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発明の名称 種子消毒設備
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−116987(P2007−116987A)
公開日 平成19年5月17日(2007.5.17)
出願番号 特願2005−313628(P2005−313628)
出願日 平成17年10月28日(2005.10.28)
代理人 【識別番号】100079131
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 暁夫
発明者 古賀 治夫 / 田辺 勝彦
要約 課題
種籾等の種子を温水に浸漬することにより、当該種子に付着した種々の雑菌を滅菌消毒するための種子消毒設備において、大量の種子を短時間で効率よく消毒処理できるようにする。

解決手段
平面視で実質上十字状に区画された4つの作業部には、第1温浴槽2と第2温浴槽3と1つの冷浴槽4と移し替え部5とがその順に配置されている。巡回クレーン手段9における水平回転可能な支持体11には、前記各作業部ごとに配置され、前記十字状の中心部から実質上同じ半径の位置に、昇降動するエアシリンダ21が下向きに突設され、各エアシリンダ21の下端部のフック22に対して種子を収容した籠状のコンテナ10が、着脱可能に吊支されている。この状態で、前記各作業部に対してそれぞれのコンテナ10を一斉に昇降動させ、且つ前記上昇位置にて、駆動モータ19により前記十字状の中心部の回りに一定方向に間欠的に巡回するように構成されているものである。
特許請求の範囲
【請求項1】
種籾等の種子を温水に浸漬することにより、当該種子に付着した種々の雑菌を滅菌消毒するための種子消毒設備であって、
平面視で実質上放射状に区画された4つ以上の作業部には、複数の温浴槽と1つの冷浴槽と移し替え部とがその順に配置され、
巡回クレーン手段は、それぞれに種子入りの袋体が収容され、前記各作業部ごとに配置される籠状のコンテナが、前記放射状の中心部から実質上同じ半径の位置であって、平面視で前記各作業部の位置に吊支された状態で、前記各作業部に対してそれぞれのコンテナを一斉に昇降動させ、且つ前記上昇位置にて、前記放射状の中心部の回りに前記複数のコンテナを一定方向に巡回するように構成したことを特徴とする種子消毒設備。
【請求項2】
平面視で実質上十字状に区画された4つの作業部には、第1温浴槽と第2温浴槽と1つの冷浴槽と移し替え部とがその順に配置され、
前記巡回クレーン手段は、前記各作業部ごとに配置される4つの前記籠状のコンテナが、前記十字状の中心部から実質上同じ半径の位置であって、平面視で前記各作業部の位置に吊支された状態で、前記各作業部に対してそれぞれのコンテナを一斉に昇降動させ、且つ前記上昇位置にて、前記十字状の中心部の回りに一定方向に巡回するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の種子消毒設備。
【請求項3】
前記巡回クレーン手段は、
前記全ての作業部の上方において水平回転可能に支持された支持体と、
前記支持体を水平回転駆動するため駆動手段と、
前記支持体に装着され、前記各コンテナをそれぞれ着脱可能に吊支して昇降させる昇降手段とを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の種子消毒設備。
【請求項4】
前記巡回クレーン手段は、前記全ての作業部の上方において前記各コンテナをそれぞれ着脱可能に吊支する吊支体を備えた支持体と、
前記支持体を昇降させ、且つ水平回転駆動可能な昇降及び回転駆動手段とを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の種子消毒設備。
【請求項5】
前記巡回クレーン手段は、前記全ての作業部の上方において前記各コンテナをそれぞれ着脱可能に吊支する吊支体を備えた支持体と、
前記支持体を昇降させる昇降手段と、
前記支持体を水平回転駆動する駆動手段とを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の種子消毒設備。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、種籾等の種子を温水に所定時間浸漬することにより、種子に付着した様々な雑菌を滅菌消毒するための種子消毒設備に係り、より詳しくは構造が簡単で且つ作業能率の良い種子消毒設備の構成に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、種籾を所定温度の温水に所定時間浸漬することにより、種籾に付着した様々な雑菌(例えばいもち病、ばか苗病、褐条病等の病原菌)を滅菌消毒するための設備としては、様々なものが提案されている。
【0003】
例えば特許文献1には、温水が貯留される上向き開口略箱型の温浴槽と、冷水が貯留される上向き開口略箱型の冷浴槽と、種籾入りの籾袋が収容されるかご状のコンテナを昇降動可能に吊り掛けた状態で、前記各浴槽が1列状に並べられた作業ラインに沿って往復移動可能に構成された自走クレーンとを備えた種子消毒設備が開示されている。
【0004】
この場合、自走クレーンに対する操作具を作業者が手動で操作することにより、自走クレーンを作業ラインに沿って移動させたり、これに吊り掛けられた籾袋入りコンテナを昇降動させたりする。このような手動操作により、コンテナは温浴槽から冷浴槽の順でそれぞれに浸漬されるのである。
【特許文献1】特開平11−318118号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前記特許文献1の種子消毒設備を用いての種子消毒作業は、作業ラインに沿って往復移動可能な1台の自走クレーンに吊り掛けられた1つの籾袋入りコンテナを各浴槽に順次浸漬するというものであるから、種籾が入った多数の籾袋を消毒処理するのに長時間を要するばかりか、各浴槽の稼働率も著しく低い。このため、前記特許文献1の構成では、生産性が低くて消毒コストが嵩むという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は以上のような現状を改善することを技術的課題とし、構造が簡単で且つ作業能率の良い種子消毒設備を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、請求項1の発明は、平面視で実質上放射状に区画された4つ以上の作業部には、複数の温浴槽と1つの冷浴槽と移し替え部とがその順に配置され、巡回クレーン手段は、それぞれに種子入りの袋体が収容され、前記各作業部ごとに配置される籠状のコンテナが、前記放射状の中心部から実質上同じ半径の位置であって、平面視で前記各作業部の位置に吊支された状態で、前記各作業部に対してそれぞれのコンテナを一斉に昇降動させ、且つ前記上昇位置にて、前記放射状の中心部の回りに前記複数のコンテナを一定方向に巡回するように構成したものである。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の種子消毒設備において、平面視で実質上十字状に区画された4つの作業部には、第1温浴槽と第2温浴槽と1つの冷浴槽と移し替え部とがその順に配置され、前記巡回クレーン手段は、前記各作業部ごとに配置される4つの前記籠状のコンテナが、前記十字状の中心部から実質上同じ半径の位置であって、平面視で前記各作業部の位置に吊支された状態で、前記各作業部に対してそれぞれのコンテナを一斉に昇降動させ、且つ前記上昇位置にて、前記十字状の中心部の回りに一定方向に巡回するように構成されているものである。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の種子消毒設備において、前記巡回クレーン手段は、前記全ての作業部の上方において水平回転可能に支持された支持体と、前記支持体を水平回転駆動するため駆動手段と、前記支持体に装着され、前記各コンテナをそれぞれ着脱可能に吊支して昇降させる昇降手段とを備えたものである。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の種子消毒設備において、前記巡回クレーン手段は、前記全ての作業部の上方において前記各コンテナをそれぞれ着脱可能に吊支する吊支体を備えた支持体と、前記支持体を昇降させ、且つ水平回転駆動可能な昇降及び回転駆動手段とを備えたものである。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1または2に記載の種子消毒設備において、前記巡回クレーン手段は、前記全ての作業部の上方において前記各コンテナをそれぞれ着脱可能に吊支する吊支体を備えた支持体と、前記支持体を昇降させる昇降手段と、前記支持体を水平回転駆動する駆動手段とを備えたものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によると、1つの巡回クレーン手段により、作業部の数と一致する数のコンテナを一斉に昇動作させ、次いで上昇位置での所定方向へ前記数のコンテナを一斉に水平間欠回動させ、次いで各作業に対して前記数のコンテナを一斉に下降させ、コンテナの下降位置で所定時間の保持という処理サイクルを実行することで、複数の温浴槽に順次コンテナを一定時間ずつ浸漬させることができ、且つ複数の温浴槽及び1つの冷浴槽の稼働率が高まり、単位時間当たりの消毒処理量を増やすことができ、生産性の向上に著しい効果を発揮することができる。また、複数の作業部を平面視で放射状に配置することにより、前記1つの巡回クレーン手段は平面視で円運動するようにコンテナを移動させるだけで良いから、種子消毒設備のための必要面積を極力小さくできるという効果を奏する。
【0013】
また、請求項2に記載の発明によれば、4つの作業部を平面視で十字状に区切り、第1温浴槽と第2温浴槽とを隣接配置したので、巡回クレーン手段によるコンテナの移動の巡回サイクル時に、消毒処理すべき種子に対して温浴作用を連続的に受けさせることができ消毒効果を維持できる。また、各作業部の平面視の面積を矩形状などの四角形にできて、各作業を充分に行う広さを確保し易くなるという効果を奏する。
【0014】
また、巡回クレーン手段は請求項3〜5に記載のような種々の構成を採用することができ、いずれの場合も、種子消毒設備のための必要面積を小さくしコンパクトにできる。しかも、請求項3及び4の構成の巡回クレーン手段にすれば、必要部品数も少なく、製造コストも低減できるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明を具体化した実施形態を図面(図1〜図4)に基づいて説明する。図1は種子消毒設備を示す概略平面図、図2は巡回クレーン手段の第1実施例を示す概略側断面図、図3(a)は巡回クレーン手段の第2実施例を示す側断面図、図3(b)は図3(a)の IIIb −IIIb線矢視平面図、図4(a)は巡回クレーン手段の第3実施例を示す側断面図、図4(b)は図4(a)のIVb −IVb 線矢視平面図である。
【0016】
まず、図1及び図2を参照しながら、種子消毒設備1の概要を説明する。
【0017】
種子消毒設備1は、温水が貯留される上向き開口略箱型の第1温浴槽2及び第2温浴槽3と、冷水が貯留される上向き開口略箱型の冷浴槽4と、搬入コンベヤ6及び搬出コンベヤ7とを備えた移し替え部5とが、平面視で実質上十字状に区画された4つの作業部として、平面視で時計回りに順に配置されている(図1参照)。
【0018】
また、種子消毒設備1には、前記4つの作業部の上方に、わたって籠状のコンテナ10(詳細は後述する)を運ぶための巡回クレーン手段9が配置されている。この巡回クレーン手段9は、前記各作業部ごとに配置される4つの籠状のコンテナ10が、十字状の中心部から実質上同じ半径の位置であって、平面視で前記各作業部の位置に吊支された状態で、各作業部に対してそれぞれのコンテナを一斉に昇降動させ、且つ前記上昇位置にて、十字状の中心部の回りに一定方向に巡回するように構成されている。
【0019】
種籾を詰めた籾袋Sが収容されるコンテナ10は、金属パイプ又は棒材等により上面開口の籠状に形成されている。コンテナ10には吊り下げ用のワイヤ、またはロープ等の取手10aが取付られている。
【0020】
図示しないが、第1及び第2の温浴槽2,3には、水タンク等の水供給源に連通する水供給管と、ボイラ等の温水(蒸気)発生源に連通する温水供給管とが連通接続されている。各温浴槽2,3の内部には、当該各温浴槽2,3内を上下に区画する網状枠が張設されている。すなわち、各温浴槽2,3内は網状枠にて二重底になっている。網状枠上には、コンテナ10が載置される。網状枠を挟んで底側には、温水供給管に連通する横長の放散管が配置されている。当該放散管には、温水放散用のノズルが上向きに開口するように複数個形成されている。
【0021】
また、第1及び第2の温浴槽2,3内には、内部に貯留された温水の水温を検出するための温度センサが設けられている。実施形態では、温度センサの検出値に基づいて、温水供給管の中途部に設けられた注水バルブの開閉度を電磁ソレノイド等で調節することにより、各温浴槽2,3内の水温を自動的に調節し得るように構成されている。
【0022】
さらに、各温浴槽2,3には、内部の温水を撹拌するための循環ポンプが連通接続されている。循環ポンプの吸引口と吐出口とは高さ位置を変えて温浴槽内に開口している。これにより、循環ポンプを駆動させると、各温浴槽2,3内の温水が上層と下層とで入れ替わるように強制的に循環することになり、各温浴槽2,3の各部位で水温が均一化される。
【0023】
第1及び第2の温浴槽2,3の側面下部には、内部の温水を槽外に排出するための排水管が連通接続されている。各温浴槽2,3の側面上部には、オーバーフロー管が接続されている。籾袋S入りのコンテナ10の浸漬により各温浴槽2,3の上限水位を超過した分の温水は、オーバーフロー管を介して各温浴槽2,3外に排出される。従って、籾袋S入りのコンテナ10を各温浴槽2,3内の温水に浸漬した状態であっても、各温浴槽2,3内の水位はオーバーフロー管の高さ以下に維持される。オーバーフロー管は、排出管のうちその中途部に設けられた排出バルブよりも下流側に接続されている。
【0024】
また、冷浴槽4の構成は、基本的に前記温浴槽2,3と同様である。但し、各冷浴槽4内の放散管は水供給管からの冷水を冷浴槽4内に供給するものである。
【0025】
移し替え部5では、ローラコンベヤなどからなる搬入コンベヤ6と搬出コンベヤ7とが平面視でL字状に交差するように配置されている。
【0026】
次に、巡回クレーン手段9の第1実施形態の構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。
【0027】
巡回クレーン手段9は、全ての(4つの)作業部の上方において水平回転可能に支持された平面視で円盤状の支持体11と、支持体11を水平回転駆動するため駆動手段12と、支持体11に装着され、各コンテナ10をそれぞれ着脱可能に吊支して昇降させる昇降手段13とを備えている。これらをより詳しく説明すると、前記4つの)作業部の上方にに固定されたメインフレーム14に、円盤状の支持体11の回転中心に取付られた軸15を軸受16を介して水平回転可能に吊支する。支持体11の外周は歯車部17に形成されている。一方、駆動手段12としての駆動モータ19が前記メインフレーム14に固定されている。駆動モータ19の駆動軸19aが下向きに突出し、駆動軸19aにピニオンギヤ20が取付られ、このピニオンギヤ20が歯車部17に噛み合っている。
【0028】
支持体11の軸15は、前記4つの作業部である、第1及び第2の温浴槽2,3、冷浴槽4及び移し替え部5を区画する十字状の中心部と実質上同一の鉛直線上に配置されている。昇降手段13としてのテレスコピック型などの4つのエアシリンダ21が支持体11の下面であって、軸15の軸線からの半径R1の位置に基端が固着されて吊支されている(図1及び図2参照)。上記半径R1は、第1及び第2の温浴槽2,3、冷浴槽4及び移し替え部5の平面視の実質上中央位置に、コンテナ10が位置できるものである。なお、4つのエアシリンダ21の垂直姿勢がずれないように、エアシリンダ21部もしくはピストンロッド21aを水平方向の連結部材23にて連結しておくことが望ましい。
【0029】
そして、各エアシリンダ21は、複動により昇降駆動するタイプであり、各エアシリンダ21のピストンロッド21aの下端には、コンテナ10の取手10aを吊り下げるためのフック22が設けられている。上記4つのエアシリンダ21はピストンロッド21aが一斉に伸縮動することと、駆動モータ19の間欠回転駆動とは図示しない制御手段により制御されている。
【0030】
上記の構成により、移し替え部5に位置する作業者は、上記4つのエアシリンダ21を一斉に作動させ、各ピストンロッド21aを下降させる。次いで、搬入コンベヤ6上に載っている未処理の種籾を詰めた籾袋S入りのコンテナ10をその上に位置する1つのエアシリンダ21のピストンロッド21aのフック22に吊り下げる(係止する)。次いで、上記4つのエアシリンダ21を一斉に作動させてピストンロッド21aを上昇させ、コンテナ10の下面が第1温浴槽2の上端縁より高い位置まで上昇させる(図2の二点鎖線状態参照)。この状態で、駆動モータ19を駆動させて支持体11を水平で図1では時計回りに90度回動させる。これにより、コンテナ10は第1温浴槽2の平面視での略中央位置の上方に位置されると共に、コンテナ10が吊り下げられていない、右側のエアシリンダ21が移し替え部5のほぼ中央位置に来る。
【0031】
次いで、上記4つのエアシリンダ21を一斉に作動させてピストンロッド21aを下降させ、1つのコンテナ10を第1温浴槽2に浸漬させる。このとき、前記移し替え部5に位置するエアシリンダ21のピストンロッド21aも下降するので、そのフック22に次の未処理の種籾を詰めた籾袋S入りのコンテナ10を係止する。コンテナ10を第1温浴槽2に浸漬させる時間を予めT1時間(例えば、5分)に設定して記憶させておくことにより、上記制御手段は、上記T1時間だけ4つのエアシリンダ21のピストンロッド21aの下降状態を保持して後上昇させ、次いで90度だけ支持体11を水平回動するように制御する。なお、前記ピストンロッド21aの昇降に加えて支持体11の90度旋回のための1回当たりの合計所要時間T2は、通常、上記T1時間より短く設定されている。
【0032】
上記のように、ピストンロッド21aの上昇→支持体1の回動→ピストンロッド21aの下降→下降位置での上記T1時間だけの状態保持という処理サイクルを実行させることにより、未処理の種籾を詰めた籾袋S入りのコンテナ10は、まず第1温浴槽2にT1時間だけ浸漬された後、第2温浴槽3にて再びT1時間だけ浸漬され、その次に冷浴槽4にT1時間だけ浸漬された後、移し替え部5に戻るという循環(巡回)経路をたどる。冷浴槽4から引き上げられた冷却後のコンテナ10が移し替え部5に移ることで水切りも自動的に行える。
【0033】
上記のようにして、各コンテナ10内の種籾は、2×T1時間の温浴による消毒作用を受けた後に、T1時間の冷却作用を受けることができる。そのT1時間の間に、移し替え部5にて消毒済のコンテナ10と未処理のコンテナ10とを、その位置にあるピストンロッド21aのフック22に付け替えれば良い。このようにして、種籾の消毒作業を効率良くできる(時間短縮できる)。また、4つのエアシリンダ21を一斉に昇降作動させることと支持体11の回動の制御の態様が極めてシンプルなサイクルであることから、制御手段を簡素化できる。さらに、前記4つの作業部を平面視で十字状に区画された箇所にまとめて配置できるから、種子消毒設備1が極めてコンパクトになり、施設つの必要面積も少なくて済むという顕著な効果を奏する。さらに、移し替え部5でのコンテナ10の付け替え作業も作業者が1人で実行できて人員削減の効果があると共に、交換用のコンテナ10数(予備の数)も少なくできるという効果を奏する。
【0034】
図3(a)及び図3(b)は、第2実施形態の巡回クレーン手段24の構成を示す。この実施形態では、第1実施形態と同様に、第1温浴槽2及び第2温浴槽3と、冷浴槽4と、搬入コンベヤ6及び搬出コンベヤ7とを備えた移し替え部5とが、平面視で実質上十字状に区画された4つの作業部として、平面視で時計回りに順に配置されている。
【0035】
巡回クレーン手段24は、前記4つの作業部の上方において各コンテナ10をそれぞれ着脱可能に吊支するフック状の吊支体26(4つ)を備えた円盤状の支持体25と、支持体25を昇降させ、且つ水平回転駆動可能な昇降及び回転駆動手段27とを備えたものである。
【0036】
上記4つの作業部の上方に配置されたメインフレーム28には、その作業部を区画する平面視十字の中心位置の上方に、昇降及び回転駆動手段27の構成部品の一部としてのエアシリンダ29の中途部がラジアル荷重とスラスト荷重とを同時に受けることができる軸受30を介して水平回転可能に吊支持されている。エアシリンダ29のピストンロッド29aはメインフレーム28より下方に突出しており、ピストンロッド29aの下端部に円盤状の支持体25の半径中心部が取付け支持され、支持体25が水平に保持されている。エアシリンダ29の上端部には従動ギヤ31が固定されている。メインフレーム28の上面に固定された駆動モータ32(昇降及び回転駆動手段27の構成部品の一部)の駆動軸にはピニオンギヤ33が固着されており、このピニオンギヤ33と従動ギヤ31とが噛み合っている。
【0037】
そして、円盤状の支持体25の外周には、摩擦係数の小さい合成樹脂製などの摺接部材34が貼り付け固定され、他方、メインフレーム28から下向きに突出した棒状の複数本(実施形態では3本)のスライダ部材35がそれぞれ摺接部材34に摺接している。なお、複数本(実施形態では3本)のスライダ部材35が振れないように、リング状の連結部材36にて連結固定されている。
【0038】
前記フック状の4つの吊支体26は、第1実施形態と同様に、支持体25の下面であって、エアシリンダ29の軸線からの半径R1の位置に基端が固着されて吊支されている(図3(b)参照)。上記半径R1は、第1及び第2の温浴槽2,3、冷浴槽4及び移し替え部5の平面視の実質上中央位置に、コンテナ10が位置できるものである。
【0039】
そして、エアシリンダ29は、複動により昇降駆動するタイプであり、エアシリンダ21の昇降駆動及び駆動モータ32の間欠回転駆動は、図示しない制御手段により制御されている。
【0040】
上記の構成により、種籾の消毒作業を実行するには、移し替え部5に位置する作業者(1人)は、上記1つのエアシリンダ29を作動させ、ピストンロッド29aを下降させることで、支持体25と共にフック状の4つの吊支体26も下降する。次いで、搬入コンベヤ6上に載っている未処理の種籾を詰めた籾袋S入りのコンテナ10をその上に位置する1つの吊支体26に吊り下げる(係止する)。次いで、上記1つのエアシリンダ29を作動させてピストンロッド29aを上昇させ、コンテナ10の下面が第1温浴槽2の上端縁より高い位置まで上昇させる(図3(a)の二点鎖線状態参照)。この状態で、駆動モータ32を駆動させてエアシリンダ29と共に支持体11を水平で図3(b)では時計回りに90度回動させる。これにより、コンテナ10は第1温浴槽2の平面視での略中央位置の上方に位置されると共に、コンテナ10が吊り下げられていない、右側の吊支体26が移し替え部5のほぼ中央位置に来る。
【0041】
次いで、上記1つのエアシリンダ29を作動させてピストンロッド29aを下降させると1つの支持体25及び4つの吊支体26が下降することになり、1つのコンテナ10を第1温浴槽2に浸漬させる。このとき、前記移し替え部5に位置する吊支体26も下降するので、その吊支体26に次の未処理の種籾を詰めた籾袋S入りのコンテナ10を係止する。コンテナ10を第1温浴槽2に浸漬させる時間を予めT1時間(例えば、5分)に設定して記憶させておくことにより、上記制御手段は、上記T1時間だけ4つの吊支体26の下降状態を保持して後上昇させ、次いで、駆動モータ32の作動により、エアシリンダ29を90度だけ所定方向(図3(b)で時計回り)に回動させ、支持体11を水平回動するように制御する。なお、前記ピストンロッド29aの昇降に加えてエアシリンダ29の90度旋回のための1回当たりの合計所要時間T2は、通常、上記T1時間より短く設定されている。
【0042】
上記のようにして、各コンテナ10内の種籾は、2×T1時間の温浴による消毒作用を受けた後に、T1時間の冷却作用を受けることができる。そのT1時間の間に、移し替え部5にて消毒済のコンテナ10と未処理のコンテナ10とを、その位置にある吊支体26に付け替えれば良い。このようにして、種籾の消毒作業を効率良くできる(時間短縮できる)。また、1つのエアシリンダ29を昇降作動させることと、このエアシリンダ29(支持体25)を間欠回動させることとの制御の態様が極めてシンプルなサイクルであることから、制御手段を簡素化できる。さらに、前記4つの作業部を平面視で十字状に区画された箇所にまとめて配置できるから、種子消毒設備1が極めてコンパクトになり、施設つの必要面積も少なくて済むという顕著な効果を奏する。さらに、移し替え部5でのコンテナ10の付け替え作業も作業者が1人で実行できて人員削減の効果があると共に、交換用のコンテナ10数(予備の数)も少なくできるという効果を奏する。
【0043】
図4(a)及び図4(b)は、第3実施形態の巡回クレーン手段40の構成を示す。この実施形態では、第1実施形態と同様に、第1温浴槽2及び第2温浴槽3と、冷浴槽4と、搬入コンベヤ6及び搬出コンベヤ7とを備えた移し替え部5とが、平面視で実質上十字状に区画された4つの作業部として、平面視で時計回りに順に配置されている。
【0044】
巡回クレーン手段40は、前記4つの作業部の上方において各コンテナ10をそれぞれ着脱可能に吊支するフック状の吊支体42(4つ)を備えた底板41a付きの非円形の筒状の支持体41と、支持体41を昇降させる昇降手段43と、支持体41を水平回転駆動させる回転駆動手段44とを備えたものである。
【0045】
実施形態では、上記4つの作業部の上方に配置されたメインフレーム45には、その作業部を区画する平面視十字の中心位置の上方に、昇降手段43としてのエアシリンダ46の上端部が吊支固定されている。エアシリンダ46のピストンロッド46aはメインフレーム45の下方に固定されたサブフレーム47の上下貫通孔47aより下方に突出しており、ピストンロッド46aの下端部に支持体41における底板41aの半径中心部が水平回転可能に支持され、支持体41における垂直筒41bの外面に張設した摩擦係数の小さい合成樹脂製などの摺接部材49が前記上下貫通孔47aに摺接している。また、サブフレーム47の上面側には、水平回動体50がスラスト軸受51を介して支持されており、水平回動体50の内径部に対して、支持体41における垂直筒41bの非円形の外面に固定した垂直方向に延びる複数の滑りキー52が上下方向に移動可能に嵌合してしている(図4(a)及び図4(b)参照)。水平回動体50の円形外面にはリング歯車53が設けられ、他方、サブフレーム47の上方側に固定された駆動モータ54のピニオンギヤ55とリング歯車53とが噛み合っている。従って、駆動モータ54の一定方向の間欠回転により、水平回動体50、ひいては支持体41が水平に間欠回動可能となっている。
【0046】
前記フック状の4つの吊支体42は、第1実施形態と同様に、支持体41の下面であって、エアシリンダ43の軸線からの半径R1の位置に基端が固着されて吊支されている(図4(b)参照)。上記半径R1は、第1及び第2の温浴槽2,3、冷浴槽4及び移し替え部5の平面視の実質上中央位置に、コンテナ10が位置できるものである。
【0047】
上記の構成により、種籾の消毒作業を実行するには、移し替え部5に位置する作業者(1人)は、上記1つのエアシリンダ43を作動させ、ピストンロッド43aを下降させることで、支持体41と共にフック状の4つの吊支体42も下降する。次いで、搬入コンベヤ6上に載っている未処理の種籾を詰めた籾袋S入りのコンテナ10をその上に位置する1つの吊支体42に吊り下げる(係止する)。次いで、上記1つのエアシリンダ43を作動させてピストンロッド43aを上昇させ、コンテナ10の下面が第1温浴槽2の上端縁より高い位置まで上昇させる。この状態で、駆動モータ54を駆動させると、リング歯車53が設けられた水平回動体50が一定方向に水平回動し、滑りキー52を介して支持体41も水平で図4(b)では時計回りに90度回動させる。これにより、コンテナ10は第1温浴槽2の平面視での略中央位置の上方に位置されると共に、コンテナ10が吊り下げられていない、右側の吊支体42が移し替え部5のほぼ中央位置に来る。
【0048】
次いで、上記1つのエアシリンダ43を作動させてピストンロッド43aを下降させると1つの支持体41及び4つの吊支体42が下降することになり、1つのコンテナ10を第1温浴槽2に浸漬させる。このとき、前記移し替え部5に位置する吊支体42も下降するので、その吊支体42に次の未処理の種籾を詰めた籾袋S入りのコンテナ10を係止する。コンテナ10を第1温浴槽2に浸漬させる時間を予めT1時間(例えば、5分)に設定して記憶させておくことにより、上記制御手段は、上記T1時間だけ4つの吊支体42の下降状態を保持して後上昇させ、次いで、駆動モータ54の作動により、水平回動体50が一定方向に水平回動し、滑りキー52を介して支持体41も90度だけ所定方向(図4(b)で時計回り)に回動させるように制御する。なお、前記ピストンロッド43aの昇降に加えて支持体41の90度旋回のための1回当たりの合計所要時間T2は、通常、上記T1時間より短く設定されている。
【0049】
上記のようにして、各コンテナ10内の種籾は、2×T1時間の温浴による消毒作用を受けた後に、T1時間の冷却作用を受けることができる。そのT1時間の間に、移し替え部5にて消毒済のコンテナ10と未処理のコンテナ10とを、その位置にある吊支体26に付け替えれば良い。このようにして、種籾の消毒作業を効率良くできる(時間短縮できる)。また、1つのエアシリンダ43を昇降作動させることと、駆動モータ54の作動による、リング歯車53と水平回動体50及び支持体41を水平間欠回動させることとの制御の態様が極めてシンプルなサイクルであることから、制御手段を簡素化できる。さらに、前記4つの作業部を平面視で十字状に区画された箇所にまとめて配置できるから、種子消毒設備1が極めてコンパクトになり、施設つの必要面積も少なくて済むという顕著な効果を奏する。さらに、移し替え部5でのコンテナ10の付け替え作業も作業者が1人で実行できて人員削減の効果があると共に、交換用のコンテナ10数(予備の数)も少なくできるという効果を奏する。
【0050】
上記いずれの実施形態においても、作業部の数と一致する数のコンテナ10を一斉に昇動作させ、次いで上昇位置での所定方向へ前記数のコンテナ10を一斉に水平間欠回動させ、次いで各作業に対して前記数のコンテナ10を一斉に下降させ、コンテナ10の下降位置で所定時間の保持という処理サイクル実行することで、複数の温浴槽2,3に順次コンテナ10を一定時間ずつ浸漬させることができ、且つ温浴槽2,3及び1つの冷浴槽4の稼働率が高まり、単位時間当たりの消毒処理量を増やすことができ、生産性の向上に著しい効果を発揮するのである。
【0051】
本発明は、前述の実施形態に限らず、種籾以外の様々な種類の種子に対して広く適用でき、また、様々な態様に具体化することができる。例えば、温浴槽を3つ、冷浴槽が1つ移し替え部が1カ所の合計5つの作業部を平面視で支持体11、25の回転中心軸を中心とする放射状に配置しても良く、また、作業部を6つにして放射状に配置しても良い。そさらの場合、各作業部の平面視形状は実質上扇型になっても良い。
【0052】
そして、本発明の種子消毒設備1においては、複数の温浴槽と、1つの冷浴槽にしているから、上記の処理サイクルにおいて、1つの温浴槽に対する浸漬時間に温浴槽の数を乗算した値が温浴消毒のための合計時間となるので、単位時間当たりの消毒処理量を増やすことができる。
【0053】
また、昇降動させる昇降駆動手段(アクチュエータ)は昇降シリンダに限らず、電動式、油圧式又はエア式のモータ等でもよい。昇降シリンダも油圧式、エア式のどちらでも構わないが、エアシリンダであれば、その下方の温浴槽2,3や冷浴槽4に作動油が落ちないので、消毒液や冷却液としての温水、冷水ひいては種子が作動油で汚染されることがなく、好適である。コンテナ10を着脱可能に保持する構成としては、前述のフックに限らず、例えば一対の掴み部にてコンテナの提げ手部分を挟持するようなハンド体等、様々なタイプのものを採用することができる。
【0054】
コンテナとは、温水又は冷水を種籾等の種子に接触させ得るように、内外に通水可能なものの総称であり、様々な素材で様々の形状に製造できる。素材としては棒材やパイプ、線材、金網、パンチングメタル等などの種々のものを使用できるし、合成樹脂の成形品でもよい。コンテナの形状も、直方体状、円筒状、浅い皿状等、必要に応じて種々の形状にすることができる。
【0055】
種子は、前述の実施形態のように水透過性もしくは多孔性材料からなる袋または容器に収納するに限らず、コンテナに直接格納したり載せたりしてもよい。この場合、種子がコンテナから漏れ出さないように、コンテナの網目を極力細かくする必要がある。
【0056】
その他、各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】第1実施形態の種子消毒設備及び巡回クレーン手段を示す概略平面図である。
【図2】第1実施形態の種子消毒設備及び巡回クレーン手段を示す概略側断面図である。
【図3】(a)は第2実施形態の種子消毒設備及び巡回クレーン手段を示す概略平面図、(b)は概略側断面図である。
【図4】(a)は第3実施形態の種子消毒設備及び巡回クレーン手段を示す概略平面図、(b)は概略側断面図である。
【符号の説明】
【0058】
1 種子消毒設備
2 第1温浴槽
3 第2温浴槽
4 冷浴槽
5 移し替え部
6 搬入コンベヤ
7 搬出コンベヤ
9、24、40 巡回クレーン手段
10 コンテナ
11、25、41 支持体
19、32、54 駆動モータ
21、29、46 エアシリンダ
22 吊支体としてのフック
26、42 吊支体




 

 


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