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発明の名称 冷凍パン生地の製造方法及び冷凍パン生地用品質改良剤
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−125010(P2007−125010A)
公開日 平成19年5月24日(2007.5.24)
出願番号 特願2006−260851(P2006−260851)
出願日 平成18年9月26日(2006.9.26)
代理人
発明者 ▲吉▼岡 謙治 / 加賀 千文 / 岡本 武 / 若林 秀彦
要約 課題
焼成後の品質が良好で、保存による品質劣化の抑制されたパン、ベーカリー製品を得ることができる、冷凍パン生地の製造方法及び冷凍パン生地用の品質改良剤を提供する。

解決手段
冷凍パン生地の製造にトランスグルコシダーゼを用いる。品質改良剤にトランスグルコシダーゼを配合する。
特許請求の範囲
【請求項1】
トランスグルコシダーゼを用いることを特徴とする冷凍パン生地の製造方法。
【請求項2】
トランスグルコシダーゼを含有することを特徴とする冷凍パン生地用の品質改良剤。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランスグルコシダーゼを用いる冷凍パン生地の製造方法及び冷凍パン生地用の品質改良剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パン製造時の作業工程を簡略化するため、近年冷凍パン生地が広く用いられるようになってきている。しかし冷凍パン生地は、冷凍保存中の氷結晶の成長や、パン生地製造時のエタノール、二酸化炭素の生成等により解凍後の生地が軟化し、またイーストが死滅することによりガス発生力が低くなるため、冷凍生地を用いてパンを製造するとパンのボリュームの減少、老化促進などの問題が生じる。パン生地を冷凍、解凍することにより生じる障害を改善する方法として従来、モノグリセリド等の乳化剤が使用されている。しかし、乳化剤を使用したパンは独特の異味・異臭のため風味が悪く、食感がねちゃつくという問題がある。乳化剤を使わない改良剤として、特許文献1にはマルトトリオース生成酵素、ヘミセルラーゼ含有の改良剤を冷凍生地に対して用いる方法が開示されているが、焼成されたパンのソフトさに欠けるという課題がある。また、特許文献2には、分散性をあげるためヘミセルラーゼ、アミラーゼを油脂組成物に混合した生地改良剤が開示されているが、効果はあまり明確でなく大きな改善とはなっていないのが現状である。さらに、特許文献3には、麦麹粉末、アスコルビン酸、セルラーゼ、プロテアーゼ、乳化剤、グルコースオキシダーゼを用いることにより、パン生地を長期間冷凍保存しても、焼成した際のパンのボリュームの低下、及びフィッシュアイの出現を抑制する方法が開示されているが、これらの酵素と本発明に用いるトランスグルコシダーゼとでは反応機構が全く異なっている。
【0003】
トランスグルコシダーゼの食品への利用については、清酒の製造方法(特許文献4)、みりんの製造方法(特許文献5)が開示されているが、冷凍パン生地への利用についての開示はない。
【特許文献1】特開平7−322811号公報
【特許文献2】特開2000−83573号公報
【特許文献3】特開2004−113051号公報
【特許文献4】特開昭54−157897号公報
【特許文献5】特開平1−171472号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、焼成後の品質(食味・食感・風味・ふくらみ(ボリューム)等)が良好で、保存による品質劣化の抑制されたパン、ベーカリー製品を得ることができる、冷凍パン生地の製造方法及び冷凍パン生地用の品質改良剤の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は鋭意研究を行った結果、トランスグルコシダーゼを用いて冷凍パン生地を製造することにより、焼成後の品質(食味・食感・風味・ふくらみ(ボリューム)等)が良好で、保存による品質劣化(老化)の抑制されたパン、ベーカリー製品を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は以下の通りである。
【0006】
(1)トランスグルコシダーゼを用いることを特徴とする冷凍パン生地の製造方法。
(2)トランスグルコシダーゼを含有することを特徴とする冷凍パン生地用の品質改良剤。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、パン及びパン生地の食味改善や、物性の改良、あるいは時間経過による該食品の品質劣化を抑制する等品質向上をすることができる。また、生地の伸展・膨潤性を改善でき、作業性を向上させることができると共に、パンの容積の増大、ふくらみ性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明のトランスグルコシダーゼ(EC3.2.1.20)はα-グルコシダーゼ、マルターゼという別名をもち、α-1,4結合をα-1,6結合へと変換する糖転移活性を有し、非還元末端α-1,4-グルコシド結合を加水分解し、α-グルコースを生成する酵素である。トランスグルコシダーゼは単に分解活性を有するのみではなく、水酸基を持つ適当な受容体がある場合、グルコースをα-1,4結合よりα-1,6結合へと転移させ、分岐糖を生成する糖転移活性を有するものであることが特徴である。トランスグルコシダーゼL「アマノ」という商品名で天野エンザイム(株)より市販されている酵素が本発明に用いることができる。尚、グルコアミラーゼはα-グルコシダーゼと類似の反応を起こすが生成するグルコースはα-グルコースではなく、β-グルコースである。
【0009】
本発明の冷凍パン生地には、食パン、フランスパン、菓子パン、調理パン等のパン類を製造するための生地が含まれ、ドーナツ、ケーキ、ホットケーキ等のベーカリー製品を製造するための生地も含まれる。冷凍パン生地の原料としてはどのような品種の小麦粉でもよく、タンパク質含量が多くても少なくてもかまわない。また、小麦粉以外に、大麦、ライ麦、米等小麦以外の穀粉を用いてもよし、小麦以外の穀粉と小麦粉を混合して用いてもよい。
【0010】
トランスグルコシダーゼをパン生地に添加する方法は特に制限はないが、原料の混合(ミキシング)時に添加するのが特に好ましい。あるいは原料の一部に作用させても構わない。また、中種法で製造する場合、中種、本捏ね、いずれにおいて作用させても構わない。また、冷凍パン生地などの製造時に、液種などに作用させても構わない。また、さらに、該酵素を他の酵素や物質と併用し使用してもかまわない。
【0011】
トランスグルコシダーゼの添加量は、小麦粉1g当り、あるいは穀粉(複数種の粉を併用する場合はそれらの重量の合算)1g当り1.5U以上、好ましくは1.5〜150,000U、より好ましくは10U〜150,000U、さらに好ましくは100〜150,000Uの範囲が適正である。尚、酵素活性については1mM α-メチル-D-グルコシド1mlに0.02M酢酸バッファー(pH5.0)1mlを加え、酵素溶液0.5ml添加して、40℃、60分間を作用させた時に、反応液2.5ml中に1μgのブドウ糖を生成する酵素量を1Uと定義した。
【0012】
酵素の反応時間・反応温度に関しては、特別に条件を設ける必要はなく、通常の製パン工程に沿って作業をすれば十分に作用することができるが、別途反応時間をとっても構わない。その時間は、非常に短い時間でも逆に長時間でも構わないが、現実的な作用時間としては1分〜24時間が好ましい。また、その際の反応温度に関しても酵素が活性を保つ範囲であればどの温度であっても構わないが、現実的な温度としては4〜80℃で作用させることが好ましい。すなわち、通常のパン製造時におけるホイロ工程をとることで十分な反応時間が得られる。
【0013】
トランスグルコシダーゼに、デキストリン等の賦形剤や他の酵素等、任意の食品添加物を配合することにより、冷凍パン生地用の品質改良剤を得ることができる。本発明の品質改良剤は液体状、ペースト状、顆粒状、粉末状のいずれの形態でも構わない。また、品質改良剤におけるトランスグルコシダーゼの配合量は0.001%より多く、100%以下である。
【0014】
以下に実施例を挙げ、本発明をされに詳しく説明する。本発明は、この実施例により何ら限定されない。
【実施例1】
【0015】
表1に示した原料のうち油脂と水を除く粉末原料をミキサー(愛工舎製作所 縦型ミキサーAM-20)にて、低速回転で3分、中速回転で3分ミキシングした後、油脂と水を添加し、さらに同ミキサーにて、低速回転で3分、中速回転で3分ミキシングした(捏ね上げ温度20℃)。得られた生地を70gに分割し、140mmロール成形し、-30℃、40分凍結した。
その後-20℃にて冷凍保存し、芯温20℃まで解凍(22℃湿度75%)し、ホイロ(38℃、湿度80%、50分)後、オーブンにて13.5分焼成(上面200℃、下面200℃)し、ソフトフランスパンを製造した。尚、図表中のTGLはトランスグルコシダーゼを意味している。トランスグルコシダーゼとしてトランスグルコシダーゼL(天野エンザイム製)を用いた。トランスグルコシダーゼ活性は300,000U/gであり、原料小麦粉1g当りのトランスグルコシダーゼ添加量は210Uであった。製造した冷凍パン生地を1週間保存・焼成後、室温まで放冷し評価した。評価結果を表2、図1、2に示す。酵素無添加をコントロールとした。トランスグルコシダーゼ添加により焼成品のボリュームが大きくなり、食感はソフトでパサツキが少ない(しっとりした)ものとなった。また保存期間が長くても効果は持続した。経時的な劣化に関しては、焼成後2日まで有意に差があり、老化の抑制効果が見られた。
【0016】
【表1】


【0017】
【表2】


【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明によると、冷凍パン生地を用いても、焼成後の品質(食味・食感・風味・ふくらみ(ボリューム)等)が良好で、保存による品質劣化の抑制されたパン、ベーカリー製品を得ることができるので、本発明は食品分野、特にサンドイッチ等テイクアウト食品の製造販売の分野、外食産業の分野において極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】冷凍ソフトフランスパンの高さ比較結果である。(実施例1)
【図2】冷凍ソフトフランスパンの硬さ比較結果である。(実施例1)




 

 


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