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発明の名称 耕耘制御装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−110924(P2007−110924A)
公開日 平成19年5月10日(2007.5.10)
出願番号 特願2005−303115(P2005−303115)
出願日 平成17年10月18日(2005.10.18)
代理人 【識別番号】100109427
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 活人
発明者 三輪 敏之 / 武山 隆一 / 丹生 秀和
要約 課題
車輌本体に対して昇降可能に連結された耕耘機の耕深深さを制御するための耕耘制御装置であって、耕耘作業開始時において、既耕耘地面の表面に凹凸が残ったり、前記耕耘機のハンチング現象が発生することを有効に防止し得る構造簡単な耕耘制御装置を提供する。

解決手段
耕耘上面カバー435及び耕耘リヤカバー437を含む耕耘カバーがカバー回動用アクチュエータ700によって耕耘爪軸433の軸線回りに前後へ回動可能とされた耕耘機400の耕深位置hDを設定耕深位置hRに追従させる自動耕深制御を行うように構成された耕深制御装置は、前記耕耘機400を非耕耘状態位置hLから下降させて自動耕深制御での耕耘作業を開始させる際に、前記耕耘機400の接地から一定区間又は一定期間においては、前記自動耕深制御を停止すると共に、前記耕耘リヤカバー437の接地長さが延長されるように前記カバー回動用アクチュエータ700を作動させる。
特許請求の範囲
【請求項1】
耕耘上面カバー及び該耕耘上面カバーに揺動可能に連結された耕耘リヤカバーを含む耕耘カバーがカバー回動用アクチュエータによって耕耘爪軸の軸線回りに前後へ回動可能とされた耕耘機の耕深位置を設定耕深位置に追従させる自動耕深制御を行うように構成された耕深制御装置であって、
前記耕耘機を非耕耘状態位置から下降させて自動耕深制御での耕耘作業を開始させる際に、前記耕耘機の接地から一定区間又は一定期間においては、前記自動耕深制御を停止すると共に、前記耕耘リヤカバーの接地長さが延長されるように前記カバー回動用アクチュエータを作動させることを特徴とする耕耘制御装置。
【請求項2】
前記耕耘機の接地から一定区間又は一定期間においては、前記耕耘リヤカバーの接地長さが最長となるように前記カバー回動用アクチュエータを作動させることを特徴とする請求項1に記載の耕耘制御装置。
【請求項3】
前記耕耘機の接地から一定区間又は一定期間においては、該耕耘機の耕深位置が深くなるに従って前記耕耘リヤカバーの接地長さが長くなるように前記カバー回動用アクチュエータを作動させることを特徴とする請求項1に記載の耕耘制御装置。
【請求項4】
前記耕耘機の接地から一定区間又は一定期間の経過後には、前記耕耘リヤカバーの接地長さが基準接地長さとなるように前記カバー回動用アクチュエータを作動させることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の耕耘制御装置。
【請求項5】
前記耕耘機の接地から一定区間又は一定期間においては、該耕耘機の車輌本体に対する高さ位置を設定高さ位置に追従させる自動高さ制御によって、該耕耘機の高さ位置が制御されることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の耕耘制御装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラクタ等の車輌本体に対して昇降可能に連結された耕耘機の耕深深さを制御するための耕耘制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トラクタ等の車輌本体に対して昇降可能に連結された耕耘機の耕深深さを制御するための耕耘制御装置として、例えば、前記耕耘機を前記車輌本体に対して昇降させる昇降用アクチュエータと、前記耕耘機の耕深位置を設定する耕深深さ設定手段と、前記耕耘機の耕深位置を検出する耕耘位置検出手段と、前記昇降用アクチュエータを作動させる制御手段とを備え、前記耕深位置検出手段によって検出される前記耕耘機の耕深位置を前記耕深深さ設定手段によって設定される設定耕深位置に追従させる自動耕深制御を行えるように構成された耕深制御装置が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−41415号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の耕耘制御装置では、前記耕耘機を非耕耘状態位置から下降させて自動耕深作業を開始させる耕深作業開始時に、既耕地表面に凹凸が残存したり、前記耕耘機にハンチング現象が生じ易いという問題があった。
【0004】
即ち、一般的に、前記耕耘機は、耕耘爪軸と、該耕耘爪軸に設けられた耕耘爪と、該耕耘爪の回転軌跡の上方を覆う耕耘上面カバーと、該耕耘上面カバーの後端部に揺動可能に連結された耕耘リヤカバーとを有しており、前記耕深位置検出手段は、前記耕耘上面カバーに対する前記耕耘リヤカバーの回動角度を、前記耕耘機の耕深位置として検出するように構成されている。
従って、前記耕耘上面カバーに対する前記耕耘リヤカバーの相対回動位置が安定しない耕耘作業開始時には、前記耕耘機の耕深位置の前記設定耕深位置への追従性が悪化し、結果的に、前記耕耘リアカバーによる均平性能が劣化して既耕耘地面の表面に凹凸が残り易く、さらには、前記耕耘機のハンチング現象が発生し易かった。
【0005】
このような耕耘作業開始時における不都合は、圃場の枕地への耕耘作業の際に特に顕著である。
即ち、圃場を耕耘作業する際には、通常、前記耕耘機が連結された車輌本体を、まず、圃場内の一方側から他方側へ向けて略直進させつつ連続的な耕耘作業を行い、該圃場の他方側端部の方向転換場所(枕地)にて前記車輌本体を方向転換させ、次いで、該圃場内を他方側から一方側へ向けて略直進させつつ連続的な耕耘作業を行うことを繰り返す。
そして、斯かる連続的な耕耘作業の終了後に、その圃場における前記枕地に対して、該車輌本体を前記連続的な耕耘作業の移動方向とは直交する方向に移動させつつ耕耘作業を行うが、前記枕地には比較的大きな凹凸(例えば、車輪の旋回によって形成された轍又は土押し跡、或いは耕耘跡穴など)が形成されている。
【0006】
例えば、前記枕地に大きな盛り土が部分的に形成されている場合において、前記耕耘リヤカバーが該盛り土によって持ち上げられて開方向(前記耕耘爪から離間する方向)へ大きく揺動すると、これに伴い、前記耕耘機が急激に上昇制御されて耕耘深さが浅くなり、場合によっては、未耕地が生じる。
他方、前記枕地に大きな窪みが部分的に形成されている場合において、前記耕耘リヤカバーがその窪みに入り込んで閉方向(前記耕耘爪に接近する方向)へ大きく揺動すると、これに伴い、前記耕耘機が急激に下降制御されて耕耘深さが深くなり、土盛り量が多くなる。
【0007】
前述の通り、前記耕耘上面カバーに対する前記耕耘リヤカバーの相対回動位置が安定しない耕耘作業開始時には、既耕耘地面の表面に凹凸が残ったり、前記耕耘機のハンチング現象が発生するという問題が生じ易いが、このように、圃場の枕地などの比較的大きな凹凸が地面に形成された場所では、前記耕耘リヤカバーの姿勢変動が大きくなる為、前記不都合がより生じ易くなる。
【0008】
本発明は、斯かる従来技術に鑑みなされたものであり、車輌本体に対して昇降可能に連結された耕耘機の耕深深さを制御するための耕耘制御装置であって、耕耘作業開始時において、既耕耘地面の表面に凹凸が残ったり、前記耕耘機のハンチング現象が発生することを有効に防止し得る構造簡単な耕耘制御装置の提供を、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、前記課題を解決するため、耕耘上面カバー及び該耕耘上面カバーに揺動可能に連結された耕耘リヤカバーを含む耕耘カバーがカバー回動用アクチュエータによって耕耘爪軸の軸線回りに前後へ回動可能とされた耕耘機の耕深位置を設定耕深位置に追従させる自動耕深制御を行うように構成された耕深制御装置であって、前記耕耘機を非耕耘状態位置から下降させて自動耕深制御での耕耘作業を開始させる際に、前記耕耘機の接地から一定区間又は一定期間においては、前記自動耕深制御を停止すると共に、前記耕耘リヤカバーの接地長さが延長されるように前記カバー回動用アクチュエータを作動させることを特徴とする耕耘制御装置を提供する。
【0010】
本発明に係る耕耘制御装置において、前記耕耘リヤカバーの接地長さが延長されるように前記カバー回動用アクチュエータを作動させる具体的態様として、前記耕耘機の接地から一定区間又は一定期間においては、前記耕耘リヤカバーの接地長さが最長となるように前記カバー回動用アクチュエータを作動させる態様や、前記耕耘機の接地から一定区間又は一定期間においては、該耕耘機の耕深位置が深くなるに従って前記耕耘リヤカバーの接地長さが長くなるように前記カバー回動用アクチュエータを作動させる態様を例示できる。
【0011】
前記耕耘機の接地から一定区間又は一定期間の経過後には、前記耕耘リヤカバーの接地長さが基準接地長さとなるように前記カバー回動用アクチュエータを作動させることができる。
【0012】
なお、前記耕耘機の接地から一定区間又は一定期間においては、前記自動耕深制御を停止するが、このとき、該耕耘機の車輌本体に対する高さ位置を設定高さ位置に追従させる自動高さ制御によって、該耕耘機の高さ位置が制御されることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る耕耘制御装置によれば、前記耕耘機を非耕耘状態位置から下降させて自動耕深制御での耕耘作業を開始させる際に、前記耕耘機の接地から一定区間又は一定期間において、前記自動耕深制御を停止する。
従って、前記耕耘機の耕深位置の前記設定耕深位置への追従性の悪化による前記耕耘機のハンチング現象の発生を有効に防止することができる。
また、このとき前記耕耘リヤカバーの接地長さが延長されるように前記カバー回動用アクチュエータを作動させる。
従って、耕耘作業を開始させる際に、前記カバー回動用アクチュエータの作動にて接地長さが延長された前記耕耘リヤカバーの均平効果によって既耕耘地面の表面における凹凸を有効に防止することができる。例えば、圃場の枕地などの比較的大きな凹凸が地面に形成された場所に対しても有効に均平化することができる。
【0014】
また、前記耕耘機の接地から一定区間又は一定期間において、前記耕耘リヤカバーの接地長さが最長となるように前記カバー回動用アクチュエータを作動させる場合には、前記カバー回動用アクチュエータの作動にて接地長さが最長にされた前記耕耘リヤカバーによって既耕耘地面の表面における凹凸をさらに有効に防止することができる。
また、前記耕耘機の接地から一定区間又は一定期間において、該耕耘機の耕深位置が深くなるに従って前記耕耘リヤカバーの接地長さが長くなるように前記カバー回動用アクチュエータを作動させる場合には、前記カバー回動用アクチュエータの作動にて接地長さが該耕耘機の耕耘位置が深くなるに従って長くされた前記耕耘リヤカバーによって該耕耘位置の深さに応じた均平化を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本実施の形態に係る耕耘制御装置が適用される作業車輌の一例である農作業用トラクタの概略側面図である。図2は図1に示すトラクタの概略平面図である。図3は図1に示すトラクタにおける耕耘機用昇降機構の概略側面図である。図4は図3に示す耕耘機用昇降機構の概略平面図である。図5はロータリー耕耘機の図2におけるV−V線に沿った概略断面図である。図6は該ロータリー耕耘機の概略背面図である。図7は該トラクタの油圧回路図である。
【0016】
図1乃至図4に示す如く、作業車輌としてのトラクタ100は、車輌本体50と、該車輌本体50の後部に連結されたロータリー耕耘機400とを備えている。
前記車輌本体50は、走行機体1と、該走行機体1を支持する左右一対の前車輪2及び左右一対の後車輪3と、該走行機体1の前部に搭載されたエンジン4とを備えており、前記エンジン4からの動力によって前記後車輪3及び前記前車輪2を作動的に駆動することにより、前後進走行するように構成されている。なお、図中の符号5は前記エンジン4を覆うボンネット5である。
さらに、前記トラクタ100は、前記走行機体1の上面に設けられたキャビン6を有している。該キャビン6の内部には、操縦座席7と、かじ取りすることによって前記前車輪2の操向方向を左右に動かすように構成された操縦ハンドル(丸ハンドル)8とが設置されている。前記キャビン6の外側部には、作業者が乗降するステップ9が設けられ、該ステップ9より内側で且つ該キャビン6の底部より下側には、前記エンジン4に燃料を供給する燃料タンク10が設けられている。
【0017】
図1乃至図4に示すように、前記走行機体1は、前バンパ11及び前車軸ケース12を有するエンジンフレーム13と、該エンジンフレーム13の後部にボルトにて着脱自在に固定される左右の機体フレーム15とを有している。
前記機体フレーム15の後部には、前記エンジン4の回転を適宜変速してそれぞれ後輪軸3a及び前輪軸2aを介して前記後車輪3及び前記前車輪2に伝達するためのミッションケース16が連結されている。前記後車輪3は、前記ミッションケース16の外側面から外向きに突出するように装着された後車軸ケース17を介して取付けられている。
なお、前記ミッションケース16の後端面には、前記ロータリー耕耘機400の駆動力を出力する為のPTO軸18が後向きに突出するように設けられている。
【0018】
前記ロータリー耕耘機400は、前記ミッションケース16の後部に、一対の左右ロワーリンク311,312及びトップリンク320からなる3点リンク機構300を介して連結される。
図1及び図3に示すように、前記左右ロワーリンク311,312は、前端側が前記ミッションケース16後部の左右側面のそれぞれにロワーリンクピン313を介して回動可能に連結され、且つ、後端側が前記ロータリー耕耘機400における下リンクフレーム440の前端部に下ヒッチピン314を介して連結されている。
前記トップリンク320は、前端側が下記作業機用昇降機構200の後部のトップリンクヒッチ210にトップリンクピン211を介して連結され、且つ、後端側が下記上リンクフレーム410の前端側に上ヒッチピン321を介して連結されている。
【0019】
図3及び図4に示すように、前記ミッションケース16の後部上面には、前記ロータリー耕耘機400を昇降動する為の油圧式作業機用昇降機構200が着脱可能に取付けられている。
図3及び図4及び図7に示すように、油圧式の作業機用昇降機構200は、昇降用アクチュエータとして作用する単動形の昇降制御油圧シリンダ220と、該油圧シリンダ220におけるピストンによって作動的に回動される左右一対のリフトアーム221,222とを有している。
【0020】
進行方向に向かって左側の前記リフトアーム221は、左リフトロッド231を介して対応する左側の前記ロワーリンク311に連結されている。
進行方向に向かって右側の前記リフトアーム222は、右リフトロッド232を介して対応する右側の前記ロワーリンク312に連結されている。
つまり、前記昇降制御油圧シリンダ220によって前記左右一対のリフトアーム221,222が車輌左右方向に沿った前記回動軸回りに揺動することで、前記ロータリー耕耘機400は、前記トップリンク320及び前記一対のロワーリンク311,312の前端部回りに昇降するようになっている。
【0021】
前記右リフトロッド232には、前記ロータリー耕耘機400を前記車輌本体50に対して傾動させる傾動用アクチュエータとして作用する複動形の傾斜制御油圧シリンダ240が介挿されている。
つまり、前記傾斜制御油圧シリンダ240のピストンロッド241が進退することによって、前記ロータリー耕耘機440は、前記左右一対のリフトロッド231,232の他方(ここでは、左リフトロッド231)と該他方のリフトロッド231に対応したロアーリンク311との連結点(即ち、前記ロータリー耕耘機400の左右方向中心位置Dから一方側へ変位された位置)を支点Q(図2参照)として、傾動するようになっている。
【0022】
図1、図2、図5及び図6に示すように、前記ロータリー耕耘機400は、横長筒状のメインビーム420と、前記メインビーム420の左右側端部にそれぞれ上端側が連結されたチェーンケース431及び軸受板432と、前記チェーンケース431及び前記軸受板432の下端側に左右両端部が回転自在に軸支された耕耘爪軸433と、前記耕耘爪軸433に放射状にて着脱可能に設けられた複数の耕耘爪434と、前記耕耘爪の回転軌跡を覆う耕耘カバーと、前記メインビーム420に前端側が取付けられて後方に長く伸びる耕深調節フレーム438と、前記メインビーム420に回動可能に連結された前記上リンクフレーム410と、前記メインビーム420に一体的に連結された前記下リンクフレーム440と、前記上リンクフレーム410の後端側と前記耕深調節フレーム438の前後方向の中間部とをつなぐ伸縮調節可能な耕深調節軸439とを備えている。
前記耕耘カバーは、前記耕耘爪434の回転軌跡の上方を覆うように配置された耕耘上面カバー435と、前記耕耘爪434の回転軌跡の後方を覆うように前記耕耘上面カバー435の後端部に揺動可能に連結された耕耘リヤカバー437とを備えている。
なお、本実施の形態においては、該耕耘カバーは、さらに、前記耕耘爪434の回転軌跡の左右側方を覆うように配置された左右耕耘サイドカバー436を備えている。
【0023】
詳しくは、前記トップリンク320は、ターンバックル320aの回転にて伸縮されて、該トップリンク320の長さを変更調節可能となるように構成されている(図3及び図4参照)。前記上リンクフレーム410は、前後方向の中間部において、耕深調節支点軸411を介して前記メインビーム420に回動可能に連結されている(図1参照)。そして、前記耕深調節フレーム438は、前端側が前記メインビーム420に一体的に連結されている。
斯かる構成を備えることにより、耕深調節ハンドル439a(図1参照)を回転操作して前記耕深調節軸439を伸縮させると、前記左右一対のロワーリンク311,312及びトップリンク320にて支持される前記ロータリー耕耘機400は、前傾又は後傾姿勢に変化するようになっており、これにより、前記耕耘爪434による耕深位置hD(耕耘深さ)が手動で変更できるように構成されている。
【0024】
図1、図5及び図6に示すように、前記メインビーム420の左右中央部には、前記PTO軸18からの駆動力を入力するためのギヤケース450が配置されている。前記PTO軸18と前記ギヤケース450前面側のPTO入力軸451とは、両端に自在継手が備えられた伸縮自在な伝動軸452を介して連結されている。
前記PTO軸18からの動力は、前記ギヤケース450に内蔵されたベベルギヤ(図示せず)、前記メインビーム420に内蔵された回転軸(図示せず)、前記チェーンケース431に内蔵されたスプロケット及びチェーン(図示せず)等を介して前記耕耘爪軸433に伝達される。これにより、前記耕耘爪434が図1及び図5において反時計方向に回転される。
【0025】
図5及び図6に示すように、前記耕耘上面カバー435の後端側には、車輌左右方向に沿った枢着軸437aを介して前記耕耘リヤカバー437が回動可能に連結されている。
さらに、前記耕耘上面カバー435の上面後部には、後方且つ上方へ延びる左右一対のハンガーフレーム441が立設されている。
そして、前記耕耘リヤカバー437の上面後端側と前記左右ハンガーフレーム441の後端側との間には左右一対のハンガー機構460が設けられており、前記耕耘リヤカバー437は、該ハンガー機構460によって、前記枢着軸437a回りに上下動し得るようになっている。
【0026】
詳しくは、前記各ハンガーフレーム441の後端部には、車輌左右方向に沿った軸線回り回動自在とされた受圧軸体442が配置されている。該受圧軸体442には、軸線と直交する方向に貫通孔が設けられている。
前記各ハンガー機構460は、前記受圧軸体442の前記貫通孔に摺動可能に挿通された細長い丸棒形のハンガーロッド461を有している。
前記ハンガーロッド461は、下端部が、車輌左右方向に沿った支軸461aを介して、前記耕耘リヤカバー437の後部上面に設けられたブラケット462に回動自在に連結されている(図5参照)。
前記ハンガーロッド461には、前記受圧軸体442より上方側において固設された下降規制ピン461bと、前記下降規制ピン461bと前記受圧軸体442との間に位置するように該ハンガーロッド461に軸線方向摺動可能に外挿された下降規制板463と、該ハンガーロッド461の下方側で且つ前記支軸461aより上方側において固設された上昇規制ピン461cと、前記上昇規制ピン461cによって下方への移動が規制された状態で該ハンガーロッド461に軸線方向摺動可能に外挿された下座板465と、前記下座板465及び前記受圧軸体442の間に位置するように該ハンガーロッド461に外挿された鎮圧用圧縮バネ466と、該鎮圧用圧縮バネ466の上端部と係合する上座板464とが設けられている。
【0027】
斯かるハンガー機構460を備えた前記ロータリー耕耘機400は以下のように作動する。
即ち、前記昇降用アクチュエータによって前記ロータリー耕耘機400が地面Gから離れるように持上げられると、前記耕耘リヤカバー437の後端側が前記枢着軸437a回りに下方側に回動する。
この際、前記ハンガーロッド461は前記受圧軸体442に案内された状態で下方側へ移動するが、前記下降規制ピン461bが前記下降規制板463に当接し且つ該下降規制板463が前記受圧軸体442に当接することで、該ハンガーロッド461の下方側への移動が停止される。従って、前記耕耘リヤカバー437はその後端側を最下降させた姿勢に維持される。
【0028】
一方、前記ロータリー耕耘機400が耕地上面に降ろされて前記耕耘爪434が着地しているときや耕耘作業中においては、前記耕耘リヤカバー437の後端側が、耕耘された耕土との接地圧にて前記枢着軸437a回りに上方に回動することになる。
この際、前記ハンガーロッド461は前記受圧軸体442に案内された状態で上方側へ移動する。斯かるハンガーロッド461の上方側への移動によって、前記上昇規制ピン461c及び前記下座板465を介して前記鎮圧用圧縮バネ466が圧縮される。
即ち、前記耕耘リヤカバー437が前記枢着軸437a回りに上方側へ回動する際には、該耕耘リヤカバー437は前記鎮圧用圧縮バネ466の付勢力に抗して動作することになり、従って、前記耕耘リヤカバー437の後方への土の飛散を有効に防止しつつ、該耕耘リヤカバーによる均平作用を有効に維持することができる。
【0029】
本実施の形態においては、前記耕耘カバーが前記耕耘爪軸の軸線を中心に回動可能とされており、これにより、前記耕耘リヤカバー437の接地長さを変化させ得るようになっている。
詳しくは、前記耕耘上面カバー435は、左右側下端が前記チェーンケース431と前記軸受板432との間で前記耕耘爪軸433に該耕耘爪軸433を中心に回動可能に連結されている。
そして、前記ロータリー耕耘機400には、さらに、前記耕耘上面カバー435と前記上リンクフレーム410との間に介挿されたカバー回動用アクチュエータ700が備えられている。
前記カバー回動用アクチュエータ700は、前記耕耘上面カバー435を前記耕耘爪軸433の軸線回りに前後へ回動させ得るように構成されている。
本実施の形態においては、該カバー回動用アクチュエータ700は、図5に示すように、受台710と、筒状支持体720と、ピストン730と、カバー移動モーター740とを備えている。
【0030】
前記受台710は、前記上リンクフレーム410に固設されている。
前記筒状支持体720は、前記耕耘爪軸433に沿った支持軸711回り揺動自在に前記受台710に支持されている。
前記ピストン730は、前記筒状支持体720の下端開口から該筒状支持体720の中空部に軸線回り相対回転不能且つ軸線方向摺動自在に内挿されている。
前記カバー移動モータ740は、前記ピストン730を軸線方向に沿って移動させ得るように、前記筒状支持体720の上端側に支持されている。
【0031】
詳しくは、前記ピストン730は、前記カバー移動モータ740と対向する一端部が前記筒状支持体720の中空部内に内挿され、且つ、他端部が前記耕耘上面カバー435前端に設けられたブラケット435aに前記耕耘爪軸433に沿った支持軸731回りに揺動自在に連結されている。
前記ピストン720には、前記一端部に開く軸線孔であって、内周面に雌ネジ部732が形成された軸線孔が設けられている。
一方、前記カバー移動モータ740は、軸線回りに回転駆動される出力軸741(後述する図9参照)を有している。図9に示すように、該出力軸741には、前記雌ネジ部732と螺合する雄ネジ部742が形成されている。
【0032】
このように、前記ピストン720は、前記筒状支持体720の中空部に軸線回り相対回転不能に内挿された状態で、前記カバー移動モーター740の出力軸741に螺合されている。
従って、前記カバー移動モータ740を駆動させて前記出力軸741を軸線回りに回転させると、これに応じて、前記ピストン730が前記筒状支持体にガイドされた状態で軸線方向に沿って進退移動する。
そして、斯かるピストン730の軸線方向に沿った進退移動によって、該ピストン730の他端部に連結された前記耕耘上面カバー435が前記耕耘爪軸433の軸線回りに前後へ回動し、これにより、前記耕耘リヤカバー437の接地長さが変化するようになっている。
【0033】
前記トラクタ100は、さらに、昇降用アクチュエータとして作用する前記昇降制御油圧シリンダ220及び傾動用アクチュエータとして前記昇降制御油圧シリンダ220への作動油給排を行う油圧回路500を備えている。
図7に示すように、前記油圧回路500は、前記エンジン4によって作動的に回転駆動される作業機用油圧ポンプ501と、該油圧ポンプ501の吐出側に流体接続された分流弁505と、該分流弁505によって分岐された一方側油路及び他方側油路にそれぞれ配置された昇降制御用バルブ及び傾斜制御用バルブとを備えている。
本実施の形態においては、前記昇降制御用バルブは、上昇制御電磁弁502及び下降制御電磁弁503を有している。又、前記傾斜制御用バルブは、傾斜制御電磁弁504を有している。
なお、前記油圧回路500は、図7に示すように、リリーフ弁や流量調整弁、チェック弁、オイルクーラ、オイルフィルタ等も備えている。
【0034】
次に、前記キャビン6内に配置された各種操作手段の構成について説明する。
図1及び図2に示すように、前記操縦ハンドル8は、前記操縦座席7の前方に位置する操縦コラム19上に設けられている。
前記キャビン6内には、前記操縦座席7,前記操縦ハンドル8及び前記操縦コラム19に加えて、前記エンジン4の回転数(出力)を調節するためのスロットルレバー617と、前記走行機体1を制動操作するための左右ブレーキペダル20と、前記エンジンから前記前車輪2及び前記後車輪3への動力伝達の係脱操作を行う為のクラッチペダル21と、車輌本体50の走行速度を変速操作する為の走行変速レバー24と、前記エンジン4から前記後車輪3への動力伝達経路に介挿されるディファレンシャル機構をロック操作する為のデフロックペダル25と、前記PTO軸18からの出力回転数を変速操作する為のPTO変速レバー23とが配置されている。
【0035】
さらに、前記キャビン6内には、作業機昇降レバー22,傾斜設定器623及び耕深設定器626が配置されている。
図8に、前記ロータリー耕耘機400の模式側面図を示す。なお、図8(a)は自動耕深制御時のロータリー耕耘機400の昇降状態を示しており、図8(b)は自動高さ制御時のロータリー耕耘機400の昇降状態を示している。
前記作業機昇降レバー22は、前記ロータリー耕耘機400の設定高さ位置(目標高さ位置)hS(図8(b)参照)を手動で変更操作するための上下位置設定手段として作用する。
前記上下位置設定手段は、前記設定高さ位置として、前記リフトアーム221,222の目標リフト角度θS(図8(b)参照)を設定し得るように構成される。
前記傾斜設定器623は、前記ロータリー耕耘機400の傾斜状態を設定する傾斜設定手段として作用する。具体的には、前記車輌本体50に対する前記ロータリー耕耘機400の左右方向に関する相対的な目標左右傾斜角度を予め設定する為のものであり、例えば、可変抵抗器を含み得る。
前記耕深設定器626は、前記ロータリー耕耘機400における耕耘爪434の設定耕深位置(目標耕深位置)hR(図8(a)参照)を設定する耕深深さ設定手段として作用する。
詳細は後述するが、前記ロータリー耕耘機400の耕深位置は、前記耕耘上面カバー435に対する前記耕耘リヤカバー437の回動角度に基づいて制御されるようになっている。従って、前記耕深深さ設定手段は、前記設定耕深位置として、前記耕耘上面カバー435に対する前記耕耘リヤカバー437の目標回動角度θR(図8(a)参照)を設定し得るように構成され、例えば、可変抵抗器を含み得る。なお、前記目標回動角度θRは、例えば、鉛直Vを基準にした回動角度とすることができる。
【0036】
次に、本実施の形態に係る耕耘制御装置について説明する。
図9は、本実施形態に係る耕耘制御装置のブロック図である。
該耕耘制御装置は、前記ロータリー耕耘機400の耕深位置を前記設定耕深位置に追従させる自動耕深制御を行うと共に、前記耕耘カバーを前記耕耘爪軸433回りに移動させるカバー回動位置制御を行うように構成されている。
【0037】
具体的には、図9に示すように、該耕耘制御装置は、前記昇降用アクチュエータとして作用する前記昇降制御油圧シリンダ220と、前記耕深深さ設定手段として作用する前記耕深設定器626と、前記ロータリー耕耘機400の耕深位置を検出する耕深位置検出手段として作用するリヤカバーセンサ624と、前記耕耘カバーの前記耕耘爪軸回りの回動位置を検出するカバー位置検出手段として作用するカバー位置検出器721と、前記カバー回動用アクチュエータ700と、前記自動耕深制御及び前記カバー回動位置制御を司る制御手段として作用する耕耘制御コントローラ600とを備えている。
【0038】
前述の通り、前記リヤカバーセンサ624は、前記ロータリー耕耘機400の耕深位置hDを検出する耕深位置検出手段として作用する。
即ち、前記ロータリー耕耘機400の耕深位置hD(図8(a)参照)に応じて、前記耕耘上面カバー435に対する前記耕耘リヤカバー437の回動位置が変化する。従って、前記リヤカバーセンサ624によって、前記耕耘上面カバー435に対する前記耕耘リヤカバー437の回動位置を検出することによって、前記ロータリー耕耘機400の耕深位置hDを検出することができる。
詳しくは、前記リヤカバーセンサ624は、前記耕耘上面カバー435に対する前記耕耘リヤカバー437の回動位置として、前記耕耘上面カバー435に対する前記耕耘リヤカバー437の回動角度θD(図8(a)参照)を検出し得るように構成され、この検出回動角度θDは、例えば、鉛直Vを基準にした回動角度とすることができる。
本実施の形態においては、該リヤカバーセンサ624は、前記耕耘上面カバー435の後部上面に配置されたポテンショメータ型とされている(図2、図5、図6及び図8参照)。
なお、前記リヤカバーセンサ624と前記耕耘リヤカバー437とは、センサアーム437b及びセンサリンク437c等を介して連結されている(図2参照)。
前記カバー位置検出器721は、前記耕耘上面カバー435のカバー位置を検出し得るように構成されている。
本実施の形態においては、該カバー位置検出器721は、前記筒状支持体720に設けられている(図5参照)。
【0039】
前記耕耘制御コントローラ600は、前記種々の設定手段及びセンサからの信号を入力して、前記昇降用アクチュエータ及び前記カバー回動用アクチュエータ700へ制御信号を出力するように構成されている。
即ち、該耕耘制御コントローラ600は、図9に示すように、入力系が前記耕深設定器626,前記リヤカバーセンサ624及び前記カバー位置検出器721に電気的に接続されると共に、出力系が前記上昇制御電磁弁502,前記下降制御電磁弁503及び前記カバー移動モータ740に電気的に接続されている。
【0040】
詳しくは、該耕耘制御コントローラ600は、図9に示すように、前記各種センサ等から入力される信号に基づいて演算処理を実行する制御演算手段を含む中央処理装置601(以下CPUという)と、制御プログラムP等を格納したり、演算式に関する所定のデータ等を記憶するROM602と、前記CPU601の演算中に生成されるデータを一時的に保持するRAM603とを備えている。また、前記CPU601は時計用のタイマを内蔵している。
斯かる耕耘制御コントローラ600は電源印加用キースイッチ611を介してバッテリ612に接続されている。なお、前記キースイッチ611は、前記エンジン4を始動するためのスタータ613に接続される。
【0041】
なお、前記リヤカバーセンサ624は、該リヤカバーセンサ624の出力の中から限定された帯域の信号出力を取り出すためのフィルタ部625を介して、前記耕耘制御コントローラ600に電気的に接続されている。
斯かるフィルタ部625を設けることにより、前記リヤカバーセンサ624の検出感度変化の影響を抑制することができる。
好ましくは、該フィルタ部625を可変とすることができ、これにより、前記リヤカバーセンサ624の検出感度変化の影響を調節することができる。
【0042】
本実施の形態においては、前記耕耘制御コントローラ600には、図9に示すように、前記エンジン4の回転を制御する電子ガバナコントローラ614が接続されている。
該電子ガバナコントローラ614には、前記エンジン4の燃料を調節するガバナ615と、前記エンジン4の回転数を検出するエンジン回転センサ616とが接続されている。
【0043】
前記電子ガバナコントローラ614は、作業者にて前記スロットルレバー617が手動操作されると、該スロットルレバー617の回動位置を検出するスロットルポテンショメータ618の検出情報に基づいて、該スロットルレバー617の設定回転数と前記エンジン4の回転数とが一致するように、スロットルソレノイド619にて燃料調節ラック(図示省略)の位置を自動的に調節する制御を実行する。これにより、前記エンジン4の回転は、負荷の変動に拘わらず、前記スロットルレバー617の位置に応じた所定回転数に維持され得る。
【0044】
さらに、本実施の形態に係る前記耕耘制御装置は、前記ロータリー耕耘機400の上下高さ位置を、上下位置設定手段による設定高さ位置に追従させる自動高さ制御を行えるように構成されている。
具体的には、図9に示すように、該耕耘制御装置は、前記構成に加えて、前記上下位置設定手段として作用する前記作業機昇降レバー22と、前記ロータリー耕耘機400の前記車輌本体に対する上下位置を検出する上下位置検出手段とを備えている。
本実施の形態においては、前記上下位置検出手段としてリフト角センサ627が備えられている。
該リフト角センサ627は、前記ロータリ耕耘機400の対機体高さ(前記車輌本体50に対する前記ロータリ耕耘機400の相対高さ)hL(図8(b)参照)を検出し得るように構成されている。
具体的には、該リフト角センサ627は、前記リフトアーム221,222のリフト角度θL(図8(b)参照)を検出するように構成されており、例えば、ポテンショメータ型のものが使用され得る。
該リフト角センサ627は、前記作業機用昇降機構200と前記左リフトアーム221との連結箇所に配置されている(図3及び図4参照)。
【0045】
そして、前記耕耘制御コントローラ600は、前記自動耕深制御及び前記カバー回動位置制御に加えて、前記自動高さ制御を司るように構成されている。
具体的には、該耕耘制御コントローラ600は、前記上下位置設定手段及び前記上下位置検出手段からの信号を入力して、前記昇降用アクチュエータへ制御信号を出力するように構成されている。
即ち、該耕耘制御コントローラ600は、図9に示すように、入力系が前記作業機昇降レバー22及び前記リフト角センサ627にも電気的に接続されている。
【0046】
さらに、本実施の形態に係る耕耘制御装置には、前記傾斜制御油圧シリンダ240、前記傾斜設定器623、作業機ポジションセンサ622、機体ローリングセンサ621、及び車速センサ628が備えられている。
【0047】
該機体ローリングセンサ621は、前記車輌本体50の左右方向に関する傾斜角度を検出する為のものであり、例えば、振子式のものが使用され得る。
本実施の形態においては、該機体ローリングセンサ621は、前記作業機用昇降機構200の上面で且つ前記操縦座席7の後方の箇所に配置されている(図1〜図4参照)。
また該車速センサ628は、前後四輪2,3の回転速度(走行速度)を検出するためのものである。
【0048】
前記作業機ポジションセンサ622は、前記車輌本体50に対する前記ロータリー耕耘機400の左右方向に関する相対的な傾斜角度を検出するように構成されており、例えば、ポテンショメータ型のものが使用され得る。
該作業機ポジションセンサ622は、詳細は図示していないが、例えば、前記耕耘上面カバー435の上方に位置する前記メインビーム420の左右中央箇所に配置され得る。
【0049】
一般的には、ロータリ耕耘機を非耕耘状態位置から下降させる際には、ロータリ耕耘機における耕耘リヤカバーが接地したときに自動高さ制御から自動耕深制御への切り替えが行われたり、ロータリ耕耘機の耕深位置が耕深深さ設定手段の設定耕深位置より深くなったときに自動高さ制御から自動耕深制御への切り替えが行われている。
【0050】
これに対して、本実施の形態では、下記のような耕耘制御を行っている。
即ち、前記耕耘制御コントローラ600は、図8に示すように、前記ロータリ耕耘機400を非耕耘状態位置hLから下降させて自動耕深制御での耕耘作業を開始させる際に、前記ロータリ耕耘機400における前記耕耘リヤカバー437の接地から一定区間又は一定期間においては、前記自動耕深制御を停止すると共に、前記耕耘リヤカバー437の接地長さが延長されるように前記カバー回動用アクチュエータ700を作動させる。
つまり、本実施の形態では、前記ロータリ耕耘機400の接地から一定区間又は一定期間においては、前記自動高さ制御によって該ロータリ耕耘機400の高さ位置が制御されると共に、前記耕耘リヤカバー長437の接地長さが延長されるようになっている。
【0051】
詳しくは、該耕耘制御コントローラ600は、図示を省略した選択操作手段により、次の第1及び第2のカバー調節処理を手動にて選択して実行するように構成されている。
(1)第1のカバー調節処理
耕耘作業を開始させる際に、前記ロータリ耕耘機400における前記耕耘リヤカバー437の接地から一定区間又は一定期間においては、前記耕耘リヤカバー437の接地長さが最長となるように前記カバー回動用アクチュエータ700を作動させる。
(2)第2のカバー調節処理
耕耘作業を開始させる際に、前記ロータリ耕耘機400における前記耕耘リヤカバー437の接地から一定区間又は一定期間においては、該耕耘機400の耕深位置hDが深くなるに従って前記耕耘リヤカバー437の接地長さが長くなるように前記カバー回動用アクチュエータ700を作動させる。
なお、本実施の形態では、前記耕耘制御コントローラ600において、前記第1のカバー調節処理及び前記第2のカバー調節処理の双方を処理可能に構成したが、前記第1及び第2のカバー調節処理のうち何れか一方を処理するように構成してもよい。
【0052】
この耕耘制御コントローラ600を有する前記トラクタ100では、前記ロータリー耕耘機400の耕耘作業が行われるにあたり、前記ロータリー耕耘機400が、前記ロワーリンク311,312及び前記トップリンク320を介して前記トラクタ100の後側に昇降可能に連結され、前記トラクタ100の前記エンジン4が始動される。ここで、前記カバー回動用アクチュエータ700にて調節される前記耕耘リヤカバー437の接地長さは、所定の基準接地長さとされている。
【0053】
また、前記耕耘制御コントローラ600では、前記ロータリー耕耘機400の耕耘制御がなされるにあたって、前記制御プログラムPが実行される。
【0054】
次に、図10及び図11を参照しながら前記耕耘制御コントローラ600による前記ロータリー耕耘機400の耕耘制御動作の一例を以下に詳述する。
【0055】
図10は前記耕耘制御コントローラ600による耕耘制御の流れを示すフローチャートである。また、図11は、自動耕深制御時の前記耕耘リアカバー437による耕耘状態を示す模式図である。
【0056】
先ず、前記自動高さ制御により前記ロータリ耕耘機400を非耕耘状態位置hLから下降させる際に、前記ロータリー耕耘機400の高さ位置hLが目標高さ位置hSより高いか否かを判断する(ステップS1)。
具体的には、前記ロータリー耕耘機400の高さ位置hLが前記目標高さ位置hSより高く、前記リフト角センサ627で読み込まれた検出リフト角度θLに基づく検出高さ位置hLが前記作業機昇降レバー22の目標リフト角度θSに基づく目標高さ位置hSより高いと判断した場合には、ステップS2に移行する一方、前記ロータリー耕耘機400の高さ位置hLが前記目標高さ位置hSと同じか前記目標高さ位置hSより低く、前記検出高さ位置hLが前記目標高さ位置hS以下であると判断した場合には、ステップS12に移行する。
【0057】
前記ステップS1で前記ロータリー耕耘機400の高さ位置hLが前記目標高さ位置hSより高いと判断した場合、前記自動耕深制御中か否かを判断する(ステップS2)
具体的には、前記自動耕深制御中でないと判断した場合には、ステップS3に移行する一方、前記自動耕深制御中であると判断した場合には、ステップS11に移行する。
【0058】
前記ステップS2で前記自動耕深制御中でないと判断した場合、前記ロータリー耕耘機400における前記耕耘リヤカバー437が接地したか否かを判断する(ステップS3)。
具体的には、前記リヤカバーセンサ624で読み込まれた検出上下回動角度θDが変化し、前記耕耘リヤカバー437が上方側へ回動した(即ち、接地した)と判断した場合には、ステップS4に移行する一方、前記検出上下回動角度θDが変化しておらず、前記耕耘リヤカバー437が動いていない(即ち、接地していない)と判断した場合には、ステップS12に移行する。
【0059】
前記ステップS3で前記耕耘リヤカバー437が接地したと判断した場合、前記第1のカバー調節処理が選択されているか否かを判断する(ステップS4)。
具体的には、前記第1のカバー調節処理が選択されていると判断した場合には、ステップS5に移行する一方、前記第1のカバー調節処理が選択されていないと判断した場合には、ステップS7に移行する。
【0060】
前記ステップS4で前記第1のカバー調節処理が選択されていると判断した場合、前記第1のカバー調節処理を実行する(ステップS5)。
具体的には、前記自動耕深制御を停止すると共に、前記耕耘リヤカバー437の接地長さが最長となるように(即ち、前記耕耘上面カバー435が前記耕耘爪軸433の軸線回りに最も後方へ回動するように)前記カバー移動モーター730を駆動して前記カバー回動用アクチュエータ700を作動させ、ステップS6に移行する。
このとき、前記ロータリ耕耘機400の高さ位置は前記自動高さ制御によって制御される。
【0061】
次に、前記耕耘リヤカバー437の接地から一定区間走行したか又は一定期間経過したか否かを判断する(ステップS6)。
具体的には、前記耕耘リヤカバー437の接地から前記車速センサ628による検出走行速度若しくは前記時計用タイマに基づき一定区間走行するか又は前記時計用タイマに基づき一定期間経過するまでは、前記ステップS5の処理を行い、前記一定区間走行したか又は前記一定期間経過したと判断した場合には、ステップ10に移行する。
【0062】
一方、前記ステップS4で前記第1のカバー調節処理が選択されていないと判断した場合、前記第2のカバー調節処理が選択されているか否かを判断する(ステップS7)。
具体的には、前記第2のカバー調節処理が選択されていると判断した場合には、ステップS8に移行する一方、前記第2のカバー調節処理が選択されていないと判断した場合には、ステップS11に移行する。
【0063】
前記ステップS7で前記第2のカバー調節処理が選択されていると判断した場合、前記第2のカバー調節処理を実行する(ステップS8)。
具体的には、前記自動耕深制御を停止すると共に、前記リヤカバーセンサ624で読み込まれた検出上下回動角度θDに基づく検出耕深位置hDが深くなるに従って前記耕耘リヤカバーの接地長さが長くなるように(即ち、前記耕耘上面カバー435が前記耕耘爪軸433の軸線回りに後方へ回動するように)前記カバー移動モーター730を駆動して前記カバー回動用アクチュエータ700を作動させ、ステップS9に移行する。
このとき、前記ロータリ耕耘機400の高さ位置は前記自動高さ制御によって制御される。
【0064】
次に、前記耕耘リヤカバー437の接地から一定区間走行したか又は一定期間経過したか否かを判断する(ステップS9)。
具体的には、前記耕耘リヤカバー437の接地から前記車速センサ628による検出走行速度若しくは前記時計用タイマに基づき一定区間走行するか又は前記時計用タイマに基づき一定期間経過するまでは、前記ステップS8の処理を行い、前記一定区間走行したか又は前記一定期間経過したと判断した場合には、ステップ10に移行する。
【0065】
前記ステップS6若しくは前記ステップS9で前記耕耘リヤカバー437の接地から一定区間走行したか又は一定期間経過したと判断した場合、前記耕耘リヤカバー437の接地長さを前記基準接地長さに戻す(ステップS10)。
具体的には、前記耕耘リヤカバー437の接地長さが前記基準接地長さとなるように前記カバー移動モーター730を駆動して前記カバー回動用アクチュエータ700を作動させ、ステップS11に移行する。
【0066】
次に、前記ロータリ耕耘機400の耕深位置hDを前記耕深設定器626の設定耕深位置hRに追従させる自動耕深制御を行う(ステップS11)。
具体的には、前記リヤカバーセンサ624で読み込まれた検出上下回動角度θDに基づく検出耕深位置hDが前記耕深設定器626の目標回動角度θRに基づく目標耕深位置hRと等しくなるように、前記上昇制御電磁弁502又は前記下降制御電磁弁503を作動させ、前記昇降制御油圧シリンダ220による前記ロータリー耕耘機400の下降又は上昇の動作を実行し、ステップS13に移行する。
【0067】
一方、前記ステップS1で前記ロータリー耕耘機400の高さ位置hLが前記目標高さ位置hSと同じか前記目標高さ位置hSより低いと判断した場合、及び前記ステップS3で前記耕耘リヤカバー437が接地していないと判断した場合、前記ロータリ耕耘機400の高さ位置hLを前記作業機昇降レバー22の目標高さ位置hSに追従させる自動高さ制御を行う(ステップS12)。
具体的には、前記リフト角センサ627で読み込まれた検出リフト角度θLに基づく検出高さ位置hLが前記作業機昇降レバー22の目標リフト角度θSに基づく目標高さ位置hSと等しくなるように、前記上昇制御電磁弁502又は前記下降制御電磁弁503を作動させ、前記昇降制御油圧シリンダ220による前記ロータリー耕耘機400の下降又は上昇の動作を実行し、ステップS13に移行する。
【0068】
そして、前記ステップS11の自動耕深制御若しくは前記ステップS12の自動高さ制御を実行すると、自動制御作動中か否かを判断し(ステップS13)、自動制御作動中のときは、ステップS1〜ステップS12までの動作を順次繰り返し、自動制御の作動が終了したときには、前記耕耘制御が終了する。
【0069】
このように、前記耕耘制御装置によれば、前記ロータリ耕耘機400を非耕耘状態位置hLから下降させて自動耕深制御での耕耘作業を開始させる際に、前記ロータリ耕耘機400における前記耕耘リヤカバー437の接地から一定区間又は一定期間において、前記自動耕深制御を停止する。
従って、前記ロータリ耕耘機400の耕深位置hDの前記設定耕深位置hRへの追従性の悪化による前記ロータリ耕耘機400のハンチング現象の発生を有効に防止することができる。
また、このとき、図11に示すように、前記耕耘リヤカバー437の接地長さが延長されるように前記カバー回動用アクチュエータ700を作動させる。
従って、耕耘作業を開始させる際に、前記カバー回動用アクチュエータ700の作動にて接地長さが延長された前記耕耘リヤカバー437の均平効果によって既耕耘地面の表面における凹凸を有効に防止することができる。例えば、圃場の枕地などの比較的大きな凹凸が地面に形成された場所に対しても有効に均平化することができる。
【0070】
また、前記第1のカバー調節処理が選択され、前記耕耘リヤカバー437の接地から一定区間又は一定期間において、前記耕耘リヤカバー437の接地長さが最長となるように前記カバー回動用アクチュエータ700を作動させる場合には、前記カバー回動用アクチュエータ700の作動にて接地長さが最長にされた前記耕耘リヤカバー437によって既耕耘地面の表面における凹凸をさらに有効に防止することができる。
また、前記第2のカバー調節処理が選択され、前記耕耘リヤカバー437の接地から一定区間又は一定期間において、該ロータリ耕耘機400の耕深位置hDが深くなるに従って前記耕耘リヤカバー437の接地長さが長くなるように前記カバー回動用アクチュエータ700を作動させる場合には、前記カバー回動用アクチュエータ700の作動にて接地長さが該耕耘機400の耕耘位置hDが深くなるに従って長くされた前記耕耘リヤカバー437によって該耕耘位置hDの深さに応じた均平化を行うことができる。
【0071】
ところで、耕耘開始位置の近傍に壁又は畦等の障害物がある場合においては、前記耕耘リアカバー437が障害物に干渉し、障害物から耕耘開始位置までは非耕地となってしまうことがある。この場合、耕耘開始位置において、障害物からの耕耘開始位置の距離を可及的に短縮させることが好ましい。
【0072】
斯かる観点から、例えば、耕耘制御装置を、次のように構成することもできる。
即ち、前記カバー回動用アクチュエータ700によって前記耕耘カバー435は、前記耕耘機400が非耕地状態位置に位置する際には、前記耕耘リアカバー437の接地長さが短くなる方向へ回動された前方回動姿勢をとり、且つ、前記非耕地状態位置から該耕耘機400を下降させて自動耕深を開始させる際には該自動耕耘の開始位置から一定区間進んだ時点で前記前方回動姿勢から前記耕耘リアカバー437の接地長さが延長する方向へ回動されるように構成することができる(図12参照)。
こうすることで、耕耘開始位置において、障害物Mからの耕耘開始位置Nの距離dを可及的に短縮させることができる。
この場合、例えば、前記一定区間進んだ時点において、前記耕耘カバー435は前記耕耘リアカバー437が基準接地長さとなる基準姿勢をとるように構成することができる。
なお、図12は、前記耕耘機400が非耕地状態位置に位置する際に、前記耕耘カバー435が、前記カバー回動用アクチュエータ700によって、前記耕耘リアカバー437の接地長さが短くなる方向へ回動された非耕耘姿勢をとっている状態を示している。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】図1は、本実施の形態に係る耕耘制御装置が適用される作業車輌の一例である農作業用トラクタの概略側面図である。
【図2】図2は、図1に示すトラクタの概略平面図である。
【図3】図3は、図1に示すトラクタにおける耕耘機用昇降機構の概略側面図である。
【図4】図4は、図3に示す耕耘機用昇降機構の概略平面図である。
【図5】図5は、ロータリー耕耘機の図2におけるV−V線に沿った概略断面図である。
【図6】図6は、ロータリー耕耘機の概略背面図である。
【図7】図7は、トラクタの油圧回路図である。
【図8】図8は、ロータリー耕耘機の模式側面図であり、図8(a)は自動耕深制御時のロータリー耕耘機の昇降状態を示しており、図8(b)は自動高さ制御時のロータリー耕耘機の昇降状態を示している。
【図9】図9は、耕耘制御装置のブロック図である。
【図10】図10は、耕耘制御コントローラによる耕耘制御の流れを示すフローチャートである。
【図11】図11は、自動耕深制御時の耕耘リアカバーによる耕耘状態を示す模式図である。
【図12】図12は、耕耘機が非耕地状態位置に位置する際に、耕耘カバーが、カバー回動用アクチュエータによって、耕耘リアカバーの接地長さが短くなる方向へ回動された非耕耘姿勢をとっている状態を示す模式図である。
【符号の説明】
【0074】
50…車輌本体 220…昇降用アクチュエータ 400…耕耘機 433…耕耘爪軸
434…耕耘爪 435…耕耘上面カバー 437…耕耘リヤカバー
600…制御手段 624…耕耘位置検出手段 626…耕深深さ設定手段
700…カバー回動用アクチュエータ




 

 


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