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発明の名称 コンバイン用油圧構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−74965(P2007−74965A)
公開日 平成19年3月29日(2007.3.29)
出願番号 特願2005−265807(P2005−265807)
出願日 平成17年9月13日(2005.9.13)
代理人 【識別番号】100109427
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 活人
発明者 鎌田 稔
要約 課題
車輌操向用の一対の油圧アクチュエータ及び刈取・搬送装置昇降用の油圧昇降装置を単一の補助油圧ポンプ本体からの圧油によって作動制御するように構成されたコンバイン用油圧構造であって、前記補助油圧ポンプ本体の圧力損失を可及的に低減させる。

解決手段
前記一対の油圧アクチュエータの作動油制御を司る操向用バルブユニットをミッションケースに付設し、且つ、前記油圧昇降装置の作動油制御を司る昇降用バルブユニットを該油圧昇降装置に近接配置させるように前記ミッションケースから離間させると共に、前記ミッションケース内の貯留油を油源とし且つ該ミッションケースに付設された前記補助油圧ポンプ本体からの圧油を前記一対の油圧アクチュエータ及び前記油圧昇降装置へ分流させる分流弁を、前記操向用バルブユニットに設ける。
特許請求の範囲
【請求項1】
油圧昇降装置によって刈取・搬送装置を本機フレームに対して昇降操作可能とすると共に、左右一対のクローラ式走行装置に作動連結された左右一対の走行系出力軸のそれぞれに操向クラッチユニット及びブレーキユニットを含む伝動/遮断/制動切替機構を設け、該一対の伝動/遮断/制動切替機構のそれぞれを対応する油圧アクチュエータによって独立操作することにより、操向可能とされたコンバインに適用される油圧構造であって、
ミッションケースを油貯留可能に構成すると共に、該ミッションケース内の貯留油を油源とする補助油圧ポンプ本体を該ミッションケースに付設し、
前記一対の油圧アクチュエータ及び該一対の油圧アクチュエータへの作動油の給排を司る操向用切換弁が設けられた操向用バルブユニットを前記ミッションケースに付設し、
前記油圧昇降装置への作動油の給排を司る昇降用切換弁が設けられた昇降用バルブユニットを該油圧昇降装置に近接するように前記ミッションケースから離間配置させ、
前記補助油圧ポンプ本体からの圧油を前記操向用切換弁及び前記昇降用切換弁へ分流させる分流弁を、前記操向用バルブユニットに設けたことを特徴とするコンバイン用油圧構造。
【請求項2】
前記操向用バルブユニットには、前記一対の油圧アクチュエータの作動圧を画する可変リリーフ弁が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のコンバイン用油圧構造。
【請求項3】
前記昇降用バルブユニットには、前記油圧昇降装置の作動圧を画する昇降用リリーフ弁が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンバイン用油圧構造。
【請求項4】
走行系メイン変速装置として作用するHSTを前記ミッションケースの右側面に支持させ、且つ、走行系サブ変速装置として作用する機械式変速機構を前記ミッションケース内に収容させ、
前記補助油圧ポンプ本体を、前記ミッションケースの後方に位置するように前記HSTに支持させ、
前記操向用バルブユニットを前記ミッションケースの前面に支持させたことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のコンバイン用油圧構造。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに適用される油圧構造に関する。
【背景技術】
【0002】
コンバインにおいて、左右一対のクローラ式走行装置に作動連結された左右一対の走行系出力軸のそれぞれに、操向クラッチユニット及びブレーキユニットを含む伝動/遮断/制動切替機構を設け、該一対の伝動/遮断/制動切替機構のそれぞれを対応する油圧アクチュエータによって独立操作することにより、操向可能とすることは、従来から公知である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
前記従来のコンバインにおいては、走行系変速装置を収容し且つ前記一対の走行系出力軸を支持するミッションケースが油貯留可能とされている。そして、該ミッションケース内の貯留油を油源とする補助油圧ポンプ本体の圧油を、操作レバーに連動する操向用切換弁によって給排制御して、一対の油圧アクチュエータを独立して作動させるようになっている。
【0004】
ところで、コンバインには、前記一対の油圧アクチュエータに対する作動油制御を行う操向用油圧回路に加えて、本機フレームに対して刈取・搬送装置を昇降させる為の油圧昇降装置に対する作動油制御を行う昇降用油圧回路が備えられる。
【0005】
前記昇降用油圧回路は、コスト低廉化の観点から、前記操向用油圧回路と共通の油圧源(即ち、前記補助油圧ポンプ本体)からの圧油を作動油とするのが好ましい。
さらに、前記操向用油圧回路及び前記昇降用油圧回路の双方に単一の前記補助油圧ポンプ本体からの圧油を供給する場合には、該補助油圧ポンプ本体の圧力損失を可及的に低減することが好ましい。
しかしながら、従来のコンバインにおいては、斯かる観点に関して十分な考慮がなされていない。
【特許文献1】実用新案登録第2558892号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記従来技術に鑑みなされたものであり、車輌操向用の一対の油圧アクチュエータ及び刈取・搬送装置昇降用の油圧昇降装置を単一の補助油圧ポンプ本体からの圧油によって作動制御するように構成されたコンバイン用油圧構造であって、前記補助油圧ポンプ本体の圧力損失を可及的に低減させ得る油圧構造の提供を、一の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記課題を解決する為に、油圧昇降装置によって刈取・搬送装置を本機フレームに対して昇降操作可能とすると共に、左右一対のクローラ式走行装置に作動連結された左右一対の走行系出力軸のそれぞれに操向クラッチユニット及びブレーキユニットを含む伝動/遮断/制動切替機構を設け、該一対の伝動/遮断/制動切替機構のそれぞれを対応する油圧アクチュエータによって独立操作することにより、操向可能とされたコンバインに適用される油圧構造であって、ミッションケースを油貯留可能に構成すると共に該ミッションケース内の貯留油を油源とする補助油圧ポンプ本体を該ミッションケースに付設し、前記一対の油圧アクチュエータ及び該一対の油圧アクチュエータへの作動油の給排を司る操向用切換弁が設けられた操向用バルブユニットを前記ミッションケースに付設し、前記油圧昇降装置への作動油の給排を司る昇降用切換弁が設けられた昇降用バルブユニットを該油圧昇降装置に近接するように前記ミッションケースから離間配置させ、前記補助油圧ポンプ本体からの圧油を前記操向用切換弁及び前記昇降用切換弁へ分流させる分流弁を前記操向用バルブユニットに設けたコンバイン用油圧構造を提供する。
【0008】
好ましくは、前記操向用バルブユニットには、前記一対の油圧アクチュエータの作動圧を画する可変リリーフ弁が設けられる。
又、好ましくは、前記昇降用バルブユニットには、前記油圧昇降装置の作動圧を画する昇降用リリーフ弁が設けられる。
より好ましくは、走行系メイン変速装置として作用するHSTを前記ミッションケースの右側面に支持させ、且つ、走行系サブ変速装置として作用する機械式変速機構を前記ミッションケース内に収容させ、前記補助油圧ポンプ本体を、前記ミッションケースの後方に位置するように前記HSTに支持させ、前記操向用バルブユニットを前記ミッションケースの前面に支持させることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るコンバイン用油圧構造によれば、一対の伝動/遮断/制動切替機構をそれぞれ作動させる一対の油圧アクチュエータの作動油制御を司る操向用バルブユニットをミッションケースに付設し、且つ、刈取・搬送装置を昇降させる油圧昇降装置の作動油制御を司る昇降用バルブユニットを該油圧昇降装置に近接配置させるように前記ミッションケースから離間させると共に、前記ミッションケース内貯留油を油源とし且つ該ミッションケースに付設された補助油圧ポンプ本体からの圧油を前記一対の油圧アクチュエータ及び前記油圧昇降装置へ分流させる分流弁を、前記操向用バルブユニットに設けている。
従って、前記補助油圧ポンプ本体の吸引側及び吐出側の圧力損失を可及的に防止することができ、これにより、該補助油圧ポンプ本体の小型化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、添付図面を参照しつつ説明する。
図1〜図3は、それぞれ、本発明の一実施形態が適用されたコンバイン1の斜視図,側面図及び正面図である。
【0011】
図1〜図3に示すように、前記コンバイン1は、本機フレーム2と、前記本機フレーム2に支持された駆動源9(下記図14参照)と、前記本機フレーム2に連結された左右一対のクローラ走行装置10と、前記駆動源9からの回転動力を変速して前記一対のクローラ式走行装置へ出力するトランスミッション100(下記図4等参照)と、前記本機フレーム2の前方において該本機フレーム2に昇降可能に支持された刈取・搬送装置20と、前記刈取・搬送装置20を昇降させる油圧昇降装置4と、前記刈取・搬送装置20によって刈り取られた穀稈を前記本機フレーム2の左側方において後方へ搬送するフィードチェーン装置30と、前記フィードチェーン装置30によって搬送される穀稈に対して脱穀処理を行うように、前記本機フレーム2の左部分に配設された脱穀装置40と、前記脱穀装置40の下方に配設された揺動選別装置(図示せず)と、前記本機フレーム2の右前方部分に配設された運転席5と、前記運転席5の前方に配設された操作レバー500と、前記揺動選別装置によって選別された穀粒を収容するグレンタンク50であって、前記運転席5の後方に配設されたグレンタンク50とを備えている。
【0012】
前記刈取・搬送装置20は、穀稈を刈り取る刈取部21と、該刈取部21によって刈り取られた穀稈を前記フィードチェーン装置30へ搬送する搬送部26とを備えている。
前記刈取部21は、引起ケース及び引起タインを含む引起機構22と、前記引起ケースの下方部から前方へ突出された分草板23と、前記引起ケースの後方に配設された刈刃24とを有している。
前記搬送部26は、下部搬送機構,上部搬送機構及び縦搬送機構を含み、刈り取られた穀稈の株元を前記フィードチェーン装置30へ受け継ぐように構成されている。
【0013】
前記脱穀装置40は、脱穀機枠によって画される扱室と、該扱室内に配設された扱胴とを有している。
前記フィードチェーン装置30は、穀稈の穂先が前記扱胴によって脱穀される状態で、該穀稈を後方へ搬送するように構成されている。
前記揺動選別装置は、駆動機構によって揺動されることで穀粒の比重選別を行う揺動選別機構と、前記揺動選別機構に対して選別風を送出する風選別機構とを有している。
【0014】
前記グレンタンク50は、前記脱穀装置40によって脱穀され、その後に、前記揺動選別装置によって選別されて一番樋に集約された一番穀粒を貯留するように構成されている。
詳しくは、前記一番樋に集約された一番穀粒は、一番搬送コンベア及び揚穀コンベアを介して、前記グレンタンク50に搬入される。
【0015】
該グレンタンク50には、貯留された穀粒を外部に搬出させる穀粒排出機構51が備えられている。
該穀粒排出機構51は、前記グレンタンク50の底部に設けられた排出コンベアと、該排出コンベアからの穀粒を上方へ搬送する縦排出オーガ52と、基端部が前記縦排出オーガ52の上端部に連通された横排出オーガ53とを備えており、前記横排出オーガ53の先端部に設けられた排出口を介して前記グレンタンク50内の穀粒を外部に排出させるように構成されている。
【0016】
ここで、前記トランスミッション100について説明する。
図4〜図6に、それぞれ、前記トランスミッション100,前記運転席5及び前記操作レバー500の配置関係を示す斜視図,側面図及び平面図を示す。
なお、図6中における符号の末尾(L),(R)及び(S)は、それぞれ、前記コンバイン1を左方向へ旋回させる際の状態,右方向へ旋回させる際の状態及び直線させる際の状態を示している。
又、図5〜図6中における符号の末尾(U),(D)及び(N)は、それぞれ、前記刈取・搬送装置20を上昇させる際の状態,下降させる際の状態及び保持させる際の状態を示している。
又、図7〜図11に、それぞれ、前記トランスミッション100の正面図,左側面図,右側面図,背面図及び平面図を示す。
さらに、図12〜図14に、それぞれ、前記トランスミッション100の展開縦断正面図,縦断側面図及び油圧回路図を示す。
【0017】
前記トランスミッション100は、図12に良く示されるように、ミッションケース110と、前記一対の走行クローラ装置10にそれぞれ作動連結される一対の第1及び第2走行系出力軸130a,130bと、前記駆動源9(図14参照)に作動連結されたHST140と、前記HST140に作動連結された機械式変速機構160と、前記機械式変速機構160から前記一対の走行系出力軸130a,130bのそれぞれへの動力伝達を独立して係合又は遮断可能で、且つ、該一対の走行系出力軸130a,130bに独立して制動力を付加可能な一対の第1及び第2伝動/遮断/制動切替機構180a,180bと、前記一対の第1及び第2伝動/遮断/制動切替機構180a,180bをそれぞれ作動操作する一対の第1及び第2油圧アクチュエータ200a,200b(図7等参照)と、前記一対の第1及び第2油圧アクチュエータ200a,200b及び前記油圧昇降装置4の双方へ作動油を供給する補助油圧ポンプユニット300とを備えている。
【0018】
前記ミッションケース110は、図4〜図6に示すように、前進方向を基準にして前記運転席5の左側に位置するように前記本機フレーム2に支持されている。
該ミッションケース110は、図12及び図13に示すように、前記機械式変速機構160及び前記第1及び第2伝動/遮断/制動切替機構180a,180bを収容し且つ前記第1及び第2走行系出力軸130a,130bを軸線回り相対回転自在に支持すると共に、内部空間が油を貯留可能とされている。
なお、該ミッションケース110からの貯留油の取出構造については後述する。
【0019】
前記第1及び第2走行系出力軸130a,130bは、対応する前記走行クローラ装置10の駆動スプロケットに作動的に連結されている。
本実施の形態においては、図12に示すように、該第1及び第2走行系出力軸130a,130bは、対応する駆動車軸(図示せず)を介して前記駆動スプロケットに作動連結されている。
【0020】
前記HST140は、走行系メイン変速装置として作用している。
具体的には、該HST140は、図14等に示すように、前記駆動源9に作動連結されるポンプ軸141と、該ポンプ軸141に相対回転不能に支持されたHSTポンプ本体142と、前記HSTポンプ本体142と一対の作動油路145を介して流体接続されたHSTモータ本体144と、前記HSTモータ本体144を相対回転不能に支持するモータ軸143と、前記HSTポンプ本体142及び前記HSTモータ本体144を収容すると共に、前記ポンプ軸141及び前記モータ軸143を軸線回り回転自在に支持するHSTケース150と、前記HSTポンプ本体142及び前記HSTモータ本体144の少なくとも一方の給排油量を変更させる可動斜板等の出力調整部材146とを有している。
【0021】
図7,図9及び図11等に示すように、本実施の形態においては、前記HSTケース150は、前記走行系出力軸130より上方において前記ミッションケース110の右側面に連結されている。
詳しくは、該HSTケース150は、図12に示すように、前記一対の作動油路145が形成されたポートブロック152と、前記HSTポンプ本体142及び前記HSTモータ本体144を収容するように前記ポートブロック152に着脱可能に連結されたケース本体151とを有している。
該HSTケース150は、前記ポートブロック152を介して前記ミッションケース110の右側面に連結されている。
【0022】
なお、図13等に示すように、本実施の形態においては、前記HSTケース150は、前記ポンプ軸141及び前記モータ軸143の双方が車輌幅方向に沿った状態で車輌前後方向に並列されるように、前記ミッションケース110に連結されている。
詳しくは、前記モータ軸143は前記ミッションケース110内に突入し、且つ、前記ポンプ軸141は該ミッションケース110より後方に位置されている。
【0023】
前記機械式変速機構160は、走行系サブ変速装置として作用している。
具体的には、該機械式変速機構160は、図12に示すように、前記モータ軸143に相対回転不能に連結された状態で車輌幅方向に沿って支持された駆動軸161と、前記駆動軸161に相対回転自在に支持された第1及び第2駆動ギヤ162a,163aと、前記駆動軸161に相対回転不能且つ軸線方向移動可能に支持された変速用シフター164と、前記駆動軸161と平行に配設された従動軸165と、前記第1及び第2駆動ギヤ162a,163aとそれぞれ噛合した状態で前記従動軸165に相対回転不能に支持された第1及び第2従動ギヤ162b,163bとを備えている。
該機械式変速機構160は、前記変速用シフター164を前記第1又は第2駆動ギヤ162a,163aに選択的に係合させることにより、前記従動軸165に2段の回転速度を得るようになっている。
【0024】
前記第1及び第2伝動/遮断/制動切替機構180a,180bは、前記機械式変速機構160から前記第1及び第2走行系出力軸130a,130bのそれぞれへの動力伝達を独立して係合又は遮断させると共に、さらに、該第1及び第2走行系出力軸130a,130bのそれぞれに独立して制動力を付加し得るように構成されている。
【0025】
前記第1伝動/遮断/制動切替機構180aは、図12に示すように、前記機械式変速機構160に適宜の伝動機構(図示の形態においては、チェーン伝動機構168)を介して作動連結された状態で、対応する第1走行系出力軸130aに外挿された第1駆動側部材181aと、前記第1駆動側部材181aと前記第1走行系出力軸130aとの間に位置するように該第1走行系出力軸130aに相対回転不能且つ軸線方向移動可能に支持された第1操向シフター182aと、前記第1走行系出力軸130aに相対回転不能且つ軸線方向移動可能とされた駆動側摩擦板及び該駆動側摩擦板と対向した状態で回転不能に固定された固定摩擦板を含む第1摩擦板ユニット183aとを有している。
【0026】
該第1伝動/遮断/制動切替機構180aは、前記第1操向シフター182aを前記第1走行系出力軸130aの軸線方向に移動させることにより、前記第1駆動側部材181aから前記第1走行系出力軸130aへ動力伝達される伝動状態と、前記第1駆動側部材181aから前記第1走行系出力軸130aへの動力伝達が遮断される遮断状態と、動力伝達を遮断しつつ且つ前記第1走行系出力軸130aへ制動力を付加するブレーキ状態とをとり得るようになっている。
【0027】
前記第2伝動/遮断/制動切替機構180bは、前記第1伝動/遮断/制動切替機構180aと実質的に同一構成を備えている。
従って、前記第2伝動/遮断/制動切替機構180bについては、前記第1伝動/遮断/制動切替機構180aにおける符号の末尾を「b」に変更して、その説明を省略する。
なお、本実施の形態においては、前記第1駆動側部材181aは、該第2伝動/遮断/制動切替機構180bにおける第2駆動側部材181bとしても兼用されている。
【0028】
前記補助油圧ポンプユニット300は、前記駆動源9(図14参照)によって作動的に回転駆動される補助油圧ポンプ本体310と、該補助油圧ポンプ本体310を囲繞する補助油圧ポンプケース320とを備えている。
本実施の形態においては、該補助ポンプ本体310は、図13及び図14等に示すように、前記ポンプ軸141によって作動的に駆動されている。
【0029】
具体的には、該補助油圧ポンプユニット300は、図4,図10及び図11等に示すように、前記補助油圧ポンプ本体310が前記ポンプ軸141、又は、該ポンプ軸141と同軸上において相対回転不能に連結された別体軸によって駆動される状態で、正面視において前記ミッションケース110とオーバーラップするように前記HSTケース150に連結されている。
【0030】
なお、本実施の形態においては、前記トランスミッション100は、さらに、前記HST140へ作動油を補給する為のチャージポンプユニット330を有している。
該チャージポンプユニット330は、前記ポンプ軸141又は前記別体軸によって回転駆動されるチャージポンプ本体331(図12及び図14参照)と、該チャージポンプ本体331を囲繞するチャージポンプケース332と(図12等参照)を有している。
本実施の形態においては、該チャージポンプユニット330は、前記HST140と前記補助ポンプユニット300との間に介挿されている(図12等参照)。
【0031】
前記第1及び第2油圧アクチュエータ200a,200bは、それぞれ、第1及び第2操向リンク機構350a,350b(図14参照)を介して、前記第1及び第2操向シフター182a,182bを、対応する走行系出力軸130a,130bの軸線方向に移動させ、これにより、対応する前記伝動/遮断/制動切替機構180a,180bの伝動状態,遮断状態又は制動状態を選択的に切り替えるように構成されている。
【0032】
詳しくは、図13及び図14に示すように、前記第1及び第2操向リンク機構350a,350bは、それぞれ、対応する操向シフター182a,182bに作動連結された状態で一端部が前記ミッションケース110の外方に突出されたシフター作動軸351a,351bと、対応するシフター作動軸351a,351bの外方突出部に相対回転不能に外挿されたシフター操作アーム352a,352bとを有している。
そして、前記第1及び第2アクチュエータ200a,200bは、それぞれ、第1及び第2油圧シリンダ210a,210b(図14等参照)と、対応する前記油圧シリンダ210a,210bに進退可能に収容された第1及び第2油圧ピストン220a,220bとを有しており、該油圧ピストン220a,220bの先端部が対応する前記シフター操作アーム352a,352bと係合するようになっている(図13等参照)。
なお、本実施の形態においては、前記シフター作動軸351a,351bは、前記一端部が前記ミッションケース110から前方へ突出されており、従って、前記第1及び第2油圧アクチュエータ200a,200bも前記ミッションケース110の前方に配置されている(図13等参照)。
【0033】
斯かる第1及び第2油圧アクチュエータ200a,200bは、前記補助油圧ポンプユニット300からの圧油によって作動するようになっている。
ここで、図14を参照しつつ、前記補助油圧ポンプユニット300からの圧油を受けるバルブユニットについて説明する。
【0034】
図14に示すように、前記コンバイン1は、前記補助油圧ポンプユニット300からの圧油を受ける前記バルブユニットとして、前記第1及び第2油圧アクチュエータ200a,200bに対する作動油の給排制御及び作動圧制御を行う操向用バルブユニット400と、前記油圧昇降装置4に対する作動油の給排制御及び作動圧制御を行う昇降用バルブユニット470とを備えている。
【0035】
図4〜図9及び図13等に示すように、前記操向用バルブユニット400は、前記ミッションケース110の前面に支持されている。
これに対し、前記昇降用バルブユニット470は、前記油圧昇降装置4(図2参照)に近接するように前記ミッションケース110から離間された状態で前記本機フレーム2に支持されている。
【0036】
図15に、前記操向用バルブユニット400の部分縦断正面図を示す。
図16に、図15におけるXVI-XVI線に沿った前記操向用バルブユニット400の右側面図を示す。
又、図17及び図18に、それぞれ、図15におけるXVII-XVII線に沿った断面図及び図16におけるXVIII-XVIII線に沿った断面図を示す。
さらに、図19及び図20に、それぞれ、図15におけるXIX-XIX線及びXX-XX線に沿った断面図を、図21に、図15におけるXXI-XXI線に沿った前記操向用バルブユニット400の底面図を示す。
【0037】
図19等に示すように、前記操向用バルブユニット400は、取付ステー395を介して、前記ミッションケース110の前面に支持されている。
詳しくは、該操向用バルブユニット400は、図14及び図15等に示すように、前記第1及び第2油圧アクチュエータと200a,200bと、前記補助油圧ポンプ本体310から供給される圧油の前記第1及び第2油圧アクチュエータ200a,200bへの給排を司る操向用切換弁420と、前記第1及び第2油圧アクチュエータ200a,200bの作動圧を画する可変リリーフ弁430と、前記第1及び第2油圧アクチュエータ200a,200b,前記操向用切換弁420及び前記可変リリーフ弁430を収容するバルブケース410とを備えている。
前記バルブケース410には、入力ポート400in及び出力ポート400outが形成されている。
さらに、該操向用バルブユニット400は、前記入力ポート400inに供給された圧油を前記操向用切換弁420及び前記出力ポート400outへ分流するように、前記バルブケース410に収容された分流弁440を備えている。
【0038】
詳しくは、図14〜図20に示すように、前記バルブケース410は、一端部が外表面(図示の形態においては前面)に開口して前記入力ポート400inを形成し且つ他端部が前記分流弁440の一次側ポート441に流体接続された入力油路411と、一端部が前記分流弁430の二次側第1ポート442aに流体接続され且つ他端部が前記操向用切換弁420の一次側第1ポート421aに流体接続された操向用共通作動油路412と、一端部が前記分流弁440の二次側第2ポート442bに流体接続され且つ他端部が外表面(図示の形態においては上面)に開口して前記出力ポート400outを形成する出力油路413と、一端部が前記操向用切換弁420の一次側第2ポート421bに流体接続され且つ他端部が外表面(図示の形態においては後面)に開口してドレンポート400dを形成する切換ドレン油路414と、一端部が前記操向用切換弁420の二次側第1ポート422aに流体接続され且つ他端部が前記第1シリンダ210aに流体接続された操向用第1作動油路415aと、一端部が前記操向用切換弁420の二次側第2ポート422bに流体接続され且つ他端部が前記第2シリンダ210bに流体接続された操向用第2作動油路415bと、一端部が前記第1シリンダ210aに流体接続可能とされた操向用第1リリーフ油路416aと、一端部が前記第2シリンダ210bに流体接続可能とされた操向用第2リリーフ油路416bと、一端部が前記操向用第1及び第2リリーフ油路416a,416bの双方に流体接続され且つ他端部が前記可変リリーフ弁430の一次側ポート431に流体接続された操向用共通リリーフ油路417と、一端部が前記可変リリーフ弁430の二次側ポート432に流体接続され且つ他端部が前記ドレンポート400dに流体接続されたリリーフドレン油路418とを有している。
なお、図14及び図17等に示すように、前記入力油路411にはフィルター405が介挿されている。
【0039】
図14に示すように、前記操向用切換弁420は、詳細は後述する前記操作レバー300の操作に基づき、前記操向用共通作動油路412を前記操向用第1作動油路415aに流体接続させ且つ前記操向用第2作動油路415bを前記切換ドレン油路414に流体接続させる第1アクチュエータ作動位置と、前記操向用共通作動油路412を前記操向用第2作動油路415bに流体接続させ且つ前記操向用第1作動油路415aを前記切換ドレン油路414に流体接続させる第2アクチュエータ作動位置と、前記操向用共通作動油路412,前記操向用第1作動油路415a及び前記操向用第2作動油路415bを前記切換ドレン油路414に流体接続させる非作動位置とをとり得るように構成されている。
【0040】
前記可変リリーフ弁430は、図14に示すように、外部操作に基づき、リリーフ圧を変更し得るように構成されている。
詳しくは、図15及び図19に示すように、該可変リリーフ弁430は、前記一次側ポート431を介して圧油を受けるリリーフピストン433と、該可変リリーフ弁430のリリーフ圧を設定するように一端部が前記リリーフピストン433に係合するリリーフバネ434と、前記リリーフバネ434の他端側と係合する可動部材435と、前記可動部材435を押動する可変操作機構450とを備えている。
【0041】
前記可変操作機構450は、前記可動部材435を介して、前記リリーフバネ434の状態を、初期状態から最大圧縮状態まで変化させ得るように構成されている。
本実施の形態においては、前記可変操作機構450は、前記可動部材435と係合する外周形状が非円形とされた係合部材451(図15等参照)と、前記係合部材451を相対回転不能に支持する可変作動軸452であって、一端部が前記バルブケース410の外方へ突出した可変作動軸452(図19等参照)と、前記可変作動軸452の前記突出端部に相対回転不能に支持された可変作動アーム453とを有している。
該可変操作機構450は、詳細は後述する前記操作レバー300の操作に応じて、作動するように構成されている。
【0042】
なお、前記係合部材451は、図15に示すように、前記可変作動軸452の軸線回り所定の初期位置においては前記可動部材435を初期位置に保持し、且つ、該初期位置から前記可変作動軸452の軸線回り何れの方向へ回転されても前記リリーフバネ434を圧縮させる方向へ前記可動部材435を押動するようになっている。
【0043】
好ましくは、図21に示すように、該可変操作機構450には、前記可動部材435を初期位置に係止するディテント機構460を備えることができる。
本実施の形態においては、該ディテント機構460は、前記可変作動軸452の外周面に形成された凹部と、該凹部に係入可能な係入部材461と、前記係入部材461を前記凹部へ向けて付勢する付勢部材462とを備えている。
【0044】
このように、前記操向用バルブユニット400においては、前記バルブケース410に、前記一対のアクチュエータ200a,200b、前記操向用切換弁420、前記可変リリーフ弁430及び前記分流弁440が一体的に収容されている。
従って、前記一対の油圧アクチュエータ200a,200bの作動油制御を効率的に行うことができる。
【0045】
斯かる操向用バルブユニット400において、前記第1油圧アクチュエータ200aは以下のように作動する。
なお、前記第2油圧アクチュエータ200bの動作は該第1油圧アクチュエータ200aと実質的に同一である。従って、該第2油圧アクチュエータ200bの動作説明は省略する。
【0046】
即ち、前記操向用切換弁420が前記第1アクチュエータ作動位置をとり、前記操向用第1作動油路415aからの圧油が前記第1シリンダ210aに流入すると、これにより、前記第1ピストン220aが初期位置から遮断位置まで押動される。なお、図14及び図18等に示すように、前記第1アクチュエータ200aには、前記第1ピストン220aを初期位置に向けて付勢する第1戻しバネ225aが設けられている。従って、前記圧油は、該第1戻しバネ225aの付勢力に抗して、前記第1ピストン220aを初期位置から遮断位置へ押動する。
斯かる第1ピストン220aの初期位置から遮断位置までの押動によって、前記第1伝動/遮断/制動切替機構180aは、前記第1操向リンク機構350aを介して、伝動状態から遮断状態へ移行する。
【0047】
ここで、前記操向用第1リリーフ油路416aは、前記第1ピストン220aが遮断位置まで移動すると、前記第1シリンダ210aに流体接続するように形成されている(図15及び図18参照)。
従って、前記第1ピストン220aが遮断位置に位置すると、前記操向用第1作動油路415a,前記第1シリンダ210a及び前記操向用第1リリーフ油路416aが流体接続され、これにより、前記第1油圧アクチュエータ200aの作動圧は前記可変リリーフ弁430によって画される状態となる。
【0048】
この際、前記可変操作機構350aの非操作状態においては、前記可変リリーフ弁430のリリーフ圧は初期設定圧のままである。従って、前記第1ピストン220aは前記遮断位置に保持される。
これに対し、前記可変操作機構350aの操作状態においては、前記リリーフバネ434の圧縮度に応じて前記可変リリーフ弁430のリリーフ圧が上昇する。
即ち、前記リリーフバネ434の圧縮長さに応じて、前記第1油圧アクチュエータ200aの作動圧が上昇し、これにより、前記第1ピストン220aが、前記戻しバネ225aの付勢力に抗して、前記遮断位置から制動位置まで押動される。
斯かる第1ピストン220aの遮断位置から制動位置までの押動によって、前記第1伝動/遮断/制動切替機構180aは、前記第1操向リンク機構350aを介して、遮断状態から制動状態へ移行する。
【0049】
本実施の形態においては、図15〜図17及び図19〜図20に示すように、前記バルブケース410を前記ミッションケース110の前面に装着させた状態を基準にして、前記油圧ピストン220a,220bの軸線が上下方向に沿う状態で前記第1及び第2油圧アクチュエータ200a,200bを車輌幅方向に並列させ、該第1及び第2油圧アクチュエータ200a,200bの上方において前記分流弁440及び前記操向用切換弁420を前後に並列させると共に、車輌前後方向に関し前記第1及び第2アクチュエータ200a,200bの前方且つ車輌幅方向に関し該第1及び第2アクチュエータ200a,200bの間においてリリーフバネ434の軸線が上下方向に沿うように前記可変リリーフ弁430を配置させており、これにより、前記操向用バルブユニット400のコンパクト化を図っている。
【0050】
さらに、図15,図16及び図19等に示すように、前記第1及び第2油圧ピストン220a,220bの自由端部を前記バルブケース410底面から下方へ突出させ、前記可変作動軸452を前記バルブケース410前面の下方領域から前方へ突出させ、前記入力ポート400inを前記バルブケース410前面の上方領域に設け、前記出力ポート400outを前記バルブケース410の上面に設け、且つ、前記ドレンポート400dを前記バルブケース410の後面に設けており、これにより、これらの相互干渉を有効に防止しつつ、該操向用バルブユニット400の大型化を可及的に防止している。
【0051】
なお、本実施の形態においては、図14及び図15等に示すように、前記操向用第1及び第2リリーフ油路416a,416bに、それぞれ、チェック弁406が介挿されている。
該チェック弁406は、一方の操向用リリーフ油路(例えば、操向用第1リリーフ油路416a)を流れる圧油が他方のシリンダ(例えば、第2シリンダ210b)内に流入することを、より確実に防止する為に任意的に備えられるものであり、所望により削除される。
即ち、例えば、前記第1油圧アクチュエータ200aを作動させ、且つ、前記第2油圧アクチュエータ200bを非作動としている場合を例にとると、この状態においては、前記第2シリンダ210bは、該第2シリンダ210bの内周面及び前記第2ピストン220bの外周面の当接領域215(図18参照)によって、前記操向用第2リリーフ油路416bから遮断されている。従って、前記チェック弁406を備えなくても、前記操向用第1リリーフ油路416aを流れる圧油が、前記第2シリンダ210b内に流入することが防止される。
【0052】
前記昇降用バルブユニット470は、図14に示すように、昇降用バルブケース480と、一端部及び他端部が外表面に開口してそれぞれ入力ポート470in及び出力ポート470outを形成するように前記バルブケース480に形成された作動油路471と、一端部が前記作動油路471に流体接続し且つ他端部が外表面に開口してドレンポート470dを形成するように前記バルブケース480に形成された昇降用リリーフ油路472と、前記昇降用リリーフ油路472に介挿された昇降用リリーフ弁481と、一端部が前記作動油路471に流体接続し且つ他端部が前記ドレンポート470dに流体接続するように前記バルブケース480に形成された下降/中立用油路473と、前記下降/中立用油路473に介挿された下降/中立切換弁482及びチェック弁483と、一端部が前記作動油路471に流体接続し且つ他端部が前記ドレンポート470dに流体接続するように前記バルブケース480に形成された上昇/中立用油路474と、前記上昇/中立用油路474に介挿された上昇/中立切換弁484とを備えている。
なお、前記下降/中立切換弁482及び前記上昇/中立切換弁484は、詳細は後述する前記操作レバー300の操作に基づき、作動制御されるようになっている。
【0053】
ここで、前記ミッションケース110の油貯留構造について説明する。
図22に、前記トランスミッション100の左側面図を示す。
【0054】
図13に示すように、前記ミッションケース110は、前記機械式変速機構160及び前記一対の伝動/遮断/制動切替機構180a,180bを収容するメイン空間111と、平面視において前記補助油圧ポンプユニット300とオーバーラップするように該補助油圧ポンプユニット300の下方において前記メイン空間111から後方へ膨出された膨出空間112とを有している。
そして、前記膨出空間112に収容されたフィルター部材105を介して、前記ミッションケース110内の貯留油が前記補助油圧ポンプ本体310によって吸引されるように構成されている。
【0055】
即ち、本実施の形態においては、前記補助油圧ポンプユニット300の下方のデッドスペースを利用して前記膨出空間112を形成し、該膨出空間112にフィルター部材105を収容している。
従って、油貯留空間及びフィルター収容空間を確保しつつ、該ミッションケース110の大型化を有効に防止することができる。
【0056】
詳しくは、前記ミッションケース110は、図4等に示すように、接合面を介して互いに着脱可能に連結される左側ケース本体121L及び右側ケース本体121Rと、前記左側ケース本体121Lに着脱自在に連結される蓋部材122とを備えている。
【0057】
前記左側ケース本体121L及び前記右側ケース本体121Rには、前記メイン空間111及び前記膨出空間112を区画するように、車輌幅方向に延びる隔壁115が設けられている。
具体的には、図13に示すように、前記右側ケース本体121Rには、右側面から車輌幅方向に沿って延びる右側第1隔壁115R,右側第2隔壁116R及び右側第3隔壁117Rが一体形成されている。
図示を省略するが、同様に、前記左側ケース本体121Lには、左側面から車輌幅方向に沿って延びる左側第1隔壁,左側第2隔壁及び左側第3隔壁が一体形成されている。
【0058】
前記右側第1〜第3隔壁115R〜117R及び前記左側第1〜第3隔壁は、前記右側ケース本体121R及び前記左側ケース本体121Lを連結させると、互いに接合されるようになっており、これにより、前記メイン空間111と前記膨出空間112とが区画されている。
なお、前記左側ケース本体121Lには、左側面のうち前記膨出空間112に対応する領域に、前記フィルター部材105の挿通を許容する開口(図示せず)が設けられており、前記蓋部材122(図22参照)が該開口を液密に覆うようになっている。
【0059】
前記左右の第1〜第3隔壁は、図13に示すように、前記膨出空間112を、下方に位置し且つ前記メイン空間111に連通された第1空間112aと、該第1空間112aの上方に位置する第2空間112bと、取出空間112cとに液密に分離するように構成されている。
前記第1空間112aはストレーナ等の第1フィルター部材105aを収容し、且つ、前記第2空間112bはラインフィルター等の第2フィルター部材105bを収容するように構成され、さらに、前記取出空間112cには外部に開口する取出ポート110outが設けられている。
【0060】
図23(a)〜(c)に、それぞれ、前記蓋部材122の外側面図,縦断面図及び内側面図を示す。又、図23(d)に、図23(a)におけるXXIII-XXIII線に沿った断面図を示す。
前記左側ケース本体121Lの前記開口を液密に閉塞する前記蓋部材122には、前記第1空間112aにおける濾過済領域(図示の形態においてはストレーナの中空部分)を前記第2空間112bにおける未濾過領域(図示の形態においてはラインフィルターの外側部分)に流体接続させる第1油路123と、前記第2空間112bにおける濾過済領域(図示の形態においてはラインフィルターの中空部分部)を前記取出空間112cに流体接続させる第2油路124とが設けられている。
【0061】
斯かる構成を備えることにより、前記第1及び第2フィルター部材105a,105bの設置作業及びメンテナンス作業の容易化を図りつつ、前記ミッションケース110内の貯留油を濾過状態で効率的に取り出すことができる。
なお、本実施の形態においては、前記第1及び第2フィルター部材105a,105bを備えるように構成したが、当然ながら、一方のみを備えることも可能である。斯かる場合には、前記第1及び第2空間112a,112bの一方が削除される。
【0062】
次に、前記コンバイン1における操作レバー構造について説明する。
図24に、本実施の形態における操作レバー構造の正面図を示す。
又、図25〜図29に、それぞれ、該操作レバー構造の拡大正面図,拡大左側面図,拡大右側面図,拡大背面図及び拡大左前方斜視図を示す。
【0063】
前記操作レバー構造は、前記本機フレーム2に対して前記刈取・搬送装置20を昇降させる前記油圧昇降装置4への作動油の給排を司る前記昇降用切換弁482,484と、前記第1及び第2伝動/遮断/制動切替機構180a,180bをそれぞれ作動させる前記第1及び第2油圧アクチュエータ200a,200bへの作動油の給排を司る前記操向用切換弁420と、前記第1及び第2油圧アクチュエータ200a,200bの作動圧を制御する前記可変リリーフ弁430とを単一の前記操作レバー500によって操作可能に構成されている。
【0064】
詳しくは、該操作レバー構造は、図24〜図29に示すように、前記操作レバー500と、操向用従動部材510と、昇降用従動部材520と、操向方向検出機構530と、ブレーキ用機械リンク機構540と、昇降検出機構550とを備えている。
【0065】
前記操向用従動部材510は、車輌前後方向に沿った操向基準軸線X回り揺動自在とされている。
本実施の形態においては、該操向用従動部材510は、図26等に示すように、前記操向基準軸線Xを画する操向軸511と、該操向軸511に相対回転不能に連結された操向部材512とを有している。
前記操向部材512は、前記操向軸511に相対回転不能に連結される前プレート部513と、該前プレート部513から車輌後方へ延びる前後プレート部514と、該前後プレート部514から車輌幅方向に延びる後プレート部515とを一体的に有している。
【0066】
前記昇降用従動部材520は、前記操向用従動部材510に対して、車輌左右方向に沿った昇降基準軸線Y回り相対回転自在且つ前記操向基準軸線X回り相対回転不能に連結されている。
本実施の形態においては、該昇降用従動部材520は、図26等に示すように、前記昇降基準軸線Yを画する昇降軸521と、該昇降軸521に相対回転不能に連結されたベース部522とを有している。
該昇降用従動部材520は、前記昇降軸521が前記前後プレート部514に設けられた軸受孔に相対回転自在に挿入されることで、前記操向用従動部材510に対して前記昇降用基準軸線Y回り相対回転自在で且つ前記操向基準軸線X回り相対回転不能とされている。
【0067】
前記操作レバー500は、先端部が把持部とされ、且つ、下端部が前記昇降用従動部材520に係合されている。
該操作レバー500は、前記把持部を車輌左右方向に揺動操作することにより前記昇降用従動部材520を介して前記操向用従動部材510を前記操向基準軸線X回りに揺動させ、且つ、前記把持部を車輌前後方向に揺動操作することにより前記昇降用従動部材520を前記昇降基準軸線Y回りに揺動させるように構成されている。
【0068】
好ましくは、前記操向基準軸線X及び前記昇降基準軸線Yが互いに交差するように前記操向用従動部材510及び前記昇降用従動部材520を配設させることができる。
即ち、前記操向基準軸線X及び前記昇降基準軸線Yの高さ位置を略同一とすることにより、前記操作レバー500の車輌左右方向及び車輌前後方向への揺動操作によって、前記操向用従動部材510及び前記昇降用従動部材520をそれぞれ制御性良く揺動させることができる。
【0069】
前記操向方向検出機構530は、前記操作レバー500の車輌左右方向に関する揺動方向を検出するように構成されている。
本実施の形態においては、図24に示すように、該操向方向検出機構530は、前記ブレーキ用機械リンク機構540に付設された操向方向被検出体531と、該操向方向被検出体531の揺動方向を検出する操向方向センサー部材(図示せず)とを有している。
該操向方向検出機構530による検出信号によって、前記操向用切換弁420が作動制御される。
なお、図24中の531(S),531(L)及び531(R)は、それぞれ、前記操作レバー500を直進位置,左旋回位置及び右旋回位置に位置させた際の前記操向方向被検出体531を示している。
【0070】
前記ブレーキ用機械リンク機構540は、前記操作レバー500の車輌左右方向に関する揺動量に応じて前記可変リリーフ弁430を作動的に制御するように構成されている。
【0071】
本実施の形態においては、図24に示すように、該ブレーキ用機械リンク機構540は、前記操向用従動部材510の前記操向基準軸線X回りの揺動に応じて上下方向に移動するように該操向用従動部材510に連結された従動リンク541と、自由端部が該従動リンク541に連結された入力側カウンターアーム542と、前記操向基準軸線Xより下方において略平行に配設されたカウンター軸543であって、前記入力側カウンターアーム542の基端部を相対回転不能に支持するカウンター軸543と、該カウンター軸543に相対回転不能に支持された出力側カウンターアーム544と、該出力側カウンターアーム544の自由端部と前記可変操作機構450の前記可変作動アーム453との間を連結するリンク部材545(図4〜図6等参照)とを備えている。
なお、本実施の形態においては、図24に示すように、前記操向方向被検出体531は、前記出力側カウンターアーム544の自由端部に連動するように設けられている。
【0072】
前記昇降検出機構550は、前記操作レバー500の車輌前後方向に関する揺動方向を検出するように構成されている。
本実施の形態においては、該昇降検出機構550は、図26に示すように、前記操向用従動部材510に支持された一対の昇降用センサー部材551と、前記昇降用従動部材520に支持された昇降用被検出体552とを有している。
【0073】
このように、本実施の形態においては、前記昇降用従動部材520を前記操向用従動部材510に前記昇降基準軸線Y回り揺動自在とすると共に、前記昇降用センサー部材551を該操向用従動部材510に支持させている。
従って、前記操向用切換弁420及び前記可変リリーフ弁430の作動制御を行う際の前記操作レバー500の動作と、前記昇降用切換弁482,484の作動制御を行う際の前記操作レバー500の動作との干渉を有効に防止しつつ、操作レバー構造の小型化及び構造簡略化を図ることができる。
【0074】
さらに、本実施の形態においては、前述の通り、前記操向基準軸線Xより下方において該操向基準軸線Xと略平行に配設された前記カウンター軸543であって、前記操向基準軸線X回りの前記操向用従動軸510の揺動に同期して軸線回りに回転する前記カウンター軸543を設けている。そして、該カウンター軸543を介して前記操作レバー500の車輌左右方向の揺動動作を前記可変リリーフ弁430に伝達するように構成している。
斯かる構成によれば、前記操向基準軸線X回りの前記操作レバー500の揺動角度範囲を十分に確保しつつ、該操作レバー500の揺動距離(揺動幅)を可及的に小さくすることができる。
従って、前記コンバインを左右方向に操向する際の操作性を向上させつつ、操作レバー構造の小型化を図ることができる。
【0075】
好ましくは、前記出力側カウンターアーム544を前記入力側カウンターアーム542よりも長くすることができ、これにより、前記操作レバー500の揺動動作に基づく前記リンク部材545の移動範囲を十分に確保することができる。
【0076】
斯かる本実施の形態においては、前記種々の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
即ち、本実施の形態においては、前記ミッションケース110を油貯留可能に構成すると共に、該ミッションケース110内の貯留油を油源とする補助油圧ポンプ本体310を該ミッションケース110に付設し、前記一対の油圧アクチュエータ200a,200b及び前記操向用切換弁420が設けられた前記操向用バルブユニット400を前記ミッションケース110に付設し、前記昇降用切換弁482,484が設けられた前記昇降用バルブユニット470を前記油圧昇降装置4に近接するように前記ミッションケース110から離間配置させ、さらに、前記補助油圧ポンプ本体310からの圧油を前記操向用切換弁420及び前記昇降用切換弁482,484へ分流させる分流弁440を、前記操向用バルブユニット400に設けている。
【0077】
斯かる構成によれば、前記補助油圧ポンプ本体310の吐出側ラインを可及的に短縮させることができ、これにより、該吐出側ラインの圧力損失を効果的に低減させることができる。
即ち、前記ミッションケース110に支持された補助油圧ポンプ本体310からの圧油を、該ミッションケース110に付設される操向用バルブユニット400内の分流弁440によって前記一対のアクチュエータ200a,200b及び前記油圧昇降装置4へ分流させている。従って、前記補助油圧ポンプ本体310と前記分流弁440との間の油圧ライン長さを可及的に短縮させることができ、これにより、圧力損失を効果的に低減させることができる。
さらに、前記分流弁440及び前記一対の油圧アクチュエータ200a,200bの間の油圧ライン長も可及的に減少させることができる。
【0078】
又、本実施の形態においては、前記運転席5の左側に配置された前記ミッションケース110の右側面に前記HST140を支持させ、且つ、前記一対の油圧アクチュエータ200a,200b及び前記操向用切換弁420を含む前記操向用バルブユニット400を該ミッションケース110の前面に支持させている。
従って、前記ミッションケース110の左側に自由空間を確保することができ、これにより、本機フレーム2の左側に配設される前記刈取・搬送装置20の搬送部26や前記フィードチェーン装置30の設計自由度を向上させることができる。
【0079】
なお、本実施の形態においては、前述の通り、前記操向用バルブユニット400は、前記分流弁440及び前記操向用切換弁420が前後に並列されているが、これに代えて、該分流弁440及び該操向用切換弁420を上下に並列させることも可能である。
図30に、本発明の他の実施の形態におけるトランスミッション100’の油圧回路図を示す。
又、図31〜図33に、それぞれ、他の実施の形態における操向用バルブユニット400’の一部縦断正面図,縦断側面図及び底面図を、図34に、該操向用バルブユニット400’の縦断正面図を示す。
なお、図30〜図34に示す形態においては、前記チェック弁406を削除している。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】図1は、本発明の一実施の形態が適用されたコンバインの斜視図である。
【図2】図2は、図1に示すコンバインの左側面図である。
【図3】図3は、図1及び図2に示すコンバインの正面図である。
【図4】図4は、図1〜図3に示すコンバインにおけるトランスミッション,運転席及び操作レバーの斜視図である。
【図5】図5は、図4の左側面図である。
【図6】図6は、図4及び図5の平面図である。
【図7】図7は、図4〜図6に示すトランスミッションの正面図である。
【図8】図8は、図7に示すトランスミッションの左側面図である。
【図9】図9は、図7及び図8に示すトランスミッションの右側面図である。
【図10】図10は、図7〜図9に示すトランスミッションの背面図である。
【図11】図11は、図7〜図10に示すトランスミッションの平面図である。
【図12】図12は、図7〜図11に示すトランスミッションの展開縦断正面図である。
【図13】図13は、図7〜図12に示すトランスミッションの左側面断面図である。
【図14】図14は、図7〜図13に示すトランスミッションの油圧回路図である。
【図15】図15は、前記トランスミッションに付設される操向用バルブユニットの部分断面正面図である。
【図16】図16は、図15におけるXVI-XVI線に沿った前記操向用バルブユニットの右側面図である。
【図17】図17は、図15におけるXVII-XVII線に沿った断面図である。
【図18】図18は、図16におけるXVIII-XVIII線に沿った断面図である。
【図19】図19は、図15におけるXIX-XIX線に沿った断面図である。
【図20】図20は、図15におけるXX-XX線に沿った断面図である。
【図21】図21は、図15におけるXXI-XXI線に沿った前記操向用バルブユニットの底面図である。
【図22】図22は、図7〜図13に示す前記トランスミッションの左側面図である。
【図23】図23は、前記トランスミッションにおけるミッションケースの蓋部材を示しており、図23(a)〜(c)はそれぞれ該蓋部材の外側面図,縦断面図及び内側面図、図23(d)は図23(a)におけるXXIII-XXIII線に沿った断面図である。
【図24】図24は、図1〜図3に示す前記コンバインにおける操作レバー構造の正面図である。
【図25】図25は、前記操作レバー構造の拡大正面図である。
【図26】図26は、前記操作レバー構造の拡大左側面図である。
【図27】図27は、前記操作レバー構造の拡大右側面図である。
【図28】図28は、前記操作レバー構造の拡大背面図である。
【図29】図29は、前記操作レバー構造を左前方から視た斜視図である。
【図30】図30は、本発明の他の実施の形態におけるトランスミッションの油圧回路図である。
【図31】図31は、図30に示す前記トランスミッションにおける操向用バルブユニットの一部断面正面図である。
【図32】図32は、図31に示す前記操向用バルブユニットの左側面断面図である。
【図33】図33は、図31及び図32に示す前記操向用バルブユニットの底面図である。
【図34】図34は、図31〜図33に示す前記操向用バルブユニットの正面断面図である。
【符号の説明】
【0081】
1 コンバイン
4 油圧昇降装置
10 クローラ式走行装置
20 刈取・搬送装置
100 トランスミッション
110 ミッションケース
130a,130b 第1及び第2走行系出力軸
140 HST
160 機械式変速機構
180a,180b 第1及び第2伝動/遮断/制動切替機構
200a,200b 第1及び第2油圧アクチュエータ
310 補助油圧ポンプ本体
400 操向用バルブユニット
420 操向用切換弁
430 可変リリーフ弁
440 分流弁
470 昇降用バルブユニット
481 昇降用リリーフ弁
482,484 昇降用切換弁




 

 


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