Warning: copy(.htaccess): failed to open stream: Permission denied in /home/jp321/public_html/header.php on line 8
ミネラル吸収促進物質を含有する食用植物体およびその製造方法 - 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 農業 -> 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構

発明の名称 ミネラル吸収促進物質を含有する食用植物体およびその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−215462(P2007−215462A)
公開日 平成19年8月30日(2007.8.30)
出願番号 特願2006−38750(P2006−38750)
出願日 平成18年2月16日(2006.2.16)
代理人 【識別番号】110000109
【氏名又は名称】特許業務法人特許事務所サイクス
発明者 齋藤 勝一 / 鈴木 達郎 / 金 善州 / 小田 有二 / 山内 宏昭 / 瀧川 重信 / 橋本 直人 / 古賀 伸久
要約 課題
ミネラル吸収促進物質を安定的に含有する食用植物体、さらには、ミネラル吸収促進物質に加えてミネラル含量を増強した食用植物体を提供する。

解決手段
ジフルクトース・ジアンヒドリドIIIを含む食用植物体。ジフルクトース・ジアンヒドリドIIIの含有量が0.1g/100gFW以上である。ジフルクトース・ジアンヒドリドIIIを含有する水溶液に食用植物体を浸漬し、前記物質を食用植物体に蓄積含有させて、前記物質を含有する食用植物体を製造する方法。前記食用植物体は、その一部または全体を前記水溶液に常時または断続的に浸漬し、前記食用植物体及び水溶液は10〜35℃に維持される。
特許請求の範囲
【請求項1】
ジフルクトース・ジアンヒドリドIIIを含む食用植物体。
【請求項2】
ジフルクトース・ジアンヒドリドIIIの含有量が0.1g/100gFW以上である請求項1に記載の食用植物体。
【請求項3】
ミネラル吸収促進機能を有する請求項1または2に記載の食用植物体。
【請求項4】
食用植物体がスプラウトである請求項1〜3のいずれか1項に記載の食用植物体。
【請求項5】
ジフルクトース・ジアンヒドリドIIIを含有する水溶液に食用植物体を浸漬し、前記物質を食用植物体に蓄積含有させて、前記物質を含有する食用植物体を製造する方法であって、
前記食用植物体は、その一部または全体を前記水溶液に常時または断続的に浸漬し、前記食用植物体及び水溶液は10〜35℃に維持されることを特徴とする前記方法。
【請求項6】
食用植物体がスプラウトであり、根を前記水溶液に常時または断続的に浸漬し、根以外を前記水溶液の外に常時または断続的に維持する請求項5に記載の方法。
【請求項7】
スプラウトを静置した容器内で前記水溶液と接触させる請求項6に記載の方法。
【請求項8】
スプラウトを回転する容器内で前記水溶液と接触させる請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記食用植物体の前記水溶液への浸漬を1〜24時間とする請求項5〜8のいずれか1項に記載の方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミネラル吸収促進物質を含有する食用植物体に関する。更に詳しくは、本発明は、ミネラル吸収促進作用を有する物質としてジフルクトース・ジアンヒドリドIIIを含む溶液で植物体を処理することによって得られるミネラル吸収促進物質を含有する食用の植物体及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カルシウムや鉄などのミネラルは人類にとって必要不可欠な栄養素であり、それらの摂取量不足は骨粗鬆症や貧血などの症状を引き起こす。近年のわが国においては、不規則な食生活などに端を発するミネラル充足率の低下と上記疾病が深刻な状況にあり、それらの不足を補うサプリメントなどの栄養補助食品が注目を集めその需要が伸びている。しかし、栄養素の摂取形態は様々な栄養素を含むバランスの取れた食生活から摂取するのが望ましく、特にカルシウムなどのミネラルは摂取量が十分であってもそれ自体吸収され難く、このことがミネラルの充足率不足の一因ともなっている。そのため、多種多様なミネラルや機能性成分を含むスプラウトなどの野菜にミネラルの吸収補助物質の付与やミネラル含量の増強が可能となれば、摂取形態の多様化と摂取機会の増加が見込めミネラルの充足不足解消が期待できる。
【0003】
ところで、植物体に機能性物質を吸収させることに関連する技術としては、アミノ酸、ペプチド類の吸収(特開平6−57288号公報(特許文献1)、特開2003−9666号公報(特許文献2))やオリゴ糖類の吸収(特開平9−216806号公報(特許文献3)、特開平9−315907号公報(特許文献4)、特開2000−116319号公報(特許文献5))などの例が挙げられる。しかし、それらは主に植物体の成長促進や鮮度保持効果、あるいは芳香強化といった植物の成長に関連する技術である。食品としての機能性強化を目的とした吸収技術としては、ビタミンB12の付与(特開2004−65240号公報(特許文献6))が唯一の技術として開示されている。また、植物のミネラル吸収に関しては、植物葉面など植物全体にカルシウム溶液を散布しその吸収を高める技術(特開2001−192310号公報(特許文献7))があるものの、肥料施肥による根部を通じたミネラル吸収自体は一般に広く知られているところである。
【0004】
一方、ミネラル、特にカルシウムの吸収補助成分としては、乳タンパク質であるカゼイン・ホスホ・ペプチド(CPP)が一般に広く知られている。また、フラクトオリゴ糖などのいわゆるオリゴ糖も腸内発酵によるpH低下を主因とするミネラルの可溶化と吸収促進効果が知られている。
【特許文献1】特開平6−57288号公報
【特許文献2】特開2003−9666号公報
【特許文献3】特開平9−216806号公報
【特許文献4】特開平9−315907号公報
【特許文献5】特開2000−116319号公報
【特許文献6】特開2004−65240号公報
【特許文献7】特開2001−192310号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これまで、ミネラル吸収促進物質の植物体への付与を目的とした報告は一切なく、これらの物質の吸収特性、その後植物体での安定性に関する知見も未だ知られていない。従来技術に関連して、オリゴ糖類がミネラル吸収促進作用を有し、かつその植物体への吸収が例示されているが、フラクトオリゴ糖やラフィノースなど元来植物に由来するオリゴ糖では吸収後、植物の栄養源として利用されてしまうことが予想され、さらに、本発明者らは、それらオリゴ糖が吸収後、速やかに消滅することを実験により確認した(実施例4参照)。一方、CPPなどのタンパク質、高分子物質については、根吸収の可能性が否定できないものの、吸収量が極微量であるなどの観点から現状では実用性はないと考えられる。
【0006】
以上のように、ミネラル吸収促進物質を安定的に含有する食用植物体、さらには、ミネラル吸収促進物質に加えてミネラル含量を増強した食用植物体の提供が望まれているが、満足できる技術は見当たらないのが現状である。
【0007】
そこで本発明の目的は、ミネラル吸収促進物質を安定的に含有する食用植物体、さらには、ミネラル吸収促進物質に加えてミネラル含量を増強した食用植物体を提供することにある。
【0008】
発明者らは、上記課題を解決するミネラル吸収促進物質について鋭意探索、研究を重ね、ミネラル吸収促進作用を有する物質としてジフルクトース・ジアンヒドリドIII(以下、DFAと標記することがある)を含む溶液で植物体を処理することによって、ミネラル吸収促進物質を含有する植物体の提供が可能であることを発見し、更に研究を重ねて本発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための本発明は以下のとおりである。
[1]ジフルクトース・ジアンヒドリドIIIを含む食用植物体。
[2]ジフルクトース・ジアンヒドリドIIIの含有量が0.1g/100gFW以上である[1]に記載の食用植物体。
[3]ミネラル吸収促進機能を有する[1]または[2]に記載の食用植物体。
[4]食用植物体がスプラウトである[1]〜[3]のいずれかに記載の食用植物体。
[5]ジフルクトース・ジアンヒドリドIIIを含有する水溶液に食用植物体を浸漬し、前記物質を食用植物体に蓄積含有させて、前記物質を含有する食用植物体を製造する方法であって、前記食用植物体は、その一部または全体を前記水溶液に常時または断続的に浸漬し、前記食用植物体及び水溶液は10〜35℃に維持されることを特徴とする前記方法。
[6]食用植物体がスプラウトであり、根を前記水溶液に常時または断続的に浸漬し、根以外を前記水溶液の外に常時または断続的に維持する[5]に記載の方法。
[7]スプラウトを静置した容器内で前記水溶液と接触させる[6]に記載の方法。
[8]スプラウトを回転する容器内で前記水溶液と接触させる[6]に記載の方法。
[9]前記食用植物体の前記水溶液への浸漬を1〜24時間とする[5]〜[8]のいずれかに記載の方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、非常に簡便な方法により不足しがちなミネラル摂取の補助機能を有するスプラウト等の植物体を提供でき、これらの植物体は、機能性食品として極めて有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、ジフルクトース・ジアンヒドリドIII(DFA)を含む食用植物体に関する。
DFAは、特開平11−43438号公報、特許公開2004−149427号公報にミネラル吸収促進効果を有することが開示されているフラクトース2分子が環状に結合した非還元性糖質である。しかし、これまでDFAを含有する植物は見つかっておらず、ある特定の微生物からの生成が確認されているのみである。DFAは、構成成分がフラクトースのみであり補助食品としても実用化されていることから食品として十分な安全性が確認されていると考えられる。しかし、植物体における吸収や施肥効果、成長への影響などに関する報告はこれまでにない。
【0012】
植物体は食用であれば、アブラナ科、タデ科、ユリ科、シソ科、アカザ科、マメ科、ナス科、キク科、ウリ科、セリ科、イネ科の植物体などあらゆる食用植物体を本発明は包括する。さらに、本発明において、食用植物体は、例えば、スプラウトであることができる。スプラウトは、芽出し野菜とも呼ばれ、発芽させた種子及びそこから生育する幼植物体である。植物体の種類にもよるが、発芽後3〜20日程度のものを本発明の製造方法で用いることが適当である。スプラウトになり得る植物体は特に制限はないが、例えば、キャベツ、ケール、レッドキャベツ、ブロッコリー、マスタード、みずな、クレソン、ルコラ、かいわれ大根、ソバ、ダッタンそば、ねぎ、にら、シソ、ミント、バジル、ほうれん草、アルファルファ、小豆、みつば、パセリ、セロリ、小麦、大麦、稲等が適当である。特にキャベツ、ケール、レッドキャベツ、ブロッコリー、マスタード、かいわれ大根、ソバ、ダッタンそば、アルファルファ、小豆、小麦、大麦等が好ましい。
【0013】
本発明の製造方法においてスプラウトを用いる場合、スプラウトの根をDFAを含有する水溶液に常時または断続的に浸漬する。具体的には、蒸散作用による前記物資の吸収促進が予想されるため、根以外の部分を水溶液の外に常時または断続的に維持することが好ましい。
【0014】
スプラウトは、回転する容器、例えば、カールスプラウトの製造に利用される回転ドラム内で、前記水溶液と接触させることもできる。この場合、スプラウトの根は前記水溶液に断続的に浸漬し、根以外も前記水溶液の外に断続的に維持される。回転ドラムの運転条件は、例えば、以下のようにすることが適当である。すなわち、植物体を損傷させることなく、かつ、十分に外気に暴露させることができる毎分1回転程度の速度で回転することが適当である。
【0015】
また、スプラウトを静置した容器内で前記水溶液と接触させることもできる。その場合は、スプラウトの根は前記水溶液に常時に浸漬し、根以外は前記水溶液の外に常時維持することが好ましい。
【0016】
植物体及び水溶液は、10℃〜35℃の温度に維持する。各植物体の生育、鮮度保持に適した温度であればよいが、好ましくは25℃から30℃である。温度が10℃を下回ると十分な吸収が行われない。また、35℃を超えると、十分な吸収量が得られないだけでなく、褐変、萎れなどが生じるため好ましくない。また、水溶液への浸漬は、暗黒下よりも、光照射下で行うことが、蒸散作用による吸収促進が期待できることから好ましい。光条件を制御することで、植物体の溶液の吸収性が一層よくなる。
【0017】
食用植物体の水溶液への浸漬は、1時間以上24時間以下とすることが適当である。この場合、接触時間が1時間に満たない場合は、十分な吸収が行われない場合があり、また、24時間を超えると、処理効率が悪いもしくは吸収量が同じであっても植物体等を傷める場合がある。大まかな接触時間の目安としては12〜16時間である。浸漬時間は、設定温度及び食用植物体への前記物質の所望含有量を考慮して、適宜設定される。
【0018】
DFA含有水溶液中の濃度は、1〜10%濃度(重量濃度)であり、好ましくは5%とすることが、DFAを高濃度含有する食用植物体を比較的短時間で得るという観点から適当である。水溶液中の当該物質の濃度が1%以下の場合には浸漬時間をより長くする必要があり、10%以上の時には、浸透圧作用により植物体によっては根が損傷を受けることがある。
【0019】
植物体にDFAを吸収させる時期は特に限定はないが、吸収処理後栽培時間が長くなるとDFAの蓄積量が若干低下する傾向があるため、栽培の最終段階で処理を行うのが好適である。植物体への詳細な吸収方法の一例を以下に説明する。まず、濃度1〜10%のDFA溶液を調製する。具体的には、DFAを通常の水に上記の濃度となるように溶し込めばよい。なお、吸収効率を向上させる目的等で溶液にはDFAにミネラル活性液のような液肥やキトサン等の殺菌剤、アスコルビン酸等の酸化防止剤、組織の褐変を促進する酵素の阻害剤などを加えてもよい。例えば、溶液にキトサン、カテキン、アスコルビン酸、クエン酸、コハク酸、酒石酸、エチルアルコール、ヒノキチオール、ミネラル、カルシウム塩などを加えれば、より安定的に吸収効率を高めてジフルクトース・ジアンヒドリドIIIを吸収させることが可能である。また、植物体のミネラル含量を増強させる目的等でDFAの他に成分としてカルシウム、マグネシウム、鉄などのミネラル塩を溶液に加えてもよい。加えて、その他成分としてタンパク質、アミノ酸、その他糖類などDFA以外にいかなる成分を含んでいてもよく、それが酵素や微生物等の生物であってもこれを包括する。
【0020】
また、通常の栽培において用いられる液肥、肥料等にDFAを溶かし込み散布してもよく、これらを土壌に散布する場合や水耕栽培の溶液として用いる場合等がこれに当てはまる。
【0021】
本発明によれば、DFA含有量が、0.1g/100gFW以上、好ましくは0.25g/100gFW以上である食用植物体が得られる。DFA含有量の上限については、食用植物体の種類により実質的に含有させることができる上限量は変化するが、例えば、小麦の場合は、0.45mg/100gFW、キャベツにおいては1.0mg/100gFW程度DFAを含有させることができる。
【0022】
本発明の植物体を一定量食することにより、通常では植物体からの摂取が不可能なDFAを簡易に摂取することが可能になる。一般に、植物体にはグルコースやマルトース、トレハロースなどの糖質を元来含有するが、これまでDFAを含有する植物は見つかっていない。本発明によれば、植物体をDFAを含む溶液で処理することで、植物体が元来有しないDFAを付与することが可能である。
【0023】
本発明の植物体は、含有されるDFAに起因してミネラル吸収促進機能を有する。
【0024】
本発明の植物体の特徴を以下にまとめる。
(1)吸収、蓄積量
DFAは濃度依存的に植物体内に蓄積される(図1)。その含有量は、概ねどの植物においても5%溶液により処理したスプラウトを100g摂取することで0.1〜0.6g程度のDFAの摂取が可能である。DFAの摂取目安量は0.5g/日程度であり、適量のDFAを植物体より摂取可能であることがわかる。また、この含量において植物への呈味性の影響はない。
【0025】
(2)植物内安定性
吸収処理後の安定性は3日後においておよそ半数の植物種で8割以上残存する。顕著な低下が見られた植物体においても完全な消滅は確認されない(図2)。
【0026】
(3)ミネラル含量の増強
DFAと同時にカルシウム、マグネシウム、鉄の塩を吸収させた場合、それらミネラル含量も増加する。その際、DFAの吸収阻害はなく、単独で吸収させた場合とほぼ同量蓄積する(図3)。
【0027】
以上のように、本発明は非常に簡便な方法により植物体にミネラル吸収促進物質の付与、加えてミネラル含量の増強が可能な発明であり、従来技術に比べ上記特徴を進歩性として備える。本発明により、植物体が元来有する食品機能性に加え、ミネラルおよびミネラル吸収促進物質を同時かつ自然な形態で摂取することが可能となる。
【実施例】
【0028】
以下本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。但し、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0029】
実施例1
各植物の縦型スプラウトを生産し、収穫直前のスプラウトに以下の条件でDFAを吸収させ、DFA含有スプラウトを製造した。縦型スプラウトは通常の縦型スプラウト製造方法に準じて行った。すなわちウレタンマット上に適量の種子を播き、25℃で2時間ごとに20分の潅水を行い、適度に生育した段階で収穫した。吸収処理は、以下の方法で行った。1%、5%または10%DFA溶液を調製し、上記の方法で得られた各種スプラウトの根の部分を上記溶液に25℃で16時間、光条件下で浸漬させDFAを吸収させた。比較例のスプラウトは溶液の代わりに水を用い同条件で処理した。スプラウト中のDFAの定量は、処理直後のスプラウトに適量炭酸カルシウムを加え破砕後、遠心分離により得られる上澄みを高速液体クロマトグラフィー(カラム:YMC−Pack ODS−AQ、溶離液:水、カラム温度:室温、検出:示差分析計)により分析を行った。含量はFW重量当たりの含量で示した。その結果を図1に示す。これより、比較例の各スプラウトでは一切DFAを含有していないのに対し、実施例のスプラウトでは、いずれのスプラウトでも十分な量のDFAを含有しており、本発明により、簡易、効率的にDFA含有スプラウトを生産できることが判る。また、同様にDFAは濃度依存的に植物体内に蓄積されることが分かる。尚、小豆、かいわれ大根、そばなど一部で見られる10%溶液での含量低下は、高浸透圧による植物体の損傷によるものと考えられる。
【0030】
実施例2
実施例1において、5%DFA溶液を用いて作成したDFA含有スプラウトを4℃、72時間保存後に、再度、DFAの定量を行った。作成直後と保存後のDFA含有を図2に示す。図2に示す結果から、吸収処理後の安定性は3日後においておよそ半数の植物種で8割以上残存すること、顕著な低下が見られた植物体においても完全な消滅は確認されないことが分かる。
【0031】
実施例3
小麦におけるDFAとミネラルの同時吸収効果を試験した。各スプラウトを実施例1と同様に栽培後、5%のDFA水溶液に、さらに5%CaCl2、5%MgSO4、または1%FeSO4となるようそれぞれ添加した溶液を調製し、これらの溶液にスプラウト根部を25℃、16時間浸漬した。 処理後のスプラウトを二分割し、一方は実施例1の方法でDFA 含量を測定した。他方には、水のみを加え破砕後、遠心分離により得られる上澄みのミネラル含量を富士ドライケム3500により測定した。結果を図3に示す。図3に示す結果から、DFAと同時にカルシウム、マグネシウム、鉄の塩を吸収させた場合、それらミネラル含量も増加すること、さらには、その際、DFAの吸収阻害はなく、単独で吸収させた場合とほぼ同量蓄積することが分かる。
【0032】
実施例3では、小麦を用いたが、小麦以外の他のスプラウト、例えば、キャベツ、ケール、レッドキャベツ、ブロッコリー、マスタード、かいわれ大根、ソバ、ダッタンそば、アルファルファ、小豆、大麦においても同様の結果が得られた。
【0033】
実施例4
フラクトオリゴ糖、ラフィノースの1%、5%または10%の水溶液を調製し、実施例1のDFA水溶液に代えこれら水溶液を用いる以外、実施例1と同じ方法で試験を行った。その結果、いずれの試験区においてもこれら糖質が全く検出できないか、出来ても極微量しか検出できなかった。
【0034】
以上の各実施例より、一般的な糖質では吸収と同時に分解されるなどして蓄積が確認できないのに対し、DFAは濃度依存的に植物内に蓄積されることが分かる。
このDFAの吸収作用は、植物体の蒸散による水ポテンシャル差を利用した道管を介した吸収、あるいはDFA含有水溶液中の浸透圧作用による吸収等に起因すると考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、野菜製造等の農業、食品分野に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】実施例1において得られたジフルクトース・ジアンヒドリドIII含有スプラウトのジフルクトース・ジアンヒドリドIII含有量の分析結果。
【図2】実施例2において得られたジフルクトース・ジアンヒドリドIII含有スプラウトの保存後のジフルクトース・ジアンヒドリドIII含有量の分析結果。
【図3】実施例3において得られたジフルクトース・ジアンヒドリドIIIとミネラルの同時吸収スプラウトのジフルクトース・ジアンヒドリドIII含有量の分析結果。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013