P2007−22835A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−205507(P2005−205507)
出願日 平成17年7月14日(2005.7.14)
代理人 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
発明者 石塚 雅之
要約 課題
低い焼成温度にて高焼結密度の焼結体を得ることが可能な、易焼結性かつ等方形状の酸化アルミニウム含有希土類元素添加酸化セリウム粉体を提供する。

解決手段
本発明の酸化アルミニウム含有希土類元素添加酸化セリウム粉体は、酸化アルミニウムと、希土類元素が添加された酸化セリウムとを含有してなる酸化アルミニウム含有希土類元素添加酸化セリウム粉体であって、前記酸化アルミニウムの含有量は、この酸化アルミニウムと前記希土類元素が添加された酸化セリウムとの合計量の0.01重量%以上、好ましくは0.01重量%以上かつ10重量%以下であることを特徴とする。
特許請求の範囲
【請求項1】
酸化アルミニウムと、希土類元素が添加された酸化セリウムとを含有してなる酸化アルミニウム含有希土類元素添加酸化セリウム粉体であって、
前記酸化アルミニウムの含有量は、この酸化アルミニウムと前記希土類元素が添加された酸化セリウムとの合計量の0.01重量%以上であることを特徴とする酸化アルミニウム含有希土類元素添加酸化セリウム粉体。
【請求項2】
前記酸化アルミニウムの含有量は、前記合計量の0.01重量%以上かつ10重量%以下であることを特徴とする請求項1記載の酸化アルミニウム含有希土類元素添加酸化セリウム粉体。
【請求項3】
前記粉体のBET法による比表面積は、1m/g以上かつ10m/g以下であることを特徴とする請求項1または2記載の酸化アルミニウム含有希土類元素添加酸化セリウム粉体。
【請求項4】
前記希土類元素は、ランタン(La)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、イットリウム(Y)、スカンジウム(Sc)の群から選択された1種または2種以上であることを特徴とする請求項1、2または3記載の酸化アルミニウム含有希土類元素添加酸化セリウム粉体。
【請求項5】
前記希土類元素の添加割合は、この希土類元素のモル数と前記酸化セリウムのモル数との合計モル数の0.1モル%以上かつ50モル%以下であることを特徴とする1ないし4のいずれか1項記載の酸化アルミニウム含有希土類元素添加酸化セリウム粉体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化アルミニウム含有希土類元素添加酸化セリウム粉体に関し、特に、ガスセンサ、固体電解質型燃料電池等に好適に用いられ、低い焼成温度にて高焼結密度の焼結体を得ることが可能な酸化アルミニウム含有希土類元素添加酸化セリウム粉体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、希土類元素添加酸化セリウム粉体の製造方法としては、例えば、次の2つの方法が知られている。
(1)セリウム塩と、セリウムを除く希土類元素の塩である希土類金属塩とを含む混合溶液に、シュウ酸を添加して、セリウムのシュウ酸塩と希土類元素のシュウ酸塩との共沈物を生成させ、この共沈物を熱処理する方法。
(2)セリウム塩と、セリウムを除く希土類元素の塩である希土類金属塩とを含む混合溶液に、アンモニアを添加して、セリウムの水酸化物と希土類元素の水酸化物との共沈物を生成させ、この共沈物を熱処理する方法。
【0003】
ところで、上記の(1)の方法では、生成するシュウ酸塩の沈殿物、すなわち共沈物は、サブミクロンオーダーの大きな凝集体となるために、この共沈物を熱処理した場合、熱処理時におけるシュウ酸塩の熱分解により酸化物化して得られた希土類元素添加酸化セリウム粉体の粒径もサブミクロンオーダーまたはそれ以上となる。したがって、この粉体を成形して得られた成形体は、粉体の充填性が悪いために成形密度が低く、この成形体を焼成した場合、得られた焼結体の密度は理論密度より低くなるために、緻密な焼結体は得られない。
ここで、緻密な焼結体を得るためには、焼成温度(最高保持温度)を例えば1500℃以上の高温とする必要があるが、焼成温度が高い場合、異常粒成長等により焼結密度が低下する虞があり、また、このような高い焼成温度を得るためには、焼成炉の構造を大幅に改良する必要が生じ、しかも高温の焼成炉は非常に高価なものとなるために、製造コストが高くなり、経済的ではない。
【0004】
一方、上記の(2)の方法では、共沈物中のアンモニア成分が、水酸化物や炭酸塩である沈殿物質の表面に強く吸着するために、この共沈物を熱処理により熱分解、酸化物化する際にアンモニア成分が残存することとなる。したがって、生成した希土類元素添加酸化セリウム粉体は、残存するアンモニア成分の作用により棒状〜柱状の異方形状に強く凝集することとなる。したがって、この異方形状の粉体を用いて成形された成形体は、粉体の充填性が悪いために成形密度が低く、この成形体を焼成した場合、得られた焼結体の密度は理論密度より低くなり、緻密な焼結体は得られない。ここで、緻密な焼結体を得るためには、焼成温度(最高保持温度)を例えば1600℃以上の高温とする必要があるが、上記の(1)の方法と同様、焼結密度が低下する虞があり、製造コストも上昇する。
【0005】
また、ランタン(La)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)のように、イオン半径がセリウム(Ce)のイオン半径と近似またはセリウム(Ce)のイオン半径より大きな希土類元素の場合、上記の(1)、(2)のいずれの方法によっても、生成する共沈物は異方形状を有する。したがって、この異方形状の共沈物の熱分解、酸化物化により生成する希土類元素添加酸化セリウム粉体も棒状〜柱状の異方形状粒子となる。そのため、この異方形状の希土類元素添加酸化セリウム粉体は、成形性が著しく劣化することとなり、この成形体を1500℃以上、あるいは1600℃以上の高温下で焼成しても緻密な焼結体が得られず、この傾向は、イオン半径がより大きい希土類元素ほど顕著であった。
【0006】
そこで、最近、セリウム炭酸塩を熟成させることで焼結性に優れた等方形状の希土類元素添加酸化セリウム粉体を製造する方法が提案されている(特許文献1参照)。
この方法は、2価または3価の希土類元素の硝酸塩とセリウムの硝酸塩とを、特定比率となるように混合し、この混合溶液に沈殿剤として炭酸水素アンモニウムを混合してセリウム炭酸塩を沈殿させ、このセリウム炭酸塩を大気中、50℃以上かつ70℃以下の温度にて熟成させ、その後、洗浄、特定の温度範囲での仮焼を施すことにより、焼結性に優れた希土類元素添加酸化セリウム系化合物粉末を製造する方法である。
この希土類元素添加酸化セリウム系化合物粉末は、焼結性に優れているので、低温度で焼結させることができる。
【特許文献1】特開2004−107186号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このセリウム炭酸塩を熟成させる製造方法においても、ランタン(La)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)のように、イオン半径がセリウム(Ce)のイオン半径と近似またはセリウム(Ce)のイオン半径より大きな希土類元素を20モル%以上含む希土類元素添加酸化セリウム系化合物粉末は、棒状〜柱状の異方形状の粒子となる。したがって、この粉末を用いて成形された成形体は、粉体の充填性が悪いために成形密度が低く、この成形体を焼成した場合、緻密な焼結体が得られず、焼結性の改善が不十分なものであるという問題点があった。
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、低い焼成温度にて高焼結密度の焼結体を得ることが可能な、易焼結性かつ等方形状の酸化アルミニウム含有希土類元素添加酸化セリウム粉体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、希土類元素添加酸化セリウム粉体の焼結性について鋭意検討した結果、希土類元素添加酸化セリウムに酸化アルミニウムを添加すれば、緻密な焼結体が容易に得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明の酸化アルミニウム含有希土類元素添加酸化セリウム粉体は、酸化アルミニウムと、希土類元素が添加された酸化セリウムとを含有してなる酸化アルミニウム含有希土類元素添加酸化セリウム粉体であって、前記酸化アルミニウムの含有量は、この酸化アルミニウムと前記希土類元素が添加された酸化セリウムとの合計量の0.01重量%以上であることを特徴とする。
【0011】
前記酸化アルミニウムの含有量は、前記合計量の0.01重量%以上かつ10重量%以下であることが好ましい。
前記粉体のBET法による比表面積は、1m/g以上かつ10m/g以下であることが好ましい。
【0012】
前記希土類元素は、ランタン(La)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、イットリウム(Y)、スカンジウム(Sc)の群から選択された1種または2種以上であることが好ましい。
前記希土類元素の添加割合は、この希土類元素のモル数と前記酸化セリウムのモル数との合計モル数の0.1モル%以上かつ50モル%以下であることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の酸化アルミニウム含有希土類元素添加酸化セリウム粉体によれば、酸化アルミニウムの含有量を、この酸化アルミニウムと前記希土類元素が添加された酸化セリウムとの合計量の0.01重量%以上としたので、焼結性に優れたものとなり、この成形体を焼成すれば、高焼結密度の焼結体を容易に得ることができる。
【0014】
特に、ガスセンサや燃料電池部材としてイオン導電性を利用する場合、希土類元素としてランタン(La)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、イットリウム(Y)、スカンジウム(Sc)の群から選択された1種または2種以上を添加することにより、成型時の充填密度を高くすることができ、高焼結密度の酸化アルミニウム含有希土類元素添加酸化セリウム焼結体を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の酸化アルミニウム含有希土類元素添加酸化セリウム粉体の最良の形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
【0016】
本実施形態の酸化アルミニウム含有希土類元素添加酸化セリウム粉体は、酸化アルミニウムと、希土類元素が添加された酸化セリウムとを含有してなる酸化アルミニウム含有希土類元素添加酸化セリウム粉体であり、この酸化アルミニウムの含有量を、この酸化アルミニウムと前記希土類元素が添加された酸化セリウムとの合計量の0.01重量%以上とした粉体である。
【0017】
ここで、「酸化アルミニウムと、希土類元素が添加された酸化セリウムとを含有してなる酸化アルミニウム含有希土類元素添加酸化セリウム粉体」とは、酸化アルミニウム(Al)粉体と希土類元素が添加された酸化セリウム粉体との混合物の他、酸化アルミニウムと希土類元素が添加された酸化セリウムとが既に反応し、例えば、希土類元素添加酸化アルミニウムセリウム等のような複合酸化物となった複合酸化物粉体をも包含している。したがって、上記の酸化アルミニウムの含有量とは、Alに換算した含有量を意味している。
この酸化アルミニウム含有希土類元素「添加」酸化セリウム粉体の「添加」には、酸化セリウム結晶中に希土類元素がドープされている場合の他、酸化セリウム粉体中に希土類元素を分散させた場合も含む。
【0018】
以下、酸化アルミニウム含有希土類元素添加酸化セリウム粉体が、酸化アルミニウム(Al)粉体と希土類元素が添加された酸化セリウム粉体との混合物である場合を例にとり説明する。
この酸化アルミニウム含有希土類元素添加酸化セリウム粉体に用いられる希土類元素添加酸化セリウム粉体としては、焼結体の原料として使用可能な高純度の粉体であればよく、製造方法により限定されない。この希土類元素添加酸化セリウム粉体の製造方法としては、例えば、シュウ酸を加えて沈殿を得る方法、アンモニアや炭酸アンモニウムを沈殿剤として加える方法、尿素やヘキメチレンテトラミンを用いた均一沈殿による方法、金属アルコキシドを用いる方法等が挙げられるが、これ以外の方法であってもかまわない。
【0019】
この希土類元素添加酸化セリウム粉体のBET法による比表面積は、焼結性が向上し、高密度の焼結体が得られ易いことから、1m/g〜10m/g程度が好ましい。
また、添加する希土類元素も特に制限はないが、ガスセンサや燃料電池部材としてイオン導電性を利用する場合には、ランタン(La)、プラセオジウム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、イットリウム(Y)、スカンジウム(Sc)の群から選択された1種または2種以上であることが好ましい。
【0020】
希土類元素の添加量は、この希土類元素のモル数と酸化セリウムのモル数との合計モル数の0.1モル%以上かつ50モル%以下であることが好ましい。
希土類元素の添加量が0.1モル%未満では、希土類元素を添加しても十分なイオン導電性が得られず、ガスセンサや燃料電池部材として機能しないからであり、一方、希土類元素の添加量が50モル%を超えると、通常の熱処理による希土類元素の添加が困難になるからである。
【0021】
ここで、より高密度の希土類元素添加酸化セリウム焼結体を得るためには、次に挙げる製造方法により製造された希土類元素添加酸化セリウム粉体が好ましい。
この希土類元素添加酸化セリウム粉体の製造方法は、3価のセリウムイオンを含む水溶液に過酸化物を添加し、次いで、この水溶液にアルカリ性物質を添加してセリウム水和物を含む分散液とし、次いで、このセリウム水和物を含む分散液を熟成して酸化セリウム微粒子を生成させ、次いで、この酸化セリウム微粒子を含む分散液からイオンを除去して酸化セリウム微粒子を分散させた分散液とし、次いで、この酸化セリウム微粒子を分散させた分散液に、セリウムを除く希土類元素の塩である希土類金属塩を添加し、次いで、この分散液にアルカリ性物質を添加して沈殿物を生成し、次いで、この沈殿物を熱処理する方法である。
【0022】
次に、この希土類元素添加酸化セリウム粉体の製造方法についてさらに詳しく説明する。
上記の3価のセリウムイオンを含む水溶液(以下、単に3価セリウム水溶液と略称する)に用いるセリウム化合物としては、水に対する溶解度の大きいセリウム塩であれば、特にその種類に限定されない。例えば、硝酸塩、塩化物、硫酸塩等の無機系のセリウム酸性化合物、あるいは酢酸セリウム等の有機系のセリウム酸性化合物が挙げられる。
【0023】
この3価セリウム水溶液中の3価のセリウムイオンの濃度は0.1モル/リットル(L)以上が好ましい。この3価のセリウムイオンの濃度が0.1モル/L未満であると、3価のセリウムイオンの濃度が薄すぎてしまうために、反応容器の容積の割には得られる酸化セリウム(CeO)微粒子の量が少なくなってしまうので好ましくない。この3価のセリウムイオンの濃度は、3価のセリウムイオンの飽和濃度まで可能である。
【0024】
次いで、この3価セリウム水溶液に過酸化物を添加する。
この過酸化物の添加量は、3価のセリウムイオン1モルに対して、2モル以上かつ10モル以下が好ましい。過酸化物の添加量が2モル未満であると、3価のセリウムイオンを酸化して完全に4価のセリウムイオンとすることができず、一方、10モルを超えて添加しても、過剰の過酸化物はもはや反応には寄与せず、無駄になるからである。
【0025】
この過酸化物としては、3価のセリウムイオンを酸化して完全に4価のセリウム酸化物とすることができ、かつ、生成物中に不純物として残存しないことが必要であり、例えば、過酸化水素が好ましい。
この過酸化水素を添加する場合、過酸化水素を30〜35wt/wt%含む過酸化水素水を用いることが好ましい。
【0026】
次いで、この3価セリウム水溶液に、pHの値が8以上になるまでアルカリ性物質を添加する。このアルカリ性物質としては、金属イオンを含まないアルカリ性物質が好ましく、例えば、アンモニア水が好ましい。
この3価セリウム水溶液のpHの値を8以上とすることで、添加された過酸化水素が酸化剤として機能し、3価のセリウムイオンを酸化して4価のセリウムイオンにするとともに、この4価のセリウムイオンが溶液中の水酸イオンと水和反応し、セリウム水和物を生成する。このセリウム水和物は溶液中に均一に分散しているので、上記の3価セリウム水溶液はセリウム水和物を含む分散液となる。
【0027】
次いで、このセリウム水和物を含む分散液を熟成する。
熟成とは、セリウム水和物を含む分散液を、大気圧下、80℃以上かつ100℃以下の温度範囲にて50時間以上かつ120時間以下、好ましくは60時間以上かつ100時間以下保持することである。
ここで、熟成の際の温度範囲を、大気圧下、80℃以上かつ100℃以下とした理由は、80℃未満では、効果的な反応速度が得られないからであり、一方、100℃を越えると、このセリウム水和物を含む分散液の溶媒が水であるために、突沸等により分散液の均一な熟成ができない虞があるからである。
この熟成により、セリウム水和物を含む分散液に脱プロトン反応と脱水反応が生じ、その結果、酸化セリウム(CeO)微粒子が生成する。
【0028】
生成した酸化セリウム微粒子(CeO)を洗浄することにより、酸化セリウム(CeO)微粒子に付着する未反応物や不純物であるイオン性物質を十分に除去する。洗浄は、酸化セリウム(CeO)微粒子を含む分散液の濃縮、濃縮された分散液へ純水を添加、という工程を繰り返すことが好ましい。分散液の濃縮は、高分子中空糸膜を用いた限外濾過膜を使用することが好ましい。
この洗浄を、限外濾過膜による濾液の電導度が10μs/cm未満になるまで行うことにより、酸化セリウム微粒子(CeO)から十分にイオン性物質を除去することができる。したがって、高純度の酸化セリウム(CeO)微粒子が分散した分散液を得ることができる。
【0029】
この酸化セリウム(CeO)微粒子が分散した分散液に、セリウムを除く希土類元素の塩である希土類金属塩を添加する。
この希土類金属塩としては、水に対する溶解度の大きい希土類金属塩であれば良く、特にその種類に限定されないが、例えば、硝酸塩、塩化物、硫酸塩等の無機系の希土類酸性化合物、あるいは酢酸塩等の有機系の希土類酸性化合物が挙げられる。
【0030】
添加する希土類元素も特に問わないが、ガスセンサや燃料電池部材としてイオン導電性を利用するには、ランタン(La)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、イットリウム(Y)、スカンジウム(Sc)の群から選択された1種または2種以上が好ましい。
【0031】
この希土類金属塩の添加割合は、0.1モル%以上かつ50モル%以下となるように設定することが好ましい。
ここで、添加割合とは、次の式により算出される割合をいう。
希土類金属塩の添加割合(モル%)
=希土類元素のモル数/(酸化セリウム(CeO)のモル数+希土類元素のモル数)×100
【0032】
この希土類金属塩の添加割合が0.1モル%未満では、希土類元素を添加しても十分なイオン導電性が得られず、ガスセンサや固体電解質型燃料電池等に用いても十分に機能しないからであり、一方、添加割合が50モル%を超えると、通常の熱処理では希土類元素の添加が困難になるからである。
【0033】
この希土類金属塩がランタン(La)塩の場合、ランタン塩の添加割合を、ランタン塩に含まれるランタン(La)のモル数と酸化セリウムのモル数との合計モル数の0.1モル%以上かつ50モル%以下、好ましくは35モル%以上かつ40モル%以下となるように設定することが好ましい。
また、この希土類金属塩がサマリウム(Sm)塩の場合、サマリウム塩の添加割合を、サマリウム塩に含まれるサマリウム(Sm)のモル数と酸化セリウムのモル数との合計モル数の0.1モル%以上かつ50モル%以下、好ましくは15モル%以上かつ30モル%以下となるように設定することが好ましい。
【0034】
この希土類金属塩が添加された分散液に、pHの値が8以上になるまでアルカリ性物質を添加する。このアルカリ性物質としては、金属イオンを含まないアルカリ性物質が好ましく、例えば、アンモニア水が好ましい。
この分散液のpHの値を8以上とすることで、酸化セリウム(CeO)微粒子は凝集物として沈殿し、添加された希土類元素も水酸化物として沈殿する。
【0035】
次いで、得られた沈殿物を、必要に応じて副生物を除去、乾燥した後、400℃以上かつ1200℃以下、好ましくは700℃以上かつ1100℃以下の温度範囲にて熱処理することにより、希土類元素が添加された酸化セリウム粉体を得る。
ここで、熱処理温度が400℃未満では、希土類元素の添加が不充分なものとなるからであり、一方、1200℃を越えると、得られる希土類元素添加酸化セリウム粉体の比表面積が低下し、粒径も増大し、その結果、焼結性が低下するので好ましくない。
熱処理時間は、処理量にもよるが、3時間以上かつ50時間以下が好ましい。
【0036】
このようにして得られた希土類元素添加酸化セリウム粉体は、希土類元素を0.1モル%以上かつ50モル%以下という高濃度で含む等方形状の、BET法による比表面積が1m/g以上かつ10m/g以下程度の粉体であるから、この粉体を加圧成形する際の成形金型における充填密度が高く、焼結性も優れている。
【0037】
特に、添加する希土類元素がランタン(La)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、イットリウム(Y)、スカンジウム(Sc)のようなイオン導電性を利用する希土類元素の場合では、その添加割合を、この希土類元素のモル数と酸化セリウムのモル数との合計モル数の0.1モル%以上かつ50モル%以下、さらに好ましくは、例えば、ランタン(La)塩の場合は35モル%以上かつ40モル%以下、サマリウム(Sm)塩の場合は15モル%以上かつ30モル%以下となるように設定する。これにより、ランタン添加酸化セリウム粉体やサマリウム添加酸化セリウム粉体等の様な、充填密度が高く、焼結性にも優れた希土類元素添加酸化セリウム粉体を得ることができる。
【0038】
このようにして得られた希土類元素添加酸化セリウム粉体と、酸化アルミニウム(アルミナ:Al)粉体とを所定の割合で混合し、酸化アルミニウム含有希土類元素添加酸化セリウム粉体とする。
この酸化アルミニウム含有希土類元素添加酸化セリウム粉体は、酸化アルミニウムを、この酸化アルミニウムと希土類元素添加酸化セリウムとの合計量の0.01重量%以上、好ましくは0.01重量%以上かつ10重量%以下、より好ましくは0.01重量%以上かつ5重量%以下、さらに好ましくは0.01重量%以上かつ2重量%以下含有している。
【0039】
この酸化アルミニウム(Al)は、焼結時に希土類元素添加酸化セリウム粒子の表面に固溶し、この希土類元素添加酸化セリウム粒子を構成する元素の表面拡散を抑制し、焼結に有効な体積拡散を促進する。これにより、低温下での焼成が可能になり、得られた焼結体は緻密化されたものとなる。
【0040】
この酸化アルミニウム(Al)は、純度の高いものが好ましく、酸化ケイ素(シリカ:SiO)についてはできるだけ含まないことが好ましい。
この酸化ケイ素の酸化アルミニウム(Al)粉体中における許容存在量は10重量%以下が好ましく、より好ましくは5重量%以下、さらに好ましくは3重量%以下である。
【0041】
この酸化アルミニウム含有希土類元素添加酸化セリウム粉体中に、酸化アルミニウムとともに多量の酸化ケイ素(SiO)が存在している場合、次のような問題点(1)または(2)が生じることとなる。
(1)焼結性の改善が不十分なものとなるために、焼結密度の高い焼結体が得られない。
(2)焼成過程で高温に加熱されると、酸化セリウムに添加されている希土類元素、酸化アルミニウム(Al)及び酸化ケイ素(SiO)が反応して溶融し、粒子間の粒界層にガラス相を形成することとなる。これにより、酸化セリウム中の希土類元素の添加量が減少することとなり、目的の組成の焼結体が得られなくなる。また、このようなガラス相は導電性を有しないので、希土類元素添加酸化セリウム粉体を固体電解質として利用することができなくなる。
これにより、酸化アルミニウム(Al)と酸化ケイ素(SiO)とは、互いに共存しない様にすることが好ましい。
【0042】
この酸化アルミニウム含有希土類元素添加酸化セリウム粉体における酸化アルミニウムの含有量は、酸化アルミニウムと希土類元素添加酸化セリウムとの合計量の0.01重量%以上であることが必要である。
この酸化アルミニウムの含有量が0.01重量%を下回ると、酸化アルミニウムが希土類元素添加酸化セリウム粒子の表面に十分に固溶することができず、また、酸化アルミニウムの添加量が増大し、例えば、10重量%を超えると、希土類元素添加酸化セリウム粒子の表面が絶縁性の酸化アルミニウムにより覆われてしまい、酸化セリウム粒子としての特性を発現することができなくなってしまう。
【0043】
特に、この酸化アルミニウム含有希土類元素添加酸化セリウム粉体を固体電解質として利用する場合、酸化アルミニウムと希土類元素添加酸化セリウムとの合計量の0.01重量%以上かつ10重量%以下、より好ましくは0.01重量%以上かつ5重量%以下、さらに好ましくは0.01重量%以上かつ2重量%以下であることが好ましい。
この酸化アルミニウムの含有量が、酸化アルミニウムと希土類元素添加酸化セリウムとの合計量の10重量%を超えると、固溶する表面層が多くなるため、希土類元素添加酸化セリウムのイオン導電性を阻害するからである。
【0044】
この酸化アルミニウム含有希土類元素添加酸化セリウム粉体を作製する場合、既に述べた様に、希土類元素添加酸化セリウム粉体と、酸化アルミニウム(Al)粉体とを所定の割合で混合し、混合物とするが、この混合方法としては、例えば、機械的に混合する方法がある。この機械的な混合方法としては、均一な混合粉体が得られる方法であれば特に制限されず、例えば、ボールミルを用いた湿式混合法等を用いることができる。
【0045】
この湿式混合法は、希土類元素添加酸化セリウム粉体と酸化アルミニウム(Al)粉体を、樹脂被覆金属ボールやメノウ球等のメディア、及びアセトンやエタノール等の有機溶剤とともにボールミルに収納し、このボールミルを所定時間、回転または振動させて粉砕及び混合する方法であり、組成が均一な混合粉体を得るのに適している。
【0046】
なお、この機械的な混合方法以外の方法によっても、酸化アルミニウム(Al)粉体と希土類元素添加酸化セリウム粉体との混合物を得ることができる。
例えば、希土類元素添加酸化セリウム粉体の製造工程中、いずれかの工程でアルミニウム塩または酸化アルミニウム(Al)粉末を添加または混合する方法などが挙げられる。
上記のアルミニウム塩としては、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、水酸化アルミニウム等を挙げることができる。
【0047】
さらに、この酸化アルミニウム含有希土類元素添加酸化セリウム粉体は、上述した希土類元素添加酸化セリウム粉体と酸化アルミニウム(Al)粉体との混合物の他、希土類元素を酸化セリウムにドープするための熱処理時に酸化アルミニウムと酸化セリウムとが既に反応して酸化アルミニウムセリウム等のような複合酸化物を形成しているものであってよい。
【0048】
このようにして得られた酸化アルミニウム含有希土類元素添加酸化セリウム粉体のBET法による比表面積は、1m/g以上かつ10m/g以下であることが好ましい。BET法による比表面積が1m/g未満では、粉体同士の凝集が強すぎるため、焼結体の原料として不適切であり、一方、10m/gを超えると、粉体の分散性が悪くなり、スラリー化が困難になるからである。
このように、BET法による比表面積が1m/g以上かつ10m/g以下であると、成形体を成形する際に、鋳込み成形法、シート成形法、ドクターブレード法等の成形法を用いることが可能となる。
【0049】
BET法による比表面積を調整するには、希土類元素添加酸化セリウム粉体と酸化アルミニウム(Al)粉体との混合物を熱処理する、あるいは混合前の希土類元素添加酸化セリウム粉体を熱処理する等により行われる。
この熱処理は、希土類元素を酸化セリウムにドープするための熱処理と兼ねていてもよく、別途、比表面積調整のための熱処理を行ってもよい。
例えば、希土類元素添加酸化セリウム粉体と酸化アルミニウム(Al)粉体との混合物を熱処理する場合、比表面積を1m/g以上かつ10m/g以下にするためには、大気圧下、900℃以上かつ1100℃以下にて熱処理することが好ましい。熱処理時間は、処理する粉体の量にもよるが、3時間以上かつ50時間以下が好ましい。
【0050】
以上説明した様に、本実施形態の酸化アルミニウム含有希土類元素添加酸化セリウム粉体によれば、所定量の酸化アルミニウムを含有しているので、極めて焼結性に優れている。したがって、この粉体を用いて成形、焼成することにより、緻密な焼結体を容易に得ることができる。
【0051】
特に、希土類元素としてランタン(La)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、イットリウム(Y)、スカンジウム(Sc)の群から選択された1種または2種以上を添加することにより、極めて焼結性に優れたものとなる。したがって、この粉体を用いて成形、焼成することにより、焼成時における粒子間の濡れ性が高まり、低温焼成にても緻密な焼結体が得られることとなる。したがって、緻密な焼結体、例えば相対密度が90%以上、好適には95%以上の焼結体を容易に得ることができる。
ここで、相対密度とは、下記の式で算出した値である。
相対密度(%)={見かけ密度(g/cm)/理論密度(g/cm)}
×100
【0052】
なお、焼結体の見掛け密度は、(1)焼結体の寸法と重量を基に算出、(2)アルキメデス法により測定、のいずれかの方法により求めることができる。
また、理論密度は、測定する焼結体を粉砕して得られた試料の格子定数を、標準試料の特定の結晶格子面の回折線、例えば、塩化ナトリウム(NaCl)の(200)面の回折線を基準にして、上記の試料の回折角を補正して求め、この補正値を基に算出することができる。
この緻密な焼結体は、例えば、ガドリニウム(Gd)やサマリウム(Sm)がドープされた酸化セリウムの固体電解質としての性質を利用して固体電解質型燃料電池部材などに利用することができる。
【0053】
さらに、固体電解質としてランタンガレードを使用した低温作動型燃料電池においては、ランタンガレード固体電解質と電極との界面の反応による性能低下を抑制するために、その界面に40モル%のランタン(La)がドープされた酸化セリウムの焼結体からなる反応抑制層を設けることが効果的である(Journal of the Electrochemical Society., 第148巻、第7号、pp.A788〜794、2001年)。本実施形態の酸化アルミニウム含有希土類元素添加酸化セリウム粉体は、焼結性に優れているため、容易に緻密な、例えば相対密度が90%以上、好適には95%以上の焼結体を得ることができ、この緻密な焼結体を上記の反応抑制層へ適用すれば、ランタンガレード固体電解質と電極との界面の反応による性能低下を抑制することができる。
【実施例】
【0054】
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
「実施例1」
純水1Lに硝酸セリウム6水和物(Ce(NO・6HO)216gと、硝酸ランタン6水和物(La(NO・6HO)144gを溶解し、この水溶液にアンモニア水(アンモニア:28wt/wt%)を滴下してpHを9.0に調整し、沈殿物を得た。この沈殿物を、洗浄、乾燥し、次いで、大気中、1000℃にて36時間、熱処理し、粉体を得た。
【0055】
その後、X線回折装置を用いて、この粉体の組成及び結晶状態を調べたところ、立方晶の酸化セリウム(CeO)単相であることが分かった。
また、ICP発光分光分析法により、この粉体におけるランタン(La)のドープ量を調べたところ、40モル%であることが分かった。
以上により、上記の粉体は、40モル%のランタン(La)がドープされた酸化セリウムであることが分かった。
【0056】
次いで、このランタンドープ酸化セリウム粉体に、酸化アルミニウム(Al)粉体(大明化学社製:TM−DAR、純度99.9重量%以上)を、この酸化アルミニウム粉体とランタンドープ酸化セリウム粉体との合計量の0.5重量%添加し、次いで、ボールミルを用いてエタノール中にて湿式混合を行い、その後、濾過、乾燥を行い、混合物を得た。得られた混合物のBET法による比表面積を測定したところ、9.2m/gであった。この比表面積の測定は、全自動窒素ガス吸着測定装置(BELSORP−MINI:日本ベル社製)を用い、定容量型ガス吸着法にて行った。
【0057】
次に、この混合物を、成形機を用いて200MPaの1軸圧で円板状に成形した後、焼成炉を用いて、大気中、1400℃にて3時間焼成し、円板状の酸化アルミニウム含有ランタンドープ酸化セリウム焼結体を得た。この焼結体の相対密度は98%であった。
ここでは、焼結体の見掛け密度を、アルキメデス法にて測定し、理論密度を、測定する焼結体を粉砕して得られた粉末の格子定数を、塩化ナトリウムを内部標準として(200)面の回折を基準にして、試料(焼結体)の回折角を補正して求め、その値から算出した。
【0058】
「実施例2」
酸化アルミニウム(Al)粉体の添加量を、この酸化アルミニウム粉体とランタンドープ酸化セリウム粉体との合計量の0.25重量%とした以外は実施例1に準じて混合物を得た。この混合物のBET法による比表面積を実施例1に準じて測定したところ、9.2m/gであった。この混合物を実施例1に準じて成形、焼成し、焼結体を得た。この焼結体の相対密度を実施例1に準じて測定したところ、96%であった。
【0059】
「実施例3」
純水1Lに硝酸セリウム6水和物(Ce(NO・6HO)216gと、硝酸サマリウム6水和物(Sm(NO・6HO)55gを溶解し、この水溶液にアンモニア水(アンモニア:28wt/wt%)を滴下してpHを9.0に調整し、沈殿物を得た。この沈殿物を、洗浄、乾燥し、次いで、大気中、1000℃にて36時間、熱処理し、粉体を得た。
この粉体の組成及び結晶状態を実施例1に準じて調べたところ、20モル%のサマリウム(Sm)がドープされた酸化セリウムであることが分かった。
【0060】
次いで、このサマリウムドープ酸化セリウム粉体に、実施例1の酸化アルミニウム(Al)粉体を、この酸化アルミニウム粉体とサマリウムドープ酸化セリウム粉体との合計量の0.5重量%添加し、次いで、ボールミルを用いてエタノール中にて湿式混合を行い、その後、濾過、乾燥を行い、混合物を得た。得られた混合物のBET法による比表面積を実施例1に準じて測定したところ、9.2m/gであった。
この混合物を実施例1に準じて成形、焼成し、焼結体を得た。この焼結体の相対密度を実施例1に準じて測定したところ、98%であった。
【0061】
「実施例4」
純水1Lに硝酸セリウム6水和物(Ce(NO・6HO)216gを溶解した3価のセリウムイオン水溶液に、過酸化水素水(過酸化水素:30wt/wt%)を226g添加した。次いで、この水溶液にアンモニア水(アンモニア:28wt/wt%)を滴下してpHを8.7に調整し、分散液を得た。
次いで、この分散液をエバポレータ(凝縮器付き容器)に収容し、95℃にて72時間反応させた。次いで、中空子膜による限外濾過膜により、分散液の濃縮及び純水の添加を繰り返し、濾液の電導度が5.6μS/cmになるまで洗浄を行い、酸化セリウム(CeO)微粒子が分散した分散液を得た。
【0062】
次いで、この分散液に硝酸ランタン6水和物(La(NO・6HO)144gを溶解し、次いで、この分散液にアンモニア水(アンモニア:28wt/wt%)を滴下し、分散液のpHを8.9に調整し、沈殿物を得た。この沈殿物を、洗浄、乾燥し、次いで、大気中、1000℃にて36時間、熱処理し、粉体を得た。
この粉体の組成及び結晶状態を実施例1に準じて調べたところ、40モル%のランタン(La)がドープされた酸化セリウムであることが分かった。
【0063】
得られたランタンドープ酸化セリウム粉体を透過型電子顕微鏡(TEM)により観察したところ、図1に示すように、球状であり、等方性状の形状を呈していた。
次いで、このランタンドープ酸化セリウム粉体に、実施例1の酸化アルミニウム(Al)粉体を、この酸化アルミニウム粉体とランタンドープ酸化セリウム粉体との合計量の0.5重量%添加し、次いで、ボールミルを用い、エタノール中にて湿式混合を行い、その後、濾過、乾燥を行い、混合物を得た。得られた混合物のBET法による比表面積を実施例1に準じて測定したところ、9.1m/gであった。
この混合物を実施例1に準じて成形、焼成し、焼結体を得た。この焼結体の相対密度を実施例1に準じて測定したところ、99%であった。
【0064】
「実施例5」
酸化アルミニウム(Al)粉体の添加量を、この酸化アルミニウム粉体とランタンドープ酸化セリウム粉体との合計量の0.25重量%とした以外は実施例4に準じて混合物を得た。この混合物のBET法による比表面積を実施例1に準じて測定したところ、9.1m/gであった。この混合物を実施例1に準じて成形、焼成し、焼結体を得た。この焼結体の相対密度を実施例1に準じて測定したところ、97%であった。
【0065】
「実施例6」
実施例1に準じて、酸化セリウム(CeO)微粒子が分散した分散液を得た。次いで、この分散液に硝酸サマリウム6水和物(Sm(NO・6HO)95gを溶解し、この分散液にアンモニア水(アンモニア:28wt/wt%)を滴下して分散液のpHを8.8に調節し、沈殿物を得た。この沈殿物を、洗浄、乾燥し、次いで、大気中、1000℃にて36時間、熱処理し、粉体を得た。
この粉体の組成及び結晶状態を実施例1に準じて調べたところ、30モル%のサマリウム(Sm)がドープされた酸化セリウムであることが分かった。
このサマリウムドープ酸化セリウム粉体を透過型電子顕微鏡(TEM)により観察したところ、図2に示すように、球状であり、等方性状の形状を呈していた。
【0066】
次いで、このサマリウムドープ酸化セリウム粉体に、実施例1の酸化アルミニウム(Al)粉体を、この酸化アルミニウム粉体とサマリウムドープ酸化セリウム粉体との合計量の0.5重量%添加し、次いで、ボールミルを用い、エタノール中にて湿式混合を行い、その後、濾過、乾燥を行い、混合物を得た。得られた混合物のBET法による比表面積を実施例1に準じて測定したところ、8.8m/gであった。
この混合物を実施例1に準じて成形、焼成し、焼結体を得た。この焼結体の相対密度を実施例1に準じて測定したところ、99%であった。
【0067】
「比較例1」
実施例1のランタンドープ酸化セリウム粉体(La:40モル%)を、実施例1と同様に成形、焼成し、焼結体を得た。この焼結体の相対密度を測定したところ、62%であった。ここでは、焼結体の見掛け密度を、焼結体の寸法と重量を測定することで求めた。
【0068】
「比較例2」
実施例3のサマリウムドープ酸化セリウム粉体(Sm:20モル%)を、実施例1と同様に成形、焼成し、焼結体を得た。この焼結体の相対密度を比較例1に準じて測定したところ、75%であった。
【0069】
「比較例3」
実施例4のランタンドープ酸化セリウム粉体(La:40モル%)を、実施例1と同様に成形、焼成し、焼結体を得た。この焼結体の相対密度を比較例1に準じて測定したところ、92%であった。
【0070】
「比較例4」
実施例6のサマリウムドープ酸化セリウム粉体(Sm:30モル%)を、実施例1と同様に成形、焼成し、焼結体を得た。この焼結体の相対密度を比較例1に準じて測定したところ、95%であった。
【0071】
「比較例5」
実施例4のランタンドープ酸化セリウム粉体(La:40モル%)に、実施例1の酸化アルミニウム(Al)粉体を、この酸化アルミニウム粉体とランタンドープ酸化セリウム粉体との合計量の0.25重量%添加し、さらに、酸化ケイ素(SiO)粉体(関東化学社製)を、同様に酸化アルミニウム粉体とランタンドープ酸化セリウム粉体との合計量の0.25重量%添加し、次いで、ボールミルを用いてエタノール中にて湿式混合を行った。その後、濾過、乾燥を行い、混合物を得た。得られた混合物のBET法による比表面積を実施例1に準じて測定したところ、9.1m/gであった。
この混合物を実施例1と同様に成形、焼成し、焼結体を得た。この焼結体の相対密度を比較例1に準じて測定したところ、88%であった。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明の酸化アルミニウム含有希土類元素添加酸化セリウム粉体は、低い焼成温度にて高焼結密度の焼結体を得ることができるものであるから、ガスセンサや燃料電池部材としてイオン導電性を利用する場合に極めて有用であることはもちろんのこと、高焼結密度の酸化アルミニウム含有希土類元素添加酸化セリウム焼結体を必要とする他の技術分野においても有用なものであり、その産業的利用価値は非常に大きなものである。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の実施例4のランタンドープ酸化セリウム粉体を示す透過型電子顕微鏡(TEM)像である。
【図2】本発明の実施例6のサマリウムドープ酸化セリウム粉体を示す透過型電子顕微鏡(TEM)像である。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013