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発明の名称 魚釣用スピニングリール
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−151410(P2007−151410A)
公開日 平成19年6月21日(2007.6.21)
出願番号 特願2005−346927(P2005−346927)
出願日 平成17年11月30日(2005.11.30)
代理人 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦
発明者 松橋 学
要約 課題
広範囲の釣法に対応することができ、携帯に便利で低コストで製造することのできる魚釣用スピニングリールを提供すること。

解決手段
スプール16にドラグ力を付与する摩擦装置68をこのスプール16との間に配置してスプール軸34に着脱自在のドラグ保持部材58と、このドラグ保持部材58に代えてスプール16に取付けられ、スプール軸34に着脱自在のスプール保持部材80とを備え、このスプール保持部材80は、スプール16とスプール軸34との双方に回り止めされるスプール保持部80Aと、ドラグ保持部材58を抜け止めするスプール軸前部の抜け止め係合部35に、係脱部材61を介して抜け止め支持されるスプール支持部80Bとを有し、ドラグ力が作用可能なスプールとドラグ力が作用しないスプールとに、同一のスプール16を使分け可能とした魚釣用スピニングリール10。
特許請求の範囲
【請求項1】
ハンドルの回転操作で連動回転するロータに設けた釣糸案内部を介して釣糸が巻回されるスプールを、スプール軸の前部に着脱可能とした魚釣用スピニングリールであって、
前記スプールにドラグ力を付与する摩擦装置をこのスプールとの間に配置して前記スプール軸に着脱自在のドラグ保持部材と、このドラグ保持部材に代えて前記スプールに取付けられ、前記スプール軸に着脱自在のスプール保持部材とを備え、このスプール保持部材は、前記スプールとスプール軸との双方に回り止めされるスプール保持部と、前記ドラグ保持部材を抜け止めする前記スプール軸前部の抜け止め係合部に、係脱部材を介して抜け止め支持されるスプール支持部とを有し、ドラグ力が作用可能なスプールとドラグ力が作用しないスプールとに、同一のスプールを使分け可能としたことを特徴とする魚釣用スピニングリール。
【請求項2】
前記スプール保持部材は、スプール保持部とスプール支持部とが、別々に形成されている請求項1に記載の魚釣用スピニングリール。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンドルの回転操作で連動回転するロータに釣糸案内部を設け、この釣糸案内部を介してスプール軸の前部に取り付けたスプールに釣糸を巻回する魚釣用スピニングリールに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、魚釣用スピニングリールには、釣場条件に伴う使用糸の変更や新しい釣糸への交換を容易に行うことができるようにしたものがある。このような魚釣用スピニングリールとして、例えばスプールに取付けるキャップ筒にリングバネを設け、このリングバネをスプール軸に形成した係止頚部に嵌合させることでスプールをスプール軸に回り止め固定させ、このスプールを取り外す場合は、このキャップ内に摺動自在に配置した押釦筒を押圧することでリングバネと係止頚部との嵌合をワンタッチで解除してスプールを取外し可能としたものが開発されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、対象魚の種類や魚釣時における魚とのファイティングを伴う釣法における糸切れや口切れ対策としてスプールを摩擦制動しつつ回転可能とするドラグ装置を装備したスピニングリールも開発されている。このようなドラグ装置を装備したスピニングリールには、シャフトの定位置に可回動に嵌挿したスプールと、シャフトのネジ部に螺合したドラグノブとの間に層状にドラグワッシャを介在させ、ドラグノブによりスプールに対する摩擦制動力すなわちドラグ力を調節可能とするドラグ装置を装備したもの(例えば特許文献2参照)や、ドラグ装置を装備したスプールを軸受筒の外周に装着し、この軸受筒と共にドラグ装置を装備したスプールのユニットをスプール軸にワンタッチ操作で着脱できるようにしたものがある(例えば特許文献3参照)。
【特許文献1】実公平2−33668号公報
【特許文献2】実公昭55−39972号公報
【特許文献3】実開昭57−125270号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常、実際の釣り現場においては、スプールのドラグ装置を全く必要としない場合や、ロータの回転を制動するロータ制動装置を主に使用する釣法に際しては、スプールにドラグ装置を装備したスピニングリールを使用することなく、上述の特許文献1に記載されているようなスプール軸にスプールを回り止め固定しかつ容易に交換可能としたスプールを装備し、釣糸交換を容易に行うことができるスピニングリールが広く使用されている。
【0005】
一方、ドラグ装置を使用することが要求される条件で釣りを行う場合には、スプール軸にスプールが回り止めされていてドラグ装置を持たないスピニングリールと共に、ドラグ装置を装備したスピニングリールも別に持参する必要がある。このような複数の魚釣用リールを予め用意して持参することは、釣人にとって経済的な負担が増大すると共に、持運びに不便である。
【0006】
また、ドラグ装置を装備したスプールのユニットをスプール軸にワンタッチ操作で着脱できるスピニングリールは、その着脱部および回り止め部に独特の機構を用いるため、スプール自体に互換性がなく、スプールを交換する場合には、ドラグ装置を含むスプールのユニットの全体を交換する必要がある。このため、釣人の経済的な負担が増大する。
【0007】
更に、このようなスプールのユニットの全体を着脱可能としたスピニングリールは、その製造面においても、ドラグ装置の有無によって設計段階からスプールを別々に製作する必要があり、コスト面に加え、資源および環境の面からも好ましいものではない。
【0008】
本発明は、このような事情に基づいてなされたもので、一つのスプールでドラグ装置を装備したスプールとドラグ装置を装備しないスプールとを兼用することにより、極めて広範囲の釣法に対応することができ、携帯に便利で低コストで製造することのできる魚釣用スピニングリールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明によると、ハンドルの回転操作で連動回転するロータに設けた釣糸案内部を介して釣糸が巻回されるスプールを、スプール軸の前部に着脱可能とした魚釣用スピニングリールであって、前記スプールにドラグ力を付与する摩擦装置をこのスプールとの間に配置して前記スプール軸に着脱自在のドラグ保持部材と、このドラグ保持部材に代えて前記スプールに取付けられ、前記スプール軸に着脱自在のスプール保持部材とを備え、このスプール保持部材は、前記スプールとスプール軸との双方に回り止めされるスプール保持部と、前記ドラグ保持部材を抜け止めする前記スプール軸前部の抜け止め係合部に、係脱部材を介して抜け止め支持されるスプール支持部とを有し、ドラグ力が作用可能なスプールとドラグ力が作用しないスプールとに、同一のスプールを使分け可能とした魚釣用スピニングリールが提供される。
【0010】
前記スプール保持部材は、スプール保持部とスプール支持部とは、別々に形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の魚釣用スピニングリールによると、スプールとの間に摩擦装置を配置するドラグ保持部材と、摩擦装置を持たないスプール保持部材とを、必要に応じて選択することができ、これにより、1つの魚釣用スピニングリールでドラグ力が作用可能なスプールとドラグ力が作用しないスプールとを一つのスプールで実現することができ、極めて広範囲の釣法に対応することができる携帯に便利な魚釣用スピニングリールを、低コストで製造することができる。
【0012】
スプール保持部材のスプール保持部とスプール支持部とが別々に形成される場合には、スプール軸に対する回り止め支持や係脱部材の収容等の、必要な機能に適合した材料を最適なものに設定することができ、強度および支持の安定化を図りながらスプールおよびその内部部材を含むユニットの全体を軽量化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1から図8は、本発明の好ましい実施形態による魚釣用スピニングリール10を示す。
図1にその全体を示すように、本実施形態の魚釣用スピニングリール10は、剛性構造のリールボディの一側に固定される着脱可能の蓋体(図示しない)でその内部空間を閉じたリール本体12を有し、このリール本体12から上方に延出する脚部12aの端部に形成された竿取付部12bを介して釣竿に取り付けられる。このリール本体12の内部空間内に、ロータ14を回転駆動してスプール16に釣糸を巻回するための巻取駆動機構18と、スプール16を前後に往復動させるスプール往復動装置20とが設けられている。
【0014】
本実施形態の巻取駆動機構18は、リール本体12内に回転可能に支持されてハンドル22で回転されるハンドル軸24に固定された駆動歯車26と、この駆動歯車26に噛合するピニオンギヤ28とを備える。ハンドル軸24は、リール本体12のリールボディと蓋体とにそれぞれ支えられた2つの軸受で回転自在に支えられる。このハンドル軸24および駆動歯車26で駆動されるピニオンギヤ28は、ハンドル軸24に対して直交する前後方向に延びかつリール本体12に対して回転自在に支持されている。このピニオンギヤ28に、ベール30および釣糸案内部32を備えたロータ14が一体的に取り付けられており、ハンドルの回転操作で連動回転する。
【0015】
このピニオンギヤ28内を、スプール軸34が貫通し、ハンドル軸24と直交する方向に延在している。このスプール軸34は、ピニオンギヤ28と同心的に配され、このピニオンギヤ28およびリール本体12に対してハンドル軸24と直交する方向に沿って前後動することができる。このスプール軸36の先端部に、釣糸が巻回されるスプール16が取り付けられる。
【0016】
スプール16を前後方向に往復動するスプール往復動装置20は、ピニオンギヤ28に噛合する連動歯車38で回転駆動されるカム軸40を有し、このカム軸で前後方向に移動される摺動体42がスプール軸34の後端に取付けられている。ハンドル軸24が回転されると、ピニオンギヤ28および連動歯車38を介して回転駆動されるカム軸40により、摺動体42およびこの摺動体が取付けられたスプール軸34が、ロータ14と同期して前後方向に往復動される。
【0017】
このように形成された魚釣用スピニングリール10は、ハンドル22を回転操作してハンドル軸24を回転させると、スプール往復動装置20の摺動体42に取付けられたスプール軸34を介してスプール16が前後に往復動し、一方、巻取駆動機構18の駆動歯車26とピニオンギヤ28とを介してロータ14が回転駆動される。したがって、スプール16の胴部16bには、釣糸案内部32で案内された釣糸がスプール16上にほぼ均等に巻回される。
【0018】
更に、ロータ14は、公知のように、例えば特許第3515895号に開示されているような、スプール16のスカート部16a内に配置される筒部内に、このロータ14の回転状態を、逆転防止状態と正逆転可能状態とに切換える逆転防止機構(図示しない)を設けてあり、脚部12aに設けたレバー44により、ロータ14釣糸巻取方向(正転方向)および釣糸繰出方向(逆転方向)に自由に回転できる正逆転可能状態と、正転方向にのみ回転可能な逆転防止状態とに切換えることができる。また、このレバー44は上方すなわち竿取付部12bの方向に操作することにより、この操作量に応じてロータ14を制動することができる。
【0019】
図2および図3に示すように、スプール16は、釣糸が巻回される胴部16bを外周部に凹設し、この胴部16bの両端側に上述のスカート部16aと鍔部16cとを配置した筒状構造に形成してある。また、この胴部16bの軸方向のほぼ中央部の内側には、スプール軸34に装着するための貫通孔46を軸心と同心状に配置した支持壁48を一体に形成してある。この支持壁48のスカート部16a側からは、例えば六角形状である非円形内周面を有する筒状構造の回り止め嵌合部50が突出する。更に本実施形態では、この支持壁48からは、スカート部16a側および鍔部16c側にそれぞれ円筒状のリブ52,54が突出する。これらの嵌合部50とリブ52,54は貫通孔46と同心状に形成されている。また、スカート部16a側のリブ52の内周面には、後述するドラグ保持部材58に取り付け固定された弾発発音部材に係合し、スプール16が回転したときに、クリック音を発生させる凹凸面を形成するのが好ましい。このようなスプール16は、その全体を例えば合成樹脂等で形成し、その外周面に金属メッキ等を施すことで、軽量構造でかつ傷付き難くすることができる。
【0020】
このスプール16は、ドラグ装置56を備えた筒状構造のドラグ保持部材58を介してスプール軸34に取付けられ、スプール16に制動力を付与しながらスプール16の釣糸繰り出し方向への回転を許容する(スプールの回転力を制御する)ことができる。このドラグ保持部材58は、基端側フランジ部58aの端部に形成した溝部58cに嵌合するスプール軸34に固定されたピン17を介して、スプール軸34上に回り止めされると共に、このピン17により、基端側すなわちリール本体12側への移動を阻止される。また、このドラグ保持部材58の先端側は、スプール軸34の前部に形成した周溝あるいは係止頚部を有する抜け止め係合部35に、係脱部材60を介して抜け止め支持されている。
【0021】
図4に例示するように、係脱部材60は湾曲部60aとこの湾曲部の一端から他端側に向けて平坦状部60bが延びる略D字状の板バネを有してもよく、この場合には、ドラグ保持部材58の前部に、係脱部材60の湾曲部が嵌合される周溝59aと、この筒状のドラグ保持部材58の軸方向孔58bに連通すると共に周溝59aに連続するスロット59bとを形成し、このスロット59bから軸方向孔58b内に延びる平坦状部60bをスプール軸34の溝すなわち抜け止め係合部35に嵌合させることにより、このドラグ保持部材58をスプール軸34に抜け止め支持することができる。
【0022】
更に、このドラグ保持部材58の先端側には、係脱部材60の平坦状部60bに係合してこの平坦状部60bを抜け止め係合部35から脱出させることができる傾斜面62aを一側に形成し、バネ受として作用するフランジ部62bを外周部に形成した解除ボタン62を付勢バネ64と共に配置しておくことが好ましい。この解除ボタン62を、付勢バネ64の付勢力に抗して押圧すると、スプール軸34の先端部をこの解除ボタン62内に収容しつつ、外周部の傾斜面62aが係脱部材60の平坦状部60bを外方に押圧して抜け止め係合部35から脱出させる。これにより、スプール16と共にドラグ保持部材58をスプール軸34から抜去することができる。逆に、スプール16をドラグ保持部材58と共にスプール軸34に装着する場合は、スプール軸34の先端をドラグ保持部材58の内孔58a内に挿入する。このとき、スプール軸34の先端頭部に形成された円錐状面が係脱部材60の平坦状部60bを押し広げ、抜け止め係合部35に対応した位置に達すると、この平坦状部60bがこれに嵌合する。これにより、スプール16に取付けられたドラグ保持部材58がスプール軸34に装着される。
【0023】
図2に示すように、スプール軸34に着脱自在のドラグ保持部材58に設けられたドラグ装置56は、ドラグ保持部材58の先端外周部に螺合されるドラグ調節ツマミ66と、スプール16の鍔部16c側に開口するリブ54内に配置した摩擦装置68と、ドラグ保持部材58のフランジ部58aで支えられた圧接板70にこの摩擦装置86を押圧する押圧板72とを備える。この押圧板72は、ドラグ保持部材58に回り止めされた状態で軸方向に移動可能に装着してあり、本実施形態ではスプール16に回り止めされた摩擦装置68を介して圧接板70との間で、スプール16の支持壁48を挟み込み、ドラグ保持部材58およびスプール軸34に対するスプール16の摩擦結合力を形成する。この摩擦装置68に対する押圧板72の押圧力は、ドラグ調節ツマミ66と押圧板72との間に配置した圧縮バネ74の付勢力で形成され、この押圧力はドラグ調節ツマミ66で調節することができる。
【0024】
この摩擦装置68は、内周部をドラグ保持部材58に回り止めされた金属製の軸側摩擦板76aと、外周部をスプール16に回り止めされたスプール側摩擦板76bとを有する多板構造に形成されている。軸側摩擦板76aおよびスプール側摩擦板76bはそれぞれ2枚以上設けてもよく、これらの軸側摩擦板76aとスプール側摩擦板76bとは交互に配置され、互いに対向する摩擦係合面間には、ライニング材78が介挿される。いずれの場合も、軸側およびスプール側の摩擦板86a,76bのそれぞれはドラグ保持部材58およびスプール16に対して軸方向に移動可能に設けられ、圧縮バネ74の付勢力に応じた摩擦力を形成する。必要な場合には、上述の圧接板70および押圧板72と共にこれらの摩擦板76a,76bをスプール16から取外すことができる。
【0025】
このように、摩擦装置68は、スプール16とスプール軸34に着脱自在のドラグ保持部材58との間に配置され、釣糸を介してスプール16を回転させる力が作用したときに、ドラグ調節ツマミ66で調節された押圧力に応じたドラグ力でスプール16を制動しつつ、スプール軸34およびドラグ保持部材58に対してスプール16を回転させることができる。これにより、魚とのファイティング中の糸切れや魚の口切れを防止することができる。
【0026】
一方、上述のようなドラグ装置56を必要としない場合は、ドラグ保持部材58の先端に設けられた解除ボタン62を押圧し、係脱部材60とスプール軸34の前部に設けられた抜け止め係合部35との係合を解除する。これにより、スプール16はドラグ保持部材58およびドラグ装置56と共にスプール軸34から抜出すことができる。
【0027】
スプール軸34から抜去したスプール16から、ドラグ調節ツマミ66をドラグ保持部材58の先端ねじ部から取外し、ドラグ保持部材58および圧接板70をスカート部16a側に抜出すと、摩擦装置68および押圧板72もスプール16から外れ、図3に示すスプール16のみの状態となる。スプールから分離したドラグ装置56は、ドラグ保持部材58上に組上げておくことにより、各部材が紛失するのを防止することができる。
【0028】
このように、ドラグ装置58を取外したスプール16は、スプール軸34に回り止めおよび抜け止めした状態で、再度装着することができる。
図5から図8に示すように、本実施形態の魚釣用スピニングリール10は、上述のドラグ保持部材58に代えてスプール16に取付けることができるスプール保持部材80を備える。このスプール保持部材80は、上述のドラグ保持部材58と同じく、スプール軸34にワンタッチ操作で装着し、ワンタッチ操作で取外すことができるようになっている。
【0029】
図5の(A)に示すように、本実施形態のスプール保持部材80は、スプール16とスプール軸34との双方に回り止めされるスプール保持部80Aと、上述のスプール軸34の前部に形成した抜け止め係合部35に抜け止め支持されるスプール支持部80Bとで形成してある。このスプール保持部80Aは、スプール軸34を挿通可能な中央孔81aと、スプール16に形成した筒状構造の嵌合部50の内周面に対応する非円形外周面81b(図5の(B)参照)とを設けたボディ部82を有し、このボディ部82および嵌合部50を介してスプール保持部材80とスプール16とを回り止めすることができる。また、このボディ部82は、嵌合部50を超えて突出する端部に、上述のスプール軸34に設けたピン17が嵌合する嵌合溝83を有し、このボディ部82と、嵌合溝83に嵌合するピン17とを介してスプール保持部材80とスプール軸34とを回り止めすることができる。
【0030】
更に、スプール保持部80Aのボディ部82からは、スプール16の貫通孔46に挿通される首部84が突出し、この首部84の外周部に形成した雄ねじ84aを介してスプール支持部80Bを一体化することができる。このスプール支持部80Bは、一端側の内周部に雌ねじ88aを形成し、他端側に係脱部材60A(図7および図8参照)を支える受部86を形成した筒状部88を有し、この筒状部88の一端側の雌ねじ88aと首部84の雄ねじ84aとを螺合することにより、ボディ部82と筒状部88の外周に突出するフランジ部85とでスプール16の支持壁48を挟持し、図6に示すようにスプール16とスプール保持部材80とを一体的に組立てることができる。
【0031】
図6から図8に組立てた状態で示すように、本実施形態のスプール保持部材80は、係脱部材60Aを受入れる受部86を筒状部88よりも大径の中空構造に形成し、スプール16の鍔部16cから軸方向外方に突出する開口端側の内周面には雌ねじ部89を形成してある。このスプール保持部材80の受部86は、筒状部88に近接した端壁部に、例えばワイヤバネでもよい係脱部材61Aが嵌合される浅溝87を有し、雌ねじ部89に螺合される押圧部材90が板状の押え部材92を介して、係脱部材61をこの浅溝87内に保持する。この押圧部材90は中空構造に形成してあり、スプール軸34の抜け止め係合部35と係脱部材61との係合を解除する解除ボタン94がこの押圧部材90内に配置されている。
【0032】
この係脱部材61および解除ボタン94は、スプール軸34の抜け止め係合部35を介してスプール保持部材80およびスプール16をスプール軸34上に保持し、ワンタッチ操作で取外すことができるものであれば適宜の構造に形成することができる。本実施形態の係脱部材61は、C字状の湾曲部61aと、この湾曲部61aの間隙を挟んで対向する2つの端部から内方に略平行に延びる2つの直線状部61bとを有し、湾曲部61aを受部86の端壁部と押え部材92との間に保持された状態で、2つの直線状部61bをスプール軸34の抜け止め係合部35に嵌合させることができる。
【0033】
また、解除ボタン94は、係脱部材61の2つの直線状部61bのそれぞれに係合可能な傾斜面94aをその軸方向の中間位置に有し、フランジ部94bを軸方向外側に形成してある。これらの傾斜面94aを係脱部材61の直線状部61bに係合させることにより、直線状部61bの付勢力で解除ボタン94が受部86から離隔する方向に付勢され、外側端部に形成されたフランジ部94bが押圧部材90のフランジ部90aに係合した状態に保持される。
【0034】
このようにスプール保持部材80をスプール16に装着し、更に、係脱部材61と押え部材92とを押圧部材90で受部86に保持させ、この係脱部材61で解除ボタン94を保持させた後、このスプール保持部材80を図7に示すようにスプール軸34に装着することにより、ドラグ装置無しの状態の魚釣用スピニングリールとして使用することができる。そして、上述のドラグ装置56を装着したスプール16と交換する場合は、解除ボタン94をスプール16側に押圧し、係脱部材61をスプール軸34の抜け止め係合部35から脱出させて、図8に示すようにスプール軸34を抜き出す。
【0035】
このように形成された魚釣用スピニングリール10は、スプール16との間にドラグ装置56の摩擦装置68を配置するドラグ保持部材58と、このような摩擦装置を持たないスプール保持部材80とを、必要に応じて選択することができ、これにより、1つの魚釣用スピニングリール16でドラグ力が作用可能なスプール16、あるいは、ドラグ力が作用しないスプール16を一つのスプール16で実現することができ、極めて広範囲の釣法に対応することができる携帯に便利な魚釣用スピニングリールを、低コストで製造することができる。しかも、このスプール軸34に対する着脱がワンタッチの操作で行うことができるため、魚釣の現場でも極めて迅速かつ容易に行うことができる。
【0036】
特に、スプール保持部材80がスプール保持部80Aとスプール支持部80Bとを別々に形成する場合には、スプール軸34に対する回り止め支持や係脱部材61の収容等の、必要な機能に適合した材料を最適なものに設定することができ、強度および支持の安定化を図りながらスプール16およびその内部構造を含む全体のユニットを軽量化することができる。例えば、スプール保持部80Aは、スプール軸34にスプール16を回り止めするための強度面の理由から金属材料で形成し、スプール支持部80Bはスプール軸34にスプール16を着脱する係脱部材61、解除ボタン94、押圧部材90等の着脱用部材の装着面の理由から合成樹脂材料で形成することも可能となる。
【0037】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明してきたが、本発明は上述の実施形態に限るものではなく、例えば、スプール保持部材80を一体構造に形成することも可能であり、係脱部材60,61および解除ボタン62,94をそれぞれ同様な構造に形成してもよい。また、これらの解除ボタン62,94の外部に露出する形状を異なるものとして、ドラグ装置56を内包したスプール16とドラグ装置を持たないスプール16とを容易に識別可能に形成してあるが、同じ外部形状に形成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の好ましい実施形態による魚釣用スピニングリールの説明図。
【図2】ドラグ保持部材を介してスプール軸にスプールを装着した状態の断面図。
【図3】スプールの内部構造を示す断面図。
【図4】図2のドラグ保持部材をスプール軸に抜け止めする係脱部材および解除ボタンの説明図。
【図5】スプール保持部材とスプールとの関係を示し、(A)は分解図、(B)はスプール支持部のB−B線に沿う説明図。
【図6】スプール保持部材をスプールに取付けた状態の断面図。
【図7】スプール保持部材を装着したスプールをにスプール軸に装着した状態の断面図。
【図8】スプール軸からスプールを分離した状態の説明図。
【符号の説明】
【0039】
10…魚釣用スピニングリール、14…ロータ、16…スプール、22…ハンドル、32…釣糸案内部、34…スプール軸、35…抜け止め係合部、58…ドラグ保持部材、68…摩擦装置、80…スプール保持部材、80A…スプール保持部、80B…スプール支持部。




 

 


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