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発明の名称 加工食品の製造法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−60920(P2007−60920A)
公開日 平成19年3月15日(2007.3.15)
出願番号 特願2005−247737(P2005−247737)
出願日 平成17年8月29日(2005.8.29)
代理人
発明者 勝田 雄己 / 廣瀬 文之 / 石田 力也 / 北原 修
要約 課題
動物性食品素材の加熱時の脂溶出を抑制することのできる加工食品の製造法を
提供すること。

解決手段
トランスグルタミナーゼ及びゼラチンを食品素材の表面にコーティングした後に、該食品素材を加熱処理する。
特許請求の範囲
【請求項1】
トランスグルタミナーゼ及びゼラチンを動物性食品素材の表面にコーティングした後に、該食品素材を加熱処理することを特徴とする、脂の溶出の抑制された加工食品の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は加工食品の製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
加熱又はレトルト処理した加工食品は調理の簡便化、保存性の点での付加価値は高く、広く利用されているが、魚介類や肉類などの動物性食品素材を加熱処理又はレトルト処理すると、肉汁、脂が分離してジューシー感が失われ、食感が劣化したり、見映えが悪くなることが知られている。
【0003】
これらの問題点を解決する為に、いくつかの試みが行われている。一般には素材をリン酸塩やpH調整剤などのアルカリで処理する方法(特許文献1)が知られているが、この方法は素材の加熱調理後の歩留り向上には効果があるものの、軟らかく歯ごたえの無い食感に変化し、素材本来の食感を保持することは難しかった。また、脂の溶出を抑えることはできなかった。特許文献2には、冷凍剥きエビをリン酸三ナトリウム溶液に浸漬後、トランスグルタミナーゼ、カゼインナトリウム溶液に浸漬する方法が開示されている。この方法は食感の保持においては優れた方法であるが、脂の溶出を抑える効果については言及されていない。
【特許文献1】特開平1−181767号公報
【特許文献2】特開平8−332059号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、動物性食品素材の加熱時の脂溶出を抑制することのできる加工食品の製造法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、前記課題を解決する為、鋭意検討を重ねた結果、トランスグルタミナーゼ及びゼラチンを食品素材の表面にコーティングした後に、該食品素材を加熱処理することにより、加熱時の食感の低下及び脂溶出を抑制することができることを見出した。即ち、本発明は以下の通りである。
【0006】
(1)トランスグルタミナーゼ及びゼラチンを動物性食品素材の表面にコーティングした後に、該食品素材を加熱処理することを特徴とする、脂の溶出の抑制された加工食品の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明の効果として、脂溶出の抑制された加工食品を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明で使用するトランスグルタミナーゼは、トランスグルタミナーゼ活性を有する限り、その起源を特に問わず、例えばストレプトベルチシリウム属(Streptoverticillium属)などに属する微生物由来のもの(特開昭64−27471参照)、モルモットなどの哺乳動物由来のもの(特公平1ー50382号参照)、タラなどの魚類由来のもの(関信夫ら、昭和63年度日本水産学会秋期大会講演要旨集167頁参照)、バイオテクノロジーを利用して遺伝子組換法によって得られるもの(特開平1ー300889号、特開平6ー225775号参照)などを用いることができる。この内、カルシウムが無くても作用する事及び大量に入手できる事等の理由から微生物由来のトランスグルタミナーゼを用いるのが好ましい。
【0009】
なお、本発明でいうトランスグルタミナーゼの活性単位は、次のように測定され、かつ、定義される。すなわち、温度37℃、pH6.0のトリス緩衝液中、ベンジルオキシカルボニル−L−グルタミルグリシン及びヒドロキシルアミンを基質とする反応系で、トランスグルタミナーゼを作用せしめ、生成したヒドロキサム酸をトリクロロ酢酸存在下で鉄錯体を形成させた後、525nmにおける吸光度を測定し、ヒドロキサム酸量を検量線により求め、1分間に1μモルのヒドロキサム酸を生成せしめた酵素を1ユニット(1U)とする(特開昭64−27471号明細書記載参照)。
【0010】
本発明で使用するゼラチンは動物や魚介類の皮、骨、軟骨、鱗、鰾などの動物組織から抽出されたものであり、分解などその変性度合いには特に制限はない。
【0011】
本発明の動物性食品素材として、牛肉、豚肉、羊肉、鶏肉等の鳥獣肉、魚肉が使用できる。また、加工処理過程で生成する細片化した肉や、細片肉を再構成した接着物も使用できる。さらに水煮、蒸煮処理、ピックル液処理などを行った半加工品も使用できる。各種の動物性食品素材を混合したもの、あるいは動物性食品素材と植物性食品素材を混合した素材も対象となる。
【0012】
トランスグルタミナーゼ及びゼラチンを動物性食品素材の表面にコーティングする方法は、動物性食品素材の表面にトランスグルタミナーゼ及びゼラチンを付着させればよく、トランスグルタミナーゼ及びゼラチンを含有する溶液に該素材を浸漬させる方法や、該溶液を該素材表面に塗布する方法、スプレーにより吹き付ける方法などが挙げられる。粉状のトランスグルタミナーゼ又はトランスグルタミナーゼを含有する粉状の製剤を動物性食品素材の表面にまぶした後、ゼラチン含有溶液に浸漬させる又はゼラチン含有溶液を塗布しても良い。
【0013】
動物性食品素材にコーティングするトランスグルタミナーゼの添加量は、動物性食品素材100g当り30〜1000ユニットが好ましく、50〜500ユニットがより好ましく、70〜200ユニットがさらに好ましい。ゼラチンの添加量は、動物性食品素材100g当り0.04〜1%が好ましく、0.1〜0.5%が好ましい。ゼラチン含有溶液を用いる場合は、ゼラチンの濃度は溶液1ml当り0.2〜5%が好ましく、1〜4%がより好ましい。ゼラチンの溶液中の濃度が5%より大きい場合、溶液がゲル化してしまう場合があり、作業性に問題がある。トランスグルタミナーゼ及び/又はゼラチン含有溶液の量は、動物性食品素材100g当り1〜20gが好ましく、6〜12gがより好ましい。溶液中のトランスグルタミナーゼの量は溶液1ml当り1〜100ユニットが好ましく、5〜50ユニットがより好ましく、10〜25ユニットがさらに好ましい。
【0014】
本発明の加工食品とは、上記の動物性食品素材を加熱加工して得られる食品を指す。加熱加工とは、いわゆる煮る、蒸す、焼く等を指し、湯殺菌、レトルト殺菌等の高温加熱殺菌処理も含まれる。本発明の例としては、豚角煮のレトルト品、鰻蒲焼のレトルト品、肉入りレトルトカレー等が挙げられる。
【0015】
豚角煮等、食品素材として鳥獣肉を用いる場合、トランスグルタミナーゼを含有するピックル液をインジェクションし、肉内部の構造を架橋反応により強化した後、トランスグルタミナーゼ及びゼラチンを含有する溶液を動物性食品素材の表面にコーティングすることで、脂溶出抑制効果をより高めることができる。また、トランスグルタミナーゼとゼラチンをコーティングする代わりに、トランスグルタミナーゼとカゼインをコーティングする方法も脂の溶出抑制効果を有するが、本発明には含まれない。
【0016】
以下に実施例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明する。本発明は、この実施例により何ら限定されない。
【実施例1】
【0017】
デンマーク産冷凍豚バラ肉を、解凍、トリミングしたもの1kgに、表1記載のピックル液を加水率110%でインジェクションし、5℃にて一晩タンブリングした。これを8cm×8cmのリテーナーに入れ、蒸煮(75℃、3時間)による一次加熱を行なった。一時加熱品を1.5cm厚にスライスし、スライス肉100gに味の素製「アクティバ」TG−Sをまぶした後、ゼラチンを含有する水溶液9gに浸漬し、5℃にて一晩反応させた。この際、トランスグルタミナーゼとゼラチンの量は表2に記載した量であった。粉末醤油、砂糖、みりん、酒、MSG、水等からなる調味液を肉1重量部に対し0.2重量部混合して得られたものを真空包装し、スプレー式レトルト殺菌機にて二次加熱・殺菌(121℃、F値=30)して豚角煮を調製した。
【0018】
レトルト処理後、室温まで放冷した試料について、脂の溶出状況を目視にて確認した結果を表2に示す。表2に示したとおり、トランスグルタミナーゼ及びゼラチンを豚肉の表面にコーティングすることにより、加熱時の脂の溶出を抑制することができ、脂の溶出の抑制されたレトルト豚角煮を製造することができた。また、ピックル液の加水率を120〜160%に変えて同様に豚角煮を調製したが、同様に脂の溶出の抑制されたレトルト豚角煮を製造することができた。
【0019】
【表1】


【0020】
【表2】


【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明によれば、動物性食品素材の加熱時の脂溶出を抑制することができ、脂の溶出の抑制された加工食品を製造することができるので、本発明は食品分野において極めて有用である。




 

 


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