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発明の名称 魚釣用リールの逆転防止装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−143418(P2007−143418A)
公開日 平成19年6月14日(2007.6.14)
出願番号 特願2005−338744(P2005−338744)
出願日 平成17年11月24日(2005.11.24)
代理人 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦
発明者 松田 和之
要約 課題
回転部材が釣人の意思とは係りなく逆回転することを防止し、必要な場合には回転部材を逆転可能状態とすることが容易な切換部材を備えた魚釣用リールの逆転防止装置を提供すること。

解決手段
リール本体12に回転可能に支持されたロータ16の釣糸巻取方向の正回転を許容しかつ釣糸繰出方向の逆回転を阻止する逆転防止位置と、ロータ16の正回転と逆回転との双方を許容する逆転可能位置とに切換え可能な切換レバー56を備えた魚釣用リールの逆転防止装置46であって、切換レバー56が逆転防止位置にあるときに、この切換レバー56の逆転可能位置への切換動作を阻止する係止爪74を設け、この係止爪74による切換阻止機能を手動操作でのみ解除可能とした逆転防止装置。
特許請求の範囲
【請求項1】
リール本体に回転可能に支持された回転部材の釣糸巻取方向の正回転を許容しかつ釣糸繰出方向の逆回転を阻止する逆転防止位置と、前記回転部材の正回転と逆回転との双方を許容する逆転可能位置とに切換え可能な切換部材を備えた魚釣用リールの逆転防止装置であって、
前記切換部材が逆転防止位置にあるときに、この切換部材の逆転可能位置への切換動作を阻止する阻止手段を設け、この阻止手段による切換阻止機能を手動操作でのみ解除可能としたことを特徴とする魚釣用リールの逆転防止装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚釣用リールのリール本体に回転可能に支持された回転部材が、釣糸繰出方向に逆回転するのを防止する逆転防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、このような魚釣用リールの逆転防止装置には、例えばスピニングリールのロータ等の回転部材を、魚釣り状況にあわせて釣糸巻取方向の正回転を許容しかつ釣糸繰出方向の逆回転を阻止する逆転防止状態と、釣糸巻取方向の正回転と釣糸繰出方向の逆回転を許容する逆転可能状態とに選択的に切換えることを可能としたものがある。このような回転部材の逆転防止状態と逆転可能状態との切換えは、釣人が操作し易い位置に設けられた切換部材を逆転防止位置と逆転可能位置とに切換えることにより行われる(例えば特許文献1参照)。
【0003】
通常の実釣中(特別の魚種を対象とした釣りを除く)には、釣竿にセットした魚釣用リールは、逆転防止装置の切換部材を逆転防止位置に切換えておくのが一般的であり、釣糸の繰出し長さを微調整する等の必要が生じた場合に、切換部材を逆転可能位置に切換えて回転部材を釣糸繰出方向への逆回転を許容して、ハンドルを正回転および逆回転の双方の方向に必要なだけ回転しつつ最適の釣糸繰出し長さとすることが行われている。
【0004】
また、魚釣用リールを単独であるいは釣竿にセットした状態で移動あるいは搬送する場合にも、このような逆転防止装置の切換部材は逆転防止位置に切換えられる。これにより、移動あるいは輸送中に魚釣用リールから釣糸が繰出され、糸絡みが生じるのを防止している。特に、複数の魚釣用リールをまとめて移送する場合には、切換部材を逆転防止位置に切換えておくことで、それぞれの魚釣用リールから釣糸が繰出されて互いに複雑に絡まりあうのが防止される。
【特許文献1】特開昭54−141285号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の魚釣用リールの逆転防止装置では、切換部材は釣人が操作し易い位置に配置されているため、例えば釣り場を移動する際に、釣人の手、脚あるいは衣服等が触れることで、切換部材が逆転可能位置に切換ったり、輸送時の振動や他の物体との接触等で切換部材が切換わることがある。
【0006】
特に、魚釣用リールの輸送は、他の魚釣用リールあるいは釣竿等の種々の釣具と共に容器等に収容した状態で行うのが一般的であるため、このような容器内で釣糸が魚釣用リールから繰出されると他の釣具と共に極めて複雑に釣糸が絡みあう虞がある。
【0007】
また、実釣中に切換部材が不意に逆転可能位置に切換わると、スプールから釣糸が解けてハンドルやロータに絡まるだけでなく、魚の引きあるいは仕掛けの負荷等により、ロータ等の回転部材およびこれに連動するハンドルが急激に逆回転する虞がある。特に、ハンドルが釣人の意思とは係りなく急激に逆回転すると、釣人が思わぬ怪我をする虞がある。
【0008】
本発明は、このような事情に基づいてなされたもので、実釣時に回転部材が釣人の意思とは係りなく逆回転することを防止し、必要な場合には回転部材を逆転可能状態とすることが容易な切換部材を備えた魚釣用リールの逆転防止装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成する本発明の魚釣用リールの逆転防止装置は、リール本体に回転可能に支持された回転部材の釣糸巻取方向の正回転を許容しかつ釣糸繰出方向の逆回転を阻止する逆転防止位置と、前記回転部材の正回転と逆回転との双方を許容する逆転可能位置とに切換え可能な切換部材を備えた魚釣用リールの逆転防止装置であって、前記切換部材が逆転防止位置にあるときに、この切換部材の逆転可能位置への切換動作を阻止する阻止手段を設け、この阻止手段による切換阻止機能を手動操作でのみ解除可能としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の魚釣用リールの逆転防止装置によると、回転部材を逆回転させて釣糸を繰出すためには、切換部材の切換動作を阻止している阻止手段の切換阻止機能を手動で解除する必要があり、これにより、回転部材が意に反して逆回転することが確実に防止され、逆回転が必要な場合にのみ、回転部材を逆転可能状態とすることができ、魚釣用リールの安全性と操作容易性とが確保される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は、本発明の好ましい実施形態による逆転防止装置を備えた魚釣用リールの全体を概略的に示す。
本実施形態の魚釣用リールは、スピニングリール10として形成してあり、種々の部材を収容する収容空間Aを形成したリール本体12を備える。このリール本体12は、前部に鍔部12aを有し、上方に延びる脚部14の端部に形成された竿取付部14aを介して釣竿に取付けられる。このリール本体12の前方には、回転部材であるロータ16と、ロータ16の回転運動に同期して前後動可能なスプール18とが設けられており、鍔部12aが、ロータ16の後方に開口する開口部内に収容される。
【0012】
このリール本体12の収容空間A内には、横方向に延設されて回転可能に支持されたハンドル軸20と、ロータ16を回転し、スプール18に釣糸を巻回するための巻取駆動装置22と、このスプール18を前後に往復動させるスプール往復動装置24とが設けられる。このリール本体12から突出したハンドル軸20の端部にはハンドル26が取り付けられており、このハンドル26を回転することにより、巻取駆動装置22とスプール往復動装置24とが連動して駆動される。
【0013】
巻取駆動装置22は、リール本体12の収容空間A内でハンドル軸20に固定された駆動歯車28と、この駆動歯車28に噛合するピニオンギヤ30とを備える。このピニオンギヤ30は、ハンドル軸20に対して直交する前後方向に延びかつリール本体12に対して前部軸受32と後部軸受34とを介して回転自在に支持された筒軸30aの後端側外周部に設けられている。この筒軸30aの先端部には、ベール36(一部のみを示す)および釣糸案内部(図示しない)を備えたロータ16が回転部材として一体的に取り付けられ、ピニオンギヤ30を介して筒軸30aと共に一体的に回転することができる。
【0014】
このロータ16の内側には、筒軸30aに回り止めされてナット15で抜け止めされる内側筒部16aが設けられ、外側には一対の支持アーム17a,17bが設けられている。各支持アーム17a,17bの前端部には、通常のベール36および釣糸案内部を先端部に取付けた支持部材37a,37bが、それぞれの基端部を介して回動自在に支持される。これらの支持部材37a,37bは、支持アーム17a,17bの一方に配置された通常の振り分け機構により、釣糸巻取位置と釣糸放出位置との一方に保持され、他方に向けて反転させることができる。また、支持アーム17a,16bの他方には、ハンドル26の巻取操作に連動して支持部材37a,37bをベール36と共に釣糸放出位置から釣糸巻取位置へ自動復帰させる反転復帰機構が配置されている。
【0015】
なお、本実施形態では、ロータ16の回転方向について、ロータ16のベールおよび釣糸案内部を介してスプール18に釣糸を巻回する方向の回転が正回転となり、これとは逆に、スプール18から釣糸を繰出す方向の回転が逆回転となる。
【0016】
このようなロータ16を固定した筒軸30a内には、スプール軸38が貫通し、ハンドル軸20と直交する方向に延在している。このスプール軸38は、筒軸30aと同心的に配されており、筒軸30aおよびリール本体12に対してハンドル軸20と直交する方向に沿って前後動することができる。このスプール軸38の先端部に、釣糸が巻回されるスプール18が取り付けられる。
【0017】
スプール軸38を介してスプール18を前後方向に往復動するスプール往復動装置24は、ピニオンギヤ30に噛合する作動歯車40で回転駆動されるトラバースカム軸42と、このトラバースカム軸42の外面に形成された螺旋状のカム溝42aに係合する摺動体44とを有し、この摺動体44がスプール軸38の後端に連結される。トラバースカム軸42が回転すると、この螺旋状のカム溝42aに係合する摺動体44が前後に往復動し、この摺動体44に取り付けられたスプール軸38が筒軸30a内を軸方向に沿って往復駆動(前後動)する。なお、このようなスプール往復動装置24は、上述のようなトラバースカム軸42を用いたものに代え、ハンドル軸28と一体回転する歯車に噛合して回転する大歯車を有するいわゆるギヤ方式のものであってもよい。
【0018】
このように形成された魚釣用スピニングリール10は、ハンドル26を回転操作してハンドル軸20を回転させると、スプール往復動装置24の摺動体44に取付けられたスプール軸38を介してスプール18が前後に往復動し、一方、巻取駆動装置22の駆動歯車28とピニオンギヤ30と筒軸30aとを介して、ロータ16が回転駆動される。スプール18が前後に移動される間に、ベール36で案内された釣糸が、このスプール18上にほぼ均等に巻回される。
【0019】
更に、リール本体12の前筒部12b内には、ロータ16の回転状態を、逆転防止状態と逆転可能状態とに切換える逆転防止装置46が配置されている。本実施形態の逆転防止装置46は、公知の一方向クラッチを備えており、この一方向クラッチはピニオンギヤ30と一体の筒軸30aに回転不能に装着された内輪部材48aと、この内輪部材上に複数のローラ50を介して支えられかつリール本体12に回転不能に装着された外輪部材48bとで形成されている。
【0020】
これらのローラ50は、保持器52で保持され、内輪部材48aと外輪部材48bとの間で、自由に回転できるフリー回転領域と、一方向にのみ回転できる規制領域とに移動される。ローラ50がフリー回転領域に配置されると、ローラ50が自由に回転できるため、内輪部材48aに連結されるロータ16は外輪部材48bが連結されたリール本体12に対して釣糸巻取方向の正回転および釣糸繰出方向の逆回転の双方の方向に自由に回転することができる。また、ローラ50が規制領域に配置された状態では、ローラ50はロータ16が正回転する方向にのみ回転することができ、ロータ16が逆回転する方向への回転は阻止される。したがって、ローラ50が規制領域に配置された状態では、回転部材であるロータ16は逆転防止状態となり、フリー回転領域に配置された状態では、逆転可能状態となる。
【0021】
更に、逆転防止装置46は、ローラ50を、フリー回転領域と規制領域との間で移動し、ロータ16の回転状態を逆転可能状態と逆転防止状態とに切換えるため、操作杆54がリール本体12の収容空間A内に前後方向に沿って延設してある。この操作杆54は、先端部が、逆転防止装置46の保持器52に取付けられた作動部52aに連結され、後端部はリール本体12の後壁に形成された短軸状の突部12cを介して外部に突出し、この外部に突出した操作杆54の後端部に、切換部材である切換レバー56が回転不能に取付けられている。
【0022】
本実施形態の操作杆54は、略中間部でクランク状に屈曲した曲軸として形成され、前軸部54aが後軸部54bに対して側方に突出する。後端部に取付けた切換レバー56を回動操作すると、操作杆54は、後軸部54bの中心軸を中心として前軸部54aを回動させ、クランク状に屈曲した前軸部54aの先端部が揺動する。この前軸部54aに連結された作動部52aを介して保持器52が回動される。これにより、逆転防止装置46は、ロータ16が正逆転可能な逆転可能状態と、正転可能でかつ逆転不能の逆転防止状態とに切換えられる。ロータ16がいずれの状態にあっても、ハンドル16を正転方向(釣糸をスプール18に巻き取る方向の回転)に回転すると、図示しない公知の復帰機構を介して、釣糸放出位置にあるベール36は、釣糸巻取位置に復帰することができる。
【0023】
この操作杆54は、リール本体12の収容空間A内に位置する後軸部54bの一部に、この操作杆54の回動位置を保持するために位置決め部58を形成し、リール本体に保持される板バネ等の弾性体60をこの位置決め部58に圧接している。これにより、操作杆54は、切換レバー56を介して回動された位置である、ロータ16を逆転可能状態とする逆転可能位置と逆転防止状態とする逆転防止位置との一方に保持することができる。すなわち、切換レバー56が、ロータ16を逆転防止状態とする逆転防止位置(図3の(A)参照)とロータ16を逆転可能状態とする逆転可能位置(図3の(C)参照)との一方に切換えられると、操作杆54に形成した位置決め部58と弾性体60とが、これらの操作杆54および切換レバー56を逆転可能位置あるいは逆転防止位置に保持する。
【0024】
図2および図3に拡大して示すように、ロータ16の回転状態を切換える切換部材である切換レバー56は、操作杆54の後端部に回転不能でかつ軸方向に移動可能に装着されている。この切換レバー56は、操作杆54に装着される円筒状の本体部62と、この本体部62から半径方向外方に向けて肉厚を低減させつつ前傾状態で延びる板状の操作部64とを有する。この本体部62には、段付構造の通孔66が前後方向に沿って形成してある。
【0025】
この通孔66には、例えば操作杆54の後端部と同様な非円形の断面形状に形成されて、この操作杆54の後端部に回転不能でかつ軸方向に移動可能に嵌合する装着部66aと、コイルバネ68を収容する拡径部66bとが前後に隣接させて形成されている。コイルバネ68は、拡径部66b内で操作杆54の後端部の周部を囲み、装着部66aと拡径部66bとの間に形成される段部で一端が支えられ、他端は、操作杆54の端面に止めねじ70で固定されたリング状のリテーナ72で支えられている。切換レバー56は、これらのコイルバネ68およびリテーナ72により、操作杆54から脱落するのが防止されると共に、リール本体12に当接する位置と、リール本体12から離隔する位置との間を移動することができる。切換レバー56は、コイルバネ68により、リール本体12の突部12cに当接する位置に常時付勢されている。
【0026】
更に、この切換レバー56には、逆転防止位置から逆転可能位置への切換動作を阻止する阻止手段を設けてある。本実施形態の阻止手段は、切換レバー56の本体部62の前端側で、通孔66の軸線に対してほぼ垂直な端面62aから突出する係止爪74で形成してある。図3の(B)に示すように、この係止爪74は端面62aに対して傾斜した傾斜面74aと端面62aに対して垂直な係止面74bとを有し、リール本体12の突部12cには、係止爪74に対向して傾斜面76aと受面76bとを有する受部76を形成してある。
【0027】
この係止爪74は、図3の(A)に示すように、切換レバー56が逆転防止位置にあるときに、その係止面74bを受部76の受面76bに係合し、切換レバー56が図3の(C)に示す逆転可能位置に移動するのを阻止する。これにより、例えば釣り場を移動する際に、釣人の手、脚あるいは衣服等が切換レバー56に触れても、この切換レバー56が逆転可能位置に切換わることはなく、また、輸送時の振動や他の物体との接触等でこの切換レバー56が逆転可能位置に回動することもない。
【0028】
一方、ハンドル26(図1参照)を正回転および逆回転させることにより、例えば釣糸繰出し長さの調整等を行う場合には、図3の(B)に示すように、後方に向けてコイルバネ68の付勢力に抗して軸方向に切換レバー56を移動し、係止面74bと受面76bとの係合を解除する。この図3の(B)に示す状態から切換レバー56を回動して図3の(C)に示す逆転可能位置で離すと、コイルバネ68の付勢力で切換レバー56がリール本体12の突部12c側に戻され、係止爪74の傾斜面74aと受部76の傾斜面76aとが当接する。この切換レバー56に回り止めされた操作杆54は、後軸部54bの中心軸を中心として回動し、作動部52aおよび保持器52を介して逆転防止装置46のローラ50をフリー回転領域に配置する。これにより、逆転防止装置46は逆転可能状態となり、この状態でハンドル26を回転すると、ハンドル26の回転に対応してロータ16が正回転あるいは逆回転し、釣糸を巻取あるいは繰出すことができる。
【0029】
このように、切換レバー56が逆転防止位置にあるときの阻止手段としての係止爪74による切換阻止機能は、コイルバネ68の付勢力に抗して切換レバー56を軸方向に移動し、その後に回動する手動操作でのみ解除することができる。これは、釣人が明確な意思を持って切換レバー56を逆転可能位置に切換えることを必要とし、偶発的に釣人の手、脚あるいは衣服等が触れた場合、あるいは、輸送時に振動を受けたり他の物体と接触した場合等では、この切換レバー56が図3の(A)に示す逆転不能位置から図3の(C)に示す逆転可能位置に切換わることはない。
【0030】
これに対し、図3の(C)に示す逆転可能位置から図3の(A)に示す逆転防止位置への移動は、操作部64を操作し、係止爪74の傾斜面74aを受部76の傾斜面76aに沿って摺動させつつ切換レバー56と操作杆54とを中心軸を中心として、係止面74bが受面76bを超えるまで回動することにより、簡単に行うことができる。係止面74bが受面76bを超えると、コイルバネ68で付勢された切換レバー56は直ちに前方に移動し、係止面74bと受面76bとが係合する。傾斜面74a,76a同士の摺動を通じて、切換レバー56を滑らかにかつ容易に回動させることができる。このように逆転可能位置から逆転防止位置に移動する場合は、係止爪74は逆転阻止機能を作用させることはないが、切換レバー56は、コイルバネ68の付勢力に抗して係止爪74を受部76の傾斜面76aに沿って移動する必要があるため、釣人の意に反して切換レバー56が逆転可能位置から逆転防止位置に切換ることはない。
【0031】
したがって、本実施形態の魚釣用リール10の逆転防止装置46によると、ロータ16を逆回転させて釣糸を繰出すためには、リール本体12の突部12cに係合して切換レバー56の切換動作を阻止している阻止手段としての係止爪74の切換阻止機能を、手動で解除する必要があり、これにより、ロータ16およびハンドル26が釣人の意に反して逆回転することが確実に防止され、逆回転が必要な場合にのみ、ロータ16およびハンドル26を逆転可能状態とすることができ、魚釣用リール10の安全性と操作容易性とを確保することができる。
【0032】
図4および図5は、両軸受型手巻きリールとして形成した魚釣用リール10Aの逆転防止装置80を示す。
この魚釣用リール10Aは、リール本体82を形成する一対のフレーム84(一方のみを示す)のそれぞれの外側に、例えばビス、螺合あるいは嵌合等の手段により、側板86を一体的に取付け、回転部材であるスプール(図示しない)を装着したスプール軸88の各端部を、これらの一対のフレーム84に直接あるいは側板86を介して装着した軸受(図示しない)で回転自在に支持している。この魚釣用リール10Aは、符号85で示す取付脚部を介して釣竿に取付けられる。
【0033】
スプール軸88の一端側でフレーム84と側板86とで形成される収容空間B内には、横方向に延設されて回転可能に支持されたハンドル軸90と、スプール軸84を回転し、このスプール軸84に取付けられたスプールに釣糸を巻回するための巻取駆動装置92とが設けられている。このリール本体82から突出したハンドル軸90の端部に取付けられた図示しないハンドルを回転することにより、ハンドル軸90に固定された駆動歯車94が回転される。この駆動歯車と共に巻取駆動装置92を形成するピニオン96は、スプール軸88と同軸状に配置されてこの駆動歯車94と常時噛合しており、クラッチプレート98により、スプール軸86に嵌合して一体的に回転する位置と、スプール軸86から分離してスプール軸86を自由に回転可能とする位置との間を軸方向に移動することができる。
【0034】
本実施形態の逆転防止装置80は、ハンドル軸90に回転不能に装着されたラチェット100と、中間部が枢着ピン102を介してリール本体12に回動自在に取付けられた爪部材104とを有し、この爪部材104の先端部がラチェット100と噛合うことにより、駆動歯車94及びピニオン96を介して、スプールおよびスプール軸88が釣糸巻取方向にのみ正回転することができ、釣糸繰出方向への逆回転が阻止される逆転防止状態となる。また、枢着ピン102を中心として爪部材104が反時計方向に回転すると、ラチェット100は爪部材104の先端部との係合を解除され、駆動歯車94及びピニオン96を介してスプールおよびスプール軸88が釣糸巻取方向の正回転および釣糸繰出方向の逆回転の双方の方向に自由に回転することができる逆転可能状態となる。
【0035】
この逆転防止装置80には、ラチェット100を逆転防止状態と逆転可能状態との一方に切換えるため、この爪部材104の基端部から突出する操作部104aに係合する切換スライダ106が切換部材として設けられている。
図5の(A)および(B)に拡大して示すように、切換スライダ106はリール本体82に形成された長孔82a内に抜け止めされた状態で収容空間B内に係止片108aを突出させた本体部108と、この本体部と一体的に形成された板状の操作部110とを有する。本体部108は長孔82aの長辺方向寸法が、この長孔82aよりも短く、この長孔82aに沿って図5の(A)に示す逆転防止位置と図5の(B)に示す逆転可能位置との間を摺動することができる。
【0036】
切換スライダ106が逆転防止位置にあるときは、この本体部108の係止片108aが爪部材104の操作部104aに隣接配置され、したがって、爪部材104はその先端部をラチェット100に係合させた状態に保持される。この切換スライダ106は、逆転防止位置から逆転可能位置に移動される際に、この操作部104aに係合して爪部材104を反時計方向に回動する。これにより、爪部材104はラチェット100との係合を解除し、係止ピン83に係合する。逆に、切換スライダ106を逆転可能位置から逆転防止位置に移動すると、爪部材104は、係止片108aとの係合が解除され、例えば図示しないバネの付勢力で時計方向に回転され、ラチェット100に噛合する。なお、切換スライダ106の係止片108aは、爪部材104の操作部104aを収容する凹部を有してもよく、この場合には、操作部104aを介して爪部材104を時計方向および反時計方向の双方の方向に回動することができるため、爪部材104を付勢するバネを省略することができる。
【0037】
また、操作部110は、その逆転防止位置と逆転可能位置とのいずれの位置にあっても長孔108を覆い、長孔108内に異物が侵入するのを防止する大きさに形成してある。この操作部110の外面部は、長孔108の長辺方向に沿う中央部が盛上がった山形形状を有し、指をかけ易い形状に形成してある。この操作部110は、容易に操作することができるものであれば、凹面状あるいは平坦面状に形成してもよく、操作する指の滑り止めとして凹凸面を形成することが好ましい。
【0038】
本実施形態の切換スライダ106に設けられた阻止手段は、図5の(A)に示すように切換スライダ106が逆転防止位置にあるときに、リール本体82の外側に突出して操作部110の移動を阻止する係止ピン112を有する。この係止ピン112は、先端を半球状に形成した拡径頭部112aと、基端にフランジを形成したシャフト部112bとを有する。この係止ピン112は、長孔118の近部でリール本体82に形成した筒部114内に収容され、このシャフト部112bの周部にコイルバネ114が配置される。この筒部114の収容空間B内に配置される内側端部の内周側は、シャフト部112bのフランジよりも小径の段部に形成してあり、コイルバネ114の一端がこの段部で支えられ、他端を介して係止ピン112の頭部112aをリール本体82から突出する方向に付勢する。係止ピン112の基端に形成したフランジは、この筒部114の内側端部に係合して係止ピン112がリール本体82から抜出るのを防止する。
【0039】
本実施形態の逆転防止装置80においても、切換スライダ106が図5の(A)に示す逆転防止位置に配置された状態では、この切換スライダ106の操作部110に係止ピン112の頭部112aが係合しているため、係止ピン112の頭部112aを押圧してリール本体82内に押込まなければ、この切換スライダ106を移動することはできない。したがって、切換部材である切換スライダ106の逆転防止位置から逆転可能位置への切換えは、係止ピン112の切換阻止機能を手動で解除する必要があり、これにより、スプールおよびスプール軸88が意に反して逆回転することが確実に防止され、逆回転が必要な場合にのみ、逆転可能状態とすることができ、魚釣用リール10Aの安全性と操作容易性とが確保される。
【0040】
一方、逆転可能位置から逆転防止位置への切換えは、切換スライダ106を移動するだけで行うことができる。係止ピン112は、切換スライダ106の操作部110で覆われ、外部に露出していないため、操作を誤ることがなく、極めて容易に行うことができる。また、逆転防止位置に達すると、バネ付勢された係止ピン112がリール本体82の外面に突出するため、このときの衝撃等により、切換わった状態を確実に感得することができる。
【0041】
図6および図7は、更に他の実施形態による魚釣用リール10Aの逆転防止装置80Aを示す。基本的には図4および図5に示す実施形態と同様であるため、同様な部位には同様な符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0042】
この実施形態では、爪部材104と一体に形成されて、この爪部材104の枢着ピン102を中心として揺動するシーソーボタンである切換ボタン116が切換部材を形成する。この切換ボタン116は、枢着ピン102を挟む位置に2つの押圧部116a,116bを有し、振分けバネ118により、一方の押圧部116aがリール本体82の外面から突出する図7の(A)に示す逆転防止位置と、他方の押圧部116bが突出する図7の(B)に示す逆転可能位置との一方に配置された状態に保持される。切換ボタン116が図7の(A)に示す逆転防止位置に配置された状態では、阻止手段である係止ピン120により、図7の(B)に示す逆転可能位置への切換動作が阻止される。
【0043】
本実施形態の係止ピン120は、切換ボタン116の近部でリール本体82の収容空間B内に枢着ピン102とほぼ直交させて形成された筒部122内に収容されるシャフト部120aと、外部に突出するヘッド部120bとを有し、バネ124により切換ボタン116に向けて押圧されている。この係止ピン120に対向する切換ボタン116の端面は、滑らかな湾曲面に形成してあり、この湾曲面には、切換ボタン116が逆転防止位置にあるときにシャフト部120の先端部が嵌合する係合溝117が形成されている。
【0044】
これにより、切換ボタン120が図7の(A)に示す逆転防止位置に配置された状態では、この切換ボタン120の係合溝117に係止ピン120のシャフト部120aが嵌合しているため、係止ピン120の頭部120bを押圧してシャフト部120aを係合溝117から抜出さなければ、この切換スイッチ116を移動することはできない。したがって、切換部材である切換ボタン120の逆転防止位置から逆転可能位置への切換えは、係止ピン120の切換阻止機能を手動で解除する必要があり、これにより、スプールおよびスプール軸88が意に反して逆回転することが確実に防止され、逆回転が必要な場合にのみ、逆転可能状態とすることができ、魚釣用リール10Aの安全性と操作容易性とが確保される。
【0045】
一方、逆転可能位置から逆転防止位置への切換えは、切換ボタン116の押圧部116bをリール本体82側に押圧するだけで行うことができる。係止ピン120は、切換ボタン116の押圧部116aの端面に形成された滑らかな湾曲面に沿って摺動するため、極めて容易に行うことができる。また、逆転防止位置に達すると、バネ付勢された係止ピン120のシャフト部120aが切換ボタン116の係合溝117嵌合するため、このときの衝撃等により、切換わった状態を確実に感得することができる。
【0046】
以上、本発明の種々の実施形態について個々に説明してきたが、本発明はいずれか1つの実施形態に特定されるものではなく、様々に変更可能であり、各実施形態を適宜に組合わせることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の好ましい実施形態による逆転防止装置を備えた魚釣用リールの内部構造を示す説明図。
【図2】図1に示す逆転防止装置の切換部材の拡大説明図。
【図3】図2に示す切換部材の作動状態を示し、(A)は逆転防止位置に配置した状態の説明図、(B)は切換中の作動を説明する図、(C)は逆転可能位置に配置した状態の説明図。
【図4】他の実施形態による逆転防止装置を備えた魚釣用リールの内部構造を示す説明図。
【図5】図4に示す逆転防止装置の切換部材の作動を示し、(A)は逆転防止位置に配置した状態の説明図、(B)は逆転可能位置に配置した状態の説明図。
【図6】更に他の実施形態による逆転防止装置の切換部材を示す図4と同様な説明図。
【図7】図6に示す逆転防止装置の切換部材の作動を示す図5と同様な説明図。
【符号の説明】
【0048】
10,10A…魚釣用リール、12,82…リール本体、16…ロータ、46,80,80A…逆転防止装置、56…切換レバー(切換部材)、74…係止爪(阻止手段)、106…切換スライダ(切換部材)、112,120…係止ピン(阻止手段)、116…切換ボタン(切換部材)。




 

 


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