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発明の名称 釣竿
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−60998(P2007−60998A)
公開日 平成19年3月15日(2007.3.15)
出願番号 特願2005−251533(P2005−251533)
出願日 平成17年8月31日(2005.8.31)
代理人 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦
発明者 江塚 尚之 / 大津 武則 / 大田 勲 / 田村 健人
要約 課題
穂先部に装着された釣糸結着部の抜けや脱落を防止すると共に、釣糸結着操作を阻害しない位置に筒状保持体を保持することのできる釣竿を提供すること

解決手段
釣糸を結着する釣糸結着部14を支える筒状軸杆18と、この筒状軸杆18の軸方向に沿って、釣糸結着部14を外部に露出させる位置とこの釣糸結着部14の全体を内部に収納する位置との間を移動可能な筒状保持体34とを備え、金属製の穂先部12aを挿入した筒状軸杆18を、筒状軸杆18の内周側に押出された凸部16でこの穂先部12aに保持させると共に、外周側に押出された凸部16aにより、釣糸結着部14を露出する位置に配置された筒状保持体34の軸方向移動を規制する釣竿10。
特許請求の範囲
【請求項1】
釣糸を結着する釣糸結着部を支える筒状軸杆と、この筒状軸杆の軸方向に沿って、前記釣糸結着部を外部に露出させる位置とこの釣糸結着部の全体を内部に収納する位置との間を移動可能な筒状保持体とを備え、金属製の穂先部を挿入した前記筒状軸杆を、軸方向の相対移動を阻止する保持手段でこの穂先部に保持させると共に、この保持手段により、釣糸結着部を露出する位置に配置された前記筒状保持体の軸方向移動を規制することを特徴とする釣竿。
【請求項2】
前記保持手段は、筒状軸杆の内周側に押出された凸部を周方向に沿って複数有し、これらの凸部により前記穂先部の外面を圧着し、穂先部と筒状軸杆とを固定することを特徴とする請求項1に記載の釣竿。
【請求項3】
前記保持手段は、筒状軸杆の外周側に押出された凸部を周方向に沿って複数有し、前記筒状保持体はこの外周側に押出された凸部で係止されて元側への軸方向移動を規制されることを特徴とする請求項1又は2に記載の釣竿。
【請求項4】
前記保持手段は、筒状軸杆の外周側に押出された凸部を周方向に沿って複数有し、前記筒状保持体はこの外周側に押出された凸部に嵌合して元側および先側への軸方向移動を規制されることを特徴とする請求項1又は2に記載の釣竿。
【請求項5】
前記外周側に押出された凸部は、筒状軸杆の円筒状外周面から0.1mm以上の高さを有することを特徴とする請求項3又は4に記載の釣竿。
【請求項6】
前記保持手段は、軸方向に離隔した複数部位に設けられ、軸方向に沿う複数部位で前記穂先部の外面と筒状軸杆の内面とを圧着することを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の釣竿。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣竿に関し、特に、釣糸を先端に結着する釣糸結着部の基端を支える筒状軸杆を穂先部に保持させた釣竿に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば鮎竿あるいは渓流竿等のように、穂先部に釣糸の道糸を結着する釣竿には、釣糸を結着する釣糸結着部を、筒状軸杆を介して穂先部に接着固定し、この筒状軸杆の軸線を中心として回転自在に支え、この釣糸結着部を軸方向に移動自在の筒状保持体で釣糸結着部から釣糸が脱落するのを防止したものが知られている(例えば特開2000−157108参照)。
【特許文献1】特開2000−157108
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、このような従来の釣竿では、釣糸結着部を支える筒状軸杆が、繊維強化樹脂プリプレグ等により中空あるいは中実に形成された穂先竿の外周に、接着剤を介して固定される。穂先竿は極めて細径の構造を有し、この細径の穂先竿の外周に嵌合する筒状軸杆も細径構造に形成されるため、接着状態にバラツキが生じ易く、一方、このような接着状態は、外部からは確認することができない。したがって、穂先部に対する釣糸結着部の固定強度にもバラツキが生じる。また、道糸を結着する際に穂先側を下方に向けると、筒状保持体も先側に移動することがある。
【0004】
本発明は、このような事情に基いてなされたもので、穂先部に装着された釣糸結着部の抜けや脱落を防止すると共に、釣糸結着操作を阻害しない位置に筒状保持体を保持することのできる釣竿を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明によると、釣糸を結着する釣糸結着部を支える筒状軸杆と、この筒状軸杆の軸方向に沿って、前記釣糸結着部を外部に露出させる位置とこの釣糸結着部の全体を内部に収納する位置との間を移動可能な筒状保持体とを備え、金属製の穂先部を挿入した前記軸杆を、軸方向の相対移動を阻止する保持手段でこの穂先部に保持させると共に、この保持手段により、釣糸結着部を露出する位置に配置された前記筒状保持体の軸方向移動を規制する釣竿が提供される。
前記保持手段は、筒状軸杆の内周側に押出された凸部を周方向に沿って複数有し、これらの凸部により前記穂先部の外面を圧着し、穂先部と筒状軸杆とを固定することができる。
【0006】
前記保持手段は、筒状軸杆の外周側に押出された凸部を周方向に沿って複数有し、前記筒状保持体がこの外周側に押出された凸部で係止されて元側への軸方向移動を規制されるものであってもよい。
また、前記保持手段は、筒状軸杆の外周側に押出された凸部を周方向に沿って複数有し、前記筒状保持体がこの外周側に押出された凸部に嵌合して元側および先側への軸方向移動を規制されるものであってもよい。
【0007】
前記外周側に押出された凸部は、筒状軸杆の円筒状外周面から0.1mm以上の高さを有することが好ましい。
【0008】
更に、前記保持手段は、軸方向に離隔した複数部位に設けられ、軸方向に沿う複数部位で前記穂先部の外面と筒状軸杆の内面とを圧着することも可能である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の釣竿によると、金属製の穂先部に筒状軸杆が保持手段で保持され、この保持手段により、釣糸結着部を露出する位置に配置された筒状保持体の軸方向移動を規制することにより、釣糸結着部を支える筒状軸杆の固定強度を高められて、穂先部に装着された釣糸結着部の抜けや脱落を防止すると共に、釣糸の結着操作を阻害しない位置に筒状保持体を保持することができる。
【0010】
この保持手段が筒状軸杆の内周側に押出された複数の凸部を穂先部の外面に圧着する場合には、穂先部上への筒状軸杆の固定が容易に行われる。
また、保持手段が筒状軸杆の外周側に押出された複数の凸部で、筒状保持体の軸方向移動を規制する場合には、極めて簡単な構造でありながら、筒状保持体の軸方向移動を確実に規制することができ、特に、凸部の円筒状外周面からの高さが0.1mm以上である場合には、この凸部の強度も十分確保され、長期間にわたってその機能を維持することができる。
【0011】
このような保持手段が軸方向に離隔した複数部位に設けられることにより、金属製の穂先部と筒状軸杆との固定強度が増大すると共に、穂先部と筒状軸杆との軸芯のずれによる固定曲がりの発生が抑制される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1および図2は、本発明の好ましい実施形態による釣竿10の穂先部を示す。
本実施形態の釣竿10は、例えば鮎竿あるいは渓流竿として大きく撓むことができると共に魚信に敏感な金属製の穂先竿12を備え、この穂先竿12の先端部すなわち穂先部12aに、釣糸を結着するためのフック状の釣糸結着部14を有する結着装置Kを取付けてある。
【0013】
この穂先竿12は、例えばNi−Ti系合金、Ni−Ti−Fe系合金、Ni−Ti−Cu系合金、Ni−Ti−Cr系合金等、伸び率が3%以上(具体的には5〜8%程度)で、例えば軸方向の引張り荷重で約3%以上の伸びを生じさせる状態に形状変化をさせた際に、約70%以上の復元率で元の形状に回復することができる超弾性合金で形成してある。この穂先竿12は、その全体をこのような超弾性合金により、中実構造あるいは中空構造に形成することができる。このような穂先竿12の先端部は、先側と元側とが同径のストレート形状が好ましいが、外周面を緩いテーパ状に形成した先細り形状であってもよい。
【0014】
なお、穂先竿12は、全体を超弾性合金で形成することに代え、図示しない芯材にこのような超弾性合金を用い、その外側に繊維強化樹脂層を形成してもよい。この繊維強化樹脂層を外側に設ける場合は、超弾性合金の弾性率が約40〜70N/mmの範囲で、例えば64N/mmのときに、約4.9〜294N/mmの範囲の弾性率を持つ炭素繊維強化樹脂あるいはガラス繊維強化樹脂を用いることが好ましい。このような繊維強化樹脂層を外側に形成する場合であっても、上述の結着装置Kを取付ける穂先部12aには、このような樹脂層で覆われることなく、外周部には金属を露出させることが好ましい。
【0015】
このような金属製の穂先部12aに取付けた釣糸用の結着装置Kは、釣糸結着部14を支える筒状軸杆18を備え、この筒状軸杆18が穂先部12aの外周部に嵌合される。本実施形態の筒状軸杆18は、元側が開口しかつ先側が閉じ、穂先部12aの外面との間に略0.1mm程度の僅かな間隙d(図2参照)を形成する内孔20を有する。この筒状軸杆18の内孔20内に、先端が内孔20の閉端部に当接するまで穂先竿12の穂先部12aを挿入し、先端から離隔した所要部位を筒状軸杆18の外側からカシメ等により、この内孔20の内面から半径方向内方に凸部16を押出し、この凸部16を穂先部12aの外面に圧着することで、穂先部12aに対する筒状軸杆18の軸方向の相対移動を阻止することができる。このような凸部16は、周方向に間隔をおいて複数形成することが好ましく、少なくとも2つを凸部16が互いに180°離隔した位置に形成される。したがって、本実施形態では、周方向に沿って配置され、筒状軸杆18の内面側に押出されて穂先部12aの外面に圧着される複数の凸部16が、穂先竿12の穂先部12aに結着装置Kの筒状軸杆18を保持させる保持手段を形成する。
【0016】
この筒状軸杆18の先側には、周方向溝24を形成した首部26を穂先部12aと同軸状に形成してある。一方、釣糸結着部14の元側には頭部28が一体に設けられ、この頭部28の元側から延びるスカート部30がこの首部26の外周上に装着される。このスカート部30の外径は、頭部28よりも僅かに縮径されており、頭部28との間に段部29が形成される。また、スカート部30の内周からは、カシメ等によりスカート部30の一部で形成した突出部32が周方向溝24内に突入して、この周方向溝24と緩く嵌合する。これにより、釣糸結着部14が穂先部12a上に、軸方向移動不能でかつ穂先部12aの軸線を中心として回転自在に装着され、結着した釣糸が捩れるのを防止する。
【0017】
この釣糸結着部14および筒状軸杆18の外側に、釣糸結着部14から釣糸が脱落するのを防止する筒状保持体34が装着される。
この筒状保持体34は、先側の端部を外方に折り返して滑らかな湾曲面に形成した円筒状形状を有し、図1の(A)に示す引込位置と、図1の(B)および(C)に示す突出位置との間を軸方向に沿って移動することができる。この筒状保持体34の内径は、釣糸結着部14を突出させた頭部28よりも、先側が僅かに大きく、元側が僅かに小さく形成してあり、その間には、頭部28の周部に形成された段部29に係合して先側から抜出るのを防止する段部35を形成される。更に、この筒状保持体34は段部35の先側で、小突起36を内周側に突出させてあり、突出位置に配置されたときに、頭部28の先側に係合し、意に反して引込位置に戻るのを阻止することができる。
【0018】
この筒状保持体34は、図1(A)に示す引込位置に配置されたときに、釣糸結着部14を露出して釣糸結着操作を容易とし、図1の(B)に示す突出位置に配置されたときに、段部35を頭部28の段部29で係止されて釣糸結着部14を完全に覆い、フック状形状の釣糸結着部14から釣糸が脱落するのを防止する。突出位置に配置されたときに、筒状保持体34の先側端部が滑らかな湾曲面で形成されているため、釣糸を傷つけることはない。また、頭部28の先側に係合する小突部36が、魚釣中に、釣糸結着部14に一端を結ばれた釣糸に作用する力で、筒状保持体34が意に反して引込位置に戻るのを防止する。この筒状保持体34は、図示のように、引込位置にあるときに筒状軸杆18の首部26に形成した周方向溝24および突出部32を露出させ、突出位置にあるときに穂先部12aの外面に圧着する凸部16を形成する部位を露出させる長さに形成するのが好ましい。
【0019】
この筒状保持体34が引込位置に配置されたときに、元側に向けて軸方向に移動するのを規制するため、筒状軸杆18には、外周側に押出された凸部16aが設けてある。
本実施形態の凸部16aは、筒状軸杆18の内孔20内に金属製の穂先部12aを挿入した状態で筒状軸杆18を外周側からカシメたときに、筒状軸杆18の内孔20の内面側に凸部16が押出されて穂先部12aの外面に圧接すると同時に、肉逃げによって形成されたもので、上述の内面側に押出された凸部16と共に保持手段を形成する。この内周側に押出された凸部16は軸方向に細長い形状を有し、これと同時に、反対側に向けて外周側に押出された凸部16aも軸方向に細長い形状を有する。これらの凸部16と凸部16aとは、筒状軸杆18の周方向に沿って交互に形成される。
【0020】
この凸部16aは、筒状保持体34を係止するのに十分な強度を確保し、更に、長期間にわたってその機能を維持するために、筒状保持体34の円筒状の外周面から0.1mm以上突出する高さh(図1の(C)参照)を有することが好ましい。この突出高さhが筒状軸杆18の元側の内周面と筒状軸杆18の円筒状外周面との間隙よりも大きいときは、筒状保持体34の元側端部を係止してこの筒状保持体34の元側への軸方向移動を規制することができる。この場合は、筒状保持体34の先側への軸方向移動は規制されない。
【0021】
また、凸部16aの突出高さhが筒状保持体34の元側の内周面に嵌合する大きさのとき、すなわち凸部16aの頂部の少なくとも一部が筒状保持体34の内周面に係合するときは、筒状保持体34は先側および元側の双方の側への軸方向移動が規制される。この場合には、例えば釣糸を釣糸結着部14に取付けあるいは取外す際に、釣竿10の穂先を下側に向けても、筒状保持体34が自重で先側に移動することなく、凸部16aに嵌合した状態を保持する。このため、釣竿10の穂先をどのような向きに配置しても、筒状保持体34により釣糸結着操作あるいは取外操作が阻害されることはない。釣糸結着部14を目視しつつ自由に両手を使用して操作することができる。そして、操作が完了した後は、筒状保持体34を手で先側に移動することにより、筒状保持体34と凸部16aとの嵌合が解除され、筒状保持体34はその内面に形成された段部35と小突起36とを頭部28に係合させて所定位置に保持することができる。
【0022】
このような凸部16aは、図1の(C)に示すように、軸方向に長い形状を有することが好ましく、先側と元側とでその高さhを等しく形成してある。このような凸部16aは、少なくとも2つ形成し、周方向に沿って等間隔に配置することが、片当りを防止して移動操作を滑らかに行う点で、好ましい。したがって、2つの凸部16aを形成する場合には、互いに180°離隔した位置となる。
【0023】
このような結着装置Kを形成する筒状軸杆18および筒状保持体34は、例えばSUS、真鍮、アルミニウム合金あるいはチタン等の金属の他、繊維強化樹脂やセラミックス等の適宜の材料で形成することができる。特に、筒状軸杆18を金属で形成する場合には、金属製の穂先部12aとの固定強度を高めることができ、この筒状軸杆18および釣糸結着部14が穂先部12aから抜け落ちるのを防止することができる。また、釣糸結着部14、頭部28およびスカート部30も十分な強度を持つ金属で形成することが好ましい。
【0024】
このような結着装置Kを穂先部12aに取付ける場合は、釣糸結着部14を筒状軸杆18の首部26に回転自在に装着した後、筒状保持体34を筒状軸杆18に装着し、図1の(B)および(C)に示すように、先側に配置した後、以下のように行うことが好ましい。
まず、金属製の穂先部12aの外面に接着剤を塗布し、筒状軸杆18の内孔20内に挿入する。このとき、筒状軸杆18の内孔20の内面にも接着剤を塗布してもよい。
筒状軸杆18の開口端から漏出した余分の接着剤を払拭した後、図1および図2に示すように、筒状保持体34の元側に対応した部位を、カシメ等により圧着し、複数の凸部16を筒状軸杆18の内周側に押出し、これらの凸部16で穂先部12aの外面を圧着させる。これらの凸部16が筒状軸杆18の周方向に沿ってほぼ均等な間隔で複数形成されるため、穂先部12aと筒状軸杆18との間にガタツキを生じさせることなく、確実に圧着固定することができる。特に、凸部16に対向する穂先部12aの外面を粗面状に形成しておくことにより、固定力を増大させることが可能である。
【0025】
図2に示すように、この穂先部12aと筒状軸杆18とが金属で形成されている場合には、凸部16の高さhがほぼ0.1mm以上に形成されていることが好ましい。この穂先部12aの外面と筒状軸杆18の内面との間隙dが極めて僅かであるため、このような凸部16が筒状軸杆18の内周側に押出されると同時に、肉逃げにより、この筒状軸杆18の外周側に凸部16aが押出される。この外周側に押出す凸部16aは、図1および図2に示すように、筒状保持体34の元側に全体が収容される場合には、この筒状保持体34が固着されずに、手で操作して軸方向に移動できる程度の押出し高さに形成する。
【0026】
このような凸部16,16aを形成した後、接着剤が硬化するまで、筒状軸杆18側すなわち穂先部12aを上側にした状態に保持し、筒状軸杆18を所要位置に保持しておくことが好ましい。
【0027】
なお、筒状軸杆18と穂先部12aとの圧着は、接着剤が硬化した後に行っても良い。特に、エポキシ樹脂系の接着剤を使用した場合には、この接着剤が硬化した後も弾性を有しているため、圧着により接着層を破壊する虞はないからである。なお、接着剤は、このようなエポキシ樹脂系の他にも、シアノアクリレート系、塩化ビニール系、嫌気性アクリル系であってもよい。また、上述とは逆に、接着剤を塗布することなく、筒状軸杆18と穂先部12aとを圧着し、この後、例えばシアノアクリレート系接着剤等の瞬間接着剤をその隙間から流し込んでもよい。
【0028】
このように釣糸結着装置Kを穂先部12aに取付けられた釣竿10は、金属製の穂先部12aと筒状軸杆18とが周方向に沿ってほぼ均等に配置された複数の凸部16を介して互いに強固に圧着される。特に、筒状軸杆18が金属製の場合には、大きな固定強度が得られ、筒状軸杆18が穂先部12aから抜け落ちるのを防止することができる。
【0029】
図3は、変形例による釣竿10を示す。なお、以下に示す種々の変形例および実施形態も基本的には上述の実施形態と同様であるため、同様な部位には同様な符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0030】
図3の(A)は、上述の実施形態における保持手段の凸部16aの高さhが先側よりも元側を高く形成されている。筒状保持体34を引込位置に配置したときに、この凸部16aの元側が筒状保持体34の元側から露出する。この場合には、筒状保持体34の嵌合および分離を滑らかに行うことができると共に、筒状保持体34を元側に強い力で移動しても、凸部16aの元側で確実に係止することができる。
【0031】
図4は更に、保持手段を形成する凸部16,16aを軸方向に離隔した2つの部位に設けた変形例を示す。この場合、元側の凸部16aとほぼ同じ突出高さに形成してこの筒状保持体34の移動範囲をこれらの互いに軸方向に離隔した2つの部位の凸部16aで規制することもでき、あるいは、先側の凸部16aは元側の凸部16aよりもその突出高さを低くして筒状保持体34の元側を自由に移動させるようにしてもよい。このように軸方向に離隔した複数部位に保持手段である凸部16,16aを形成する場合には、複数部位で穂先部12aと結着装置Kの筒状軸杆18とを固定することができるため、より強固な固定強度が得られると共に、固定曲がり、すなわちカシメ等の圧着力が周方向に沿って不均等に作用することにより、筒状軸杆18が穂先部12aの軸線に対して曲がる状態となることが防止される。
【0032】
なお、凸部16,16aは軸方向に長い形状に示してあるが、このような細長い形状に限らず、円形、楕円形あるいは点状等の種々の形状に形成してもよく、更に、周方向に延びるリング状に形成することも可能である。いずれの場合も、凸部16aの先側に滑らかな傾斜状の面部を形成して、筒状保持体34の係合および分離が容易な形状とすることが好ましい。
また、上述の実施形態あるいは変形例では、釣糸結着部14の先側をフック状に形成し、このフック状に形成した部分に釣糸を掛けるようにしたが、これに限らず、螺旋状構造あるいはチチ輪状構造等の種々の構造に形成することができる。フック状構造に代えて、例えばリング状等の釣糸が抜け出る可能性の低い構造を採用する場合には、筒状保持体32を省略することも可能である。この場合には、竿先部の軽量化が促進される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の好ましい実施形態による釣竿の先端部を示し、(A)は釣糸結着部を露出した状態の断面図、(B)は釣糸結着部を筒状保持体で覆った状態の断面図、(C)は保持手段を示す説明図。
【図2】図1に示す穂先部と筒状軸杆とを結合する保持手段の拡大図。
【図3】変形例による釣竿の先端部を示し、(A)は保持手段と筒状保持体との嵌合状態を示す説明図、(B)はその拡大図。
【図4】軸方向に沿って設けた複数の保持手段を有する釣竿の先端部の説明図。
【符号の説明】
【0034】
10…釣竿、12…穂先竿、12a…穂先部、14…釣糸結着部、16,16a…凸部(保持手段)、18…筒状軸杆、34…筒状保持体。




 

 


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