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発明の名称 穀粒搬送用コンベア装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−68409(P2007−68409A)
公開日 平成19年3月22日(2007.3.22)
出願番号 特願2005−255581(P2005−255581)
出願日 平成17年9月2日(2005.9.2)
代理人 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
発明者 小郷 浩行
要約 課題
コンベアを複数の分割コンベアから構成し、スクリュー羽根も含むコンベアの全表面を浸炭窒化処理を行うことで耐久性改善や長寿命化を図ることを目的とする。

解決手段
コンベア軸18Aと、該コンベア軸18Aに固定される螺旋状のコンベアとを備えるスクリューコンベアを回転自在に備えた穀粒搬送用コンベア装置において、前記コンベアを複数に分割し、分割されたコンベアの少なくとも一個以上のコンベア表面全域に浸炭窒化処理を施した。
特許請求の範囲
【請求項1】
コンベア軸と、該コンベア軸に固定される螺旋状のコンベアとを備えるスクリューコンベアを回転自在に備えた穀粒搬送用コンベア装置において、
前記コンベアを複数に分割し、分割されたコンベアの少なくとも一個以上のコンベア表面全域に浸炭窒化処理を施したことを特徴とする穀粒搬送用コンベア装置。
【請求項2】
複数のスクリューコンベアを組み合わせて、スクリューコンベアの搬送受継部で搬送方向を変化させる穀粒搬送用コンベア装置において、
コンベア軸上に配置する螺旋状のコンベアを複数に分割して連続配置し、前記搬送受継部に位置する搬送下手側又は搬送上手側の少なくとも一方または両方のコンベアの肉厚を、他のコンベアの肉厚よりも厚く構成したことを特徴とする穀粒搬送用コンベア装置。
【請求項3】
複数のスクリューコンベアを組み合わせて、スクリューコンベアの搬送受継部で搬送方向を変化させる穀粒搬送用コンベア装置において、
コンベア軸上に配置する螺旋状のコンベアを複数に分割して連続配置し、前記搬送受継部に位置する搬送下手側又は搬送上手側の少なくとも一方または両方のコンベアの表面全域に浸炭窒化処理を施したことを特徴とする穀粒搬送用コンベア装置。
【請求項4】
複数のスクリューコンベアを組み合わせて、スクリューコンベアの搬送受継部で搬送方向を変化させる穀粒搬送用コンベア装置において、
コンベア軸上に配置する螺旋状のコンベアを複数に分割して連続配置し、前記搬送受継部に位置する搬送下手側又は搬送上手側の少なくとも一方または両方のコンベアの肉厚を、他のコンベアの肉厚よりも厚く構成し、かつ、表面全域に浸炭窒化処理を施したことを特徴とする穀粒搬送用コンベア装置。
【請求項5】
穀粒搬送用コンベア装置の複数のスクリューコンベアのうち、搬送最上手側のものを脱穀部の一番コンベアとし、搬送最下手側のスクリューコンベアをグレンタンクに連通したことを特徴とする請求項2または請求項3または請求項4に記載の穀粒搬送用コンベア装置。
【請求項6】
穀粒搬送用コンベア装置の複数のスクリューコンベアのうち、搬送最上手側のものを脱穀部の二番コンベアとし、搬送最下手側のスクリューコンベアを脱穀部への還元口に連通したことを特徴とする請求項2または請求項3または請求項4に記載の穀粒搬送用コンベア装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、水稲や麦等の穀粒を搬送するためのコンベアに関し、詳しくは、コンバインの脱穀部に配設される一番コンベアや二番コンベアや二番還元コンベアや揚穀コンベア等のスクリューの耐摩耗性改善等を図る技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鋼材の表面を硬化させるための表面処理として従来から、浸炭窒化処理が広く知られている。浸炭窒化処理とは、鋼材等の表面に炭素と同時に窒素を含浸させて、この表面に硬化層を形成する処理である。これら浸炭窒化処理を行う方法として、ガス浸炭窒化方法、プラズマ浸炭窒化方法等、各種の方法が知られている。
浸炭窒化したものは焼戻しによる軟化抵抗が大であり、また残留応力の分布が好ましい形なので疲労と衝撃に強くなる。従って、歯車、シャフト、カム、ピン、軸受等の表面硬化に利用されている(例えば、特許文献1又は特許文献2参照)。
【0003】
また、従来よりコンバインの脱穀部においては、扱室内に、機体前後方向に軸装された扱胴の回転により、穀稈を脱穀するものであり、脱穀された穀粒は、脱穀装置の下方に配する揺動選別盤により、風選別・比重選別が行なわれる。この選別後、一番コンベアからは、一番物としての籾(精粒)がグレンタンクに貯留され、二番コンベアからは、二番物として比重の軽い穀粒や稈屑等が選別部または脱穀部に還元される。
一番コンベアには、一番揚穀コンベアが連通されて上方に搬送された後、グレンタンクに貯留される。また、二番コンベアに集めた二番物は、二番還元コンベアにより上方に搬送された後、二番還元コンベアにより前方に搬送されて、再び扱室に投入され、再選別にかけられる。
【0004】
また、それら種々のコンベアを受継する場所として、一番コンベアから揚穀コンベアへ一番物を受け継ぎ搬送させる第一受継部と、二番コンベアから二番還元コンベアへ二番物を受け継ぎ搬送させる第二受継部がそれぞれ設けられている(例えば、特許文献3又は特許文献4参照)。
【特許文献1】特開平11−6526号公報
【特許文献2】特開2003−239981号公報
【特許文献3】特公平7−41968号公報
【特許文献4】実開平5−15732号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
第一受継部若しくは第二受継部等の内部に配設されている第一コンベアや揚穀コンベア等の種々のコンベアの先端部(受継部側)の螺旋状のコンベア(スクリュー羽根)は、受継部内で向きが変わって穀粒等の搬送物を受け継いでいくので摩耗しやすくなる。よって、コンベアの先端部(受継部側)のスクリュー羽根は、先端部以外のスクリュー羽根に比べて螺旋状刃の径が大きく、肉厚も厚いように設計されている。予め径を大きくすることで搬送力を上げ、受け継ぎの効率上昇を図っている。
【0006】
しかし、搬送物である籾、穀粒、藁屑等の表面はがさついており、コンベアの表面、特に、スクリュー羽根の表面を摩耗し、例えば揚穀コンベアの場合、受継部から投口部にかけてテーパ状に摩耗していた。特に、スクリュー羽根の送り刃が摩耗しやすく、鋭さがなくなり丸みをおびて径が小さくなり搬送能力が低下していた。
そのため、従来から該コンベア先端部には浸炭窒化処理によって表面処理されていた。
しかし、先端部以外にも局部摩耗が作用する以上、これが原因となる早期剥離や早期摩耗を満足できる程度に抑制できず、耐久性或いは長寿命化等において十分であるとは言い難い。
【0007】
また、浸炭窒化処理時にコンベアの長さの誤差が生じたり、芯がぶれたりする可能性がある。
特に、上記コンベア表面全体がテーパ状に摩耗するような揚穀コンベア等では、耐久性を上げるためにコンベア表面全体を全浸炭窒化処理を施すことになるが、長いコンベアに浸炭窒化処理を施した場合、硬度が上がることと歪みにより、コンベア軸への組み込みが困難となり、また、その歪みにより全長寸法を出すことも困難になる。
【0008】
つまり、解決しようとする問題点は、スクリューコンベア式のコンベア装置において、搬送物との接触による負荷が大きくかかる部位はスクリューコンベアの先端部に限定されないため、スクリューコンベアの先端部のみ、肉厚を厚くしたり表面硬化処理を施すことで強化しても、スクリューコンベアの耐久性改善や長寿命化を図ることができないという点である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0010】
即ち、請求項1においては、コンベア軸と、該コンベア軸に固定される螺旋状のコンベアとを備えるスクリューコンベアを回転自在に備えた穀粒搬送用コンベア装置において、
前記コンベアを複数に分割し、分割されたコンベアの少なくとも一個以上のコンベア表面全域に浸炭窒化処理を施したものである。
【0011】
請求項2においては、複数のスクリューコンベアを組み合わせて、スクリューコンベアの搬送受継部で搬送方向を変化させる穀粒搬送用コンベア装置において、
コンベア軸上に配置する螺旋状のコンベアを複数に分割して連続配置し、前記搬送受継部に位置する搬送下手側又は搬送上手側の少なくとも一方または両方のコンベアの肉厚を、他のコンベアの肉厚よりも厚く構成した。
【0012】
請求項3においては、複数のスクリューコンベアを組み合わせて、スクリューコンベアの搬送受継部で搬送方向を変化させる穀粒搬送用コンベア装置において、
コンベア軸上に配置する螺旋状のコンベアを複数に分割して連続配置し、前記搬送受継部に位置する搬送下手側又は搬送上手側の少なくとも一方または両方のコンベアの表面全域に浸炭窒化処理を施したものである。
【0013】
請求項4においては、複数のスクリューコンベアを組み合わせて、スクリューコンベアの搬送受継部で搬送方向を変化させる穀粒搬送用コンベア装置において、
コンベア軸上に配置する螺旋状のコンベアを複数に分割して連続配置し、前記搬送受継部に位置する搬送下手側又は搬送上手側の少なくとも一方または両方のコンベアの肉厚を、他のコンベアの肉厚よりも厚く構成し、かつ、表面全域に浸炭窒化処理を施したものである。
【0014】
請求項5においては、穀粒搬送用コンベア装置の複数のスクリューコンベアのうち、搬送最上手側のものを脱穀部の一番コンベアとし、搬送最下手側のスクリューコンベアをグレンタンクに連通したものである。
【0015】
請求項6においては、穀粒搬送用コンベア装置の複数のスクリューコンベアのうち、搬送最上手側のものを脱穀部の二番コンベアとし、搬送最下手側のスクリューコンベアを脱穀部への還元口に連通したものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0017】
請求項1においては、浸炭窒化処理の施されたコンベアの全体に表面硬化層を形成することにより、局部摩耗及び局部応力の発生を抑制して、早期剥離や早期摩耗の問題を回避すると共に、搬送物の受継による負荷が大きく加わる箇所であっても、コンベアの耐摩耗性、疲労強度等の耐久性改善や長寿命化を図ることができる。
また、コンベアを長手方向に複数に分割することにより、浸炭処理等により硬度を上げたときの歪みが小さくなり、長さのバラツキも小さくすることができ、スクリューが歪みによりコンベアケース内に組み込むことができないような事態も防ぐことができるのである。
また、長さのバラツキが発生してもスクリューを分割してあるので、重ね合わせ代を変化させることでバラツキを吸収することができる。
【0018】
請求項2においては、コンベアとコンベアの受継部において、搬送上流側(搬送下流側に掻出し羽根が配置される)の分割したスクリュー羽根(受継側スクリュー羽根)の肉厚を、他の分割したスクリュー羽根(搬送用スクリュー羽根)の肉厚よりも厚くすることにより、耐摩耗性が向上し、搬送性能も向上できるのである。
【0019】
請求項3および請求項4においては、スクリューコンベアの搬送受継部において搬送方向を変化させる場合には、被搬送物が滞りやすく、そのようなコンベアケース付近のスクリューは摩耗しやすい。そのような搬送物の受継が厳しい箇所であっても、コンベア全体に対して浸炭窒化処理を施して表面硬化層を形成することにより、コンベアの耐摩耗性、疲労強度等の耐久性改善や長寿命化を図ることができる。
【0020】
請求項5においては、グレンタンクへ垂直上方に籾を搬送する穀粒搬送用コンベアが耐摩耗性、疲労強度等の耐久性改善を施されていることにより、コンベアケース内の底部(受継部)に一時的に溜まる大量の籾に対するコンベアのスクリューの耐摩耗性を向上させることができる。
【0021】
請求項6においては、脱穀部への還元口に二番物を搬送する穀粒搬送用コンベアが耐摩耗性、疲労強度等の耐久性改善を施されていることにより、コンベアケース内の底部(受継部)に一時的に溜まる大量の籾に対するコンベアのスクリューの耐摩耗性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の一実施例に係るコンバインの全体的な構成を示した左側面図、図2は同じく全体平面図、図3は脱穀部全体の断面側面図、図4は脱穀部全体の断面平面図、図5は二番物投入部の羽根構造を示す側面図、図6は二番物投入部の羽根構造を示す正面図、図7は一番コンベアと揚穀コンベアとを内装した第一受継部の正面図、図8は二番コンベアと二番還元コンベアとを内装した第二受継部の正面図、図9は複数の分割コンベアから構成される揚穀コンベアの正面図、図10(a)は図9におけるXから見た図、(b)は図9におけるYから見た図である。
【0023】
まず、本発明に係るコンバイン1の全体構成について、図1若しくは図2を用いて説明する。
クローラ式走行装置2上には機体フレーム3が載置され、該機体フレーム3の前端には引起し・刈取部4が昇降可能に配設されている。該引起し・刈取部4の前端からは穀稈を分草するための分草板5が突出しており、該分草板5の後部には引起しケース6(引起し装置)が立設されている。
そして、該引起しケース6からはタイン7が突出しておいり、該タイン7の下方から上方への移動により穀稈を引き起し、前記分草板5後部に配設される刈刃8により穀稈の株元を刈り取る構成となっている。刈り取られた穀稈は、下部搬送装置、上部搬送装置、縦搬送装置により後方へ搬送され、株元が縦搬送装置の上端からフィードチェーン9に受け継がれて脱穀部10内に搬送される。該脱穀部10は、フィードチェーン9を左側に張架し扱胴11及び処理胴12を内蔵している。
フィードチェーン9の後端には排藁搬送チェーン13が配設されており、該排藁搬送チェーン13及び排藁搬送タイン14の後部下方には排藁カッター装置15、拡散コンベア等からなる排藁処理部16が形成されている。該排藁処理部16により、排藁を切断して藁片にした後、拡散しながら圃場に均一放出、あるいは排藁カッター装置15をバイパスさせて切断せずに放出するようにしている。
【0024】
前記脱穀部10の下方には選別部17が配設されており、該選別部17によって脱穀部10から流下する穀粒や藁屑などから穀粒を選別し、選別後の穀粒を揚穀コンベア18を介し脱穀部10の側方に配設されるグレンタンク19に搬送して貯溜し、藁屑などは後方へ送り機外に排出するようにしている。
【0025】
また、前記グレンタンク19の前方には運転部20が構成されており、該運転部20においては、運転席21及び運転操作部22が備えられている。
【0026】
次に、脱穀装置の選別部17について、図3、図4を用いて説明する。
選別部17においては、揺動選別盤28による揺動選別と唐箕29による風選別とが行われ、一番物と二番物と藁屑等に分別される。
【0027】
揺動選別盤28は、扱網26前部下方に位置させるフィードパン30と、前記扱網26後部下方に位置させるチャフシーブ31と、該チャフシーブ31下方に配設するグレンシーブ32等から構成され、該揺動選別盤28は機枠33内に収納される。揺動選別盤28の前端部は扱胴11の前端部の下方まで延出され、揺動選別盤28の後方に篩い線34を一体的に取付けている。
そして、揺動選別盤28前部には揺動リンク23が設けられるとともに、後部にはガイドローラ24が設けられ、それらを介して揺動選別盤28が機枠33に対して前後方向に揺動自在に支持される。
【0028】
前記チャフシーブ31は揺動選別盤28に投入される処理物の量に応じてその開度を調節することが可能であり、穀粒および細かい藁屑はチャフシーブ31を通過して下方に落下し、チャフシーブ31の開口よりも大きい藁屑等は後方に搬送される。このとき、チャフシーブ31とグレンシーブ32との間には唐箕29により選別部17の前方から後方へ選別風が発生しており、細かい藁屑の一部は後方に吹き飛ばされて穀粒と分離される。
【0029】
また、前記揺動選別盤28のフィードパン30下方かつ一番コンベア36前部下方に唐箕29が配置され、チャフシーブ31やグレンシーブ32に選別風を送風するようにしている。
【0030】
そして、吸排塵ファン40を前記篩い線34上方で処理室後端の排塵口に対向させて吸引口40Aを臨ませ、かつ、揺動選別盤28の後端部側方に横設させ、前記扱胴11及び処理胴12により脱穀された穀粒を揺動選別盤28で選別し精粒のみを前記グレンタンク19に取出すと共に、排藁を排藁搬送チェーン13及び排藁搬送タイン14を介し排藁カッター15A・15Bを有する排藁処理部16に送り込んで切断後機外に排出させるように構成している。
また、前記唐箕29から供給される選別風の流れに乗ってきた塵埃や脱穀時に発生する塵埃等を、該吸排塵ファン40により吸引して機外へと排出するようにしている。
【0031】
また、前記揺動選別盤28下方の前後途中位置には、左右方向に共にスクリュー式のコンベアで構成した一番コンベア36と二番コンベア37とが前後で平行に横設される。一番コンベア36と二番コンベア37との位置関係は、一番コンベア36が唐箕29に近い側(機枠33の前部)、二番コンベア37が唐箕29から遠い側(機枠33の後部)となる。
【0032】
一番コンベア36の右端部にはその長手方向(搬送方向)が略上下方向となるように設けられた揚穀コンベア18の下部が連通され、該揚穀コンベア18の上端はグレンタンク19内と連通している。
【0033】
このような構成において、選別部17内に投入され、揺動選別盤28に漏下された穀粒、枝梗付着粒、未熟穀粒および細かい藁屑等の混合物は、チャフシーブ31上に漏下される過程で唐箕29により発生する選別部17の前方から後方への気流により、細かい藁屑の一部が後方へ吹き飛ばされる。チャフシーブ31上に漏下した穀粒、枝梗付着粒、未熟穀粒および細かい藁屑等の混合物は、揺動選別盤28の揺動により、後方に搬送される。このとき、穀粒、未熟穀粒、枝梗付着粒および細かい藁屑等はチャフシーブ31の開口部より下方に落下し、大きい藁屑はチャフシーブ31後方まで搬送されて篩い線34で篩い作用を受けた後に機外に排出される。
【0034】
チャフシーブ31の開口部から落下した穀粒、未熟穀粒、枝梗付着粒および細かい藁屑等はグレンシーブ32上に漏下する。このときにも唐箕29からの選別風により、細かい藁屑の一部は後方に吹き飛ばされて分離される。
【0035】
グレンシーブ32上に漏下された穀粒、未熟穀粒、枝梗付着粒および細かい藁屑等のうち、穀粒、未熟穀粒、細かい藁屑等はグレンシーブ32を漏下して下方に落下する。このとき、重量が大きい穀粒(一番)は一番回収部41(唐箕29の後方に設けられた選別部17底面の窪みであり、一番コンベア36が収容されている)に回収され、一番コンベア36から揚穀コンベア18を経て、グレンタンク19に搬送される。
【0036】
一方、重量が小さい未熟穀粒や細かい藁屑の一部や穂切れ粒や穀粒等が混じった未処理物は、唐箕29からの選別風により後方に吹き飛ばされ、二番回収部42(一番回収部41の後方に設けられた選別部17底面の窪みであり、二番コンベア37が収容されている)に回収され、二番コンベア37から二番還元コンベア43を経て、扱室、フィードパン30またはチャフシーブ31上に再投入される。
【0037】
排藁処理部16は、図3に示すように、脱穀部10(扱胴11)の直後方位置で、選別部17の後上方位置に吸排塵ファン40を配設し、該吸排塵ファン40の直後方位置に排藁カッター装置15を配設している。該排藁カッター装置15は、大径状のカッター刃15Aと小径状のカッター刃15Bとから構成されている。
【0038】
二番還元コンベア43の投口部43C内の構成について、図5及び図6を用いて説明する。
前記二番コンベア37右側端の送り終端に、二番還元コンベア43の送り始端が連通され連動連結されている。そして二番還元コンベア43の前記投口部43C内における二番還元コンベア軸43Aの送り終端上には掻出し羽根43Dが設けられている。該掻出し羽根43Dは投口部43C内で二番還元コンベア軸43A周面から半径方向に延出する板状の羽根であって、下端を該掻出し羽根43Dまでの二番還元コンベア軸43A周面に螺線状に設けられるスクリュー羽根(螺旋状のコンベア)43Bの送り終端と連結させ、スクリュー羽根43Bの送り終端に連続して掻出し羽根43Dを設けている。
【0039】
さらに、図5の実線に示す掻出し羽根43Dの位置から略90度回転させた仮想線から明らかなように、前記掻出し羽根43Dはスクリュー羽根43Bと逆方向のリード角βを設けるように軸芯に対して傾倒させて設けている。即ち、掻出し羽根43Dの上端が下端に比べて二番還元コンベア軸43Aの回転方向Aに略10度前後進んだ位置に位置する。
またさらに前記掻出し羽根43Dの径方向先端縁を回転方向Aに所定角度α(略45度前後)折曲げて折曲げ部43Eを設けている。従って、前記掻出し羽根43Dは折曲げ部43Eを設けたことによって、該折曲げ部43Eを設けないものに比べ、二番物を二番還元口64から脱穀機筐内方へより遠くに飛ばすことが可能となり、揺動選別盤28の右側に片寄って二番物が還元されるのを防止することができる。
【0040】
また、前記リード角βを設けない二番還元コンベア軸43Aの軸芯と平行な掻出し羽根に前記折曲げ部43Eを設けた場合には、二番物を斜め上方に飛ばしてしまい、機枠の二番還元口64内方で揺動選別盤28上方の扱網26に沿って、右側板49Aと扱網26との間に詰まりを発生させる恐れがあるが、前記掻出し羽根43Dに前記のリード角βを設けたことによって、二番物の跳ね上がりを抑え斜め下方に飛ばすことが可能となり、右側板49Aと扱網26間への二番物の詰まりを防止することができる。
これら折曲げ部43Eと逆リード角βを有する掻出し羽根43Dにより二番物は二番還元口64から脱穀機筐の内方に斜め下方に飛ばされ、扱網26を避けてこの下側から揺動選別盤28前部のフィードパン30上に均一に載せられる。また二番還元コンベア軸43Aの送り終端側に向って順次二番物の投入高さが高くなり、扱網26も右側板49Aに接近するが、掻出し羽根43Dは送り終端に向うほど二番物の飛び方向を下側に向ける作用が強くなるため有効である。
【0041】
一番コンベアから揚穀コンベアへの動力の伝達機構について、詳しくは、第一受継部の内部構成について図7を用いて説明する。
風選別・比重選別された籾を一番コンベア36から揚穀コンベア18へ横送り受け継ぎ搬送される一番受継部125において、横方向に配設されている一番コンベア軸36Aの一番受継部125側先端部外周にはスプラインが形成されており、内側にスプラインボス部を形成したベベルギヤが相対回転不可能に被嵌(スプライン嵌合)されている。該一番コンベア軸36Aにベベルギヤ126がスプライン嵌合され、他方、揚穀コンベア軸18Aの一番受継部125側先端部外周(揚穀コンベア18は垂直方向に配設されているので下端)にもベベルギヤ127がスプライン嵌合され、両ベベルギヤ126・127が常時噛合されている。
ベベルギヤ126・127を介した第一受継部125における一番コンベア36と揚穀コンベア18の位置関係は、正面視「L」字型に構成される。
【0042】
また、一番コンベア軸36A及び揚穀コンベア軸18Aの一番受継部125側端部には、ベアリング128と、シール材としてオイルシール129が介装され、一番コンベア36と揚穀コンベア18を収容するケースと軸との隙間を完全に密閉するようにしている。
【0043】
以上のように構成することにより、前記扱胴11で脱穀された穀粒をこの下方の揺動選別盤28で選別し、籾のみを一番コンベア36で脱穀部10の側面外側に取り出し、揚穀コンベア18に受け継いでグレンタンク19内に臨ませる揚穀コンベア18上端の穀粒投口部よりグレンタンク19内に籾を投入して貯溜するもので、前記揚穀コンベア18の揚穀コンベア軸18A下端を、左右横方向の一番コンベア軸36Aに一対のベベルギヤ126・127を介して連動連結させて、揚穀コンベア18の駆動を行うように構成している。
【0044】
二番コンベアから二番還元コンベアへの動力の伝達機構、詳しくは、第二受継部132の内部構成については、図8に示すように、前記第一受継部125(図7参照)と略同様の内部構成としている。
【0045】
次に、本発明に係る複数の分割コンベアから構成されるスクリューコンベアについて、図9を用いて説明する。
【0046】
本発明に係るコンベア装置である一番コンベア36や揚穀コンベア18等には、スクリューコンベアが回転自在に設けられているが、このスクリューコンベアは、二つ以上の螺旋状のコンベア(スクリュー羽根)から構成される。そして、各スクリュー羽根は同一軸芯線上に並設されて各端部同士が溶接等により固設されて一つのコンベア羽根を構成する。
本実施例では、揚穀コンベア18の場合について、図9に基づいて説明する。
【0047】
本実施例での前記揚穀コンベア18はコンベアケース内にスクリューを収納し、該スクリューは揚穀コンベア軸18Aとスクリュー羽根18Bと掻出し羽根18C等より構成され、スクリュー羽根18Bは受継側スクリュー羽根18BAと搬送用スクリュー羽根18BBから構成されている。
【0048】
揚穀コンベア18は、揚穀コンベアケース18Dの中心に揚穀コンベア軸18Aを通して両側をベアリング等を介して回転自在に支持し、スクリュー羽根18Bとして帯状の鋼板を該揚穀コンベア軸18Aの周囲に螺旋状に溶接等により固設し、該揚穀コンベア軸18Aを回転させることにより、搬送物である籾を上方に搬送できるようにしている。
【0049】
前記スクリュー羽根18Bには二種類あり、揚穀コンベア軸18Aの掻出し羽根18Cと反対側の先端部には肉厚の厚くて径の大きい受継側スクリュー羽根18BAが巻回固設され、該揚穀コンベア軸18Aの中途部には前記受継側スクリュー羽根18BAに比べて肉厚の薄い搬送用スクリュー羽根18BBが巻回固設されている。
揚穀コンベア軸18A上において、受継側スクリュー羽根18BA端部と搬送用スクリュー羽根18BB端部の接合部、及び、搬送用スクリュー羽根18BB端部と搬送用スクリュー羽根18BB端部の接合部は、一部重複させて溶接等により固設して、一体的にスクリューを構成している。
各接合部における受継側スクリュー羽根18BA及び搬送用スクリュー羽根18BBの肉厚の違いは図10(a)及び(b)に示す断面図のとおりである。
【0050】
こうしてスクリュー羽根を長手方向に複数に分割することにより、後述する浸炭処理等により硬度を上げたときの歪みが小さくなり、長さのバラツキも小さくすることができ、スクリューが歪みによりコンベアケース内に組み込むことができないような事態も防ぐことができるのである。
また、たとえ長手方向の歪みが生じたとしても、スクリュー羽根同士をつなぐ部分(図10(a)及び(b)参照)で重ね合わせる量を調整することで全体の長さを規定の長さとすることが可能である。
また、コンベアとコンベアの受継部において、揚穀コンベア18の搬送上流側(搬送下流側に掻出し羽根18Cが配置される)の分割したスクリュー羽根(受継側スクリュー羽根18BA)の肉厚を他の分割したスクリュー羽根(搬送用スクリュー羽根18BB)の肉厚よりも厚くし、かつ、径を大きくすることにより、耐摩耗性が向上し、搬送性能も向上できるのである。
また、一番コンベア36と揚穀コンベア18の受継部における一番コンベア36の搬送下手側のスクリュー羽根の肉厚を他のスクリュー羽根の肉厚よりも厚く構成することもできる。また、受継部の搬送下手側及び搬送上手側の両方のスクリュー羽根の肉厚を厚くすることもできる。
【0051】
次に、本発明に係るコンベア表面全域の浸炭窒化処理について説明する。
【0052】
スクリュー羽根とコンベアケースとの間には隙間が設けられているが、藁屑等をスクリュー羽根とコンベアケースとの間に噛み込む場合がある。それを無理矢理搬送するとスクリュー羽根の損傷、摩耗が激しくなる。
また、水平方向の搬送に比べて垂直方向の搬送は効率が悪く、摩耗の度合いも大きい。
また、垂直搬送は最下部に搬送物がたまりやすいので、例えば、第一受継部125にあたる一番コンベア36及び揚穀コンベア18の先端部分は、スクリュー羽根18BAの径が他の部分のスクリュー羽根18BBの径に比べて大きく、また、肉厚も厚い。
しかし、先端部以外にも局部摩耗が作用する以上、これが原因となる早期剥離や早期摩耗を満足できる程度に抑制できず、耐久性或いは長寿命化等において十分であるとは言い難い。
そこで、本発明は、スクリュー羽根も含むコンベアの表面全域を浸炭窒化処理を行うことで耐久性改善や長寿命化を図っている。
また、前述の受継部における搬送上手側、又は搬送下手側の少なくとも一方又は両方のスクリュー羽根の表面全域に浸炭窒化処理を施すこともできる。つまり、肉厚を厚くしたスクリュー羽根を浸炭窒化処理することもできる。
【0053】
浸炭窒化処理の方法としては、真空中で処理物(本実施例ではコンベア)を加熱し、浸炭性及び窒化性ガスを導入して行う真空ガス浸炭窒化処理や、媒体をプラズマとする、減圧した浸炭性及び窒化性ガス雰囲気中で、陰極とした処理物(本実施例ではコンベア)と陽極との間に生じるグロー放電を使用するプラズマ浸炭窒化処理等の方法がある。
それら浸炭窒化処理を、前記一番コンベア36、揚穀コンベア18、二番コンベア37、二番還元コンベア43等のスクリュー羽根も含むコンベアの表面全域に施す。
【0054】
尚、浸炭窒化処理の方法は特に限定されないので、公知の真空ガス浸炭窒化処理でもよいし、他の浸炭窒化処理の方法でもよい。その温度は、特に限定されないので、通常行われている850〜970度でもよいし、他の温度でもよい。また、その処理時間は、浸炭窒化層の必要な深さに応じて適宜選択すればよい。
【0055】
以上のように、コンベア全体に対して浸炭窒化処理を施して表面硬化層を形成することにより、局部摩耗及び局部応力の発生を抑制して、早期剥離や早期摩耗の問題を回避すると共に、搬送物の受継が厳しい箇所であっても、コンベアの耐摩耗性、疲労強度等の耐久性改善や長寿命化を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明にかかるコンベアは、脱穀装置や収穫装置や乾燥装置、さらには、カントリーエレベータ等の施設等において、米・麦・大豆・そば等の穀粒を投入したり、排出したりするために搬送する手段として幅広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の一実施例に係るコンバインの全体的な構成を示した左側面図。
【図2】同じく全体平面図。
【図3】脱穀部全体の断面側面図。
【図4】脱穀部全体の断面平面図。
【図5】二番物投入部の羽根構造を示す側面図。
【図6】二番物投入部の羽根構造を示す正面図。
【図7】一番コンベアと揚穀コンベアとを内装した第一受継部の正面図。
【図8】二番コンベアと二番還元コンベアとを内装した第二受継部の正面図。
【図9】複数の分割コンベアから構成される揚穀コンベアの正面図。
【図10】(a)は図9におけるXから見た図、(b)は図9におけるYから見た図。
【符号の説明】
【0058】
10 脱穀部
18 揚穀コンベア
18A 揚穀コンベア軸
36 一番コンベア
36A 一番コンベア軸
18B・36B・43B スクリュー羽根
37 二番コンベア
43 二番還元コンベア
43A 二番還元コンベア軸
43C 投口部
125 第一受継部
126・127 ベベルギヤ
128 ベアリング
129 オイルシール
132 第二受継部




 

 


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