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発明の名称 コンバイン
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−75010(P2007−75010A)
公開日 平成19年3月29日(2007.3.29)
出願番号 特願2005−267490(P2005−267490)
出願日 平成17年9月14日(2005.9.14)
代理人 【識別番号】100080160
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
発明者 笹浦 寛之 / 藤本 俊徳
要約 課題
手作業で穀稈をコンバインに供給するときに余裕をもってフィードチェンの動作を制御することができ、脱穀作業の効率性と安全性に優れたコンバインを提供する。

解決手段
車体前方に設けられた刈取部3と、刈取部3で刈り取られた穀稈を車体上の脱穀部に搬送するフィードチェン9と、開閉可能に設けられ手作業で刈り取られた穀稈をフィードチェン9に導入する供給ガイド250とを備えたコンバイン1において、供給ガイド250の開閉状態及び刈取部3の駆動状態を検出してフィードチェン9の駆動状態を制御する制部を設けた。
特許請求の範囲
【請求項1】
圃場を走行しながら植立した穀稈を刈り取る車体前方に設けられた刈取部と、前記刈取部で刈り取られた穀稈を車体上の脱穀部に搬送するフィードチェンと、前記フィードチェンの搬送上流側に開閉可能に設けられ手作業で刈り取られて投入された穀稈を前記フィードチェンに導入する供給ガイドと、前記供給ガイドの開閉状態を検出して前記フィードチェンの駆動状態を制御する制御部とを具備することを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記刈取部の駆動状態及び前記供給ガイドの開閉状態を検出して前記フィードチェンの駆動状態を制御する制御部と、前記供給ガイドの開放状態で前記刈取部が駆動されることを条件に警告を発する警告部とを具備することを特徴とする請求項1記載のコンバイン。
【請求項3】
前記車体上の運転部の近傍に、供給ガイドの開閉操作をするための操作手段を配設したことを特徴とする請求項1又は2記載のコンバイン。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は圃場などから手作業(手扱ぎ作業)で刈り取られた穀稈をフィードチェンに供給するための供給ガイドが設けられたコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のコンバインとして、刈り取られた穀稈の脱穀を行う脱穀部の一側方側にフィードチェンを備え、該フィードチェンによって穀稈の株元を挟持しながら車体側面などに沿って搬送するとともに、フィードチェンの搬送上流側へ穀稈を供給するためのプレガイドなどの供給ガイドを備えたものが知られている。
また、このようなコンバインは一般に、走行しながら刈り取った穀稈を、フィードチェンを介して脱穀部に搬送して脱穀を行う走行作業に加えて、予め手作業等により刈り取った穀稈をフィードチェン前部に設けられた供給ガイドに供給して脱穀を行う手扱ぎ作業を可能としている。
【0003】
このような手扱ぎ作業を行う場合には、供給ガイドが走行作業を行う位置(刈取部によって刈り取って脱穀部へ搬送して作業を行う走行作業位置)のままであれば、供給ガイドがフィードチェンに穀稈を供給する妨げとなってしまう。したがって、手扱ぎ作業時には、走行作業位置から穀稈の供給の妨げとならない位置(手扱ぎ作業位置)に供給ガイドを退避させる必要がある。このようなコンバインの手扱ぎ作業における供給ガイドに関連した技術として例えば、以下のようなものが開示されている。
【0004】
特許文献1には、脱穀部の側方に配設されるフィードチェンの搬送上流側の上方に、穀稈をフィードチェンに供給するためのガイドを設け、前記ガイドを、フィードチェン前部を支点として上方に回動可能に構成し、該ガイドと操縦部近傍に設けた回動操作具を連動連結して、ガイドの回動操作を容易に行えるようにしたコンバインが開示されている。
【特許文献1】特開2005−102562号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の特許文献1などに記載のコンバインでは、作業者が藁束を供給ガイドに投入する場合、フィードチェンが回転されているので、藁束を供給口で整える前に脱穀に取り込まれ、搬送姿勢の乱れで脱穀ミスが生じることがあった。すなわち、稗元をガイドで付勢した後にフィードチェンが駆動されることとなるので、わざわざ人が藁束を整えて送り込む必要があった。また、誤って供給ガイドが上方へ回動された状態で通常の刈取作業を行ってしまう恐れもあり、脱穀の供給口で穀稈が機外にこぼれたり、詰まらせたりしてしまい作業効率を低下させるという問題があった。
【0006】
本発明は前記従来の課題を解決するためになされたもので、手作業で穀稈をコンバインに供給するときに余裕をもってフィードチェンの動作を制御することができるとともに、穀稈を機外にこぼしたり、または詰まらせたりするようなトラブルがなく、脱穀作業の効率性と安全性に優れたコンバインを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)前記従来の課題を解決するためになされた本発明のコンバインは、圃場を走行しながら植立した穀稈を刈り取る車体前方に設けられた刈取部と、前記刈取部で刈り取られた穀稈を車体上の脱穀部に搬送するフィードチェンと、前記フィードチェンの搬送上流側に開閉可能に設けられ手作業で刈り取られて投入された穀稈を前記フィードチェンに導入する供給ガイドと、前記供給ガイドの開閉状態を検出して前記フィードチェンの駆動状態を制御する制御部とを具備するように構成されている。
【0008】
(2)本発明のコンバインは、前記(1)において、前記刈取部の駆動状態及び前記供給ガイドの開閉状態を検出して前記フィードチェンの駆動状態を制御する制御部と、前記供給ガイドの開放状態で前記刈取部が駆動されることを条件に警告を発する警告部とを具備することにも特徴を有している。
【0009】
(3)本発明のコンバインは、前記(1)又は(2)において、前記車体上の運転部の近傍に、供給ガイドの開閉操作をするための操作手段を配設したことにも特徴を有している。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、手作業で刈り取られて投入された穀稈をフィードチェンに導入するための供給ガイドの開閉状態を検出してフィードチェンの駆動状態を制御するので、手作業で穀稈をコンバインに供給するときに余裕をもってフィードチェンを動作させることができ、脱穀作業の効率性に優れたコンバインを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本実施の形態に係るコンバインは、圃場を走行しながら植立した穀稈を刈り取るための車体前方に設けられた刈取部と、前記刈取部で刈り取られた穀稈を車体上の脱穀部に搬送するためのフィードチェンと、前記フィードチェンの搬送上流側に開閉可能に設けられ手作業で刈り取られた穀稈を前記フィードチェンに導入するための供給ガイドと、前記供給ガイドの開閉状態及び前記刈取部の駆動状態を検出して前記フィードチェンの駆動状態を制御する制御部と、有している。これによって、コンバインが走行して田圃に刈り残した穀稈を副作業者などが取り込んでコンバインに供給するときにフィードチェンを安全にかつ余裕をもって動作させることができる。
【0012】
すなわち、従来のコンバインでは、作業者が藁束などの穀稈を供給口にのせるときにフィードチェンが回転されているので、藁束を供給口で整える前に脱穀に取り込まれ、搬送姿勢の乱れで脱穀ミスをすることがあったが、本発明のものでは供給口で藁束を整えた後に供給ガイドを押し下げることによってフィードチェンを回転させることができるので、藁束を慌てて整えることなく脱穀することができる。また、供給ガイドの回動動作によって、フィードチェンのON・OFFスイッチとすることができるため、作業者が藁束を整えて送り込む必要がなく、作業効率に優れている。
【0013】
刈取部は、走行するコンバインの前方に配置された穀稈を刈り取るための装置であって、例えば、圃場に植立された複数条の穀稈を引起すための穀稈引起し装置や、引起された穀稈の根元を刈り取るためのバリカン刃状に動作する刈刃装置などを備えている。
【0014】
フィードチェンは、作業者が手作業などで刈り取ったリ、前記刈取部で刈り取られたりした穀稈を車体上の脱穀部に搬送するための無端ベルト状などに形成された穀稈搬送装置の一部である。この搬送装置においては、走行されるフィードチェンに対向して固定配置される挟扼杆とこのフィードチェンとによって、刈り取られた穀稈の株元側を挟扼し、この挟扼杆とフィードチェンとが対向した部分を穀稈が搬送される搬送経路としている。そして、車体上の脱穀部にて穀稈の株元側を拘束しつつ、穀稈の先端側が扱胴の下方に挿入されて、扱胴の回転により脱粒が行われ、受網から穀粒や藁屑等が漏下するようになっている。脱粒された後の排藁は、フィードチェンの後端部から排藁搬送装置などを介して排出されるようになっている。
【0015】
供給ガイドは、前記フィードチェンの搬送上流側に開閉可能に設けられ、手作業で刈り取られた穀稈を前記フィードチェンにスムーズに導入するためのガイド機能を備え、走行するフィードチェンを作業者から保護するための保護カバーとしての機能も有している。供給ガイドは、例えば側面視ソリ状に形成されその前端部が上方に屈曲して穀稈を案内するための穀稈押さえ棒と、前記挟扼杆を支持する支持杆の先端部のブラケットに回転可能に支持された支持フレームや、バネ等からなる。フィードチェンの走行作業位置では、フィードチェンの搬送上流側と穀稈押さえ棒とが側面視で重複して配設され、穀稈押さえ棒は、フィードチェンの搬送上流側に沿うように開閉可能に配置されている。
【0016】
制御部は、前記供給ガイドの開閉状態を検出するためのリミットスイッチなどのセンサを備え、前記供給ガイドがオープン状態のときにオフとなり、閉止状態のときにオンとなるようなオンオフ信号などに基づいて前記フィードチェンを駆動させるエンジンやモータなどの駆動部を制御するようになっている。
【0017】
本実施の形態に係るコンバインは、前記刈取部の駆動状態及び前記供給ガイドの開閉状態を検出して前記フィードチェンの駆動状態を制御する制御部と、前記供給ガイドの開放状態で前記刈取部が駆動されることを条件に警告を発する警告部とを具備することもできる。これによって、供給ガイドをオープンしたままで刈取作業を行おうとすると、液晶モニタに「供給ガイドを収納してください」等の警告メッセージを表示したり警告音を鳴らしたりするようにして、周囲に注意を喚起することができる。
すなわち、誤って供給ガイドが上方へ回動された状態で、通常の刈取作業を行い脱穀の供給口で穀稈が機外にこぼれたり、または詰まらせたりしてしまうケースがあるが、本実施の形態では警告を発することでこのようなトラブルを防止することができる。
【0018】
警告部は、運転部やその近傍などに設けた液晶モニタやスピーカ、ブザーなどを備えている。こうしてコンバインの動きを制御するための制御部を介して、刈取部や供給ガイドに設けられた各センサからそれぞれ信号を受信して、それぞれの動作条件に応じて警告部が制御されるようになっている。
【0019】
本実施の形態に係るコンバインは、車体上の運転部の近傍に、供給ガイドの開閉操作をするための操作手段を配設することもできる。これによって以下の作用効果を奏することができる。
(1)運転部にて操作手段を手元操作することにより、供給ガイドを適宜開閉操作することができる。従って、例えば、オペレータは、運転部にて操作手段を手元操作して供給ガイドを開放状態となすことにより、制御部を介してフィードチェンの駆動を停止させることができ、同状態にて、運転部からフィードチェンの搬送上流側の近傍に移動し、その後、手作業にて穀稈をフィードチェンの搬送上流側に配置すると共に、供給ガイドを閉塞状態に復帰させることにより、制御部を介してフィードチェンを駆動させて、穀稈を脱穀部に搬送させることができる。
【0020】
(2)供給ガイドを閉塞状態に復帰させるのを忘れたまま、刈取部を駆動させて作業を開始した場合には、警告部から警告が発せられるが、運転部において操作手段を手元操作することにより、開閉ガイドを速やかに閉塞状態に復帰させて、警告部の警告を解除することができる。
【0021】
操作手段は、車体上の運転部の近傍に設けられた操作レバーや、モータ駆動用のスイッチボタンなどであって、この操作手段を作業者が操作することによって供給ガイドを開閉させるようになっている。
【0022】
次に、本発明の実施の形態に係るコンバインについて図面を参照しながらさらに具体的に説明する。図1は本発明の一実施例に係るコンバインの全体左側面図、図2は同じく全体平面図、図3は同じく全体右側面図、図4は脱穀部および選別部の左側面模式図、図5はエンジンから排出オーガまでの動力伝達経路を示す模式図、図6は穀稈搬送装置の側面図、図7は挟扼杆を示す側面図、図8は同じく後部拡大図、図9はフィードチェンフレームの構成を示す側面図、図10は供給ガイドを示す側面図、図11は同じく正面図である。
【0023】
まず、本発明の実施の形態に係るコンバインの全体構成について、図1〜図5を参照して説明する。本実施の形態のコンバイン1上には機体フレーム2が載置され、該機体フレーム2前端に穀稈の引起機能を備えた刈取部3が昇降可能に配設されている。刈取部3はその前端に分草板4を突出して穀稈を分草し、その後部に引起しケース5を立設して該引起しケース5より突出したタイン6の回転により穀稈を引き起こし、前記分草板4後部に配設した刈刃7にて株元を刈り取るようにしている。
【0024】
刈り取られた穀稈は、上部搬送装置、下部搬送装置、縦搬送装置8にて後部へ搬送され、該縦搬送装置8の上端から株元側が穀稈搬送装置170のフィードチェン9に受け継がれ、扱胴供給始端部280を介して脱穀部20および選別部30からなる脱穀装置内に穀稈が搬送される。
【0025】
なお、フィードチェン9における穀稈が供給される搬送上流側には供給ガイド250が開閉可能に設けられている。こうして、作業者は供給ガイド250を上方に回動させることで、圃場に刈り残した穀稈をこの開放口に投入して脱穀部20に供給することができるようになっている。また、コンバイン1には供給ガイド250の開閉状態を検出するためのリミットスイッチ301(図10参照)と、刈取部3の駆動状態を検出するためのセンサなどを備えた制御部が設けられているとともに、図12に示す運転部14のハンドル302の近傍(本実施の形態ではハンドル302の中心部)に設けられた液晶モニタ300や警告ブザー、スピーカなどの警告部を有している。
【0026】
そして、フィードチェン9後端には排藁搬送チェーン10を備える排藁搬送装置320が配設され、該排藁搬送チェーン10後部下方には排藁カッター装置321、拡散コンベア等からなる排藁処理部11が形成され、排藁を切断して藁片にした後、拡散しながら圃場に均一放出し、或いは切断せずに放出するようにしている。
【0027】
また、脱穀部20側部には選別後の精粒を貯留するグレンタンク13が配設され、グレンタンク13前部には操縦部を覆う運転部14が配設されている。つまり、運転部14は進行方向機体右前方に配置されている。一方、グレンタンク13後部には排出オーガ15の縦オーガ15aが立設され、縦オーガ15aを中心にして排出オーガ15及びグレンタンク13が側方へ回動可能とし、グレンタンク13を側方へ回動することにより本機内部側に配置した駆動系や油圧系のメンテナンスを容易にしている。
【0028】
そして、グレンタンク13の底部には排出コンベア16が前後方向に配設され、排出コンベア16の後部が縦オーガ15aの下部に連通されるとともに、排出コンベア16後部から排出オーガ15に動力が伝達されて、排出オーガ15先端よりトラック等へグレンタンク13内の穀粒を排出できるようにしている。更に、脱穀部20下方には、選別部30が配設され、脱穀部20から流下する穀粒や藁屑等から穀粒を選別し、精粒を前記グレンタンク13に搬送したり、藁屑等を機外に排出したりして前記グレンタンク13に搬送するようにしている。
【0029】
ここで、エンジン60からグレンタンク13および排出オーガ15への駆動力伝達経路について、図5を用いて説明する。
エンジン60の前方出力軸60aは、コンバイン1を駆動するための走行用ミッションケース61の入力軸と連結され、コンバイン1へ駆動力を伝達する。一方、後方出力軸60bには、脱穀部20や選別部30へ駆動力を伝達するためのプーリ62と、グレンタンク13および排出オーガ15へ駆動力を伝達するためのプーリ63とが嵌設されている。該プーリ62は、カウンターケース108から突出する入力軸108aに固設された入力プーリ109にVベルト110を介して連結され、該カウンターケース108の入力軸108aにエンジン60の駆動力の一部が伝達されるようにしている。こうして、エンジン60からの動力をカウンターケース108を介して各処理系に伝達し、扱胴22や唐箕32、一番コンベア41、フィードチェン9、引起し・刈取部3の搬送装置や刈刃7等を駆動可能としている。カウンターケース108は各処理系へ適正速度を分配可能とするものであり、図2に示すように、エンジン60の左側方、且つ脱穀部20の前方に配設されている。
【0030】
グレンタンク13の底部前面はエンジン60の略後方に位置し、グレンタンク13の底部前壁面には駆動部となる駆動ケース64が配設されている。そして、駆動ケース入力軸65が駆動ケース64から機体前方へ突出し、駆動ケース入力軸65の前端にはプーリ66が嵌設される。
【0031】
前記後方出力軸60b後端に嵌設されたプーリ63と、駆動ケース入力軸65前端に嵌設されたプーリ66とにVベルト67が巻回され、エンジン60の駆動力の一部が駆動ケース64の入力軸65に伝達される。
【0032】
また、プーリ63とプーリ66の間には、Vベルト67のテンションプーリを兼ねるオーガクラッチ68が設けられ、駆動力を駆動ケース64より下流側へ伝達・遮断可能に構成される。
【0033】
駆動ケース64内には互いに噛合する平歯車69a・69bが収納されており、平歯車69aは駆動ケース64に軸支された前記入力軸65の後端に外嵌固定され、平歯車69bは排出コンベア16の前端に嵌設された回転軸であるコンベア駆動軸70に外嵌固定される。
【0034】
排出コンベア16の後端にはベベルギア71が嵌設され、縦オーガ15a内のスクリュー式の縦送りコンベア72下端に嵌設されたベベルギア73と噛合している。一方、縦送りコンベア72上端にはベベルギア74が嵌設され、該ベベルギア74と噛合するベベルギア75、チェーンやスプロケットを内設する中間ケース76、続いてベベルギア77・78を経て穀粒排出オーガ15内のスクリュー式の横送りコンベア79を回転駆動する。
【0035】
このように構成することにより、グレンタンク13に貯溜された穀物は排出コンベア16により後方に搬送され、グレンタンク13後方に位置する縦オーガ15aを経て、穀粒排出オーガ15先端から強制的に排出される。
【0036】
排出コンベア16の略上方には正面視傘型のコンベアカバーが配置され、その長手方向の両端がグレンタンク13の底部前壁面および底部後壁面に固定される。グレンタンク13が排出コンベア16を作動させて穀粒を排出するときは、該グレンタンク13内を流下する穀粒の流れがコンベアカバーにより正面視で左右に分けられ、排出コンベア16に穀粒の荷重が真上からかからないので、排出コンベア16の負荷および穀粒の損傷を軽減することが可能である。
【0037】
次に、脱穀部20について図4を用いて説明する。脱穀部20に形成された扱室21には、機体の前後方向に軸架された略円柱形状の扱胴22が設けられ、該扱胴22の外周面には扱歯22a・22a・・・が植設されている。そして、該扱胴22の下部周辺を覆うように半円形状の受網23が着脱可能に周設されている。一方、フィードチェン9により、穀稈の株元側が拘束されつつ、穀稈の先端側が扱胴22の下方に挿入されて穀稈が機体後方に搬送される。このとき、扱胴22の回転により脱粒が行われ、受網23から穀粒や藁屑等が漏下するようにしている。
【0038】
前記扱室21を被覆する扱室カバー21aの内周面には送塵弁24が左右幅方向に適宜間隔を開けて設けられ、上下方向の回動支点を中心に回動自在に枢支されている。そして、該送塵弁24を回動操作することにより、穀稈が扱室21内を移動する時間を穀稈の品種や穀稈の状態に合わせて調整することを可能としている。
【0039】
そして、前記扱胴22の後部の側方(グレンタンク13側、本実施例では機体進行方向右側)から後方には、処理室25が形成され、該処理室25内には略円柱形状に構成した送塵口処理胴26が扱胴22と平行となるように、扱胴22の後部の側方で前後方向に横架・軸支されている。また、扱胴22を覆って扱室21を形成する扱胴ケースの後部(右)側面、及び、送塵口処理胴26を覆って処理室25を形成する処理胴ケースの前部(左)側面には送塵口27が開口され、扱室21と処理室25が連通されている。そして、該送塵口処理胴26の下部周辺を覆うように半円形状の処理胴網28が周設されている。こうして、扱胴22で処理できなかった枝梗付着粒等の未処理物は、送塵口27より処理室25内に搬送されて処理され、前記処理胴網28に設けられた孔(網目)を通過して処理物のみが漏下するようにしている。
【0040】
また、送塵口処理胴26の後端部の外周面には前後に長い板体より成る羽体26aが固設されている。該羽体26aは、該送塵口処理胴26と一体的に回転し、送塵口処理胴26により処理室25後方まで搬送されてきた藁屑は該羽体26aの回転によって跳ね飛ばされ、送塵口処理胴26の下方に排出され、図示せぬガイド板によって機体外部に案内される。
【0041】
前記処理胴網28の下方には、送塵搬送コンベア29が前後方向に軸架されている。送塵搬送コンベア29はスクリュー式のコンベアであり、該送塵搬送コンベア29によって、処理胴網28に設けられた孔(網目)を通過して下方に落下してきた処理物は、機体前方(すなわち、送塵口処理胴26の搬送方向とは逆の方向)に向かって搬送されて、送塵搬送コンベア29前端に設けられた排塵口29aより選別部30に再投入される。
【0042】
そして、前記扱胴22の後方には出口仕切板52が配設され、該出口仕切板52の下部であって扱胴受網23の延長線上後方には篩分装置120が配設されて、稈切れの防止が図られている。
【0043】
前記篩分装置120は側面視において扱胴22と吸引ファン40の間であって、送塵口処理胴26の側方、且つチャフシーブ38を備えた揺動選別装置31の上方に配設されている。そして、篩分装置120は扱胴22の下後端の直ぐ後方に配置されて、扱胴22下方の風路を抜けた選別風が、それよりも広い風路に出るところに位置している。
【0044】
また、図4に示すように、前記揺動選別装置31下方の前後途中位置には、左右方向に一番コンベア41と二番コンベア42とが横設される。一番コンベア41と二番コンベア42との位置関係は、一番コンベア41が唐箕32に近い側(機枠33の前部)、二番コンベア42が唐箕32から遠い側(機枠33の後部)となる。
【0045】
一番コンベア41の右端部にはその長手方向(搬送方向)が略上下方向となるように設けられた揚穀コンベア44が連結され、該揚穀コンベア44の上端はグレンタンク13内と連通している。
【0046】
次に、穀稈搬送装置170について図6〜図8を用いて説明する。穀稈搬送装置170は、上述の脱穀部20において、刈り取った穀稈の一端(株元側)を挟扼しながら搬送するためのものであり、刈取部3で刈り取った穀稈を排藁搬送装置320の排藁搬送チェーン10まで搬送するフィードチェン9と、該フィードチェン9上方に配設され、搬送されている穀稈を挟扼する挟扼杆171と、該挟扼杆171を本機側に対して弾性支持する複数の弾性支持体172・172・・・等とから構成されている。
【0047】
この穀稈搬送装置170においては、対向配置される挟扼杆171とフィードチェン9とによって、刈取部3で刈り取った穀稈の株元側を挟扼し、扱室21内の扱胴22によって脱穀する構成となっており、この挟扼杆171とフィードチェン9とが対向した部分を搬送経路としている。そして、脱穀部20にて脱粒された後の排藁は、フィードチェン9の後端部(下流側端部)において、排藁搬送装置320の排藁搬送チェーン10へと受け継がれ、この排藁搬送チェーン10によって排藁処理部11へと搬送される。
【0048】
挟扼杆171は、扱室カバー21aの機体進行方向左側端部においてステー173・173等によって固設される支持杆174と、該支持杆174に複数の弾性支持体172・172・・・を介して弾性支持されて設けられている。この挟扼杆171は、フィードチェン9に沿うように左右平行状に一対の板状部材が配置された形状となっており、フィードチェン9による搬送方向断面視逆U字状に形成されている。
【0049】
支持杆174は、中空の柱状部材であり、扱室カバー21a内左側において前後方向に長く、挟扼杆171と並列的に配置されるように形成されている。そして、この支持杆174の側面には一定間隔ごとに弾性支持体172・172・・・がその上部が支持されるとともに配設され、これら弾性支持体172・172・・・の下部に挟扼杆171が弾性支持されている。この弾性支持体172の下部は、挟扼杆171に連結ピン175で枢支されており、該弾性支持体172の上部は支持杆174よりも上方に延出されている。
【0050】
弾性支持体172は、図8に示すように、筒部176と、該筒部176内に挿嵌される筒状の軸受パイプ177と、該軸受パイプ177内を上下方向に摺動する摺動棒178等から構成され、摺動棒178の下端部には正面視門型の枢支体179が固設されている。この枢支体179によって、左右平行に板状部材が配された形状を有する挟扼杆171を連結する連結ピン175が枢支されている。さらに、筒部176にはバネ受け180が外嵌されている。このバネ受け180は、支持杆174の下部に位置しており、このバネ受け180と枢支体179との間の摺動棒178の外周面にバネ等の弾性体181が巻回され、挟扼杆171を下方(フィードチェン9側)に付勢している。つまり、軸受パイプ177内に上下方向に摺動可能に配設されている摺動棒178によって上下方向に移動可能となっている挟扼杆171の移動を、摺動棒178に外嵌される弾性体181によって弾性的なものとし、挟扼杆171がフィードチェン9側へ常に付勢され、搬送される穀稈を挟扼できる構成としている。そして、これらの弾性支持体172・172・・・は、搬送方向に対して等間隔に、かつ略鉛直方向に向けて付勢するように平行に配置されている。
【0051】
このように弾性支持体172によって下方に付勢されている挟扼杆171は、上述のように左右平行状に一対の板状部材が配置された形状となっており、左右それぞれの板状部材は、複数の挟扼杆ユニット182・182・・・が直列的に前記連結ピン175・175・・・によって連結された構成となっている。つまり、穀稈搬送方向に直列的に連結される挟扼杆ユニット182・182・・・は、それぞれの前端部及び後端部が上流側及び下流側に位置する挟扼杆ユニット182・182・・・と側面視において重なるように配置され、この重なっている部分が連結ピン175・175・・・によって枢支される。これらの挟扼杆ユニット182・182・・・の前端部及び後端部には、前後方向に長い長孔形状の取付孔182aが形成され、また、前記弾性支持体172の下端部に固設されている枢支体179には連結ピン175が嵌挿される取付孔が左右方向に形成されており、これら取付孔に連結ピン175が挿通されることで、弾性支持体172が挟扼杆171に固定されている。
【0052】
ところで、図7及び図8に示すように、挟扼杆171を構成する挟扼杆ユニット182・182・・・の後端、即ち搬送方向終端であって排藁搬送チェーン10への受継ぎ部に位置する挟扼杆ユニット183は、この受継ぎ部において穀稈を挟扼するために他の挟扼杆ユニット182・182・・・に比して搬送方向下流に向けて延設されている。
【0053】
この挟扼杆ユニット183は、その前端部は他の挟扼杆ユニット182・182・・・・・・と同様に弾性支持体172の後端部において支持されており、また、その前後中途部においては、他の弾性支持体172・172・・・とは付勢方向の異なる弾性支持体172´によって弾性支持されている。つまり、挟扼杆ユニット183の中途部においても、該挟扼杆ユニット183に形成された長孔形状の取付孔183aにピン184が嵌挿されて、弾性支持体172´の下端部に固設されている枢支体179を支持しているのである。
【0054】
この穀稈の搬送方向後端部、即ちフィードチェン9から排藁搬送チェーン10への受継ぎ部に配置される弾性支持体172´は、他の弾性支持体172・172・・・による略鉛直方向の付勢方向に対して角度θ1だけ前傾させており、この弾性支持体172´による付勢力が穀稈の搬送方向に対して略垂直となるように配置している。
【0055】
このように、後端部に位置し、挟扼杆ユニット183の中途部を支持する弾性支持体172´を前傾させ、排藁搬送チェーン10への受継ぎ部側の挟扼杆ユニット183を穀稈搬送方向に対して略垂直に付勢することで、フィードチェン9により後斜め上方に搬送される穀稈に対して鉛直方向に付勢する他の弾性支持体172と比較して、この弾性支持体172´の摺動棒178の摺動方向が挟扼杆ユニット183の移動方向により即した方向となり、弾性体181による付勢力がより有効に挟扼杆ユニット183に対して作用する。これにより、フィードチェン9から排藁搬送チェーン10への受継ぎ部における挟扼杆ユニット183の弾性的な移動が円滑なものとなり、この挟扼杆ユニット183による挟扼が、搬送されてくる穀稈の厚み等に対する追従性を増したものとなるので、この受継ぎ部における穀稈の乱れや稈こぼれが防止でき、フィードチェン9から排藁搬送チェーン10への受継ぎがよりスムーズなものとすることができる。すなわち、脱穀部20から排藁処理部11への排藁の搬送がよりスムーズなものとなるのである。
【0056】
続いて、前記フィードチェン9及びこれを支持するフィードチェンフレーム190の構成について図9を用いて説明する。図示するように、フィードチェン9は、フィードチェンフレーム190に備えられる複数のスプロケット191a・191b・191cに巻回されて構成されている。そして、該フィードチェン9は、その後端部(機体後方)に機体上下方向の回動中心を有し、前端部(機体前方)及び後端部には前ロック装置192及び後ロック装置193がそれぞれ設けられており、前記回動中心を回動軸として機体左側方に向けてフィードチェンフレーム190とともに開閉可能とされ、前ロック装置192及び後ロック装置193によって該フィードチェンフレーム190を機体側に固定する構造となっている。但し、前ロック装置192と後ロック装置193は連動することが可能であり、後ロック装置193は省くことも可能である。
【0057】
フィードチェンフレーム190は、機体前後方向に水平な横フレーム190aと、この横フレーム190aの前端で交わり後方に向かって延設して上り勾配を形成するフィードチェン9の内上側のガイドとしての斜フレーム190bと、横フレーム190aの後端部に固設された側面視コ字状にパイプを折り曲げて構成した回動支点フレーム190cと、補強フレーム190dとによって側面視略三角形状に構成されている。
【0058】
そして、前記横フレーム190aと斜フレーム190bの前端側面には前補強板194が溶接等によって固設されている。また、斜フレーム190bの後端部及び補強フレーム190dの前上部は、後補強板195にそれぞれ溶接によって固定されている。つまり、横フレーム190a及び斜フレーム190bのそれぞれの前端部が前補強板194を介して溶接によって連結固定され、また、斜フレーム190bの後端部と補強フレーム190dの前上部とが後補強板195を介して溶接によって固定されているのである。
【0059】
このように、フィードチェンフレーム190を構成する横フレーム190aと斜フレーム190b、及び斜フレーム190bと補強フレーム190dを、前後の補強板194・195を介して溶接により固定して補強することで、ボルト締結等の場合と比較してフィードチェンフレーム190の強度を増すことができる。これにより、ボルト締結の場合等のように、強度不足を解消するために各フレームのサイズを大きくする必要もなくなり、フィードチェンフレーム190の重量増加を防ぐことができる。
【0060】
さらに、横フレーム190aと斜フレーム190bとの間には、上下方向に複数(本実施例では3本)のパイプ等から構成した補強部材196a・196b・196cが前後平行に架設されている。これら補強部材196a・196b・196cは、それぞれの下端部が横フレーム190aの上面に、上端部が斜フレーム190bの下面にそれぞれ溶接等によって固定され、横フレーム190aと斜フレーム190bとを連結して強度アップを図っている。
【0061】
また、前記回動支点フレーム190cは、機体側に固設された背面視略逆コ字状にパイプを折り曲げて構成した支持フレーム197に設けられた上下二箇所の支持部200・200によって支持され、前記フィードチェンフレーム190が機体に対して側方外側に回動可能な構成となっている。なお、支持フレーム197と機体側の後部側壁198との間には補強板199・199が架設されて補強している。
【0062】
そして、図9に示すように、斜フレーム190bの前端及び上後端には従動スプロケット191a・191bが回転自在に備えられ、従動スプロケット191bは、斜フレーム190b等にボルト等によって固設されたガード202により側方が覆われている。
【0063】
また、前記支持アーム204の前下部に回動アーム206の一端が枢支され、該回動アーム206の他端にテンションスプロケット191dが回転自在に枢支されており、このテンションスプロケット191dは駆動スプロケット191cと従動スプロケット191aとの間に配置されている。テンションスプロケット191dの回転軸には、ステー等の係止部を介してバネ207の一端が係止されており、バネ207の他端はアジャスタ208の一端に係止されている。該アジャスタ208の他端は前記横フレーム190aの中途部に立設されたステー209に長さ調節可能に取り付けられている。
【0064】
以上のように、従動スプロケット191a・191bと駆動スプロケット191cにフィードチェン9を巻回し、テンションスプロケット191dによってフィードチェン9の張力を調整可能にして、駆動スプロケット191cの回転により該フィードチェン9が回転される構成となっている。そして、各スプロケット191a・191b・191c・191dと、フィードチェン9とをフィードチェンフレーム190に支持する構成とし、該フィードチェンフレーム190を機体本体側の支持フレーム197に対して回動することによって、フィードチェンフレーム190とフィードチェン9とが一体となって回動開閉されるようになっている。
【0065】
次に、前記フィードチェン9の搬送上流側の上方に設けられ穀稈押さえ補助ガイドとしても機能する供給ガイド250について、図10及び図11を用いて説明する。
供給ガイド250は、穀稈押さえ棒251、支持フレーム252、連結棒253・254、バネ255等からなる。走行作業位置(後述)では、フィードチェン9の搬送上流側と穀稈押さえ棒251とが側面視で重複して配設されている。つまり、穀稈押さえ棒251は、フィードチェン9の搬送上流側に沿うように配置されている。
【0066】
穀稈押さえ棒251は、側面視ソリ状に構成されて、その前端部が上方に屈曲されて屈曲部が形成されており、この屈曲部により穀稈を案内して、穀稈押さえ棒251とフィードチェン9との間に穀稈を供給するようにしている。穀稈押さえ棒251は、その上方に配設される支持フレーム252と、連結棒253、254を介して支持されている。
【0067】
支持フレーム252は、前記挟扼杆171を支持する支持杆174の先端部のブラケットに回転可能に支持されている。即ち、該支持フレーム252はその後部と支持杆174前部に回動支軸256が設けられて、該回動支軸256を中心に回動可能となっている。
支持杆174にはこの回動支軸256を軸として回動される支持フレーム252の動きによってオンオフされるリミットスイッチ301が設けられて図示しない制御部に接続されており、このリミットスイッチ301を介して、供給ガイド250の開放状態と閉止状態とが制御部で検出できるようになっている。
また、制御部には、前記刈取部3の駆動状態を検出するためのセンサから信号が入力されてその駆動状態のデータが取得されるとともに、前記供給ガイド250の開閉状態のデータと合わせて液晶モニタ300などの警告部を作動させるための判定がなされるようになっている。なお単純な論理回路により前記警告部や各センサ部を連結構成して制御部とすることもできる。
【0068】
支持フレーム252は、断面略「コ」字状に形成され、この「コ」字状の開放された部分を下方に向けて配設されている。また、支持フレーム252の上面(「コ」字状の開放されていない部分)に連結棒254の挿通孔が穿設され、該挿通孔に連結棒254の上端部が挿通されて、該連結棒254の上端部が支持フレーム252の上面から突出している。この連結棒254は、支持フレーム252に対して、長手方向に移動可能となっている。また、連結棒254の上部には、バネ255が外嵌されており、該バネ255の下端側は連結棒254の中途部に固定されている。そして、連結棒254が上方に移動して、支持フレーム252の上面からの突出部分が長くなると、バネ255の付勢力がこの突出部分を短くするように作用する。バネ255、および連結棒254のバネ255が外嵌されている部分は、支持フレーム252に覆われている。
【0069】
さらに、連結棒253が支持フレーム252の側面に回動可能に取り付けられている。このため、供給ガイド250において、穀稈押さえ棒251は支持フレーム252に対して揺動可能となっている。このとき、バネ255が伸縮して、連結棒254の支持フレーム252上面からの突出長さが変化する。穀稈押さえ棒251は、供給ガイド250とフィードチェン9との穀稈の量、つまり、フィードチェン9の搬送上流側に供給される穀稈の量に応じて揺動する。
【0070】
このように構成される供給ガイド250は、フィードチェン9の搬送上流側において、前記回動支軸256を中心に回動可能となっており、図10の実線で示す走行作業位置(作用位置)(イ)と、2点鎖線で示す手扱ぎ作業位置(解除位置)(ロ)とに手動操作により切り換えることができる。供給ガイド250は、回動支軸256を中心に反時計方向(図10)に回動すると走行作業位置(イ)に切り換わり、一方、時計方向(図10)に回動すると手扱ぎ作業位置(ロ)に切り換わる。このとき、支持杆174などに設けられたリミットスイッチ301によって、供給ガイド250が走行作業位置(イ)と手扱ぎ作業位置(ロ)とのいずれにあるかを判定することができる。
【0071】
支持フレーム252に挿通されるピン258と、挟扼杆171を支持する支持杆174の先端部のブラケットに取り付けられるピン259との間にバネ257が介装されている。つまり、バネ257の一端側はピン258を介して支持フレーム252に連結され、他端側はピン259を介して支持杆174に連結されている。そして、バネ257は、供給ガイド250の回動とともに、ピン259を中心に回動する。
【0072】
このとき、ピン259と前記回動支軸256とを結ぶ直線の延長線(図10では、X−X線)上を境界として、バネ257の付勢方向が切り換わる。ピン258がX−X線よりも下方にある場合には、供給ガイド250には、該供給ガイド250を走行作業位置(イ)に保持しようとする付勢力が作用する。一方、ピン258がX−X線よりも上方にある場合には、供給ガイド250には、該供給ガイド250を手扱ぎ作業位置(ロ)に保持しようとする付勢力が作用する。
【0073】
このように、供給ガイド250の回動にともないバネ257の付勢方向が2段階に切り換わっている。所謂、支点越えの構成となっている。これにより、バネ257の付勢力により、一方では、供給ガイド250は、走行作業位置(イ)に確実に保持され、他方では、手扱ぎ作業位置(ロ)に確実に保持される。供給ガイド250が走行作業位置(イ)に保持されると、フィードチェン9搬送上流側の上方が供給ガイド250により覆われて、穀稈押さえ棒251がフィードチェン9の搬送上流側に沿った状態となる。走行作業位置(イ)は、走行しながら刈取部3で刈り取った穀稈をフィードチェン9に供給して脱穀を行う。
【0074】
他方、供給ガイド250を上方に回動して手扱ぎ作業位置(ロ)に保持されると、供給ガイド250がフィードチェン9の上方に収納されて、該フィードチェン9搬送上流側の上方が開放される。手扱ぎ作業位置(ロ)は、予め刈り取った穀稈を手作業でフィードチェン9に供給して脱穀を行う際に切り換えられる。
【0075】
供給ガイド250の走行作業位置(イ)と、手扱ぎ作業位置(ロ)との切り換えは、コンバイン1のフィードチェン9側(本実施例では機体右側)に位置する作業者によって行われる。また、本実施例では、供給ガイド250の切り換えを、運転部14内の運転者によっても行うことができるようにしている。この場合、運転者は、運転部14の近傍に設けた操作レバー261(操作手段)を操作することにより供給ガイド250を切り換える。
【0076】
ここで、操作レバー261による供給ガイド250の切換操作(回動操作)について説明する。操作レバー261は、運転部14の近傍、本実施例では、運転部14の後方であって、運転者の手の届く範囲内に配設されている。具体的には、運転部14の左後方であって扱室カバー21aの右前方、さらに言えば、機体左右略中央に配置されている。また、操作レバー261の上端部が扱室カバー21aから突出している(図1参照)。なお、操作レバー261の配置位置は、運転部14内でもよく、また、運転者14の手の届く範囲であれば、前述の位置に限定されない。
【0077】
操作レバー261下端が連結ロッド262の一端と連結固定され、連結ロッド262の他端が操作ロッド263の一端とピンにより回動可能に連結され、さらに、操作ロッド263の他端が供給ガイド250の支持フレーム252とピン264により回動可能に連結されている。
【0078】
連結ロッド262は、扱室カバー21aに回動可能に支持され、該連結ロッド262の両端部が扱室カバー21a上部側方から突出している。つまり、連結ロッド262が扱室カバー21aの上部を左右方向に貫通している。そして、供給ガイド250側に突出した部分が下方に折り曲げられて形成されている。
【0079】
このように、供給ガイド250は、リンク機構を介して、具体的には、連結ロッド262および操作ロッド263を介して操作レバー261と連結されている。これにより、運転部14から供給ガイド250に手が届かない場合であっても、供給ガイド250の切換操作を、運転者による操作レバー261の操作によって行うことを可能とし、前記バネ257によりその位置を保持している。なお、操作レバー261またはリンク機構をモータやシリンダ等のアクチュエータと連結して、該アクチュエータをスイッチ等の操作部材と接続して、ボタン操作等で切り換えるように構成することもできる。
【0080】
供給ガイド250は、図10の実線に示す直立位置に操作レバー261があれば、走行作業位置(イ)に切り換えられており、一方、図10の2点鎖線に示す傾倒位置に操作レバー261があれば、手扱ぎ作業位置(ロ)に切り換えられている。
【0081】
運転部14の運転者により、操作レバー261が直立位置から前方に向けて傾倒操作されると、連結ロッド262が反時計方向(図10)に回動し、操作ロッド263が後方に向けて移動する。これにより、供給ガイド250が回動支軸256を中心に時計方向(図10参照)に回動し、走行作業位置(イ)から手扱ぎ作業位置(ロ)に切り換わる。
【0082】
一方、操作レバー261が傾倒位置から後方に向けて操作されると、連結ロッド262が時計方向(図10参照)に回動し、操作ロッド263が前方に向けて移動する。これにより、供給ガイド250が回動支軸256を中心に反時計方向(図10参照)に回動し、手扱ぎ作業位置(ロ)から走行作業位置(イ)に切り換わる。
【0083】
このように、運転部14の近傍に操作レバー261を設けて、該操作レバー261の操作によって、供給ガイド250の回動操作を行って、走行作業位置(イ)と、手扱ぎ作業位置(ロ)との切り換えを行っている。これにより、運転部14内の運転者によっても容易に供給ガイド250の回動操作を行うことができる。例えば、フィードチェン9側に位置する副作業者が、刈り取った穀稈を両手に抱えている等の理由で両手が自由に動かせない場合であっても、運転者によって供給ガイド250を手扱ぎ作業位置(ロ)に切り換えて、手扱ぎ作業を行うことができる。また、手扱き作業終了後、副作業者が供給ガイド250を元に戻す操作を忘れても、運転者が操作レバー261を操作して元に戻すことができる。この結果、コンバイン1において、操作性および作業性の向上を図ることができる。なお、供給ガイド250は副作業者が直接回動して走行作業位置(イ)と、手扱ぎ作業位置(ロ)に切り換えることもできる。また、本実施例では操作レバー261と供給ガイド250をリンク機構により連動連結しているが、ワイヤとバネ等によっても連動連結することが可能である。
【0084】
さらに、運転部14にて操作手段を手元操作することにより、供給ガイド250を適宜開閉操作することができる。例えば、作業者は、運転部14にて操作手段を手元操作して供給ガイド250を開放状態とすることにより、制御部を介してフィードチェンの駆動を停止させる。そしてこのようなフィードチェン9の停止状態において作業者が運転部14からフィードチェン9の搬送上流側の近傍に移動して手作業にて穀稈をフィードチェン9の搬送上流側に配置する。最後に、供給ガイド250を閉塞状態に復帰させることにより、制御部を介してフィードチェン9を駆動させて、穀稈を脱穀部に搬送させることができる。
また、供給ガイド250を閉塞状態に復帰させるのを忘れたまま、刈取部3を駆動させて作業を開始した場合には、警報ブザーなどの警告部から警告音が発せられるが、運転部14において操作手段を手元操作することにより、供給ガイド250を速やかに閉塞状態に復帰させて、警告部の警告を解除することができる。
【0085】
表1はコンバイン1における刈取部3や供給ガイド250などの各運転モードの設定状態を示している。このようにコンバイン1を管理する制御部などによって各要素からのセンサ信号を受信する。そして、表1に示すような運転テーブルにしたがって脱穀部の脱穀クラッチや刈取部の刈取クラッチなどが切り換えられ、フィードチェン(FC)回転の状態が制御部を介して設定されるようになっている。
【表1】


【0086】
例えば、脱穀クラッチレバーが「入位置」又は脱穀クラッチレバーが「入位置」、刈取クラッチレバーが「入位置」、副変速レバーが「N」などの手扱ぎ状態時では、フィードチェン(FC)が回転しており、作業者の衣服がフィードチェン9に引っ掛かり挟み込まれる恐れがあるが、フィードチェン9の供給ガイド250をオンすると、供給ガイド250に設けたリミットスイッチ301がこのオープン状態を検出して、フィードチェン9の回転を停止させる。これによって、作業者が安全にフィードチェン9上に稲ワラを置くことができる。また、供給ガイド250を収納させるとフィードチェン9が回転し、脱穀部20へ稲ワラを供給する。
【0087】
コンバインにおいて供給ガイドをオープンしたまま刈取作業を行うと、脱穀入口部に稲ワラが堆積したり、機外へ落ちたりして、脱穀部20に供給されない不具合が発生する。しかし、供給ガイド250をオープンしたまま、刈取作業を行おうとすると、液晶モニタ300に「供給ガイドを収納してください」等のメッセージや警報ブザーから警報音が鳴って、作業者に注意を促すことができる。この状態では刈取部3とフィードチェン9の駆動は切状態を維持し、刈取作業が行えないように制御部のプログラムが設定されており、刈取作業における安全性を確保することができる。
【0088】
以上説明したように本発明のコンバインは、作業者によって開閉される供給ガイドの開閉状態及び刈取部の駆動状態によって穀稈を脱穀部に搬送するフィードチェンの動作を安全に制御するようにしたことを要旨とするものであって、これに該当するものは本発明の権利範囲である。例えば本実施の形態では、警告部となる液晶モニタ300をコンバイン1の運転部14のハンドル302の中心部に設けたが、運転部14の前側や車体側面などに設けることもできる。また、液晶モニタ300をコンバイン上部に設けた点滅ランプやスピーカ、警報ブザーなどと連動して作動させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の一実施例に係るコンバインの全体左側面図。
【図2】同じく全体平面図。
【図3】同じく全体右側面図。
【図4】脱穀部および選別部の左側面模式図。
【図5】エンジンから排出オーガまでの動力伝達経路を示す模式図。
【図6】穀稈搬送装置の側面図。
【図7】挟扼杆を示す側面図。
【図8】同じく後部拡大図。
【図9】フィードチェンフレームの構成を示す側面図。
【図10】供給ガイドを示す側面図。
【図11】同じく正面図。
【図12】運転部の説明図。
【符号の説明】
【0090】
1 コンバイン
3 刈取部
9 フィードチェン
14 運転部
20 脱穀部
250 供給ガイド
261 操作レバー(操作手段)
300 液晶モニタ(警告部)
301 リミットスイッチ(制御部)




 

 


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