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姿勢制御装置 - ヤンマー株式会社
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発明の名称 姿勢制御装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−124905(P2007−124905A)
公開日 平成19年5月24日(2007.5.24)
出願番号 特願2005−317882(P2005−317882)
出願日 平成17年11月1日(2005.11.1)
代理人 【識別番号】100109427
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 活人
発明者 三輪 敏之 / 武山 隆一 / 丹生 秀和
要約 課題
車輌本体に対して昇降可能且つ左右に傾動可能に連結された耕耘機に対して自動高さ制御、自動耕深制御及び自動傾き制御を行う姿勢制御装置であって、前記耕耘機を最上昇位置よりは下方で且つ地面よりは上方に位置させた非耕耘作業状態での車輌本体の走行時に、前記自動傾き制御によって前記耕耘機が意に反して大きく傾動されることを防止し得る構造簡単な姿勢制御装置を提供する。

解決手段
自動高さ制御と自動耕深制御と自動傾き制御とを行うように構成された姿勢制御装置は、車輌本体50の車速vが所定の閾値車速vSより高速の場合には、自動傾き制御の制御精度を緩和させると共に、閾値車速vSを設定高さ位置hSに応じて変更するように構成されている。
特許請求の範囲
【請求項1】
車輌本体に対して昇降可能且つ左右に傾動可能に連結された耕耘機の検出上下位置を設定高さ位置に追従させる自動高さ制御と、前記耕耘機の検出耕深位置を設定耕深位置に追従させる自動耕深制御と、前記耕耘機の前記車輌本体に対する検出傾斜状態を設定傾斜状態に追従させる自動傾き制御とを行うように構成された姿勢制御装置であって、
前記車輌本体の車速が所定の閾値車速より高速の場合には、前記自動傾き制御の制御精度を緩和させると共に、前記閾値車速を前記設定高さ位置に応じて変更するように構成したことを特徴とする姿勢制御装置。
【請求項2】
前記設定高さ位置が接地位置より高い場合には、該設定高さ位置が高くなるに従って前記閾値車速を低速とすることを特徴とする請求項1に記載の姿勢制御装置。
【請求項3】
制御ゲインの低減化、不感帯幅の拡大又はフィルタリング条件の変更の少なくとも何れか一の手段によって、前記自動傾き制御の制御精度を緩和させるように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の姿勢制御装置。
【請求項4】
前記自動傾き制御の制御精度の緩和の程度が、前記作業車輌の車速に応じて変更されるように構成されていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の姿勢制御装置。
【請求項5】
車輌本体に対して昇降可能且つ左右に傾動可能に連結された耕耘機の検出上下位置を設定高さ位置に追従させる自動高さ制御と、前記耕耘機の検出耕深位置を設定耕深位置に追従させる自動耕深制御と、前記耕耘機の前記車輌本体に対する検出傾斜状態を設定傾斜状態に追従させる自動傾き制御とを行うように構成された姿勢制御装置であって、
前記車輌本体の車速が所定の閾値車速より高速の場合には、前記自動傾き制御を停止するように構成したことを特徴とする姿勢制御装置。
【請求項6】
前記閾値車速を前記設定高さ位置に応じて変更するように構成したことを特徴とする請求項5に記載の姿勢制御装置。
【請求項7】
車輌本体に対して昇降可能且つ左右に傾動可能に連結された耕耘機の検出上下位置を設定高さ位置に追従させる自動高さ制御と、前記耕耘機の検出耕深位置を設定耕深位置に追従させる自動耕深制御と、前記耕耘機の前記車輌本体に対する検出傾斜状態を設定傾斜状態に追従させる自動傾き制御とを行うように構成された姿勢制御装置であって、
前記自動高さ制御の際には、前記自動傾き制御の制御精度を緩和させるように構成したことを特徴とする姿勢制御装置。
【請求項8】
制御ゲインの低減化、不感帯幅の拡大又はフィルタリング条件の変更の少なくとも何れか一の手段によって、前記自動傾き制御の制御精度を緩和させるように構成されていることを特徴とする請求項7に記載の姿勢制御装置。
【請求項9】
前記自動傾き制御の制御精度の緩和の程度が、前記設定高さ位置に応じて変更されるように構成されていることを特徴とする請求項7又は8に記載の姿勢制御装置。
【請求項10】
車輌本体に対して昇降可能且つ左右に傾動可能に連結された耕耘機の検出上下位置を設定高さ位置に追従させる自動高さ制御と、前記耕耘機の検出耕深位置を設定耕深位置に追従させる自動耕深制御と、前記耕耘機の前記車輌本体に対する検出傾斜状態を設定傾斜状態に追従させる自動傾き制御とを行うように構成された姿勢制御装置であって、
前記自動高さ制御の際には、前記自動傾き制御を停止するように構成したことを特徴とする姿勢制御装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、車輌本体に対して昇降可能且つ左右に傾動可能に連結された耕耘機の自動高さ制御、自動耕深制御及び自動傾き制御を行う姿勢制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トラクタ等の車輌本体に対して昇降可能且つ左右に傾動可能に連結された耕耘機の姿勢制御を行うための姿勢制御装置として、例えば、前記耕耘機を該車輌本体に対して昇降させる昇降用アクチュエータと、前記耕耘機を前記車輌本体に対して傾動させる傾動用アクチュエータと、前記耕耘機の上下高さを設定する上下位置操作手段と、前記耕耘機の耕深深さを設定する耕深深さ設定手段と、前記耕耘機の前記車輌本体に対する傾斜状態を設定する傾斜設定手段と、前記耕耘機の上下位置を検出する上下位置検出手段と、前記耕耘機の耕耘位置を検出する耕耘位置検出手段と、前記耕耘機の傾斜状態を検出する傾斜状態検出手段と、前記昇降用アクチュエータ及び前記傾動用アクチュエータを作動させる制御手段とを備え、前記耕耘機の検出上下位置を前記上下位置操作手段による設定高さ位置に追従させる自動高さ制御と、前記耕耘機の検出耕耘位置を前記耕耘深さ設定手段による設定耕深位置に追従させる自動耕深制御と、前記耕耘機の前記車輌本体に対する検出傾斜状態を前記傾斜設定手段による設定傾斜状態に追従させる自動傾き制御とを行えるように構成された姿勢制御装置が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
【0003】
斯かる姿勢制御装置においては、非耕耘作業状態から前記上下位置操作手段を下降操作すると、前記自動高さ制御によって前記耕耘機が下降制御される。そして、該耕耘機が接地すると若しくは該耕耘機が前記耕深深さ設定手段によって設定された設定耕深位置に達すると前記自動高さ制御から前記自動耕耘制御に切り替わるようになっている。
一方、前記自動傾き制御は、前記自動高さ制御又は前記自動耕深制御の何れの制御モードが作動しているかに拘わらず、作動するようになっている。
【0004】
ところで、前記自動傾き制御は、耕耘作業状態の際には応答性良く作動することが望まれるが、非耕耘作業状態の際に作動すると前記耕耘機が意に反して傾いたり、場合によっては該耕耘機が地面と接触する等の不都合が生じる。
斯かる観点から、前記車輌本体が所定の閾値車速を超えた高速走行時には、前記自動傾き制御の制御精度を緩和させることが提案されている。
このような自動傾き制御の規制は、前記車輌本体の速度が前記閾値車速よりも高速の場合には非耕耘作業状態にあると擬制して、前記自動傾き制御の制御性を悪化させるものであり、車輌本体が高速走行時において、前記耕耘機が意に反して左右方向へ傾動することを有効に防止できる点で有用である。
【0005】
しかしながら、前述のような、意に反した前記耕耘機の左右方向への傾動制御は、車輌本体が前記閾値車速よりも低速走行する際にも生じ得る。
即ち、例えば、圃場内の一方側から他方側へ向けて車輌本体を略直進させつつ連続的な耕耘作業を行った後に該圃場の他方側端部の方向転換場所(枕地)にて前記車輌本体を方向転換させる際や、前記連続的な耕耘作業の終了後にその圃場における前記枕地に対して耕耘作業を行うべく該車輌本体を移動させる際には、作業者は、前記耕耘機の上昇時間や下降時間の節約を図る為に、通常、前記耕耘機を前記自動傾き制御が解除される最上昇位置まで上昇させることなく、前記上下位置操作手段によって前記耕耘機を耕耘地面から若干上昇させた状態で、車輌本体の走行を行う。
このような圃場内の走行時には、通常、前記車輌本体は前記閾値車速よりも低速走行される。
従って、前記従来の自動傾き制御の規制方法では、前記耕耘機を地面よりは上方で且つ最上昇位置よりも下方に位置させた状態で、圃場内を走行する際に、前記耕耘機が作業者の意に反して大きく左右に傾動されることが起こり得る。
【0006】
又、前記耕耘機を地面よりは上方で且つ最上昇位置よりも下方に位置させた状態での車輌走行は、一の圃場における耕耘作業の終了後に、他の圃場への耕耘作業を行う際にも行われる。
このような他の圃場への移動の際に、前記自動傾き制御によって前記耕耘機が意に反して大きく左右に傾動すると、車輌本体のバランスが崩れ、場合によっては該耕耘機が路上に接触して、該耕耘機の破損を招く虞もある。
【特許文献1】特開平8−205609号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、斯かる従来技術に鑑みなされたものであり、車輌本体に対して昇降可能且つ左右に傾動可能に連結された耕耘機に対して自動高さ制御、自動耕深制御及び自動傾き制御を行う姿勢制御装置であって、前記耕耘機を最上昇位置よりは下方で且つ地面よりは上方に位置させた非耕耘作業状態での車輌本体の走行時に、前記自動傾き制御によって前記耕耘機が意に反して大きく傾動されることを防止し得る構造簡単な姿勢制御装置の提供を、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前記課題を解決するために、次の第1態様の姿勢制御装置を提供する。
(1)第1の姿勢制御装置
車輌本体に対して昇降可能且つ左右に傾動可能に連結された耕耘機の検出上下位置を設定高さ位置に追従させる自動高さ制御と、前記耕耘機の検出耕深位置を設定耕深位置に追従させる自動耕深制御と、前記耕耘機の前記車輌本体に対する検出傾斜状態を設定傾斜状態に追従させる自動傾き制御とを行うように構成された姿勢制御装置であって、前記車輌本体の車速が所定の閾値車速より高速の場合には、前記自動傾き制御の制御精度を緩和させると共に、前記閾値車速を前記設定高さ位置に応じて変更するように構成したことを特徴とする姿勢制御装置。
【0009】
前記第1態様の姿勢制御装置では、前記閾値車速を前記設定高さ位置に応じて変更する具体的態様として、前記設定高さ位置が接地位置より高い場合には、該設定高さ位置が高くなるに従って前記閾値車速を低速とする態様を例示できる。
【0010】
また、前記自動傾き制御の制御精度を緩和させる具体的態様として、制御ゲインの低減化、不感帯幅の拡大又はフィルタリング条件の変更の少なくとも何れか一の手段によって、前記自動傾き制御の制御精度を緩和させるように構成されている態様を例示できる。
前記自動傾き制御の制御精度の緩和の程度は、前記閾値車速に応じて変更されるように構成されていることが好ましい。斯かる具体的態様として、前記車輌本体の車速が前記閾値車速より高速の場合には、該車速が大きくなるに従って前記自動傾き制御の制御精度の緩和の程度を大きくする態様を例示できる。
【0011】
本発明はまた、次の第2態様の姿勢制御装置を提供する。
(2)第2の姿勢制御装置
車輌本体に対して昇降可能且つ左右に傾動可能に連結された耕耘機の検出上下位置を設定高さ位置に追従させる自動高さ制御と、前記耕耘機の検出耕深位置を設定耕深位置に追従させる自動耕深制御と、前記耕耘機の前記車輌本体に対する検出傾斜状態を設定傾斜状態に追従させる自動傾き制御とを行うように構成された姿勢制御装置であって、前記車輌本体の車速が所定の閾値車速より高速の場合には、前記自動傾き制御を停止するように構成したことを特徴とする姿勢制御装置。
【0012】
前記第2態様の姿勢制御装置では、前記閾値車速を前記設定高さ位置に応じて変更するように構成することが好ましい。この場合、前記閾値車速を前記設定高さ位置に応じて変更する具体的態様として、前記設定高さ位置が接地位置より高い場合には、該設定高さ位置が高くなるに従って前記閾値車速を低速とする態様を例示できる。
【0013】
ところで、前記自動高さ制御の際には、非耕耘作業状態とみなすことができるという観点から、本発明は、次の第3態様及び第4態様の姿勢制御装置を提供する。
【0014】
(3)第3の姿勢制御装置
車輌本体に対して昇降可能且つ左右に傾動可能に連結された耕耘機の検出上下位置を設定高さ位置に追従させる自動高さ制御と、前記耕耘機の検出耕深位置を設定耕深位置に追従させる自動耕深制御と、前記耕耘機の前記車輌本体に対する検出傾斜状態を設定傾斜状態に追従させる自動傾き制御とを行うように構成された姿勢制御装置であって、前記自動高さ制御の際には、前記自動傾き制御の制御精度を緩和させるように構成したことを特徴とする姿勢制御装置。
前記第3態様の姿勢制御装置では、前記自動傾き制御の制御精度を緩和させる具体的態様として、制御ゲインの低減化、不感帯幅の拡大又はフィルタリング条件の変更の少なくとも何れか一の手段によって、前記自動傾き制御の制御精度を緩和させるように構成されている態様を例示できる。
前記自動傾き制御の制御精度の緩和の程度は、前記設定高さ位置に応じて変更されるように構成されていることが好ましい。斯かる具体的態様として、前記設定高さ位置が接地位置より高い場合には、該設定高さ位置が高くなるに従って前記自動傾き制御の制御精度の緩和の程度を大きくする態様を例示できる。
【0015】
(4)第4の姿勢制御装置
車輌本体に対して昇降可能且つ左右に傾動可能に連結された耕耘機の検出上下位置を設定高さ位置に追従させる自動高さ制御と、前記耕耘機の検出耕深位置を設定耕深位置に追従させる自動耕深制御と、前記耕耘機の前記車輌本体に対する検出傾斜状態を設定傾斜状態に追従させる自動傾き制御とを行うように構成された姿勢制御装置であって、前記自動高さ制御の際には、前記自動傾き制御を停止するように構成したことを特徴とする姿勢制御装置。
【発明の効果】
【0016】
本発明の第1態様に係る姿勢制御装置によれば、自動傾き制御の制御精度を緩和させる際の判断基準となる閾値車速を、上下位置操作手段による設定高さ位置に応じて変更するように構成したので、前記耕耘機を最上昇位置よりは下方で且つ地面よりは上方に位置させた非耕耘作業状態での車輌本体の走行時に、前記自動傾き制御によって前記耕耘機が意に反して大きく傾動することを有効に防止できる。
従って、車輌本体の走行バランスを良好に維持できると共に、前記耕耘機が地面等に接触する等の不都合を防止できる。
【0017】
斯かる構成において、前記設定高さ位置が接地位置より高い場合には、該設定高さ位置が高くなるに従って前記閾値車速を低速とすれば、従来においては自動傾き制御が実行されていたような低速走行時においても、該自動傾き制御による前記耕耘機の傾動量を抑えることができる。
従って、前記耕耘機を最上昇位置よりは下方で且つ地面よりは上方に位置させた非耕耘作業状態での圃場内又は路上での走行時に、車輌本体の走行バランスを良好に維持できると共に、前記耕耘機が地面等に接触するという不都合を防止できる。
【0018】
また、前記自動傾き制御の制御精度の緩和の程度が、前記車輌本体の車速に応じて変更されるように構成すれば、高速走行時における車輌本体の走行バランスをより良好に維持できる。
【0019】
本発明の第2態様に係る姿勢制御装置によれば、前記車輌本体の車速が所定の閾値車速より高速の場合には、前記自動傾き制御を停止するように構成したので、前記車輌本体の車速が前記閾値車速より高速の場合に、前記自動傾き制御を停止する。
従って、前記自動傾き制御の意に反する作動を確実に防止することができる。
【0020】
斯かる構成において、前記閾値車速を前記設定高さ位置に応じて変更するように構成すれば、前記耕耘機を最上昇位置よりは下方で且つ地面よりは上方に位置させた非耕耘作業状態での車輌本体の走行時に、前記自動傾き制御によって前記耕耘機が意に反して傾動することを確実に防止できる。
従って、車輌本体の走行バランスを良好に維持できると共に、前記耕耘機が地面等に接触する等の不都合を防止できる。
【0021】
また、前記設定高さ位置が接地位置より高い場合には、該設定高さ位置が高くなるに従って前記閾値車速を低速とすると、従来においては自動傾き制御が実行されていたような低速走行時においても、該自動傾き制御による前記耕耘機の傾動を防止できる。
従って、前記耕耘機を最上昇位置よりは下方で且つ地面よりは上方に位置させた非耕耘作業状態での圃場内又は路上での走行時に、車輌本体の走行バランスを良好に維持できると共に、前記耕耘機が地面等に接触するという不都合を防止できる。
【0022】
本発明の第3態様に係る姿勢制御装置によれば、前記自動高さ制御の際には、非耕耘作業状態とみなし、前記自動傾き制御の制御精度を緩和させるように構成したので、前記耕耘機を最上昇位置よりは下方で且つ地面よりは上方に位置させた非耕耘作業状態での車輌本体の走行時に、前記自動傾き制御によって前記耕耘機が意に反して大きく傾動することを有効に防止できる。
従って、車輌本体の走行バランスを良好に維持できると共に、前記耕耘機が地面等に接触する等の不都合を防止できる。
【0023】
斯かる構成において、前記自動傾き制御の制御精度の緩和の程度が、前記設定高さ位置に応じて変更されるように構成すれば、従来においては自動傾き制御が実行されていたような低速走行時においても、該自動傾き制御による前記耕耘機の傾動量を抑えることができる。
従って、前記耕耘機を最上昇位置よりは下方で且つ地面よりは上方に位置させた非耕耘作業状態での圃場内又は路上での走行時に、車輌本体の走行バランスを良好に維持できると共に、前記耕耘機が地面等に接触するという不都合を防止できる。
【0024】
本発明の第4態様に係る姿勢制御装置によれば、前記自動高さ制御の際には、非耕耘作業状態とみなし、前記自動傾き制御を停止するように構成したので、前記耕耘機を最上昇位置よりは下方で且つ地面よりは上方に位置させた非耕耘作業状態での車輌本体の走行時に、前記自動傾き制御によって前記耕耘機が意に反して大きく傾動することを有効に防止できる。
従って、車輌本体の走行バランスを良好に維持できると共に、前記耕耘機が地面等に接触する等の不都合を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本実施の形態に係る姿勢制御装置が適用される作業車輌の一例である農作業用トラクタの概略側面図である。図2は図1に示すトラクタの概略平面図である。図3は図1に示すトラクタにおける耕耘機用昇降機構の概略側面図である。図4は図3に示す耕耘機用昇降機構の概略平面図である。図5はロータリ耕耘機の図2におけるV−V線に沿った概略断面図である。図6は該ロータリ耕耘機の概略背面図である。図7は該トラクタの油圧回路図である。
【0026】
図1乃至図4に示す如く、作業車輌としてのトラクタ100は、車輌本体50と、該車輌本体50の後部に連結されたロータリ耕耘機400とを備えている。
前記車輌本体50は、走行機体1と、該走行機体1を支持する左右一対の前車輪2及び左右一対の後車輪3と、該走行機体1の前部に搭載されたエンジン4とを備えており、前記エンジン4からの動力によって前記後車輪3及び前記前車輪2を作動的に駆動することにより、前後進走行するように構成されている。なお、図中の符号5は前記エンジン4を覆うボンネット5である。
さらに、前記トラクタ100は、前記走行機体1の上面に設けられたキャビン6を有している。該キャビン6の内部には、操縦座席7と、かじ取りすることによって前記前車輪2の操向方向を左右に動かすように構成された操縦ハンドル(丸ハンドル)8とが設置されている。前記キャビン6の外側部には、作業者が乗降するステップ9が設けられ、該ステップ9より内側で且つ該キャビン6の底部より下側には、前記エンジン4に燃料を供給する燃料タンク10が設けられている。
【0027】
図1乃至図4に示すように、前記走行機体1は、前バンパ11及び前車軸ケース12を有するエンジンフレーム13と、該エンジンフレーム13の後部にボルトにて着脱自在に固定される左右の機体フレーム15とを有している。
前記機体フレーム15の後部には、前記エンジン4の回転を適宜変速してそれぞれ後輪軸3a及び前輪軸2aを介して前記後車輪3及び前記前車輪2に伝達するためのミッションケース16が連結されている。前記後車輪3は、前記ミッションケース16の外側面から外向きに突出するように装着された後車軸ケース17を介して取付けられている。
なお、前記ミッションケース16の後端面には、前記ロータリ耕耘機400の駆動力を出力する為のPTO軸18が後向きに突出するように設けられている。
【0028】
前記ロータリ耕耘機400は、前記ミッションケース16の後部に、一対の左右ロワーリンク311,312及びトップリンク320からなる3点リンク機構300を介して連結される。
図1及び図3に示すように、前記左右ロワーリンク311,312は、前端側が前記ミッションケース16後部の左右側面のそれぞれにロワーリンクピン313を介して回動可能に連結され、且つ、後端側が前記ロータリ耕耘機400における下リンクフレーム440の前端部に下ヒッチピン314を介して連結されている。
前記トップリンク320は、前端側が下記作業機用昇降機構200の後部のトップリンクヒッチ210にトップリンクピン211を介して連結され、且つ、後端側が下記上リンクフレーム410の前端側に上ヒッチピン321を介して連結されている。
【0029】
図3及び図4に示すように、前記ミッションケース16の後部上面には、前記ロータリ耕耘機400を昇降動する為の油圧式作業機用昇降機構200が着脱可能に取付けられている。
図3及び図4及び図7に示すように、油圧式の作業機用昇降機構200は、昇降用アクチュエータとして作用する単動形の昇降制御油圧シリンダ220と、該油圧シリンダ220におけるピストンによって作動的に回動される左右一対のリフトアーム221,222とを有している。
【0030】
進行方向に向かって左側の前記リフトアーム221は、左リフトロッド231を介して対応する左側の前記ロワーリンク311に連結されている。
進行方向に向かって右側の前記リフトアーム222は、右リフトロッド232を介して対応する右側の前記ロワーリンク312に連結されている。
つまり、前記昇降制御油圧シリンダ220によって前記左右一対のリフトアーム221,222が車輌左右方向に沿った前記回動軸回りに揺動することで、前記ロータリ耕耘機400は、前記トップリンク320及び前記一対のロワーリンク311,312の前端部回りに昇降するようになっている。
【0031】
前記右リフトロッド232には、前記ロータリ耕耘機400を前記車輌本体50に対して傾動させる傾動用アクチュエータとして作用する複動形の傾斜制御油圧シリンダ240が介挿されている。
つまり、前記傾斜制御油圧シリンダ240のピストンロッド241が進退することによって、前記ロータリ耕耘機440は、前記左右一対のリフトロッド231,232の他方(ここでは、左リフトロッド231)と該他方のリフトロッド231に対応したロワーリンク311との連結点(即ち、前記ロータリ耕耘機400の左右方向中心位置Dから一方側へ変位された位置)を支点Q(図2参照)として、傾動するようになっている。
【0032】
図1、図2、図5及び図6に示すように、前記ロータリ耕耘機400は、横長筒状のメインビーム420と、前記メインビーム420の左右側端部にそれぞれ上端側が連結されたチェーンケース431及び軸受板432と、前記チェーンケース431及び前記軸受板432の下端側に左右両端部が回転自在に軸支された耕耘爪軸433と、前記耕耘爪軸433に放射状にて着脱可能に取り付けられた複数の耕耘爪434と、前記耕耘爪434の回転軌跡の上方を覆うように配置された耕耘上面カバー435と、前記耕耘爪434の回転軌跡の左右側方を覆うように配置された左右耕耘サイドカバー436と、前記耕耘爪434の回転軌跡の後方を覆うように配置された耕耘リヤカバー437と、前記メインビーム420に前端側が取付けられて後方に長く伸びる耕深調節フレーム438と、前記メインビーム420に回動可能に連結された前記上リンクフレーム410と、前記メインビーム420に一体的に連結された前記下リンクフレーム440と、前記上リンクフレーム410の後端側と前記耕深調節フレーム438の前後方向の中間部とをつなぐ伸縮調節可能な耕深調節軸439とを備えている。
【0033】
詳しくは、前記トップリンク320は、ターンバックル320aの回転にて伸縮されて、該トップリンク320の長さを変更調節可能となるように構成されている(図3及び図4参照)。前記上リンクフレーム410は、前後方向の中間部において、耕深調節支点軸411を介して前記メインビーム420に回動可能に連結されている(図1参照)。そして、前記耕深調節フレーム438は、前端側が前記メインビーム420に一体的に連結されている。
斯かる構成を備えることにより、耕深調節ハンドル439a(図1参照)を回転操作して前記耕深調節軸439を伸縮させると、前記左右一対のロワーリンク311,312及びトップリンク320にて支持される前記ロータリ耕耘機400は、前傾又は後傾姿勢に変化するようになっており、これにより、前記耕耘爪434による耕深位置hD(耕耘深さ)が手動で変更できるように構成されている。
【0034】
図1、図5及び図6に示すように、前記メインビーム420の左右中央部には、前記PTO軸18からの駆動力を入力するためのギヤケース450が配置されている。前記PTO軸18と前記ギヤケース450前面側のPTO入力軸451とは、両端に自在継手が備えられた伸縮自在な伝動軸452を介して連結されている。
前記PTO軸18からの動力は、前記ギヤケース450に内蔵されたベベルギヤ(図示せず)、前記メインビーム420に内蔵された回転軸(図示せず)、前記チェーンケース431に内蔵されたスプロケット及びチェーン(図示せず)等を介して前記耕耘爪軸433に伝達される。これにより、前記耕耘爪434が図1及び図5において反時計方向に回転される。
【0035】
図5及び図6に示すように、前記耕耘上面カバー435の後端側には、車輌左右方向に沿った枢着軸437aを介して前記耕耘リヤカバー437が回動可能に連結されている。
さらに、前記耕耘上面カバー435の上面後部には、後方且つ上方へ延びる左右一対のハンガーフレーム441が立設されている。
そして、前記耕耘リヤカバー437の上面後端側と前記左右ハンガーフレーム441の後端側との間には左右一対のハンガー機構460が設けられており、前記耕耘リヤカバー437は、該ハンガー機構460によって、前記枢着軸437a回りに上下動し得るようになっている。
【0036】
詳しくは、前記各ハンガーフレーム441の後端部には、車輌左右方向に沿った軸線回り回動自在とされた受圧軸体442が配置されている。該受圧軸体442には、軸線と直交する方向に貫通孔が設けられている。
前記各ハンガー機構460は、前記受圧軸体442の前記貫通孔に摺動可能に挿通された細長い丸棒形のハンガーロッド461を有している。
前記ハンガーロッド461は、下端部が、車輌左右方向に沿った支軸461aを介して、前記耕耘リヤカバー437の後部上面に設けられたブラケット462に回動自在に連結されている(図5参照)。
前記ハンガーロッド461には、前記受圧軸体442より上方側において固設された下降規制ピン461bと、前記下降規制ピン461bと前記受圧軸体442との間に位置するように該ハンガーロッド461に軸線方向摺動可能に外挿された下降規制板463と、該ハンガーロッド461の下方側で且つ前記支軸461aより上方側において固設された上昇規制ピン461cと、前記上昇規制ピン461cによって下方への移動が規制された状態で該ハンガーロッド461に軸線方向摺動可能に外挿された下座板465と、前記下座板465及び前記受圧軸体442の間に位置するように該ハンガーロッド461に外挿された鎮圧用圧縮バネ466と、該鎮圧用圧縮バネ466の上端部と係合する上座板464とが設けられている。
【0037】
斯かるハンガー機構460を備えた前記ロータリ耕耘機400は以下のように作動する。
即ち、前記昇降用アクチュエータによって前記ロータリ耕耘機400が地面Gから離れるように持上げられると、前記耕耘リヤカバー437の後端側が前記枢着軸437a回りに下方側に回動する。
この際、前記ハンガーロッド461は前記受圧軸体442に案内された状態で下方側へ移動するが、前記下降規制ピン461bが前記下降規制板463に当接し且つ該下降規制板463が前記受圧軸体442に当接することで、該ハンガーロッド461の下方側への移動が停止される。従って、前記耕耘リヤカバー437はその後端側を最下降させた姿勢に維持される。
【0038】
一方、前記ロータリ耕耘機400が耕地上面に降ろされて前記耕耘爪434が着地しているときや耕耘作業中においては、前記耕耘リヤカバー437の後端側が、耕耘された耕土との接地圧にて前記枢着軸437a回りに上方に回動することになる。
この際、前記ハンガーロッド461は前記受圧軸体442に案内された状態で上方側へ移動する。斯かるハンガーロッド461の上方側への移動によって、前記上昇規制ピン461c及び前記下座板465を介して前記鎮圧用圧縮バネ466が圧縮される。
即ち、前記耕耘リヤカバー437が前記枢着軸437a回りに上方側へ回動する際には、該耕耘リヤカバー437は前記鎮圧用圧縮バネ466の付勢力に抗して動作することになり、従って、前記耕耘リヤカバー437の後方への土の飛散を有効に防止しつつ、該耕耘リヤカバーによる均平作用を有効に維持することができる。
【0039】
前記トラクタ100は、さらに、昇降用アクチュエータとして作用する前記昇降制御油圧シリンダ220及び傾動用アクチュエータとして前記昇降制御油圧シリンダ220への作動油給排を行う油圧回路500を備えている。
図7に示すように、前記油圧回路500は、前記エンジン4によって作動的に回転駆動される作業機用油圧ポンプ501と、該油圧ポンプ501の吐出側に流体接続された分流弁505と、該分流弁505によって分岐された一方側油路及び他方側油路にそれぞれ配置された昇降制御用バルブ及び傾斜制御用バルブとを備えている。
本実施の形態においては、前記昇降制御用バルブは、上昇制御電磁弁502及び下降制御電磁弁503を有している。また、前記傾斜制御用バルブは、傾斜制御電磁弁504を有している。
なお、前記油圧回路500は、図7に示すように、リリーフ弁や流量調整弁、チェック弁、オイルクーラ、オイルフィルタ等も備えている。
【0040】
次に、前記キャビン6内に配置された各種操作手段の構成について説明する。
図1及び図2に示すように、前記操縦ハンドル8は、前記操縦座席7の前方に位置する操縦コラム19上に設けられている。
前記キャビン6内には、前記操縦座席7,前記操縦ハンドル8及び前記操縦コラム19に加えて、前記エンジン4の回転数(出力)を調節するためのスロットルレバー617と、前記走行機体1を制動操作するための左右ブレーキペダル20と、前記エンジンから前記前車輪2及び前記後車輪3への動力伝達の係脱操作を行う為のクラッチペダル21と、車輌本体50の走行速度を変速操作する為の走行変速レバー24と、前記エンジン4から前記後車輪3への動力伝達経路に介挿されるディファレンシャル機構をロック操作する為のデフロックペダル25と、前記PTO軸18からの出力回転数を変速操作する為のPTO変速レバー23とが配置されている。
【0041】
さらに、前記キャビン6内には、作業機昇降レバー22,傾斜設定器623及び耕深設定器626が配置されている。
図8に、前記ロータリ耕耘機400の模式側面図を示す。なお、図8(a)は自動耕深制御時のロータリ耕耘機400の昇降状態を示しており、図8(b)は自動高さ制御時のロータリ耕耘機400の昇降状態を示している。
前記作業機昇降レバー22は、前記ロータリ耕耘機400の設定高さ位置(目標高さ位置)hS(図8(b)参照)を手動で変更操作するための上下位置操作手段として作用する。
前記上下位置操作手段は、前記設定高さ位置として、前記リフトアーム221,222の設定リフト角度(目標リフト角度)θS(図8(b)参照)を設定し得るように構成される。
図9に、前記ロータリ耕耘機400の模式背面図を示す。
前記傾斜設定器623は、前記ロータリ耕耘機400の傾斜状態tSを設定する傾斜設定手段として作用する。具体的には、図9に示すように、前記車輌本体50に対する前記ロータリ耕耘機400の左右方向に関する相対的な設定左右傾斜角度(目標左右傾斜角度)φsを予め設定する為のものであり、例えば、可変抵抗器を含み得る。
前記耕深設定器626は、前記ロータリ耕耘機400における耕耘爪434の設定耕深位置(目標耕深位置)hR(図8(a)参照)を設定する耕深深さ設定手段として作用する。
詳細は後述するが、前記ロータリ耕耘機400の耕深位置は、前記耕耘上面カバー435に対する前記耕耘リヤカバー437の回動角度に基づいて制御されるようになっている。従って、前記耕深深さ設定手段は、前記設定耕深位置として、前記耕耘上面カバー435に対する前記耕耘リヤカバー437の設定回動角度(目標回動角度)θR(図8(a)参照)を設定し得るように構成され、例えば、可変抵抗器を含み得る。なお、前記設定回動角度θRは、例えば、鉛直Vを基準にした回動角度とすることができる。
【0042】
(第1実施形態)
次に、本発明に係る姿勢制御装置の第1実施形態について説明する。
図10は、第1実施形態に係る姿勢制御装置のブロック図である。
該姿勢制御装置は、前記車輌本体50に対して昇降可能且つ左右に傾動可能に連結された前記ロータリ耕耘機400の自動高さ制御、自動耕深制御及び自動傾き制御を行うように構成されている。
【0043】
具体的には、図10に示すように、該姿勢制御装置は、前記昇降用アクチュエータとして作用する前記昇降制御油圧シリンダ220と、前記傾動用アクチュエータとして作用する前記傾斜制御油圧シリンダ240と、前記上下位置操作手段として作用する前記作業機昇降レバー22と、前記耕深深さ設定手段として作用する前記耕深設定器626と、前記傾斜設定手段として作用する前記傾斜設定器623と、前記ロータリ耕耘機400の前記車輌本体に対する上下位置を検出する上下位置検出手段と、前記ロータリ耕耘機400の耕深位置を検出する耕深位置検出手段として作用するリヤカバーセンサ624と、前記ロータリ耕耘機400の傾斜状態を検出する傾斜状態検出手段として作用する作業機ポジションセンサ622と、車速センサ628と、前記自動高さ制御、前記自動耕深制御及び前記自動傾き制御を司る制御手段として作用する姿勢制御コントローラ600とを備えている。
【0044】
前述の通り、前記リヤカバーセンサ624は、前記ロータリ耕耘機400の耕深位置hDを検出する耕深位置検出手段として作用する。
即ち、前記ロータリ耕耘機400の耕深位置hD(図8(a)参照)に応じて、前記耕耘上面カバー435に対する前記耕耘リヤカバー437の回動位置が変化する。従って、前記リヤカバーセンサ624によって、前記耕耘上面カバー435に対する前記耕耘リヤカバー437の回動位置を検出することによって、前記ロータリ耕耘機400の耕深位置hDを検出することができる。
詳しくは、前記リヤカバーセンサ624は、前記耕耘上面カバー435に対する前記耕耘リヤカバー437の回動位置として、前記耕耘上面カバー435に対する前記耕耘リヤカバー437の回動角度θD(図8(a)参照)を検出し得るように構成され、この検出回動角度θDは、例えば、鉛直Vを基準にした回動角度とすることができる。
本実施の形態においては、該リヤカバーセンサ624は、前記耕耘上面カバー435の後部上面に配置されたポテンショメータ型とされている(図2、図5、図6及び図8参照)。
なお、前記リヤカバーセンサ624と前記耕耘リヤカバー437とは、センサアーム437b及びセンサリンク437c等を介して連結されている(図2参照)。
【0045】
本実施の形態においては、前記上下位置検出手段としてリフト角センサ627が備えられている。
該リフト角センサ627は、前記ロータリ耕耘機400の対機体高さ(前記車輌本体50に対する前記ロータリ耕耘機400の相対高さ)hL(図8(b)参照)を検出し得るように構成されている。
具体的には、該リフト角センサ627は、前記リフトアーム221,222のリフト角度θL(図8(b)参照)を検出するように構成されており、例えば、ポテンショメータ型のものが使用され得る。
該リフト角センサ627は、前記作業機用昇降機構200と前記左リフトアーム221との連結箇所に配置されている(図3及び図4参照)。
【0046】
前記車速センサ628は、前後四輪2,3の回転速度(前記車両本体50の車速v)を検出するためのものである。
【0047】
前記作業機ポジションセンサ622は、前記車輌本体50に対する前記ロータリ耕耘機400の左右方向に関する相対的な傾斜角度φ(図9参照)を検出するように構成されており、例えば、ポテンショメータ型のものが使用され得る。
該作業機ポジションセンサ622は、詳細は図示していないが、例えば、前記耕耘上面カバー435の上方に位置する前記メインビーム420の左右中央箇所に配置され得る。
なお、前記作業機ポジションセンサ622は、該作業機ポジションセンサ622の出力の中から限定された帯域の信号出力を取り出すためのフィルタ部625を介して、前記姿勢制御コントローラ600に電気的に接続されている。
斯かるフィルタ部625を設けることにより、前記作業機ポジションセンサ622の検出感度変化の影響を抑制することができる。これについては後ほど詳述する。
【0048】
前記姿勢制御コントローラ600は、前記種々の設定手段及びセンサからの信号を入力して、前記昇降用アクチュエータ及び前記傾動用アクチュエータへ制御信号を出力するように構成されている。
即ち、該姿勢制御コントローラ600は、図10に示すように、入力系が前記傾斜設定器623,前記耕深設定器626,前記機体ローリングセンサ621,前記作業機ポジションセンサ622,前記リフト角センサ627、前記リヤカバーセンサ624、前記作業機昇降レバー22及び前記リフト角センサ627等が電気的に接続されると共に、出力系が前記上昇制御電磁弁502,前記下降制御電磁弁503及び前記傾斜制御電磁弁504に電気的に接続されている。
【0049】
詳しくは、該姿勢制御コントローラ600は、図10に示すように、前記各種センサ等から入力される信号に基づいて演算処理を実行する制御演算手段を含む中央処理装置601(以下CPUという)と、制御プログラムP1等を格納したり、後述する各種関係式又は制御マップに関する所定のデータ等を記憶するROM602と、前記CPU601の演算中に生成されるデータを一時的に保持するRAM603とを備えている。
斯かる姿勢制御コントローラ600は電源印加用キースイッチ611を介してバッテリ612に接続されている。なお、前記キースイッチ611は、前記エンジン4を始動するためのスタータ613に接続される。
【0050】
本実施の形態においては、前記姿勢制御コントローラ600には、図10に示すように、前記エンジン4の回転を制御する電子ガバナコントローラ614が接続されている。
該電子ガバナコントローラ614には、前記エンジン4の燃料を調節するガバナ615と、前記エンジン4の回転数を検出するエンジン回転センサ616とが接続されている。
【0051】
前記電子ガバナコントローラ614は、作業者にて前記スロットルレバー617が手動操作されると、該スロットルレバー617の回動位置を検出するスロットルポテンショメータ618の検出情報に基づいて、該スロットルレバー617の設定回転数と前記エンジン4の回転数とが一致するように、スロットルソレノイド619にて燃料調節ラック(図示省略)の位置を自動的に調節する制御を実行する。これにより、前記エンジン4の回転は、負荷の変動に拘わらず、前記スロットルレバー617の位置に応じた所定回転数に維持され得る。
【0052】
さらに、本実施の形態に係る姿勢制御装置には、機体ローリングセンサ621が備えられている。
該機体ローリングセンサ621は、前記車輌本体50の左右方向に関する傾斜角度を検出する為のものであり、例えば、振子式のものが使用され得る。
本実施の形態においては、該機体ローリングセンサ621は、前記作業機用昇降機構200の上面で且つ前記操縦座席7の後方の箇所に配置されている(図1〜図4参照)。
【0053】
このように構成された姿勢制御コントローラ600は、前記ロータリ耕耘機400の検出上下位置hLを前記上下位置操作手段による設定高さ位置hSに追従させる自動高さ制御と、前記ロータリ耕耘機400の検出耕耘位置hDを前記耕深設定器626による設定耕深位置hRに追従させる自動耕深制御と、前記ロータリ耕耘機400の前記車輌本体50に対する検出傾斜状態t(図9参照)を前記傾斜設定器623による設定傾斜状態tSに追従させる自動傾き制御とを実行し得るように構成されている。
【0054】
前記自動高さ制御は、該姿勢制御装置による前記ロータリ耕耘機400の姿勢制御中であって、前記自動耕深制御の非作動時に実行される。
即ち、前記ロータリ耕耘機400が最上昇位置に位置している状態から前記作業機昇降レバー22を下降操作した際や、前記ロータリ耕耘機400の耕耘作業状態から前記作業機昇降レバー22を上昇操作した際に、該自動高さ制御が実行される。
該自動高さ制御の実行時には、前記姿勢制御コントローラ600は、前記リフト角センサ627の検出リフト角度θLに基づく検出高さ位置hLが前記作業機昇降レバー22にて設定された設定高さ位置hSとなるように前記昇降制御油圧シリンダ220の自動高さ制御量を算出し、該算出された自動高さ制御量を用いて前記昇降制御油圧シリンダ220を駆動させる。
【0055】
前記自動耕深制御は、前記ロータリ耕耘機400の耕深作業時に実行される。
例えば、前記ロータリ耕耘機400が最上昇位置に位置している状態から前記作業機昇降レバー22を下降操作することにより、前記自動高さ制御にて下降する該ロータリ耕耘機400が接地すると、若しくは、前記耕深設定器626によって設定された設定耕深位置hRに到達すると、前記自動高さ制御から該自動耕深制御に移行される。
該自動耕深制御の実行時には、前記姿勢制御コントローラ600は、前記リヤカバーセンサ624の検出回動角度θDに基づく検出耕深位置hDが前記耕深設定器626にて設定された設定耕深位置hRとなるように前記昇降制御油圧シリンダ220の自動耕深制御量を算出し、該算出された自動耕深制御量を用いて前記昇降制御油圧シリンダ220を駆動させる。
【0056】
前記自動傾き制御は、該姿勢制御装置による前記ロータリ耕耘機400の姿勢制御中においては常時作動するようになっている。
即ち、前記自動高さ制御又は前記自動耕深制御の何れが実行されているかに拘わらず、該自動傾き制御は実行される。
該自動傾き制御の実行時には、前記姿勢制御コントローラ600は、前記作業機ポジションセンサ622の検出傾斜角度φに基づく検出傾斜位置tが前記傾斜設定器623にて設定された設定傾斜状態tSとなるように前記傾斜制御油圧シリンダ240の自動傾き制御量を算出し、該算出された自動傾き制御量を用いて前記傾斜制御油圧シリンダ240を駆動させる。
【0057】
さらに、該姿勢制御コントローラ600は、前記車輌本体50の車速vが所定の閾値車速vSより高速の場合には、前記自動傾き制御の制御精度を緩和させるように構成されている。
即ち、前記車輌本体50の車速vが所定の閾値車速vSより高速の場合には非耕耘状態にあると擬制して、前記自動傾き制御の制御精度を緩和させる。これにより、前記自動傾き制御の制御性を悪化させ、前記車輌本体50が高速走行時において、前記ロータリ耕耘機400が意に反して左右方向へ傾動するという不都合を防止し得るようになっている。
なお、前記自動傾き制御の制御精度の緩和は、自動傾き制御ゲインGaを低減化する「制御ゲインの低減化」、前記自動傾斜制御を行う際の不感帯幅δを拡大する「不感帯幅の拡大」、又は前記フィルタ部625のフィルタリング条件を変更する「フィルタリング条件の変更」のうち、少なくとも何れか一の手段を行うことによって実行される。
【0058】
さらに、該姿勢制御コントローラ600は、前記自動傾き制御の制御精度を緩和させるか否かの基準となる前記閾値車速vSを、前記自動高さ制御での設定高さ位置hSに応じて変更するように構成されている。
即ち、本実施の形態においては、前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSに応じて、前記閾値車速vSを変更するようになっており、これにより、前記ロータリ耕耘機400を最上昇位置よりは下方で且つ地面Gよりは上方に位置させた非耕耘作業状態での前記車輌本体50の走行時に、前記自動傾き制御によって前記ロータリ耕耘機400が意に反して大きく傾動することを有効に防止できる。
従って、前記車輌本体50の走行バランスを良好に維持できると共に、前記ロータリ耕耘機400が地面G等に接触する等の不都合を防止できる。
【0059】
本実施の形態においては、前記設定高さ位置hSが接地位置hEより高い場合には、該設定高さ位置hSが高くなるに従って前記閾値車速vSを低速とするように構成されている。
斯かる構成によれば、従来の自動傾き制御が実行されていたような低速走行時においても、該自動傾き制御による前記ロータリ耕耘機400の傾動量を抑えることができる。
従って、前記ロータリ耕耘機400を最上昇位置よりは下方で且つ地面Gよりは上方に位置させた非耕耘作業状態での圃場内又は路上での走行時に、前記車輌本体50の走行バランスを良好に維持できると共に、前記ロータリ耕耘機400が地面等に接触するという不都合を防止できる。
【0060】
図11に、閾値車速vSと設定高さ位置hSとの関係を示す制御マップの図を示す。
具体的には、前記ROM602には、前記閾値車速vSと、前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSとの関係を示す第1関係式又は制御マップが予め記憶されている。
この場合の前記第1関係式としては、例えば、基準となる閾値車速(基準閾値車速)をvS’とすると、設定高さ位置hSが接地位置hEと同一又は接地位置hEより低い場合には、vS=vS’とし、且つ、設定高さ位置hSが前記接地位置hEより高い場合には、vS=A1×hS+B1(但しhS>hE)となるような関係式を挙げることができる。ここで、A1は比例定数、B1は定数である。
なお、図11は、この第1関係式を制御マップとした場合のグラフである。図11では、前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSを横軸に採り、前記閾値車速vSを縦軸に採っている。
【0061】
斯かる構成により、前記姿勢制御コントローラ600は、作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSが接地位置hEと同位置又は接地位置hEより低い場合には、閾値車速vSを前記基準閾値車速vS’に設定し、且つ、前記設定高さ位置hSが接地位置hEより高い場合には、前記設定高さ位置hSが「低い」→「高い」になるに連れて閾値車速Sを低くする。
なお、前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSとこれに対応する前記閾値車速vSとが関連づけられたデータを、テーブルマップとして前記ROM602に予め記憶させるようにしてもよい。
【0062】
好ましくは、前記自動傾き制御の制御精度の緩和の程度が、前記車輌本体50の車速vに応じて変更されるように構成することができる。
即ち、前記車輌本体50の車速vが前記閾値車速vSより高速の場合には、該車速vが大きくなるに従って前記自動傾き制御の制御精度の緩和の程度を大きくするように構成することができる。
【0063】
図12に、自動傾き制御ゲインGaと前記車輌本体50の車速vとの関係を示す制御マップを示す。
例えば、前記「制御ゲインの低減化」によって前記自動傾き制御の制御精度の緩和を行う場合には、前記ROM602には、自動傾き制御ゲインGaと、前記車輌本体50の車速vとの関係を示す第2関係式又は制御マップが予め記憶されている。
この場合の前記第2関係式としては、例えば、基準となる自動傾き制御ゲイン(基準自動傾き制御ゲイン)をGa’とすると、前記車輌本体50の車速vが閾値車速vSと同速又は前記車速vSより低速の場合には、Ga=Ga’とし、且つ、前記車輌本体50の車速vが前記閾値車速vSより高速の場合には、Ga=A2×v+B2(但しv>vS)となるような関係式を挙げることができる。ここで、A2は比例定数、B2は定数である。
この第2関係式を制御マップとした場合を、図12に示している。図12では、前記車輌本体50の車速vを横軸に採り、前記自動傾き制御ゲインGaを縦軸に採っている。
【0064】
斯かる構成を備えることにより、前記姿勢制御コントローラ600は、前記車輌本体50の車速vが閾値車速vSと同速又は閾値車速vSより低速の場合には、自動傾き制御ゲインGaを前記基準自動傾き制御ゲインGa’に設定し、且つ、前記車輌本体50の車速vが閾値車速vSより高速の場合には、前記車輌本体50の車速vが「低速」→「高速」になるに連れて自動傾き制御ゲインGaを低減する。
なお、前記車輌本体50の車速vとこれに対応する自動傾き制御ゲインGaとが関連づけられたデータを、テーブルマップとして前記ROM602に予め記憶させるようにしてもよい。
【0065】
図13に、不感帯の幅δと前記車輌本体50の車速vとの関係を示す関係を示す制御マップの図を示す。
前記「制御ゲインの低減化」に代えて、若しくは、加えて、前記「不感帯幅の拡大」によって前記自動傾き制御の制御精度の緩和を行う場合には、前記ROM602には、前記自動傾き制御の際に用いる不感帯の幅δと、前記車輌本体50の車速vとの関係を示す第3関係式又は制御マップが予め記憶される。
この場合の前記第3関係式としては、例えば、基準となる不感帯の幅(基準不感帯幅)をδ’とすると、前記車輌本体50の車速vが閾値車速vSと同速又は前記車速vSより低速の場合には、δ=δ’とし、且つ、前記車輌本体50の車速vが前記閾値車速vSより高速の場合には、δ=A3×v+B3(但しv>vS)となるような関係式を挙げることができる。ここで、A3は比例定数、B3は定数である。
この第3関係式を制御マップとした場合を、図13に示している。図13では、前記車輌本体50の車速vを横軸に採り、前記不感帯の幅δを縦軸に採っている。
【0066】
斯かる構成を備えることにより、前記姿勢制御コントローラ600は、前記車輌本体50の車速vが閾値車速vSと同速又は閾値車速vSより低速の場合には、不感帯の幅δを前記基準不感帯幅δ’に設定し、且つ、前記車輌本体50の車速vが閾値車速vSより高速の場合には、前記車輌本体50の車速vが「低速」→「高速」になるに連れて不感帯の幅δを広くする。
なお、前記車輌本体50の車速vとこれに対応する不感帯の幅δとが関連づけられたデータを、テーブルマップとして前記ROM602に予め記憶させるようにしてもよい。
ここで、不感帯とは、前記ロータリ耕耘機400の検出傾斜位置tが前記傾斜設定器623による設定傾斜位置tsを中心とする所定の上下幅範囲内にあれば、傾斜制御油圧シリンダ240を非駆動とし、検出傾斜位置tが前記上下幅範囲から外れていれば、傾斜制御油圧シリンダ240を昇降動させて前記ロータリ耕耘機400の傾斜状態を設定傾斜状態tSに近付ける動作隙間のことをいう。
【0067】
図14に、遮断周波数fcと前記車輌本体50の車速vとの関係を示す制御マップの図を示す。
前記「制御ゲインの低減化」及び/又は前記「不感帯幅の拡大」に代えて、若しくは、加えて、前記「フィルタリング条件の変更」によって前記自動傾き制御の制御精度の緩和を行う場合には、前記ROM602には、前記フィルタ部625の遮断周波数fcと、前記車輌本体50の車速vとの関係を示す第4関係式又は制御マップが予め記憶されている。
この場合の前記第4関係式としては、例えば、基準となる遮断周波数(基準遮断周波数)をfc’とすると、前記車輌本体50の車速vが閾値車速vSと同速又は前記車速vSより低速の場合には、fc=fc’とし、且つ、前記車輌本体50の車速vが前記閾値車速vSより高速の場合には、fc=A4×v+B4(但しv>vS)となるような関係式を挙げることができる。ここで、A4は比例定数、B4は定数である。
この第4関係式を制御マップとした場合を、図14に示している。図14では、前記車輌本体50の車速vを横軸に採り、前記遮断周波数fcを縦軸に採っている。
斯かる構成を備えることにより、前記姿勢制御コントローラ600は、前記車輌本体50の車速vが閾値車速vSと同速又は閾値車速vSより低速の場合には、遮断周波数fcを前記基準遮断周波数fc’に設定し、且つ、前記車輌本体50の車速vが閾値車速vSより高速の場合には、前記車輌本体50の車速vが「低速」→「高速」になるに連れて遮断周波数fcを低くする。
なお、前記車輌本体50の車速vSとこれに対応する遮断周波数fcとが関連づけられたデータを、テーブルマップとして前記ROM602に予め記憶させるようにしてもよい。
つまり、前記フィルタ部625の遮断周波数fcは、前記車輌本体50の車速vに対応する制御情報に応じて可変となっている。即ち、前記車輌本体50の車速vの制御情報に基づき遮断周波数fcを演算し、この演算結果の制御情報を前記フィルム部625に伝送することにより、遮断周波数をfcとするフィルタ部125が形成される。
【0068】
前記フィルタ部625としては、低域フィルタ(ローパスフィルタ、LPF)、高域フィルタ(ハイパスフィルタ、HPF)、帯域フィルタ(バンドパスフィルタ、BPF)、又は帯域消去フィルタ(バンドエリミネ−ションフィルタ、BEF)を採用することができる。本実施の形態では、前記フィルタ部625として低域フィルタが採用されている。周知の通り、低域フィルタは、その遮断周波数fcより高い周波数域の信号をほぼ0(零)とし、遮断周波数fc以下の周波数域の信号をそのまま通過させるように構成されている。遮断周波数fcは周波数の通過域と減衰域との境界値のことである。
本実施の形態では、前記フィルタ部625で採用される遮断周波数fcは可変となっている。この可変の構成としては、例えば、LCフィルタ(コイルとコンデンサとからなるフィルタ)の場合は、可変コンデンサを使用することで実現できる。また、RCフィルタ(抵抗とコンデンサとからなるフィルタ)の場合は、可変抵抗と可変コンデンサとの組合せで実現できる。
【0069】
次に、前記姿勢制御コントローラ600による前記ロータリ耕耘機400の姿勢制御動作の一例を以下に詳述する。
この姿勢制御装置では、前記作業機昇降レバー22が前記ロータリ耕耘機400が最上昇位置よりも下方位置に位置するように操作したとき、或いは、図示しない自動制御スイッチをON操作したときに姿勢制御動作を開始する。
【0070】
図15に、第1実施形態に係る姿勢制御装置による制御フローを示すフローチャートを示す。
先ず、前記ロータリ耕耘機400の検出高さ位置hLが設定高さ位置hSより高いか否かを判断する(ステップS1)。
具体的には、前記リフト角センサ627で読み込まれた検出リフト角度θLに基づく検出高さ位置hLが前記作業機昇降レバー22の設定リフト角度θSに基づく設定高さ位置hSより高いと判断した場合には、ステップS2に移行する一方、前記検出高さ位置hLが前記設定高さ位置hS以下であると判断した場合には、ステップS6に移行する。
【0071】
前記ステップS1で前記ロータリ耕耘機400の検出高さ位置hLが前記設定高さ位置hSより高いと判断した場合、前記自動耕深制御中か否かを判断する(ステップS2)。
具体的には、前記自動耕深制御中でないと判断した場合には、ステップS3に移行する一方、前記自動耕深制御中であると判断した場合には、ステップS4に移行する。
【0072】
前記ステップS2で前記自動耕深制御中でないと判断した場合、前記ロータリ耕耘機400の耕深位置hDが前記耕深設定器626の設定耕深位置hRより深いか否かを判断する(ステップS3)。
具体的には、前記リヤカバーセンサ624で読み込まれた検出上下回動角度θDに基づく検出耕深位置hDが前記耕深設定器626の設定回動角度θRに基づく設定耕深位置hRより深いと判断した場合には、ステップS4に移行する一方、前記検出耕深位置hDが前記設定耕深位置hRと同じか前記設定耕深位置hRより浅いと判断した場合には、ステップS6に移行する。
【0073】
前記ステップS2で前記自動耕深制御中であると判断した場合、及び前記ステップS3で前記検出耕深位置hDが前記設定耕深位置hRより深いと判断した場合、前記ロータリ耕耘機400の耕深位置hDを前記耕深設定器626の設定耕深位置hRに追従させる自動耕深制御を行う(ステップS4)。
具体的には、前記リヤカバーセンサ624で読み込まれた検出上下回動角度θDに基づく検出耕深位置hDが前記耕深設定器626の設定回動角度θRに基づく設定耕深位置hRと等しくなるように、前記上昇制御電磁弁502又は前記下降制御電磁弁503を作動させ、前記昇降制御油圧シリンダ220による前記ロータリ耕耘機400の下降又は上昇の動作を実行し、ステップS5に移行する。
【0074】
次に、前記自動傾き制御を基準の制御精度で行う(ステップS5)。
具体的には、前記基準自動傾き制御ゲインGa’、前記基準不感帯幅δ’及び前記基準遮断周波数fc’を前記ROM602から読み出し、該読み出された基準遮断周波数fc’とする前記フィルタ部625を形成する。次に、該形成されたフィルタ部625を介して、前記基準自動傾き制御ゲインGa’と、前記作業機ポジションセンサ622による検出傾斜角度φに基づく検出傾斜位置tとにより該検出傾斜位置tが前記傾斜設定器623にて設定された設定傾斜位置tSとなるように前記傾斜制御油圧シリンダ240の自動傾き制御量を算出する。そして、前記ロータリ耕耘機400の検出傾斜位置tと前記傾斜設定器623による設定傾斜位置tsとの差量が該基準不感帯幅δ’内にあれば、傾斜制御油圧シリンダ240を非駆動とし、該差量が該基準不感帯幅δ’から外れていれば、該算出された自動傾き制御量を用いて前記傾斜制御油圧シリンダ240を駆動させ、ステップS11に移行する。
【0075】
一方、前記ステップS1で前記ロータリ耕耘機400の検出高さ位置hLが前記設定高さ位置hS以下であると判断した場合、前記ロータリ耕耘機400の高さ位置hLを前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSに追従させる自動高さ制御を行う(ステップS6)。
具体的には、前記リフト角センサ627で読み込まれた検出リフト角度θLに基づく検出高さ位置hLが前記作業機昇降レバー22の設定リフト角度θSに基づく設定高さ位置hSと等しくなるように、前記上昇制御電磁弁502又は前記下降制御電磁弁503を作動させ、前記昇降制御油圧シリンダ220による前記ロータリ耕耘機400の下降又は上昇の動作を実行し、ステップS7に移行する。
【0076】
次に、前記閾値車速vSを前記自動高さ制御での設定高さ位置hSに応じて変更する(ステップS7)。
具体的には、前記第1関係式又は制御マップを前記ROM602から読み出し、該読み出された第1関係式又は制御マップを用いて、前記作業機昇降レバー22による設定高さ位置hSに対応した前記閾値車速vSを算出する。この場合の前記閾値車速vSは、前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSが接地位置hEと同位置又は接地位置hEより低い場合には、前記基準閾値車速vS’となり、前記設定高さ位置hSが接地位置hEより高い場合には、前記設定高さ位置hSが「低い」→「高い」になるに連れて低速とされた値になる(図11参照)。
【0077】
次に、前記車輌本体50の車速vが前記閾値車速vSより高速か否かを判断する(ステップS8)。
具体的には、前記車速センサ628にて検出された前記車輌本体50の検出車速vが前記ステップS7で算出された閾値車速vSより高速であると判断した場合には、ステップS9に移行する一方、前記検出車速vが前記閾値車速vSと同速又は該閾値車速vSより低速であると判断した場合には、ステップS10に移行する。
【0078】
前記ステップS8で前記車輌本体50の車速vが前記閾値車速vSより高速であると判断した場合、前記「制御ゲインの低減化」、前記「不感帯幅の拡大」又は前記「フィルタリング条件の変更」のうち、少なくとも何れか一の手段によって、前記自動傾き制御の制御精度を緩和させて該自動傾き制御を行う(ステップS9)。
【0079】
具体的には、前記「制御ゲインの低減化」による前記自動傾き制御の制御精度の緩和を行う場合、前記車輌本体50の車速vと、前記ROM602に予め記憶された第2関係式又は制御マップとに基づき、前記自動傾き制御ゲインGaを求める。この場合の前記自動傾き制御ゲインGaは、前記車輌本体50の車速vが「低速」→「高速」になるに連れて低減された値になる(図12参照)。次に、該求められた自動傾き制御ゲインGaと、前記作業機ポジションセンサ622による検出傾斜角度φに基づく検出傾斜位置tとにより前記傾斜制御油圧シリンダ240の自動傾き制御量を算出する。こうして算出された自動傾き制御量を用いて前記傾斜制御油圧シリンダ240を駆動させ、ステップS11に移行する。
【0080】
また、前記「不感帯幅の拡大」による前記自動傾き制御の制御精度の緩和を行う場合、前記車輌本体50の車速vと、前記ROM602に予め記憶された第3関係式又は制御マップとに基づき、前記不感帯の幅δを求める。この場合の前記不感帯の幅δは、前記車輌本体50の車速vが「低速」→「高速」になるに連れて広くされた値になる(図13参照)。次に、前記作業機ポジションセンサ622による検出傾斜位置tが前記傾斜設定器623にて設定された設定傾斜位置tSとなるように前記傾斜制御油圧シリンダ240の自動傾き制御量を算出する。そして、前記ロータリ耕耘機400の検出傾斜位置tと前記傾斜設定器623による設定傾斜位置tsとの差量が該求められた不感帯の幅δ内にあれば、傾斜制御油圧シリンダ240を非駆動とし、該差量が該求められた不感帯の幅δから外れていれば、該算出された自動傾き制御量を用いて前記傾斜制御油圧シリンダ240を駆動させ、ステップS11に移行する。
【0081】
また、前記「フィルタリング条件の拡大」による前記自動傾き制御の制御精度の緩和を行う場合、前記作業車輌50の車速vと、前記ROM602に予め記憶された第4関係式又は制御マップに基づき、前記フィルタ部625の遮断周波数fcを算出する。この場合の遮断周波数fcは、前記車輌本体50の車速vが「低速」→「高速」になるに連れて低くされた値になる(図14参照)。次に、該算出された遮断周波数fcとする前記フィルタ部625を形成し、該フィルタ部625を介して前記作業機ポジションセンサ622で検出傾斜位置tを検出し、この検出傾斜位置tが前記傾斜設定器623にて設定された設定傾斜位置tSとなるように前記傾斜制御油圧シリンダ240の自動傾き制御量を算出する。こうして算出された自動傾き制御量を用いて前記傾斜制御油圧シリンダ240を駆動させ、ステップS11に移行する。
【0082】
一方、前記ステップS8で前記車輌本体50の車速vが前記閾値車速vSと同速又は前記閾値車速vSより低速であると判断した場合、前記自動傾き制御を基準の制御精度で行う(ステップS10)。
具体的には、前記基準自動傾き制御ゲインGa’、前記基準不感帯幅δ’及び前記基準遮断周波数fc’を前記ROM602から読み出し、該読み出された基準遮断周波数fc’とする前記フィルタ部625を形成する。次に、該形成されたフィルタ部625を介して、前記基準自動傾き制御ゲインGa’と、前記作業機ポジションセンサ622による検出傾斜角度φに基づく検出傾斜位置tとにより該検出傾斜位置tが前記傾斜設定器623にて設定された設定傾斜位置tSとなるように前記傾斜制御油圧シリンダ240の自動傾き制御量を算出する。そして、前記ロータリ耕耘機400の検出傾斜位置tと前記傾斜設定器623による設定傾斜位置tsとの差量が該基準不感帯幅δ’内にあれば、傾斜制御油圧シリンダ240を非駆動とし、該差量が該基準不感帯幅δ’から外れていれば、該算出された自動傾き制御量を用いて前記傾斜制御油圧シリンダ240を駆動させ、ステップS11に移行する。
【0083】
ステップS11では、姿勢制御作動中か否かを判断し、姿勢制御作動中と判断したときは、ステップS1〜ステップS10までの動作を順次繰り返す一方、姿勢制御作動が終了したと判断したときには、前記姿勢制御を終了する。
【0084】
(第2実施形態)
以下、本発明に係る姿勢制御装置の第2実施形態について説明する。
この第2実施形態に係る姿勢制御装置は、図10に示す姿勢制御装置とは姿勢制御コントローラ600が異なる以外は実質的に同じものである。従って、第2実施形態に係る姿勢制御装置のブロック図を図10に示すブロック図に代用させ、その詳細な説明を省略する。
【0085】
第2実施形態に係る姿勢制御装置の姿勢制御コントローラ600aは、前記第1実施形態に係る姿勢制御装置の姿勢制御コントローラ600において前記ROM602の代わりにROM602aを備えている。なお、姿勢制御コントローラ600a及びROM602aの参照符号は図10に示す姿勢制御コントローラ600及びROM602の後の括弧内に付してある。後述する第3実施形態についても同様である。
【0086】
該姿勢制御装置は、第1実施形態の姿勢制御装置において、前記車輌本体50の車速vが所定の閾値車速vSより高速の場合には、前記自動傾き制御の制御精度を緩和させる構成に代えて、前記車輌本体50の車速vが前記閾値車速vSより高速の場合には、前記自動傾き制御を停止するように構成されている。
即ち、前記車輌本体50の車速vが所定の閾値車速vSより高速の場合には非耕耘状態にあると擬制して、前記自動傾き制御を停止する。これにより、前記自動傾き制御の意に反する作動を確実に防止することができる。
【0087】
さらに、該姿勢制御コントローラ600aは、前記閾値車速vSを前記自動高さ制御での設定高さ位置hSに応じて変更するように構成されている。
即ち、本実施の形態においては、前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSに応じて、前記閾値車速vSを変更するようになっており、これにより、前記ロータリ耕耘機400を最上昇位置よりは下方で且つ地面Gよりは上方に位置させた非耕耘作業状態での前記車輌本体50の走行時に、前記自動傾き制御によって前記ロータリ耕耘機400が意に反して傾動することを確実に防止できる。
従って、前記車輌本体50の走行バランスを良好に維持できると共に、前記ロータリ耕耘機400が地面G等に接触する等の不都合を防止できる。
【0088】
さらに、該姿勢制御コントローラ600aは、前記自動高さ制御での設定高さ位置hSが接地位置hEより高い場合には、該設定高さhSが高くなるに従って前記閾値車速vSを低速とするように構成されている。これにより、従来においては自動傾き制御が実行されていたような低速走行時においても、該自動傾き制御による前記ロータリ耕耘機400の傾動を防止できる。
従って、前記ロータリ耕耘機400を最上昇位置よりは下方で且つ地面Gよりは上方に位置させた非耕耘作業状態での圃場内又は路上での走行時に、車輌本体50の走行バランスを良好に維持できると共に、前記ロータリ耕耘機400が地面等に接触するという不都合を防止できる。
【0089】
前記ROM602aは、制御プログラムP2等を格納したり、前記第1実施形態で用いた第1関係式又は制御マップ並びに基準閾値車速vS’、基準自動傾き制御ゲインGa’、基準不感帯幅δ’及び基準遮断周波数fc’に関する所定のデータ等を記憶するものである。
次に、図16を参照しながら第2実施形態に係る姿勢制御装置による前記ロータリ耕耘機400の姿勢制御動作の一例を以下に説明する。
【0090】
図16に、第2実施形態に係る姿勢制御装置による制御フローを示すフローチャートを示す。
図16に示す制御プログラムP2の処理フローは、図15に示す制御プログラムP1の処理フローにおいて、前記ステップS9の代わりにステップS9aを設けている。図16の処理フローは、ステップS9a以外は図15の処理フローと実質的に同じものである。従って、ここではステップS9aを中心に説明する。
【0091】
前記ステップS8で前記車輌本体50の車速vが前記閾値車速vSより高速であると判断した場合、前記自動傾き制御を停止し、前記ステップS11に移行する(ステップS9a)。
【0092】
一方、前記ステップS8で前記車輌本体50の車速vが前記閾値車速vSと同速又は前記閾値車速vSより低速であると判断した場合、前記自動傾き制御を基準の制御精度で行い、前記ステップS11に移行する(ステップS10)。
【0093】
(第3実施形態)
以下、本発明に係る姿勢制御装置の第3実施形態について説明する。
第3実施形態に係る姿勢制御装置の姿勢制御コントローラ600bは、前記第1実施形態に係る姿勢制御装置の姿勢制御コントローラ600において前記ROM602の代わりにROM602bを備えている。
【0094】
該姿勢制御装置は、第1実施形態の姿勢制御装置において、前記車輌本体50の車速vが所定の閾値車速vSより高速の場合には、前記自動傾き制御の制御精度を緩和させる構成に代えて、前記自動高さ制御の際には、前記自動傾き制御の制御精度を緩和させるように構成されている。
即ち、該姿勢制御コントローラ600bは、前記自動高さ制御の際には、非耕耘状態にあると擬制して、前記自動傾き制御の制御精度を緩和させる。これにより、前記ロータリ耕耘機400を最上昇位置よりは下方で且つ地面Gよりは上方に位置させた非耕耘作業状態での前記車輌本体50の走行時に、前記自動傾き制御によって前記ロータリ耕耘機400が意に反して大きく傾動することを有効に防止できる。
従って、前記車輌本体50の走行バランスを良好に維持できると共に、前記ロータリ耕耘機400が地面等に接触する等の不都合を防止できる。
【0095】
好ましくは、前記自動傾き制御の制御精度の緩和の程度が、前記自動高さ制御での設定高さ位置hSに応じて変更されるように構成することができる。これにより、従来においては自動傾き制御が実行されていたような低速走行時においても、該自動傾き制御による前記ロータリ耕耘機400の傾動量を抑えることができる。
従って、前記ロータリ耕耘機400を最上昇位置よりは下方で且つ地面Gよりは上方に位置させた非耕耘作業状態での圃場内又は路上での走行時に、前記車輌本体50の走行バランスを良好に維持できると共に、前記ロータリ耕耘機400が地面等に接触するという不都合を防止できる。
本実施形態においては、該姿勢制御コントローラ600bは、前記自動高さ制御での設定高さ位置hSが前記接地位置hEより高い場合には、該設定高さ位置hSが高くなるに従って前記自動傾き制御の制御精度の緩和の程度を大きくするように構成されている。
【0096】
前記ROM602bは、制御プログラムP3等を格納したり、後述する各種関係式又は制御マップに関する所定のデータ等を記憶するものである。
【0097】
図17に、自動傾き制御ゲインGaと前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSとの関係を示す制御マップの図を示す。
例えば、前記「制御ゲインの低減化」によって前記自動傾き制御の制御精度の緩和を行う場合には、前記ROM602bには、自動傾き制御ゲインGaと、前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSとの関係を示す第5関係式又は制御マップが予め記憶されている。
この場合の前記第5関係式としては、例えば、基準となる自動傾き制御ゲイン(基準自動傾き制御ゲイン)をGa’とすると、前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSが接地位置hEと同位置又は接地位置hEより低い場合には、Ga=Ga’とし、且つ、前記設定高さ位置hSが接地位置hEより高い場合には、Ga=A5×hS+B5(但しhS>hE)となるような関係式を挙げることができる。ここで、A5は比例定数、B5は定数である。
この第5関係式を制御マップとした場合を、図17に示している。図17では、前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSを横軸に採り、前記自動傾き制御ゲインGaを縦軸に採っている。
【0098】
斯かる構成を備えることにより、前記姿勢制御コントローラ600bは、前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSが接地位置hEと同位置又は接地位置hEより低い場合には、自動傾き制御ゲインGaを前記基準自動傾き制御ゲインGa’に設定し、且つ、前記設定高さ位置hSが接地位置hEより高い場合には、前記設定高さ位置hSが「低い」→「高い」になるに連れて自動傾き制御ゲインGaを低減する。
なお、前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSとこれに対応する自動傾き制御ゲインGaとが関連づけられたデータを、テーブルマップとして前記ROM602bに予め記憶させるようにしてもよい。
【0099】
図18に、不感帯の幅δと前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSとの関係を示す関係を示す制御マップの図を示す。
前記「制御ゲインの低減化」に代えて、若しくは、加えて、前記「不感帯幅の拡大」によって前記自動傾き制御の制御精度の緩和を行う場合には、前記ROM602bには、前記自動傾き制御の際に用いる不感帯の幅δと、前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSとの関係を示す第6関係式又は制御マップが予め記憶されている。
この場合の前記第6関係式としては、例えば、基準となる不感帯の幅(基準不感帯幅)をδ’とすると、前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSが接地位置hEと同位置又は接地位置hEより低い場合には、δ=δ’とし、且つ、前記設定高さ位置hSが接地位置hEより高い場合には、δ=A6×hS+B6(但しhS>hE)となるような関係式を挙げることができる。ここで、A6は比例定数、B6は定数である。
この第6関係式を制御マップとした場合を、図18に示している。図18では、前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSを横軸に採り、前記不感帯の幅δを縦軸に採っている。
斯かる構成を備えることにより、前記姿勢制御コントローラ600bは、前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSが接地位置hEと同位置又は接地位置hEより低い場合には、不感帯の幅δを前記基準不感帯幅δ’に設定し、且つ、前記設定高さ位置hSが接地位置hEより高い場合には、前記設定高さ位置hSが「低い」→「高い」になるに連れて不感帯の幅δを広くする。
なお、前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSとこれに対応する不感帯の幅δとが関連づけられたデータを、テーブルマップとして前記ROM602bに予め記憶させるようにしてもよい。
【0100】
図19に、遮断周波数fcと前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSとの関係を示す制御マップの図を示す。
前記「制御ゲインの低減化」及び/又は前記「不感帯幅の拡大」に代えて、若しくは、加えて、前記「フィルタリング条件の変更」によって前記自動傾き制御の制御精度の緩和を行う場合には、前記ROM602bには、前記フィルタ部625の遮断周波数fcと、前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSとの関係を示す第7関係式又は制御マップが予め記憶されている。
この場合の前記第7関係式としては、例えば、基準となる遮断周波数(基準遮断周波数)をfc’とすると、前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSが接地位置hEと同位置又は接地位置hEより低い場合には、fc=fc’とし、且つ、前記設定高さ位置hSが接地位置hEより高い場合には、fc=A7×v+B7(但しhS>hE)となるような関係式を挙げることができる。ここで、A7は比例定数、B7は定数である。
この第7関係式を制御マップとした場合を、図19に示している。図19では、前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSを横軸に採り、前記遮断周波数fcを縦軸に採っている。
斯かる構成を備えることにより、前記姿勢制御コントローラ600bは、前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSが接地位置hEと同位置又は接地位置hEより低い場合には、遮断周波数fcを基準遮断周波数fc’に設定し、且つ、前記設定高さ位置hSが接地位置hEより高い場合には、前記設定高さ位置hSが「低い」→「高い」になるに連れて遮断周波数fcを低くする。
なお、前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSとこれに対応する遮断周波数fcとが関連づけられたデータを、テーブルマップとして前記ROM602bに予め記憶させるようにしてもよい。
【0101】
次に、図20を参照しながら第3実施形態に係る姿勢制御装置による前記ロータリ耕耘機400の姿勢制御動作の一例を以下に詳述する。
【0102】
図20に、第3実施形態に係る姿勢制御装置による制御フローを示すフローチャートを示す。
【0103】
図20に示す制御プログラムP3の処理フローは、図15に示す制御プログラムP1の処理フローにおいて、前記ステップS7〜前記ステップS10の代わりにステップS9bを設けている。図20の処理フローは、ステップS9b以外は図15の前記ステップS7〜前記ステップS10を除いた処理フローと実質的に同じものである。従って、ここではステップS9bを中心に説明する。
【0104】
前記ロータリ耕耘機400の高さ位置hLを前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSに追従させる自動高さ制御を行う前記ステップS6の次に、前記「制御ゲインの低減化」、前記「不感帯幅の拡大」又は前記「フィルタリング条件の変更」のうち、少なくとも何れか一の手段によって、前記自動傾き制御の制御精度を緩和させて該自動傾き制御を行う(ステップS9b)。
【0105】
具体的には、前記「制御ゲインの低減化」による前記自動傾き制御の制御精度の緩和を行う場合、前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSと、前記ROM602bに予め記憶された第5関係式又は制御マップとに基づき、前記自動傾き制御ゲインGaを求める。この場合の前記自動傾き制御ゲインGaは、前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSが「低い」→「高い」になるに連れて低減された値になる(図17参照)。次に、該求められた自動傾き制御ゲインGaと、前記作業機ポジションセンサ622による検出傾斜角度φに基づく検出傾斜位置tとにより前記傾斜制御油圧シリンダ240の自動傾き制御量を算出する。こうして算出された自動傾き制御量を用いて前記傾斜制御油圧シリンダ240を駆動させ、ステップS11に移行する。
【0106】
また、前記「不感帯幅の拡大」による前記自動傾き制御の制御精度の緩和を行う場合、前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSと、前記ROM602bに予め記憶された第6関係式又は制御マップとに基づき、前記不感帯の幅δを求める。この場合の前記不感帯の幅δは、前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSが「低い」→「高い」になるに連れて広くされた値になる(図18参照)。次に、前記作業機ポジションセンサ622による検出傾斜位置tが前記傾斜設定器623にて設定された設定傾斜位置tSとなるように前記傾斜制御油圧シリンダ240の自動傾き制御量を算出する。そして、前記ロータリ耕耘機400の検出傾斜位置tと前記傾斜設定器623による設定傾斜位置tsとの差量が該求められた不感帯の幅δ内にあれば、傾斜制御油圧シリンダ240を非駆動とし、該差量が該求められた不感帯の幅δから外れていれば、該算出された自動傾き制御量を用いて前記傾斜制御油圧シリンダ240を駆動させ、ステップS11に移行する。
【0107】
また、前記「フィルタリング条件の拡大」による前記自動傾き制御の制御精度の緩和を行う場合、前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSと、前記ROM602bに予め記憶された第7関係式又は制御マップに基づき、前記フィルタ部625の遮断周波数fcを算出する。この場合の遮断周波数fcは、前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSが「低い」→「高い」になるに連れて低くされた値になる(図19参照)。次に、該算出された遮断周波数fcとする前記フィルタ部625を形成し、該フィルタ部625を介して前記作業機ポジションセンサ622で検出傾斜位置tを検出し、この検出傾斜位置tが前記傾斜設定器623にて設定された設定傾斜位置tSとなるように前記傾斜制御油圧シリンダ240の自動傾き制御量を算出する。こうして算出された自動傾き制御量を用いて前記傾斜制御油圧シリンダ240を駆動させ、ステップS11に移行する。
【0108】
(第4実施形態)
以下、本発明に係る姿勢制御装置の第4実施形態について説明する。
第4実施形態に係る姿勢制御装置の姿勢制御コントローラ600cは、前記第3実施形態に係る姿勢制御装置の姿勢制御コントローラ600bにおいて前記ROM602bの代わりにROM602cを備えている。
【0109】
該姿勢制御装置は、第3実施形態の姿勢制御装置において、前記自動高さ制御の際には、前記自動傾き制御の制御精度を緩和させる構成に代えて、前記自動高さ制御の際には、前記自動傾き制御を停止するように構成されている。これにより、前記ロータリ耕耘機400を最上昇位置よりは下方で且つ地面Gよりは上方に位置させた非耕耘作業状態での前記車輌本体の走行時に、前記自動傾き制御によって前記ロータリ耕耘機400が意に反して大きく傾動することを有効に防止できる。
従って、前記車輌本体50の走行バランスを良好に維持できると共に、前記ロータリ耕耘機400が地面G等に接触する等の不都合を防止できる。
【0110】
前記ROM602cは、制御プログラムP4等を格納したり、前記第3実施形態で用いた基準閾値車速vS’、基準自動傾き制御ゲインGa’、基準不感帯幅δ’及び基準遮断周波数fc’に関する所定のデータ等を記憶するものである。
【0111】
次に、図21を参照しながら第4実施形態に係る姿勢制御装置による前記ロータリ耕耘機400の姿勢制御動作の一例を以下に説明する。
【0112】
図21に、第4実施形態に係る姿勢制御装置による制御フローを示すフローチャートを示す。
図21に示す制御プログラムP4の処理フローは、図20に示す制御プログラムP3の処理フローにおいて、前記ステップS9bの代わりにステップS9cを設けている。図21の処理フローは、ステップS9c以外は図20の処理フローと実質的に同じものである。従って、ここではステップS9cのみについて説明する。
【0113】
前記ロータリ耕耘機400の高さ位置hLを前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSに追従させる自動高さ制御を行う前記ステップS6の次に、前記自動傾き制御を停止し、前記ステップS11に移行する(ステップS9c)。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】図1は、本実施の形態に係る姿勢制御装置が適用される作業車輌の一例である農作業用トラクタの概略側面図である。
【図2】図2は、図1に示すトラクタの概略平面図である。
【図3】図3は、図1に示すトラクタにおける耕耘機用昇降機構の概略側面図である。
【図4】図4は、図3に示す耕耘機用昇降機構の概略平面図である。
【図5】図5は、ロータリ耕耘機の図2におけるV−V線に沿った概略断面図である。
【図6】図6は、ロータリ耕耘機の概略背面図である。
【図7】図7は、トラクタの油圧回路図である。
【図8】図8は、第1実施形態に係る姿勢制御装置のブロック図である。
【図9】図9は、ロータリ耕耘機の模式背面図である。
【図10】図10は、ロータリ耕耘機の模式側面図である。
【図11】図11は、閾値車速vSと設定高さ位置hSとの関係を示す制御マップの図である。
【図12】図12は、自動傾き制御ゲインGaと車輌本体の車速vとの関係を示す制御マップの図である。
【図13】図13は、不感帯δの幅と車輌本体の車速vとの関係を示す関係を示す制御マップの図である。
【図14】図14は、遮断周波数fcと車輌本体の車速vとの関係を示す制御マップの図である。
【図15】図15は、第1実施形態に係る姿勢制御装置による制御フローを示すフローチャートである。
【図16】図16は、第2実施形態に係る姿勢制御装置による制御フローを示すフローチャートである。
【図17】図17は、自動傾き制御ゲインGaと設定高さ位置hSとの関係を示す制御マップの図である。
【図18】図18は、不感帯δの幅と設定高さ位置hSとの関係を示す関係を示す制御マップの図である。
【図19】図19は、遮断周波数fcと設定高さ位置hSとの関係を示す制御マップの図である。
【図20】図20は、第3実施形態に係る姿勢制御装置による制御フローを示すフローチャートである。
【図21】図21は、第4実施形態に係る姿勢制御装置による制御フローを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0115】
50…車輌本体 220…昇降用アクチュエータ 240…傾動用アクチュエータ
400…耕耘機 600…制御手段 622…傾斜状態検出手段
623…傾斜設定手段 624…耕耘位置検出手段 626…耕深深さ設定手段
hD…検出耕深位置 hL…検出上下位置 hS…設定高さ位置 t…検出傾斜状態
tS…設定傾斜状態 v…車速 vS…閾値車速




 

 


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