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発明の名称 昇降制御装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−129998(P2007−129998A)
公開日 平成19年5月31日(2007.5.31)
出願番号 特願2005−328968(P2005−328968)
出願日 平成17年11月14日(2005.11.14)
代理人 【識別番号】100109427
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 活人
発明者 三輪 敏之 / 武山 隆一 / 丹生 秀和
要約 課題
耕耘作業の開始時において、未耕地の発生及び土盛り量の過多の発生を可及的に防止し得る構造簡単な昇降制御装置を提供する。

解決手段
車輌本体50に対して昇降可能に連結された耕耘機400を昇降用アクチュエータ220によって昇降制御させる昇降制御装置は、耕耘機400を非耕耘状態位置から自動高さ制御において下降させて設定耕深位置での自動耕深制御を行う耕耘作業の開始時に、リヤカバー437の回動角度θDが所定角度に達した時点から一定時間又は一定区間においては、耕耘機400の昇降制御の制御精度が緩和するように自動高さ制御及び/又は自動耕深制御における制御条件を補正すると共に、制御条件の補正量を、非耕耘状態位置からの耕耘機400の下降速度に応じて変更するように構成されている。
特許請求の範囲
【請求項1】
車輌本体に対して昇降可能に連結された耕耘機を昇降用アクチュエータによって昇降制御させる昇降制御装置であって、前記耕耘機の昇降制御をリフトアームの回動角度に基づいて行う自動高さ制御と、前記耕耘機の昇降制御をリヤカバーの回動角度に基づいて行う自動耕深制御とを実行可能な昇降制御装置であって、
前記耕耘機を非耕耘状態位置から自動高さ制御において下降させて設定耕深位置での自動耕深制御を行う耕耘作業の開始時に、前記リヤカバーの回動角度が所定角度に達した時点から一定時間又は一定区間においては、前記耕耘機の昇降制御の制御精度が緩和するように前記自動高さ制御及び/又は前記自動耕深制御における制御条件を補正すると共に、
前記制御条件の補正量を、前記非耕耘状態位置からの前記耕耘機の下降速度に応じて変更するように構成したことを特徴とする昇降制御装置。
【請求項2】
前記非耕耘状態位置から耕耘状態位置への前記耕耘機の下降速度を変更させる下降速度調節手段による設定値に応じて、前記補正量を変更するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の昇降制御装置。
【請求項3】
前記下降速度が速くなるに従って前記補正量を大きくすることを特徴とする請求項1又は2に記載の昇降制御装置。
【請求項4】
車輌本体に対して昇降可能に連結された耕耘機を昇降用アクチュエータによって昇降制御させる昇降制御装置であって、前記耕耘機の昇降制御をリフトアームの回動角度に基づいて行う自動高さ制御と、前記耕耘機の昇降制御をリヤカバーの回動角度に基づいて行う自動耕深制御とを実行可能な昇降制御装置であって、
前記耕耘機を非耕耘状態位置から自動高さ制御において下降させて設定耕深位置での自動耕深制御を行う耕耘作業の開始時に、前記リヤカバーの回動角度が所定角度に達した時点から一定時間又は一定区間においては、前記耕耘機の昇降制御の制御精度が緩和するように前記自動高さ制御及び/又は前記自動耕深制御における制御条件を補正すると共に、
前記制御条件の補正量を、以前の耕耘作業開始時における制御情報に基づいて変更するように構成したことを特徴とする昇降制御装置。
【請求項5】
前記制御情報は、以前の耕耘作業開始時において自動耕深制御へ移行した時点における耕耘機の移行時耕深位置と、該移行時点から一定時間又は一定区間経過後における耕耘機の経過後耕深位置との偏差であることを特徴とする請求項4に記載の昇降制御装置。
【請求項6】
前記移行時耕深位置が前記経過後耕深位置よりも高い場合には、前記偏差が大きくなるに従って前記補正量を小さくし、
前記移行時耕深位置が前記経過後耕深位置よりも低い場合には、前記偏差が大きくなるに従って前記補正量を大きくすることを特徴とする請求項5に記載の昇降制御装置。
【請求項7】
車輌本体に対して昇降可能に連結され且つ耕耘カバーがカバー回動用アクチュエータによって耕耘爪軸の軸線回りに前後へ回動可能とされた耕耘機を昇降用アクチュエータによって昇降制御させる昇降制御装置であって、前記耕耘機の昇降制御をリフトアームの回動角度に基づいて行う自動高さ制御と、前記耕耘機の昇降制御をリヤカバーの回動角度に基づいて行う自動耕深制御とを実行可能な昇降制御装置であって、
前記耕耘機を非耕耘状態位置から自動高さ制御において下降させて設定耕深位置での自動耕深制御を行う耕耘作業の開始時に、前記リヤカバーの回動角度が所定角度に達した時点から一定時間又は一定区間においては、前記耕耘機の昇降制御の制御精度が緩和するように前記自動高さ制御及び/又は前記自動耕深制御における制御条件を補正すると共に、
前記制御条件の補正量を、前記耕耘カバーの回動位置に応じて変更するように構成したことを特徴とする昇降制御装置。
【請求項8】
前記耕耘カバーの回動位置が前方に設定されているに従って前記補正量を大きくすることを特徴とする請求項7に記載の昇降制御装置。
【請求項9】
車輌本体に対して昇降可能に連結され且つ耕耘カバーがカバー回動用アクチュエータによって耕耘爪軸の軸線回りに前後へ回動可能とされた耕耘機を昇降用アクチュエータによって昇降制御させる昇降制御装置であって、前記耕耘機の昇降制御をリフトアームの回動角度に基づいて行う自動高さ制御と、前記耕耘機の昇降制御をリヤカバーの回動角度に基づいて行う自動耕深制御とを実行可能な昇降制御装置であって、
前記耕耘機を非耕耘状態位置から自動高さ制御において下降させて設定耕深位置での自動耕深制御を行う耕耘作業の開始時に、前記リヤカバーの回動角度が所定角度に達した時点から一定時間又は一定区間においては、前記耕耘機の昇降制御の制御精度が緩和するように前記自動高さ制御及び/又は前記自動耕深制御における制御条件を補正すると共に、
前記補正パラメータの補正量を、前記非耕耘状態位置からの前記耕耘機の下降速度、以前の耕耘作業開始時における制御情報、又は、前記耕耘カバーの回動位置のうちの選択された要素に応じて変更するように構成したことを特徴とする昇降制御装置。
【請求項10】
前記制御条件の補正は、自動高さ制御においては、設定上下位置の変更又は制御ゲインの変更の少なくとも何れか一の手段を含み、且つ、自動耕深制御においては、制御ゲインの変更又は不感帯幅の変更の少なくとも何れか一の手段を含むことを特徴とする請求項1から9の何れかに記載の昇降制御装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラクタ等の車輌本体に対して昇降可能に連結された耕耘機に対して自動高さ制御及び自動耕深制御を行うように構成された昇降制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トラクタ等の車輌本体に対して昇降可能且つ左右に傾動可能に連結された耕耘機の位置制御を行う昇降制御装置として、例えば、前記耕耘機を該車輌本体に対して昇降させる昇降用アクチュエータと、前記耕耘機の上下高さを設定する上下位置操作手段と、前記耕耘機の耕深深さを設定する耕深深さ設定手段と、前記耕耘機の上下位置を検出する上下位置検出手段と、前記耕耘機の耕耘位置を検出する耕耘位置検出手段と、前記昇降用アクチュエータを作動させる制御手段とを備え、前記耕耘機の検出上下位置を前記上下位置操作手段による設定上下位置に追従させる自動高さ制御と、前記耕耘機の検出耕耘位置を前記耕耘深さ設定手段による設定耕深位置に追従させる自動耕深制御とを行えるように構成された昇降制御装置が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
【0003】
詳しくは、自動高さ制御は、車輌左右方向に沿った回動軸回りに回動可能とされたリフトアームの回動角度に基づいて、前記耕耘機の昇降制御を行うように構成されている。
即ち、前記昇降用アクチュエータは、前記リフトアームを介して、前記耕耘機を昇降させ得るように構成されている。
前記上下位置操作手段は、設定上下位置(目標上下位置)として、前記リフトアームの回動角度を設定し、一方、前記上下位置検出手段は、その時点の耕耘機の上下位置(検出上下位置)として、前記リフトアームの回動角度を検出している。
斯かる構成において、前記制御手段は、前記自動高さ制御モードにおいては、前記検出上下位置が前記設定上下位置との偏差に基づいて、前記昇降用アクチュエータの制御条件を算出し、該制御条件に基づき前記検出上下位置が前記設定上下位置と一致するように前記昇降用アクチュエータを作動制御させるようになっている。
【0004】
一方、前記自動耕深制御は、前記耕耘機における耕耘リヤカバーの回動角度に基づいて、前記耕耘機の昇降制御を行うように構成されている。
即ち、前記耕耘機は、耕耘爪軸と、該耕耘爪軸に設けられた耕耘爪と、該耕耘爪の回転軌跡の上方を覆う耕耘上面カバー及び該耕耘上面カバーの後端部に揺動可能に連結された耕耘リヤカバーを含む耕耘カバーとを有している。
前記耕深深さ設定手段は、設定耕深位置(目標耕深位置)として、前記耕耘上面カバーに対する前記耕耘リヤカバーの回動角度を設定し、一方、前記耕深位置検出手段は、実耕深位置(検出耕深位置)として、前記耕耘上面カバーに対する前記耕耘リヤカバーの回動角度を検出している。
そして、前記制御手段は、前記自動耕深制御モードにおいては、前記検出耕深位置と前記設定耕深位置との偏差に基づいて、前記昇降用アクチュエータの制御条件を算出し、該制御条件に基づき前記検出耕深位置が前記設定耕深位置と一致するように前記昇降用アクチュエータを作動制御させるようになっている。
【0005】
ここで、前記耕耘機を非耕耘状態位置から下降させて自動耕深制御での耕耘作業を開始させる際(以下、耕耘作業の開始時という)の制御状態について説明する。
前記制御手段は、前記上下位置操作の下降操作に応じて非耕耘状態位置にある前記耕耘機を自動高さ制御によって下降させる。そして、該制御手段は、例えば、前記耕耘機が接地した時点、若しくは、前記耕耘機が前記設定耕深位置に到達した時点で、自動高さ制御から自動耕深制御への切り替えを行い、その後、自動耕深制御によって前記耕耘機の昇降制御を行うようになっている。
【0006】
ところで、前記耕耘作業の開始時においては、自動高さ制御からどの段階で自動耕深制御に切り替えるかに拘わらず、前記耕耘機には下方への慣性モーメントが生じている。
従って、前記耕耘作業の開始時には、前記耕耘機の耕深位置(検出耕深位置)が前記設定耕深位置に対して追従させ難く、従って、ハンチング現象等の制御不安定化を招き易かった。
【0007】
又、仕様によっては、非耕耘状態位置からの前記耕耘機の下降速度を調節可能とされているものがあるが、前記耕耘機の下降速度が速いと、自動耕耘制御開始点での耕深位置が設定耕深位置よりも深くなり、土盛り量が過大になる等の不都合が生じる。
一方、前記耕耘機の下降速度が遅いと、設定耕深位置への到達に時間を要することになり、未耕地が発生する等の不都合が生じる。
【特許文献1】特開2000−41415号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、斯かる従来技術に鑑みなされたものであり、耕耘作業の開始時において、未耕地の発生及び土盛り量の過多の発生を可及的に防止し得る構造簡単な昇降制御装置の提供を、一の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、前記課題を解決するために、次の第1態様の昇降制御装置を提供する。
(1)第1態様の昇降制御装置
車輌本体に対して昇降可能に連結された耕耘機を昇降用アクチュエータによって昇降制御させる昇降制御装置であって、前記耕耘機の昇降制御をリフトアームの回動角度に基づいて行う自動高さ制御と、前記耕耘機の昇降制御をリヤカバーの回動角度に基づいて行う自動耕深制御とを実行可能な昇降制御装置であって、
前記耕耘機を非耕耘状態位置から自動高さ制御において下降させて設定耕深位置での自動耕深制御を行う耕耘作業の開始時に、前記リヤカバーの回動角度が所定角度に達した時点から一定時間又は一定区間においては、前記耕耘機の昇降制御の制御精度が緩和するように前記自動高さ制御及び/又は前記自動耕深制御における制御条件を補正すると共に、前記制御条件の補正量を、前記非耕耘状態位置からの前記耕耘機の下降速度に応じて変更するように構成したことを特徴とする昇降制御装置。
【0010】
前記第1態様の昇降制御装置において、例えば、前記非耕耘状態位置から耕耘状態位置への前記耕耘機の下降速度を変更させる下降速度調節手段による設定値に応じて、前記補正量を変更するように構成することができる。
また、前記補正量を前記下降速度に応じて変更する態様として、前記下降速度が速くなるに従って前記補正量を大きくする態様を例示できる。
【0011】
本発明はまた、次の第2態様の昇降制御装置も提供する。
(2)第2態様の昇降制御装置
車輌本体に対して昇降可能に連結された耕耘機を昇降用アクチュエータによって昇降制御させる昇降制御装置であって、前記耕耘機の昇降制御をリフトアームの回動角度に基づいて行う自動高さ制御と、前記耕耘機の昇降制御をリヤカバーの回動角度に基づいて行う自動耕深制御とを実行可能な昇降制御装置であって、前記耕耘機を非耕耘状態位置から自動高さ制御において下降させて設定耕深位置での自動耕深制御を行う耕耘作業の開始時に、前記リヤカバーの回動角度が所定角度に達した時点から一定時間又は一定区間においては、前記耕耘機の昇降制御の制御精度が緩和するように前記自動高さ制御及び/又は前記自動耕深制御における制御条件を補正すると共に、前記制御条件の補正量を、以前の耕耘作業開始時における制御情報に基づいて変更するように構成したことを特徴とする昇降制御装置。
【0012】
前記第2態様の昇降制御装置において、前記制御情報は、以前の耕耘作業開始時において自動耕深制御へ移行した時点における耕耘機の移行時耕深位置と、該移行時点から一定時間又は一定区間経過後における耕耘機の経過後耕深位置との偏差である場合を例示できる。この場合、前記移行時耕深位置が前記経過後耕深位置よりも高い場合には、前記偏差が大きくなるに従って前記補正量を小さくし、前記移行時耕深位置が前記経過後耕深位置よりも低い場合には、前記偏差が大きくなるに従って前記補正量を大きくすることができる。
【0013】
本発明はまた、次の第3態様の昇降制御装置も提供する。
(3)第3態様の昇降制御装置
車輌本体に対して昇降可能に連結され且つ耕耘カバーがカバー回動用アクチュエータによって耕耘爪軸の軸線回りに前後へ回動可能とされた耕耘機を昇降用アクチュエータによって昇降制御させる昇降制御装置であって、前記耕耘機の昇降制御をリフトアームの回動角度に基づいて行う自動高さ制御と、前記耕耘機の昇降制御をリヤカバーの回動角度に基づいて行う自動耕深制御とを実行可能な昇降制御装置であって、前記耕耘機を非耕耘状態位置から自動高さ制御において下降させて設定耕深位置での自動耕深制御を行う耕耘作業の開始時に、前記リヤカバーの回動角度が所定角度に達した時点から一定時間又は一定区間においては、前記耕耘機の昇降制御の制御精度が緩和するように前記自動高さ制御及び/又は前記自動耕深制御における制御条件を補正すると共に、前記制御条件の補正量を、前記耕耘カバーの回動位置に応じて変更するように構成したことを特徴とする昇降制御装置。
【0014】
前記第3態様の昇降制御装置において、前記耕耘カバーの回動位置が前方に設定されているに従って前記補正量を大きくすることができる。
【0015】
本発明はまた、次の第4態様の昇降制御装置も提供する。
(4)第4態様の昇降制御装置
車輌本体に対して昇降可能に連結され且つ耕耘カバーがカバー回動用アクチュエータによって耕耘爪軸の軸線回りに前後へ回動可能とされた耕耘機を昇降用アクチュエータによって昇降制御させる昇降制御装置であって、前記耕耘機の昇降制御をリフトアームの回動角度に基づいて行う自動高さ制御と、前記耕耘機の昇降制御をリヤカバーの回動角度に基づいて行う自動耕深制御とを実行可能な昇降制御装置であって、前記耕耘機を非耕耘状態位置から自動高さ制御において下降させて設定耕深位置での自動耕深制御を行う耕耘作業の開始時に、前記リヤカバーの回動角度が所定角度に達した時点から一定時間又は一定区間においては、前記耕耘機の昇降制御の制御精度が緩和するように前記自動高さ制御及び/又は前記自動耕深制御における制御条件を補正すると共に、前記補正パラメータの補正量を、前記非耕耘状態位置からの前記耕耘機の下降速度、以前の耕耘作業開始時における制御情報、又は、前記耕耘カバーの回動位置のうちの選択された要素に応じて変更するように構成したことを特徴とする昇降制御装置。
【0016】
前記第1態様から4態様の昇降制御装置において、前記制御条件の補正は、自動高さ制御においては、設定上下位置の変更又は制御ゲインの変更の少なくとも何れか一の手段を含み、且つ、自動耕深制御においては、制御ゲインの変更又は不感帯幅の変更の少なくとも何れか一の手段を含む場合を例示できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の第1態様に係る昇降制御装置によれば、前記耕耘機を非耕耘状態位置から自動高さ制御において下降させて設定耕深位置での自動耕深制御を行う耕耘作業の開始時に、前記リヤカバーの回動角度が所定角度に達した時点から一定時間又は一定区間においては、前記耕耘機の昇降制御の制御精度が緩和するように前記自動高さ制御及び/又は前記自動耕深制御における制御条件を補正すると共に、前記制御条件の補正量を、前記非耕耘状態位置からの前記耕耘機の下降速度に応じて変更するように構成したので、前記耕耘機の下降速度を意図的に変化させた場合及び/又は該下降速度が意に反して変化した場合であっても、耕耘作業の開始時に、未耕地や土盛り量の過多部分が生じることを有効に防止できる。
例えば、前記下降速度が速くなるに従って前記補正量を大きくすれば、前記耕耘機の下降速度が速い場合においては土盛り量の過多を有効に防止でき、且つ、前記下降速度が遅い場合においては未耕地の発生を有効に防止できる。
【0018】
本発明の第2態様に係る昇降制御装置によれば、前記耕耘機を非耕耘状態位置から自動高さ制御において下降させて設定耕深位置での自動耕深制御を行う耕耘作業の開始時に、前記リヤカバーの回動角度が所定角度に達した時点から一定時間又は一定区間においては、前記耕耘機の昇降制御の制御精度が緩和するように前記自動高さ制御及び/又は前記自動耕深制御における制御条件を補正すると共に、前記制御条件の補正量を、以前の耕耘作業開始時における制御情報に基づいて変更するように構成したので、次段の耕耘作業開始時に、推定される好適な制御条件で昇降制御を行うことができ、これにより、未耕地の発生及び土盛り量の過多の発生を可及的に防止できる。
例えば、前記制御情報が、以前の耕耘作業開始時において自動耕深制御へ移行した時点における耕耘機の移行時耕深位置と、該移行時点から一定時間又は一定区間経過後における耕耘機の経過後耕深位置との偏差である場合において、前記移行時耕深位置が前記経過後耕深位置よりも高い場合(浅い場合)には、前記偏差が大きくなるに従って前記補正量を小さくすることで未耕地の発生を防止し、これとは逆に、前記移行時耕深位置が前記経過後耕深位置よりも低い場合(深い場合)には、前記偏差が大きくなるに従って前記補正量を大きくすることで土盛り量が過大になる等の不都合を有効に防止することができる。
【0019】
本発明の第3態様に係る昇降制御装置によれば、前記耕耘機を非耕耘状態位置から自動高さ制御において下降させて設定耕深位置での自動耕深制御を行う耕耘作業の開始時に、前記リヤカバーの回動角度が所定角度に達した時点から一定時間又は一定区間においては、前記耕耘機の昇降制御の制御精度が緩和するように前記自動高さ制御及び/又は前記自動耕深制御における制御条件を補正すると共に、前記制御条件の補正量を、前記耕耘カバーの回動位置に応じて変更するように構成したので、前記リヤカバーの接地長さに拘わらず、耕耘作業の開始時における未耕地の発生や土盛り量の過多部分の発生を可及的に防止できる。
例えば、前記耕耘カバーの回動位置が前方に設定されているに従って前記補正量を大きくすれば、前記リヤカバーの接地長さが短くなって該リヤカバーによる土の移動可能量が少なくなり、これにより、土盛り量が過多になるという不都合を有効に防止できる。
【0020】
本発明の第4態様に係る昇降制御装置によれば、前記耕耘機を非耕耘状態位置から自動高さ制御において下降させて設定耕深位置での自動耕深制御を行う耕耘作業の開始時に、前記リヤカバーの回動角度が所定角度に達した時点から一定時間又は一定区間においては、前記耕耘機の昇降制御の制御精度が緩和するように前記自動高さ制御及び/又は前記自動耕深制御における制御条件を補正すると共に、前記補正パラメータの補正量を、前記非耕耘状態位置からの前記耕耘機の下降速度、以前の耕耘作業開始時における制御情報、又は、前記耕耘カバーの回動位置のうちの選択された要素に応じて変更するように構成したので、作業者が選択した所望の補正制御条件で、耕耘作業の開始時における未耕地の発生や土盛り量の過多の発生を可及的に防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本実施の形態に係る昇降制御装置が適用される作業車輌の一例である農作業用トラクタの概略側面図である。図2は図1に示すトラクタの概略平面図である。図3は図1に示すトラクタにおける耕耘機用昇降機構の概略側面図である。図4は図3に示す耕耘機用昇降機構の概略平面図である。図5はロータリー耕耘機の図2におけるV−V線に沿った概略断面図である。図6は該ロータリー耕耘機の概略背面図である。図7は該トラクタの油圧回路図である。
【0022】
図1乃至図4に示す如く、作業車輌としてのトラクタ100は、車輌本体50と、該車輌本体50の後部に連結されたロータリー耕耘機400とを備えている。
前記車輌本体50は、走行機体1と、該走行機体1を支持する左右一対の前車輪2及び左右一対の後車輪3と、該走行機体1の前部に搭載されたエンジン4とを備えており、前記エンジン4からの動力によって前記後車輪3及び前記前車輪2を作動的に駆動することにより、前後進走行するように構成されている。なお、図中の符号5は前記エンジン4を覆うボンネット5である。
さらに、前記トラクタ100は、前記走行機体1の上面に設けられたキャビン6を有している。該キャビン6の内部には、操縦座席7と、かじ取りすることによって前記前車輪2の操向方向を左右に動かすように構成された操縦ハンドル(丸ハンドル)8とが設置されている。前記キャビン6の外側部には、作業者が乗降するステップ9が設けられ、該ステップ9より内側で且つ該キャビン6の底部より下側には、前記エンジン4に燃料を供給する燃料タンク10が設けられている。
【0023】
図1乃至図4に示すように、前記走行機体1は、前バンパ11及び前車軸ケース12を有するエンジンフレーム13と、該エンジンフレーム13の後部にボルトにて着脱自在に固定される左右の機体フレーム15とを有している。
前記機体フレーム15の後部には、前記エンジン4の回転を適宜変速してそれぞれ後輪軸3a及び前輪軸2aを介して前記後車輪3及び前記前車輪2に伝達するためのミッションケース16が連結されている。前記後車輪3は、前記ミッションケース16の外側面から外向きに突出するように装着された後車軸ケース17を介して取付けられている。
なお、前記ミッションケース16の後端面には、前記ロータリー耕耘機400の駆動力を出力する為のPTO軸18が後向きに突出するように設けられている。
【0024】
前記ロータリー耕耘機400は、前記ミッションケース16の後部に、一対の左右ロワーリンク311,312及びトップリンク320からなる3点リンク機構300を介して連結される。
図1及び図3に示すように、前記左右ロワーリンク311,312は、前端側が前記ミッションケース16後部の左右側面のそれぞれにロワーリンクピン313を介して回動可能に連結され、且つ、後端側が前記ロータリー耕耘機400における下リンクフレーム440の前端部に下ヒッチピン314を介して連結されている。
前記トップリンク320は、前端側が下記作業機用昇降機構200の後部のトップリンクヒッチ210にトップリンクピン211を介して連結され、且つ、後端側が下記上リンクフレーム410の前端側に上ヒッチピン321を介して連結されている。
【0025】
図3及び図4に示すように、前記ミッションケース16の後部上面には、前記ロータリー耕耘機400を昇降動する為の油圧式作業機用昇降機構200が着脱可能に取付けられている。
図3及び図4及び図7に示すように、油圧式の作業機用昇降機構200は、昇降用アクチュエータとして作用する単動形の昇降制御油圧シリンダ220と、該油圧シリンダ220におけるピストンによって作動的に回動される左右一対のリフトアーム221,222とを有している。
【0026】
進行方向に向かって左側の前記リフトアーム221は、左リフトロッド231を介して対応する左側の前記ロワーリンク311に連結されている。
進行方向に向かって右側の前記リフトアーム222は、右リフトロッド232を介して対応する右側の前記ロワーリンク312に連結されている。
つまり、前記昇降制御油圧シリンダ220によって前記左右一対のリフトアーム221,222が車輌左右方向に沿った前記回動軸回りに揺動することで、前記ロータリー耕耘機400は、前記トップリンク320及び前記一対のロワーリンク311,312の前端部回りに昇降するようになっている。
【0027】
前記右リフトロッド232には、前記ロータリー耕耘機400を前記車輌本体50に対して傾動させる傾動用アクチュエータとして作用する複動形の傾斜制御油圧シリンダ240が介挿されている。
つまり、前記傾斜制御油圧シリンダ240のピストンロッド241が進退することによって、前記ロータリー耕耘機440は、前記左右一対のリフトロッド231,232の他方(ここでは、左リフトロッド231)と該他方のリフトロッド231に対応したロワーリンク311との連結点(即ち、前記ロータリー耕耘機400の左右方向中心位置Dから一方側へ変位された位置)を支点Q(図2参照)として、傾動するようになっている。
【0028】
図1、図2、図5及び図6に示すように、前記ロータリー耕耘機400は、横長筒状のメインビーム420と、前記メインビーム420の左右側端部にそれぞれ上端側が連結されたチェーンケース431及び軸受板432と、前記チェーンケース431及び前記軸受板432の下端側に左右両端部が回転自在に軸支された耕耘爪軸433と、前記耕耘爪軸433に放射状にて着脱可能に設けられた複数の耕耘爪434と、前記耕耘爪の回転軌跡を覆う耕耘カバーと、前記メインビーム420に前端側が取付けられて後方に長く伸びる耕深調節フレーム438と、前記メインビーム420に回動可能に連結された前記上リンクフレーム410と、前記メインビーム420に一体的に連結された前記下リンクフレーム440と、前記上リンクフレーム410の後端側と前記耕深調節フレーム438の前後方向の中間部とをつなぐ伸縮調節可能な耕深調節軸439とを備えている。
前記耕耘カバーは、前記耕耘爪434の回転軌跡の上方を覆うように配置された耕耘上面カバー435と、前記耕耘爪434の回転軌跡の後方を覆うように前記耕耘上面カバー435の後端部に揺動可能に連結された耕耘リヤカバー437とを備えている。
なお、本実施の形態においては、該耕耘カバーは、さらに、前記耕耘爪434の回転軌跡の左右側方を覆うように配置された左右耕耘サイドカバー436を備えている。
【0029】
詳しくは、前記トップリンク320は、ターンバックル320aの回転にて伸縮されて、該トップリンク320の長さを変更調節可能となるように構成されている(図3及び図4参照)。前記上リンクフレーム410は、前後方向の中間部において、耕深調節支点軸411を介して前記メインビーム420に回動可能に連結されている(図1参照)。そして、前記耕深調節フレーム438は、前端側が前記メインビーム420に一体的に連結されている。
斯かる構成を備えることにより、耕深調節ハンドル439a(図1参照)を回転操作して前記耕深調節軸439を伸縮させると、前記左右一対のロワーリンク311,312及びトップリンク320にて支持される前記ロータリー耕耘機400は、前傾又は後傾姿勢に変化するようになっており、これにより、前記耕耘爪434による耕深位置hD(耕耘深さ)が手動で変更できるように構成されている。
【0030】
図1、図5及び図6に示すように、前記メインビーム420の左右中央部には、前記PTO軸18からの駆動力を入力するためのギヤケース450が配置されている。前記PTO軸18と前記ギヤケース450前面側のPTO入力軸451とは、両端に自在継手が備えられた伸縮自在な伝動軸452を介して連結されている。
前記PTO軸18からの動力は、前記ギヤケース450に内蔵されたベベルギヤ(図示せず)、前記メインビーム420に内蔵された回転軸(図示せず)、前記チェーンケース431に内蔵されたスプロケット及びチェーン(図示せず)等を介して前記耕耘爪軸433に伝達される。これにより、前記耕耘爪434が図1及び図5において反時計方向に回転される。
【0031】
図5及び図6に示すように、前記耕耘上面カバー435の後端側には、車輌左右方向に沿った枢着軸437aを介して前記耕耘リヤカバー437が回動可能に連結されている。
さらに、前記耕耘上面カバー435の上面後部には、後方且つ上方へ延びる左右一対のハンガーフレーム441が立設されている。
そして、前記耕耘リヤカバー437の上面後端側と前記左右ハンガーフレーム441の後端側との間には左右一対のハンガー機構460が設けられており、前記耕耘リヤカバー437は、該ハンガー機構460によって、前記枢着軸437a回りに上下動し得るようになっている。
【0032】
詳しくは、前記各ハンガーフレーム441の後端部には、車輌左右方向に沿った軸線回り回動自在とされた受圧軸体442が配置されている。該受圧軸体442には、軸線と直交する方向に貫通孔が設けられている。
前記各ハンガー機構460は、前記受圧軸体442の前記貫通孔に摺動可能に挿通された細長い丸棒形のハンガーロッド461を有している。
前記ハンガーロッド461は、下端部が、車輌左右方向に沿った支軸461aを介して、前記耕耘リヤカバー437の後部上面に設けられたブラケット462に回動自在に連結されている(図5参照)。
前記ハンガーロッド461には、前記受圧軸体442より上方側において固設された下降規制ピン461bと、前記下降規制ピン461bと前記受圧軸体442との間に位置するように該ハンガーロッド461に軸線方向摺動可能に外挿された下降規制板463と、該ハンガーロッド461の下方側で且つ前記支軸461aより上方側において固設された上昇規制ピン461cと、前記上昇規制ピン461cによって下方への移動が規制された状態で該ハンガーロッド461に軸線方向摺動可能に外挿された下座板465と、前記下座板465及び前記受圧軸体442の間に位置するように該ハンガーロッド461に外挿された鎮圧用圧縮バネ466と、該鎮圧用圧縮バネ466の上端部と係合する上座板464とが設けられている。
【0033】
斯かるハンガー機構460を備えた前記ロータリー耕耘機400は以下のように作動する。
即ち、前記昇降用アクチュエータによって前記ロータリー耕耘機400が地面Gから離れるように持上げられると、前記耕耘リヤカバー437の後端側が前記枢着軸437a回りに下方側に回動する。
この際、前記ハンガーロッド461は前記受圧軸体442に案内された状態で下方側へ移動するが、前記下降規制ピン461bが前記下降規制板463に当接し且つ該下降規制板463が前記受圧軸体442に当接することで、該ハンガーロッド461の下方側への移動が停止される。従って、前記耕耘リヤカバー437はその後端側を最下降させた姿勢に維持される。
【0034】
一方、前記ロータリー耕耘機400が耕地上面に降ろされて前記耕耘爪434が着地しているときや耕耘作業中においては、前記耕耘リヤカバー437の後端側が、耕耘された耕土との接地圧にて前記枢着軸437a回りに上方に回動することになる。
この際、前記ハンガーロッド461は前記受圧軸体442に案内された状態で上方側へ移動する。斯かるハンガーロッド461の上方側への移動によって、前記上昇規制ピン461c及び前記下座板465を介して前記鎮圧用圧縮バネ466が圧縮される。
即ち、前記耕耘リヤカバー437が前記枢着軸437a回りに上方側へ回動する際には、該耕耘リヤカバー437は前記鎮圧用圧縮バネ466の付勢力に抗して動作することになり、従って、前記耕耘リヤカバー437の後方への土の飛散を有効に防止しつつ、該耕耘リヤカバーによる均平作用を有効に維持することができる。
【0035】
前記トラクタ100は、さらに、昇降用アクチュエータとして作用する前記昇降制御油圧シリンダ220及び傾動用アクチュエータとして前記昇降制御油圧シリンダ220への作動油給排を行う油圧回路500を備えている。
図7に示すように、前記油圧回路500は、前記エンジン4によって作動的に回転駆動される作業機用油圧ポンプ501と、該油圧ポンプ501の吐出側に流体接続された分流弁505と、該分流弁505によって分岐された一方側油路及び他方側油路にそれぞれ配置された昇降制御用バルブ及び傾斜制御用バルブとを備えている。
本実施の形態においては、前記昇降制御用バルブは、上昇制御電磁弁502及び下降制御電磁弁503を有している。また、前記傾斜制御用バルブは、傾斜制御電磁弁504を有している。
なお、前記油圧回路500は、図7に示すように、リリーフ弁や流量調整弁、チェック弁、オイルクーラ、オイルフィルタ等も備えている。
【0036】
次に、前記キャビン6内に配置された各種操作手段の構成について説明する。
図1及び図2に示すように、前記操縦ハンドル8は、前記操縦座席7の前方に位置する操縦コラム19上に設けられている。
前記キャビン6内には、前記操縦座席7,前記操縦ハンドル8及び前記操縦コラム19に加えて、前記エンジン4の回転数(出力)を調節するためのスロットルレバー617と、前記走行機体1を制動操作するための左右ブレーキペダル20と、前記エンジンから前記前車輪2及び前記後車輪3への動力伝達の係脱操作を行う為のクラッチペダル21と、車輌本体50の走行速度を変速操作する為の走行変速レバー24と、前記エンジン4から前記後車輪3への動力伝達経路に介挿されるディファレンシャル機構をロック操作する為のデフロックペダル25と、前記PTO軸18からの出力回転数を変速操作する為のPTO変速レバー23とが配置されている。
【0037】
さらに、前記キャビン6内には、作業機昇降レバー22,傾斜設定器623及び耕深設定器626が配置されている。
図8に、前記ロータリー耕耘機400の模式側面図を示す。なお、図8(a)は自動耕深制御時のロータリー耕耘機400の昇降状態を示しており、図8(b)は自動高さ制御時のロータリー耕耘機400の昇降状態を示している。
前記作業機昇降レバー22は、前記ロータリー耕耘機400の設定上下位置(目標上下位置)hS(図8(b)参照)を手動で変更操作するための上下位置操作手段として作用する。
前記上下位置操作手段は、前記設定上下位置として、前記リフトアーム221,222の設定リフト角度(目標リフト角度)θS(図8(b)参照)を設定し得るように構成される。
図9に、前記ロータリー耕耘機400の模式背面図を示す。
前記傾斜設定器623は、前記ロータリー耕耘機400の傾斜状態tSを設定する傾斜設定手段として作用する。具体的には、図9に示すように、前記車輌本体50に対する前記ロータリー耕耘機400の左右方向に関する相対的な設定左右傾斜角度(目標左右傾斜角度)φsを予め設定する為のものであり、例えば、可変抵抗器を含み得る。
前記耕深設定器626は、前記ロータリー耕耘機400における耕耘爪434の設定耕深位置(目標耕深位置)hR(図8(a)参照)を設定する耕深深さ設定手段として作用する。
詳細は後述するが、前記ロータリー耕耘機400の耕深位置は、前記耕耘上面カバー435に対する前記耕耘リヤカバー437の回動角度に基づいて制御されるようになっている。従って、前記耕深深さ設定手段は、前記設定耕深位置として、前記耕耘上面カバー435に対する前記耕耘リヤカバー437の設定回動角度(目標回動角度)θR(図8(a)参照)を設定し得るように構成され、例えば、可変抵抗器を含み得る。なお、前記設定回動角度θRは、例えば、鉛直Vを基準にした回動角度とすることができる。
【0038】
(第1実施形態)
次に、本発明に係る昇降制御装置の第1実施形態について説明する。
図10は、第1実施形態に係る昇降制御装置のブロック図である。
該昇降制御装置は、前記車輌本体50に対して昇降可能に連結された前記ロータリ耕耘機400を前記昇降制御油圧シリンダ220によって昇降制御させる昇降制御装置であって、前記ロータリ耕耘機400の昇降制御を前記リフトアーム221,222の回動角度θL(図8(b)参照)に基づいて行う自動高さ制御と、前記ロータリ耕耘機400の昇降制御を前記耕耘リヤカバー437の回動角度θD(図8(a)参照)に基づいて行う自動耕深制御とを実行し得るように構成されている。
【0039】
具体的には、図10に示すように、該昇降制御装置は、前記昇降用アクチュエータとして作用する前記昇降制御油圧シリンダ220と、前記上下位置操作手段として作用する前記作業機昇降レバー22と、前記耕深深さ設定手段として作用する前記耕深設定器626と、前記ロータリ耕耘機400の前記車輌本体に対する上下位置を検出する上下位置検出手段と、前記ロータリー耕耘機400の耕深位置を検出する耕深位置検出手段として作用するリヤカバーセンサ624と、前記ロータリ耕耘機400の下降速度を調節する下降速度調節器629と、前記自動高さ制御及び前記自動耕深制御を司る制御手段として作用する昇降制御コントローラ600とを備えている。
【0040】
前述の通り、前記リヤカバーセンサ624は、前記ロータリー耕耘機400の耕深位置hDを検出する耕深位置検出手段として作用する。
即ち、前記ロータリー耕耘機400の耕深位置hD(図8(a)参照)に応じて、前記耕耘上面カバー435に対する前記耕耘リヤカバー437の回動位置が変化する。従って、前記リヤカバーセンサ624によって、前記耕耘上面カバー435に対する前記耕耘リヤカバー437の回動位置を検出することによって、前記ロータリー耕耘機400の耕深位置hDを検出することができる。
詳しくは、前記リヤカバーセンサ624は、前記耕耘上面カバー435に対する前記耕耘リヤカバー437の回動位置として、前記耕耘上面カバー435に対する前記耕耘リヤカバー437の回動角度θDを検出し得るように構成され、この検出回動角度θDは、例えば、鉛直Vを基準にした回動角度とすることができる。
本実施の形態においては、該リヤカバーセンサ624は、前記耕耘上面カバー435の後部上面に配置されたポテンショメータ型とされている(図2、図5、図6及び図8参照)。
なお、前記リヤカバーセンサ624と前記耕耘リヤカバー437とは、センサアーム437b及びセンサリンク437c等を介して連結されている(図2参照)。
また、前記リヤカバーセンサ624は、該リヤカバーセンサ624の出力の中から限定された帯域の信号出力を取り出すためのフィルタ部625を介して、前記昇降制御コントローラ600に電気的に接続されている。
斯かるフィルタ部625を設けることにより、前記リヤカバーセンサ624の検出感度変化の影響を抑制することができる。
【0041】
本実施の形態においては、前記上下位置検出手段としてリフト角センサ627が備えられている。
該リフト角センサ627は、前記ロータリ耕耘機400の対機体高さ(前記車輌本体50に対する前記ロータリ耕耘機400の相対高さ)hL(図8(b)参照)を検出し得るように構成されている。
具体的には、該リフト角センサ627は、前記リフトアーム221,222のリフト角度θLを検出するように構成されており、例えば、ポテンショメータ型のものが使用され得る。
該リフト角センサ627は、前記作業機用昇降機構200と前記左リフトアーム221との連結箇所に配置されている(図3及び図4参照)。
前記下降速度調節器629は、非耕耘状態位置から耕耘状態位置への前記ロータリ耕耘機400の下降速度を変更させる下降速度調節手段として作用する。この下降速度調節器629は、図示を省略したが、前記キャビン6内に配置されている。
【0042】
前記昇降制御コントローラ600は、前記種々の設定手段及びセンサからの信号を入力して、前記昇降用アクチュエータ及び前記傾動用アクチュエータへ制御信号を出力するように構成されている。
即ち、該昇降制御コントローラ600は、図10に示すように、入力系が前記耕深設定器626、前記リヤカバーセンサ624、前記作業機昇降レバー22、前記リフト角センサ627及び下降速度調節器629等が電気的に接続されると共に、出力系が前記上昇制御電磁弁502及び前記下降制御電磁弁503に電気的に接続されている。
【0043】
詳しくは、該昇降制御コントローラ600は、図10に示すように、前記各種センサ等から入力される信号に基づいて演算処理を実行する制御演算手段を含む中央処理装置601(以下CPUという)と、制御プログラム等を格納したり、後述する各種関係式又は制御マップに関する所定のデータ等を記憶するROM602と、前記CPU601の演算中に生成されるデータを一時的に保持するRAM603とを備えている。また、前記CPU601は時計用のタイマを内蔵している。
斯かる昇降制御コントローラ600は電源印加用キースイッチ611を介してバッテリ612に接続されている。なお、前記キースイッチ611は、前記エンジン4を始動するためのスタータ613に接続される。
【0044】
本実施の形態においては、前記昇降制御コントローラ600には、図10に示すように、前記エンジン4の回転を制御する電子ガバナコントローラ614が接続されている。
該電子ガバナコントローラ614には、前記エンジン4の燃料を調節するガバナ615と、前記エンジン4の回転数を検出するエンジン回転センサ616とが接続されている。
【0045】
前記電子ガバナコントローラ614は、作業者にて前記スロットルレバー617が手動操作されると、該スロットルレバー617の回動位置を検出するスロットルポテンショメータ618の検出情報に基づいて、該スロットルレバー617の設定回転数と前記エンジン4の回転数とが一致するように、スロットルソレノイド619にて燃料調節ラック(図示省略)の位置を自動的に調節する制御を実行する。これにより、前記エンジン4の回転は、負荷の変動に拘わらず、前記スロットルレバー617の位置に応じた所定回転数に維持され得る。
【0046】
さらに、本実施の形態に係る前記昇降制御装置は、前記ロータリ耕耘機400の前記車輌本体50に対する検出傾斜状態t(図9参照)を前記傾斜設定器623による設定傾斜状態tSに追従させる自動傾き制御を行えるように構成されている。
具体的には、図10に示すように、該昇降制御装置は、前記構成に加えて、前記傾動用アクチュエータとして作用する前記傾斜制御油圧シリンダ240と、前記傾斜設定手段として作用する前記傾斜設定器623と、前記ロータリー耕耘機400の傾斜状態を検出する作業機傾斜状態検出手段として作用する作業機ポジションセンサ622とを備えている。
【0047】
前記作業機ポジションセンサ622は、前記車輌本体50に対する前記ロータリー耕耘機400の左右方向に関する相対的な傾斜角度φ(図9参照)を検出するように構成されており、例えば、ポテンショメータ型のものが使用され得る。
該作業機ポジションセンサ622は、詳細は図示していないが、例えば、前記耕耘上面カバー435の上方に位置する前記メインビーム420の左右中央箇所に配置され得る。
【0048】
そして、前記昇降制御コントローラ600は、前記自動耕深制御及び前記自動高さ制御に加えて、前記自動傾き制御を司るように構成されている。
具体的には、該昇降制御コントローラ600は、前記傾斜設定手段623及び前記作業機傾斜状態検出手段622からの信号を入力して、前記傾動用アクチュエータ240へ制御信号を出力するように構成されている。
即ち、該昇降制御コントローラ600は、図10に示すように、入力系が前記傾斜設定手段として作用する前記傾斜設定器623及び前記作業機傾斜状態検出手段として作用する前記作業機ポジションセンサ622にも電気的に接続されると共に、出力系が前記傾斜制御電磁弁504に電気的に接続されている。
【0049】
さらに、本実施の形態に係る昇降制御装置には、機体ローリングセンサ621及び車速センサ628が備えられている。
該機体ローリングセンサ621は、前記車輌本体50の左右方向に関する傾斜角度を検出する為のものであり、例えば、振子式のものが使用され得る。
本実施の形態においては、該機体ローリングセンサ621は、前記作業機用昇降機構200の上面で且つ前記操縦座席7の後方の箇所に配置されている(図1〜図4参照)。
また該車速センサ628は、前後四輪2,3の回転速度(走行速度)を検出するためのものである。
【0050】
このように構成された昇降制御コントローラ600において、前記自動高さ制御は、該昇降制御装置による前記ロータリ耕耘機400の昇降制御中であって、前記自動耕深制御の非作動時に実行される。
即ち、前記ロータリ耕耘機400が前記非耕耘状態位置(例えば最上昇位置)に位置している状態から前記作業機昇降レバー22を下降操作した際や、前記ロータリ耕耘機400の耕耘作業状態から前記作業機昇降レバー22を上昇操作した際に、該自動高さ制御が実行される。
該自動高さ制御の実行時には、前記昇降制御コントローラ600は、前記リフト角センサ627の検出リフト角度θLに基づく検出上下位置hLが前記作業機昇降レバー22にて設定された設定上下位置hSとなるように前記昇降制御油圧シリンダ220の自動高さ制御量を算出し、該算出された自動高さ制御量を用いて前記昇降制御油圧シリンダ220を駆動させる。
【0051】
前記自動耕深制御は、前記ロータリ耕耘機400の耕深作業時に実行される。
例えば、前記ロータリ耕耘機400が前記非耕耘状態位置に位置している状態から前記作業機昇降レバー22を下降操作することにより、前記自動高さ制御にて下降する該ロータリ耕耘機400が接地すると、若しくは、前記耕深設定器626によって設定された設定耕深位置hRに到達すると、前記自動高さ制御から該自動耕深制御に移行される。本実施の形態では、前記耕深設定器626によって設定された設定耕深位置hRに到達すると、前記自動高さ制御から該自動耕深制御に移行されるようになっている。
該自動耕深制御の実行時には、前記昇降制御コントローラ600は、前記リヤカバーセンサ624の検出回動角度θDに基づく検出耕深位置hDが前記耕深設定器626にて設定された設定耕深位置hRとなるように前記昇降制御油圧シリンダ220の自動耕深制御量を算出し、該算出された自動耕深制御量を用いて前記昇降制御油圧シリンダ220を駆動させる。
【0052】
さらに、該昇降制御コントローラ600は、前記ロータリ耕耘機400を非耕耘状態位置から自動高さ制御において下降させて設定耕深位置hRでの自動耕深制御を行う耕耘作業の開始時に、前記耕耘リヤカバー437の回動角度θDが所定角度に達した時点から一定時間又は一定区間においては、前記ロータリ耕耘機400の昇降制御の制御精度が緩和するように前記自動高さ制御及び/又は前記自動耕深制御における制御条件を補正するように構成されている。
【0053】
なお、前記耕耘リヤカバー437の回動角度θDが所定角度に達した時点としては、前記自動高さ制御にて下降する該ロータリ耕耘機400における前記耕耘リヤカバー437が接地した時点や、前記自動高さ制御にて下降する該ロータリ耕耘機400が前記耕深設定器626によって設定された設定耕深位置hRに到達した時点を例示できる。本実施の形態では、前記耕耘リヤカバー437が接地した時点としている。
また、前記制御条件の補正は、例えば、自動高さ制御においては、前記作業機昇降レバー22による設定上下位置hSを本来の設定値より上側へ変更するように補正する「設定上下位置hSの変更」又は制御ゲインGaを小さくするように補正する「制御ゲインGaの変更」の少なくとも何れか一の手段を含み、且つ、自動耕深制御においては、制御ゲインGaを小さくするように補正する「制御ゲインGaの変更」又は不感帯幅δを大きくするように補正する「不感帯幅δの変更」の少なくとも何れか一の手段を含む。
【0054】
さらに、該昇降制御コントローラ600は、前記制御条件の補正量を、前記非耕耘状態位置からの前記ロータリ耕耘機400の下降速度に応じて変更するように構成されている。
即ち、前記下降速度調節器629による設定値に応じて、前記補正量を変更する。これにより、前記ロータリ耕耘機400の下降速度を意図的に変化させた場合及び/又は該下降速度が意に反して変化した場合であっても、耕耘作業の開始時に、未耕地や土盛り量の過多部分が生じることを有効に防止できるようになっている。
【0055】
詳しくは、前記下降速度が速くなる(換言すれば前記下降速度調節器629による設定値が高速値になる)に従って前記補正量を大きくする。これにより、前記ロータリ耕耘機400の下降速度が速い場合においては土盛り量の過多を有効に防止でき、且つ、前記下降速度が遅い場合においては未耕地の発生を有効に防止できるようになっている。
具体的には、前記制御条件の補正が前記「制御ゲインGaの変更」である場合、前記下降速度が速くなる(換言すれば前記下降速度調節器629による設定値が高速値になる)に従って前記制御ゲインGaの補正量αを大きくする。
また、前記制御条件の補正が前記「不感帯幅δの変更」である場合、前記下降速度が速くなる(換言すれば前記下降速度調節器629による設定値が高速値になる)に従って前記不感帯幅δの補正量βを大きくする。
また、前記制御条件の補正が前記「設定上下位置hSの変更」である場合、前記下降速度が速くなる(換言すれば前記下降速度調節器629による設定値が高速値になる)に従って前記設定上下位置hSの補正量λを大きくする。
【0056】
図11に、前記制御ゲインGaの補正量αと、前記非耕耘状態位置から前記耕耘状態位置への前記ロータリ耕耘機400の下降速度(前記調節器629による設定値)との関係を示す制御マップの図を示す。
例えば、前記制御条件の補正が前記「制御ゲインGaの変更」である場合には、前記ROM602には、前記制御ゲインGaの補正量αと、前記下降速度(前記調節器629による設定値)との関係を示す第1関係式又は制御マップが予め記憶されている。
なお、図11は、この第1関係式を制御マップとした場合のグラフである。図11では、前記下降速度(前記調節器629による設定値)を横軸に採り、前記制御ゲインGaの補正量αを縦軸に採っている。
【0057】
斯かる構成を備えることにより、前記昇降制御コントローラ600は、前記下降速度(前記調節器629による設定値)が速く(高速値)になるに連れて前記制御ゲインGaの補正量αを大きくする。
なお、前記下降速度(前記調節器629による設定値)とこれに対応する制御ゲインGaの補正量αとが関連づけられたデータを、テーブルマップとして前記ROM602に予め記憶させるようにしてもよい。
【0058】
図12に、前記不感帯幅δの補正量βと、前記非耕耘状態位置から前記耕耘状態位置への前記ロータリ耕耘機400の下降速度(前記調節器629による設定値)との関係を示す制御マップの図を示す。
前記「制御ゲインGaの変更」に代えて、若しくは、加えて、前記「不感帯幅δの変更」を行う場合には、前記ROM602には、前記不感帯幅δの補正量βと、前記下降速度(前記調節器629による設定値)との関係を示す第2関係式又は制御マップが予め記憶される。
なお、図12は、この第2関係式を制御マップとした場合のグラフである。図12では、前記下降速度(前記調節器629による設定値)を横軸に採り、前記不感帯幅δの補正量βを縦軸に採っている。
【0059】
斯かる構成を備えることにより、前記昇降制御コントローラ600は、前記下降速度(前記調節器629による設定値)が速く(高速値)になるに連れて前記不感帯幅δの補正量βを大きくする。
なお、前記下降速度(前記調節器629による設定値)とこれに対応する不感帯幅δの補正量βとが関連づけられたデータを、テーブルマップとして前記ROM602に予め記憶させるようにしてもよい。
ここで、不感帯とは、前記ロータリー耕耘機400の検出耕深位置hDが前記耕深設定器626による設定耕深位置hRを中心とする所定の上下幅範囲内にあれば、前記昇降制御油圧シリンダ220を非駆動とし、検出耕深位置hDが前記上下幅範囲から外れていれば、前記昇降制御油圧シリンダ220を昇降動させて前記ロータリ耕耘機400の耕深位置を設定耕深位置hRに近付ける動作隙間のことをいう。
【0060】
図13に、前記設定上下位置hSの補正量λと、前記非耕耘状態位置から前記耕耘状態位置への前記ロータリ耕耘機400の下降速度(前記調節器629による設定値)との関係を示す制御マップの図を示す。
前記「制御ゲインGaの変更」及び/又は前記「不感帯幅δの変更」に代えて、若しくは、加えて、前記「設定上下位置hSの変更」を行う場合には、前記ROM602には、前記設定上下位置hSの補正量λと、前記下降速度(前記調節器629による設定値)との関係を示す第3関係式又は制御マップが予め記憶される。
なお、図13は、この第3関係式を制御マップとした場合のグラフである。図13では、前記下降速度(前記調節器629による設定値)を横軸に採り、前記設定上下位置hSの補正量λを縦軸に採っている。
【0061】
斯かる構成を備えることにより、前記昇降制御コントローラ600は、前記下降速度(前記調節器629による設定値)が速く(高速値)になるに連れて前記設定上下位置hSの補正量λを大きくする。
なお、前記下降速度(前記調節器629による設定値)とこれに対応する設定上下位置hSの補正量λとが関連づけられたデータを、テーブルマップとして前記ROM602に予め記憶させるようにしてもよい。
【0062】
次に、前記昇降制御コントローラ600による前記ロータリー耕耘機400の昇降制御動作の一例を以下に詳述する。
この昇降制御装置では、前記作業機昇降レバー22が前記ロータリ耕耘機400が最上昇位置よりも下方位置に位置するように操作したとき、或いは、図示しない自動制御スイッチをON操作したときに昇降制御動作を開始する。
【0063】
図14に、第1実施形態に係る昇降制御装置による制御フローを示すフローチャートを示す。
【0064】
図14に示す昇降制御では、ステップS1からの処理に先立ち、前記制御ゲインGa及び前記不感帯幅δは、何れも所定の基準値とされている。
【0065】
図14に示すように、先ず、前記ロータリ耕耘機400の検出上下位置hLが設定上下位置hSより高いか否かを判断する(ステップS1)。
具体的には、前記リフト角センサ627で読み込まれた検出リフト角度θLに基づく検出上下位置hLが前記作業機昇降レバー22の設定リフト角度θSに基づく設定上下位置hSより高いと判断した場合には、ステップS2に移行する一方、前記検出上下位置hLが前記設定上下位置hS以下であると判断した場合には、ステップS14に移行する。
【0066】
前記ステップS1で前記ロータリー耕耘機400の検出上下位置hLが前記設定上下位置hSより高いと判断した場合、前記自動耕深制御中か否かを判断する(ステップS2)。
具体的には、前記自動耕深制御中でないと判断した場合には、ステップS3に移行する一方、前記自動耕深制御中であると判断した場合には、ステップS13に移行する。
【0067】
前記ステップS2で前記自動耕深制御中でないと判断した場合、前記耕耘リヤカバー437の回動角度θDが所定角度に達したか(本実施の形態では前記耕耘リヤカバー437が接地したか)否かを判断する(ステップS3)。
具体的には、前記リヤカバーセンサ624で読み込まれた検出上下回動角度θDが変化し、前記耕耘リヤカバー437が上方側へ回動した(即ち、接地した)と判断した場合には、ステップS4に移行する一方、前記検出上下回動角度θDが変化しておらず、前記耕耘リヤカバー437が動いていない(即ち、接地していない)と判断した場合には、ステップS14に移行する。
【0068】
前記ステップS3で前記耕耘リヤカバー437の回動角度θDが所定角度に達した(本実施の形態では前記耕耘リヤカバー437が接地した)と判断した場合、前記ロータリー耕耘機400の耕深位置hDが前記耕深設定器626の設定耕深位置hRより深いか否かを判断する(ステップS4)。
具体的には、前記リヤカバーセンサ624で読み込まれた検出上下回動角度θDに基づく検出耕深位置hDが前記耕深設定器626の設定回動角度θRに基づく設定耕深位置hRより深いと判断した場合には、ステップS5に移行する一方、前記検出耕深位置hDが前記設定耕深位置hRと同じか前記設定耕深位置hRより浅いと判断した場合には、ステップS8に移行する。
【0069】
前記ステップS4で前記ロータリー耕耘機400の耕深位置hDが前記耕深設定器626の設定耕深位置hRより深いと判断した場合、前記ロータリー耕耘機400の下降速度に応じた制御ゲインGaの補正量αを決定する(ステップS5)。
具体的には、前記第1関係式又は制御マップを前記ROM602から読み出し、該読み出された第1関係式又は制御マップを用いて、前記下降速度(前記調節器629による設定値)に対応した制御ゲインGaの補正量αを算出する。この場合の制御ゲインGaの補正量αは、該制御ゲインGaを小さくするように補正する補正量であり、前記下降速度(前記調節器629による設定値)が速く(高速値)になるに連れて大きくなる(図11参照)。
【0070】
次に、前記ロータリー耕耘機400の下降速度に応じた不感帯幅δの補正量βを決定する(ステップS6)。
具体的には、前記第2関係式又は制御マップを前記ROM602から読み出し、該読み出された第2関係式又は制御マップを用いて、前記下降速度(前記調節器629による設定値)に対応した不感帯幅δの補正量βを算出する。この場合の不感帯幅δの補正量βは、該不感帯幅δを大きくするように補正する補正量であり、前記下降速度(前記調節器629による設定値)が速く(高速値)になるに連れて大きくなる(図12参照)。
【0071】
次に、得られた補正量α,βにてそれぞれ補正した制御ゲインGa、不感帯幅δで自動耕深制御を行う(ステップS7)。
具体的には、前記ステップS5で得られた補正量αにて補正した制御ゲインGa(即ち、該補正量αに基づき小さくされた制御ゲインGa)と、前記リヤカバーセンサ624で読み込まれた検出上下回動角度θDに基づく検出耕深位置hDとにより、該検出耕深位置hDが前記耕深設定器626の設定回動角度θRに基づく設定耕深位置hRとなるように前記昇降制御油圧シリンダ220の自動耕深制御量を算出する。そして、前記検出耕深位置hDと前記設定耕深位置hRとの差量が前記ステップS6で得られた補正量βにて補正した不感帯幅δ(即ち、該補正量βに基づき大きくされた不感帯幅δ)内にあれば、前記昇降制御油圧シリンダ220を非駆動とし、該差量が該不感帯幅δから外れていれば、該算出された自動耕深制御量を用いて前記昇降制御油圧シリンダ220を駆動させ、ステップS11に移行する。
【0072】
なお、前記ロータリー耕耘機400の下降速度に応じた制御ゲインGaの補正量αを決定する前記ステップS5及び前記ロータリー耕耘機400の下降速度に応じた不感帯幅δの補正量βを決定する前記ステップS6は何れを先に処理してもよい。また、前記ステップS5及び前記ステップS6のうち、何れか一方のみを処理するようにしてもよい。この場合、前記ステップS7では、前記ステップS5及び前記ステップS6のうちの何れか一方で処理された制御条件で自動耕深制御を行うことになる。
【0073】
前記ステップS4で前記ロータリー耕耘機400の耕深位置hDが前記耕深設定器626の設定耕深位置hRと同じか又は前記設定耕深位置hRより浅いと判断した場合、前記ロータリー耕耘機400の下降速度に応じた制御ゲインGaの補正量αを決定する(ステップS8)。
具体的には、前記第1関係式又は制御マップを前記ROM602から読み出し、該読み出された第1関係式又は制御マップを用いて、前記下降速度(前記調節器629による設定値)に対応した制御ゲインGaの補正量αを算出する。この場合の制御ゲインGaの補正量αは、該制御ゲインGaを小さくするように補正する補正量であり、前記下降速度(前記調節器629による設定値)が速く(高速値)になるに連れて大きくなる(図11参照)。
【0074】
次に、前記ロータリー耕耘機400の下降速度に応じた設定上下位置hSの補正量λを決定する(ステップS9)。
具体的には、前記第3関係式又は制御マップを前記ROM602から読み出し、該読み出された第3関係式又は制御マップを用いて、前記下降速度(前記調節器629による設定値)に対応した設定上下位置hSの補正量λを算出する。この場合の設定上下位置hSの補正量λは、該設定上下位置hSを本来の設定値より上側へ変更するように補正する補正量であり、前記下降速度(前記調節器629による設定値)が速く(高速値)になるに連れて大きくなる(図13参照)。
【0075】
次に、得られた補正量α,λにてそれぞれ補正した制御ゲインGa、設定上下位置hSで自動高さ制御を行う(ステップS10)。
具体的には、前記ステップS8で得られた補正量αにて補正した制御ゲインGa(即ち、該補正量αに基づき小さくされた制御ゲインGa)と、前記リフト角センサ627で読み込まれた検出リフト角度θLに基づく検出上下位置hLとにより、該検出上下位置hLが前記ステップS9で得られた補正量λにて補正した設定上下位置hS(即ち、該補正量λに基づき本来の設定値より上側に変更された設定上下位置hS)となるように前記昇降制御油圧シリンダ220の自動高さ制御量を算出する。こうして算出された自動高さ制御量を用いて前記上昇制御電磁弁502又は前記下降制御電磁弁503を作動させ、前記昇降制御油圧シリンダ220による前記ロータリー耕耘機400の下降又は上昇の動作を実行し、ステップS11に移行する。
【0076】
なお、前記ロータリー耕耘機400の下降速度に応じた制御ゲインGaの補正量αを決定する前記ステップS8及び前記ロータリー耕耘機400の下降速度に応じた設定上下位置hSの補正量λを決定する前記ステップS9は何れを先に処理してもよい。また、前記ステップS8及び前記ステップS9のうち、何れか一方のみを処理するようにしてもよい。この場合、前記ステップS10では、前記ステップS8及び前記ステップS9のうちの何れか一方で処理された制御条件で自動高さ制御を行うことになる。
【0077】
次に、前記耕耘リヤカバー437の回動角度が所定角度に達してから(本実施の形態では前記耕耘リヤカバー437が接地してから)一定時間経過又は一定区間走行したか否かを判断する(ステップS11)。
具体的には、前記耕耘リヤカバー437の接地から前記時計用タイマに基づき一定時間経過するか又は前記車速センサ628による検出走行速度若しくは前記時計用タイマに基づき一定区間走行するまでは、前記ステップS4〜S10の処理を行い、前記一定時間経過したか又は前記一定区間走行したと判断した場合には、ステップ12に移行する。
【0078】
なお、前記ステップS3において、前記耕耘リヤカバー437の回動角度θDが所定角度に達したか否かの判断は、前記ロータリー耕耘機400の耕深位置hDが前記耕深設定器626の設定耕深位置hRより深いか否かの判断であってもよい。この場合の昇降制御は、前記ステップS3から前記ステップS4を経ずに前記ステップS5に移行する処理、即ち、図14の処理フローにおいて、前記ステップS4及びS8〜S10を除去した処理となる。
【0079】
前記ステップS11で記耕耘リヤカバー437の回動角度が所定角度に達してから(本実施の形態では前記耕耘リヤカバー437が接地してから)一定時間経過又は一定区間走行したと判断した場合、制御ゲインGa、不感帯幅δ及び設定上下位置の補正量α,β,λを0「ゼロ」にし(ステップS12)、ステップS15に移行する。
【0080】
一方、前記ステップS2で前記自動耕深制御中であると判断した場合、自動耕深制御を行う(ステップS13)。
具体的には、前記基準値の前記制御ゲインGaと、前記リヤカバーセンサ624で読み込まれた検出上下回動角度θDに基づく検出耕深位置hDとにより、該検出耕深位置hDが前記耕深設定器626の設定回動角度θRに基づく設定耕深位置hRとなるように前記昇降制御油圧シリンダ220の自動耕深制御量を算出する。そして、前記検出耕深位置hDと前記設定耕深位置hRとの差量が前記基準値の不感帯幅δ内にあれば、前記昇降制御油圧シリンダ220を非駆動とし、該差量が該不感帯幅δから外れていれば、該算出された自動耕深制御量を用いて前記昇降制御油圧シリンダ220を駆動させ、ステップS15に移行する。
【0081】
また、前記ステップS1で前記ロータリー耕耘機400の高さ位置hLが前記目標高さ位置hSと同じか前記目標高さ位置hSより低いと判断した場合、及び前記ステップS3で前記耕耘リヤカバー437の回動角度が所定の角度に達していない(本実施の形態では前記耕耘リヤカバー437が接地していない)と判断した場合、自動高さ制御を行う(ステップS14)。
具体的には、前記基準値の制御ゲインGaと、前記リフト角センサ627で読み込まれた検出リフト角度θLに基づく検出上下位置hLとにより、該検出上下位置hLが本来の設定上下位置hSとなるように前記昇降制御油圧シリンダ220の自動高さ制御量を算出する。こうして算出された自動高さ制御量を用いて前記上昇制御電磁弁502又は前記下降制御電磁弁503を作動させ、前記昇降制御油圧シリンダ220による前記ロータリー耕耘機400の下降又は上昇の動作を実行し、ステップS15に移行する。
【0082】
ステップS15では、昇降制御作動中か否かを判断し、昇降制御作動中と判断したときは、前記ステップS1〜S14までの処理を順次繰り返す一方、昇降制御作動が終了したと判断したときには、昇降制御を終了する。
【0083】
(第2実施形態)
以下、本発明に係る昇降制御装置の第2実施形態について説明する。
この第2実施形態に係る昇降制御装置は、図10に示す昇降制御装置とは昇降制御コントローラ600が異なる以外は実質的に同じものである。従って、第2実施形態に係る昇降制御装置のブロック図を図10に示すブロック図に代用させ、その詳細な説明を省略する。
【0084】
第2実施形態に係る昇降制御装置の昇降制御コントローラ600aは、前記第1実施形態に係る昇降制御装置の昇降制御コントローラ600において前記ROM602の代わりにROM602aを備えている。なお、昇降制御コントローラ600a及びROM602aの参照符号は図10に示す昇降制御コントローラ600及びROM602の後の括弧内に付してある。
【0085】
該昇降制御装置は、第1実施形態の昇降制御装置において、前記制御条件の補正量を、前記非耕耘状態位置からの前記ロータリ耕耘機400の下降速度に応じて変更する構成に代えて、前記制御条件の補正量を、以前の耕耘作業開始時における制御情報に基づいて変更するように構成されている。
即ち、前記ロータリ耕耘機400を非耕耘状態位置から自動高さ制御において下降させて設定耕深位置hRでの自動耕深制御を行う耕耘作業の開始時に、前記耕耘リヤカバー437の回動角度θDが所定角度に達した時点から一定時間又は一定区間においては、前記ロータリ耕耘機400の昇降制御の制御精度が緩和するように前記自動高さ制御及び/又は前記自動耕深制御における制御条件を補正すると共に、前記制御条件の補正量を、以前の耕耘作業開始時における制御情報に基づいて変更するように構成されている。従って、次段の耕耘作業開始時に、推定される好適な制御条件で昇降制御を行うことができ、これにより、未耕地の発生及び土盛り量の過多の発生を可及的に防止できる。
前記制御情報は、本実施の形態では、以前の耕耘作業開始時において自動耕深制御へ移行した時点における前記ロータリ耕耘機400の移行時耕深位置haと、該移行時点から一定時間又は一定区間経過後における前記ロータリ耕耘機400の経過後耕深位置hbとの偏差γとしている。こうすることで、前記移行時耕深位置が前記経過後耕深位置よりも高い場合(浅い場合)には、前記偏差γが大きくなるに従って前記補正量を小さくすることで未耕地の発生を防止し、これとは逆に、前記移行時耕深位置が前記経過後耕深位置よりも低い場合(深い場合)には、前記偏差γが大きくなるに従って前記補正量を大きくすることで土盛り量が過大になる等の不都合を有効に防止することができる。
なお、前記経過後耕深位置hbが決定される一定時間又は一定区間は、本実施の形態では、自動耕深制御への移行時点から、前記耕耘リヤカバー437の回動角度θDが所定角度に達してから一定時間又は一定区間経過した時点までの時間又は区間としている。
【0086】
図15に、以前の耕耘作業開始時における制御情報の一例を説明するための模式図を示している。図15(a)に、以前の耕耘作業開始時において自動耕深制御へ移行した時点における前記ロータリ耕耘機400の移行時耕深位置を示し、図15(b)に、該移行時点から一定時間又は一定区間経過後における前記ロータリ耕耘機400の経過後耕深位置を示す。
【0087】
本実施の形態では、以前の耕耘作業開始時において前記移行時耕深位置haが前記経過後耕深位置hbよりも高い場合には、前記偏差γが大きくなるに従って前記補正量を小さくし、該移行時耕深位置haが該経過後耕深位置hbよりも低い場合には、前記偏差γが大きくなるに従って前記補正量を大きくする。これにより、前記ロータリ耕耘機400の下降速度が速い場合における土盛り量が過大になる等の不都合を有効に防止しつつ、未耕地が発生する等の不都合を可及的に防止できるようになっている。
【0088】
図16に、前記制御ゲインGaの補正量αと、耕耘作業開始時における前記移行時耕深位置ha及び前記経過後耕深位置hbの偏差γとの関係を示す制御マップの図を示す。
例えば、前記制御条件の補正が前記制御ゲインGaの補正である場合には、前記ROM602aには、前記制御ゲインGaの補正量αと、耕耘作業開始時における前記移行時耕深位置ha及び前記経過後耕深位置hbの偏差γとの関係を示す第4関係式又は制御マップが予め記憶されている。
なお、図16は、この第4関係式を制御マップとした場合のグラフである。図16では、耕耘作業開始時における前記移行時耕深位置haと前記経過後耕深位置hbとの偏差γを横軸に採り、前記制御ゲインGaの補正量αを縦軸に採っている。
【0089】
斯かる構成を備えることにより、前記昇降制御コントローラ600aは、耕耘作業開始時において前記移行時耕深位置haが前記経過後耕深位置hbよりも高い場合には、前記偏差γ(絶対値)が大きくなるに連れて前記制御ゲインGaの補正量αを小さくし、該移行時耕深位置haが該経過後耕深位置hbよりも低い場合には、前記偏差γ(絶対値)が大きくなるに連れて前記制御ゲインGaの補正量αを大きくする。
なお、耕耘作業開始時における前記移行時耕深位置ha及び前記経過後耕深位置hbの偏差γとこれに対応する制御ゲインGaの補正量αとが関連づけられたデータを、テーブルマップとして前記ROM602aに予め記憶させるようにしてもよい。
【0090】
図17に、前記不感帯幅δの補正量βと、耕耘作業開始時における前記移行時耕深位置ha及び前記経過後耕深位置hbの偏差γとの関係を示す制御マップの図を示す。
前記「制御ゲインGaの変更」に代えて、若しくは、加えて、前記「不感帯幅δの変更」を行う場合には、前記ROM602aには、前記不感帯幅δの補正量βと、耕耘作業開始時における前記移行時耕深位置ha及び前記経過後耕深位置hbの偏差γとの関係を示す第5関係式又は制御マップが予め記憶される。
なお、図17は、この第5関係式を制御マップとした場合のグラフである。図17では、耕耘作業開始時における前記移行時耕深位置haと前記経過後耕深位置hbとの偏差γを横軸に採り、前記不感帯幅δの補正量βを縦軸に採っている。
【0091】
斯かる構成を備えることにより、前記昇降制御コントローラ600aは、耕耘作業開始時において前記移行時耕深位置haが前記経過後耕深位置hbよりも高い場合には、前記偏差γ(絶対値)が大きくなるに連れて前記不感帯幅δの補正量βを小さくし、該移行時耕深位置haが該経過後耕深位置hbよりも低い場合には、前記偏差γ(絶対値)が大きくなるに連れて前記不感帯幅δの補正量βを大きくする。
なお、耕耘作業開始時における前記移行時耕深位置ha及び前記経過後耕深位置hbの偏差γとこれに対応する不感帯幅δの補正量βとが関連づけられたデータを、テーブルマップとして前記ROM602aに予め記憶させるようにしてもよい。
【0092】
図18に、前記設定上下位置hSの補正量λと、耕耘作業開始時における前記移行時耕深位置ha及び前記経過後耕深位置hbの偏差γとの関係を示す制御マップの図を示す。
前記「制御ゲインGaの変更」及び/又は前記「不感帯幅δの変更」に代えて、若しくは、加えて、前記「設定上下位置hSの変更」を行う場合には、前記ROM602aには、前記設定上下位置hSの補正量λと、耕耘作業開始時における前記移行時耕深位置ha及び前記経過後耕深位置hbの偏差γとの関係を示す第6関係式又は制御マップが予め記憶される。
なお、図18は、この第6関係式を制御マップとした場合のグラフである。図18では、耕耘作業開始時における前記移行時耕深位置haと前記経過後耕深位置hbとの偏差γを横軸に採り、前記設定上下位置hSの補正量λを縦軸に採っている。
【0093】
斯かる構成を備えることにより、前記昇降制御コントローラ600aは、耕耘作業開始時において前記移行時耕深位置haが前記経過後耕深位置hbよりも高い場合には、前記偏差γ(絶対値)が大きくなるに連れて前記設定上下位置hSの補正量λを小さくし、該移行時耕深位置haが該経過後耕深位置hbよりも低い場合には、前記偏差γ(絶対値)が大きくなるに連れて前記設定上下位置hSの補正量λを大きくする。
なお、耕耘作業開始時における前記移行時耕深位置ha及び前記経過後耕深位置hbの偏差γとこれに対応する設定上下位置hSの補正量λとが関連づけられたデータを、テーブルマップとして前記ROM602aに予め記憶させるようにしてもよい。
【0094】
次に、図19を参照しながら第2実施形態に係る昇降制御装置による前記ロータリー耕耘機400の昇降制御動作の一例を以下に説明する。
【0095】
図19に、第2実施形態に係る昇降制御装置による制御フローを示すフローチャートを示す。
図19に示す制御プログラムの処理フローは、図14に示す制御プログラムの処理フローにおいて、前記ステップS5,S6,S8及びS9の代わりにそれぞれステップS5’,S6’,S8’及びS9’を設けると共に、前記ステップS4と前記ステップS5’との間にステップS101及びステップS102を設け、さらに前記ステップS11と前記ステップS12との間にステップS103及びS104を設けている。図19の処理フローは、ステップS5’,S6’,S8’及びS9’並びにステップS101〜S104以外は図14の処理フローと実質的に同じものである。従って、ここではこれらのステップを中心に説明する。
【0096】
図19に示す昇降制御では、ステップS1からの処理に先立ち、以前の耕耘作業開始時における前記移行時耕深位置haと前記経過後耕深位置hbとの偏差γに、初期値として所定の基準値が代入される。また、ステップS101において自動耕深制御へ移行した時点か否かを判断するフラグSには初期値として、0「ゼロ」が格納される。
【0097】
ステップS101では、自動耕深制御へ移行した時点か否かを判断する。
具体的には、フラグfが0「ゼロ」であると判断した場合には、ステップS102に移行する一方、フラグfが0「ゼロ」でないと判断した場合には、ステップS5’に移行する。
ステップS102では、自動耕深制御へ移行した時点における検出耕深位置hDを変数ha’に格納すると共に、フラグfに1を格納する。
【0098】
ステップS5’では、後述するステップS104で算出された以前の偏差γ(但し初期値は所定の基準値)に応じた制御ゲインGaの補正量αを決定する。
具体的には、前記第4関係式又は制御マップを前記ROM602aから読み出し、該読み出された第4関係式又は制御マップを用いて、前記以前の偏差γに対応した制御ゲインGaの補正量αを算出する。この場合の制御ゲインGaの補正量αは、該制御ゲインGaを小さくするように補正する補正量であり、以前の移行時耕深位置haが以前の経過後耕深位置hbよりも高い場合には、前記以前の偏差γ(絶対値)が大きくなるに連れて小さくなり、該移行時耕深位置haが該経過後耕深位置hbよりも低い場合には、前記以前の偏差γ(絶対値)が大きくなるに連れて大きくなる(図16参照)。
【0099】
ステップS6’では、前記以前の偏差γに応じた不感帯幅δの補正量βを決定する。
具体的には、前記第5関係式又は制御マップを前記ROM602aから読み出し、該読み出された第5関係式又は制御マップを用いて、前記以前の偏差γに対応した不感帯幅δの補正量βを算出する。この場合の不感帯幅δの補正量βは、該不感帯幅δを大きくするように補正する補正量であり、以前の移行時耕深位置haが以前の経過後耕深位置hbよりも高い場合には、前記以前の偏差γ(絶対値)が大きくなるに連れて小さくなり、該移行時耕深位置haが該経過後耕深位置hbよりも低い場合には、前記以前の偏差γ(絶対値)が大きくなるに連れて大きくなる(図17参照)。
【0100】
なお、前記ステップS5’及び前記ステップS6’は何れを先に処理してもよい。また、前記ステップS5’及び前記ステップS6’のうち、何れか一方のみを処理するようにしてもよい。この場合、前記ステップS7では、前記ステップS5’及び前記ステップS6’のうちの何れか一方で処理された制御条件で自動耕深制御を行うことになる。
【0101】
ステップS8’では、後述するステップS104で算出された以前の偏差γ(但し初期値は所定の基準値)に応じた制御ゲインGaの補正量αを決定する。
具体的には、前記第4関係式又は制御マップを前記ROM602aから読み出し、該読み出された第4関係式又は制御マップを用いて、前記偏差γに対応した制御ゲインGaの補正量αを算出する。この場合の制御ゲインGaの補正量αは、該制御ゲインGaを小さくするように補正する補正量であり、前記以前の移行時耕深位置haが前記以前の経過後耕深位置hbよりも高い場合には、前記以前の偏差γ(絶対値)が大きくなるに連れて小さくなり、該移行時耕深位置haが該経過後耕深位置hbよりも低い場合には、前記以前の偏差γ(絶対値)が大きくなるに連れて大きくなる(図16参照)。
【0102】
ステップS9’では、前記以前の偏差γに応じた設定上下位置hSの補正量λを決定する。
具体的には、前記第6関係式又は制御マップを前記ROM602aから読み出し、該読み出された第6関係式又は制御マップを用いて、前記以前の偏差γに対応した設定上下位置hSの補正量λを算出する。この場合の設定上下位置hSの補正量λは、該設定上下位置hSを本来の設定値より上側へ変更するように補正する補正量であり、以前の移行時耕深位置haが以前の経過後耕深位置hbよりも高い場合には、前記以前の偏差γ(絶対値)が大きくなるに連れて小さくなり、該移行時耕深位置haが該経過後耕深位置hbよりも低い場合には、前記以前の偏差γ(絶対値)が大きくなるに連れて大きくなる(図18参照)。
【0103】
なお、前記ステップS8’及び前記ステップS9’は何れを先に処理してもよい。また、前記ステップS8’及び前記ステップS9’のうち、何れか一方のみを処理するようにしてもよい。この場合、前記ステップS10では、前記ステップS8’及び前記ステップS9’のうちの何れか一方で処理された制御条件で自動高さ制御を行うことになる。
【0104】
ステップS103では、耕耘作業開始時において自動耕深制御へ移行した移行時点から一定時間又は一定区間経過後における検出耕深位置hDを以前の経過後耕深位置hbに代入すると共に、前記ステップS102で格納された変数ha’の値を以前の移行時耕深位置haに代入する。また、フラグfに0「ゼロ」を格納する。
【0105】
ステップS104では、前記ステップS103で得られた以前の経過後耕深位置変数hbと以前の移行時耕深位置haとの偏差γを算出する。
【0106】
なお、前記ステップS3において、前記耕耘リヤカバー437の回動角度θDが所定角度に達したか否かの判断は、前記ロータリー耕耘機400の耕深位置hDが前記耕深設定器626の設定耕深位置hRより深いか否かの判断であってもよい。この場合の昇降制御は、前記ステップS3から前記ステップS4を経ずに前記ステップS101に移行する処理、即ち、図19の処理フローにおいて、前記ステップS4及びS8’〜S10’を除去した処理となる。
【0107】
(第3実施形態)
以下、本発明に係る昇降制御装置の第3実施形態について説明する。
図20に、第3本実施形態に係る昇降制御装置が適用される作業車輌の一例である農作業用トラクタの概略側面図を示す。図21に、図20に示すトラクタの概略平面図を示す。図22に、ロータリー耕耘機の図21におけるV−V線に沿った概略断面図を示す。又、図23に、第3実施形態に係る昇降制御装置のブロック図を示す。
なお、前記第1実施形態におけると同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0108】
本第3実施形態においては、前記ロータリ耕耘機400の代わりにロータリ耕耘機400’が設けられている。
このロータリ耕耘機400’は、前記耕耘カバーが前記耕耘爪軸の軸線を中心に回動可能とされており、これにより、前記耕耘リヤカバー437の接地長さを変化させ得るようになっている。また、該ロータリ耕耘機400’は、図20乃至図23に示すように、前記耕耘上面カバー435と前記上リンクフレーム410との間に介挿されたカバー回動用アクチュエータ700が設けられている。斯かる構成以外は前記第1実施形態のロータリ耕耘機400と実質的に同じものである。
【0109】
前記カバー回動用アクチュエータ700は、前記耕耘上面カバー435を前記耕耘爪軸433の軸線回りに前後へ回動させ得るように構成されている。
本実施の形態においては、該カバー回動用アクチュエータ700は、図22に示すように、受台710と、筒状支持体720と、ピストン730と、カバー移動モーター740とを備えている。
【0110】
前記受台710は、前記上リンクフレーム410に固設されている。
前記筒状支持体720は、前記耕耘爪軸433に沿った支持軸711回り揺動自在に前記受台710に支持されている。
前記ピストン730は、前記筒状支持体720の下端開口から該筒状支持体720の中空部に軸線回り相対回転不能且つ軸線方向摺動自在に内挿されている。
前記カバー移動モータ740は、前記ピストン730を軸線方向に沿って移動させ得るように、前記筒状支持体720の上端側に支持されている。
【0111】
詳しくは、前記ピストン730は、前記カバー移動モータ740と対向する一端部が前記筒状支持体720の中空部内に内挿され、且つ、他端部が前記耕耘上面カバー435前端に設けられたブラケット435aに前記耕耘爪軸433に沿った支持軸731回りに揺動自在に連結されている。
前記ピストン730には、前記一端部に開く軸線孔であって、内周面に雌ネジ部732が形成された軸線孔が設けられている。
一方、前記カバー移動モータ740は、軸線回りに回転駆動される出力軸741(図23参照)を有している。該出力軸741には、前記雌ネジ部732と螺合する雄ネジ部742が形成されている。
【0112】
このように、前記ピストン730は、前記筒状支持体720の中空部に軸線回り相対回転不能に内挿された状態で、前記カバー移動モーター740の出力軸741に螺合されている。
従って、前記カバー移動モータ740を駆動させて前記出力軸741を軸線回りに回転させると、これに応じて、前記ピストン730が前記筒状支持体720にガイドされた状態で軸線方向に沿って進退移動する。
そして、斯かるピストン730の軸線方向に沿った進退移動によって、該ピストン730の他端部に連結された前記耕耘上面カバー435が前記耕耘爪軸433の軸線回りに前後へ回動し、これにより、前記耕耘リヤカバー437の接地長さが変化するようになっている。
【0113】
また、第3実施形態に係る昇降制御装置は、昇降制御コントローラ600bを設けている。
該昇降制御装置の昇降制御コントローラ600bは、前記耕耘カバーの回動位置を検出する為の耕耘カバー回動位置検出手段として作用するカバー位置検出器721及び前記カバー移動モータ740に接続されると共に、前記ROM602に代えてROM602bを備えている以外は前記第1実施形態に係る昇降制御装置の昇降制御コントローラ600と実質的に同じものである。
即ち、該耕耘制御コントローラ600bは、図23に示すように、入力系が前記耕深設定器626、前記リヤカバーセンサ624、前記作業機昇降レバー22、前記リフト角センサ627、下降速度調節器629及び前記カバー位置検出器721等が電気的に接続されると共に、出力系が前記上昇制御電磁弁502,前記下降制御電磁弁503及び前記カバー移動モータ740に電気的に接続されている。
【0114】
該昇降制御装置は、前記車輌本体50に対して昇降可能に連結され且つ前記耕耘カバーが前記カバー回動用アクチュエータ700によって耕耘爪軸433の軸線回りに前後へ回動可能とされた前記ロータリ耕耘機400’を昇降用アクチュエータ220によって昇降制御させる昇降制御装置であって、前記ロータリ耕耘機400’の昇降制御を前記リフトアーム221,222の回動角度θLに基づいて行う自動高さ制御と、前記ロータリ耕耘機400’の昇降制御を前記耕耘リヤカバー437の回動角度θDに基づいて行う自動耕深制御とを実行し得るように構成されている。
【0115】
さらに、該昇降制御コントローラ600bは、前記ロータリ耕耘機400’を非耕耘状態位置から自動高さ制御において下降させて設定耕深位置hRでの自動耕深制御を行う耕耘作業の開始時に、前記耕耘リヤカバー437の回動角度θDが所定角度に達した時点から一定時間又は一定区間においては、前記ロータリ耕耘機400’の昇降制御の制御精度が緩和するように前記自動高さ制御及び/又は前記自動耕深制御における制御条件を補正するように構成されている。
【0116】
なお、前記耕耘リヤカバー437の回動角度θDが所定角度に達した時点としては、前記自動高さ制御にて下降する該ロータリ耕耘機400’における前記耕耘リヤカバー437が接地した時点や、前記自動高さ制御にて下降する該ロータリ耕耘機400’が前記耕深設定器626によって設定された設定耕深位置hRに到達した時点を例示できる。本実施の形態では、前記耕耘リヤカバー437が接地した時点としている。
また、前記制御条件の補正は、例えば、自動高さ制御においては、設定上下位置hSを前記作業機昇降レバー22による設定値より上側へ変更するように補正する「設定上下位置hSの変更」又は制御ゲインGaを小さくするように補正する「制御ゲインGaの変更」の少なくとも何れか一の手段を含み、且つ、自動耕深制御においては、制御ゲインGaを小さくするように補正する「制御ゲインGaの変更」又は不感帯幅δを大きくするように補正する「不感帯幅δの変更」の少なくとも何れか一の手段を含む。
【0117】
さらに、該昇降制御コントローラ600bは、前記制御条件の補正量を、前記制御条件の補正量を、前記耕耘カバーの回動位置に応じて変更するように構成されている。
即ち、前記カバー回動用アクチュエータ700によって耕耘爪軸433の軸線回りに前後へ回動する前記耕耘カバーの前記カバー位置検出器721にて検出された回動位置に応じて前記補正量を変更する。これにより、前記リヤカバー437の接地長さに拘わらず、耕耘作業の開始時における未耕地の発生や土盛り量の過多部分の発生を可及的に防止できる。
【0118】
図24は、前記耕耘カバーの回動状態を示す模式図であり、図24(a)に、前記耕耘カバーの回動位置が前方側に設定されている状態を示し、図24(b)に、前記耕耘カバーの回動位置が後方側に設定されている状態を示す。
【0119】
詳しくは、前記耕耘カバーの回動位置が前方に設定されているに従って前記補正量を大きくする。こうすることで、前記リヤカバー437の接地長さが短くなって該リヤカバー437による土の移動可能量が少なくなり、これにより、土盛り量が過多になるという不都合を有効に防止できる。
具体的には、前記制御条件の補正が前記「制御ゲインGaの変更」である場合、前記耕耘カバーの回動位置が前方に設定されているに従って前記制御ゲインGa補正量αを大きくする。
また、前記制御条件の補正が前記「不感帯幅δの変更」である場合、前記耕耘カバーの回動位置が前方に設定されているに従って前記不感帯幅δの補正量βを大きくする。
また、前記制御条件の補正が前記「設定上下位置hSの変更」である場合、前記耕耘カバーの回動位置が前方に設定されているに従って前記設定上下位置hSの補正量λを大きくする。
【0120】
図25に、前記制御ゲインGaの補正量αと、前記耕耘カバーの回動位置との関係を示す制御マップの図を示す。
例えば、前記制御条件の補正が前記制御ゲインGaの補正である場合には、前記ROM602bには、前記制御ゲインGaの補正量αと、前記耕耘カバーの回動位置との関係を示す第7関係式又は制御マップが予め記憶されている。
なお、図25は、この第7関係式を制御マップとした場合のグラフである。図25では、前記耕耘カバーの回動位置を横軸に採り、前記制御ゲインGaの補正量αを縦軸に採っている。
【0121】
斯かる構成を備えることにより、前記昇降制御コントローラ600bは、前記耕耘カバーの回動位置が前方に設定されるに連れて前記制御ゲインGaの補正量αを大きくする。
なお、前記耕耘カバーの回動位置とこれに対応する制御ゲインGaの補正量αとが関連づけられたデータを、テーブルマップとして前記ROM602bに予め記憶させるようにしてもよい。
【0122】
図26に、前記不感帯幅δの補正量βと、前記耕耘カバーの回動位置との関係を示す制御マップの図を示す。
前記「制御ゲインGaの変更」に代えて、若しくは、加えて、前記「不感帯幅δの変更」を行う場合には、前記ROM602bには、前記不感帯幅δの補正量βと、前記耕耘カバーの回動位置との関係を示す第8関係式又は制御マップが予め記憶される。
なお、図26は、この第8関係式を制御マップとした場合のグラフである。図26では、前記耕耘カバーの回動位置を横軸に採り、前記不感帯幅δの補正量βを縦軸に採っている。
【0123】
斯かる構成を備えることにより、前記昇降制御コントローラ600bは、前記耕耘カバーの回動位置が前方に設定されるに連れて前記不感帯幅δの補正量βを大きくする。
なお、前記耕耘カバーの回動位置とこれに対応する不感帯幅δの補正量βとが関連づけられたデータを、テーブルマップとして前記ROM602bに予め記憶させるようにしてもよい。
【0124】
図27に、前記設定上下位置hSの補正量λと、前記耕耘カバーの回動位置との関係を示す制御マップの図を示す。
前記「制御ゲインGaの変更」及び/又は前記「不感帯幅δの変更」に代えて、若しくは、加えて、前記「設定上下位置hSの変更」を行う場合には、前記ROM602bには、前記設定上下位置hSの補正量λと、前記耕耘カバーの回動位置との関係を示す第9関係式又は制御マップが予め記憶される。
なお、図27は、この第9関係式を制御マップとした場合のグラフである。図27では、前記耕耘カバーの回動位置を横軸に採り、前記設定上下位置hSの補正量λを縦軸に採っている。
【0125】
斯かる構成を備えることにより、前記昇降制御コントローラ600bは、前記耕耘カバーの回動位置が前方に設定されるに連れて前記設定上下位置hSの補正量λを大きくする。
なお、前記耕耘カバーの回動位置とこれに対応する設定上下位置hSの補正量λとが関連づけられたデータを、テーブルマップとして前記ROM602bに予め記憶させるようにしてもよい。
【0126】
次に、図28を参照しながら第3実施形態に係る昇降制御装置による前記ロータリー耕耘機400’の昇降制御動作の一例を以下に説明する。
【0127】
図28に、第3実施形態に係る昇降制御装置による制御フローを示すフローチャートを示す。
図28に示す制御プログラムの処理フローは、図14に示す制御プログラムの処理フローにおいて、前記ステップS5,S6,S8及びS9の代わりにそれぞれステップS5”,S6”,S8”及びS9”を設けている。図28の処理フローは、ステップS5”,S6”,S8”及びS9”以外は図14の処理フローと実質的に同じものである。従って、ここではこれらのステップを中心に説明する。
【0128】
ステップS5”では、前記耕耘カバーの回動位置に応じた制御ゲインGaの補正量αを決定する。
具体的には、前記第7関係式又は制御マップを前記ROM602bから読み出し、該読み出された第7関係式又は制御マップを用いて、前記耕耘カバーの回動位置に対応した制御ゲインGaの補正量αを算出する。この場合の制御ゲインGaの補正量αは、該制御ゲインGaを小さくするように補正する補正量であり、前記耕耘カバーの回動位置が前方に設定されるに連れて大きくなる(図25参照)。
【0129】
ステップS6”では、前記耕耘カバーの回動位置に応じた不感帯幅δの補正量βを決定する。
具体的には、前記第8関係式又は制御マップを前記ROM602bから読み出し、該読み出された第8関係式又は制御マップを用いて、前記耕耘カバーの回動位置に対応した不感帯幅δの補正量βを算出する。この場合の不感帯幅δの補正量βは、前記耕耘カバーの回動位置が前方に設定されるに連れて大きくなる(図26参照)。
【0130】
なお、前記ステップS5”及び前記ステップS6”は何れを先に処理してもよい。また、前記ステップS5”及び前記ステップS6”のうち、何れか一方のみを処理するようにしてもよい。この場合、前記ステップS7では、前記ステップS5”及び前記ステップS6”のうちの何れか一方で処理された制御条件で自動耕深制御を行うことになる。
【0131】
ステップS8”では、前記耕耘カバーの回動位置に応じた制御ゲインGaの補正量αを決定する。
具体的には、前記第7関係式又は制御マップを前記ROM602bから読み出し、該読み出された第7関係式又は制御マップを用いて、前記耕耘カバーの回動位置に対応した制御ゲインGaの補正量αを算出する。この場合の制御ゲインGaの補正量αは、該制御ゲインGaを小さくするように補正する補正量であり、前記耕耘カバーの回動位置が前方に設定されるに連れて大きくなる(図25参照)。
【0132】
ステップS9”では、前記耕耘カバーの回動位置に応じた設定上下位置hSの補正量λを決定する。
具体的には、前記第9関係式又は制御マップを前記ROM602bから読み出し、該読み出された第9関係式又は制御マップを用いて、前記耕耘カバーの回動位置に対応した設定上下位置hSの補正量λを算出する。この場合の設定上下位置hSの補正量λは、該設定上下位置hSを本来の設定値より上側へ変更するように補正する補正量であり、前記耕耘カバーの回動位置が前方に設定されるに連れて大きくなる(図27参照)。
【0133】
なお、前記ステップS8”及び前記ステップS9”は何れを先に処理してもよい。また、前記ステップS8”及び前記ステップS9”のうち、何れか一方のみを処理するようにしてもよい。この場合、前記ステップS10では、前記ステップS8”及び前記ステップS9”のうちの何れか一方で処理された制御条件で自動高さ制御を行うことになる。
【0134】
また、前記ステップS3において、前記耕耘リヤカバー437の回動角度θDが所定角度に達したか否かの判断は、前記ロータリー耕耘機400’の耕深位置hDが前記耕深設定器626の設定耕深位置hRより深いか否かの判断であってもよい。この場合の昇降制御は、前記ステップS3から前記ステップS4を経ずに前記ステップS5”に移行する処理、即ち、図28の処理フローにおいて、前記ステップS4及びS8”〜S10”を除去した処理となる。
【0135】
また、前記第3実施形態の昇降制御装置の構成に加えて、前記第1実施形態及び/又は前記第2実施形態の如く構成し、前記補正パラメータの補正量を、前記非耕耘状態位置からの前記ロータリ耕耘機400’の下降速度、以前の耕耘作業開始時における制御情報、又は、前記耕耘カバーの回動位置のうちの選択された要素に応じて変更するようにしてもよい。この場合、作業者が選択した所望の補正制御条件で、耕耘作業の開始時における未耕地の発生や土盛り量の過多の発生を可及的に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0136】
【図1】図1は、本実施の形態に係る昇降制御装置が適用される作業車輌の一例である農作業用トラクタの概略側面図である。
【図2】図2は、図1に示すトラクタの概略平面図である。
【図3】図3は、図1に示すトラクタにおける耕耘機用昇降機構の概略側面図である。
【図4】図4は、図3に示す耕耘機用昇降機構の概略平面図である。
【図5】図5は、ロータリー耕耘機の図2におけるV−V線に沿った概略断面図である。
【図6】図6は、ロータリー耕耘機の概略背面図である。
【図7】図7は、トラクタの油圧回路図である。
【図8】図8は、第1実施形態に係る昇降制御装置のブロック図である。
【図9】図9は、ロータリー耕耘機の模式背面図である。
【図10】図10は、ロータリー耕耘機の模式側面図である。
【図11】図11は、制御ゲインGaの補正量αと、非耕耘状態位置から耕耘状態位置へのロータリ耕耘機の下降速度(下降速度調節器による設定値)との関係を示す制御マップの図である。
【図12】図12は、不感帯幅δの補正量βと、非耕耘状態位置から耕耘状態位置へのロータリ耕耘機の下降速度(下降速度調節器による設定値)との関係を示す制御マップの図である。
【図13】図13は、設定上下位置hSの補正量λと、非耕耘状態位置から耕耘状態位置へのロータリ耕耘機の下降速度(下降速度調節器による設定値)との関係を示す制御マップの図である。
【図14】図14は、第1実施形態に係る昇降制御装置による制御フローを示すフローチャートである。
【図15】図15は、以前の耕耘作業開始時における制御情報の一例を説明するための模式図であり、図15(a)に、以前の耕耘作業開始時において自動耕深制御へ移行した時点におけるロータリ耕耘機の移行時耕深位置を示し、図15(b)に、該移行時点から一定時間又は一定区間経過後におけるロータリ耕耘機の経過後耕深位置を示す。
【図16】図16は、制御ゲインGaの補正量αと、耕耘作業開始時における移行時耕深位置ha及び経過後耕深位置hbの偏差γとの関係を示す制御マップの図である。
【図17】図17は、不感帯幅δの補正量βと、耕耘作業開始時における移行時耕深位置ha及び経過後耕深位置hbの偏差γとの関係を示す制御マップの図である。
【図18】図18は、設定上下位置hSの補正量λと、耕耘作業開始時における移行時耕深位置ha及び経過後耕深位置hbの偏差γとの関係を示す制御マップの図である。
【図19】図19は、第2実施形態に係る昇降制御装置による制御フローを示すフローチャートである。
【図20】図20は、第3本実施形態に係る昇降制御装置が適用される作業車輌の一例である農作業用トラクタの概略側面図である。
【図21】図21は、図20に示すトラクタの概略平面図である。
【図22】図22は、ロータリー耕耘機の図21におけるV−V線に沿った概略断面図である。
【図23】図23は、第3実施形態に係る昇降制御装置のブロック図である。
【図24】図24は、耕耘カバーの回動状態を示す模式図であり、図24(a)に、耕耘カバーの回動位置が前方側に設定されている状態を示し、図24(b)に、耕耘カバーの回動位置が後方側に設定されている状態を示す。
【図25】図25は、制御ゲインGaの補正量αと、耕耘カバーの回動位置との関係を示す制御マップの図である。
【図26】図26は、不感帯幅δの補正量βと、耕耘カバーの回動位置との関係を示す制御マップの図である。
【図27】図27は、設定上下位置hSの補正量λと、耕耘カバーの回動位置との関係を示す制御マップの図である。
【図28】図28は、第3実施形態に係る昇降制御装置による制御フローを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0137】
22…上下位置操作手段 50…車輌本体 220…昇降用アクチュエータ
221,222…リフトアーム 400,400’…耕耘機 437…リヤカバー
600,600a,600b…制御手段 622…傾斜状態検出手段
623…傾斜設定手段 624…耕耘位置検出手段 626…耕深深さ設定手段
627…上下位置検出手段 629…下降速度調節手段
700…カバー回動用アクチュエータ hD…検出耕深位置 hL…検出上下位置
hR…設定耕深位置 hS…設定上下位置 ha…移行時耕深位置
hb…経過後耕深位置 θL…リフトアームの回動角度 θD…リヤカバーの回動角度




 

 


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