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発明の名称 魚釣用電動リール
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−143447(P2007−143447A)
公開日 平成19年6月14日(2007.6.14)
出願番号 特願2005−340291(P2005−340291)
出願日 平成17年11月25日(2005.11.25)
代理人 【識別番号】100097559
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 浩司
発明者 寺内 孝
要約 課題
リール本体の小型化が図れると共に、スプールフリー性能の向上を可能とした魚釣用電動リールを提供する。

解決手段
本発明の魚釣用電動リールは、釣糸が巻回されるスプール7を、リール本体5に設けた駆動モータ8及び手動ハンドル6で巻取り駆動可能にすると共に、スプール7を動力伝達状態と動力遮断状態に切り換えるクラッチ機構18を備えている。そして、スプール7の両側部をリール本体5に回転可能に支持すると共に、スプール7の一側部に形成した係止部7hに、駆動モータ8及び手動ハンドル6で回転しかつ軸方向に移動可能なクラッチ作動部材40に形成した係合部40aを係脱可能としたことを特徴とする。
特許請求の範囲
【請求項1】
釣糸が巻回されるスプールをリール本体に設けた駆動モータ及び手動ハンドルで巻取り駆動可能にすると共に、前記スプールを動力伝達状態と動力遮断状態に切り換えるクラッチ機構を備えた魚釣用電動リールにおいて、
前記スプールの両側部を前記リール本体に回転可能に支持すると共に、前記スプールの一側部に形成した係止部に、前記駆動モータ及び手動ハンドルで回転しかつ軸方向に移動可能なクラッチ作動部材に形成した係合部を係脱可能としたことを特徴とする魚釣用電動リール。
【請求項2】
前記クラッチ作動部材は、前記駆動モータ及び手動ハンドルによって回転駆動される回転体に、軸方向に移動可能に回り止め嵌合されていることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用電動リール。
【請求項3】
前記回転体は、動力伝達用のベルトが巻回されて動力伝達することを特徴とする請求項2に記載の魚釣用電動リール。
【請求項4】
リール本体に対し軸受を介して回転可能に支持されるスプールと、前記リール本体に設置され、前記スプールを回転駆動する駆動モータ及び手動ハンドルと、前記駆動モータ及び手動ハンドルによる回転駆動力を前記スプールに伝達する動力伝達機構と、この動力伝達機構を動力伝達状態/動力遮断状態に切り換えるクラッチ機構と、を有する魚釣用電動リールであって、
前記動力伝達機構は、前記駆動モータの出力軸上に配設される遊星歯車機構と、この遊星歯車機構の遊星歯車が噛合する内歯を備えた出力回転体と、この出力回転体に連動して回転駆動される入力回転体と、この入力回転体に回り止めされて一体回転すると共に前記クラッチ機構によって軸方向に移動されるクラッチ作動部材と、を有し、
前記スプールの両側部には、前記リール本体との間に介在される軸受を装着する軸受装着部が設けられると共に、スプールの一側部には、前記クラッチ作動部材の係合部が係脱する係止部が設けられることを特徴とする魚釣用電動リール。
【請求項5】
前記出力回転体と入力回転体は、動力伝達用のベルトが巻回されて連結されることを特徴とする請求項4に記載の魚釣用電動リール。
【請求項6】
前記スプールは、釣糸巻回胴部の内側に、電装部品が収容可能な空洞部が形成されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の魚釣用電動リール。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、リール本体に回転自在に支持されたスプールを回転駆動する駆動モータを備えると共に、リール本体の一側に設けた手動ハンドルの回転操作でスプールを巻取り駆動する魚釣用電動リールに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、魚釣用電動リールは、リール本体に設けられた駆動モータの動力を、遊星歯車機構からなる減速機構を介してスプールに動力伝達するよう構成されている。一般的に、動力伝達経路には、スプールを釣糸巻取り状態と釣糸放出状態(スプールフリー状態)の両状態に切り換えるクラッチ機構が配設されている。また、リール本体には、駆動モータによる電動駆動だけではなく、手動操作でスプールの巻取り駆動ができるように手動ハンドルが設けられており、この手動ハンドルによって入力された巻取り駆動力は、前記動力伝達経路に設けられたクラッチ機構を介してスプールに伝達されるようになっている。
【0003】
ところで、魚釣用電動リールでは、上記したように、スプールの動力伝達経路に遊星歯車からなる減速機構が介在されているため、クラッチ機構を釣糸放出状態(スプールフリー状態)に切り換えても(クラッチOFF)、遊星歯車等の一部の歯車もスプールと一緒に連動回転してしまい、歯車の噛み合いによる回転摩擦抵抗が発生してフリー性能が劣り、仕掛けを速やかに繰出せない課題が残されていた。
【0004】
そこで、このような課題を解決すべく、特許文献1には、駆動モータの駆動連結機構を手動ハンドルからスプールへの駆動連結機構中に直列に介在させ、手動ハンドル連結機構とスプールとの連結を遮断してスプールの回転摩擦抵抗を少なくした魚釣用電動リールが開示されている。
【特許文献1】特開2002−145号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した特許文献1に開示されている魚釣用電動リールは、スプール内部にスプール軸を含む動力伝達部や支持部を内装しており、前記ハンドルの回転駆動力、及び駆動モータの回転駆動力を、スプール軸を介してスプールに伝達する構成であることから、リール本体のスプール軸方向長が大きくなって小型化できないという問題がある。また、通常、スプール軸は、ステンレス系の材料によって構成されていることから、スプール構成部材が重量化してしまい、スプールのフリー回転性の向上には限界がある。
【0006】
本発明は、上記した問題に基づいてなされたものであり、リール本体の小型化が図れると共に、スプールフリー性能の向上を可能とした魚釣用電動リールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した目的を達成するために、本発明に係る魚釣用電動リールは、釣糸が巻回されるスプールをリール本体に設けた駆動モータ及び手動ハンドルで巻取り駆動可能にすると共に、前記スプールを動力伝達状態と動力遮断状態に切り換えるクラッチ機構を備えており、前記スプールの両側部を前記リール本体に回転可能に支持すると共に、前記スプールの一側部に形成した係止部に、前記駆動モータ及び手動ハンドルで回転しかつ軸方向に移動可能なクラッチ作動部材に形成した係合部を係脱可能としたことを特徴とする。
【0008】
上記した構成によれば、スプールがリール本体に対して回転可能に支持されており、クラッチ機構によって動力遮断状態にすると、クラッチ作動部材がスプールの係止部から離れて、釣糸の放出に伴ってスプールのみが回転するようになる。この場合、スプールは、リール本体に対して回転可能に支持されることから、スプール軸を設置する必要がなくなって軽量化が図れ、スプールのフリー回転性の向上が図れるようになる。
【0009】
また、上記した目的を達成するために、本発明に係る魚釣用電動リールは、リール本体に対し軸受を介して回転可能に支持されるスプールと、前記リール本体に設置され、前記スプールを回転駆動する駆動モータ及び手動ハンドルと、前記駆動モータ及び手動ハンドルによる回転駆動力を前記スプールに伝達する動力伝達機構と、この動力伝達機構を動力伝達状態/動力遮断状態に切り換えるクラッチ機構と、を有しており、前記動力伝達機構は、前記駆動モータの出力軸上に配設される遊星歯車機構と、この遊星歯車機構の遊星歯車が噛合する内歯を備えた出力回転体と、この出力回転体に連動して回転駆動される入力回転体と、この入力回転体に回り止めされて一体回転すると共に前記クラッチ機構によって軸方向に移動されるクラッチ作動部材と、を有し、前記スプールの両側部には、前記リール本体との間に介在される軸受を装着する軸受装着部が設けられると共に、スプールの一側部には、前記クラッチ作動部材の係合部が係脱する係止部が設けられることを特徴とする。
【0010】
上記した構成によれば、スプールは、スプールの両側部に設けられる軸受装着部とリール本体との間に介在される軸受によって回転可能に支持されており、クラッチ機構によって動力遮断状態にすると、クラッチ作動部材がスプールの係止部から離れて、動力伝達機構を構成する遊星歯車機構からの回転抵抗が加わることなく、釣糸の放出に伴ってスプールのみが回転するようになる。この場合、スプールは、軸受装着部及び軸受を介してリール本体に対して回転可能に支持されることから、スプール軸を設置する必要がなく、軽量化が図れ、スプールのフリー回転性の向上が図れるようになる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の魚釣用電動リールによれば、スプール内部にスプール軸を含む動力伝達部や支持部を内装する必要が無くなり、これによってリール本体の小型化が図れると共に、スプールフリー性能の向上が図れるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0013】
図1から図3は、本発明に係る魚釣用電動リールの第1の実施形態を示しており、図1は、内部構造を示した平面図、図2及び図3は、図1の主要部を拡大して示す図であり、図2は、動力伝達状態(クラッチON)を示す図、図3は、動力遮断状態(クラッチOFF)を示す図である。
【0014】
本実施形態の魚釣用電動リール1は、左右のフレーム3a,3bに外側板4a,4bを取着して構成されるリール本体5を備えている。リール本体5を構成する一方の側板(右側板4b)側には、巻取り操作される手動ハンドル6が設けられており、リール本体5を構成する左右のフレーム3a,3b間には、釣糸が巻回されるスプール7が回転可能に支持されている。また、前記スプール7の前方側における左右のフレーム間には、駆動モータ8が保持されており、前記スプール7は、前記手動ハンドル6の巻取り操作、及び駆動モータ8の回転駆動によって、後述する動力伝達機構を介して釣糸巻取り方向に回転駆動される。
【0015】
前記スプール7は、略円筒形状に形成されており、釣糸が巻回される釣糸巻回胴部7aを備えている。釣糸巻回胴部7aの両端には、巻回される釣糸を規制するフランジ7b,7cが形成されると共に、釣糸巻回胴部7aの内側には、空洞部7dが形成されている。この場合、空洞部7dは、従来技術のように、左右のフレーム3a,3b間に回転自在に支持されるスプール軸(スプール7を支持してスプールと共に回転する部材)が配設されることのない空間であり、スプールを軽量化してフリー回転性能を向上させている。なお、この空洞部7dは、後述する実施形態のように、電源ユニットや基板等の電装部品を設置する空間として利用しても良い。
【0016】
また、スプール7の両側部(側端面)には、軸方向に突出する軸受装着部7e,7fが形成されている。この軸受装着部7e,7fは、スプールと共に一体形成しても良いし、別体として構成してスプールに一体化されるものであっても良く、環状に構成されて、左右のフレーム3a,3bとの間で軸受10a,10bを介在させる機能を有する。
【0017】
さらに、スプール7の一側部(右側板側の端面)には、後述するクラッチ作動部材40が係脱するように係止部7hが形成されている。この係止部7hは、前記軸受装着部7fの径方向内側に形成されており、クラッチ作動部材40の一端側に形成された係合部40aと係合して、クラッチ作動部材40の回転と共にスプール7を一体回転させるようになっている。このため、係止部7hは、クラッチ作動部材40とスプール7が一体回転するように動力伝達部としての機能を備えており、例えば、断面非円形状の凹部、凸部、凹凸部等によって構成される。
【0018】
以上のように、スプール7は、その中心部にスプール軸を装着することなく、その両端部が、リール本体である左右のフレーム3a,3b間に回転可能に支持される。
【0019】
前記スプール7には、動力伝達機構12を介して、前記手動ハンドル6及び駆動モータ8からの回転駆動力が入力されるようになっている。この場合、動力伝達機構12は、駆動モータ8の回転駆動を減速する減速機構15、及び動力伝達機構12における動力伝達を、動力伝達状態と動力遮断状態に切り換えるクラッチ機構18を備えた構成となっている。以下、これら動力伝達機構12、減速機構15及びクラッチ機構18の構成について説明する。
【0020】
本実施形態の動力伝達機構12は、リール本体4の右フレーム4b側に集約して設置されており、前記手動ハンドル6を回転可能に支持するハンドル軸6a、ハンドル軸6aに装着される駆動歯車6b、駆動歯車6bに噛合すると共に前記減速機構15に連結される連結歯車20、減速機構15とクラッチ機構18との間に介在される中間歯車22とを備えている。
【0021】
前記減速機構15は、並設される遊星歯車機構によって駆動モータ8の回転駆動力を減速するように構成されており、駆動モータ8の駆動軸8aに並設される第1太陽歯車30及び第2太陽歯車31に、それぞれ噛合する第1遊星歯車32及び第2遊星歯車33を備えている。この場合、第1太陽歯車30は駆動軸8aに固定され、第2太陽歯車31は、フリー回転可能となっている。各遊星歯車32,33は、出力回転体35に形成される内歯35aに噛合しており、第1遊星歯車32を支持する第1キャリヤ32aは、前記第2太陽歯車31に連結固定されている。また、第2遊星歯車33を支持する第2キャリヤ33aは、前記連結歯車20に連結固定されている。
【0022】
前記ハンドル軸6aには、逆転防止機構6cが設けられており、駆動モータ8が回転駆動された際、手動ハンドル6の連動回転を阻止するようになっている。なお、本実施形態の逆転防止機構6cは、ハンドル軸6aに装着される逆転防止用ラチェットとして構成されているが、一方向クラッチによって構成しても良い。また、前記駆動モータ8の駆動軸8aの左側板側の突出部分には、手動ハンドル6を巻取り操作した際に空回りしないように、かつスプール7側に動力が伝達されるように一方向クラッチ8dが装着されている。
【0023】
前記減速機構15を構成する出力回転体35には、その外周面に外歯35bが形成されており、この外歯35bは前記中間歯車22に噛合されている。そして、この中間歯車22には、前記出力回転体35と連動して回転駆動されると共に、前記クラッチ機構18と関連する歯車(入力回転体)39が噛合している。
【0024】
前記クラッチ機構18は、一対の軸受41を介して右フレーム3b及び右側板4b間に回転可能に支持されると共に、軸方向に沿って移動可能に支持された軸状のクラッチ作動部材40と、このクラッチ作動部材40に係合する作動板42と、作動板42に係合してクラッチ作動部材40を軸方向に移動させるクラッチプレート43と、クラッチプレート43を回動駆動する操作レバー(クラッチレバー)45とを備えている。なお、前記歯車39の内部の非円形内周部には、クラッチ作動部材40の一側に形成した非円形外周部が回り止め嵌合されている。
【0025】
前記クラッチ作動部材40のスプール側には、前記スプールに形成された係止部7hに嵌合する係合部40aが形成されている。係合部40aと係止部7hとは、上述したように断面非円形状の嵌合関係となり、両者の嵌合時においては、クラッチ作動部材40が回転駆動することでスプール7は一体回転する。
【0026】
前記作動板42は、クラッチ作動部材40の中間部に装着されて、クラッチ作動部材40を常時スプール側に向けて付勢しており、この状態で、図2に示すように、クラッチ作動部材40の係合部40aとスプール7の係止部7hが嵌合して動力伝達状態となる(クラッチON)。そして、操作レバー45を回動操作すると、前記クラッチプレート43の端部に形成した係合長孔43bに操作レバー45と一体回転する作動体45aの偏芯突部45bが係合してクラッチプレート43をクラッチ作動部材40の軸心側へスライドさせ、その表面に設けられたカム部材43aが作動板42を付勢力に抗して押し上げ、クラッチ作動部材40を右側板側に向けてスライドさせる。この状態でクラッチ作動部材40の係合部40aは、係止部7hから外れ、図3に示すように、動力伝遮断状態となる(クラッチOFF)。なお、クラッチOFF状態からクラッチON状態への復帰は、公知の復帰機構によって手動ハンドル6の巻取り操作、或いは操作レバー45の回動操作等によって成される。
【0027】
次に、上記した動力伝達機構12によって、手動ハンドル6及び駆動モータ8の駆動力の動力伝達経路について、図1、図4及び図5を参照して説明する。
【0028】
図4は、手動ハンドル6を回転操作した際の動力伝達経路を示す図であり、回転駆動力が出力される駆動モータ側の遊星歯車機構を示した模式図である。
手動ハンドル6を巻取り操作すると、駆動歯車6bは、図4において、時計回り方向に回転駆動され、この回転駆動力は、連結歯車20を反時計回り方向に回転させて第2キャリヤ33aを反時計回り方向に回転させる。このとき第2太陽歯車31は反時計回り方向に回転駆動され、これに伴って第1キャリヤ32aも反時計回り方向に回転駆動される。第1キャリヤ32aが反時計回り方向に回転する際、第1太陽歯車30も反時計回り方向に回転しようとするが、駆動モータ8の駆動軸8aに装着された一方向クラッチ8dによって第1太陽歯車30は、反時計回り方向に回転することはできず、結果として、第1遊星歯車32は第1太陽歯車30の回りを反時計回り方向に公転しながら自転する。これにより、出力回転体35は、各第1遊星歯車32によって減速された状態で反時計回り方向に回転駆動される。
【0029】
そして、出力回転体35の反時計回り方向の回転は、中間歯車22を介して歯車(入力回転体)39を反時計回り方向に回転させ、前記スプール7は、歯車39に回り止めされるクラッチ作動部材40を介して釣糸巻取り方向に回転駆動される。
【0030】
図5は、駆動モータ8を回転操作した際の動力伝達経路を示す図であり、回転駆動力が出力される手動ハンドル側の遊星歯車機構を示した模式図である。
駆動モータ8を回転駆動すると、第1太陽歯車30は、図5において、時計回り方向に回転駆動され、この回転駆動力により、第1キャリヤ32aは時計回り方向に回転駆動される。このとき第2太陽歯車31も時計回り方向に回転駆動され、これに伴って第2キャリヤ33aも時計回り方向に回転駆動しようとするが、第2キャリヤ33aは、連結歯車20を介して、駆動歯車6bに装着された逆転防止機構6bによって時計回り方向に回転することはできず、結果として、第2遊星歯車33は反時計回り方向に自転する。これにより、出力回転体35は、各第2遊星歯車33の自転によって減速された状態で反時計回り方向に回転駆動される。
【0031】
そして、出力回転体35の反時計回り方向の回転は、上記した手動ハンドル6の場合と同様、中間歯車22を介して歯車(入力回転体)39を反時計回り方向に回転させ、前記スプール7は、歯車39に回り止めされるクラッチ作動部材40を介して釣糸巻取り方向に回転駆動される。
【0032】
上述したように、手動ハンドル6の巻取り操作、及び駆動モータ8の回転駆動によって回転駆動されるスプール7は、その内部にスプール軸を含む動力伝達部や支持部等が設けられていないことから、リール本体のスプール軸方向長を短縮することが可能となり、全体として小型軽量化を図ることが可能となる。
【0033】
また、スプール7の内部にスプール軸等が設置されないことから、回転するスプールを軽量化することが可能となり、スプールのフリー回転性を向上することが可能となる。この場合、クラッチ機構をOFFに切り換えると、スプール7が動力伝達機構から完全に遮断されるため、減速機構を構成する遊星歯車機構から回転抵抗を受けることは無く、スプールのフリー回転性が低下するようなこともない。
【0034】
また、上記した構成では、クラッチ作動部材40の係合部40aとスプール7の係止部7hとを大型化することが可能となるので、係脱される動力伝達部の強度及び耐久性を向上することが可能となる。
【0035】
さらに、本実施形態では、クラッチ作動部材40は、駆動モータ8及び手動ハンドル6によって回転駆動される入力回転体である歯車39に、軸方向に移動可能となるように回り止め嵌合されているため、歯車同士(中間歯車22、歯車39)の噛合状態を維持しながら、スプール7に対して、動力伝達状態と動力遮断状態の切り換えが可能となり歯車の歯の部分を損傷させるようなことがない。また、歯車の噛合状態を維持した状態でクラッチ作動部材を軸方向に移動させる構成であることから、噛合性能が良好なはすば歯車を利用することが可能になると共に、更には、このような構成において、はすば歯車の歯すじの捩れ角度を大きくして良好な噛合性能の維持を図りながら、クラッチ切りの軽快な操作が行なえるようになる。
【0036】
上記した実施形態における歯車39については、クラッチ作動部材40と別体で構成することで、上記したような作用効果が得られるが、もちろん、図6に示すように、クラッチ作動部材40と共に一体形成するような構成であっても良い。
【0037】
図7及び図8は、本発明の第2の実施形態を示す図であり、図7は、内部構造を示した平面図、図8は、図7の主要部を拡大して示す図である。
【0038】
この実施形態では、減速機構15における出力回転体35と、クラッチ機構18に設けられる入力回転体39とを、動力伝達用のベルト50で連結した構成例を示している。すなわち、出力回転体35、及び入力回転体39の外周面に、それぞれ溝部35e及び39eを形成しておき、この部分にベルト50を巻回することで、動力伝達するように構成されている。
【0039】
このような構成によれば、ベルト50によって回転駆動力をスプール7に伝達することから、特に、駆動モータ8の駆動時における歯車噛合による騒音を減少して静音化することが可能となる。また、上記した実施形態のように、入力回転体39に対してクラッチ作動部材40を軸方向に移動可能に回り止め嵌合することで、クラッチの係脱操作を支障なく容易に行なうことが可能となる。
【0040】
図9は、本発明の第3の実施形態を示す図であり、内部構造を示した平面図である。
【0041】
上述したように、スプール7の釣糸巻回胴部7aの内側には、空洞部7dが形成されていることから、この部分(斜線で示す領域60)に、電源ユニットや基板等の電装部品を設置するようにしても良い。
【0042】
このような構成によれば、フレームと側板との間に電装部品を集約配置する必要が無くなって分散化することが可能となるため、リール本体の小型化が図れると共に、放熱効果も向上し電気的接続部等の故障の発生を抑制することが可能となる。
【0043】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、スプール7を、スプール軸を設置することなくリール本体に対して回転可能に支持する構成であれば、上述した動力伝達機構、減速機構、クラッチ機構の構成、及びその配置態様については適宜変形することが可能である。また、上述した構成において、クラッチ作動部材40は、駆動モータ8の駆動及び手動ハンドル6の回転操作で回転し、外部の切換操作で軸方向に移動する構成であれば良く、例えば、内部に空洞部を形成して回転体の外周を摺動させるなど、適宜変形することが可能である。また、出力回転体35と入力回転体39は、動力伝達するように構成されたものであれば良く、上記したようにギヤ同士の噛合による動力伝達、ベルトによる動力伝達、及びこれらを組み合わせて構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に係る魚釣用電動リールの第1の実施形態を示しており、内部構造を示した平面図。
【図2】図1の主要部を拡大して示す図であり、動力伝達状態(クラッチON)を示す図。
【図3】図1の主要部を拡大して示す図であり、動力遮断状態(クラッチOFF)を示す図。
【図4】手動ハンドルを回転操作した際の動力伝達経路を示す図であり、回転駆動力が出力される駆動モータ側の遊星歯車機構を示した模式図。
【図5】駆動モータを回転操作した際の動力伝達経路を示す図であり、回転駆動力が出力される手動ハンドル側の遊星歯車機構を示した模式図。
【図6】第1の実施形態の変形例を示す図。
【図7】本発明の第2の実施形態を示す図であり、内部構造を示した平面図。
【図8】図7の主要部を拡大して示す図。
【図9】本発明の第3の実施形態を示す図であり、内部構造を示した平面図。
【符号の説明】
【0045】
1 魚釣用電動リール
3a,3b フレーム
5 リール本体
6 手動ハンドル
7 スプール
7a 釣糸巻回胴部
7e,7f 軸受装着部
7h 係止部
8 駆動モータ
10a,10b 軸受
12 動力伝達機構
15 減速機構
18 クラッチ機構
40 クラッチ作動部材
40a 係合部




 

 


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