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コンバイン - ヤンマー株式会社
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発明の名称 コンバイン
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−75003(P2007−75003A)
公開日 平成19年3月29日(2007.3.29)
出願番号 特願2005−267442(P2005−267442)
出願日 平成17年9月14日(2005.9.14)
代理人 【識別番号】100079131
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 暁夫
発明者 神明 利幸
要約 課題
刈取部を開き回動させ得るコンバインにおいて、刈取部の開き回動時にこれを支持するブラケット装置を軽量で頑丈な構造にする。
解決手段
特許請求の範囲
【請求項1】
操縦席及び脱穀部を有すると共にエンジンを搭載した走行機体と、前記走行機体の前方に配置された刈取部とを備えており、走行機体の前部のうち左端寄り部位又は右端寄り部位に起立姿勢の鉛直支軸を立設しており、この鉛直支軸に、前記刈取部を支持した状態で水平回動し得る片持ち梁状のブラケット装置が装着されているコンバインであって、
前記ブラケット装置は、前記鉛直支軸に回転自在に嵌まったブッシュと、ブッシュから半径外向き方向に延びる上下複数本の中空状アームとを備えており、前記上下複数本の中空状アームを、それら中空状アームの片面又は両面に固着された補強板によって連結している、
コンバイン。
【請求項2】
前記ブラケット装置は上下2本の中空状アームを備えており、上方の中空状アームは水平状に配置されている一方、下方の中空状アームは、ブッシュに対する取付け箇所が最も低くて自由端に行くに従って高さが高くなるように傾斜させており、更に、前記補強板は、その上端は水平状に延び、下端は下アームの傾斜に倣って傾斜している、
請求項1に記載したコンバイン。
【請求項3】
前記各アームはそれぞれ角形鋼管からなっている、
請求項1又は2に記載したコンバイン。
【請求項4】
前記ブラケット装置には、平面視でブラケット装置と略平行でかつ略水平状に延びる第1筒体が、その軸心回りに回転可能な状態で取付けられており、この第1筒体の内部に、刈取部に動力を伝達するための第1駆動軸が同心状に配置されており、前記第1筒体には、当該第1筒体と略直交した姿勢で刈取部に向けて延びる第2筒体が固着されており、この第2筒体の内部に、ベベルギアを介して第1駆動軸の回転が伝達される第2駆動軸が同心状に配置されており、
更に、前記第2駆動軸のうち第1筒体から適宜離れた部位と、平面視で前後長手でかつ後端部を中心にして上下方向に回動するように走行機体に取付けられた油圧シリンダの前端とを相対回動可能に連結することにより、前記油圧シリンダの駆動によって刈取部が昇降することを許容している、
請求項1〜3のうちの何れかに記載したコンバイン。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本願発明は、乗用型コンバインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
稲用の乗用型コンバインは、クローラを備えた走行機体とその前方に高さ変更可能に配置した刈取部とを主要要素として構成されており、走行機体にはエンジンが搭載されていると共に、脱穀部やグレンタンク等を備えている。他方、刈取部は、分草体、タインを取付けた掻き上げチェン、カッター等を備えており、刈取部には、走行機体に設けたエンジンから動力が伝達される。
【0003】
刈取部を走行機体に高さ調節可能に取付ける構造としては、一般に、平面視で前後方向に延びる第2筒体に刈取部を取付けて、第2筒体を、その後端部を中心に上下回動するように走行機体に取付け、更に、第1筒体のうち回動支点よりも手前側の部分を、前後長手でかつ後端を中心にして上下回動するように走行機体に取付けられた油圧シリンダの前端(ピストンロッドの前端)に連結し、油圧シリンダで第2筒体を回動させることによって刈取部を昇降させている。
【0004】
そして、第2筒体の内部に配置した第2駆動軸の回転を通じて刈取部に動力を伝達するようになっており、また、第2筒体には左右横長の第1筒体が固定されており、第1筒体の内部に第1駆動軸を配置し、この第1駆動軸からベベルギアを介して前記第2駆動軸に動力を伝達し、更に、第1駆動軸にはベルトを介してエンジンからの動力が伝達されるようになっている。
【0005】
そして、刈取部や脱穀部等の保守点検や修理等の便宜のため、刈取部は、走行機体の外側に向けて水平回動させ得る(すなわち開き回動させ得る)ようになっている。刈取部を水平回動させる機構として特許文献1,2には、走行機体に設けた鉛直支軸に、第1駆動軸を覆っている第1筒体(横筒)を水平回動自在に取り付けることが記載されている。すなわち、従来は、第1駆動軸が内蔵されている第1筒体を刈取部の支持部材に兼用している。
【特許文献1】特許第3529327号公報
【特許文献2】特開2004−16111号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
刈取部を開き回動させると刈取部は片持ち梁の状態になるが、刈取部は相当の重量があるため、支持箇所に大きなモーメントが作用する。この点については、刈取部に、開き回動させた状態で接地する車輪を設けることも考えられるが、このように車輪(或いはキャスター)を設けると、圃上や未舗装道路でメンテナンス作業の必要が生じた場合に対応しにくいという問題がある。
【0007】
従って、支え用の車輪を設けることなく刈取部を開き回動させ得るには、前記両公報では第1筒体及びこれに対する軸受け部を極めて頑丈な構造にしなければならない。特に、第1筒体と軸受け部とが嵌まりあっている部分の軸方向の長さには限度があるため、モーメントによる応力が軸受け部分に集中して作用することになり、そこで、第1筒体と軸受けと鉛直支軸等の部材を頑丈な構造にせざるを得ないのみならず、第1筒体等の部材は元々形態が制約されているため頑丈な構造にするとしても限度があり、このため、例えば、刈取部を開き回動させての作業中に何らかの理由で刈取部に下向きの荷重が掛かると、部材が破損したり変形したりする虞が発生する問題がある。
【0008】
本願発明は、このような問題を解消することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
開き回動した刈取部を安定的に支持するための手段として本願発明者は、支持専用のブラケット装置を案出した。そして、ブラケット装置のより改良された形態として本願発明を完成させるに至った。
【0010】
すなわち請求項1の発明は、操縦席及び脱穀部を有すると共にエンジンを搭載した走行機体と、前記走行機体の前方に配置された刈取部とを備えており、走行機体の前部のうち左端寄り部位又は右端寄り部位に起立姿勢の鉛直支軸を立設しており、この鉛直支軸に、前記刈取部を支持した状態で水平回動し得る片持ち梁状のブラケット装置が装着されているコンバインにおいて、前記ブラケット装置は、前記鉛直支軸に回転自在に嵌まったブッシュと、ブッシュから半径外向き方向に延びる上下複数本の中空状アームとを備えており、前記上下複数本の中空状アームを、それら中空状アームの片面又は両面に固着された補強板によって連結している点に特徴を有している。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1において、前記ブラケット装置は上下2本の中空状アームを備えており、上方の中空状アームは水平状に配置されている一方、下方の中空状アームは、ブッシュに対する取付け箇所が最も低くて自由端に行くに従って高さが高くなるように傾斜させており、更に、前記補強板は、その上端は水平状に延び、下端は下アームの傾斜に倣って傾斜している。更に請求項3の発明は、請求項1又は2において、各アームがそれぞれ角形鋼管からなっている点に特徴を有する。
【0012】
請求項4の発明は請求項1〜3のいずれかの構成を従来公知のコンバインに適用したもので、この発明では、前記ブラケット装置には、平面視でブラケット装置と略平行でかつ略水平状に延びる第1筒体が、その軸心回りに回転可能な状態で取付けられており、この第1筒体の内部に、刈取部に動力を伝達するための第1駆動軸が同心状に配置されており、前記第1筒体には、当該第1筒体と略直交した姿勢で刈取部に向けて延びる第2筒体が固着されており、この第2筒体の内部に、ベベルギアを介して第1駆動軸の回転が伝達される第2駆動軸が同心状に配置されている。
【0013】
更に、前記第2駆動軸のうち第1筒体から適宜離れた部位と、平面視で前後長手でかつ後端部を中心にして上下方向に回動するように走行機体に取付けられた油圧シリンダの前端とを相対回動可能に連結することにより、前記油圧シリンダの駆動によって刈取部が昇降することを許容している。
【発明の効果】
【0014】
角形鋼管等の中空部材は断面係数が大きいため、同一断面積の中実材に比べて曲げ強度が大きい利点がある。他方、片持ち梁では荷重はモーメントとして作用するため、中空状アームに生じる応力は付け根部に行くに従って大きくなり、従って、中空状アームが1本だけであると、上下幅の大きいものを使用せざるを得ず、すると、特注品になってコストが嵩む虞がある。
【0015】
これに対して本願発明のように構成すると、中空状アームが上下複数本あることと、上下の中空状アームが補強板で連結されていることとが相まって、中空状アームとして角形鋼管のように広く出回っている鋼材を使用しつつ高い強度(剛性)を確保できる。
【0016】
更に述べると、複数のアームが補強板で連結されていることにより、アームと補強板とからなる梁状部がある程度の奥行き寸法を有する一種の箱型構造となり、このため、下向き荷重に対する剛性と、中空状アームをその軸心回りにねじるような外力に対する剛性との両方を確保できるのである。よって、製造コストを抑制できるブラケット装置を、軽量で強度に優れた状態で提供できるのである。また、補強板に各種の部材(例えば実施形態のストッパー)を取り付けることができる利点もある。
【0017】
上下の中空状アームを水平状に配置することも可能であるが、片持ち梁は自由端に行くに従って曲げ応力は小さくなるため、請求項2のように下方の中空状アームを傾斜させると、軽量化した状態で高い強度を確保することができて特に好適である。更に、中空状アームとしては例えば丸パイプを使用することも可能であるが、請求項3のように中空状アームとして角形鋼管を使用すると、加工が容易であるのみならず、補強板との密着面積を大きく取れるため強度的にも優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
(1).第1実施形態の概要
図1〜図10では第1実施形態を示している。この実施形態は4条刈りの乗用型コンバインに適用している。図1はコンバインの全体の斜視図であり、まず、この図1に基づいて概要を説明する。
【0020】
コンバインは、クローラ2を有する走行機体1と、その前方に高さ調節可能に配置された刈取部(前処理部)3とを備えており、走行機体1と刈取部3とで車体が構成されている。走行機体1の略前半部のうち右側の部分にはオープン方式の操縦室(操縦エリア)4が形成されており、操縦室4の左側には脱穀部5が配置されており、更に、操縦室4の後方にはグレンタンク6を設けている。符号7はオーガである。
【0021】
操縦室4には操縦席(椅子)8を設けており、走行機体1のうち操縦室4の前方にはフロントコラム9を介してハンドル10が配置されており、操縦室4の左側には、走行変速や作業状態を切り換えるためのレバー類を配置した操作ユニット11をが配置されている。操縦室4の右側にはサイドカバー12が配置されている。
【0022】
操作ユニット11には、刈取作業時に使用する主変速モードを選択するための主変速レバー、路上走行時に使用する副変速モードを選択するための副変速レバー、刈取部3を昇降させるためのレバー、オーガ7の駆動を行うレバー等のレバー類が配置されている。
【0023】
刈取部3は、フロントカバー13、分草体14、タイン15が取付けられた掻き上げ用チェン(図示せず)、カッター(図示せず)等を備えている。
【0024】
図2に示すように、刈取部3は、その左端後端部を中心にして操縦室4と反対側の外側に水平回動(旋回)させることができる。刈取部3を水平回動させるための構造(換言すると刈取部3を走行機体1に取付ける構造)を図3以下の図面に基づいて説明する。
【0025】
(2).刈取部の取付け構造と駆動系の概要
次に、刈取部3の取付け構造と動力伝達機機構の概略とを図3のスケルトン図に基づいて説明する。刈取部3に対する動力伝達機構は従来と同様であり、図3に概略を示すように、第1筒体17にこれと同心姿勢で内蔵した第1駆動軸18、第1筒体17に固定された第2筒体19、第2筒体19にこれと同心姿勢で内蔵した第2駆動軸20を備えており、第1駆動軸18にはプーリ21及びベルト22を介して機体側出力軸23から動力が伝達される。第2駆動軸20にはベベルギア24を介して第1駆動軸18から回転力が伝達される。
【0026】
刈取部3は、駆動系として左右横長の第3駆動軸25を備えており、第3駆動軸25にベベルギア24を介して第2駆動軸20から回転力が伝達され、更に、第3軸25からは、下部搬送用やカッター駆動用の駆動軸にベベルギアを介して回転動力が伝達される。また、第1筒体19には略上向きに延びるギアボックス27が固定されており、第1駆動軸18の回転動力がギア群やチェンを介して左右横長の上部搬送用駆動軸28に伝達される。なお、動力伝達機構そのものは本願発明とは直接には関係ないので詳述しないが、必要なら例えば特開平2004−97038号公報を参照されたい。
【0027】
第1筒体17はその軸心回りに回転可能な状態でブラケット装置29に取付けられており、ブラケット装置29は、機体フレーム(シャーシ)30の左前端部に立設した鉛直支軸31に水平回動可能に装着されている。従って、第2筒体19は第1筒体17を中心にして上下方向に回動可能であり、かつ、第2筒体19のうち回動中心から離れた部分に軸受けリブ32を設け、この軸受けリブ32には、前後方向に延びる昇降用油圧シリンダ33のピストンロッド33aに左右横長のピン34で連結されている。昇降用油圧シリンダ33の後端は機体フレーム30に設けた軸受け部材35にピンで回動可能に連結されている。
【0028】
刈取部3を開き回動するときには、前提の作業として、昇降用油圧シリンダ33と第2筒体19とを連結しているピン34を抜き外すと共に、機体側出力軸23のプーリと第1駆動軸18のプーリ21とに巻き掛けているベルト22を外すことになる。
【0029】
(3).取付け構造の詳細
次に、第1筒体17及び第2筒体19の取付け構造の詳細を図4以下の図面を参照して説明する。
【0030】
図4は主要部材を示す分離斜視図、図5は一部部材を省略した要部の正面図、図6は要部の分離正面図、図7のうち(A)は一部部材を省略した要部の平面図、(B)は(A)のB−B視断面図、(C)は(A)の部分的な断面図、図8のうち(A)は一部部材を省略した状態での図7の VIIIA-VIIIA視断面図、(B)は(A)のB−B視断面図、(C)は(A)のC−C視断面図、図9は図6の IX-IX視図、図10は図5の X-X視断面図である。
【0031】
例えば図4,5,8に示すように、ブラケット装置29は、鉛直支軸31に回転自在に嵌まった上ブッシュ37としたブッシュ38とを備えており、上ブッシュ37に上向き突設した上向き開口半割り状の下軸受け部39とこれにボルト39aで固定された下向き開口半割り状の上軸受け部40とにより、正面視で第2筒体19の右端部を回転可能に支持している。上軸受け部40は鉛直支軸31の軸心よりも手前側に位置している。なお、図7では上ブッシュ37の下軸受け部39は省略している。
【0032】
上下ブッシュ37,38は上下に間隔を空けた状態で配置しており、鉛直支軸31のうち上下ブッシュ37,38の間の部位と機体フレーム30とに側面視後傾状の補強軸(つっかい軸)36が溶接によって固着されている。上ブッシュ37は一体構造であるが、下ブッシュ38は補強軸36の存在によって一体構造にできないので2つ割り方式になっており、ボルト38aで一体に固定されている。補強軸36は丸パイプを使用しているが、角形鋼管やチャンネル材との各種の素材を使用できる。
【0033】
上下のブッシュ37,38には、1枚のベース板41がボルト42で固定されており、このベース板42に上下2本のアーム43,44の端部が溶接によって固着されている。ベース板41には前後の折り曲げ片41aが形成されている。このため剛性がアップしている。
【0034】
アーム43は角形鋼管を使用しており、上アーム43は水平状に姿勢である一方、下アーム44はベース板41から離れるに従って高さが高くなるように傾斜しており、両アーム43,44の先端部は密接している。そして、両アーム43,44の先端に鋼板製の端板45を溶接によって固着し、この端板45に鋳物製等の軸受け部材47をボルト48で固定している。軸受け部材47には、正面視で第2筒体19の左端部が嵌まる軸受け穴46が形成されている。
【0035】
軸受け部材47は補強リブ47aを有している。また、軸受け部材47の下端には前後に張り出した底板47bを形成している一方、機体フレーム30のうち刈取部3が閉じ状態のときに軸受け部材47の下方に位置する部位に支柱49を立設し、支柱49の上端に設けた支持板50に軸受け部材47の底板47bをボルト51で固定している。このように、軸受け部材47を支柱49に固定することにより、刈取部3は閉じた状態に保持されか、かつ、刈取部3を閉じた状態でアーム43,44に荷重(モーメント)が掛かることはない。
【0036】
上下のアーム43,44の前後両面には、鋼板製の補強板52が溶接によって固着されている。このため、ブラケット装置39の剛性が格段に向上し、支持強度を飛躍的に増大できる。
【0037】
第1駆動軸18は第1筒体17に回転自在に支持されており、第1筒体17から露出した端部に2つのプーリ21が固定されている。また、第1筒体17には、ベベルギア24を覆うボックス部17aが形成されており、このボックス部19aに既述したギアボックス27が固定されている。
【0038】
図6や図9に示すように、第2筒体19は第1筒体17のボックス部17aにボルト53でフランジ結合されている。いうまでもないが、第2駆動軸20は第1筒体17に形成した軸受け部に回転自在に支持されている。第2筒体19における軸受けリブ32の具体的な形態は例えば図9に示している。昇降用油圧シリンダ33と連結するピン34は挿脱を容易ならしめるための把手部34aを備えている。図示していないが、ピン34は通常はボルト(図示せず)で軸受けリブ32に固定されている。
【0039】
刈取部3を開き回動させるためにピン34を抜き取ると、刈取部3に対する支持が解除されるため、ピン34を抜き取った状態で刈取部3を下降しない状態に保持する支持手段が必要である。そこで本実施形態では、ブラケット装置29の手前側の補強板52に、軸受け54及び鉛直状のピン55を介してアーム状のストッパー(受け部材)56が水平回動自在に取付けられている一方、第2筒体19には、ストッパー56で支持される受け部57を突設している。
【0040】
例えば図8に示すように、ストッパー56の先端部56aは斜め上向き姿勢になっている一方、第2筒体19の受け部57には、ストッパー56の先端56aが下方から嵌まり込む凹所57aを形成している。このため、刈取部3の重量によってストッパー56と受け部57との嵌まり状態が保持され、嵌まり合い状態が不測に解除されることはない。
【0041】
刈取部3を閉じている通常状態ではストッパー56は使用されない。そこで、補強板52に重なった不使用姿勢と補強板52から手前側に延びる使用姿勢とを選択的に保持するため、ばね58を設けている。このばね58は、ストッパー56の前後中途部に突設した軸59と前記した支柱49と間に装架されている。
【0042】
この場合、使用姿勢と不使用姿勢とでばね58がストッパー56の回動中心を超える支点超えさせることにより、ストッパー56がばね58が使用姿勢と不使用姿勢とに選択的に保持されるように設定している。また、ストッパー56には、補強体52から手前側に張り出した使用姿勢にすると補強板52の前面に当たる姿勢保持部56aを一体に設けている。
【0043】
(4).まとめ
既述のとおり、刈取部3を開き回動させるには、まず、ストッパー56を手前側に回動させて第2筒体19を受け、その状態で、第2筒体19と昇降用油圧シリンダ33とを連結していたピン34の抜き取り、第1駆動軸18に動力伝達するためのベルト22の取外し、ブラケット装置29を支柱49に固定していたボルト51の取外し、という作業を行うことになる。
【0044】
そして、刈取部3を開き回動していない通常の状態では、ブラケット装置29の先端は支柱49に固定されているため、刈取部3の重量がブラケット装置29に荷重として作用することはない。
【0045】
他方、メンテナンス等のために刈取部3を開き回動させると、刈取部3の重量はブラケット装置29で支持される。この場合、ブラケット装置29は上下のアーム43,44と補強板52とが一体化した頑丈な構造であるため、刈取部3に車輪を設けなくても安定した状態で支えることができる。また、アーム43,44は中空であるため、頑丈な構造でありながら全体として軽量化できる。
【0046】
(5).第2〜第4実施形態(図11〜図13)
図11〜12では第2実施形態を示している。図11は要部の正面図、図12は図11の XII-XII視断面図である。この実施形態は、鉛直支軸31に対するブラケット装置29の取付け構造の別例であり、下ブッシュ38を平面視コ字状に形成して、その内部に、鉛直支軸31の外周面に当たるスライダー61を設けてい。この例ではベース板41は下ブッシュ37に溶接している。このため、強度においても優れている。
【0047】
ブラケット装置29に作用した荷重は、上ブッシュ37に対しては図11に矢印Aで示すように正面視で鉛直支軸31の右面側への押圧力として作用し、下ブッシュ38に対しては、図11に矢印Bで示すように正面視で鉛直支軸31の左面側への押圧力として作用するので、下ブッシュ38は円筒状に形成しなくても、この第2実施形態のような形状で足りる。そして、下ブッシュ37は鉛直支軸31に対して半径外側から嵌めるだけで良いため取付け作業が極めて簡単であり、また、重量軽減にも寄与できる。下ブッシュ37をスライダー61のみの構造とすることも可能である。
【0048】
図13(A)に示す第3実施形態では、補強板52を左右複数に分離している。この例から容易に理解できるように、補強板52は複数枚存在していても良い。また、図示していないが、補強板52をベース板41又は端板45と一体化する(1枚板で構成するか溶接する)ことも可能である。
【0049】
図13(B)及び(C)に示す第4実施形態はアーム43,44としてチャンネル材を使用した例であり、(B)ではアーム43,44は相対向する方向に開口しており、(C)では上下アーム43,44は前後逆向きに開口している。この例から理解できるように、中空状アームの「中空状」は、断面形状が完全に閉じた筒体の他に溝型も含んでいる。
【0050】
(6).第5実施形態(図14)
ところで、前記特許文献1を初めとして従来のコンバインでは鉛直支軸31は完全な鉛直姿勢になっている。従って、刈取部3の回動支軸は理論上は鉛直になるのであるが、実際には、鉛直支軸31とブッシュとの間のクリアランスや部材の撓み等のため、刈取部3を開き回動させると、2つ割り式軸受け部材から第1筒体が外れると同時に刈取部が僅かながら落ち込む傾向を呈する。このため、刈取部を開閉するに際しては、開きはじめと閉じ終える時とに刈取部をやや持ち上げる必要があり、これが手間であった。
【0051】
この点に対して図14に示す第5実施形態では、走行機体の正面視で鉛直支軸31を鉛直線O1に僅かに後傾させることで対処している。すなわち、鉛直支軸31を後傾させると、ブラケット装置29の回動軸心O2も後傾するため、(B)に誇張して示すように、刈取部を開き回動させると刈取部3は浮き上がり気味となり、このため、刈取部3を持ち上げなくても軸受け部材47を支柱49に載せ降ろしすることが可能になる。
【0052】
説明の便宜のため(A)では鉛直支軸31の後傾角度を大きく表示し、また、(B)では軸受け部材47の浮き上がりを大きく表示しているが、実際には鉛直支軸31の後傾角度は僅か(1度程度)で良い。敢えて述べるまでもないが、このように鉛直支軸31を後傾させることはそれ自体で独立した発明たり得るものであり、また、必ずしも刈取部の取付けには限らず、農業機械において片持ち梁状の部材を支持する構造に広く適用できる。
【0053】
上記した各実施形態では上下2本の中空状アームを使用しているが、3本以上の中空状アームを使用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本願発明にを適用したコンバインの全体斜視図である。
【図2】刈取部を開いた状態でのコンバインの平面図である。
【図3】刈取部3取付け構造と動力伝達機機構の概略を示すスケルトン図である。
【図4】主要部材を示す分離斜視図である。
【図5】一部部材を省略した要部の正面図である。
【図6】要部の分離正面図である。
【図7】(A)は一部部材を省略した要部の平面図、(B)は(A)のB−B視断面図、(C)は(A)の部分的な断面図である。
【図8】(A)は一部部材を省略した状態での図7の VIIIA-VIIIA視断面図、(B)は(A)のB−B視断面図、(C)は(A)のC−C視断面図である。
【図9】図6の IX-IX視図である。
【図10】図5の X-X視断面図である。
【図11】第2実施形態の要部正面図である。
【図12】図11の XII-XII視断面図である。
【図13】第3〜第4実施形態を示す図である。
【図14】第5実施形態を示す図である。
【符号の説明】
【0055】
1 走行機体
3 刈取部
17 第1筒体
18 第1駆動軸
19 第2筒体
20 第2駆動軸
29 ブラケット装置
32 軸受けリブ
33 昇降用油圧シリンダ
37,38 ブッシュ
41 ベース板
43,44 アーム
45 端板
46 軸受け部材
52 補強板




 

 


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