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苗移植機 - ヤンマー株式会社
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発明の名称 苗移植機
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−49928(P2007−49928A)
公開日 平成19年3月1日(2007.3.1)
出願番号 特願2005−236903(P2005−236903)
出願日 平成17年8月17日(2005.8.17)
代理人 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
発明者 宗好 紀彦
要約 課題
カム機構によって植付爪の開閉を行なう場合は、開閉タイミングの正確な設定が困難であり、苗が曲がっていたり、植付爪を高速で上下揺動させる場合には苗取りミスが生じる虞があった。

解決手段
苗取位置21d下方に左右一対のローラ23L・23Rを設け、該ローラ23L・23R間を該植付爪20L・20Rが通過する構成とし、前記ローラ23L・23Rの左右何れかの上方に、苗100の茎端部を案内するガイド体92を設け、前記爪往復動機構24に爪開閉カム機構40を設け、前記植付爪20L・20Rが前記ローラ23L・23R間を通過する間に、該爪開閉カム機構40によって植付爪20L・20Rを閉じる構成とした。
特許請求の範囲
【請求項1】
苗を苗供給機構によって植付装置の近傍まで搬送し、
茎端部を左右一対の植付爪で掴んで苗取を行い、
爪往復動機構によって該植付爪を上下方向に揺動させて圃場に突入させることによって、苗の植付作業を行う苗移植機において、
苗供給機構下部の苗取位置下方に左右一対のローラを設け、
該ローラ間を該植付爪が苗を挟んで通過する構成としたことを特徴とする苗移植機。
【請求項2】
前記ローラの左右何れかの上方に、
苗の茎端部を案内するガイド体を設けたことを特徴とする請求項1に記載の苗移植機。
【請求項3】
前記爪往復動機構に爪開閉カム機構を設け、
前記植付爪が前記ローラ間を通過する間に、該爪開閉カム機構によって植付爪を閉じる構成としたことを特徴とする請求項1若しくは請求項2に記載の苗移植機。
【請求項4】
前記植付爪は、弾性部材によって植付爪が開く方向に付勢されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れが一項に記載の苗移植機。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、苗を畝に植え付ける苗移植機の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、苗を苗供給機構によって植付装置の近傍まで搬送し、茎端部を植付爪で掴み、該植付爪を上下方向に揺動させ、植付爪の先端を圃場に突入させることによって、植付作業を行う苗移植機は公知となっている(例えば、特許文献1参照。)。
そして、植付爪は、植付爪の上下揺動に連動させた植付駆動アームのカム機構によって開閉する構成としていた。また、マルチフィルムを被装した圃場において、植付作業時に植付爪がマルチフィルムを切り裂く距離を短くするために、植付爪の軌跡が前高後低となるように構成されていた(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2000−333515号公報
【特許文献2】特開2003−70319号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、前記従来技術のようにカム機構によって植付爪の開閉を行なう場合は、開閉タイミングの正確な設定が困難であり、苗が曲がっていたり、植付爪を高速で上下揺動させる場合には苗取りミスが生じる虞があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0005】
即ち、請求項1においては、苗を苗供給機構によって植付装置の近傍まで搬送し、
茎端部を左右一対の植付爪で掴んで苗取を行い、
爪往復動機構によって該植付爪を上下方向に揺動させて圃場に突入させることによって、苗の植付作業を行う苗移植機において、
苗供給機構下部の前記苗取位置下方に左右一対のローラを設け、
該ローラ間を該植付爪が苗を挟んで通過する構成としたものである。
【0006】
請求項2においては、前記ローラの左右何れかの上方に、
苗の茎端部を案内するガイド体を設けたものである。
【0007】
請求項3においては、前記爪往復動機構に爪開閉カム機構を設け、
前記植付爪が前記ローラ間を通過する間に、該爪開閉カム機構によって植付爪を閉じる構成としたものである。
【0008】
請求項4においては、前記植付爪は、弾性部材によって植付爪が開く方向に付勢されているものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0010】
請求項1においては、植付爪が高速で上下揺動する場合であっても、左右の植付爪下部の間に苗がある時に確実にタイミングを合わせて、植付爪を閉じて苗を挟持することができる。
つまり、植付爪のたわみを防ぐために、過度に植付爪の剛性を高めたり、特殊な材質・構造を採用する必要がない。
【0011】
請求項2においては、苗の茎端部が左右の植付爪下部の間に案内され易くなり、植付爪の下部が苗の茎端部を挟持し易くなる。つまり、苗の茎端部が曲がっていても、そのような曲がりを矯正する役割を果たすことができる。
【0012】
請求項3においては、植付爪がローラ間を通過した後においても、植付爪を閉じた状態で保持することができる。
【0013】
請求項4においては、爪開閉ローラ機構と爪開閉カム機構による植付爪の閉状態が解除されると、弾性部材によって自動的に植付爪が開き、苗を放すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の一実施例である苗移植機1を示す全体側面図、図2は同じく平面図、図3は走行機体4下部を示す正面図、図4は前輪支持装置9を示す側面図、図5は下前輪支持軸46と規制部材47を示す斜視図、図6は手動左右傾斜制御装置49を示す側面図、図7は同じく平面図、図8は係合ピン53周辺を示す背面図、図9は苗供給機構12を示す背面図、図10は同じく平面図、図11は軟質部材22cの別実施例を示す背面図と平面図、図12は搬送ベルト駆動軸75周辺を示す平面断面図、図13はワンウェイクラッチ70を示す正面断面図、図14は爪往復動機構24を示す側面図、図15は植付駆動軸25への動力伝達を示す平面図、図16は植付爪20L・20Rが開いた状態の爪開閉ローラ機構90を示す背面図、図17は同じく閉じた状態を示す背面図、図18は「船底植え」の場合の鎮圧前と鎮圧後の鎮圧装置14を示す側面図、図19は「斜め植え」の場合の鎮圧前と鎮圧後の鎮圧装置14を示す側面図である。
【0015】
苗移植機1の全体構成について説明する。
図1及び図2に示すように、苗移植機1は、畝に沿って走行しながら、自動的に苗100を畝中に植え付ける歩行型の自走式作業機であり、畝間の谷部17を走行する左右一対の前輪2・2および後輪3・3と、畝上面18の上方に位置する走行機体4と、を備えている。
本発明の苗移植機1が植え付ける苗の種類は限定するものでないが、以下の本実施例においては、甘藷苗100を例に挙げて説明を行なう。
【0016】
走行機体4のメインフレームは、前側のエンジンフレーム5と、中央部のミッションケース6と、後側のハンドルフレーム7とを、前後方向に連結固定して構成されており、このメインフレーム上に各種装置が支持されている。
走行機体4には、前記各種装置として、走行方向の前方より後方に向けて、畝ガイド装置8、前輪支持装置9、エンジン10、後輪支持装置11、前記ミッションケース6、畝高さ検出装置16、苗供給機構12、植付装置13、鎮圧装置14、運転操作部15、が備えられている。
なお、これらの各種装置において、ミッションケース6より前側に配置される装置はエンジンフレーム5に支持され、ミッションケース6より後側に配置される装置はハンドルフレーム7に支持されている。
【0017】
畝ガイド装置8は、畝に沿って走行する苗移植機1の走行方向を案内するための装置であり、畝の左右側面(斜面)に当接させるための畝ガイドローラ8a・8aを左右一対備えている。これらの畝ガイドローラ8a・8a間に畝を挟み込み、または、斜面に当接させながら転動させて、この状態で苗移植機1を走行させることで、苗移植機1を運転操作により方向制御することなく、畝に沿って走行させることが可能である。
【0018】
前輪支持装置9には、エンジンフレーム5に回動可能に係止されている上前輪支持軸9aと、上前輪支持軸9a軸方向にスライド自在で、各前輪2を支持する前輪アーム9b・9bと、が備えられている。
後輪支持装置11も、前輪支持装置9と同様の構成であり、ミッションケース6に対して回動可能に係止されている後輪支持軸11aと、後輪支持軸11aの軸方向にスライド自在で、各後輪3を支持するチェンケース11b・11bと、が備えられている。
なお、後輪支持軸11aの内部には、後輪3・3の駆動軸が内蔵されており、この駆動軸の回転駆動が、左右それぞれで、チェンケース11b内のチェンを介して、後輪3に伝達される。
【0019】
ここで、前輪2・2の支持構造について説明する。
図3及び図4に示すように、前輪2・2は、前輪支持装置9・9によって走行機体4に支持されるものであり、前輪2・2のフロントホイル2aが進行方向に対して上開きの状態で支持されている。つまり、前輪2・2には鉛直方向から一定のキャンバ角を保って支持されている。
本実施例の苗移植機1では、各々の前輪アーム9bの下端に、図5に示すような下前輪支持軸46が枢支されており、該下前輪支持軸46にフロントホイル2aが遊嵌されている。
【0020】
図3乃至図5に示すように、該下前輪支持軸46は、正面視逆「へ」字状に折れ曲がって形成されており、機体側の前輪アーム9bの下端に回転自在に支持される水平部46aと前輪2を回転自在に支持する傾斜部46bからなる。該下前輪支持軸46の水平部46aが前輪アーム9b下端に左右水平方向に回転自在に枢支され、傾斜部46bが前輪アーム9b下端から走行機体4内側方が上方へ折れ曲がって突出されている。該傾斜部46bに前輪2が遊嵌されて、前輪2の上側が外方向に開くように支持されている。そして、下前輪支持軸46には、前記傾斜部46bを常時上方に折れ曲がるように支持する規制部材47が外嵌固定されている。該規制部材47はプレートを正面視略コ字状に折り曲げ形成した第一支持部材47aと、プレートを正面視略C字状に折り曲げ形成して該第一支持部材47aの外側面(走行機体4内側面)に固設した第二支持部材47bから構成されている。
【0021】
即ち、第一支持部材47aの垂直壁47eの上下から外水平方向に上板47cと下板47dが突出され、垂直壁47eの上下中途部には貫通孔を開口して前記下前輪支持軸46の水平部46aを挿入して固設している。また、第一支持部材47aの垂直壁47eの外面の貫通孔の上下に第二支持部材47bの上先端と下先端が固設され、第二支持部材47bの上下面47fの上下中央部に貫通孔を開口して前記傾斜部46bを挿入固定している。該上下面47fと前記垂直壁47eは平行とせず、キャンバを設けるための角度に設定している。こうして、第一支持部材47aと、第二支持部材47bと、下前輪支持軸46とが溶接されて一体的に構成されている。
【0022】
ここで、前記下前輪支持軸46の水平部46aを前輪アーム9bの下端に挿入して抜け止め固定して回転自在とすると、上板47cと下板47dは図4に示すように前輪アーム9bの上下に位置し、上板47cと下板47dは前輪2(フロントホイル2a)がキャンバ角が負角になるまで回動しないようにする、ストッパーの役割を果たしている。つまり、前輪アーム9bが上昇された時や前輪2が持ち上げられた時などでは、傾斜部46bは前輪2の自重で下方へ下がる傾斜となろうとするが、下前輪支持軸46が回転すると規制部材47も回動して、上板47cまたは下板47dが前輪アーム9bの上面または下面に当接して、下前輪支持軸46等が、前輪支持装置9に対して側面視45度程度以上相対回転しないようになっている。
【0023】
このように、下前輪支持軸46は正面視逆「へ」字状に構成して、前輪支持装置9に対して回動可能としているので、走行機体4の高さを変化させるために前輪アーム9bを上下回動した場合であっても、機体の自重により水平部46aが下方へ押されるため、前輪2の反力により傾斜部46bは常時上方へ傾き、キャンバ角度が変化して同時にトーイン角度が変化するようなことが無くなる。つまり、従来では、前輪アーム9bに下前輪支持軸46がキャンバ角を有するように固設して前輪2を支持する構成となっており、前輪アーム9bを上下に回動すると、キャンバ角が変化するだけでなくトーイン角度も変化してしまうが、本実施例のように構成することにより、苗移植機1の自重によって、傾斜部46bが上方へ向くように、即ちキャンバ角度が最大となる位置に、下前輪支持軸46が自動で回動するのである。前輪2・2のトーイン角度が変化せず、キャンバ角度も変化しないため、前輪2・2が畝斜面を削ることなく、苗移植機1が畝溝に沿って走行する。
【0024】
また、下前輪支持軸46にストッパーとなる上板47cと下板47dを取り付けたので、前輪2が浮いたり持ち上げられたりした場合であっても、前輪2の自重で下前輪支持軸46が前輪アーム9bに対して回動して傾斜部46bが下方へ回動しようとしても、上板47cまたは下板47dが前輪アーム9bに当接するので所定の角度しか回動できず、前輪2・2のキャンバ角が負角とならず、苗移植機1の回行時において、前輪2を持ち上げて再度設置させた時や、圃場の抵抗が前輪2に大きく作用した場合に、前輪2のアライメントが異常となることを防止し、前輪2・2設置時の支点越えによる違和感が生じなくなる。加えて、前輪2・2が上方向に開いた状態で保持されるため、畝上面18を被っているマルチフィルムを前輪が破ってしまうことを防止できる。
【0025】
走行機体4は次の構成により、前輪2・2および後輪3・3に対する高さ位置の調整、つまり畝上面18に対する高さ位置の調整が可能となっている。
図1及び図2に示すように、前輪アーム9bとチェンケース11bとは図示せぬ連結軸を介して連結されており、前輪アーム9bおよびチェンケース11bが平行リンクに構成されている。そして、前輪アーム9bまたはチェンケース11bを回転させることで、前輪2・2および後輪3・3に対する走行機体4の上下高さが可変である。
本実施例の形態では、チェンケース11bを走行機体4に対して回転させる手段として、エンジンフレーム5とチェンケース11bとを連結して伸縮させるアクチュエータ19が設けられている。このアクチュエータ19を伸縮させることにより、前記平行リンクの作動を介して、前輪2・2および後輪3・3に対して、走行機体4が上下動する。
【0026】
図1及び図2に示すように、走行機体4の上下動は、前記畝高さ検出装置16による畝高さの検出に基づいて行なわれるものである。前記畝高さ検出装置16には、畝上面18と接触するセンサローラ16aと、センサローラ16aを支持しエンジンフレーム5に回動自在に設けられるセンサアーム16bと、が備えられている。
このセンサアーム16bの傾斜角度は、エンジンフレーム5と畝上面18との離間距離に関する情報を与えるものである。そして、このセンサアーム16bの傾動に応じて、油圧バルブのスプールが押し引きされて、油圧式とした前記アクチュエータ19の作動が制御され、エンジンフレーム5と畝上面18との離間距離が一定に保たれるように、走行機体4の高さ位置が制御される。
【0027】
次に、苗移植機1の手動左右傾斜制御装置49について説明する。
苗移植機1の左右傾斜は、走行機体4の左右一側方に前記アクチュエータ19とは別に配設された図示しないアクチュエータによって、左右一方のチェンケース11b及び前輪アーム9bを回動することによって行なうものである。そして、本実施例では、エンジン10で得られた動力を図示しない油圧ポンプ及び油圧バルブを介して、該アクチュエータに伝達する構成となっており、該油圧バルブを切り替えるスプール51の摺動を手動で行なうことによって、走行機体4の左右傾斜制御を行なっている。
【0028】
油圧ユニット26に収容された前記油圧バルブは、図6乃至図7に示すようにスプール51の上端部が油圧ユニット26後部上面から突出するように配設されている。該スプール51の上部には取付片52が固設されており、該取付片52には前方に向って係合ピン53が固設されている。
油圧ユニット26上面の前部には、平面視C字状に形成された支持部材54が立設されており、該支持部材54の後壁には上下方向に長孔54bが形成されている。該支持部材54の後方には、背面視扇形の板状部材41が枢支されており、詳しくは該支持部材54の背面上部に、後述する制御ロッド55に板状部材41の扇形の中心部が固設されている。
【0029】
該制御ロッド55は、支持部材54の上部に回動自在に枢支されるものであり、支持部材54から苗供給機構12の後方まで延設されている。該制御ロッド55は、後部に操作レバー56が固設されており、前部に前記板状部材41の上部が溶接等によって固設されている。つまり、作業者が支持部材54に対して操作レバー56を回動すると、制御ロッド55を介して扇形の板状部材41が連動して回動する構成となっている。
【0030】
図8に示すように、板状部材41は、略扇形に形成されており、下部に円弧状の円弧長孔41bが形成されている。該円弧長孔41bは、円弧の中心位置が、板状部材41及び制御ロッド55の回動中心より右方に位置するように形成されている。つまり、板状部材41を制御ロッド55を中心に回転した時に、制御ロッド55と円弧長孔41bとの半径方向の距離は徐々に短くまたは長く変化するように構成している。そして、前記係合ピン53を該長孔54b及び円弧長孔41bに挿入している。
そのため、板状部材41を制御ロッド55を中心に回動させると、係合ピン53が円弧長孔41bと長孔54bに案内されて、上下方向に移動するようになっている。
【0031】
このような構成となっているので、苗供給機構12の後方にて作業をしている作業者が、前記操作レバー56を背面視時計まわりに回動すると、板状部材41が時計まわりに回動し、係合ピン53が長孔54b及び円弧長孔41bに沿って下降し、その結果スプール51が下方へ摺動して図示しない油圧バルブが切り替えられて、アクチュエータによって走行機体4が左右一方向に傾斜する。逆に、作業者が前記操作レバー56を背面視反時計まわりに回動すると、板状部材41が反時計まわりに回動し、係合ピン53が長孔54b及び円弧長孔41bに沿って上昇し、その結果スプール51が上方へ摺動して図示しない油圧バルブが切り替えられて、該アクチュエータによって走行機体4が左右他方向に傾斜する。
【0032】
このように、本実施例の手動左右傾斜制御装置49は、操作レバー56が苗供給機構12の後方に配設されているので、作業時(作業者が苗100・100・・・を搬送ベルト21に配設している時)において、若しくは移動時において、容易に走行機体4の左右傾斜制御が行なえる。また、前述したように、手動左右傾斜制御装置49が簡素な構造になっているので、トラブルが発生し難い。
【0033】
次に苗供給機構12について説明する。
図1及び図2に示すように、苗供給機構12は、走行機体4のメインフレーム(エンジンフレーム5、ミッションケース6、ハンドルフレーム7)とは別体で構成されており、このメインフレームを主とする本体の組立後に、取り付けることが可能である。苗供給機構12の配設位置は、ミッションケース6の後方かつハンドルフレーム7の上方位置である。
この苗供給機構12には、ミッションケース6のPTO軸50からの動力が伝達される構成であり、ミッションケース6内において該PTO軸50と後述する出力軸81とが連動して、即ち搬送ベルト21の駆動と後述する植付装置13とが連動して、搬送ベルト21が間欠的に回転駆動されるように構成されている。
【0034】
また、この苗供給機構12は、前記メインフレームに支持される構成であるが、前記PTO軸50の接続部を解除するだけで、取り外しが可能に構成されており、該メインフレームへの着脱が容易である。図9及び図10に示すように、苗供給機構12は、図示せぬ苗収容ケースに収容されている苗100を、植付装置13に備える植付爪20L・20Rに搬送して供給する装置である。
苗供給機構12には、後面視において時計まわりに回転する帯状の搬送ベルト21が備えられている。詳しくは、搬送ベルト21は、機体上部側で左右一方向に送る上部横送り部21aと、該上部横送り部21aに続いて下方向に送る下降送り部21bと、該下降送り部21bに続いて上方向に送り前記上部横送り部21aの送り始端側に戻す上昇送り部21cとから構成されており、背面視略逆三角形に保持されている。
【0035】
搬送ベルト21の上面である上部横送り部21aは、前記苗収容ケースから取り出した苗を保持させる載置部である。下降送り部21bと上昇送り部21cの境目は、搬送ベルト21の下端位置となり、植付爪20L・20Rに苗を引き継ぐ苗取位置21dとなっている。
搬送ベルト21の外周には、平ベルトからなる搬送ベルト21の外周外方に向けて矩形プレート状の仕切り21e・21e・・・が前後方向に平行に突設されており、作業者は該仕切り21e・21e・・・間に苗100・100・・・を載置していく。
搬送ベルト21の前部及び後部には、搬送方向にそって係止孔21f・21f・・・が形成されており、搬送ベルト21の右端部において、後述する搬送ベルト駆動プーリ68・68外周に設けられた係止突起68b・68b・・・が係止孔21f・21f・・・嵌入されるようになっている。
【0036】
そして、この搬送ベルト21外周の後端部には、前記仕切り21e毎にスポンジ等の弾性体で構成した軟質部材22aが固設されている。軟質部材22a・22a・・・には、上面に凹部22b・22b・・・が形成されており、作業者は該凹部22b・22b・・・に苗100・100・・・の茎端近傍を挟んで、苗供給機構12に苗100を供給していく。
搬送ベルト21の外周に沿って右方から下方にかけては、カバー体76が配設されている。これは、下降送り部21bにおける仕切り21e・21e・・・間に位置する苗100・100・・・が、軟質部材22aの凹部22bに茎端部近傍を挟まれて葉側がぶら下がって、苗100が折れ曲がったりしないように、苗100を受けてガイドするためである。
【0037】
また、前記軟質部材22aの別実施例として、図11に示すような無端ベルト状の軟質部材22cを用いても良い。即ち、搬送ベルト21外周の後端部に、搬送ベルト21の外周に沿った帯状の軟質部材22cを固設し、該軟質部材22cの上面に所定間隔を開けて凹形状の苗保持用の凹部22d・22d・・・を形成するのである。図11に示すように、搬送ベルト21の外周には、仕切り21e・21e・・・を設けなくても良く、設けるか否かは限定するものではない。
【0038】
次に、苗供給機構12の駆動力伝達について説明する。
図1、図2、図9に示すように、ミッションケース6から後方へ前記PTO軸50が延設されている。該PTO軸50後端部には、ギヤ61が固設されており、該ギヤ61と噛合するギヤ62の支持軸上にはスプロケット57が固設されており、該スプロケット57に苗搬送駆動チェン63の一端が巻回されている。該PTO軸50後端部や、ギヤ61・62や、ギヤ62とスプロケット57を軸着する支持軸の前端部は、ギヤボックス64に収納されている。
そして、該苗搬送駆動チェン63の他端は、図9、図12に示すように、後述する搬送ベルト駆動軸75に遊嵌されるスプロケット69に巻回されている。
【0039】
図12に示すように、搬送ベルト駆動軸75の前後両端部には、キー67a・67aを介して搬送ベルト駆動プーリ68・68が固設されており、該搬送ベルト駆動プーリ68・68には、搬送ベルト21の右端部が巻回されている。詳しくは、搬送ベルト21右端部の係止孔21f・21f・・・に、搬送ベルト駆動プーリ68・68外周上に設けられた係止突起68b・68b・・・が嵌るようになっている。
後搬送ベルト駆動プーリ68の前方には、スプロケット69が遊嵌されており、詳しくは、該スプロケット69は後部外周が前記苗搬送駆動チェン63の右端が巻回されるスプロケットとなっており、該スプロケット69内周の前部は後述するワンウェイカム71が収納できるように幅広に形成されている。
【0040】
図12及び図13に示すように、該スプロケット69の前部外周には、搬送ベルト駆動軸75に対して半径方向にボス部69b・69bが形成されており、該ボス部69b・69bにはピン孔69c・69cが半径方向に貫通して形成されている。そして、該ボス部69b・69bには後述するピアノ線等の弾性体で構成した付勢バネ74を摺動自在に嵌入できるように切欠き69e・69e・・・が設けられており、該ピン孔69c・69cには後述するワンウェイクラッチ70用のクラッチピン73・73が摺動自在に挿入される。該クラッチピン73・73の外側端部に付勢バネ74の先端部が挿入されている。
前記スプロケット69の前部外周には、付勢バネ支持部69dが突出して形成されており、該付勢バネ支持部69dに該スプロケット69の前部外周に沿って配設された略半円状の付勢バネ74の中途部が挿通されて支持される。
【0041】
図12及び図13に示すように、搬送ベルト駆動軸75外周には、キー67b等を介してワンウェイカム71が相対回転不能に外嵌されている。そして、ワンウェイカム71は、前記スプロケット69の前部内周に収まるように配設されている。ワンウェイカム71外周には、前記ピン孔69c・69cと前後方向において略同じ位置に、所定角度毎に段差71b・71bが設けられており、該ピン孔69c・69cにはクラッチピン73・73が嵌入される。該クラッチピン73には前記付勢バネ74の端部が挿入されており、常にワンウェイカム71の外周に当接するように搬送ベルト駆動軸75の中心部に向って付勢されている。
前述したように、前記ボス部69b・69bには、該付勢バネ74の端部がクラッチピン73・73とともに移動できるように、切欠き69e・69e・・・が設けられている。
【0042】
つまり、本実施例では、苗搬送駆動チェン63からスプロケット69に伝達された駆動力を、ワンウェイカム71とピン孔69c・69cとクラッチピン73・73とから構成されたワンウェイクラッチ70を介して、搬送ベルト駆動軸75へと伝達する構成となっている。
そして、メンテナンスや空送りしたい場合などで、苗数本分の搬送ベルト21を回動したい場合などでは、エンジン10を駆動して苗供給機構12を駆動したり、搬送ベルト21を進めるのに時間がかかってしまい、またタイミングを合せることも難しいが、このようにワンウェイクラッチ71を設けることで、エンジン停止時に、搬送ベルト21を持って搬送方向(図13中、矢印A方向)に回動すると、スプロケット69は停止しているが、搬送ベルト駆動軸75及びワンウェイカム71は回動されることになる。そして、該ワンウェイカム71の段差71bへ至る斜面がクラッチピン73にさしかかると、クラッチピン73は徐々に付勢バネ74の付勢力に抗してピン孔69c内を外方向へ摺動し、段差71bを乗り越えることができ、手動で空回りさせることができるのである。
【0043】
ここで、ワンウェイカム71の段差71b・71b・・・の個数及び間隔、そして搬送ベルト駆動プーリ68の外径及び苗100・100・・・の配設間隔は、ワンウェイカム71(搬送ベルト駆動軸75)が一つの段差71bから次の段差71bまで回動する間に、搬送ベルト21が1本の苗100分だけ送られるような大きさにする。
【0044】
例えば、本実施例では、ワンウェイカム71の外周に2つの段差71b・71bを設け、搬送ベルト駆動プーリ68の外周に4つの係止突起68bを設け、搬送ベルト21上には、1本の苗100毎に2つの係止孔21f・21fを形成しているので、作業者が手動で搬送ベルト21を苗100の1本分だけ送ると、係止孔21f・21fの2つ分だけ搬送ベルト21が送られ、該係止孔21f・21fと連動して係止突起68f・68fの2つ分だけ搬送ベルト駆動プーリ68が送られて、ワンウェイカム71の1つの段差71b分だけクラッチピン73・73が回動するようになっている。
【0045】
このように、苗100を苗供給機構12によって植付装置13の近傍まで搬送し、
茎端部を左右一対の植付爪20L・20Rで掴んで苗取を行い、
爪往復動機構24によって該植付爪20L・20Rを上下方向に揺動させて圃場18に突入させることによって、苗100の植付作業を行う苗移植機1において、
該苗供給機構12を無端状の搬送ベルト21によって構成し、
該搬送ベルト21の駆動伝動経路にワンウェイクラッチ70を設けたので、
手動で搬送ベルト21を送ることができ、エンジン10を始動し作業スイッチを「ON」にして空運転をしなくても、搬送ベルト21に配設した苗を苗取位置21dまで送ることができる。また、植付作業を終了し、エンジン10を停止した後でも、手動で搬送ベルト21を送ることができるので、容易に搬送ベルト21に残った苗100を取り除ける。
【0046】
また、前記ワンウェイクラッチ70は、
前記駆動伝動経路に固設されたワンウェイカム71を具備し、
該ワンウェイカム71を1つの段差71b分回動すると、前記搬送ベルト21が1本の苗100分だけ送られるように構成したので、
搬送ベルト21が植付爪20L・20Rに対して中途半端な位置で止まることがなくなり、搬送ベルト21の調節等、作業者が搬送ベルト21に配設された苗100を苗取位置21dに合わせる必要がなくなる。
【0047】
また、前記ワンウェイカム71が、搬送ベルト21の駆動軸75上に固設されているので、
ワンウェイクラッチ71が搬送ベルト21近傍の駆動軸75上に配設されているため、他の駆動伝動経路の装置を動かす必要がなく、小さな力で搬送ベルト21を送ることができる。
【0048】
また、前記搬送ベルト21外周後部に、軟質部材22a・22cを配設し、該軟質部材22a・22c上に茎端部を挟むための凹部22b・22dを設けたので、
簡単な構成で、苗100の保持を確実なものにすることができる。
【0049】
図14を用いて、植付装置13を説明する。
植付装置13は、左右一対の植付爪20L・20Rと、植付爪20L・20Rを苗取位置21dから畝中まで往復運動させる爪往復動機構24と、カム機構によって植付爪20L・20Rを開閉させる図示しない爪開閉カム機構とから構成される。
【0050】
植付爪20L・20Rは、苗供給機構12の苗取位置21dより受け渡された苗100を畝中に移植するものであり、左右の植付爪20L・20Rの開閉により、苗100の保持や、保持した苗100の解放が可能となっている。
前記搬送ベルト21の下端部に位置する苗取位置21dにある苗100を、植付爪20L・20Rが挟み込んで掴み取り、畝中にある前記往復運動の最下位置で、植付爪20L・20Rが苗100を解放し、植付爪20L・20Rが上方へ退くことで、畝中への苗100の移植が行なわれる。
【0051】
前記爪往復動機構24は、植付駆動軸25の回転運動を、苗供給機構12から畝中に至る植付爪20L・20Rの往復運動に変換するクランク機構であり、詳しくは、植付駆動軸25の回転により爪往復動機構24を介して植付爪20L・20Rの先端の軌跡を三日月状体の外周の経路R(図14の二点鎖線、参照。)に沿って、往復運動させるものである。
そして、前記爪支持ケース31には、前記爪往復動機構24による植付爪20L・20Rの移動に連動して、植付爪20L・20Rを開閉運動させる図示しない爪開閉カム機構が設けられている。
【0052】
次に、前記植付駆動軸25への動力伝達について説明する。
図15に示すように、本実施例の苗移植機1では、エンジン10からの駆動力を、ミッションケース6を介して、伝動軸80によって植付装置13へと伝達している。
即ち、ミッションケース6から左方に出力軸81を延設し、該出力軸81の左端に出力ベベルギヤ82を固設し、該出力ベベルギヤ82と噛合する前ベベルギヤ83が固設された伝動軸80によって、エンジン10の駆動力を後方へと伝達するものである。伝動軸80の後端部には、後ベベルギヤ84が固設され、該後ベベルギヤ84に前記植付駆動軸25の左端部に固設された入力ベベルギヤ85が噛合されている。
【0053】
このように、ミッションケース6から植付装置13までの駆動伝達を、ベベルギヤ82・83・84・85を介して、軸伝動によって行なうので、植付駆動軸25への駆動力伝達をチェンによって行う場合と比べて、植付装置13の作動を迅速に且つスムーズなものとすることができる。
詳しくは、チェンで植付装置13を駆動する場合は、チェンの弛みが構造上不可避であり、植付爪20L・20Rの自重によって逆方向の駆動力が生じるため、チェンの上手側から駆動力が伝わる場合と、下手側から逆の駆動力が伝わる場合との切換時において、植付装置13の動きがギクシャクしてしまい、スムーズなものとならない。
【0054】
次に、爪開閉ローラ機構90について説明する。
図9及び図14に示すように、爪開閉ローラ機構90は、前記苗供給機構12の搬送ベルト21の下端部に配設されるものであり、前記爪開閉機構だけに制御された場合と比べて、より正確に苗取位置21dにて植付爪20L・20Rを閉じるためのものである。
図16及び図17に示すように、搬送ベルト21の下端部に搬送された苗100の後方に、左右一対のローラ23L・23Rが枢支されており、該ローラ23L・23R間を前記爪往復動機構24によって上下動する植付爪20L・20Rが上から下へと通過する構成になっている。
【0055】
つまり、図14に示すように、爪開閉ローラ機構90を具備していない場合であっても、植付爪20L・20Rは、開いた状態で下方へ回動されて、搬送ベルト21の下端部の苗取位置21dで閉じられるが、植付爪20L・20Rの基部側で開閉操作が行われるため、植付爪20L・20Rのたわみ等により、先端では開閉力が弱く不安定になるおそれがある。そこで、本発明においては、搬送された苗100の苗取位置21dの直下部における植付爪20L・20Rの回動軌跡の両側にローラ23L・23Rを配置して、植付爪20L・20Rを閉じて苗100を挟持した直後にローラ23L・23R間を通過させる。これによって、強制的に植付爪20L・20Rの両側をローラ23L・23Rでガイドして閉じることにより、苗100を挟持したまま確実に下方へ搬送させるのである。なお、ローラ23Lとローラ23Rの隙間の間隔は、植付爪20L・20Rが閉じた時の外側の幅より狭くしている。図16及び図17に示すように、ローラ23L・23Rの初期位置(植付爪20L・20Rを挟んでいないローラ23L・23Rの位置)は、後述する摺動軸36L・36R側面上に形成されたピンの位置によって決められる。
【0056】
以下、ローラ23L・23Rの支持方法について説明する。
図16及び図17に示すように、ハンドルフレーム7・7にステー32L・32Rを固設し、該ステー32L・32Rによって、筒支持体33L・33Rを支持し、該筒支持体33L・33Rによって摺動筒35L・35Rを支持する。該摺動筒35L・35Rに摺動軸36L・36Rを摺動自在に挿入し、該摺動軸36L・36Rの苗100側端部には、板状部材41L・41Rが固設され、該板状部材41L・41Rの苗100側端部に、ローラ23L・23Rが回動自在に枢支される。
各々の板状部材41L・41Rの反苗100側端部と各々の筒支持体33L・33Rとの間には、弾性部材43L・43Rが配設されており、該弾性部材43L・43Rの復元力によって前記摺動軸36L・36Rを苗100方向(植付爪20L・20Rの左右中心)に付勢している。
【0057】
前記左板状部材41R上部には、右方が解放されて苗案内路92bが形成された、正面視略「コ」の字状のガイド体92が固設されている。該ガイド体92は、苗取位置21dに搬送されてくる苗100が該ガイド体92の苗案内路92bに挟まれ易いように、苗案内路92bの開放側(図16及び図17においては、右側)が幅広に形成されている。
ここで、該ガイド体92は、弾性を有する丸棒で構成することが望ましく、例えばピアノ線等で構成すると好適である。
【0058】
該植付爪20L・20R上端部の間には、引張バネからなる爪開きバネ93が配設されており、該爪開きバネ93によって、植付爪20L・20Rは上方が閉じられるように付勢されている。つまり、植付爪20L・20Rは下方が開く方向に付勢されている。そして、下部が開放状態となっている植付爪20L・20Rが苗取位置21dへと下降し、ローラ23L・23R間に入ると、前記弾性部材43L・43Rの復元力に抗してローラ23L・23Rが押しのけられる。該ローラ23L・23Rの動きに連動して、摺動筒35L・35R内の摺動軸36L・36Rが反苗100方向に摺動し、該植付爪20L・20Rが通過できるようにローラ23L・23R間の間隔が広がる。弾性部材43L・43Rの荷重や、ローラ23Lとローラ23Rの隙間の間隔の大小によって、植付爪20L・20Rが苗100を挟む荷重を適正なものとしている。
【0059】
このように、苗100を苗供給機構12によって植付装置13の近傍まで搬送し、
茎端部を左右一対の植付爪20L・20Rで掴んで苗取を行い、
爪往復動機構24によって該植付爪20L・20Rを上下方向に揺動させて圃場に突入させることによって、苗100の植付作業を行う苗移植機1において、
前記苗取位置21d下方に左右一対のローラ23L・23Rを設け、
該ローラ23L・23R間を該植付爪20L・20Rが通過する構成としたので、
植付爪20L・20Rが高速で上下揺動する場合であっても、左右の植付爪20L・20R下部に苗100がある時に確実にタイミングを合わせて、植付爪20L・20Rを閉じて苗100を挟持することができる。
つまり、植付爪20L・20Rのたわみを防ぐために、過度に植付爪20L・20Rの剛性を高めたり、特殊な材質・構造を採用する必要がない。
【0060】
また、前記ローラ23L・23Rの左右何れかの上方に、
苗100の茎端部を案内するガイド体92を設けたので、
苗100の茎端部が左右の植付爪20L・20R下部の間に案内され易くなり、植付爪20L・20Rの下部が苗100の茎端部を挟持し易くなる。つまり、苗100の茎端部が曲がっていても、そのような曲がりを矯正する役割を果たすことができる。
【0061】
また、前記爪往復動機構24に爪開閉カム機構40を設け、
前記植付爪20L・20Rが前記ローラ23L・23R間を通過する間に、
該爪開閉カム機構40によって植付爪20L・20Rを閉じる構成としたので、
植付爪20L・20Rがローラ23L・23R間を通過した後においても、植付爪20L・20Rを閉じた状態で保持することができる。
【0062】
また、前記植付爪20L・20Rは、弾性部材93によって植付爪20L・20Rが開く方向に付勢されているので、
爪開閉ローラ機構90と爪開閉カム機構40による植付爪20L・20Rの閉状態が解除されると、弾性部材93によって自動的に植付爪20L・20Rが開き、苗100を放すことができる。
【0063】
次に、植付爪20L・20Rについて説明する。
前記植付爪20L・20Rは左右対称の形状を有しており、該植付爪20L・20Rの先端部(下端部)の対向面は、苗100の茎端部を挟み込むために、ともに波型や凸凹型形状に形成されている。該波型形状若しくは凸凹型形状に生じた溝の方向は、植付爪20L・20Rが苗100を掴む際における苗100の茎の軸方向と直交するように形成されるものである。
【0064】
このように、植付爪の先端部の内側面を、波形状若しくは凸凹形状とし、該波形状若しくは凸凹形状の溝方向が、苗取り時の苗100の茎の軸方向の方向と直交するように構成したので、苗100が植付爪20L・20R間から滑り落ちることを防止でき、苗100の植付精度を向上できる。また、苗取り時に苗100が植付爪20L・20Rの対向面で滑ってしまうことを防止し、苗取りミスを防ぐことができる。加えて、植付爪20L・20Rの対向面に土が付着し難くなる。
【0065】
次に、苗100の植付後に植付箇所を鎮圧する鎮圧装置14について説明する。
図18の「船底植え」の場合に示すように、鎮圧装置14は、植付爪20L・20Rが差し込まれた畝上面18を鎮圧して、植付爪20L・20Rにより形成された植付孔を崩し、苗100の畝中への保持を確実とするように構成される。鎮圧装置14は、畝上面に当接させる鎮圧体としての鎮圧ローラ34と、この鎮圧ローラ34を植付爪20L・20Rによる苗の移植に連動して上下動させる鎮圧駆動機構95等とが備えられている。
【0066】
前記爪往復動機構24の機体左方のハンドルフレーム7の内側(右方)に角度調節フレーム94が配置され、該角度調節フレーム94の右方にはボルト96B・96T等によって案内筒97が固定されている。案内筒97の下端には、後述するローラアーム98から枝分かれした付勢アーム45を摺動自在に支持するための支持ステー97bが延設されている。
【0067】
ここで、下側の調節ボルト96Bは、ハンドルフレーム7に対する該案内筒97の角度、即ちローラアーム98の摺動方向を決定する役割を果たすものであり、角度調節フレーム94に形成された長孔94bに嵌入されるものである。
つまり、「船底植え」の場合は、図18に示すように前記長孔94bの中部若しくは後部に調節ボルト96Bを嵌入して案内筒97を固定し、「斜め植え」の場合は、図19に示すように前記長孔94bの前部に調節ボルト96Bを嵌入して案内筒97を固定することにより、鎮圧ローラ34の畝上面18への当接方向を変化させるのである。
【0068】
前記植付駆動軸25には、カム部材44が固設されている。該カム部材44は円板を一部切り欠いて略円弧状に形成された円周部44aと、円周部44aから内周方向に切欠き形成される切欠部44bとが形成されている。カム部材44は、植付駆動軸25を中心として円周部44aの形状が略円弧状とされ、その中心となる位置に貫通孔44cが穿設され、該貫通孔44cに前記植付駆動軸25が嵌入されている。
【0069】
前記案内筒97には、ローラアーム98が摺動自在に挿入されており、該ローラアーム98の下部上面には、上前方へ向けて付勢アーム45が固設されており、該付勢アーム45は該固設位置の前上方にて後上方へ向けて折り曲げられて、後部が前記支持ステー97bに形成された付勢アーム孔97cに貫入されている。
前記ローラアーム98上端には、上方に向って係合アーム88が立設されており、該係合アーム88の端部には、ローラ等の係合部88bが設けられている。該係合部88bは後述する付勢バネ99の付勢力及びローラアーム98等の自重により、前記カム部材44が回動する間、前記円周部44a及び切欠部44bに繰り返し当接するものである。
【0070】
付勢アーム45には、前記折り曲げ位置近傍に止め部材89が設けられており、該止め部材89と前記支持ステー97bとの間に付勢バネ99が介装されている。図18(b)に示すように、鎮圧ローラ34を畝上面18に降ろしている時、即ち係合部88bがカム部材44の切欠部44bへ当接している時は、この付勢バネ99の上端部は前記支持ステーbにまで届かず、最伸長状態となっている。一方、図18(a)に示すように、鎮圧ローラ34を畝上面18に降ろしていない時、即ち係合部88bがカム部材44の円周部44bへ当接している時は、付勢バネ99の上端部が前記支持ステー97bの下面に当接し、下端部が止め部材89に当接して、付勢バネ99が自由長よりも短い状態に保持される。このとき、止め部材89によって、付勢バネ99の付勢力を受けて、付勢アーム45及びローラアーム98は下方に付勢されている。
【0071】
このように、付勢バネ72を介装した付勢アーム45によって、ローラアーム98を下方向に付勢する構成とすることで、鎮圧ローラ34を自重落下させるだけでなく、ローラアーム98を確実に下方向に揺動させて、鎮圧ローラ34による畝上面18の鎮圧を確実に行うことができる。
【0072】
図18(b)に示すように、植付駆動軸25によってカム部材44が回動されて、係合部88bがカム部材44の切欠部44bに到達すると、付勢バネ99の付勢力及び自重によって、ローラアーム98が案内筒97に沿って下方へ摺動し、鎮圧ローラ34によって畝上面18が鎮圧される。この鎮圧ローラ34が畝上面18に落下して鎮圧するタイミングは、植付爪20L・20Rが畝中から引き抜かれた直後となるように調整されている。
【0073】
そして、図18(a)に示すように、カム部材44が継続して回動され、係合アーム88の係合部88bが切欠部44bの斜面部の形状に沿って案内されて、係合アーム88が徐々に上方に移動される。この係合アーム88の移動に連動して、ローラアーム98が摺動される。係合アーム88の係合部88bが切欠部44bから円周部44aに到達するまで、係合アーム88及びローラアーム98が上方に摺動され、やがて円周部44aに到達すると、係合アーム88は静止され、ローラアーム98及び鎮圧ローラ34も最上位置に上昇された状態で静止される。
【0074】
図19に示すように、「斜め植え」の場合も同様に、カム部材44の回動に従ってローラアーム98や鎮圧ローラ34が上下摺動する。前述したように、「斜め植え」の場合は、枢支ボルト96Tを中心にローラアーム98等ごと案内筒97を回動して、調節ボルト96Bを前記角度調節フレーム94の略前高後低方向に設けられた長孔94bの前端に挿入して固定する。つまり、角度調節フレーム94の長孔94bに沿って案内筒97を回動し、調節ボルト96Bによって固定することによって、鎮圧ローラ34を任意の角度で畝上面18に押さえつけることが可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の一実施例である苗移植機1を示す全体側面図。
【図2】同じく平面図。
【図3】走行機体4下部を示す正面図。
【図4】前輪支持装置9を示す側面図。
【図5】下前輪支持軸46と規制部材47・48を示す斜視図。
【図6】手動左右傾斜制御装置49を示す側面図。
【図7】同じく平面図。
【図8】係合ピン53周辺を示す背面図。
【図9】苗供給機構12を示す背面図。
【図10】同じく平面図。
【図11】(a)軟質部材22cの別実施例を示す背面図。(b)同じく平面図。
【図12】搬送ベルト駆動軸75周辺を示す平面断面図。
【図13】ワンウェイクラッチ70を示す正面断面図。
【図14】爪往復動機構24を示す側面図。
【図15】植付駆動軸25への動力伝達を示す平面図。
【図16】植付爪20L・20Rが開いた状態の爪開閉ローラ機構90を示す背面図。
【図17】同じく閉じた状態を示す背面図。
【図18】(a)「船底植え」の場合の鎮圧前の鎮圧装置14を示す側面図。(b)同じく鎮圧後を示す側面図。
【図19】(a)「斜め植え」の場合の鎮圧前の鎮圧装置14を示す側面図。(b)同じく鎮圧後を示す側面図。
【符号の説明】
【0076】
1 苗移植機
12 苗供給機構
20L・20R 植付爪
23L・23R ローラ
24 爪往復動機構
40 爪開閉カム機構
92 ガイド体
93 弾性部材(爪開きバネ)
100 苗




 

 


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