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発明の名称 リール固定装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−117046(P2007−117046A)
公開日 平成19年5月17日(2007.5.17)
出願番号 特願2005−316256(P2005−316256)
出願日 平成17年10月31日(2005.10.31)
代理人 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦
発明者 清田 義春 / 倉田 道生
要約 課題
本発明は、ナット部をコンパクト化しつつ、ナット部の操作性を高めることができ、リール脚の固定および固定解除を円滑に行えるリール固定装置を得ることにある。

解決手段
リール固定装置は、リール脚(7)を支えるリールシート本体(12)と、リール脚(7)の一端を保持する固定フード(16)と、リール脚(7)の他端を保持する可動フード(20)と、少なくともいずれか一方のフード(20)に設けられ、リールシート本体(12)にねじ込まれるナット部(37)とを備えている。ナット部(37)は、このナット部(37)と一緒に移動するフード(20)よりも小さな外径を有する摘み部(38)と、この摘み部(38)とフード(20)との間に位置する境界部(39)とを含んでいる。境界部(39)は、摘み部(38)からフード(20)の方向に進むに従い外径を増すように傾斜する傾斜面(35)を有し、この傾斜面(35)に指掛け部(41)が形成されている。
特許請求の範囲
【請求項1】
魚釣用リールのリール脚を支えるリールシート本体と、
上記リール脚の一端を上記リールシート本体との間で保持する第1のフードと、
上記第1のフードと向かい合うとともに、上記リール脚の他端を上記リールシート本体との間で保持する第2のフードと、
上記第1のフードおよび上記第2のフードの少なくともいずれか一方に設けられ、上記リールシート本体に回転可能にねじ込まれるナット部と、を具備し、
上記ナット部の回転により上記第1および第2のフードを相対的に近づいたり遠ざかる方向に移動させることで、上記リール脚を上記リールシート本体に取り外し可能に固定するリール固定装置であって、
上記ナット部は、このナット部と一緒に移動するフードよりも小さな外径を有する摘み部と、この摘み部と上記フードとの間に位置する境界部とを含み、上記境界部は、上記摘み部から上記フードの方向に進むに従い外径を増すように傾斜する傾斜面を有するとともに、この傾斜面に指掛け部を形成したことを特徴とするリール固定装置。
【請求項2】
請求項1の記載において、上記指掛け部は、上記ナット部の周方向に間隔を存して配置された複数の凹部によって規定されることを特徴とするリール固定装置。
【請求項3】
請求項2の記載において、上記凹部は、上記傾斜面よりも窪んだ底面を有し、この底面は、上記ナット部の回転方向と交差する方向に延びる側縁部を有するとともに、上記底面の側縁部と上記傾斜面とで規定される角部は、鈍角であることを特徴とするリール固定装置。
【請求項4】
請求項2又は請求項3の記載において、上記凹部は、上記フードの外周面に連なる端面を有し、この端面と上記フードの外周面とで規定される角部は、略直角であることを特徴とするリール固定装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかの記載において、上記摘み部の外周面に複数の溝が形成され、これら溝は、上記摘み部の軸方向に延びるとともに上記摘み部の周方向に間隔を存して並んでいることを特徴とするリール固定装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれかの記載において、上記ナット部と一緒に回転するフードの外周面は、上記摘み部および上記傾斜面よりも平滑に形成されていることを特徴とするリール固定装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれかの記載において、上記ナット部は、上記フードと一体に形成されていることを特徴とするリール固定装置。
【請求項8】
魚釣用リールのリール脚を支えるリールシート本体と、
上記リールシート本体に設けられ、上記リール脚の一端を受け入れる開口を有する固定フードと、
上記リール脚の他端を受け入れる開口を有するとともに、上記リールシート本体にねじ込まれるナット部が一体に形成された可動フードと、を具備し、
上記ナット部の回転により上記可動フードを上記固定フードに近づいたり遠ざかる方向に移動させることで、上記リール脚を上記リールシート本体に取り外し可能に固定するリール固定装置であって、
上記ナット部は、上記可動フードよりも小さな外径を有する摘み部と、この摘み部から上記可動フードの方向に進むに従い上記摘み部の径方向外側に向けて傾斜する傾斜面と、この傾斜面に形成された指掛け部とを備えていることを特徴とするリール固定装置。
【請求項9】
請求項8の記載において、上記指掛け部は、上記ナット部の周方向に間隔を存して配置された複数の凹部によって規定されるとともに、上記摘み部は、その外周面に滑り止め用の複数の溝を有することを特徴とするリール固定装置。
【請求項10】
請求項8又は請求項9の記載において、上記可動フードの外周面は、上記摘み部の外周面および上記傾斜面よりも平滑であることを特徴とするリール固定装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚釣用リールを釣竿に固定するためのリール固定装置に係り、特に可動側のフードを動かす時に手の指先で掴んで回転させるナット部の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
釣竿は、元竿管の手元側に魚釣用リールを固定するリール固定装置を備えている。この種のリール固定装置は、魚釣用リールのリール脚を支えるリールシート本体と、このリールシート本体にリール脚を固定する第1のフードおよび第2のフードとを有している。
【0003】
第1および第2のフードは、リール脚を間に挟んで向かい合うようにリールシ−ト本体に設けられている。第1のフードは、リールシート本体に一体に形成されて、リールシート本体に対する位置が固定的に定められている。第2のフードは、ナット部と一体化されており、このナット部をリールシート本体にねじ込むことで、第2のフードが第1のフードに近づいたり遠ざかる方向に移動するようになっている。
【0004】
この第2のフードの移動により、リール脚を第1のフードとの間で挟み込んだり、リール脚の挟み込みを解除することができ、魚釣用リールをリールシート本体の上に取り外し可能に固定できる。
【0005】
このようなリール固定装置では、第2のフードを移動させる際に、ナット部を手の指先で掴んで回転させる必要がある。このため、従来のナット部は、例えばコルクあるいはEVA樹脂のような柔軟な材料で形成された握り部によって覆われている。握り部は、手の指先で容易に掴めるような外径および長さ寸法を有するとともに、その外周面がなだらかな曲面に仕上げられている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】実開平3−50863号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のリール固定装置によると、ナット部を覆う握り部は、可動フードよりも大きな外径を有するので、太くて長い握り部がリールシート本体の前方に大きく張り出している。このため、握り部を掴み易い反面、握り部の存在感が無視できない程に大きくなり、リール固定装置の外観に悪影響を及ぼすことがあり得る。
【0007】
しかも、握り部が太いので、リールシート本体の上に魚釣用リールを固定したり、この魚釣用リールをリールシート本体から取り外す時に、握り部と魚釣用リールの前端部との間のクリアランスが少なくなる。このため、握り部を掴んでナット部を回転させる時に、手の指が魚釣用リールの前端部と干渉することがある。したがって、ナット部を回転させ難くなり、魚釣用リールの着脱時の作業性が損なわれてしまう。
【0008】
さらに、握り部をコルクで形成した場合、コルクは水分が付着すると滑り易くなるので、例えばナット部を強固に締め付けたり、あるいは強固に締め込まれたナット部を緩める時に、指先が滑って握り部をしっかりと握ることができなくなる。この結果、ナット部をうまく回すことができず、ナット部の円滑な操作が妨げられる虞がある。
【0009】
本発明の目的は、ナット部をコンパクト化しつつ、ナット部の操作性を高めることができ、リール脚の固定および固定解除を円滑に行えるリール固定装置を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の一つの形態に係るリール固定装置は、
魚釣用リールのリール脚を支えるリールシート本体と、
上記リール脚の一端を上記リールシート本体との間で保持する第1のフードと、
上記第1のフードと向かい合うとともに、上記リール脚の他端を上記リールシート本体との間で保持する第2のフードと、
上記第1のフードおよび上記第2のフードの少なくともいずれか一方に設けられ、上記リールシート本体に回転可能にねじ込まれるナット部と、を備えており、
上記ナット部の回転により上記第1および第2のフードを相対的に近づいたり遠ざかる方向に移動させることで、上記リール脚を上記リールシート本体に取り外し可能に固定するリール固定装置であって、
上記ナット部は、このナット部と一緒に移動するフードよりも小さな外径を有する摘み部と、この摘み部と上記フードとの間に位置する境界部とを含んでいる。上記境界部は、上記摘み部から上記フードの方向に進むに従い外径を増すように傾斜する傾斜面を有し、この傾斜面に指掛け部を形成したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ナット部がコンパクトな形状となり、軽快な外観を有するリール固定装置を得ることができる。
【0012】
しかも、魚釣用リールをリールシート本体に固定したり、この固定を解除する時に、ナット部とリールシート本体との間に十分なクリアランスを確保でき、手の指先が魚釣用リールと干渉し難くなる。それとともに、摘み部を手の指先で掴んでナット部を回転させる時に、傾斜面上の指掛け部に指先が引っ掛かり、ナット部に対する指先の滑りを防止できる。したがって、ナット部をしっかりと掴んで容易に回転させることができ、魚釣用リールの着脱時の作業性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下本発明の実施の形態を、図1ないし図10に基づいて説明する。
【0014】
図1は、例えばルアーフィッシングに用いる釣竿1を開示している。釣竿1は、中空又は中実の元竿管2を有し、この元竿管2にリール固定装置3が取り付けられている。
【0015】
リール固定装置3は、例えば魚釣用の両軸リール4を取り外し可能に固定するためのものである。両軸リール4は、スプール軸5を支持するボディ6を備えている。ボディ6の下端にリール脚7が形成されている。リール脚7は、ボディ6の後端に位置する第1の端部7aと、ボディ6の前端に位置する第2の端部7bとを有している。
【0016】
図1ないし図3に示すように、リール固定装置3は、例えばグリップ10を有するベイトキャスティングタイプのハンドル部11を備えている。グリップ10は、例えば発泡性樹脂材料やコルクで形成されており、手で把持し易いような円筒状をなしている。ハンドル部11は、合成樹脂製のリールシート本体12を備えている。リールシート本体12は、グリップ10の前端に連なっており、これらグリップ10およびリールシート本体12を元竿管2が貫通している。
【0017】
リールシート本体12は、両軸リール4のリール脚7を受け止める平坦なシート部13と、シート部13の後端に位置する基部14と、シート部13の前端に位置する雄ねじ部15とを有している。
【0018】
シート部13は、リールシート本体12の上面に露出するとともに、元竿管2の軸方向に延びている。基部14は、グリップ10の前端に滑らかに連続するような円筒状をなしている。基部14の外周面の上部に第1のフードとしての固定フード16が一体に形成されている。固定フード16は、シート部13の後端に向けて開口するスリット状の第1の開口17を有している。
【0019】
さらに、リールシート本体12にトリガー18が形成されている。トリガー18は、基部14の外周面からシート部13とは反対側に向けて突出しており、グリップ10の直前に位置している。トリガー18は、グリップ10を握った手の中指と薬指とで挟み込むためのものである。このトリガー18の存在により、グリップ10に対する手のずれを防止することができ、釣竿1のキャスティング操作を確実に行えるようになっている。
【0020】
リールシート本体12の雄ねじ部15は、シート部13の前端から突出しており、この雄ねじ部15を元竿管2が貫通している。
【0021】
図2ないし図4に示すように、シート部13の前端部に第2のフードとしての可動フード20が取り付けられている。可動フード20は、本体21と外装カバー22とで構成されている。本体21は、例えばABS樹脂、ポリアミド、ポリスチロール、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアセタールのような硬質な合成樹脂材料で形成されている。
【0022】
図7および図8に示すように、本体21は、大径部23と小径部24とを備えている。大径部23は、シート部13の前端部を外側から覆うような大きさのリング状をなしている。大径部23の内面は、リールシート本体12の後方に進むに従いシート部13から遠ざかる方向に傾斜している。大径部23の内面の一部は、シート部13の前端部との間にスリット状の第2の開口25を形成している。第2の開口25は、シート部13に向けて開口している。このため、本体21の大径部23が可動フード20の主要部を構成している。
【0023】
小径部24は、大径部23よりも径が小さい中空の円筒状をなしている。小径部24は、大径部23からシート部13とは反対側に向けて同軸状に突出しており、この小径部24の内面に雌ねじ部26が形成されている。リールシート本体12の雄ねじ部15は、雌ねじ部26にねじ込まれている。
【0024】
さらに、大径部23の外周面に周方向に連続する逃げ部27が形成されている。逃げ部27は、大径部23と小径部24との間に位置している。この逃げ部27の外径は、大径部23よりも小さく、かつ小径部24よりも大きい。雌ねじ部26の後端は、逃げ部27の内側にまで達している。
【0025】
可動フード20の外装カバー22は、例えばアルミニウム、ステンレス、チタンあるいは真鍮のような金属材料により形成されている。外装カバー22は、本体21の外周面に接着等の手段により固定されている。
【0026】
外装カバー22は、第1のカバー部30、第2のカバー部31および第3のカバー部32を備えている。第1のカバー部30は、本体21の大径部23を外側から覆うリング状をなしており、この第1のカバー部30の外周面に周方向に連続する溝33が形成されている。
【0027】
第2のカバー部31は、第1のカバー部30よりも径が小さい円筒状をなしている。第2のカバー部31は、本体21の小径部24を外側から覆っており、この第2のカバー部31の外周面に滑り止め用の複数のローレット溝34が形成されている。ローレット溝34は、第2のカバー部31の軸方向に延びるとともに、この第2のカバー部31の周方向に等間隔に並んでいる。
【0028】
第3のカバー部32は、第1のカバー部30と第2のカバー部31とを同軸状に連結するとともに、本体21の逃げ部27を外側から覆っている。第3のカバー部32の外周面は、第2のカバー部31から第1のカバー部30の方向に進むに従い外径を増す方向に傾斜する傾斜面35をなしている。
【0029】
本実施の形態によると、本体21の小径部24および逃げ部27は、外装カバー22の第2のカバー部31および第3のカバー部32と協働してナット部37を構成している。ナット部37は、可動フード20を固定フード16に近づいたり遠ざかる方向に移動させるためのものであり、可動フード20と一体化されている。
【0030】
ナット部37は、摘み部38と境界部39とを備えている。摘み部38は、ナット部37を回転させる時に、手の指先で掴む部分であり、上記ローレット溝34を有する外装カバー22の第2のカバー部31によって構成されている。このため、摘み部38は、可動フード20よりも小さな外径を有している。
【0031】
境界部39は、可動フード20と摘み部38との間に位置している。この境界部39は、上記傾斜面35を有する第3のカバー部32によって構成されている。
【0032】
本実施の形態によると、ナット部37を含む可動フード20の全長Lは、例えば約25mmであり、従来一般的な可動フードの全長よりも短くなっている。可動フード20の全長Lが短すぎると、摘み部38を手の指先で摘み難くなる。逆に可動フード20の全長Lが長すぎると、釣竿1の操作性や機能性に悪影響を及ぼしたり、リール固定装置3の軽量化を損なうことがあり得る。したがって、可動フード20の全長Lは、20mm〜35mmの範囲内とすることが好ましい。
【0033】
さらに、本実施の形態では、可動フード20の全長Lは、外装カバー22の最大外径Dよりも小さく設定されている。
【0034】
境界部39の傾斜面35は、摘み部38を手の指で掴んだ時に、特にその親指や人差し指の指先が突き当たる部分である。この傾斜面35は、滑り止め用の指掛け部41を備えている。図5および図6に示すように、指掛け部41は、傾斜面35に形成した例えば六個の凹部42によって規定されている。凹部42は、ナット部37の周方向に60°の間隔を存して並んでいるとともに、本体21の逃げ部27の上に位置している。
【0035】
凹部42の数や大きさは、傾斜面35の面積に影響を及ぼす。具体的には、凹部42の間隔が広すぎると、傾斜面35のうち隣り合う凹部42の間に位置する部分の面積が広がるので、摘み部38を手の指で掴んだ時に、親指や人差し指の指先が凹部42からずれることがある。このため、凹部42の数およびナット部37の周方向に沿う凹部42の幅は、親指や人差し指の指先が必ず突き当たるように任意に選択することが好ましい。
【0036】
図4、図6および図9に示すように、各凹部42は、底面43と端面44とを有している。底面43は、傾斜面35よりも窪んでいるとともに、円弧状に湾曲している。このため、各凹部42の深さは、ナット部37の周方向に沿う凹部42の中心位置で最大となっている。この凹部42の最大深さ寸法は、例えば2.25mmとなっている。
【0037】
さらに、凹部42の底面43は、ナット部37の周方向と交差する方向に延びる一対の側縁部45を有している。側縁部45は、摘み部38の方向に進むに従い互いに近接するように傾斜している。
【0038】
この際、凹部42の底面43の曲率を一定とした場合、凹部42の深さが浅くなる程、底面43の側縁部45が互いに近づく。言い換えると、隣り合う凹部42の配置間隔が広くなり、摘み部38を手の指で掴んだ時に、親指や人差し指の指先が凹部42から外れ易くなるとともに、凹部42と指先との接触領域が狭くなる。そのため、凹部42の深さや底面43の曲率は、親指の指先が必ず突き当たるように任意に選択することが好ましい。
【0039】
図6に示すように、ナット部37を軸方向から見た時に、底面43の側縁部45と傾斜面35とで規定される角部46の角度α1は、凹部42の底面43と第1のカバー部30の外周面との交点Pを通る法線Nと、交点Pを通る底面43の接線Tとの交差角度で表すことができる。この角部46の角度α1は、鈍角となっている。こうすることで、角部46がエッジ状に尖るのを防止することができ、手の指先が凹部42に突き当たった時に指先が痛くなるといった問題が発生し難くなる。
【0040】
なお、凹部42を有する傾斜面35は、指先を突き当てることを考慮すると、その勾配を例えば700/1000〜1300/1000の範囲内とすることが望ましい。
【0041】
一方、各凹部42の端面44は、ナット部37の径方向に沿って延びている。端面44は、外装カバー22の第1のカバー部30と隣り合うとともに、この第1のカバー部30の外周面と底面43との間を結んでいる。第1のカバー部30の外周面と端面44とで規定される角部47の角度α2は、略直角となっている。ここでの略直角とは、90°±20°の範囲のことを指している。
【0042】
本実施の形態によると、可動フード20の第1のカバー部30の外周面は、摘み部38および境界部39の傾斜面35よりも平滑に形成されている。言い換えると、第1のカバー部30の外周面は、摘み部38、傾斜面35および凹部42の底面43よりも摩擦抵抗が小さくなるように仕上げられている。ここでの摩擦抵抗とは、可動フード20およびナット部37の周方向に沿う抵抗のことを指している。
【0043】
なお、場合によっては、傾斜面35を第1のカバー部30の外周面と同等の摩擦抵抗を有するように平滑に仕上げてもよい。
【0044】
さらに、外装カバー22の第1ないし第3のカバー部30〜32の外周面には、意匠的な視覚効果を高めるための装飾被膜を形成する表面処理が施されている。この表面処理は、外装カバー22に溝33、ローレット溝34および凹部42を切削した後に実施される。
【0045】
装飾被膜としては、外装カバー22の材質に対応して種々のタイプを選択することができる。例えば、クロム、チタンおよびその酸化物、炭化物およびダイヤモンドライクカーボンのような材料からなる硬質皮膜がその一例である。
【0046】
装飾被膜を形成する方法としては、例えば物理蒸着法、化学蒸着法、CVD法、イオンプレーティング法、スパッタリング法および湿式メッキ法等を選択することができる。
【0047】
このような実施の形態において、両軸リール4をリールシート本体12に固定するには、まず、両軸リール4のリール脚7をシート部13の上に載置し、リール脚7の第1の端部7aを固定フード16の第1の開口17に挿入する。次に、ナット部37の摘み部38を手の指先で掴んでナット部37を締め付け方向に回転させる。この回転により、可動フード20がナット部37と一緒にシート部13に向けて移動し、可動フード20がリール脚7の第2の端部7bの上に被さる。
【0048】
言い換えると、可動フード20とシート部13との間の第2の開口25にリール脚7の第2の端部7bが入り込む。この状態でさらにナット部37を締め付けると、リール脚7の第1および第2の端部7a,7bが固定フード16と可動フード20との間で挟み込まれるとともに、これら両フード16,20を介してシート部13に押し付けられる。この結果、リール脚7がシート部13に保持され、両軸リール4がリールシート本体12の定位置に固定される。
【0049】
両軸リール4をリールシート本体12から取り外すには、ナット部37の摘み部38を手の指先で掴んでナット部37を緩める方向に回転させる。この回転により、可動フード20がナット部37と一緒にシート部13から遠ざかる方向に移動し、可動フード20がリール脚7の第2の端部7bから離脱する。これにより、固定フード16と可動フード20との間でのリール脚7の挟み込みが解除される。よって、両軸リール4をリールシート本体12から取り外すことができる。
【0050】
上記実施の形態によると、ナット部37を含む可動フード20の全長Lは、可動フード20の最大外径Dよりも短い25mmに設定されている。しかも、ナット部37の摘み部38は、可動フード20よりも径が小さいので、ナット部37が従来よりもコンパクトな形状となる。
【0051】
この結果、可動フード20と一体のナット部37がリールシート本体12の前方に大きく張り出すのを防止できるとともに、ナット部37そのものの存在感が減少する。よって、可動フード20回りの軽快感が高まり、スタイリッシュな外観を有するリ−ル固定装置3を得ることができる。
【0052】
リール固定装置3に両軸リール4を固定した状態では、図1に見られるように、可動フード20がシート部13の前端部に被さるとともに、ナット部37が両軸リール4の前端部の直前に位置している。この際、ナット部37の摘み部38は、可動フード20よりも径が小さいので、摘み部38と両軸リール4のボディ6との間に手の指先を差し入れるに十分なクリアランスを確保することができる。
【0053】
この結果、摘み部38を手の指先で掴んでナット部37を回転させる時に、手の指が両軸リール4と干渉し難くなり、ナット部37の操作性が良好となる。
【0054】
ナット部37の摘み部38を手の指先で掴んだ状態では、主に親指および人差し指の指先が境界部39の傾斜面35に突き当たる。そのため、ナット部37を回転させる時には、手の指先が摘み部38と境界部39との双方に跨って接することになり、ナット部37と手の指先との接触範囲が増える。
【0055】
さらに、摘み部38の外周面に複数のローレット溝34が形成されているので、摘み部38を手の指先で掴んだ時に指先が滑り難くなる。
【0056】
この結果、摘み部38が小径であるにも拘らず、この摘み部38を片手でしっかりと掴んで容易に回転させることができる。よって、リール脚7をシート部13に固定したり、この固定を解除する際の作業性が良好となる。
【0057】
加えて上記構成によると、境界部39の傾斜面35には、複数の凹部42が周方向に間隔を存して配置されているので、傾斜面35に親指や人差し指の指先を突き当てた時に、指先の腹が凹部42に食い込むような状態となる。このため、指先を傾斜面35に引っ掛けることができ、ナット部37を回転させる時に手の指先が滑り難くなる。
【0058】
それとともに、傾斜面35の上の凹部42は、凹部42の底面43と第1のカバー部30の外周面との間を結ぶ端面44を有するので、この端面44と第1のカバー部30の外周面とで規定される角部47に指先の腹を引っ掛けることができる。
【0059】
このため、特にナット部37を締め込む方向に回転させる時に、可動フード20の移動方向に沿うようにナット部37を軸方向に押圧することができる。したがって、ナット部37を締め込む時の力を確実に可動フード20に伝えることができ、ナット部37の締め付け作業を効率良く容易に行うことができる。
【0060】
本実施の形態では、角部47の角度α2を90°±20°の範囲内に規定している。例えば、角度α2が110°を上回ると、端面44の傾斜が強すぎて親指の腹が角部47に掛かり難くなる。このため、親指の腹を傾斜面35に突き当てた時に、親指が端面44に沿ってずれ動き易くなる。よって、ナット部37を軸方向に押圧しようとする力がナット部37の径方向に分散するのを避けられず、ナット部37の締め込み力を可動フード20に確実に伝えることができなくなる。
【0061】
一方、角度α2が70°を下回ると、角部47がエッジ状に尖った形状となる。そのため、角部47を丸めたり、あるいは角部47に面取りを施したとしても、角部47に親指の腹を引っ掛けた時に、釣人が痛い思いをすることがある。
【0062】
このことから、角部47の角度α2を90°±20°の範囲内に規定することで、ナット部37をシート部13に向けて強固に押圧できるとともに、この押圧時に親指が痛くなるといった不具合を解消できる。
【0063】
図10に示すように、グリップ10を片手で握って釣竿1をキャスティング操作する時、釣人によってはキャスティングの正確性を増すために、トリガー18を中指と薬指とで挟み込んだ状態で人差し指を前に延ばし、この人差し指の腹を可動フード20の第1のカバー部30の外周面に当接させることがあり得る。人差し指が可動フード20に接していると、この接触部分に生じる摩擦抵抗により可動フード20が不所望に回転し、いつの間にか可動フード20が緩んでしまう虞があり得る。
【0064】
しかるに、本実施の形態によると、第1のカバー部30の外周面は、摘み部38や傾斜面35よりも平滑に形成されているので、この第1のカバー部30の外周面に人差し指の指先が触れていても、この指先が第1のカバー部30の外周面から滑り易くなる。
【0065】
言い換えると、指先と第1のカバー部30の外周面との間に生じる摩擦抵抗が小さく抑えられ、例えば釣の最中に可動フード20に接している人差し指を動かしたとしても、可動フード20を緩めようとする方向の力が可動フード20に伝わり難くなる。
【0066】
したがって、可動フード20と一体のナット部37が滑り止め用のローレット溝34や指掛け用の凹部42を有していても、可動フード20を手の指先で意識的に回さない限り、可動フード20を定位置に保つことができ、両軸リール4をがたつくことなくシート部13に固定できる。
【0067】
さらに、ナット部37は可動フード20と一体化されているので、部品点数を少なく抑えることができる。このため、リール固定装置3の軽量化やコストの低減が可能となるといった利点がある。
【0068】
本発明は上記実施の形態に特定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施可能である。
【0069】
例えば、シート部の後端に位置する第1のフードを移動可能な可動フードとするとともに、シート部の前端に位置する第2のフードを固定フードとしたり、第1および第2のフードの双方を可動フードとしてもよい。第1および第2のフードを夫々可動フードとする場合は、各フードにナット部を設ける必要があることは勿論である。
【0070】
さらに、可動フードとナット部とを互いに別部品で構成し、これら別部品を互いに連結するようにしてもよい。
【0071】
それとともに、上記実施の形態では、可動フードを合成樹脂製の本体と金属製の外装カバーとで構成したが、可動フードを一つの材料で一体に形成してもよい。この際、可動フードの材料としては、リール脚の傷付きを防止することを考慮すると、例えばABS樹脂のような合成樹脂が好ましいものとなる。
【0072】
加えて、傾斜面上の指掛け部にしても凹部によって形成されるものに限らず、例えば複数の凸部によって形成してもよい。凸部を指掛け部とする場合、凸部はナット部の軸方向に延びるような形状とすることが好ましく、手の指先は凸部の長手方向に沿う側面に引っ掛かることになる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の実施の形態において、リール固定装置に両軸リールを固定した状態を示す釣竿の側面図。
【図2】本発明の実施の形態に係るリール固定装置の斜視図。
【図3】本発明の実施の形態に係るリール固定装置の断面図。
【図4】本発明の実施の形態において、ナット部を一体化した可動フードを分解して示す斜視図。
【図5】本発明の実施の形態において、ナット部を一体化した可動フードの側面図。
【図6】本発明の実施の形態において、ナット部を一体化した可動フードの正面図。
【図7】本発明の実施の形態において、ナット部を一体化した可動フードを一部断面で示す側面図。
【図8】本発明の実施の形態において、可動フードの本体を一部断面で示す側面図。
【図9】本発明の実施の形態において、可動フードの外装カバーを一部断面で示す側面図。
【図10】本発明の実施の形態において、リール固定装置のグリップを片手で握ってキャスティング操作をする時の釣竿の側面図。
【符号の説明】
【0074】
4…リール(両軸リール)、7…リール脚、12…リールシート本体、16…第1のフード(固定フード)、20…第2のフード(可動フード)、35…傾斜面、37…ナット部、38…摘み部、39…境界部、41…指掛け部。




 

 


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