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発明の名称 姿勢制御装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−97493(P2007−97493A)
公開日 平成19年4月19日(2007.4.19)
出願番号 特願2005−292172(P2005−292172)
出願日 平成17年10月5日(2005.10.5)
代理人 【識別番号】100109427
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 活人
発明者 三輪 敏之 / 武山 隆一 / 丹生 秀和
要約 課題
車輌本体に対して昇降可能且つ左右に傾動可能に連結された耕耘機の自動耕深制御及び自動傾き制御を行う姿勢制御装置であって、自動耕深制御性能の劣化を防止し得る構造簡単な姿勢制御装置を提供する。

解決手段
車輌本体50に対して昇降可能且つ左右に傾動可能に連結された耕耘機400の自動耕深制御及び自動傾き制御とを行うように構成された姿勢制御装置は、設定耕深位置hsと検出耕深位置hとの耕深偏差Δhに基づく補正前の自動耕深制御量βを、設定傾斜状態tsと検出傾斜状態tとの傾斜偏差Δφに応じて補正し、該補正後の自動耕深制御量β’によって前記耕耘機400の昇降制御を行うように構成されている。
特許請求の範囲
【請求項1】
車輌本体に対して昇降可能且つ左右に傾動可能に連結された耕耘機の検出耕深位置を設定耕深位置に追従させる自動耕深制御と、前記耕耘機の前記車輌本体に対する検出傾斜状態を設定傾斜状態に追従させる自動傾き制御とを行うように構成された姿勢制御装置であって、
前記設定耕深位置と前記検出耕深位置との耕深偏差に基づく補正前の自動耕深制御量を、前記設定傾斜状態と前記検出傾斜状態との傾斜偏差に応じて補正し、該補正後の自動耕深制御量によって前記耕耘機の昇降制御を行うように構成されていることを特徴とする姿勢制御装置。
【請求項2】
前記補正前の自動耕深制御量に、前記傾斜偏差に基づく自動傾斜制御量に応じた補正値を加算して、前記補正後の自動耕深制御量を得るように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の姿勢制御装置。
【請求項3】
車輌本体に対して昇降可能且つ左右に傾動可能に連結された耕耘機の検出耕深位置を設定耕深位置に追従させる自動耕深制御と、前記耕耘機の前記車輌本体に対する検出傾斜状態を設定傾斜状態に追従させる自動傾き制御とを行うように構成された姿勢制御装置であって、
前記自動耕深制御及び前記自動傾き制御の双方が実行される際には、前記自動傾き制御を優先実行して前記耕耘機を前記設定傾斜状態にさせた後に、前記自動耕深制御を実行するように構成されていることを特徴とする姿勢制御装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、車輌本体に対して昇降可能且つ左右に傾動可能に連結された耕耘機の自動耕深制御及び自動傾き制御を行う姿勢制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
リンク機構を介して車輌本体に対して昇降可能且つ左右に傾動可能に連結された耕耘機の耕深制御及び傾き制御を自動的に行う姿勢制御装置は、従来から公知である(例えば、下記特許文献1参照)。
【0003】
図15は従来の姿勢制御装置の一例の概略構成を説明する図である。図15(a)はその左側面図であり、図15(b)はその平面図である。
【0004】
図15に示すように、ロータリー耕耘機Aは、車輌左右方向に沿った耕耘爪軸A1と、前記耕耘爪軸A1に設けられた耕耘爪A2と、前記耕耘爪A2の回転軌跡の上方を覆う上面カバーA3と、前記上面カバーA3の後端部に車輌左右方向に沿った枢支軸回り揺動自在に連結されたリヤカバーA4とを有している。
そして、前記姿勢制御装置は、前記リヤカバーA4の前記上面カバーA3に対する揺動位置(揺動角度)を現在の耕深深さhとして検出し、前記ロータリー耕耘機Aの耕深位置が耕深深さ設定手段によって設定される設定耕深位置(目標耕深位置)と一致するように昇降用アクチュエータC11を作動させて、自動耕深制御を行うように構成されている。
【0005】
さらに、該姿勢制御装置は、前記ロータリー耕耘機Aの車輌本体Cに対する傾斜状態を検出し、該ロータリー耕耘機Aが傾斜設定手段によって設定される設定傾斜状態(目標左右傾斜角度)と一致するように傾動用アクチュエータC21を作動させて、自動傾き制御を行うように構成されている。
【0006】
しかしながら、従来の姿勢制御装置では、前記自動耕深制御及び前記自動傾き制御を独立して行っていた為、前記昇降用アクチュエータC11及び前記傾動用アクチュエータC21が同時に作動されるような場合に、自動耕深制御の制御性能が悪化するという問題があった。
【0007】
例えば、前記ロータリー耕耘機Aは、図示の如く、通常、トップリンクB1及び左右一対のロアーリンクB2a,B2bを含む3点リンク機構Bを介して、車輌本体Cに連結されており、作業機用昇降機構C1によって昇降し得るようになっている。
前記作業機用昇降機構C1は、例えば、前記昇降用アクチュエータとして作用するように前記車輌本機Cに備えられる昇降用油圧シリンダC11と、該昇降用油圧シリンダC11によって車輌左右方向に沿った回動軸回りに揺動される左右一対のリフトアームC12a,C12bと、該左右一対のリフトアームC12a,C12bと前記左右一対のロアーリンクB2a,B2bとをそれぞれ連結する左右一対のリフトロッドC13a,C13bとを有するものとされる。
【0008】
つまり、前記左右一対のリフトアームC12a,C12bを車輌左右方向に沿った回動軸回りに揺動させることによって、前記昇降用アクチュエータC11による前記ロータリー耕耘機Aの昇降動作が行われるようになっている。
【0009】
これに対し、傾動用アクチュエータC21は、前記左右一対のリフトロッドC13a,C13bの一方(図示例では、右リフトロッドC13b)に介挿された傾動用油圧シリンダとされる。
詳しくは、前記傾動用アクチュエータC21による前記ロータリー耕耘機Aの傾動は、前記左右一対のリフトロッドC13a,C13bの他方(図示例では、左リフトロッドC13a)と該他方のリフトロッドC13aに対応したロアーリンクB2aとの連結点を支点Qとして、行われるようになっている。
即ち、前記ロータリー耕耘機Aの前記自動傾き制御は、該ロータリー耕耘機Aの車輌左右方向に関する中心位置を基準にして、左右方向一方側(図示例では、左側)に変位された点Qを支点として行われるようになっており、従って、自動傾き制御に伴って前記ロータリー耕耘機の高さが変動するという問題があった。
この点に関し、図16を参照しつつ、詳しく説明する。
【0010】
図16(a)は、前記ロータリー耕耘機Aの耕深位置h1が前記耕深深さ設定手段による設定耕深位置hsに対してΔhだけ深く、且つ、該ロータリー耕耘機Aの傾斜状態tが前記傾斜設定手段による設定傾斜状態tsに対して角度Δφだけ左右方向一方側へ変位している状態を示している。
図16(b)は、図16(a)のロータリー耕耘機Aに対して自動傾き制御及び自動耕深制御を実行した後の状態を示している。
なお、図16中符号Gは地面を示している。
【0011】
前記ロータリー耕耘機Aが図16(a)に示すような状態の場合には、前記従来の姿勢制御装置における制御手段は、前記ロータリー耕耘機Aが上方へΔhだけ移動するように前記昇降用アクチュエータC1を作動させると共に、前記ロータリー耕耘機Aが角度Δφだけ左右方向他方側へ回動するように前記傾動用アクチュエータC21を作動させる。
しかしながら、斯かる姿勢制御の結果、前記ロータリー耕耘機Aは、図16(b)に示すように、前記設定耕深位置hsよりも上方位置h2に位置してしまう。
【0012】
詳しく説明すると、前記ロータリー耕耘機Aに対して角度Δφの自動傾き制御を行うと、該ロータリー耕耘機Aは、傾斜状態の変化(傾き制御)に伴って耕深位置も上方へΔhφだけ移動することになる。なお、図16(b)中破線は傾き制御された前記ロータリー耕耘機Aの状態を示している。
斯かる自動傾き制御とは独立して、前記ロータリー耕耘機Aは、上方へΔhの自動耕深制御も受ける。
即ち、前記ロータリー耕耘機Aは、耕深深さに関しては、自動制御前のh1から上方へΔhだけ移動すれば良いにも拘わらず、結果として、h1から(Δh+Δhφ)だけ上方へ移動されることになる。
【0013】
このように、従来の姿勢制御装置においては、自動耕深制御及び自動傾き制御が独立して行われていた為、該自動耕深制御及び自動傾き制御が同時に実行されるような場合には、前記耕耘機の昇降量が実際に必要な昇降量と異なることになり、結果的に、ハンチング現象等の制御性能の悪化が生じるという問題があった。
【特許文献1】特開平8−205609号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、斯かる従来技術に鑑みなされたものであり、車輌本体に対して昇降可能且つ左右に傾動可能に連結された耕耘機の自動耕深制御及び自動傾き制御を行う姿勢制御装置であって、自動耕深制御性能の劣化を防止し得る構造簡単な姿勢制御装置の提供を、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、前記課題を解決するために、車輌本体に対して昇降可能且つ左右に傾動可能に連結された耕耘機の検出耕深位置を設定耕深位置に追従させる自動耕深制御と、前記耕耘機の前記車輌本体に対する検出傾斜状態を設定傾斜状態に追従させる自動傾き制御とを行うように構成された姿勢制御装置であって、前記設定耕深位置と前記検出耕深位置との耕深偏差に基づく補正前の自動耕深制御量を、前記設定傾斜状態と前記検出傾斜状態との傾斜偏差に応じて補正し、該補正後の自動耕深制御量によって前記耕耘機の昇降制御を行うように構成された姿勢制御装置を提供する。
【0016】
前記補正後の自動耕深制御量を得る具体的態様として、例えば、前記補正前の自動耕深制御量に、前記傾斜偏差に基づく自動傾斜制御量に応じた補正値を加算することが例示できる。
【0017】
本発明はまた、車輌本体に対して昇降可能且つ左右に傾動可能に連結された耕耘機の検出耕深位置を設定耕深位置に追従させる自動耕深制御と、前記耕耘機の前記車輌本体に対する検出傾斜状態を設定傾斜状態に追従させる自動傾き制御とを行うように構成された姿勢制御装置であって、前記自動耕深制御及び前記自動傾き制御の双方が実行される際には、前記自動傾き制御を優先実行して前記耕耘機を前記設定傾斜状態にさせた後に、前記自動耕深制御を実行するように構成された姿勢制御装置を提供する。
【発明の効果】
【0018】
本発明の一態様に係る姿勢制御装置によれば、設定耕深位置と検出耕深位置との耕深偏差に基づく補正前の自動耕深制御量を、設定傾斜状態と検出傾斜状態との傾斜偏差に応じて補正し、該補正後の自動耕深制御量によって耕耘機の昇降制御を行うように構成したので、耕深偏差及び傾斜偏差が同時に発生した場合であっても、自動傾き制御に伴う耕耘機の耕深位置変動を考慮して、該耕耘機の自動耕深制御が行われる。
従って、ハンチング現象等を生じさせる自動耕深制御の性能劣化を有効に防止することができる。
又、斯かる構成によれば、自動耕深制御性能の劣化を有効に防止しつつ、自動耕深制御及び自動傾き制御を平行して実行することができる。従って、耕耘機の姿勢制御の反応速度を良好に維持することができる。
【0019】
又、本発明の他態様に係る姿勢制御装置によれば、自動耕深制御及び自動傾き制御の双方が実行される際には、前記自動傾き制御を優先実行して耕耘機を前記設定傾斜状態にさせた後に、前記自動耕深制御を実行するように構成したので、耕深偏差及び傾斜偏差が同時に発生した場合であっても、自動傾き制御に伴う耕耘機の耕深位置変動の影響を受けない状態で、該耕耘機の自動耕深制御が行われる。
従って、ハンチング現象等を生じさせる自動耕深制御の性能劣化を有効に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本実施の形態に係る姿勢制御装置が適用される作業車輌の一例である農作業用トラクタの概略側面図である。図2は図1に示すトラクタの概略平面図である。図3は図1に示すトラクタにおける耕耘機用昇降機構の概略側面図である。図4は図3に示す耕耘機用昇降機構の概略平面図である。図5はロータリー耕耘機の図2におけるV−V線に沿った概略断面図である。図6は該ロータリー耕耘機の概略背面図である。図7は該トラクタの油圧回路図である。
【0021】
図1乃至図4に示す如く、作業車輌としてのトラクタ100は、車輌本体50と、該車輌本体50の後部に連結されたロータリー耕耘機400とを備えている。
前記車輌本体50は、走行機体1と、該走行機体1を支持する左右一対の前車輪2及び左右一対の後車輪3と、該走行機体1の前部に搭載されたエンジン4とを備えており、前記エンジン4からの動力によって前記後車輪3及び前記前車輪2を作動的に駆動することにより、前後進走行するように構成されている。なお、図中の符号5は前記エンジン4を覆うボンネット5である。
さらに、前記トラクタ100は、前記走行機体1の上面に設けられたキャビン6を有している。該キャビン6の内部には、操縦座席7と、かじ取りすることによって前記前車輪2の操向方向を左右に動かすように構成された操縦ハンドル(丸ハンドル)8とが設置されている。前記キャビン6の外側部には、作業者が乗降するステップ9が設けられ、該ステップ9より内側で且つ該キャビン6の底部より下側には、前記エンジン4に燃料を供給する燃料タンク10が設けられている。
【0022】
図1乃至図4に示すように、前記走行機体1は、前バンパ11及び前車軸ケース12を有するエンジンフレーム13と、該エンジンフレーム13の後部にボルトにて着脱自在に固定される左右の機体フレーム15とを有している。
前記機体フレーム15の後部には、前記エンジン4の回転を適宜変速してそれぞれ後輪軸3a及び前輪軸2aを介して前記後車輪3及び前記前車輪2に伝達するためのミッションケース16が連結されている。前記後車輪3は、前記ミッションケース16の外側面から外向きに突出するように装着された後車軸ケース17を介して取付けられている。
なお、前記ミッションケース16の後端面には、前記ロータリー耕耘機400の駆動力を出力する為のPTO軸18が後向きに突出するように設けられている。
【0023】
前記ロータリー耕耘機400は、前記ミッションケース16の後部に、一対の左右ロワーリンク311,312及びトップリンク320からなる3点リンク機構300を介して連結される。
図1及び図3に示すように、前記左右ロワーリンク311,312は、前端側が前記ミッションケース16後部の左右側面のそれぞれにロワーリンクピン313を介して回動可能に連結され、且つ、後端側が前記ロータリー耕耘機400における下リンクフレーム440の前端部に下ヒッチピン314を介して連結されている。
前記トップリンク320は、前端側が下記作業機用昇降機構200の後部のトップリンクヒッチ210にトップリンクピン211を介して連結され、且つ、後端側が下記上リンクフレーム410の前端側に上ヒッチピン321を介して連結されている。
【0024】
図3及び図4に示すように、前記ミッションケース16の後部上面には、前記ロータリー耕耘機400を昇降動する為の油圧式作業機用昇降機構200が着脱可能に取付けられている。
図3及び図4及び図7に示すように、油圧式の作業機用昇降機構200は、昇降用アクチュエータとして作用する単動形の昇降制御油圧シリンダ220と、該油圧シリンダ220におけるピストンによって作動的に回動される左右一対のリフトアーム221,222とを有している。
【0025】
進行方向に向かって左側の前記リフトアーム221は、左リフトロッド231を介して対応する左側の前記ロワーリンク311に連結されている。
進行方向に向かって右側の前記リフトアーム222は、右リフトロッド232を介して対応する右側の前記ロワーリンク312に連結されている。
つまり、前記昇降制御油圧シリンダ220によって前記左右一対のリフトアーム221,222が車輌左右方向に沿った前記回動軸回りに揺動することで、前記ロータリー耕耘機400は、前記トップリンク320及び前記一対のロワーリンク311,312の前端部回りに昇降するようになっている。
【0026】
前記右リフトロッド232には、前記ロータリー耕耘機400を前記車輌本体50に対して傾動させる傾動用アクチュエータとして作用する複動形の傾斜制御油圧シリンダ240が介挿されている。
つまり、前記傾斜制御油圧シリンダ240のピストンロッド241が進退することによって、前記ロータリー耕耘機440は、前記左右一対のリフトロッド231,232の他方(ここでは、左リフトロッド231)と該他方のリフトロッド231に対応したロアーリンク311との連結点(即ち、前記ロータリー耕耘機400の左右方向中心位置Dから一方側へ変位された位置)を支点Q(図2参照)として、傾動するようになっている。
【0027】
図1、図2、図5及び図6に示すように、前記ロータリー耕耘機400は、横長筒状のメインビーム420と、前記メインビーム420の左右側端部にそれぞれ上端側が連結されたチェーンケース431及び軸受板432と、前記チェーンケース431及び前記軸受板432の下端側に左右両端部が回転自在に軸支された耕耘爪軸433と、前記耕耘爪軸433に放射状にて着脱可能に取り付けられた複数の耕耘爪434と、前記耕耘爪434の回転軌跡の上方を覆うように配置された耕耘上面カバー435と、前記耕耘爪434の回転軌跡の左右側方を覆うように配置された左右耕耘サイドカバー436と、前記耕耘爪434の回転軌跡の後方を覆うように配置された耕耘リヤカバー437と、前記メインビーム420に前端側が取付けられて後方に長く伸びる耕深調節フレーム438と、前記メインビーム420に回動可能に連結された前記上リンクフレーム410と、前記メインビーム420に一体的に連結された前記下リンクフレーム440と、前記上リンクフレーム410の後端側と前記耕深調節フレーム438の前後方向の中間部とをつなぐ伸縮調節可能な耕深調節軸439とを備えている。
【0028】
詳しくは、前記トップリンク320は、ターンバックル320aの回転にて伸縮されて、該トップリンク320の長さを変更調節可能となるように構成されている(図3及び図4参照)。前記上リンクフレーム410は、前後方向の中間部において、耕深調節支点軸411を介して前記メインビーム420に回動可能に連結されている(図1参照)。そして、前記耕深調節フレーム438は、前端側が前記メインビーム420に一体的に連結されている。
斯かる構成を備えることにより、耕深調節ハンドル439a(図1参照)を回転操作して前記耕深調節軸439を伸縮させると、前記左右一対のロワーリンク311,312及びトップリンク320にて支持される前記ロータリー耕耘機400は、前傾又は後傾姿勢に変化するようになっており、これにより、前記耕耘爪434による耕深位置h(耕耘深さ)が手動で変更できるように構成されている。
【0029】
図1、図5及び図6に示すように、前記メインビーム420の左右中央部には、前記PTO軸18からの駆動力を入力するためのギヤケース450が配置されている。前記PTO軸18と前記ギヤケース450前面側のPTO入力軸451とは、両端に自在継手が備えられた伸縮自在な伝動軸452を介して連結されている。
前記PTO軸18からの動力は、前記ギヤケース450に内蔵されたベベルギヤ(図示せず)、前記メインビーム420に内蔵された回転軸(図示せず)、前記チェーンケース431に内蔵されたスプロケット及びチェーン(図示せず)等を介して前記耕耘爪軸433に伝達される。これにより、前記耕耘爪434が図1及び図5において反時計方向に回転される。
【0030】
図5及び図6に示すように、前記耕耘上面カバー435の後端側には、車輌左右方向に沿った枢着軸437aを介して前記耕耘リヤカバー437が回動可能に連結されている。
さらに、前記耕耘上面カバー435の上面後部には、後方且つ上方へ延びる左右一対のハンガーフレーム441が立設されている。
そして、前記耕耘リヤカバー437の上面後端側と前記左右ハンガーフレーム441の後端側との間には左右一対のハンガー機構460が設けられており、前記耕耘リヤカバー437は、該ハンガー機構460によって、前記枢着軸437a回りに上下動し得るようになっている。
【0031】
詳しくは、前記各ハンガーフレーム441の後端部には、車輌左右方向に沿った軸線回り回動自在とされた受圧軸体442が配置されている。該受圧軸体442には、軸線と直交する方向に貫通孔が設けられている。
前記各ハンガー機構460は、前記受圧軸体442の前記貫通孔に摺動可能に挿通された細長い丸棒形のハンガーロッド461を有している。
前記ハンガーロッド461は、下端部が、車輌左右方向に沿った支軸461aを介して、前記耕耘リヤカバー437の後部上面に設けられたブラケット462に回動自在に連結されている(図5参照)。
前記ハンガーロッド461には、前記受圧軸体442より上方側において固設された下降規制ピン461bと、前記下降規制ピン461bと前記受圧軸体442との間に位置するように該ハンガーロッド461に軸線方向摺動可能に外挿された下降規制板463と、該ハンガーロッド461の下方側で且つ前記支軸461aより上方側において固設された上昇規制ピン461cと、前記上昇規制ピン461cによって下方への移動が規制された状態で該ハンガーロッド461に軸線方向摺動可能に外挿された下座板465と、前記下座板465及び前記受圧軸体442の間に位置するように該ハンガーロッド461に外挿された鎮圧用圧縮バネ466と、該鎮圧用圧縮バネ466の上端部と係合する上座板464とが設けられている。
【0032】
斯かるハンガー機構460を備えた前記ロータリー耕耘機400は以下のように作動する。
即ち、前記昇降用アクチュエータによって前記ロータリー耕耘機400が地面Gから離れるように持上げられると、前記耕耘リヤカバー437の後端側が前記枢着軸437a回りに下方側に回動する。
この際、前記ハンガーロッド461は前記受圧軸体442に案内された状態で下方側へ移動するが、前記下降規制ピン461bが前記下降規制板463に当接し且つ該下降規制板463が前記受圧軸体442に当接することで、該ハンガーロッド461の下方側への移動が停止される。従って、前記耕耘リヤカバー437はその後端側を最下降させた姿勢に維持される。
【0033】
一方、前記ロータリー耕耘機400が耕地上面に降ろされて前記耕耘爪434が着地しているときや耕耘作業中においては、前記耕耘リヤカバー437の後端側が、耕耘された耕土との接地圧にて前記枢着軸437a回りに上方に回動することになる。
この際、前記ハンガーロッド461は前記受圧軸体442に案内された状態で上方側へ移動する。斯かるハンガーロッド461の上方側への移動によって、前記上昇規制ピン461c及び前記下座板465を介して前記鎮圧用圧縮バネ466が圧縮される。
即ち、前記耕耘リヤカバー437が前記枢着軸437a回りに上方側へ回動する際には、該耕耘リヤカバー437は前記鎮圧用圧縮バネ466の付勢力に抗して動作することになり、従って、前記耕耘リヤカバー437の後方への土の飛散を有効に防止しつつ、該耕耘リヤカバーによる均平作用を有効に維持することができる。
【0034】
前記トラクタ100は、さらに、昇降用アクチュエータとして作用する前記昇降制御油圧シリンダ220及び傾動用アクチュエータとして前記昇降制御油圧シリンダ220への作動油給排を行う油圧回路500を備えている。
図7に示すように、前記油圧回路500は、前記エンジン4によって作動的に回転駆動される作業機用油圧ポンプ501と、該油圧ポンプ501の吐出側に流体接続された分流弁505と、該分流弁505によって分岐された一方側油路及び他方側油路にそれぞれ配置された昇降制御用バルブ及び傾斜制御用バルブとを備えている。
本実施の形態においては、前記昇降制御用バルブは、上昇制御電磁弁502及び下降制御電磁弁503を有している。又、前記傾斜制御用バルブは、傾斜制御電磁弁504を有している。
なお、前記油圧回路500は、図7に示すように、リリーフ弁や流量調整弁、チェック弁、オイルクーラ、オイルフィルタ等も備えている。
【0035】
次に、前記キャビン6内に配置された各種操作手段の構成について説明する。
図1及び図2に示すように、前記操縦ハンドル8は、前記操縦座席7の前方に位置する操縦コラム19上に設けられている。
前記キャビン6内には、前記操縦座席7,前記操縦ハンドル8及び前記操縦コラム19に加えて、前記エンジン4の回転数(出力)を調節するためのスロットルレバー617と、前記走行機体1を制動操作するための左右ブレーキペダル20と、前記エンジンから前記前車輪2及び前記後車輪3への動力伝達の係脱操作を行う為のクラッチペダル21と、車輌本体50の走行速度を変速操作する為の走行変速レバー24と、前記エンジン4から前記後車輪3への動力伝達経路に介挿されるディファレンシャル機構をロック操作する為のデフロックペダル25と、前記PTO軸18からの出力回転数を変速操作する為のPTO変速レバー23とが配置されている。
【0036】
さらに、前記キャビン6内には、作業機昇降レバー22,傾斜設定器623及び耕深設定器626が配置されている。
前記作業機昇降レバー22は、前記ロータリー耕耘機400の高さ位置を手動で変更操作するための上下位置設定手段として作用する。
前記傾斜設定器623は、前記ロータリー耕耘機400の傾斜状態を設定する傾斜設定手段として作用する。具体的には、後述する図9に示すように、前記車輌本体50に対する前記ロータリー耕耘機400の左右方向に関する相対的な目標左右傾斜角度φsを予め設定する為のものであり、例えば、可変抵抗器を含み得る。
前記耕深設定器626は、前記ロータリー耕耘機400における耕耘爪434の設定耕深位置(目標耕深位置)hsを設定する耕深深さ設定手段として作用する。
詳細は後述するが、前記ロータリー耕耘機400の耕深位置は、前記耕耘上面カバー435に対する前記耕耘リヤカバー437の回動角度に基づいて制御されるようになっている。従って、前記耕深深さ設定手段は、前記設定耕深位置として、前記耕耘上面カバー435に対する前記耕耘リヤカバー437の目標回動角度θsを設定し得るように構成され、例えば、可変抵抗器を含み得る。なお、前記目標回動角度θsは、後述する図10に示すように、例えば、鉛直Vを基準にした回動角度とすることができる。
【0037】
(第1実施形態)
次に、本発明に係る姿勢制御装置の第1実施形態について説明する。
図8は、第1実施形態に係る姿勢制御装置のブロック図である。
該姿勢制御装置は、前記車輌本体50に対して昇降可能且つ左右に傾動可能に連結された前記ロータリー耕耘機400の自動耕深制御及び自動傾き制御を行うように構成されている。
【0038】
具体的には、図8に示すように、該姿勢制御装置は、前記昇降用アクチュエータとして作用する前記昇降制御油圧シリンダ220と、前記傾動用アクチュエータとして作用する前記傾斜制御油圧シリンダ240と、前記耕深深さ設定手段として作用する前記耕深設定器626と、前記傾斜設定手段として作用する前記傾斜設定器623と、前記ロータリー耕耘機400の耕深位置を検出する耕深位置検出手段として作用するリヤカバーセンサ624と、前記ロータリー耕耘機400の傾斜状態を検出する傾斜状態検出手段として作用する作業機ポジションセンサ622と、前記自動耕深制御及び前記自動傾き制御を司る制御手段として作用する姿勢制御コントローラ600とを備えている。
【0039】
さらに、本実施の形態に係る姿勢制御装置には、機体ローリングセンサ621及びリフト角センサ627が備えられている。
該機体ローリングセンサ621は、前記車輌本体50の左右方向に関する傾斜角度を検出する為のものであり、例えば、振子式のものが使用され得る。
本実施の形態においては、該機体ローリングセンサ621は、前記作業機用昇降機構200の上面で且つ前記操縦座席7の後方の箇所に配置されている(図1〜図4参照)。
【0040】
前記リフト角センサ627は、前記ロータリ耕耘機400の対機体高さ(前記車輌本体50に対する前記ロータリ耕耘機400の相対高さ)を検出するための手段として作用する。
本実施の形態においては、該リフト角センサ627は、前記リフトアーム221,222の回動角度を検出するように構成されており、例えば、ポテンショメータ型のものが使用され得る。
具体的には、該リフト角センサ627は、前記作業機用昇降機構200と前記左リフトアーム221との連結箇所に配置されている(図3及び図4参照)。
【0041】
図9に、前記ロータリー耕耘機400の模式背面図を示す。
前記作業機ポジションセンサ622は、前記車輌本体50に対する前記ロータリー耕耘機400の左右方向に関する相対的な傾斜角度φを検出するように構成されており、例えば、ポテンショメータ型のものが使用され得る。
該作業機ポジションセンサ622は、詳細は図示していないが、例えば、前記耕耘上面カバー435の上方に位置する前記メインビーム420の左右中央箇所に配置され得る。
【0042】
図10に、前記ロータリー耕耘機400の模式側面図を示す。
前述の通り、前記リヤカバーセンサ624は、前記ロータリー耕耘機400の耕深位置hを検出する耕深位置検出手段として作用する。
即ち、前記ロータリー耕耘機400の耕深位置hに応じて、前記耕耘上面カバー435に対する前記耕耘リヤカバー437の回動位置が変化する。従って、前記リヤカバーセンサ624によって、前記耕耘上面カバー435に対する前記耕耘リヤカバー437の回動位置を検出することによって、前記ロータリー耕耘機400の耕深位置h(図10参照)を検出することができる。
詳しくは、前記リヤカバーセンサ624は、前記耕耘上面カバー435に対する前記耕耘リヤカバー437の回動位置として、前記耕耘上面カバー435に対する前記耕耘リヤカバー437の回動角度θを検出し得るように構成され、この検出回動角度θは、例えば、鉛直Vを基準にした回動角度とすることができる。
本実施の形態においては、該リヤカバーセンサ624は、前記耕耘上面カバー435の後部上面に配置されたポテンショメータ型とされている(図2、図5、図6及び図10参照)。
なお、前記リヤカバーセンサ624と前記耕耘リヤカバー437とは、センサアーム437b及びセンサリンク437c等を介して連結されている(図2参照)。
【0043】
前記姿勢制御コントローラ600は、前記種々の設定手段及びセンサからの信号を入力して、前記昇降用アクチュエータ及び前記傾動用アクチュエータへ制御信号を出力するように構成されている。
即ち、該姿勢制御コントローラ600は、図8に示すように、入力系が前記傾斜設定器623,前記耕深設定器626,前記機体ローリングセンサ621,前記作業機ポジションセンサ622,前記リフト角センサ627及び前記リヤカバーセンサ624等が電気的に接続されると共に、出力系が前記上昇制御電磁弁502,前記下降制御電磁弁503及び前記傾斜制御電磁弁504に電気的に接続されている。
【0044】
なお、前記リヤカバーセンサ624は、該リヤカバーセンサ624の出力の中から限定された帯域の信号出力を取り出すためのフィルタ部625を介して、前記姿勢制御コントローラ600に電気的に接続されている。
斯かるフィルタ部625を設けることにより、前記リヤカバーセンサ624の検出感度変化の影響を抑制することができる。
好ましくは、該フィルタ部625を可変とすることができ、これにより、前記リヤカバーセンサ624の検出感度変化の影響を調節することができる。
【0045】
詳しくは、該姿勢制御コントローラ600は、図8に示すように、前記各種センサ等から入力される信号に基づいて演算処理を実行する制御演算手段を含む中央処理装置601(以下CPUという)と、制御プログラムP等を格納したり、後述する換算式に関する所定のデータ等を記憶するROM602と、前記CPU601の演算中に生成されるデータを一時的に保持するRAM603とを備えている。
斯かる姿勢制御コントローラ600は電源印加用キースイッチ611を介してバッテリ612に接続されている。なお、前記キースイッチ611は、前記エンジン4を始動するためのスタータ613に接続される。
【0046】
本実施の形態においては、前記姿勢制御コントローラ600には、図8に示すように、前記エンジン4の回転を制御する電子ガバナコントローラ614が接続されている。
該電子ガバナコントローラ614には、前記エンジン4の燃料を調節するガバナ615と、前記エンジン4の回転数を検出するエンジン回転センサ616とが接続されている。
【0047】
前記電子ガバナコントローラ614は、作業者にて前記スロットルレバー617が手動操作されると、該スロットルレバー617の回動位置を検出するスロットルポテンショメータ618の検出情報に基づいて、該スロットルレバー617の設定回転数と前記エンジン4の回転数とが一致するように、スロットルソレノイド619にて燃料調節ラック(図示省略)の位置を自動的に調節する制御を実行する。これにより、前記エンジン4の回転は、負荷の変動に拘わらず、前記スロットルレバー617の位置に応じた所定回転数に維持され得る。
【0048】
このように構成された姿勢制御コントローラ600は、次の姿勢制御を実行することができる。
即ち、該姿勢制御コントローラ600は、図9及び図10に示すように、前記耕深設定器626に設定された設定耕深位置hs(目標回動角度θs)と、前記リヤカバーセンサ624による検出耕深位置h(回動角度θ)との耕深偏差Δh(Δθ)に基づく補正前の自動耕深制御量βを算出する。この自動耕深制御量βは、前記傾斜設定器623に設定された設定傾斜状態ts(設定傾斜値φs)と、前記作業機ポジションセンサ622による検出傾斜状態t(検出傾斜値φ)との傾斜偏差Δφに応じて補正される。そして、前記姿勢制御コントローラ600は、該補正後の自動耕深制御量β’によって前記ロータリー耕耘機400の昇降制御を行うように構成されている。
【0049】
詳しくは、該姿勢制御コントローラ600は、前記補正前の自動耕深制御量βに、前記傾斜偏差Δφに基づく自動傾斜制御量αに応じた補正値を加算して、前記補正後の自動耕深制御量β’を得るように構成されている。
【0050】
さらに説明すると、前記ROM602には、後述する所定の自動傾き制御用換算式及び所定の自動耕深制御用換算式等が予め記憶されている。
【0051】
この姿勢制御コントローラ600を有する前記トラクタ100では、前記ロータリー耕耘機400の耕耘作業が行われるにあたり、前記ロータリー耕耘機400が、前記ロワーリンク311,312及び前記トップリンク320を介して前記トラクタ100の後側に昇降可能に連結され、前記トラクタ100の前記エンジン4が始動される。
このとき、作業者によって、必要に応じて、前記ロータリー耕耘機400の目標左右傾斜角度φs及び前記耕耘リヤカバー437の目標上下回動角度θsが前記傾斜設定器623及び前記耕深設定器626にそれぞれ設定される。
【0052】
また、前記姿勢制御コントローラ600では、前記ロータリー耕耘機400の姿勢制御がなされるにあたって、前記制御プログラムPが実行される。
【0053】
次に、図11及び図12を参照しながら前記姿勢制御コントローラ600による前記ロータリー耕耘機400の姿勢制御動作の一例を以下に詳述する。
【0054】
図11は第1実施形態の姿勢制御コントローラ600による姿勢制御の流れを示すフローチャートである。また、図12は第1実施形態におけるロータリー耕耘機400を姿勢制御する際の制御ブロック図である。
【0055】
先ず、前記リヤカバーセンサ624による上下回動角度θの検出値を読み込み(ステップS1)、前記作業機ポジションセンサ622による左右傾斜角度φの検出値を読み込む(ステップS2)。
【0056】
次に、前記作業機ポジションセンサ622による前記ロータリー耕耘機400の左右傾斜角度φの検出値が前記傾斜設定器623で予め設定された目標左右傾斜角度φsになるように、自動傾き制御量αを算出する(ステップS3)。
具体的には、本例では、前記ROM602に予め記憶されている前記自動傾き制御用換算式は、前記作業機ポジションセンサ622による左右傾斜角度φ及び前記傾斜設定器623の目標左右傾斜角度φsの傾斜偏差Δφ(図9参照)と、前記自動傾き制御量αとの対応関係を表し得るものとしている。この自動傾き制御用換算式を前記ROM602から読み出し、該読み出された自動傾き制御用換算式を用いて、前記傾斜偏差Δφを前記自動傾き制御量αに換算する。
【0057】
この自動傾き制御量αは、前記傾斜制御油圧シリンダ240の伸縮量に相当するものであり、前記作業機ポジションセンサ622による前記ロータリー耕耘機400の左右傾斜角度φの検出値が前記傾斜設定器623で予め設定された目標左右傾斜角度φs(図9参照)になるような値として算出される。
なお、前記自動傾き制御量αは、本例では自動傾き制御用換算式を用いて換算するが、それに対応するLUT(ルックアップテーブル)を前記ROM602に予め記憶しておき、該LUTを用いて換算してもよい。
【0058】
次に、前記リヤカバーセンサ624による前記耕耘リヤカバー437の上下回動角度θの検出値が前記耕深設定器626で予め設定された目標上下回動角度θsになるように、自動耕深制御量βを算出する(ステップS4)。
具体的には、本例では、前記ROM602に予め記憶されている前記自動耕深制御用換算式は、前記リヤカバーセンサ624による上下回動角度θ(検出耕深位置h)及び前記耕深設定器626の目標上下回動角度θs(設定耕深位置hs)の耕深偏差Δθ(Δh)と、前記自動耕深制御量βとの対応関係を表し得るものとしている。この自動耕深制御用換算式を前記ROM602から読み出し、該読み出された自動耕深制御用換算式を用いて、前記耕深偏差Δθ(Δh)を前記自動耕深制御量βに換算する。
【0059】
この自動耕深制御量βは、前記昇降制御油圧シリンダ220の伸縮量に相当するものであり、前記リヤカバーセンサ624による前記耕耘リヤカバー437の上下回動角度θの検出値が前記耕深設定器626で予め設定された目標上下回動角度θs(図10参照)になるような値として算出される。
なお、前記自動耕深制御量βは、本例では自動耕深制御用換算式を用いて換算するが、それに対応するLUT(ルックアップテーブル)を前記ROM602に予め記憶しておき、該LUTを用いて換算してもよい。
【0060】
ここで、前記リヤカバーセンサ624による検出値を読み込む前記ステップS1は、前記自動耕深制御量βを算出する前記ステップS4より前であれば、前記作業機ポジションセンサ622による検出値を読み込む前記ステップS2以降に行ってもよい。
また、前記作業機ポジションセンサ622による検出値を読み込む前記ステップS2は、前記自動傾き制御量αを算出する前記ステップS3より前であれば、前記リヤカバーセンサ624による検出値を読み込む前記ステップS1以前に行ってもよい。
また、前記自動傾き制御量αを算出する前記ステップS3は、前記作業機ポジションセンサ622による検出値を読み込む前記ステップS2より後且つ前記自動傾き制御を実行する前記ステップS6より前であれば、前記自動耕深制御量βを算出する前記ステップS4以降に行ってもよい。
さらに、前記自動耕深制御量βを算出する前記ステップS4は、前記リヤカバーセンサ624による検出値を読み込む前記ステップS1より後且つ前記自動耕深制御量βを補正する前記ステップS5より前であれば、前記自動傾き制御量αを算出する前記ステップS3以前に行ってもよい。
【0061】
次に、前記耕深偏差Δθ(Δh)に基づく補正前の自動耕深制御量βを前記傾斜偏差Δφに応じて補正する(ステップS5)。
具体的には、本例では、前記ステップS4で算出された前記補正前の自動耕深制御量βに、補正値として、図12に示すように、前記ロータリー耕耘機400の前記傾斜偏差Δφによる耕深位置hの変化量Δhφに基づく制御量(影響係数)を加算して、補正後の自動耕深制御量β’を得る。図9に示す例では、前記補正後の自動耕深制御量β’は、前記補正前の自動耕深制御量βに対して前記ロータリ耕耘機400がΔhφだけ下降するように補正される。
なお、図9中破線は、車輌左右方向において左側に変位された点Qを支点として傾き制御されたロータリー耕耘機400の状態を示している。また、前記影響係数は、例えば、各シリンダの動作速度やリンク定数により幾何学的に求めることができる。
また、本例では前記補正前の自動耕深制御量βに前記補正値を加算して、補正後の自動耕深制御量β’を得るようにしているが、前記耕深偏差Δθ(Δh)と前記傾斜偏差Δφとの対応関係を表し得る自動耕深制御量補正用換算式を前記ROM602に予め記憶しておき、該自動耕深制御量補正用換算式を用いて前記補正後の自動耕深制御量β’を得るようにしてもよい。或いは、自動耕深制御量のLUT(ルックアップテーブル)を前記傾斜偏差Δφ毎に前記ROM602に予め記憶しておき、該自動耕深制御量のLUT用いて前記補正後の自動耕深制御量β’を得るようにしてもよい。
【0062】
次に、前記自動傾き制御量αによって前記傾斜制御油圧シリンダ240を作動させて自動傾き制御を実行し(ステップS6)、前記補正後の自動耕深制御量β’によって前記昇降制御油圧シリンダ220を作動させて自動耕深制御を実行する(ステップS7)。
具体的には、前記自動傾き制御では、前記傾斜制御電磁弁504を作動させ、前記傾斜制御油圧シリンダ240による前記ロータリー耕耘機400の左傾斜(左側が下降、右側が上昇)又は右傾斜(右側が下降、左側が上昇)の動作を実行する。このとき、前記傾斜制御油圧シリンダ240の制御量が前記ステップS3で得られた前記自動傾き制御量αとなるように、前記左リフトロッド231と該左ロアーリンク311との連結点Dを支点Qとして、該ロータリー耕耘機400を傾動させる。
また、前記自動耕深制御では、前記上昇制御電磁弁502又は前記下降制御電磁弁503を作動させ、前記昇降制御油圧シリンダ220による前記ロータリー耕耘機400の下降又は上昇の動作を実行する。このとき、前記昇降制御油圧シリンダ220の制御量が前記ステップS5で得られた前記補正後の自動耕深制御量β’となるように、前記左右一対のリフトアーム221,222の車輌左右方向に沿った回動軸回りの揺動によって、前記ロータリー耕耘機400を昇降させる。図9に示す例では、前記ロータリー耕耘機400は、前記補正前の自動耕深制御量βによってΔhだけ上昇するところ、該補正前の自動耕深制御量βに対して該耕耘機400がΔhφだけ下降するように補正された為、前記補正後の自動耕深制御量β’によってΔh’だけ下降することになる。
【0063】
なお、前記自動傾き制御を実行する前記ステップS6及び前記自動耕深制御を実行する前記ステップS7は、何れを先に実行させもよく、また同時に実行させることもできる。何れにしても、前記傾斜制御油圧シリンダ240及び前記昇降制御油圧シリンダ220の作動は並行して行われることが好ましい。但し、それに限定されるものではなく、前記ステップS6実行後に前記ステップS7を実行する場合、前記ステップS6による前記傾斜制御油圧シリンダ240の作動終了後に、前記ステップS7による前記昇降制御油圧シリンダ220の作動を開始させてもよい。また、前記ステップS7実行後に前記ステップS6を実行する場合、前記ステップS7による前記昇降制御油圧シリンダ220の作動終了後に、前記ステップS6による前記傾斜制御油圧シリンダ240の作動を開始させてもよい。
【0064】
そして、自動制御作動中のときは(ステップS8)、ステップS1〜ステップS7までの動作を順次繰り返し、自動制御の作動が終了(図示しない自動制御スイッチをOFF操作)したときには(ステップS8)、前記姿勢制御が終了する。
【0065】
このように、前記第1実施形態に係る姿勢制御装置では、設定耕深位置hsと検出耕深位置hとの耕深偏差Δhに基づく補正前の自動耕深制御量βを、設定傾斜状態tsと検出傾斜状態tとの傾斜偏差Δφに応じて補正し、該補正後の自動耕深制御量β’によってロータリ耕耘機400の昇降制御を行うように構成したので、耕深偏差Δh及び傾斜偏差Δφが同時に発生した場合であっても、自動傾き制御に伴うロータリ耕耘機400の耕深位置変動を考慮して、該ロータリ耕耘機400の自動耕深制御が行われる。
従って、ハンチング現象等を生じさせる自動耕深制御の性能劣化を有効に防止することができる。
又、斯かる構成によれば、自動耕深制御性能の劣化を有効に防止しつつ、自動耕深制御及び自動傾き制御を平行して実行することができる。従って、前記ロータリ耕耘機400の姿勢制御の反応速度を良好に維持することができる。
【0066】
(第2実施形態)
以下、本発明に係る姿勢制御装置の第2実施形態について説明する。
図13に、第2実施形態に係る姿勢制御装置のブロック図を示す。
又、図14に、該姿勢制御装置による制御フローを示すフローチャートを示す。
なお、前記第1実施形態におけると同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0067】
第2実施形態に係る姿勢制御装置は、前記自動耕深制御及び前記自動傾き制御の双方を実行する際には、前記自動傾き制御を優先実行して前記ロータリー耕耘機400を前記設定傾斜状態ts(図9参照)にさせた後に、前記自動耕深制御を実行するように構成されている。
具体的には、該姿勢制御装置は、前記第1実施形態に係る姿勢制御装置において、姿勢制御コントローラ600の代わりに姿勢制御コントローラ600’を備えている。
図13に示すように、該姿勢制御コントローラ600’は、前記ROM602に代えてROM602’を設けた以外は前記第1実施形態に係る姿勢制御コントローラ600と実質的に同じものである。
【0068】
ROM602’は、制御プログラムP’等を格納したり、前記第1実施形態で用いた換算式と同様の自動傾き制御用換算式及び自動耕深制御用換算式に関する所定のデータ等を記憶するものである。
【0069】
次に、図14を参照しながら前記姿勢制御コントローラ600’による前記ロータリー耕耘機400の姿勢制御動作の一例を以下に詳述する。
【0070】
先ず、前記作業機ポジションセンサ622による左右傾斜角度φの検出値を読み込む(ステップS1’)。
【0071】
次に、前記作業機ポジションセンサ622による前記ロータリー耕耘機400の左右傾斜角度φの検出値が前記傾斜設定器623で予め設定された目標左右傾斜角度φsになるように、自動傾き制御量αを算出する(ステップS2’)。
具体的には、前記ROM602’から前記自動傾き制御用換算式を読み出し、該読み出された自動傾き制御用換算式を用いて、前記傾斜偏差Δφを前記自動傾き制御量αに換算する。
【0072】
前記ステップS2’で得られた前記自動傾き制御量αによって前記傾斜制御油圧シリンダ240を作動させて前記自動傾き制御を実行する(ステップS3’)。
具体的には、前記傾斜制御電磁弁504を作動させ、前記傾斜制御油圧シリンダ240による前記ロータリー耕耘機400の左傾斜(左側が下降、右側が上昇)又は右傾斜(右側が下降、左側が上昇)の動作を実行する。このとき、前記傾斜制御油圧シリンダ240の制御量が前記手段P1’で得られた前記自動傾き制御量αとなるように、前記左リフトロッド231と該左ロアーリンク311との連結点Dを支点Qとして、該ロータリー耕耘機400を傾動させる。これにより、前記ロータリー耕耘機400は設定傾斜状態ts(図9中破線の状態)にされる。
【0073】
次に、前記ステップS3’で前記自動傾き制御が実行された後の前記リヤカバーセンサ624による上下回動角度θの検出値を読み込む(ステップS4’)。
【0074】
前記ステップS4’で読み込まれた前記リヤカバーセンサ624の上下回動角度θの検出値が前記耕深設定器626で予め設定された目標上下回動角度θsになるように、自動耕深制御量βを算出する(ステップS5’)。
具体的には、前記ROM602’から前記自動耕深制御用換算式を読み出し、該読み出された自動耕深制御用換算式を用いて、前記耕深偏差Δθを前記自動耕深制御量βに換算する。
【0075】
前記ステップS5’で得られた自動耕深制御量βによって前記昇降制御油圧シリンダ220を作動させて前記自動耕深制御に実行する(ステップS6’)。
具体的には、前記上昇制御電磁弁502又は前記下降制御電磁弁503を作動させ、前記昇降制御油圧シリンダ220による前記ロータリー耕耘機400の下降又は上昇の動作を実行する。このとき、前記昇降制御油圧シリンダ220の制御量が前記手段P5’で得られた前記自動耕深制御量βとなるように、前記左右一対のリフトアーム221,222の車輌左右方向に沿った回動軸回りの揺動によって、前記ロータリー耕耘機400を昇降させる。図9に示す例では、前記リヤカバーセンサ624による検出値が前記ロータリー耕耘機400を設定傾斜状態にさせた後に読み込まれる為、該ロータリー耕耘機400はΔh’だけ下降することになる。
【0076】
そして、自動制御作動中のときは(ステップS7’)、ステップS1’〜ステップS6’までの動作を順次繰り返し、自動制御の作動が終了(図示しない自動制御スイッチをOFF操作)したときには(ステップS7’)、前記姿勢制御が終了する。
【0077】
このように、前記第2実施形態に係る姿勢制御装置では、自動耕深制御及び自動傾き制御の双方が実行される際には、前記自動傾き制御を優先実行して前記ロータリ耕耘機400を前記設定傾斜状態tsにさせた後に、前記自動耕深制御を実行するように構成したので、耕深偏差Δh及び傾斜偏差Δφが同時に発生した場合であっても、自動傾き制御に伴う耕耘機の耕深位置変動の影響を受けない状態で、該ロータリ耕耘機400の自動耕深制御が行われる。
従って、ハンチング現象等を生じさせる自動耕深制御の性能劣化を有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】図1は、本実施の形態に係る姿勢制御装置が適用される作業車輌の一例である農作業用トラクタの概略側面図である。
【図2】図2は、図1に示すトラクタの概略平面図である。
【図3】図3は、図1に示すトラクタにおける耕耘機用昇降機構の概略側面図である。
【図4】図4は、図3に示す耕耘機用昇降機構の概略平面図である。
【図5】図5は、ロータリー耕耘機の図2におけるV−V線に沿った概略断面図である。
【図6】図6は、ロータリー耕耘機の概略背面図である。
【図7】図7は、トラクタの油圧回路図である。
【図8】図8は、第1実施形態に係る姿勢制御装置のブロック図である。
【図9】図9は、ロータリー耕耘機の模式背面図である。
【図10】図10は、ロータリー耕耘機の模式側面図である。
【図11】図11は、第1実施形態の姿勢制御コントローラによる姿勢制御の流れを示すフローチャートである。
【図12】図12は、第1実施形態におけるロータリー耕耘機を姿勢制御する際の制御ブロック図である。
【図13】図13は、第2実施形態に係る姿勢制御装置のブロック図を示す。
【図14】図14は、第2実施形態に係る姿勢制御装置による制御フローを示すフローチャートである。
【図15】図15は、従来の姿勢制御装置の一例の概略構成を説明する図である。図15(a)は、その左側面図であり、図15(b)は、その平面図である。
【図16】図16(a)は、図15に示すロータリー耕耘機の耕深位置が耕深深さ設定手段による設定耕深位置に対してΔhだけ深く、且つ、該ロータリー耕耘機の傾斜状態が傾斜設定手段による設定傾斜状態(設定傾斜値)値に対して角度Δφだけ左右方向一方側へ変位している状態を示す図である。また図16(b)は、図16(a)のロータリー耕耘機に対して自動傾き制御及び自動耕深制御を実行した後の状態を示す図である。
【符号の説明】
【0079】
50…車輌本体 220…昇降用アクチュエータ 240…傾動用アクチュエータ
400…作業機 600,600’…制御手段 622…傾斜状態検出手段
623…傾斜設定手段 624…耕深位置検出手段 626…耕深深さ設定手段




 

 


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