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発明の名称 農作業機及びコンバイン
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−75001(P2007−75001A)
公開日 平成19年3月29日(2007.3.29)
出願番号 特願2005−267440(P2005−267440)
出願日 平成17年9月14日(2005.9.14)
代理人 【識別番号】100079131
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 暁夫
発明者 神明 利幸
要約 課題
刈取部を開き回動させ得るコンバインにおいて、刈取部を水平回動可能な状態に支持する部分の軽量と強度アップと組み立て能率アップとを図る。

解決手段
特許請求の範囲
【請求項1】
機体に立設した鉛直支軸にブラケット装置を水平回動自在に装着し、このブラケット装置に他の部材を取付けてなる農作業機であって、
前記回動式支持部材を上下複数箇所において鉛直支軸に取付けている、
農作業機。
【請求項2】
操縦席及び脱穀部を有すると共にエンジンを搭載した走行機体と、前記走行機体の前方に配置された刈取部とを備えており、走行機体の前部のうち左端寄り部位又は右端寄り部位に起立姿勢の鉛直支軸を立設しており、この鉛直支軸に、前記刈取部を支持した状態で水平回動可能な片持ち梁状のブラケット装置が装着されているコンバインであって、
前記ブラケット装置を、上下複数箇所において鉛直支軸に取付けている、
コンバイン。
【請求項3】
前記ブラケット装置は上取付け部と下取付け部との上下2カ所において鉛直支軸に取付けられており、前記下取付け部は2つ割りされた部材からなっていて両者がボルトで締結されている一方、鉛直支軸のうち上下取付け部の間の露出部には、前記ブラケット装置の回動を阻害しない状態で補強部材が固着されている、
請求項2に記載したコンバイン。
【請求項4】
前記ブラケット装置は上取付け部と下取付け部との上下2カ所において鉛直支軸に取付けられており、上取付け部は円筒状に形成されている一方、下取付け部は、ブラケット装置の自由端の側から水平移動させることによって鉛直支軸に密着させ得るよう非筒状に形成されており、更に、鉛直支軸のうち上下取付け部の間の露出部には、前記ブラケット装置の回動を阻害しない状態で補強部材が固着されている、
請求項2に記載したコンバイン。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本願発明は、乗用型コンバイン及びこれを含む農作業機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
稲用の乗用型コンバインは、クローラを備えた走行機体とその前方に高さ変更可能に配置した刈取部とを主要要素として構成されており、走行機体にはエンジンが搭載されていると共に、脱穀部やグレンタンク等を備えている。他方、刈取部は、分草体、タインを取付けた掻き上げチェン、カッター等を備えており、刈取部には、走行機体に設けたエンジンから動力が伝達される。
【0003】
刈取部を走行機体に高さ調節可能に取付ける構造としては、一般に、平面視で前後方向に延びる第2筒体に刈取部を取付けて、第2筒体を、その後端部を中心に上下回動するように走行機体に取付け、更に、第1筒体のうち回動支点よりも手前側の部分を、前後長手でかつ後端を中心にして上下回動するように走行機体に取付けられた油圧シリンダの前端(ピストンロッドの前端)に連結し、油圧シリンダで第2筒体を回動させることによって刈取部を昇降させている。
【0004】
そして、第2筒体の内部に配置した第2駆動軸の回転を通じて刈取部に動力を伝達するようになっており、また、第2筒体には左右横長の第1筒体が固定されており、第1筒体の内部に第1駆動軸を配置し、この第1駆動軸からベベルギアを介して前記第2駆動軸に動力を伝達し、更に、第1駆動軸にはベルトを介してエンジンからの動力が伝達されるようになっている。
【0005】
そして、刈取部や脱穀部等の保守点検や修理等の便宜のため、刈取部は、走行機体の外側に向けて水平回動させ得る(すなわち開き回動させ得る)ようになっている。刈取部を水平回動させる機構として特許文献1,2には、走行機体に設けた鉛直支軸に水平回動する水平回動式軸受け部材を装着し、この水平回動式軸受け部材に、第1駆動軸を覆っている左右横長の第1筒体(横筒)を回転可能に取り付けることが記載されている。すなわち、従来は、第1駆動軸が内蔵されている第1筒体を刈取部の支持部材に兼用されており、また、水平回動式軸受け部材のうち鉛直支軸に嵌まる部分は単なる筒状に形成されているに過ぎない。
【特許文献1】特許第3529327号公報
【特許文献2】特開2004−16111号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
刈取部を開き回動させると刈取部は片持ち梁の状態になるが、刈取部は相当の重量があるため、支持箇所に大きなモーメントが作用する。この点については、刈取部に、開き回動させた状態で接地する車輪を設けることも考えられるが、このように車輪(或いはキャスター)を設けると、圃上や未舗装道路でメンテナンス作業の必要が生じた場合に対応しにくいという問題がある。
【0007】
従って、支え用の車輪を設けることなく刈取部を開き回動させ得るには、前記両公報では第1筒体及び水平回動式軸受け部材を極めて頑丈な構造にしなければならない。また、鉛直支軸による水平回動式軸受け部材の支持強度を高めるには、鉛直支軸と水平回動式軸受け部材との嵌まり合い長さを長くする必要があるが、従来のように1つの筒状部が鉛直支軸31に嵌まっているに過ぎない構成では、鉛直支軸を長くすると水平回動式軸受け部材の筒状部も長くせねばならないため重量が過度に増大する虞や、水平回動式軸受け部材の回転にこじれが生じやすくなる虞があった。また、鉛直支軸の倒れに対する強度を高めるにはその長さを相当に長くせねばならず、この点も重量増大の原因になる。
【0008】
本願発明は、このような現状を解消することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明は農作業機とコンバインとを含んでいる。農作業機に係る発明は請求項1に記載している。すなわち、農作業機は、機体に立設した鉛直支軸にブラケット装置を水平回動自在に装着し、このブラケット装置に他の部材を取付けてなるものであり、前記回動式支持部材を上下複数箇所において鉛直支軸に取付けている点を特徴にしている。
【0010】
請求項2の発明はコンバインに係るもので、操縦席及び脱穀部を有すると共にエンジンを搭載した走行機体と、前記走行機体の前方に配置された刈取部とを備えており、走行機体の前部のうち左端寄り部位又は右端寄り部位に起立姿勢の鉛直支軸を立設しており、この鉛直支軸に、前記刈取部を支持した状態で水平回動可能な片持ち梁状のブラケット装置が装着されており、更に、前記ブラケット装置を、上下複数箇所において鉛直支軸に取付けている。
【0011】
請求項3の発明は、請求項2において、前記ブラケット装置は上取付け部と下取付け部との上下2カ所において鉛直支軸に取付けられており、前記下取付け部は2つ割りされた部材からなっていて両者がボルトで締結されている一方、鉛直支軸のうち上下取付け部の間の露出部には、前記ブラケット装置の回動を阻害しない状態で補強部材が固着されている。
【0012】
請求項4の発明は、請求項2において、前記ブラケット装置は上取付け部と下取付け部との上下2カ所において鉛直支軸に取付けられており、上取付け部は円筒状に形成されている一方、下取付け部は、ブラケット装置の自由端の側から水平移動させることによって鉛直支軸に密着させ得るよう非筒状に形成されており、更に、鉛直支軸のうち上下取付け部の間の露出部には、前記ブラケット装置の回動を阻害しない状態で補強部材が固着されている。
【発明の効果】
【0013】
鉛直支軸に嵌まったブラケット装置にモーメントが作用した場合、モーメントは、ブラケット装置の自由端から見て鉛直支軸の上部に対しては引っ張り力として作用し、下部に対しては押圧力として作用し、上下中間部に対しては荷重は殆ど作用していない。
【0014】
そして、請求項1,2の発明のように鉛直支軸に対する取付け部を上下複数に分離すると、そもそも鉛直支軸に荷重が殆ど作用しない部分を無くすことができるため、支持強度を低下させることなく重量を削減することができ、延いては農作業機の軽量化に貢献できる。また、ブラケット装置のうち鉛直支軸に対する各取付け部の上下長さは短くなるため、精密に加工しなくてもこじれなくスムースに回動させることができる。
【0015】
請求項3,4のように構成すると、鉛直支軸に対するブラケット装置の取付け部を上下に分離したことを利用して、鉛直支軸の上下中途部をつっかい状態に補強できるため、鉛直支軸の長さを長くすることなく支持強度を格段に向上できる。この場合、請求項3の構成では、下取付け部は二つ割り方式であるため、当該下取付け部を鉛直支軸に嵌めることに支障はない。
【0016】
また、ブラケット装置に作用したモーメントは、下取付け部の箇所では鉛直支軸に対して押圧力として作用するから、請求項4のように構成すると、支持強度の低下を招来することなく、部材の軽量化と取付け作業性のアップとに貢献できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
(1).第1実施形態の概要
図1〜図10では第1実施形態を示している。この実施形態は4条刈りの乗用型コンバインに適用している。図1はコンバインの全体の斜視図であり、まず、この図1に基づいて概要を説明する。
【0019】
コンバインは、クローラ2を有する走行機体1と、その前方に高さ調節可能に配置された刈取部(前処理部)3とを備えており、走行機体1と刈取部3とで車体が構成されている。走行機体1の略前半部のうち右側の部分にはオープン方式の操縦室(操縦エリア)4が形成されており、操縦室4の左側には脱穀部5が配置されており、更に、操縦室4の後方にはグレンタンク6を設けている。符号7はオーガである。
【0020】
操縦室4には操縦席(椅子)8を設けており、走行機体1のうち操縦室4の前方にはフロントコラム9を介してハンドル10が配置されており、操縦室4の左側には、走行変速や作業状態を切り換えるためのレバー類を配置した操作ユニット11が配置されている。操縦室4の右側にはサイドカバー12が配置されている。
【0021】
操作ユニット11には、刈取作業時に使用する主変速モードを選択するための主変速レバー、路上走行時に使用する副変速モードを選択するための副変速レバー、刈取部3を昇降させるためのレバー、オーガ7の駆動を行うレバー等のレバー類が配置されている。
【0022】
刈取部3は、フロントカバー13、分草体14、タイン15が取付けられた掻き上げ用チェン(図示せず)、カッター(図示せず)等を備えている。
【0023】
図2に示すように、刈取部3は、その左端後端部を中心にして操縦室4と反対側の外側に水平回動(旋回)させることができる。刈取部3を水平回動させるための構造(換言すると刈取部3を走行機体1に取付ける構造)を図3以下の図面に基づいて説明する。
【0024】
(2).刈取部の取付け構造と駆動系の概要
次に、刈取部3の取付け構造と動力伝達機機構の概略とを図3のスケルトン図に基づいて説明する。刈取部3に対する動力伝達機構は従来と同様であり、図3に概略を示すように、第1筒体17にこれと同心姿勢で内蔵した第1駆動軸18、第1筒体17に固定された第2筒体19、第2筒体19にこれと同心姿勢で内蔵した第2駆動軸20を備えており、第1駆動軸18にはプーリ21及びベルト22を介して機体側出力軸23から動力が伝達される。第2駆動軸20にはベベルギア24を介して第1駆動軸18から回転力が伝達される。
【0025】
刈取部3は、駆動系として左右横長の第3駆動軸25を備えており、第3駆動軸25にベベルギア24を介して第2駆動軸20から回転力が伝達され、更に、第3軸25からは、下部搬送用やカッター駆動用の駆動軸にベベルギアを介して回転動力が伝達される。また、第1筒体17には略上向きに延びるギアボックス27が固定されており、第1駆動軸18の回転動力がギア群やチェンを介して左右横長の上部搬送用駆動軸28に伝達される。なお、動力伝達機構そのものは本願発明とは直接には関係ないので詳述しないが、必要なら例えば特開平2004−97038号公報を参照されたい。
【0026】
第1筒体17はその軸心回りに回転可能な状態でブラケット装置29に取付けられており、ブラケット装置29は、機体フレーム(シャーシ)30の左前端部に立設した鉛直支軸31に水平回動可能に装着されている。従って、第2筒体19は第1筒体17を中心にして上下方向に回動可能であり、かつ、第2筒体19のうち回動中心から離れた部分に軸受けリブ32を設け、この軸受けリブ32には、前後方向に延びる昇降用油圧シリンダ33のピストンロッド33aに左右横長のピン34で連結されている。昇降用油圧シリンダ33の後端は機体フレーム30に設けた軸受け部材35にピンで回動可能に連結されている。
【0027】
刈取部3を開き回動するときには、前提の作業として、昇降用油圧シリンダ33と第2筒体19とを連結しているピン34を抜き外すと共に、機体側出力軸23のプーリと第1駆動軸18のプーリ21とに巻き掛けているベルト22を外すことになる。
【0028】
(3).取付け構造の詳細
次に、第1筒体17及び第2筒体19の取付け構造の詳細を図4以下の図面を参照して説明する。
【0029】
図4は主要部材を示す分離斜視図、図5は一部部材を省略した要部の正面図、図6は要部の分離正面図、図7のうち(A)は一部部材を省略した要部の平面図、(B)は(A)のB−B視断面図、(C)は(A)の部分的な断面図、図8のうち(A)は一部部材を省略した状態での図7の VIIIA-VIIIA視断面図、(B)は(A)のB−B視断面図、(C)は(A)のC−C視断面図、図9は図6の IX-IX視図、図10は図5の X-X視断面図である。
【0030】
例えば図4,5,8に示すように、ブラケット装置29は、鉛直支軸31に対する取付け部の一例として、鉛直支軸31に回転自在に嵌まった上ブッシュ37と下ブッシュ38とを備えており、上ブッシュ37に上向き突設した上向き開口半割り状の下軸受け部39とこれにボルト39aで固定された下向き開口半割り状の上軸受け部40とにより、正面視で第2筒体19の右端部を回転可能に支持している。上軸受け部40は鉛直支軸31の軸心よりも手前側に位置している。なお、図7では下軸受け部39は省略している。
【0031】
上下ブッシュ37,38は上下に間隔を空けた状態で配置しており、鉛直支軸31のうち上下ブッシュ37,38の間の部位と機体フレーム30とに側面視後傾状の補強部材(つっかい軸)36が溶接によって固着されている。上ブッシュ37は一体構造であるが、下ブッシュ38は補強軸36の存在によって一体構造にできないので2つ割り方式になっており、ボルト38aで一体に締結されている。補強軸36は丸パイプを使用しているが、角形鋼管やチャンネル材との各種の素材を使用できる。
【0032】
上下のブッシュ37,38には、1枚のベース板41がボルト42で固定されており、このベース板42に上下2本のアーム43,44の端部が溶接によって固着されている。ベース板41には前後の折り曲げ片41aが形成されている。このため剛性がアップしている。
【0033】
アーム43は角形鋼管を使用しており、上アーム43は水平状の姿勢である一方、下アーム44はベース板41から離れるに従って高さが高くなるように傾斜しており、両アーム43,44の先端部は密接している。そして、両アーム43,44の先端に鋼板製の端板45を溶接によって固着し、この端板45に鋳物製等の軸受け部材47をボルト48で固定している。軸受け部材47には、正面視で第2筒体19の左端部が嵌まる軸受け穴46が形成されている。
【0034】
軸受け部材47は補強リブ47aを有している。また、軸受け部材47の下端には前後に張り出した底板47bを形成している一方、機体フレーム30のうち刈取部3が閉じ状態のときに軸受け部材47の下方に位置する部位に支柱49を立設し、支柱49の上端に設けた支持板50に軸受け部材47の底板47bをボルト51で固定している。このように、軸受け部材47を支柱49に固定することにより、刈取部3は閉じた状態に保持され、かつ、刈取部3を閉じた状態でアーム43,44に荷重(モーメント)が掛かることはない。上下のアーム43,44の前後両面には、鋼板製の補強板52が溶接によって固着されている。
【0035】
第1駆動軸18は第1筒体17に回転自在に支持されており、第1筒体17から露出した端部に2つのプーリ21が固定されている。また、第1筒体17には、ベベルギア24を覆うボックス部17aが形成されており、このボックス部17aに既述したギアボックス27が固定されている。
【0036】
図6や図9に示すように、第2筒体19は第1筒体17のボックス部17aにボルト53でフランジ結合されている。いうまでもないが、第2駆動軸20は第1筒体17に形成した軸受け部に回転自在に支持されている。第2筒体19における軸受けリブ32の具体的な形態は例えば図9に示している。昇降用油圧シリンダ33と連結するピン34は挿脱を容易ならしめるための把手部34aを備えている。図示していないが、ピン34は通常はボルト(図示せず)で軸受けリブ32に固定されている。
【0037】
刈取部3を開き回動させるためにピン34を抜き取ると、刈取部3に対する支持が解除されるため、ピン34を抜き取った状態で刈取部3を下降しない状態に保持する支持手段が必要である。そこで本実施形態では、ブラケット装置29の手前側の補強板52に、軸受け54及び鉛直状のピン55を介してアーム状のストッパー(受け部材)56が水平回動自在に取付けられている一方、第2筒体19には、ストッパー56で支持される受け部57を突設している。
【0038】
例えば図8に示すように、ストッパー56の先端部56aは斜め上向き姿勢になっている一方、第2筒体19の受け部57には、ストッパー56の先端56aが下方から嵌まり込む凹所57aを形成している。このため、刈取部3の重量によってストッパー56と受け部57との嵌まり状態が保持され、嵌まり合い状態が不測に解除されることはない。
【0039】
刈取部3を閉じている通常状態ではストッパー56は使用されない。そこで、補強板52に重なった不使用姿勢と補強板52から手前側に延びる使用姿勢とを選択的に保持するため、ばね58を設けている。このばね58は、ストッパー56の前後中途部に突設した軸59と前記した支柱49と間に装架されている。
【0040】
この場合、使用姿勢と不使用姿勢とでばね58がストッパー56の回動中心を超える支点超えさせることにより、ストッパー56がばね58が使用姿勢と不使用姿勢とに選択的に保持される。また、ストッパー56には、補強体52から手前側に張り出した使用姿勢にすると補強板52の前面に当たる姿勢保持部56aを一体に設けている。
【0041】
(4).まとめ
既述のとおり、刈取部3を開き回動させるには、まず、ストッパー56を手前側に回動させて第2筒体19を受け、その状態で、第2筒体19と昇降用油圧シリンダ33とを連結していたピン34の抜き取り、第1駆動軸18に動力伝達するためのベルト22の取外し、ブラケット装置29を支柱49に固定していたボルト51の取外し、という作業を行うことになる。
【0042】
そして、刈取部3を開き回動させると、刈取部3の重量はブラケット装置29で支持される。この場合、ブラケット装置29は一種の箱型構造になっていて軽量ながら頑丈な構造であるため、刈取部3に車輪を設けなくても安定した状態で支えることができる。また、第1筒体17に荷重が掛かることはないため、第1筒体17やギア類への悪影響は全くない。
【0043】
刈取部3の重量がブラケット装置29にモーメントとして作用すると、そのモーメントは、図5に矢印A,Bで示すように、上ブッシュ37の箇所では正面視で鉛直支軸31の右面側に対する押圧力として(アーム43,44で引っ張るように)作用し、下ブッシュ38の箇所では、正面視で鉛直支軸31の左面側への押圧力として(アーム43,44で押すように)作用する。
【0044】
そして、仮に上下ブッシュ37,38が一体に連続していても、上下ブッシュ37 ,38の間の部分では鉛直支軸31には殆ど荷重は作用しない。従って、不要な部分をなくして重量軽減に貢献できるのみならず、回転もスムースになる。また、鉛直支軸31は上下ブッシュ37,38の間の部分において補強部材36で補強されるため、機体フレーム30に対する取付け長さを長くしなくても倒れに対する高い強度を保持できるのである。
【0045】
(5).第2実施形態(図11〜図12)
図11〜12では第2実施形態を示している。図11は要部の正面図、図12は図11の XII-XII視断面図である。
【0046】
この実施形態は、鉛直支軸31に対するブラケット装置29の取付け構造の別例であり、ブラケット装置29の上取付け部は上ブッシュ37で構成し、下取付け部は、平面視コ字状の枠体62で構成し、その内部に、鉛直支軸31の外周面に当たるスライダー62を設けている(下取付け部をスライダー62のみで構成することも可能である)。この例ではベース板41は下ブッシュ38に溶接している。このため、強度においても優れている。
【0047】
そして、ブラケット装置29に作用したモーメントは、ブラケット装置29の枠体61の箇所では鉛直支軸31の左側面に対する押圧力として作用するに過ぎないため、筒状でなくても支持強度が低下することはない。また、枠体62は平面視コ字状であるため、枠体62が鉛直支軸31から外れるように動くことが防止される。そして、下ブッシュ37は鉛直支軸31に対して半径外側から嵌めるだけで良いため取付け作業が極めて簡単であり、また、第1実施形態よりも重量を軽減できる。更に、枠体62は板金加工によって安価に製造できる。
【0048】
(6).その他
本願発明は上記した実施形態の他にも様々に具体化できる。例えばブラケット装置は必ずしも中空状のアームを使用することには限らず、断面H字状(或いは横向きH字状)や上下に長い中空角形に形成するなどすることも可能である。また、アームとして中空材を使用する場合、丸パイプや楕円型パイプを使用することなども可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本願発明にを適用したコンバインの全体斜視図である。
【図2】刈取部を開いた状態でのコンバインの平面図である。
【図3】刈取部の取付け構造と動力伝達機機構の概略を示すスケルトン図である。
【図4】主要部材を示す分離斜視図である。
【図5】一部部材を省略した要部の正面図である。
【図6】要部の分離正面図である。
【図7】(A)は一部部材を省略した要部の平面図、(B)は(A)のB−B視断面図、(C)は(A)の部分的な断面図である。
【図8】(A)は一部部材を省略した状態での図7の VIIIA-VIIIA視断面図、(B)は(A)のB−B視断面図、(C)は(A)のC−C視断面図である。
【図9】図6の IX-IX視図である。
【図10】図5の X-X視断面図である。
【図11】第2実施形態の要部正面図である。
【図12】図11の XII-XII視断面図である。
【符号の説明】
【0050】
1 走行機体
3 刈取部
17 第1筒体
18 第1駆動軸
19 第2筒体
20 第2駆動軸
29 ブラケット装置
33 昇降用油圧シリンダ
37,38 取付け部の一例としてのブッシュ
41 ベース板
43,44 アーム
45 端板
46 軸受け部材
61 下取付け部の一例としての枠体
62 スライダー




 

 


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