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発明の名称 釣竿
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−29035(P2007−29035A)
公開日 平成19年2月8日(2007.2.8)
出願番号 特願2005−219369(P2005−219369)
出願日 平成17年7月28日(2005.7.28)
代理人 【識別番号】100097559
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 浩司
発明者 江塚 尚之 / 加藤 好尚
要約 課題
小さな力で容易に回転操作が行なえるナットを備えた釣竿を提供する。

解決手段
本発明の釣竿は、リール脚載置部13の前後に対向して配置され、リール脚を受け入れる開口を有する一対のフード部15,16を備え、これら一対のフード部15,16の内、少なくとも一方がナット20を回転操作することで移動可能に構成されている。そして、回転操作されるナット20は、その外周が、少なくとも軸長方向の幅の大きな溝21と幅の小さな溝22の組み合わせによって構成されている。
特許請求の範囲
【請求項1】
リール脚載置部の前後に対向して配置され、リール脚を受け入れる開口を有する一対のフード部を備え、これら一対のフード部の内、少なくとも一方がナットを回転操作することで移動可能に構成されたリールシートを有する釣竿において、
前記ナットは、その外周が、少なくとも軸長方向の幅の大きな溝と幅の小さな溝の組み合わせによって構成されていることを特徴とする釣竿。
【請求項2】
リール脚固定装置を備えた元竿と、後端部にジョイント部材と接続ナットが装着され、前記元竿に対して着脱可能な先竿とを備え、前記ジョイント部材をリール脚固定装置に嵌合し、前記接続ナットをリール脚固定装置の先端部に設けた雄ネジ部に螺合することで前記元竿と先竿を接続する釣竿において、
前記接続ナットは、その外周が、少なくとも軸長方向の幅の大きな溝と幅の小さな溝の組み合わせによって構成されていることを特徴とする釣竿。
【請求項3】
前記幅の大きな溝は、内側に窪んだ円弧状に形成され、前記幅の大きな溝に隣接して前記幅の小さな溝が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の釣竿。
【請求項4】
前記幅の大きな溝の幅は、2.5〜3.5mmの範囲であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の釣竿。
【請求項5】
前記幅の小さな溝よりも、幅の大きな溝の溝深さが大きいことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の釣竿。
【請求項6】
前記幅の大きな溝の溝深さは、0.6mm以上であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の釣竿。
【請求項7】
前記幅の小さな溝は、前記幅の大きな溝間に複数設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の釣竿。
【請求項8】
前記幅の小さな溝は、断面V字状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の釣竿。
【請求項9】
前記幅の大きな溝は、円周上に、等間隔に少なくとも6箇所以上形成されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の釣竿。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転操作されるナットを備えた釣竿に関する。
【背景技術】
【0002】
釣竿には、回転操作されるナットを備えたものがある。例えば、リールが装着される磯竿や船竿には、その元竿部分にリールを固定するためのリールシートが設けられており、ナットを回転操作することで移動フードを軸方向に移動してリールを着脱する形式のものがある。また、一部の船竿には、元竿部分と穂先竿部分を、ジョイント機構によって連結し、ナットを回転操作することで、元竿部分と穂先竿部分を着脱する形式のものがある。
【0003】
通常、上記したような釣竿に用いられるナットには、回転操作性を向上するための手段が施されている。例えば、特許文献1に開示されているように、ナットの外周面に、小さな幅の突起溝を、ナットの外周面に所定間隔をおいて形成したものがある。
【特許文献1】特開2004−337098号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記したようなナットの構造では、小さな幅の突起溝は、滑り止めの作用が働くが、そのような突起溝が形成されていない領域(単なる平坦外周面)では、滑り止めの作用は無く、小さな力で容易にナットを回転することはできない。この場合、上記した突起溝を全周に亘って形成することで、滑り止めの作用は向上すると考えられるが、単に表面の摩擦係数が全体として高くなっただけであり、小さな力で容易にナットを回転するといった操作感(しっくり感)を向上する上では、更に改善すべき余地がある。特に、釣竿を握持しながらナットを回転操作することも有り得ることから、小さな力で容易に回転操作できることが好ましい。
【0005】
本発明は、上記した問題に基づいてなされたものであり、小さな力で容易に回転操作が行なえるナットを備えた釣竿を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した目的を達成するために、本発明に係る釣竿は、リール脚載置部の前後に対向して配置され、リール脚を受け入れる開口を有する一対のフード部を備え、これら一対のフード部の内、少なくとも一方がナットを回転操作することで移動可能に構成されたリールシートを有しており、前記ナットは、その外周が、少なくとも軸長方向の幅の大きな溝と幅の小さな溝の組み合わせによって構成されていることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る釣竿は、リール脚固定装置を備えた元竿と、後端部にジョイント部材と接続ナットが装着され、前記元竿に対して着脱可能な先竿とを備え、前記ジョイント部材をリール脚固定装置に嵌合し、前記接続ナットをリール脚固定装置の先端部に設けた雄ネジ部に螺合することで前記元竿と先竿を接続するよう構成されており、前記接続ナットは、その外周が、少なくとも軸長方向の幅の大きな溝と幅の小さな溝の組み合わせによって構成されていることを特徴とする。
【0008】
上記した構成において、リールをリールシートから着脱する際、或いは、先竿を元竿に対して着脱する際、ナット(接続ナット)が回転操作される。ナットを回転操作する際、指の腹部がナットの外周に当て付けられることとなるが、小さな幅の溝部分で指が滑ることが防止され、更には、この部分で指が滑っても、幅の大きな溝部分に指の腹部が食い込むことから、滑ることが抑制され、小さな力でも容易にナットを回転操作することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、小さな力でも容易に回転操作が行なえるナットを備えた釣竿が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明に係る釣竿の一実施形態について説明する。
【0011】
図1〜図5は、本発明に係る釣竿の一実施形態を示す図であり、図1は、釣竿の全体構成を示す図、図2は、穂先竿と元竿を分離した状態を示す図、図3は、穂先竿を元竿に固定した状態を示す図、図4は、元竿に装着されるリールシートを示す図、そして、図5は、ジョイント機構の構成を示す図である。
【0012】
本実施形態に係る釣竿1は、専ら、船竿に適した構成となっており、リールRが装着される元竿3と、元竿3に対して着脱可能な穂先竿5とを備えている。前記元竿3には、リールRを着脱可能にするパイプ状のリールシート10が装着されており、この元竿3に対して、ジョイント機構30を介して穂先竿(先竿)5が着脱されるようになっている。また、元竿3には、リールシートの後方側に握部4が形成され、その後端部には、尻手環4a及び尻栓4bが設けられている。
【0013】
前記穂先竿5の外周には、所定の間隔をおいて複数の釣糸ガイド(外ガイド)7が設けられており、リールシート10に装着されたリールRから繰出される釣糸を案内する。この場合、釣糸ガイド7は、固定式であっても良いし、軸方向に移動可能な移動式に構成されていても良い。また、穂先竿は、中通し式に構成されていても良い。なお、図に示す構成では、穂先竿5は、1本竿として構成されているが、2本以上が継構造となっているものであっても良い。このような構造では、元竿に対して、ジョイント機構30を介して着脱される竿管が先竿となる。
【0014】
前記リールシート10は、図3及び図4に示すように、パイプ状に形成されたリールシート本体12を備えている。リールシート本体12は、例えば、ステンレス、アルミニウム合金、チタン、真鍮等の金属によって一体的に形成され、管状(中実であっても良い)に形成された元竿3の外周面に対して固着される。
【0015】
リールシート本体12には、リールRの脚部(リール脚)が載置されるリール脚載置部13が形成されており、その両側には、リール脚を受け入れる開口を備えた一対のフード部が配置されている。この場合、一対のフード部の内、少なくともいずれか一方が移動フードとして構成されていれば良く、本実施形態においては、穂先側にあるフード部が移動フード15として構成され、基端側にあるフード部が固定フード16として構成されている。すなわち、リール脚を固定フード16の開口16aに挿入し、この状態で移動フード15を後述するナットを回転操作することで軸方向の固定フード側に移動させ、移動フード15の開口15aにリール脚を嵌合させることで、リールが固定されるようになっている。
【0016】
なお、移動フード15とリールシート本体12との間にはガイド手段(図示せず)が設けられており、ナットを回転操作した際に、移動フード15が回転することなく、軸方向に移動できるように構成されている。
【0017】
前記リールシート本体12の外周には、所定の長さに亘って、ナット20が螺合される雄ネジ部18が形成されている。この場合、ナット20は移動フード15に当て付いており、ナット20を雄ネジ部18に対して回転操作することで、移動フード15を軸方向に移動させるようになっている。このナット20については、本実施形態においては、移動フード15が緩み難いように、同一構成のものが2つ並設されている。
【0018】
前記ジョイント機構30は、穂先竿5の基端部に設けられており、穂先竿5の基端部に固定される筒状のジョイント部材31、及びジョイント部材31に設置される接続ナット32とを備えている。この接続ナット32は、前記元竿3に装着されるリールシート10に形成された雄ネジ部18の先端領域に螺合し、穂先竿5(ジョイント部材31)を元竿3に固定する機能を有する。すなわち、筒状のジョイント部材31を元竿3(リールシート本体12)の先端内部に嵌合し、接続ナット32を締め付けることにより穂先竿5は元竿3に固定されるようになっている。
【0019】
前記ジョイント部材31の基端部の端面には、凹溝31aが形成されており、ジョイント部材31を元竿3の先端部に嵌入させると、元竿3の内部の端面に形成された凸部(図示せず)と係合し、両者は回り止めされた状態となる。この状態でリールシート10の雄ネジ部18がジョイント部材31の後端外周を覆っており、接続ナット32を回転操作することによって、両者は螺合結合し、回り止めされた状態で抜け止め固定される。
【0020】
図5に示すように、前記接続ナット32には、その穂先側に、軸心方向に突出するフランジ32aが一体形成されている。そして、このフランジ32aが、ジョイント部材31の外周面に環状に突出形成された止まり部31bに対し、後述するリング部材33を介して係合することで、接続ナット32は、ジョイント部材31に対して抜け止め保持されている。
【0021】
前記接続ナット32の内周面には、雌ネジ部32bが形成されており、この雌ネジ部32bの端部と前記フランジ32aとの間にリング部材33(OリングでもCリングでも良い)が固着されている。このリング部材33は、例えばゴムのような軟質部材、ナイロン、ABS、POM等の樹脂によって一体形成されており、接続ナット32を雄ネジ部18に対して締め込んでいった時に、前記止まり部31bに圧接し、両者の間でのガタ付きを防止するようになっている。この場合、リング部材33の内径を、接続ナット32の先端内径(フランジ32aの内径)よりも小さく、かつジョイント部材31の外径よりも大きくすることにより、ジョイント部材31の外面に接続ナットが当接して傷が付くこと、及び音が発生することが防止される。
【0022】
なお、ジョイント部材31の外周面に、環状に突出した止まり部31bが形成されるのではなく、外周面が後方に向かって次第に拡径するテーパ(傾斜面)である場合、リング部材33は、その傾斜面に圧接してガタを防止する。
【0023】
また、ジョイント部材31には、止まり部31bよりも後方側にOリング35が配設されている。このOリング35は、前記リング部材33と同様、ゴムのような軟質部材、ナイロン、ABS、POM等の樹脂によって一体形成されており、元竿に固着されているリールシート本体12に形成された雄ネジ部18が後方側から嵌り込むと、潰れて縦長の楕円形状に変形し、接続ナット32の内面に当接するようになる。すなわち、止まり部31bを挟んで前方側はリング部材33、後方側は雄ネジ部18の端面によって変形して接続ナットの内面に当接するOリング35が配置されることで、接続ナット32を安定して回転操作することが可能となる。また、このようなOリング35を配設したことで、接続ナット32がジョイント部材31に付属しているような構成であっても、ガタ付き音を防止することができる。
【0024】
なお、前記Oリング35は、雌ネジ部32bによって破損し難い程度の耐久性があることが好ましい。また、Oリング35については、後方側に動き難いように、ジョイント部材31の外周に溝を形成しておき、この部分に嵌め込むようにしても良い。
【0025】
図6及び図7は、上記したリールシートの雄ネジ部18に螺合されるナット20の一構成例を示す図であり、図6は一部断面図、図7は正面図である。
【0026】
上記したナット20は、例えば、ステンレス、アルミニウム合金、チタン、真鍮等の金属によって一体的に形成されており、その外周面には、回転操作時に、滑り等が生じないように、滑り止め手段が形成されている。
【0027】
この滑り止め手段は、ナット20の外周面に、軸長方向に延びる幅の大きな溝21と幅の小さな溝22の組み合わせによって構成されている。この場合、幅の大小については、両者の相対的な比較によって定められるものであり、異なる幅のものが複合的に組み合わされて構成されていれば良い。すなわち、このような幅の異なる溝が複合的に形成されることで、指の腹部をナットの外周に当て付けた際、小さな幅の溝22の部分で指が滑ることが防止され、かつ、この部分で指が滑ったとしても、幅の大きな溝21の部分に指の腹部を食い込ませることができ、結果的に回転操作時に指の滑りが効果的に抑制され、小さな力でも容易にナットを回転操作することができる。
【0028】
具体的に、本実施形態におけるナット20は、その外径Cが29mm、軸方向長さLが8mmに設定されている。そして、このような構成において、幅の大きな溝21については、釣人が回転操作しようとした際、その指が溝の内部に食い込む程度(溝幅Wが2.5〜3.5mmの範囲)に設定しておくことが好ましい。また、その深さDについては、幅の小さな溝22の深さよりも深く形成しておくことが好ましく、少なくとも0.6mm以上あることが好ましい。
【0029】
すなわち、溝幅Wが上記した範囲内にあることで、回転操作した際に、指の腹部が食い込み易くなり、小さな力でも容易にナット20を回転操作することができる。また、溝の深さDを小さな幅の溝22よりも深くしておくことで、ナットを回転操作する際に、深く指が入り込み、小さな力でも容易にナットを回転することができ、また、溝内面側部の傾斜が立ち易くなって、より抵抗が働き、容易に回転操作することができるようになる。
【0030】
なお、幅の小さな溝22について、その幅や深さは、上記した幅の大きな溝21の幅Wよりも相対的に狭く、また、深さDよりも相対的に浅く形成されていれば良く、例えば、幅については、0.5〜1.5mm程度、深さについては、0.4〜0.6mm程度に形成されていれば良い。
【0031】
上記した幅の大きな溝21は、円周上に、等間隔に少なくとも6箇所以上形成されていることが好ましい。すなわち、主に、親指と人差し指でナットを回転操作する際に、少なくとも略60°間隔で幅の大きな溝21が存在することで、無意識にナットを摘んでも指が入り込み易くなり、容易にナットを回転操作することが可能となる(本実施形態では、幅の大きな溝21は、略40°間隔で9箇所形成されており、より回転操作がし易いように構成されている)。なお、幅の大きな溝21は、余り多数形成しておくと、操作感が低下する傾向となるため、12箇所以下に設定しておくことが好ましい。もちろん、幅の大きな溝21は、単独で等間隔に設置しておくことが好ましいが、複数個隣接させた状態で、等間隔に形成しても良いし、等間隔に配置しなくても良い。
【0032】
上記した幅の小さい溝22については、大きな幅の溝間に形成されており、大きな幅の溝21間に複数個(本実施形態では、大きな幅の溝間に5個)形成しておくことが好ましい。すなわち、幅の小さな溝22を複数個、隣接して形成しておくことで、大きな幅の溝からはみ出した指の腹部に小さな幅の溝が当接するため、更に大きな抵抗となって回転操作がし易くなる。
【0033】
また、前記幅の大きな溝21は、内側に窪んだ円弧状に形成しておくことが好ましい。具体的に、その円弧のRを、1〜3の範囲に設定しておくことにより、指の腹部が食い込んだ際に円弧状部に密着するようになり、指が痛くならずに、小さな力でも容易に回転操作することが可能となる。
【0034】
また、溝と溝との間の頂部(大きな幅の溝21の山の頂部P、小さな幅の溝22の山の頂部P1)は、指が引っ掛かり易いように、尖っていた方が好ましい。この場合、指を痛めないように、その先端には、微妙にRを付与しておくことが好ましい。また、両方の溝の山の頂部P,P1については、円周上に位置するのが好ましいが、小さな幅の溝22の山の頂部P1が、大きな幅の溝21の頂部Pよりも若干、外方に突出していても良い。
【0035】
また、上記したような滑り止め手段が形成されたナット20には、その軸長方向両サイドの角部に面取り28を形成しておくことが好ましい。このような面取り28を形成しておくことにより、指で摘んだ際の保持感が向上すると共に、回転操作した際の回転方向の抵抗を向上することが可能となる。なお、このような面取り28は、C面取りでもR面取りであっても良い。また、上記した両溝21,22の溝の長さをナット幅に対して極力大きくするために、指を痛めない程度に微妙な面取りであっても良い。
【0036】
また、上記した幅の小さい溝22については、図8及び図9に示すように、断面V字状に形成しても良い。このような形状にしておくことで、小さな幅の溝22の内壁面が立ち易くなって指の引っ掛かりが大きくなり、小さな幅の溝のために指が痛くなり難く、容易に回転操作できるようになる。
【0037】
図10及び図11は、ナット20に形成される滑り止め手段の別の構成例を示す図である。このナットでは、上記した幅の大きな溝21を、円周上に略60°で等間隔に6個形成している。このような構成においても、小さな力で容易に回転操作することが可能となる。
【0038】
図12及び図13は、上記したジョイント機構30に用いられる接続ナット32の一構成例を示す図である。これらの図に示すように、接続ナット32についても、上記したナット20と同様、その外周面に滑り止め手段を形成することで、容易に回転操作することが可能となる(この接続ナット32の外周に形成される滑り止め手段については、前記ナット20と同じであるため、詳細な説明については省略する)。
【0039】
上記したナット20、及び接続ナット32に関し、回転操作のし易さを検証するために以下のような比較試験を行なった。
【0040】
[接続ナット32について]
ナット幅14mmで、外周面に幅の大きな溝21を9箇所形成し、かつ幅の大きな溝21間に、幅の小さな溝22を5箇所形成した試験品1を、試験品3と比較試験する。この場合、試験品3は、同様な幅の大きな溝21のみを9箇所形成しただけで、幅の小さな溝は形成していない。また、試験品1及び試験品3の幅の大きな溝21は、溝幅が3mm、深さが0.8mmに設定されており、試験品1の幅の小さな溝22は、溝幅が1mm、深さが0.5mmに設定されている。なお、リング部材33については、除去した状態で比較試験を行なった。
【0041】
[ナット20について]
ナット幅8mmで、外周面に幅の大きな溝21を9箇所形成し、かつ幅の大きな溝21間に、幅の小さな溝22を5箇所形成した試験品2を、試験品4と比較試験する。この場合、試験品4は、同様な幅の大きな溝21のみを9箇所形成しただけで、幅の小さな溝は形成していない。また、試験品1及び試験品3の幅の大きな溝21は、溝幅が3mm、深さが0.8mmに設定されており、試験品1の幅の小さな溝22は、溝幅が1mm、深さが0.5mmに設定されている。
【0042】
[比較試験方法]
比較試験では、接続ナット32及びナット20を、雄ネジ部18の下端部まで締め込んだ状態にして、試験機(TOHNICHI社製、デジタルトルクメータ Z-TME90)にリールシート10を固定し(固定フード側を下にする)、更に、各ナットを締め込んで指が滑る状態までナットを締め込んだときのトルクメータの値を記録した。
【0043】
比較試験は、A,B,C,D(女性),Eの5名が、各試験品を親指と人差し指の第一関節までの接触で締め付けた状態とし、各試験品について3回実施した。各試験で得られる結果において、トルクメータの数値が高いほど、接続ナット32、ナット20を回転操作する際の滑りが生じ難いこと、すなわち、小さな力でも回転が容易に行なえることを意味する。
【0044】
そして、各試験者の指を乾燥状態にして、上記した比較試験を行なったところ、以下の表1のような試験結果が得られた。
【0045】
【表1】


5名の比較試験の平均値(AV)から見られるように、大きい幅の溝及び小さい幅の溝が形成された試験品1及び試験品2は、いずれも小さい幅の溝が形成されていない試験品3及び試験品4に対して高い数値が得られた。すなわち、大きい幅の溝及び小さい幅の溝をナットの外周面に複合的に組み合わせて形成することで、小さな力でも容易に回転操作が行なえるという結果が得られた。
【0046】
また、各試験者の指を実釣時で生じ易い湿らせた状態にして比較試験を行なったところ、以下の表2のような試験結果が得られた。
【0047】
【表2】


5名の比較試験の平均値(AV)から見られるように、大きい幅の溝及び小さい幅の溝が複合的に形成された試験品1及び試験品2は、いずれも小さい幅の溝が形成されていない試験品3及び試験品4に対して高い数値が得られた。すなわち、指が湿っている状況下においても、大きい幅の溝及び小さい幅の溝を外周面に組み合わせたナットによれば、小さな力で容易に回転操作が行なえるという結果が得られた。
【0048】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記した実施形態の構成に限定されることはなく、種々変形することが可能である。上記したようなナットの構成については、その外周面に、相対的に幅の大きな溝と幅の小さな溝が複合的に組み合わせて形成されていれば、その配置態様については適宜変形することが可能である。また、このような組み合わせが存在すれば、外周面の一部に平坦面が形成されていても良いし、別の幅の溝が形成されていても良い。
【0049】
さらに、上記したような構成のナットは、リールシートやジョイント機構以外にも、例えば、尻栓部分に配設されたものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係る釣竿の一実施形態を示す図であり、釣竿の全体構成を示す図。
【図2】穂先竿と元竿を分離した状態を示す図。
【図3】穂先竿を元竿に固定した状態を示す図。
【図4】元竿に装着されるリールシートを示す図。
【図5】ジョイント機構の構成を示す図。
【図6】リールシートの雄ネジ部に螺合されるナットの構成を示す一部断面図。
【図7】図6に示すナットの正面図。
【図8】ナットの別の構成例を示す一部断面図。
【図9】図8に示すナットの正面図。
【図10】ナットの更に別の構成例を示す一部断面図。
【図11】図10に示すナットの正面図。
【図12】ジョイント機構に用いられる接続ナットの構成を示す一部断面図。
【図13】図12に示すナットの正面図。
【符号の説明】
【0051】
1 釣竿
3 元竿
5 穂先竿(先竿)
10 リールシート
12 リールシート本体
13 リール脚載置部
15 移動フード(フード部)
16 固定フード(フード部)
18 雄ネジ部
20 ナット
21 幅の大きな溝
22 幅の小さな溝
32 接続ナット




 

 


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