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管状体及びその製造方法 - ダイワ精工株式会社
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発明の名称 管状体及びその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−97428(P2007−97428A)
公開日 平成19年4月19日(2007.4.19)
出願番号 特願2005−288210(P2005−288210)
出願日 平成17年9月30日(2005.9.30)
代理人 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦
発明者 西川 太 / 小斎 秀範
要約 課題
軽量で装飾性に優れ、装飾粒子の密着性のよい管状体を提供する。

解決手段
この管状体は、強化繊維14及び強化繊維14に合成樹脂を含浸させた繊維強化樹脂層24を有する繊維強化プリプレグ16を巻回することにより形成されている管状の本体12と、本体12の最外層を形成する繊維強化プリプレグ16の繊維強化樹脂層24の外表面に配置されている装飾粒子26と、を有する。装飾粒子26の外表面には、装飾粒子26の厚さよりも薄い厚さを有する樹脂被膜30が形成されており、繊維強化樹脂層24は、装飾粒子26間で露出している。
特許請求の範囲
【請求項1】
強化繊維及び前記強化繊維に合成樹脂を含浸させた繊維強化樹脂層を有する繊維強化プリプレグを巻回することにより形成されている管状の本体と、
前記本体の最外層を形成する前記繊維強化プリプレグの前記繊維強化樹脂層の外表面に配置されている装飾粒子と、を具備し、
前記装飾粒子の外表面には、前記装飾粒子の厚さよりも薄い厚さを有する樹脂被膜が形成されており、
前記繊維強化樹脂層は、前記装飾粒子間で露出している、
ことを特徴とする管状体。
【請求項2】
前記装飾粒子は、前記繊維強化樹脂層の外表面から突出しており、
前記樹脂被膜は、前記装飾粒子に沿うように形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の管状体。
【請求項3】
前記装飾粒子は、少なくともその一部分が前記繊維強化樹脂層に埋め込まれており、
前記装飾粒子及び前記樹脂被膜は、少なくともその一部分が前記繊維強化樹脂層の外表面から突出している、
ことを特徴とする請求項1に記載の管状体。
【請求項4】
前記装飾粒子は、前記本体の外表面において、前記本体の外表面の面積の5%〜50%の面積を占めるように配置されている、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の管状体。
【請求項5】
前記本体の最外層を形成する前記繊維強化プリプレグの樹脂含浸量は、25wt%未満である、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の管状体。
【請求項6】
前記本体の外表面における前記装飾粒子の最大幅は、200μm以上800μm未満である、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の管状体。
【請求項7】
強化繊維に合成樹脂を含浸した繊維強化プリプレグを芯部材に巻回して管状の本体を形成する工程と、
樹脂で被覆された装飾粒子を溶剤に混入し、当該溶剤を前記本体の外表面に吹き付け、当該溶剤を揮発させて、前記繊維強化プリプレグの繊維強化樹脂層の外表面に前記装飾粒子を付着させる工程と、
前記本体の外表面を被覆部材によって被覆して前記本体を焼成する工程と、
前記本体から前記芯部材及び前記被覆部材を除去する工程と、
を具備することを特徴とする管状体の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣竿、ゴルフクラブシャフト、テニスラケット等に用いられる管状体、及び、その製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリプレグを巻回して形成した竿素材の外周面に塗料を塗布した竿が知られている。この塗料は、透明な樹脂中に顔料を含むものであり、この顔料は、基体と基体の光屈率とは異なる光屈折率を有する皮膜とから形成されている。例えば、基体としては光屈折率の低い天然マイカを用い、皮膜としては光屈折率の高い酸化チタン膜が用いられる(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第3178626号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような竿では、竿素材の外周面に塗料を塗布しているため竿の重量が増大してしまう。また、顔料が樹脂に覆われているため、プリプレグの外周面、樹脂、顔料の密着性はよくなっているが、顔料単体の密着性は高くない。
【0004】
本発明は、上記課題に着目してなされたもので、その目的とするところは、軽量で装飾性に優れ、装飾粒子の密着性のよい管状体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施態様の管状体は、強化繊維及び前記強化繊維に合成樹脂を含浸させた繊維強化樹脂層を有する繊維強化プリプレグを巻回することにより形成されている管状の本体と、前記本体の最外層を形成する前記繊維強化プリプレグの前記繊維強化樹脂層の外表面に配置されている装飾粒子と、を具備し、前記装飾粒子の外表面には、前記装飾粒子の厚さよりも薄い厚さを有する樹脂被膜が形成されており、前記繊維強化樹脂層は、前記装飾粒子間で露出している、ことを特徴とする。
【0006】
本発明の別の一実施態様の管状体の製造方法は、強化繊維に合成樹脂を含浸した繊維強化プリプレグを芯部材に巻回して管状の本体を形成する工程と、樹脂で被覆された装飾粒子を溶剤に混入し、当該溶剤を前記本体の外表面に吹き付け、当該溶剤を揮発させて、前記繊維強化プリプレグの繊維強化樹脂層の外表面に前記装飾粒子を付着させる工程と、前記本体の外表面を被覆部材によって被覆して前記本体を焼成する工程と、前記本体から芯部材及び被覆部材を除去する工程と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の管状体によれば、繊維強化樹脂層の外表面に装飾粒子が配置され、装飾粒子の外表面には装飾粒子の厚さよりも薄い厚さを有する樹脂被膜が形成されていると共に、装飾粒子間で繊維強化樹脂層が露出しているため、管状体が軽量化され、管状体の装飾性が優れたものとなっている。また、装飾粒子の外表面には樹脂被膜が形成されているため、装飾粒子の密着性が向上されている。
【0008】
また、本発明の管状体の製造方法では、このような軽量で装飾性に優れ、装飾粒子の密着性のよい管状体を製造することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の第1実施形態を図1乃至図6を参照して説明する。図1及び図2に示されるように、本実施形態の管状体は、中空薄肉構造の本体12を有する。この本体12は、強化繊維14に合成樹脂を含浸した繊維強化プリプレグ16(以下、単にプリプレグ16と称する)を芯部材としての芯金に巻回することにより形成されている。強化繊維14としては、例えば、カーボン繊維、ガラス繊維、アラミド繊維が用いられ、合成樹脂としては、好ましくは、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂が用いられる。なお、本体12は中実構造であってもよい。
【0010】
図2に示されるように、本体12は、内層18、中間層20、外層22の三層構造となっている。なお、本体12は、三層構造に限らず、適宜数の積層構造であってもよい。本実施形態では、内層18及び外層22では、プリプレグ16の繊維方向が本体12の周方向に引き揃えられており、中間層20では、プリプレグ16の繊維方向が本体12の長手軸方向に引き揃えられている。そして、最外層である外層22のプリプレグ16の樹脂含浸量は、25wt%未満となっている。
【0011】
図2及び図3を参照し、このような本体12の外表面に、装飾粒子26を混入した溶剤を吹き付け、当該溶剤を揮発させて、プリプレグ16の繊維強化樹脂層24の外表面に装飾粒子26を付着させる。装飾粒子26には透明な樹脂製の被覆層28が形成されている。装飾粒子26としては、例えば、薄片状の、アルミフレーク等の金属製粒子、あるいは、雲母粒子等の天然鉱物製粒子が用いられ、被覆層28としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂が用いられる。このような装飾粒子26は、樹脂層間に金属層等を形成し、超音波処理等によって粉砕することにより得ることができる。そして、溶剤中に装飾粒子26が混入されると、被覆層28が部分的に溶融して粘着性を呈し、本体12の外表面に装飾粒子26を混入した溶剤を吹き付けた際に、装飾粒子26を粘着よく繊維強化樹脂層24の外表面に付着させることが可能となる。
【0012】
繊維強化樹脂層24の外表面に装飾粒子26を付着した後、本体12の外周部に被覆部材としての弾性チューブを被せ、外圧を付与しつつ本体12を所定温度で所定時間にわたって熱処理して、弾性チューブの熱収縮作用により本体12を緊密に加圧しながら焼成硬化を行う。焼成後、本体12から芯金、弾性チューブを除去する。この結果、本体12の外周部には、平滑面が形成される。ここで、弾性チューブは、例えば、エチレンプロピレン、シリコーンゴム、弗素樹脂によって形成されている。
【0013】
図4に示されるように、本体12の外表面では、装飾粒子26間に繊維強化樹脂層24が露出している。そして、図5に示されるように、装飾粒子26は繊維強化樹脂層24に埋め込まれておらず、装飾粒子26の外表面に沿って樹脂被膜30が形成されている。この樹脂被膜30の厚さは、装飾粒子26の厚さよりも薄くなっている。なお、樹脂被膜30は、装飾粒子26の全外表面に沿って形成されるのが好ましいが、平面視上の上下にのみ形成されていてもよい。また、樹脂被膜30、装飾粒子26の厚さとは、装飾粒子26の差渡し寸法の大きい方向に沿う両端部及び中央部の夫々の厚さの平均値のことである。
【0014】
図6に示されるように、装飾粒子26は、本体12の外表面において、本体12の外表面の面積の5%〜50%の面積を占めるように配置されている。また、本体12の外表面における装飾粒子26の最大幅は、200μm以上800μm未満である。
【0015】
従って、本実施形態の管状体は次の効果を奏する。本実施形態の管状体では、繊維強化樹脂層24の外表面に装飾粒子26が配置され、装飾粒子26の外表面には装飾粒子26の厚さよりも薄い厚さを有する樹脂被膜30が形成されていると共に、装飾粒子26間で繊維強化樹脂層24が露出しているため、管状体が軽量化され、管状体の装飾性が優れたものとなっている。また、装飾粒子26の外表面には樹脂被膜30が形成されているため、装飾粒子26の密着性が向上されている。
【0016】
また、装飾粒子26は繊維強化樹脂層24の外表面から突出しており、樹脂被膜30は装飾粒子26に沿うように形成されている。このため、耐磨耗性が高く、退色しにくい装飾効果が実現されていると共に、装飾粒子26の密着性が一層向上されており、さらに、滑り止め等の操作性にも優れ、糸付着防止効果も奏する。
【0017】
そして、装飾粒子26は、本体12の外表面において、本体12の外表面の面積の5%〜50%の面積を占めるように配置されている。即ち、装飾粒子26の占める面積が比較的少ないため、本体12の一層の軽量化が可能である。また、装飾に変化をもたせることができ、部分的に装飾を施すことにより、ワンポイント的なアクセントとしての装飾外観を実現することが可能である。
【0018】
さらに、装飾粒子26の密着性は、本体12の最外層を形成するプリプレグ16の樹脂含浸量の低下により減少するが、上述したような装飾粒子26の密着性の高い構成では、充分な密着性を保持しつつ樹脂含浸量を低下させることが可能である。本実施形態では、本体12の最外層を形成するプリプレグ16の樹脂含浸量は25wt%未満となっており、装飾粒子26の充分な密着性を保持しつつ、本体12の充分な軽量化が実現されている。
【0019】
なお、溶剤中で装飾粒子26の被覆層28が部分的に溶融して粘着性を呈しているため、装飾粒子26を粘着よく繊維強化樹脂層24の外表面に付着させることが可能であり、本実施形態のように本体12の最外層を形成するプリプレグ16の樹脂含浸量が少ない場合であっても、装飾粒子26が剥がれ落ちにくい。さらに、繊維強化樹脂層24の外表面に強化繊維14が露出していたとしても、装飾粒子26と強化繊維14との密着性を保持でき、容易に装飾粒子26が剥がれ落ちにくい。また、本体12の成形硬化後に本体12の外表面に装飾粒子26を付着させ、本体12の外周部にテープを巻回して、本体12の焼成硬化を行うようにしてもよい。また、本体12の外表面に装飾粒子26を混入した溶剤を吹き付ける前に、本体12を加熱処理して半硬化状態にしておいてもよい。この場合、本体12の外表面において、繊維強化樹脂層24の硬度を装飾粒子26の被覆層28の硬度よりも大きくしていれば、装飾粒子26が埋まりにくく、かつ、移動しにくくなり、装飾粒子26を一層粘着よく付着させることが可能となる。
【0020】
加えて、比較的大きな装飾粒子26は密着性に劣るが、上述したような装飾粒子26の密着性の高い構成では、充分な密着性を保持しつつ比較的大きな装飾粒子26を用いることができ、優れた装飾効果を得ることができる。本実施形態では、装飾粒子26の最大幅は200μm以上800μm未満となっており、充分な密着性を保持しつつ優れた装飾効果が実現されている。また、比較的大きな装飾粒子26を多量に用いることは本体12の軽量化の効果を損なう場合があるが、本実施形態では、装飾粒子26は本体12の外表面の面積の5%〜50%の面積を占めるように配置されており、本体12の軽量化の効果を損なうことなく、充分な密着性と優れた装飾効果とを実現している。
【0021】
図7及び図8は、本発明の第1実施形態の変形例を示す。第1実施形態と同様な機能を有する構成には、同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0022】
本実施形態では、繊維強化樹脂層24の外表面に装飾粒子26を付着した後、被覆部材としての緊締用テープを本体12の外周部に巻回し、緊締用テープの締付力により本体12を芯金上で加圧する。本体12の外周面の全体を所定圧力で均一に加圧するため、例えば1.5mm〜2.0mm程度のピッチで緊締用テープを所定幅づつ重ねて螺旋状に巻回する。この状態で本体12を所定温度で所定時間にわたって熱処理して焼成硬化を行い、焼成後、本体12から芯金、緊締用テープを除去する。この結果、図7に示されるように、本体12の外周部には、緊締用テープの平坦な内面によるなだらかな傾斜状面32と、緊締用テープの側縁部による段部34とが形成される。
【0023】
なお、緊締用テープは、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、あるいは、これらの樹脂を組み合わせて、一層構造、二層構造、あるいは、サンドイッチ構造に形成されており、その厚さは例えば10μm〜35μm、幅は例えば5mm〜20mmに設定されている。
【0024】
図8に示されるように、第1実施形態と同様に、装飾粒子26は、本体12の外表面の面積の5%〜50%の面積を占めるように配置されており、本体12の外表面における装飾粒子26の最大幅は200μm以上800μm未満である。
【0025】
図9及び図10は、本発明の第2実施形態を示す。第1実施形態と同様な機能を有する構成には、同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0026】
本実施形態では、繊維強化樹脂層24の外表面に装飾粒子26を付着した後、外圧を付与して装飾粒子26の一部分を繊維強化樹脂層24に埋め込む。例えば、本体12の外表面を弗素材料製マットに回転させながら押付ける、あるいは、本体12の外表面にテープを巻回することにより、装飾粒子26の一部分の埋め込みが可能である。
【0027】
図10に示されるように、本実施形態では、装飾粒子26はその一部分が繊維強化樹脂層24に埋め込まれており、装飾粒子26及び樹脂被膜30は少なくともその一部分が繊維強化樹脂層24の外表面から突出している。加えて、第1実施形態と同様に、装飾粒子26の外表面に沿って樹脂被膜30が形成されており、この樹脂被膜30の厚さは装飾粒子26の厚さよりも薄くなっている。
【0028】
従って、本実施形態の管状体は次の効果を奏する。本実施形態では、装飾粒子26の一部分が繊維強化樹脂層24に埋め込まれていると共に、装飾粒子26及び樹脂被膜30が繊維強化樹脂層24の外表面から突出している。このため、装飾粒子26が脱落しにくく、耐磨耗性が高く退色しにくい装飾効果が実現されている。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、軽量で装飾性に優れ、装飾粒子の密着性のよい、釣竿、ゴルフクラブシャフト、テニスラケット等に用いられる管状体、及び、その製造方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1実施形態の管状体の本体を示す斜視図。
【図2】本発明の第1実施形態の管状体の本体を示す断面図。
【図3】本発明の第1実施形態の管状体の装飾粒子を示す断面図。
【図4】本発明の第1実施形態の管状体の本体を図2よりも拡大して示す断面図。
【図5】本発明の第1実施形態の管状体の本体を図4よりも拡大して示す断面図。
【図6】本発明の第1実施形態の管状体の本体の外周部を示す展開図。
【図7】本発明の第1実施形態の変形例の管状体の本体を示す断面図。
【図8】本発明の第1実施形態の変形例の管状体の本体の外周部を示す展開図。
【図9】本発明の第2実施形態の管状体の本体を示す断面図。
【図10】本発明の第2実施形態の管状体の本体を図9よりも拡大して示す断面図。
【符号の説明】
【0031】
12…本体、14…強化繊維、16…繊維強化プリプレグ、24…繊維強化樹脂層、26…装飾粒子、30…樹脂被膜。




 

 


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